JP2012174514A - 溶融塩電池用の電極及び溶融塩電池 - Google Patents

溶融塩電池用の電極及び溶融塩電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 容量を大きくすることができる溶融塩電池用の電極及び溶融塩電池を提供する。
【解決手段】 板状部材110は、平面形状の平面部111と、両面に、一方面に対して凹状となり、かつ、他方面に対して凸状となる折り曲げ部112とを有している。折り曲げ部112は、一方面から他方面に貫通する貫通部113を備えている。また、折り曲げ部112の凹状となる内周面と平面部111とがなす角度θは90度よりも大きくなっている。また、折り曲げ部112の凹状となる内周面は、貫通部113に近くなるほど前記なす角度θが小さくなるように湾曲している。
【選択図】 図3

Description

本発明は、溶融塩電池用の電極に関する。
電池の電解質として、FSI(ビスフルオロスルフォニルイミド)イオン及び/又はTFSI(ビストリフルオロメチルスルフォニルイミド)イオンをアニオンとして含むとともに、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のいずれか一種であるMのイオンをカチオンとして含む溶融塩を用いることが検討されている(特許文献1)。
上記の溶融塩は、従来知られている溶融塩に比べて融点が低く、かつ、不燃性であるため、これを電解質として用いた溶融塩電池は、安全性が高く、かつ、エネルギー密度が高い電池となる。
一方、電池の電極としては、例えば、リチウムイオン電池の電極として、アルミニウム箔の両面に活物質を塗布した電極(特許文献2)やアルミニウムの金属多孔体の空孔内に活物質を充填した電極が知られている(特許文献3)。
特開2009−67644号公報 特開平11−067220号公報 特開平8−170126号公報
溶融塩電池を作製する場合、上述のアルミニウム箔の両面に粒状の活物質を塗布した電極を用いることが考えられるが、この電極では溶融塩電池の容量(充電容量と放電容量の両方を含む)を大きくすることが困難である。
すなわち、この電極を用いた場合、容量を増やすべく塗布する活物質の層の厚みを大きくすると、活物質から集電体までの距離が大きくなり、活物質から集電体までの距離と電気抵抗とは相関関係にあることから、活物質の利用率が低下するという問題がある。
さらに、容量を増やすべく積層する電極の数を多くすると、組み立ての工数や難度、コストや不良率が増大するだけでなく、正極と負極とを隔てるセパレータや、電極に用いる集電体の数が増大するため、容量密度の低下を招くという問題がある。
また、上述のアルミニウムの金属多孔体の空孔内に粒状の活物質を充填した電極を用いることも考えられるが、この電極は安価に製造することができないという問題がある。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、容量を大きくすることができるとともに、安価に製造することができる溶融塩電池用の電極及び溶融塩電池を提供することを目的とする。
第1発明に係る溶融塩電池用の電極は、アルミニウムを主成分とする板状部材を集電体とする溶融塩電池用の電極であって、前記板状部材は、平面部と、一方面に対して凹状となり、かつ、他方面に対して凸状となる折り曲げ部とを有し、前記折り曲げ部の凹状となる内周面に囲まれた孔部には、粒状の活物質が充填されている(請求項1)。
第1発明によれば、集電体に粒状の活物質を厚く塗布すると、板状部材の折り曲げ部の凹状となる内周面に囲まれた孔部には活物質が充填される。折り曲げ部の内周面の上部(すなわち、折り曲げ部のうち平面部に近い部分)からは距離が遠い活物質であっても、折り曲げ部の内周面の底部(すなわち、折り曲げ部のうち平面部から離れた部分)からは距離が近い場合があり、板状部材に折り曲げ部が設けられていない場合に比べて、活物質と板状部材との距離は近くなる。これにより、溶融塩電池の容量を大きくすることができる。
また、折り曲げ部を有する板状部材は、金属多孔体に比べて安価に製造することができるので、電極の製造コストを抑えることができる。
また、第2発明に係る溶融塩電池用の電極は、アルミニウムを主成分とする板状部材を集電体とする溶融塩電池用の電極であって、前記板状部材は、平面部と、一方面に対して凹状となり、かつ、他方面に対して凸状となる第一の折り曲げ部と、前記一方面に対して凸状となり、かつ、前記他方面に対して凹状となる第二の折り曲げ部とを有し、前記折り曲げ部の凹状となる内周面に囲まれた孔部には、粒状の活物質が充填されている(請求項2)。
板状部材の両面に活物質を充填して厚膜化する場合、折り曲げ部が板状部材の片面にのみ設けられていると、折り曲げ部が設けられていない方の面の表層近くの活物質と板状部材との距離が遠くなるが、この第2発明のように、折り曲げ部が板状部材の両面に設けられていると、どちらの面でも表層近くの活物質と板状部材との距離が近くなる点でより好ましい。
第1発明又は第2発明において、前記折り曲げ部には、前記一方面から前記他方面に貫通する貫通部を備えることが好ましい(請求項3)。
粒状の活物質をローラーによって集電体に塗布する場合、折り曲げ部に貫通部が備わっていると、折り曲げ部の凹状となる内周面に囲まれた孔部に空気が溜まらないので、この孔部に隈なく活物質を充填することができる。これにより、溶融塩電池の容量を大きくすることができる。
また、前記折り曲げ部の前記凹状となる内周面と前記平面部とがなす角度は、90度よりも大きいことが好ましい(請求項4)。
折り曲げ部の凹状となる内周面と平面部とがなす角度が90度である場合、この電極を用いた溶融塩電池が充放電を繰り返すと、活物質は折り曲げ部の凹状となる内周面にひっかかりにくく、この内周面に囲まれた孔部から脱落しやすい。
これに対し、前記なす角度を90度よりも大きくすると、この電極を用いた溶融塩電池が充放電を繰り返しても、活物質は折り曲げ部の凹状となる内周面にひっかかりやすく、この内周面に囲まれた孔部から脱落しにくい。これにより、溶融塩電池の容量を大きくすることができる。
また、前記折り曲げ部の前記凹状となる内周面は、前記貫通部に近いほど前記なす角度が小さくなるように湾曲していることが好ましい(請求項5)。
このように湾曲していることで、折り曲げ部の凹状となる内周面に囲まれた孔部の径が貫通部に近いほど小さくなるため、この電極を用いた溶融塩電池が充放電を繰り返しても、孔部から貫通部の外へ脱落する活物質の数は少なくなる。これにより、溶融塩電池の容量を大きくすることができる。
第3発明に係る溶融塩電池は、第1発明又は第2発明に係る電極を備える溶融塩電池である(請求項6)。
第3発明によれば、容量が大きく、かつ、安価に製造することができる溶融塩電池を提供することができる。
第4発明に係る溶融塩電池は、複数の第1発明に係る第1電極と、1又は複数の第2発明に係る第2電極とを備える溶融塩電池であって、前記複数の第1電極及び前記1又は複数の第2電極を収容する電池容器を備え、前記電池容器の内側面は絶縁皮膜を備え、前記複数の第1電極及び前記1又は複数の第2電極のうち、前記電池容器の内側面に対向する面を有する電極は前記第1電極であり、前記電池容器の内側面に対向する面を有する第1電極においては、前記板状部材の折り曲げ部は、当該対向する面に対して凹状となり、かつ、反対面に対して凸状となる(請求項7)。
第4発明によれば、容量が大きく、かつ、安価に製造することができる溶融塩電池を提供することができる。
また、電池容器の内側面に対向する面を有する電極において、折り曲げ部が板状部材の両面に設けられていると、溶融塩電池の充電時に電池容器内の複数の電極の活物質が膨張することによって、電池容器の内側面に対向する面を有する電極が電池容器の内側面に押しつけられ、この電極の前記対向する面に対して凸状となり、かつ、反対面に対して凹状となる折り曲げ部が電池容器の内側面に設けられた絶縁皮膜を突き破るおそれがある。
この点、この電極における板状部材の折り曲げ部が、電池容器の内側面に対向する面にのみ設けられている、すなわち、当該対向する面に対して凹状となり、かつ、反対面に対して凸状となっているものであれば、溶融塩電池の充電時に活物質が膨張して、電池容器の内側面に対向する面を有する電極が電池容器の内側面に押しつけられても、この電極には前記対向する面に対して凸状となり、かつ、反対面に対して凹状となる折り曲げ部がないことから、電池容器の内側面に設けられた絶縁皮膜を突き破るおそれがない。これにより、容量を安定して保持することが可能となる。
本発明によれば、溶融塩電池の容量を大きくすることができるとともに、製造コストを抑制することができる。
Aは、実施の形態1に係る溶融塩電池の構成例を模式的に示す上面図であり、Bは、溶融塩電池の模式的な正面視の透視図である。 実施の形態1に係る溶融塩電池の正極の集電体の斜視図である。 (a)は図2のA−A断面図、(b)は図2のB−B断面図、(c)は図2のC−C断面図である。 図3(a)において点線で囲まれた部分の拡大図である。 両面に合剤を充填して、乾燥後にプレスを実施した後の板状部材の断面を模式的に示す図である。 比較例としての板状部材の断面を模式的に示す図である。 変形例としての板状部材の断面を模式的に示す図である。 変形例としての板状部材の断面を模式的に示す図である。 実施の形態2に係る溶融塩電池において、電池容器の側壁の内周面に対向する面を有する正極を拡大した図である。 比較例2に係る溶融塩電池の正極の集電体の斜視図である。
実施の形態1:
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1Aは、実施の形態1に係る溶融塩電池の構成例を模式的に示す上面図であり、図1Bは、溶融塩電池の模式的な正面視の透視図である。
図中6は、溶融塩電池1を構成する電池容器であり、アルミニウム合金からなる。電池容器6は、中空で有底の略直方体形状をなしている。電池容器6の内側は、フッ素コートやアルマイト処理によって絶縁処理が施されている。電池容器6内には、5つの負極21と、袋状のセパレータ31に各別に収容された5つの正極11とが、横方向(図では前後方向)に並設されている。
負極21は、負極活物質である錫がメッキされたアルミニウムのSnNa合金板からなる。アルミニウムは、正/負各電極の集電体に適した材料であり、且つ溶融塩に対して耐腐食性を有する。
正極11は、アルミニウムの板状部材110(後述の図2参照)からなる集電体である。板状部材110は、アルミニウム箔を加工したものであり、詳細については後述する。この板状部材110の両面に、粒状の正極活物質であるNaCrOとカーボン粉末からなる導電助剤とバインダ(PVDF)とピロリドンとを含む合剤(スラリー)を充填し、乾燥後にプレスを実施してある。
セパレータ31は、溶融塩電池が動作する温度で溶融塩に対する耐性を有するガラス不織布からなり、多孔質に且つ袋状をなすように形成されている。セパレータ31は、負極21及び正極11と共に、略直方体状の電池容器内に満たされた溶融塩7の液面より下側に位置するように浸漬されている。
タブリード13、23は、積層された正極及び負極を含む発電要素全体と外部の電気回路とを接続するための外部電極の役割を果たすものであり、溶融塩7の液面より上側に位置するようにしてある。溶融塩7は、FSI(ビスフルオロスルフォニルイミド)又はTFSI(ビストリフルオロメチルスルフォニルイミド)系アニオンと、ナトリウム及び/又はカリウムのカチオンとからなるが、これに限定されるものではない。
負極21の上端部には、電池容器6の一方の側壁61に近い側に、電流を取り出すための矩形のタブ(導線)22の下端部が接合されている。タブ22の上端部は、矩形平板状のタブリード23の下面に接合されている。
正極11の上端部には、電池容器6の他方の側壁62に近い側に、電流を取り出すための矩形のタブ12の下端部が各別に接合されている。タブ12の上端部は、矩形平板状のタブリード13の下面に接合されている。
これにより、負極21、セパレータ31及び正極11からなる発電要素が、5つ並列に接続される。
なお、タブ22、12は、厚みがそれぞれ負極21、正極11と同程度であり、図1Aのように上から見ると負極21、正極11と区別がつきにくいことから、図1Aではタブ22、12の図示を省略している。
上述した構成において、図示しない外部の加熱手段により、電池容器全体が所定の温度(例えば、85℃〜95℃)に加熱されることにより、溶融塩7が融解して充電及び放電が可能となる。
ここで、正極11を構成する板状部材110について詳述する。板状部材110は、アルミニウム箔を針付きのプレス(図示せず)にて両面から穴開け加工をしたものである。
この加工に要するコストは、特許文献3に記載のアルミニウムの金属多孔体を製造するのに要するコストよりも小さいので、本実施の形態においては、正極11の製造コストを抑制することができる。
図2は実施の形態1に係る溶融塩電池の正極の集電体の斜視図であり、図3(a)は図2のA−A断面図、(b)は図2のB−B断面図、(c)は図2のC−C断面図である。
図3(a)(b)に示すように、板状部材110は、平面形状の平面部111と、両面に、一方面に対して凹状となり、かつ、他方面に対して凸状となる折り曲げ部112とを有している。
図3(c)においては、平面部111は見られず、折り曲げ部112のみが見られる。
図3(a)においてはP面が一方面、Q面が他方面であり、図3(b)においてはQ面が一方面、P面が他方面であり、図3(c)においては、P面、Q面はともに一方面、他方面の双方に該当している。
折り曲げ部112は、一方面から他方面に貫通する矩形の貫通部113を備えている。なお、貫通部113は矩形に限定されず、円形であっても良い。
また、折り曲げ部112の凹状となる内周面(図3(a)ではP面側、図3(b)ではQ面側)と平面部111とがなす角度θは90度よりも大きくなっている。114は、折り曲げ部112の凹状となる内周面に囲まれた孔部である。
なお、図3(c)において、板状部材110の板厚は250μmとなっているが、板状部材110の板厚はこの250μmに限定されるわけではない。
図4は、図3(a)において点線で囲まれた部分の拡大図である。
折り曲げ部112の凹状となる内周面(図4ではP面)において、平面部111と接する境目であるXkにおける上記なす角度θ(Xk)は90度よりも大きく、180度に近い角度となっている。
また、折り曲げ部112の内周面の点Xlにおける上記なす角度θ(Xl)は90度よりも大きいが、上記θ(Xk)よりも小さい角度となっている。
また、折り曲げ部112の内周面の点Xmにおける上記なす角度θ(Xm)は90度よりも大きいが、上記θ(Xl)よりも小さい角度になっている。
さらに、折り曲げ部112の内周面の点Xnにおける上記なす角度θ(Xn)は90度よりも大きいが、上記θ(Xm)よりも小さい角度になっている。
このように、折り曲げ部112の凹状となる内周面は、貫通部113に近くなるほど前記なす角度θが小さくなるように湾曲している。
図5は、両面に合剤を充填して、乾燥後にプレスを実施した後の板状部材の断面を模式的に示す図であり、図5(a)(b)(c)はそれぞれ図3(a)(b)(c)の断面図に対応している。図中の白丸は活物質NaCrOを表している。
図5(a)を参照して、折り曲げ部112の凹状となる内周面に囲まれた孔部114には活物質が充填されている。このうちのある活物質119は、折り曲げ部112の内周面の上部112b(折り曲げ部112のうち、平面部111に近い部分)からは距離が遠くなっているが、折り曲げ部112の内周面の底部112a(折り曲げ部112の内周面のうち、貫通部113に近い部分)からは距離が近くなっている(距離L)。
また、板状部材110に折り曲げ部112が設けられていない場合、活物質119は板状部材110との距離がL’となるため、本実施の形態においては活物質119と板状部材110との距離をより短いLにすることができる。
従って、本実施の形態においては、溶融塩電池1の電池容量を大きくすることができる。
なお、図5(a)(b)(c)において、合剤充填後の板状部材110の板厚は450μmとなっているが、合剤充填後の板状部材110の板厚はこの450μmに限定されるわけではない。
図6は、比較例としての板状部材の断面を模式的に示す図である。この比較例に係る板状部材は、アルミニウム板がパンチング加工されたものであり、孔部1141の周りの板状部材1101の内周面と平面部1111とのなす角度は90度となっている。この場合、溶融塩電池1が充放電を繰り返すと、活物質は孔部1141の周りの板状部材1101の内周面にひっかかりにくく、孔部1141から脱落しやすい。
この点、本実施の形態においては、折り曲げ部112の凹状となる内周面と平面部111とがなす角度θが90度よりも大きいため、溶融塩電池1が充放電を繰り返しても、活物質が折り曲げ部112の凹状となる内周面にひっかかりやすく、孔部114から脱落しにくい。
従って、本実施の形態においては、溶融塩電池1の電池容量を大きくすることができる。
図7は、変形例としての板状部材の断面を模式的に示す図である。この変形例に係る板状部材は、上述の実施の形態と同様にアルミニウム箔を加工したものであるが、折り曲げ部1122は貫通部を備えていない。
この変形例であっても、折り曲げ部1122の内周面の上部(すなわち、折り曲げ部1122のうち平面部1112に近い部分)からは距離が遠い活物質であっても、折り曲げ部1122の内周面の底部(すなわち、折り曲げ部1122のうち平面部1112から離れた部分)からは距離が近い場合があり、板状部材に折り曲げ部が設けられていない場合に比べて、活物質と板状部材との距離は近くなる。これにより、溶融塩電池の容量を大きくすることができる。
また、折り曲げ部1122を有する板状部材は、金属多孔体に比べて安価に製造することができるので、電極の製造コストを抑えることができる。
ただし、この変形例の場合、活物質をローラーによって板状部材に塗布する場合、折り曲げ部1122の凹状となる内周面に囲まれた孔部1142に空気が溜まり、当該孔部1142に隈なく活物質を充填することができないおそれがある。
この点、上述の実施の形態においては、折り曲げ部112は貫通部113を備えるので、活物質をローラーによって板状部材に塗布する場合であっても、折り曲げ部112の凹状となる内周面に囲まれた孔部114に空気が溜まらないので、当該孔部114に隈なく活物質を充填することができる。
従って、上述の実施の形態のように、折り曲げ部は貫通部を備える方がより好ましい。
図8は、変形例としての板状部材の断面を模式的に示す図である。この変形例に係る板状部材は、上述の実施の形態と同様にアルミニウム箔を加工したものであるが、折り曲げ部1123の凹状となる内周面は、当該内周面と平面部1113とがなす角度θが一定となっており、上述の実施の形態のように貫通部1133に近くなるほど前記なす角度θが小さくなるように湾曲していない。
この変形例であっても、折り曲げ部1123の内周面の上部(すなわち、折り曲げ部1123のうち平面部1113に近い部分)からは距離が遠い活物質であっても、折り曲げ部1123の内周面の底部(すなわち、折り曲げ部1123のうち平面部1113から離れた部分)からは距離が近い場合があり、板状部材に折り曲げ部が設けられていない場合に比べて、活物質と板状部材との距離は近くなる。これにより、溶融塩電池の容量を大きくすることができる。
また、折り曲げ部1123を有する板状部材は、金属多孔体に比べて安価に製造することができるので、電極の製造コストを抑えることができる。
また、折り曲げ部1123は貫通部1133を備えるので、活物質をローラーによって板状部材に塗布する場合であっても、折り曲げ部1123の凹状となる内周面に囲まれた孔部1143に空気が溜まらないので、当該孔部1143に隈なく活物質を充填することができる。
ただし、この変形例の場合、溶融塩電池1が充放電を繰り返すと、活物質は折り曲げ部1123の凹状となる内周面に囲まれた孔部1143から貫通部1133の外へ脱落しやすい傾向がある。
この点、上述の実施の形態においては、折り曲げ部112の凹状となる内周面は、貫通部113に近いほど、当該内周面と平面部112とがなす角度θが小さくなるように湾曲していることで、折り曲げ部112の凹状となる内周面に囲まれた孔部114の径が貫通部113に近いほど小さくなるため、溶融塩電池1が充放電を繰り返しても、孔部114から貫通部113の外へ脱落する活物質の数は少なくなる。
従って、上述の実施の形態のように、折り曲げ部の凹状となる内周面は、貫通部に近いほど、当該内周面と平面部とがなす角度θが小さくなるように湾曲している方がより好ましい。
上述の実施の形態においては、板状部材110はアルミニウムで構成されていたが、これに限定されず、アルミニウムを主成分とする合金で構成されていても良い。
また、上述の実施の形態においては、全ての正極11は、板状部材110の両面に、一方面に対して凹状となり、かつ、他方面に対して凸状となる折り曲げ部112を有する構成であったが、これに限られず、全ての正極11が板状部材110の片面にのみ折り曲げ部112を有する構成となっていても良い。しかし、図5に示すように板状部材110の両面に合剤を充填して厚膜化した場合、板状部材110の片面にのみ折り曲げ部112を有する正極11では、折り曲げ部112がない方の正極11の面の表層近くの活物質と板状部材110との距離は遠くなるため、板状部材110の両面に折り曲げ部112を有する正極11の方が、正極11のどちらの面でも表層近くの活物質と板状部材110との距離が近くなる点でより好ましい。
また、板状部材110の両面に折り曲げ部112を有する正極11と、板状部材110の片面にのみ折り曲げ部112を有する正極11とが混在する構成となっていても良い。
実施の形態2:
本実施の形態2では、正極11のうち、電池容器6の側壁63の内側面に対向する面を有する正極11については、板状部材110の片面にのみ、折り曲げ部112を有する構成となっている。
図9は、実施の形態2に係る溶融塩電池において、電池容器の側壁の内周面に対向する面を有する正極を拡大した図である。
図9に示すように、電池容器6の側壁63の内側面63aに対向する面11aを有する正極11については、板状部材110の折り曲げ部112は、当該対向する面11aに対して凹状となり、この面11aの反対面11bに対して凸状となっている。
電池容器6の内側は、上述のように、短絡を防ぐためにフッ素コートやアルマイト処理によって絶縁処理を施してある。上述の実施の形態1のように、両面に折り曲げ部112を有する板状部材110からなる集電体を、内側面63aに対向する面を有する正極11として用いると、充電時に電池容器6内の複数の正極11の活物質が膨張することによって、内側面63aに対向する面を有する正極11が内側面63aに押しつけられ、この正極11の内側面63aに対向する面に対して凸状となり、かつ、反対面に対して凹状となる折り曲げ部112が内側面63aに設けられた絶縁皮膜を突き破るおそれがある。
この点、本実施の形態2のように、この正極11に、電池容器6の側壁63の内側面63aに対向する面11aに対して凹状となり、この反対面11bに対して凸状となる折り曲げ部112を有する板状部材110からなる集電体を用いれば、充電時に活物質が膨張して、内側面63aに対向する面11aを有する正極11が内側面63aに押しつけられても、この正極11には前記対向する面11aに対して凸状となり、かつ、反対面11bに対して凹状となる折り曲げ部112がないことから、内側面63aに設けられた絶縁皮膜を突き破るおそれがない。
これにより、本実施の形態2に係る溶融塩電池1は、容量を安定して保持することが可能となる。
<実施例1>
上述の実施の形態1と同じである。
正極11を構成する板状部材110については、まず、約20μmの板厚のアルミニウム箔に穴開け加工が行われ、約250μmの板厚に形成される。板状部材110の矩形の貫通部113の1辺の長さは約190μm、隣接する貫通部113のピッチは約450μmである。
この板状部材110の両面に、粒状の正極活物質であるNaCrO8.5gとカーボン粉末からなる導電助剤1gとバインダ(PVDF)5gとピロリドン5gとを含む合剤(スラリー)を充填し、乾燥後に1000kgf/cmでプレスを実施することにより、板状部材110は最終的に450μmの板厚に形成されている。
また、負極21については、約120μmの板厚に形成されている。
<比較例1>
正極11は、約20μmの板厚のアルミニウム箔からなる集電体である。実施例1と同様に、集電体の両面に、粒状の正極活物質であるNaCrOを8.5gとカーボン粉末からなる導電助剤1gとバインダ(PVDF)5gとピロリドン5gとを含む合剤を充填し、乾燥後に1000kgf/cmでプレスを実施している。最終的に220μmの板厚に形成してある。
負極21、セパレータ31は実施例1と同じである。
<比較例2>
正極11は、アルミニウムエキスパンドメタルからなる集電体である
図10は、比較例2に係る溶融塩電池の正極の集電体の斜視図である。図10を参照して、厚さは0.1mmであり、LWDは2mm、SWDは1.1mm、ストランド幅は0.1mmとなっている。
実施例1と同様に、集電体の両面に、粒状の正極活物質であるNaCrOを8.5gとカーボン粉末からなる導電助剤1gとバインダ(PVDF)5gとピロリドン5gとを含む合剤を充填し、乾燥後に1000kgf/cmでプレスを実施している。最終的に300μmの板厚に形成してある。
負極21、セパレータ31は実施例1と同じである。
<実施例と比較例の対比>
それぞれの正極11を用いて充放電評価を実施した。溶融塩7を90℃に加温し、充放電レートは0.1Cにて実施している。
評価結果は表1の通りである。
Figure 2012174514
実施例1では、初回の電池容量は60mAh、50サイクル後の電池容量は55mAhとなっており、50サイクル後でも電池容量があまり減少していないことがわかる。
一方、比較例1では、初回の電池容量は30mAh、50サイクル後の電池容量は28mAhとなっており、50サイクル後でも電池容量はあまり減少していないものの、初回も50サイクル後も実施例1に比べて、電池容量が約半分程度とかなり劣っていることがわかる。
また、比較例2では、初回の電池容量は47mAh、50サイクル後の電池容量は23mAhとなっており、初回の電池容量は実施例1に比べてそれほど劣っていないものの、50サイクル後の電池容量が初回に比べて約半減しており、実施例1に比べて電池容量を維持する効果が劣っていることがわかる。
以上のように、実施例1に係る正極11は、比較例1,2に係る正極11に比べて、初回の電池容量が大きく、かつ、50サイクル後の電池容量も初回に比べて遜色ない値に維持する効果を有することがわかった。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、上述の実施の形態においては、正極が、折り曲げ部を有する板状部材を集電体とする構成であったが、これに限定されるわけではなく、負極が、折り曲げ部を有する板状部材を集電体とする構成であっても良い。
1 溶融塩電池
11 正極、 110 板状部材、 111 平面部、 112 折り曲げ部、 113 貫通部、 114 孔部、 119 活物質
12 タブ、 13 タブリード
21 負極、 22 タブ、 23 タブリード
31 セパレータ
6 電池容器、 61、62、63 側壁
7 溶融塩

Claims (7)

  1. アルミニウムを主成分とする板状部材を集電体とする溶融塩電池用の電極であって、
    前記板状部材は、
    平面部と、
    一方面に対して凹状となり、かつ、他方面に対して凸状となる折り曲げ部とを有し、
    前記折り曲げ部の凹状となる内周面に囲まれた孔部には、粒状の活物質が充填されている、
    溶融塩電池用の電極。
  2. アルミニウムを主成分とする板状部材を集電体とする溶融塩電池用の電極であって、
    前記板状部材は、
    平面部と、
    一方面に対して凹状となり、かつ、他方面に対して凸状となる第一の折り曲げ部と、
    前記一方面に対して凸状となり、かつ、前記他方面に対して凹状となる第二の折り曲げ部とを有し、
    前記折り曲げ部の凹状となる内周面に囲まれた孔部には、粒状の活物質が充填されている、
    溶融塩電池用の電極。
  3. 前記折り曲げ部には、前記一方面から前記他方面に貫通する貫通部を備える、
    請求項1又は2に記載の溶融塩電池用の電極。
  4. 前記折り曲げ部の前記凹状となる内周面と前記平面部とがなす角度は、90度よりも大きい、
    請求項3に記載の溶融塩電池用の電極。
  5. 前記折り曲げ部の前記凹状となる内周面は、前記貫通部に近いほど前記なす角度が小さくなるように湾曲している、
    請求項4に記載の溶融塩電池用の電極。
  6. 請求項1又は2に記載の電極を備える溶融塩電池。
  7. 複数の請求項1に記載の第1電極と、1又は複数の請求項2に記載の第2電極とを備える溶融塩電池であって、
    前記複数の第1電極及び前記1又は複数の第2電極を収容する電池容器を備え、
    前記電池容器の内側面は絶縁皮膜を備え、
    前記複数の第1電極及び前記1又は複数の第2電極のうち、前記電池容器の内側面に対向する面を有する電極は前記第1電極であり、
    前記電池容器の内側面に対向する面を有する第1電極においては、前記板状部材の折り曲げ部は、当該対向する面に対して凹状となり、かつ、反対面に対して凸状となる、
    溶融塩電池。
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