JP2012174621A - 導光板及び導光板の成形方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属基材板の表面に先端の加工部が円錐であるドリルにより4つの円錐孔を順次穿孔することにより形成された凸部を有するドットスタンパーを、透明な樹脂基材20の背面21に押圧することにより成形され、中央の底部25から導光板2の背面21に向けて該底部25を中心に周囲に広がり、平面視で湾曲状の円錐面の一部から成る4つの傾斜面16と、該4つの傾斜面16のうち互いに隣接する傾斜面16の境界に位置し、平面視が直線であって垂直断面が湾曲状の稜線27を備えた導光板2を製作する。
【選択図】図9
Description
(1)バックライトとして用いられる導光板に入射してきた光を、効率的に反射して出射し、従来の印刷による導光板の面発光の輝度に比べてより高い輝度を得ることができる。また、反射の際に拡散効果を伴うことで、面発光の輝度むらについても少なくすることができ、従来の印刷による導光板と同等以上の性能が得られる。
図6において本発明に係る導光板を成形するドットスタンパー1の斜視図を示し、図10及び図11においてドットスタンパー1で背面に成形された導光板2の複数の光反射用の凹部6を示す。ドットスタンパー1の原材料となる金属の基材は、炭素鋼の材料であって、ある程度の厚みのある金属基材板3が使用される。
本発明に係る導光板2は、プレス機を使用して、上記ドットスタンパー1により導光板2の基材となる透明な樹脂基材板20の背面21を加圧成形して製作する。具体的には、図7(a)に示すように、平坦な板から成る下型23の上に、導光板2の材料となる透明な樹脂基材板20を載置して、この樹脂基材板20を、上方から加圧ヘッド22に取り付けた上型で押圧して導光板2を成形する。
以上のようにして製作された本発明に係る導光板2の作用を、図12で説明する。図12(a)において、光源30として、例えばLEDを使用し、その光を側面から導光板2内に入射させる。その入射光は、光反射用の凹部6の凹湾曲状の傾斜面26で反射されて導光板2の表面から反射光31を出射し、面発光が生じる。図12(b)、(c)は、導光板2の光反射用の凹部6における光の反射、拡散の状態を説明する拡大図である。
以下、ドットスタンパー1を用いて本発明に係る導光板2の具体的な製作例(成形例)を説明する。まず、ドットスタンパー1で導光板2を成形するための導光板の基材の材質、基材厚、成形温度等の成形の前提的な実施態様を説明し、その後で、導光板の面発光の輝度や輝度むらに影響するパラメータの具体例について説明する。
導光板2の基材の材料としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の材料から成る透明な樹脂基材板を使用する。具体的には、液晶パネル用光学シートとして利用されているユニプラス(登録商標名)、住友化学株式会社のPMMAフィルムであるテクノロイ(登録商標名)等を使用する。
樹脂基材板20の厚さは、例えば、0.3mm、0.4mm等とする。
成形温度は、加圧成形した際のドットスタンパー1の温度で、加圧ヘッド22に付設された電熱によるヒータープレート等の加熱器24によって、温度制御された温度であり、例えば、100℃、130℃、160℃等とする。
ドット角度は、ドットスタンパー1の凸部5の傾斜面のなす角度θ2、ドットスタンパー1で形成された導光板2の光反射用の凹部6の開口角度θ3であり、例えば、60°、65°、70°、75°、80°、90°等とする。
ドット密度は、単位面積当たりのドットスタンパー1又はドットスタンパー1で形成された導光板2の光反射用の凹部6の数であるが、ここでは、ドット密度に直接関係するドットスタンパー1の隣接する凸部5又は導光板2の光反射用の凹部6の中心間の間隔であるピッチpで表し、例えば、0.5mm、0.8mm、1.2mm、1.0mm、1.4mm、1.6mm、1.8mm、2.0mm、2.2mm等とする。
該ドットスタンパー1で形成された導光板2の光反射用の凹部6の成形深さdであり、例えば、0.04mm、0.05mm、0.06mm、0.08mm、0.1mm、0.12mm、0.15mm、0.2mm等とする。
本発明者らは、従来の印刷ドットを付した導光板及び円錐ドットを有する導光板を比較例1、2として、これら比較例1、2と本発明の凹部を有する導光板との輝度を比較する検証試験を行った。この検証試験において、パラメータが輝度にどのような影響を与えるか検証した。
検証試験1の検証対象である円錐ドット40を有する導光板41(比較例2)及び本発明に係る導光板2の構成等を図13に示す。印刷ドットを有する導光板(比較例1)については省略する。図13(a)は、従来の円錐ドット40を有する導光板41(比較例2)の平面図及び断面図を示す。図13(b)は本発明に係る導光板2を示し、光反射用の凹部6の稜線17が光源30の方向へ向いている(入射光に対して光反射用の凹部6を◇状に配置した)構成の平面図及び断面図を示す。
(1)本発明に係る導光板2はいずれも、印刷ドットを有する導光板(比較例1)、円錐ドットを有する導光板(比較例2)に較べて、概して面発光により高い輝度が得られる。特に、CS□のケースについては、高い輝度が得られる。CS◇のケースについても、開口角度、ドットピッチ及び成形深さの組み合わせを適宜選択すれば高い輝度が得られる(例えば、CS◇の90度、ピッチ1.0の例参照)。
検証試験2では、印刷ドット(比較例1)、円錐ドット(比較例2)及び本発明の光反射用の凹部6を、それぞれ所定ピッチで複数有する導光ブロック42を、それぞれ2列×5個形成して成る、印刷方式導光板、円錐ドット導光板及び本発明の導光板について検証試験を行った。
(1)条件1の印刷方式導光板に比べ、同じピッチで円錐を成形した条件2、条件3の円錐ドット導光板2〜3倍近い高い輝度を示しており、更に条件4〜条件6の本発明の導光板は、条件1に比べ4.9〜6.5倍の輝度となっている。
2 導光板
3 金属基材板
3’ドットスタンパーの凸部の底部(裾部)
4 ドリル
5 ドットスタンパーの凸部
6 導光板の光反射用の凹部
7 ドリル先端の加工部
8、9、10、11、13、14 第1〜6の円錐孔
12 ドリルの軸の円柱部
15 ドットスタンパーの凸部の頂部
16 ドットスタンパーの凸部の傾斜面
17 ドットスタンパーの凸部の稜線
18 円錐孔の比較的深い部分
20 樹脂基材板
21 樹脂基材板(導光板)の背面
22 加圧ヘッド
23 下型
24 加熱器
25 導光板の光反射用の凹部の底部
26 導光板の光反射用の凹部の傾斜面
27 導光板の光反射用の凹部の稜線
30 光源(例えばLED)
31 反射光
32 ドットスタンパーの端辺
40 円錐ドット
41 円錐ドットを有する従来の導光板
42 導光ブロック(ドットを配列する範囲)
Claims (12)
- 金属基材板の表面に複数の凸部を有する金型を使用し、該複数の凸部を透明な樹脂基材板の背面に押圧して複数の光拡散用の凹部を背面に有する導光板を成形する導光板の成形方法であって、
前記金型の複数の凸部は、それぞれ金属基材板の表面に先端の加工部が円錐であるドリルにより3つ以上の円錐孔を順次穿孔することにより形成されたものであって、しかも、前記凸部は、前記3つ以上の円錐孔を順次穿孔する際に、金型の表面において、互いに隣接する円錐孔の一部が重複するように穿孔することにより、3つ以上の円錐孔で囲まれ穿孔されていない金属基材板の部分を頂部として、該頂部を中心に周囲に広がり、平面視で湾曲状の円錐面の一部から成る3つ以上の傾斜面と、該3つ以上の傾斜面のうち互いに隣接する傾斜面の境界に位置し、平面視が直線であって垂直断面が湾曲状の稜線と、を備えた構成であり、
前記金型の凸部を透明な樹脂基材板の背面に押圧することにより、中央の底部から導光板の背面に向けて該底部を中心に周囲に広がり、平面視で湾曲状の円錐面の一部から成る3つ以上の傾斜面と、該3つ以上の傾斜面のうち互いに隣接する傾斜面の境界に位置し、平面視が直線であって垂直断面が湾曲状の稜線と、を備えた前記複数の光拡散用の凹部を成形することを特徴とする導光板の成形方法。 - 金属基材板の表面に複数の凸部を有する金型を使用し、該複数の凸部を透明な樹脂基材板の背面に押圧して複数の光拡散用の凹部を背面に有する導光板を成形する導光板の成形方法であって、
前記金型の複数の凸部は、それぞれ金属基材板の表面に先端の加工部が円錐であるドリルにより4つの円錐孔を順次穿孔することにより形成されたものであって、しかも、前記凸部は、前記4つの円錐孔を順次穿孔する際に、金型の表面において、互いに隣接する円錐孔の一部が重複するように穿孔することにより、4つの円錐孔で囲まれ穿孔されていない金属基材板の部分を頂部として、該頂部を中心に周囲に広がり、平面視で湾曲状の円錐面の一部から成る4つの傾斜面と、該4つの傾斜面のうち互いに隣接する傾斜面の境界に位置し、平面視が直線であって垂直断面が湾曲状の稜線と、を備えた構成であり、
前記金型の凸部を透明な樹脂基材板の背面に押圧することにより、中央の底部から導光板の背面に向けて該底部を中心に周囲に広がり、平面視で湾曲状の円錐面の一部から成る4つの傾斜面と、該4つの傾斜面のうち互いに隣接する傾斜面の境界に位置し、平面視が直線であって垂直断面が湾曲状の稜線と、を備えた前記複数の光拡散用の凹部を成形することを特徴とする導光板の成形方法。 - 前記金型の凸部は、ドリルの加工部の円錐の角度及び互いに隣接する円錐孔の中心間の間隔であるピッチに応じて、所定の傾斜面のなす角度及び密度に形成されており、
該金型の凸部の傾斜面のなす角度、密度、及び該凸部を樹脂基材板の背面に押圧する深さに応じて、前記導光板の凹部を所定の開口角度、密度、及び成形深さに成形することを特徴とする請求項1又は2に記載の導光板の成形方法。 - 前記金型を複数、加圧ヘッドに取り付けて、樹脂基材板の背面に押圧して、複数の金型に対応した複数の導光ブロックを備えた導光板を成形することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の導光板の成形方法。
- 前記複数の金型として、凸部の高さ、密度及び傾斜面のなす角度が全て同じである複数の金型を使用し、又は凸部の高さ、密度及び傾斜面のなす角度のいずれか1つ以上が異なる複数の金型を組み合わせて使用し、複数の金型に対応し、光拡散用の凹部の成形深さ、密度及び開口角度が全て同じである複数の導光ブロックを成形する、又は光拡散用の凹部の成形深さ、密度及び開口角度のいずれか1つ以上が異なる複数の導光ブロックを組み合わせて成形することを特徴とする請求項4に記載の導光板の成形方法。
- 前記金型を加熱器によって温度制御して加熱することで、該複数の凸部で透明な樹脂基材板の背面を加熱し軟化させながら押圧して複数の光拡散用の凹部を背面に有する導光板を成形することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の導光板の成形方法。
- 金属基材板の表面に複数の凸部を有する金型を使用し、該複数の凸部を透明な樹脂基材板の背面に押圧して成形された複数の光拡散用の凹部を背面に有する導光板であって、
前記金型の複数の凸部は、それぞれ金属基材板の表面に先端の加工部が円錐であるドリルにより3つ以上の円錐孔を順次穿孔することにより形成されたものであって、しかも、前記凸部は、前記3つ以上の円錐孔を順次穿孔する際に、金型の表面において、互いに隣接する円錐孔の一部が重複するように穿孔することにより、3つ以上の円錐孔で囲まれ穿孔されていない金属基材板の部分を頂部として、該頂部を中心に周囲に広がり、平面視で湾曲状の円錐面の一部から成る3つ以上の傾斜面と、該3つ以上の傾斜面のうち互いに隣接する傾斜面の境界に位置し、平面視が直線であって垂直断面が湾曲状の稜線と、を備えた構成であり、
前記光拡散用の凹部は、前記金型の凸部を透明な樹脂基材板の背面に押圧することにより成形され、中央の底部から導光板の背面に向けて該底部を中心に周囲に広がり、平面視で湾曲状の円錐面の一部から成る3つ以上の傾斜面と、該3つ以上の傾斜面のうち互いに隣接する傾斜面の境界に位置し、平面視が直線であって垂直断面が湾曲状の稜線と、を備えた構成であることを特徴とする導光板。 - 金属基材板の表面に複数の凸部を有する金型を使用し、該複数の凸部を透明な樹脂基材板の背面に押圧して成形された複数の光拡散用の凹部を背面に有する導光板であって、
前記金型の複数の凸部は、それぞれ金属基材板の表面に先端の加工部が円錐であるドリルにより4つの円錐孔を順次穿孔することにより形成されたものであって、しかも、前記凸部は、前記4つの円錐孔を順次穿孔する際に、金型の表面において、互いに隣接する円錐孔の一部が重複するように穿孔することにより、4つの円錐孔で囲まれ穿孔されていない金属基材板の部分を頂部として、該頂部を中心に周囲に広がり、平面視で湾曲状の円錐面の一部から成る4つの傾斜面と、該4つの傾斜面のうち互いに隣接する傾斜面の境界に位置し、平面視が直線であって垂直断面が湾曲状の稜線と、を備えた構成であり、
前記光拡散用の凹部は、前記金型の凸部を透明な樹脂基材板の背面に押圧することにより成形され、中央の底部から導光板の背面に向けて該底部を中心に周囲に広がり、平面視で湾曲状の円錐面の一部から成る4つの傾斜面と、該4つの傾斜面のうち互いに隣接する傾斜面の境界に位置し、平面視が直線であって垂直断面が湾曲状の稜線と、を備えた構成であることを特徴とする導光板。 - 前記金型の凸部は、ドリルの加工部の円錐の角度及び互いに隣接する円錐孔の中心間の間隔であるピッチに応じて、所定の傾斜面のなす角度及び密度に形成されており、
前記導光板の凹部は、該金型の凸部の傾斜面のなす角度、密度、及び該凸部を樹脂基材板の背面に押圧する深さに応じて、所定の開口角度、密度、及び成形深さに成形されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の導光板。 - 前記金型が複数、加圧ヘッドに取り付けられて、樹脂基材板の背面に押圧されて、複数の金型に対応して成形された複数の導光ブロックを備えた構成であることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の導光板。
- 前記複数の金型は、凸部の高さ、密度及び傾斜面のなす角度が全て同じである複数の金型である、又は凸部の高さ、密度及び傾斜面のなす角度のいずれか1つ以上が異なる複数の金型であり、前記複数の導光ブロックは、前記複数の金型に対応して成形され、光拡散用の凹部の成形深さ、密度及び開口角度が全て同じである、又は光拡散用の凹部の成形深さ、密度及び開口角度のいずれか1つ以上が異なる構成であることを特徴とする請求項10に記載の導光板。
- 前記金型を加熱器によって温度制御して加熱することで、複数の凸部で透明な樹脂基材板の背面を加熱し軟化させながら押圧して成形された複数の光拡散用の凹部を有する構成であることを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の導光板。
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