JP2012174439A - リチウムイオン電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属異物の発生ポテンシャルを低減することにより、金属異物に起因する内部短絡を抑制して信頼性向上を図ることができるリチウムイオン電池を提供する。
【解決手段】正極集電タブPTABを正極集電リングPRと正極外リングPERで挟み込んで接続する。つまり、正極集電リングPRと正極外リングPERで複数の正極集電タブPTABを挟み込むという機構で、複数の正極集電タブPTABと正極集電リングPRとを電気的に接続している。このような機構によれば、正極集電リングPRと正極外リングPERで複数の正極集電タブPTABを挟み込んでいるだけであるので、超音波溶着のように金属異物が発生することを抑制できる。
【選択図】図8

Description

本発明は、リチウムイオン電池に関し、特に、電極捲回体を有するリチウムイオン電池に適用して有効な技術に関する。
例えば、特開2009−176449号公報(特許文献1)、特開2009−187724号公報(特許文献2)、および、特開2010−80233号公報(特許文献3)には、電極捲回体の集電タブと集電リングとをリボンを用いた超音波溶着で接続する技術が記載されている。
特開2009−176449号公報 特開2009−187724号公報 特開2010−80233号公報
携帯電子機器の発達に伴い、これらの携帯電子機器の電力供給源として、繰り返し充電が可能な小型二次電池が使用されている。中でも、エネルギー密度が高く、サイクルライフが長いとともに、自己放電性が低く、かつ、作動電圧が高いリチウムイオン電池が注目されている。リチウムイオン電池は、上述した利点を有するため、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話機などの携帯電子機器に多用されている。さらに、近年では、電気自動車用電池や電力貯蔵用電池として、高容量、高出力、かつ、高エネルギー密度を実現できる大型のリチウムイオン電池の研究開発が進められている。特に、自動車産業においては、環境問題に対応するため、動力源としてモータを使用する電気自動車や、動力源としてエンジン(内燃機関)とモータとの両方を使用するハイブリッド車の開発が進められている。このような電気自動車やハイブリッド車の電源としてもリチウムイオン電池が注目されている。
リチウムイオン電池は、例えば、正極活物質を塗着した正極板と、負極活物質を塗着した負極板と、正極板と負極板の接触を防止するセパレータとを捲回した電極捲回体を備えている。そして、リチウムイオン電池では、この電極捲回体が外装缶に挿入されるとともに、外装缶内に電解液が注入されている。つまり、リチウムイオン電池では、金属箔に正極活物質を塗着した正極板と、金属箔に負極活物質を塗着した負極版とが帯状に形成され、帯状に形成された正極板と負極板が直接接触しないように、セパレータを介して断面渦巻状に捲回されて電極捲回体が形成される。正極板と負極板を捲回する場合、捲きズレを防止するため、正極板と負極板は、テンション(張力)をかけながら捲回される。
ここで、電気自動車用電源などの高入出力特性が要求されるリチウムイオン電池では、内部抵抗を低減するために、正極板や負極板を構成する金属箔から、それぞれ多数の集電タブが直接導出されている。例えば、正極集電タブは、リチウムイオン電池の高出力化を図るため、正極板である金属箔の一部に正極活物質を塗着せずに残しておき、この残しておいた領域を複数の矩形形状に加工することにより、正極板から直接、正極集電タブを導出している。同様に、負極集電タブも、リチウムイオン電池の高出力化を図るため、負極板である金属箔の一部に負極活物質を塗着せずに残しておき、この残しておいた領域を複数の矩形形状に加工することにより、負極板から直接、負極集電タブを導出している。
導出された正極集電タブや負極集電タブの端部は、電極捲回体の両側にそれぞれ配置された円盤状の正極集電リングや負極集電リングの周縁部に接続されている。具体的に、例えば、正極集電タブと正極集電リングとは、正極集電タブにアルミニウムリボンを捲きつけ、このアルミニウムリボンに正極集電タブを超音波溶着で接続することが行われている。このとき使用される超音波溶着は、アルミニウムリボンと正極集電タブとを擦りつけることによる原子相互拡散によって、アルミニウムリボンと正極集電タブとを接続するものである。したがって、正極集電タブとアルミニウムリボンとを超音波溶着で接続する場合、アルミニウムリボンと正極集電タブとの擦り合いによって金属異物(アルミニウム)が発生し、発生した金属異物が電極捲回体の内部へ侵入するポテンシャルが高くなる。同様の現象は、負極集電タブと銅リボンの接続でも生じる。つまり、負極集電タブと銅リボンとを超音波溶着で接続する場合、銅リボンと負極集電タブとの擦り合いによって金属異物(銅)が発生し、発生した金属異物が電極捲回体の内部へ侵入するポテンシャルが高くなる。このように、電極捲回体の内部に金属異物が侵入すると、正極と負極との間で内部短絡が引き起こされる可能性がある。
本発明の目的は、金属異物の発生ポテンシャルを低減することにより、金属異物に起因する内部短絡を抑制して信頼性向上を図ることができるリチウムイオン電池を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本発明におけるリチウムイオン電池は、(a)軸芯と、前記軸芯の回りに捲回された正極、負極、および、セパレータを含む捲回体を備える。前記捲回体は、さらに、(a1)前記正極と電気的に接続され、前記捲回体の一端から突き出た複数の正極集電タブと、(a2)前記負極と電気的に接続され、前記捲回体の他端から突き出た複数の負極集電タブとを有する。そして、(a3)前記複数の正極集電タブと電気的に接続される正極集電リングと、(a4)前記複数の負極集電タブと電気的に接続される負極集電リングと、(a5)正極外リングと、(a6)負極外リングとを有する。このとき、前記複数の正極集電タブは、前記正極集電リングに前記正極外リングを取り付けることにより、前記正極集電リングと前記正極外リングの間に溶着されることなく挟み込まれ、前記複数の負極集電タブは、前記負極集電リングに前記負極外リングを取り付けることにより、前記負極集電リングと前記負極外リングの間に溶着されることなく挟み込まれていることを特徴とするものである。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
リチウムイオン電池において、金属異物の発生ポテンシャルを低減することができる。この結果、金属異物に起因する内部短絡を抑制して、リチウムイオン電池の信頼性向上を図ることができる。
リチウムイオン電池の模式的な構成を示す図である。 円筒形のリチウムイオン電池の内部構造を示す断面図である。 電極捲回体を構成する前段階の構成要素を示す図である。 正極、セパレータ、負極、および、セパレータを軸芯の回りに捲回して電極捲回体を形成する様子を示す模式図である。 リチウムイオン電池の製造工程における課題を説明するための図である。 図5に続くリチウムイオン電池の製造工程における課題を説明するための図である。 図6に続くリチウムイオン電池の製造工程における課題を説明するための図である。 実施の形態1における特徴を説明する図である。 実施の形態1における特徴を説明する図である。 正極集電リングの側面に正極外リングを取り付けた状態を示す上面図である。 図10のA−A線で切断した断面図である。 実施の形態1におけるリチウムイオン電池の製造工程を示す図である。 図12に続くリチウムイオン電池の製造工程を示す図である。 図13に続くリチウムイオン電池の製造工程を示す図である。 図14に続くリチウムイオン電池の製造工程を示す図である。 実施の形態1におけるリチウムイオン電池の製造工程を示す図である。 実施の形態1におけるリチウムイオン電池の製造工程を示す図である。 実施の形態1におけるリチウムイオン電池の製造工程を示す図である。 実施の形態1におけるリチウムイオン電池の製造工程を示す図である。 図19に続くリチウムイオン電池の製造工程を示す図である。 図20に続くリチウムイオン電池の製造工程を示す図である。 図21に続くリチウムイオン電池の製造工程を示す図である。 図22に続くリチウムイオン電池の製造工程を示す図である。 図23に続くリチウムイオン電池の製造工程を示す図である。 図24に続くリチウムイオン電池の製造工程を示す図である。 図25に続くリチウムイオン電池の製造工程を示す図である。 図26に続くリチウムイオン電池の製造工程を示す図である。 図27に続くリチウムイオン電池の製造工程を示す図である。 変形例におけるリチウムイオン電池の製造工程を示す図である。 図29に続くリチウムイオン電池の製造工程を示す図である。 図30に続くリチウムイオン電池の製造工程を示す図である。 図31に続くリチウムイオン電池の製造工程を示す図である。 実施の形態2における特徴を説明する図である。 実施の形態2における特徴を説明する図である。 実施の形態3における正極集電リングの概略構成を示す図である。 実施の形態3における正極集電リングの構造を示す断面図である。 実施の形態3において、正極集電リングと正極外リングで複数の正極集電タブを挟み込んだ状態を示す断面図である。 実施の形態4における正極集電リングの概略構成を示す図である。 実施の形態4における正極集電リングの構造を示す断面図である。 実施の形態4において、正極集電リングと正極外リングで複数の正極集電タブを挟み込んだ状態を示す断面図である。 実施の形態5における正極集電リングの構造を示す断面図である。 実施の形態5において、正極集電リングと正極外リングで複数の正極集電タブを挟み込んだ状態を示す断面図である。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
また、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
(実施の形態1)
<リチウムイオン電池の概要>
リチウムは、酸化還元電位が−3.03V(vs.NHE)であり、地球上に存在する最も卑な金属である。電池の電圧は、正極と負極との電位差によって決まるので、リチウムを負極活物質に使用すると、最も高い起電力が得られる。また、リチウムの原子量は6.94であり、密度も0.534g/cmであってともに小さいことから、単位電気量あたりの重量が小さく、エネルギー密度も高くなる。したがって、リチウムを負極活物質に使用すると小型で軽量の電池を製造することができる。
このように、リチウムは電池の負極活物質として魅力的な物質であるが、充放電可能な二次電池に適用する場合に問題が生じる。すなわち、リチウムを負極に使用した電池で充放電を繰り返すと、リチウムの溶解による放電反応と、リチウムの析出による充電反応が起こる。この場合、繰り返し充電によって、リチウムの析出反応が生じるため、二次電池の性能劣化や安全性に問題が生じる。例えば、充電過程で生成されるリチウムは活性表面で電解液溶媒と反応し、その一部はSEI(Solid Electrolyte Interface)(固定電解質界面)と呼ばれる皮膜の形成に消費される。このため、電池の内部抵抗が高くなり、放電効率も低下してくる。つまり、充放電のサイクルを繰り返すごとに電池容量が小さくなる。さらに、急速に充電すると、リチウムは針状・樹枝状の結晶形態(リチウムデンドライト)で析出し、二次電池での様々なトラブルを引き起こす元となる。例えば、リチウムデンドライトは、比表面積が大きく、副反応による電流効率の低下を加速するとともに、針状であるためにセパレータを突き破って正極と負極との間の内部短絡を引き起こすこともある。このような状態になると、自己放電が大きく電池として使用できなくなったり、内部短絡による発熱でガス噴出や発火に至る場合もある。以上のことから、リチウムを負極に使用した二次電池では、性能劣化や安全性に問題が生じることがわかる。
そこで、溶解と析出という従来の原理と相違する原理の新型二次電池が検討されている。具体的には、正極と負極の両方にリチウムイオンを挿入・放出する活物質を使用する二次電池が検討されている。この二次電池の充放電過程では、リチウムの溶解と析出という現象は起こらず、リチウムイオンが電極活物質の間で挿入・脱離されるだけである。このタイプの二次電池は、「ロッキング・チェア」型、あるいは、「シャトルコック」型と呼ばれており、充放電の繰り返しに対して、リチウムイオンが挿入・脱離されるだけであるので、安定であるという特徴がある。この種類の電池を本明細書ではリチウムイオン電池と呼ぶことにする。上述したように、リチウムイオン電池では、正極と負極の両方とも充放電においてその構造は変化せず、リチウムイオンが挿入・脱離されるだけであるので(ただし、活物質の結晶格子は、リチウムイオンの挿入・脱離に対して膨張収縮する)、格段に長寿命のサイクル特性を有するとともに、電極に金属リチウムを使用しないので、安全性も飛躍的に高まっているという特徴を有する。
ここで、リチウムイオンを挿入・脱離できる材料が電極の活物質に使用されるが、この活物質に要求される条件は以下に示すようなものである。すなわち、リチウムイオンという有限の大きさのイオンが挿入・脱離するので、リチウムイオンの納まるべきサイト(位置)と、リチウムイオンが拡散可能なチャンネル(経路)が活物質に必要とされる。さらに、活物質には、リチウムイオンの挿入(吸蔵)に伴い電子が材料中に導入される必要がある。
以上のような条件を満たす正極活物質としては、リチウム含有遷移金属酸化物が挙げられる。例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウムなどが代表的な正極活物質として挙げられるが、これらに限定されるものではない。具体的に、正極活物質としては、リチウムを挿入・脱離可能な材料であり、予め充分な量のリチウムを挿入したリチウム含有遷移金属酸化物であればよく、遷移金属として、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、鉄(Fe)などの単体、または、2種類以上の遷移金属を主成分とする材料であってもよい。また、スピネル結晶構造や層状結晶構造などの結晶構造についても、上述したサイトとチャンネルが確保されるものであれば特に限定されない。さらに、結晶中の遷移金属やリチウムの一部をFe、Co、Ni、Cr、Al、Mgなどの元素で置換した材料や、結晶中にFe、Co、Ni、Cr、Al、Mgなどの元素をドープした材料を正極活物質として使用してもよい。
さらに、上述した条件を満たす負極活物質として、結晶質の炭素材料や非晶質の炭素材料を使用することができる。ただし、負極活物質はこれらの物質に限定されるものではなく、例えば、天然黒鉛や、人造の各種黒鉛剤、コークスなどの炭素材料などを使用してもよい。そして、その粒子形状においても、鱗片状、球状、繊維状、塊状など様々な粒子形状のものが適用可能である。
<リチウムイオン電池の模式的な構成>
以下に、上述したリチウムイオン電池の模式的な構成について図面を参照しながら説明する。図1は、リチウムイオン電池の模式的な構成を示す図である。図1において、リチウムイオン電池は、外装缶CSを有しており、この外装缶CSの内部に電解液ELが充填されている。この電解液ELが充填されている外装缶CSには、正極板PEPと負極板NEPが対向して設けられており、対向して設けられた正極板PEPと負極板NEPの間にセパレータSPが配置されている。
そして、正極板PEPには、正極活物質が塗着されており、負極板NEPには負極活物質が塗着されている。例えば、正極活物質は、リチウムイオンを挿入・脱離可能なリチウム含有遷移金属酸化物から形成されている。図1では、このリチウム含有遷移金属酸化物が正極板PEPに塗着されている様子を模式的に示している。つまり、図1には、正極板PEPに塗着されているリチウム含有遷移金属酸化物として、酸素と金属原子とリチウムが配置されている模式的な結晶構造が示されている。この正極板PEPと正極活物質により正極が構成されている。
一方、例えば、負極活物質は、リチウムイオンを挿入・脱離可能な炭素材料から形成されている。図1では、この炭素材料が負極板NEPに塗着されている様子を模式的に示している。つまり、図1には、負極板NEPに塗布されている炭素材料として、炭素が配置されている模式的な結晶構造が示されている。この負極板NEPと負極活物質により負極が構成されている。
セパレータSPは、正極と負極との電気的な接触を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるスペーサとしての機能を有している。近年では、このセパレータSPとして、高強度で薄い微多孔質膜が使用されている。この微多孔質膜は、電池短絡による異常電流、急激な内圧や温度の上昇および発火を防ぐという機能も合わせもっている。つまり、現在のセパレータSPは、正極と負極の電気的接触を防止し、かつ、リチウムイオンを通過させる機能の他に、短絡と過充電防止のための熱ヒューズとしての機能を有していることになる。この微多孔質膜の持つシャットダウン機能によって、リチウムイオン電池の安全性を保つことができる。例えば、リチウムイオン電池が何らかの原因で外部短絡を引き起こした場合、瞬時ではあるが大電流が流れ、ジュール熱により異常に温度が上昇する危険性がある。このとき、セパレータSPとして微多孔質膜を使用すれば、微多孔質膜は、膜材料の融点近傍で空孔(微多孔)が閉塞するため、正極と負極との間のリチウムイオンの透過を阻止することができる。言い換えれば、セパレータSPとして微多孔質膜を使用することにより、外部短絡時に電流を遮断し、リチウムイオン電池の内部の温度上昇をストップさせることができる。この微多孔質膜から構成されるセパレータSPとしては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、あるいは、これらの材料の組み合わせから構成することができる。
電解液ELは、非水電解液が使用される。リチウムイオン電池は、活物質でのリチウムイオンの挿入・脱離を利用して充放電を行う電池であり、電解液EL中をリチウムイオンが移動する。リチウムは、強い還元剤であり、水と激しく反応して水素ガスを発生する。したがって、リチウムイオンが電解液EL中を移動するリチウムイオン電池では、従来の電池のように水溶液を電解液ELに使用することができない。このことから、リチウムイオン電池では、電解液ELとして非水電解液が使用される。具体的に、非水電解液ELの電解質としては、LiPF、LiClO、LiAsF、LiBF、LiB(C、CHSOLi、CFSOLiなどやこれらの混合物を使用することができる。また、有機溶媒としては、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリルなどや、これらの混合液を使用することができる。
<充放電のメカニズム>
リチウムイオン電池は上記のように構成されており、以下に充放電のメカニズムについて説明する。まず、充電のメカニズムについて説明する。図1に示すように、リチウムイオン電池を充電する際、正極と負極との間に充電器CUを接続する。この場合、リチウムイオン電池では、正極活物質内に挿入されているリチウムイオンが脱離し、電解液EL中に放出される。このとき、正極活物質からリチウムイオンが脱離することにより、正極から充電器へ電子が流れる。そして、電解液EL中に放出されたリチウムイオンは、電解液EL中を移動し、微多孔質膜からなるセパレータSPを通過して、負極に到達する。この負極に到達したリチウムイオンは、負極を構成する負極活物質内に挿入される。このとき、負極活物質にリチウムイオンが挿入することにより、負極に電子が流れ込む。このようにして、充電器を介して正極から負極に電子が移動することにより充電が完了する。
続いて、放電のメカニズムについて説明する。図1に示すように、正極と負極の間に外部負荷を接続する。すると、負極活物質内に挿入されていたリチウムイオンが脱離して電解液EL中に放出される。このとき、負極から電子が放出される。そして、電解液EL中に放出されたリチウムイオンは、電解液EL中を移動し、微多孔質膜からなるセパレータSPを通過して、正極に到達する。この正極に到達したリチウムイオンは、正極を構成する正極活物質内に挿入される。このとき、正極活物質にリチウムイオンが挿入することにより、正極に電子が流れ込む。このようにして、負極から正極に電子が移動することにより放電が行われる。言い換えれば、正極から負極に電流が流れて負荷を駆動することができる。以上のようにして、リチウムイオン電池においては、リチウムイオンを正極活物質と負極活物質との間で挿入・脱離することにより、充放電することができる。
<リチウムイオン電池の構成>
次に、実際のリチウムイオン電池LIBの構成例について説明する。図2は、円筒形のリチウムイオン電池LIBの内部構造を示す断面図である。図2に示すように、底部を有する円筒形の外装缶CSの内部には、正極PELとセパレータSP1、SP2と負極NELからなる電極捲回体WRFが形成されている。具体的に、電極捲回体WRFは、正極PELと負極NELの間にセパレータSP1(SP2)を挟むように積層され、外装缶CSの中心部にある軸芯CRの回りに捲回されている。そして、負極NELは外装缶CSの底部に設けられている負極リード板NTと電気的に接続されており、正極PELは外装缶CSの上部に設けられている正極リード板PTと電気的に接続されている。外装缶CSの内部に形成されている電極捲回体の内部には電解液が注入されている。そして、外装缶CSは、電池蓋CAPにより密閉されている。
正極PELは、正極活物質PASと結着剤(バインダ)を含有する塗液を正極板(正極集電体)PEPに塗布して乾燥させた後、加圧することにより形成されている。この正極PELの上端部には複数の矩形状の正極集電タブPTABが形成されており、この複数の正極集電タブPTABが正極集電リングPRと接続されている。そして、この正極集電リングPRが正極リード板PTと電気的に接続されている。したがって、正極PELは、正極集電タブPTABおよび正極集電リングPRを介して正極リード板PTと電気的に接続されていることになる。複数の正極集電タブPTABは、正極PELの低抵抗化および電流の取り出しを迅速にするために設けられている。
正極PELを構成する正極活物質PASは、例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウムなどに代表される上述した材料を使用することができる。また、結着剤は、例えば、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなどを使用することができる。さらに、正極板には、例えば、アルミニウムなどの導電性金属からなる金属箔や網状金属などが使用される。
負極NELは、負極活物質NASと結着剤(バインダ)を含有する塗液を負極板(負極集電体)NEPに塗布して乾燥させた後、加圧することにより形成されている。この負極NELの下端部には複数の矩形状の負極集電タブNTABが形成されており、この複数の負極集電タブNTABが負極集電リングNRと接続されている。そして、この負極集電リングNRが負極リード板NTと電気的に接続されている。したがって、負極NELは、負極集電タブNTABおよび負極集電リングNRを介して負極リード板NTと電気的に接続されていることになる。
負極NELを構成する負極活物質NASは、例えば、炭素材料などに代表される上述した材料を使用することができる。また、結着剤は、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなどを使用することができる。さらに、負極板には、例えば、銅などの導電性金属からなる金属箔や網状金属などが使用される。
<電極捲回体の構成>
次に、電極捲回体の詳細な構成について説明する。図3は、電極捲回体を構成する前段階の構成要素を示す図である。図3において、電極捲回体を構成する構成要素は、正極PEL、セパレータSP1、負極NEL、および、セパレータSP2である。このとき、正極PELは、正極板PEPの両面に正極活物質PASが塗布された構造をしており、負極NELは、負極板NEPの両面に負極活物質NASが塗布された構造をしている。そして、正極PELの上辺側には矩形状の正極集電タブPTABが複数形成されている。同様に、負極NELの下辺側には矩形状の負極集電タブNTABが複数形成されている。
具体的に、本実施の形態1における電極捲回体WRFの構成について説明する。図4は、正極PEL、セパレータSP1、負極NEL、および、セパレータSP2を軸芯CRの回りに捲回して電極捲回体WRFを形成する様子を示す模式図である。図4に示すように、正極PELと負極NELの間にセパレータSP1を挟み、かつ、セパレータSP1とセパレータSP2で負極NELを挟むようにして、正極PEL、セパレータSP1、負極NEL、および、セパレータSP2が捲回される。このとき、正極PELに形成されている正極集電タブPTABは電極捲回体WRFの上部側に配置される一方、負極NELに形成されている負極集電タブ(図示せず)は電極捲回体WRFの下部側に配置される。以上のようにして、電極捲回体WRFが構成されている。
<本発明者が新たに見出した課題>
上述したように構成されているリチウムイオン電池において、本発明者は新たな課題を見出したので、この課題について説明する。例えば、リチウムイオン電池では、内部抵抗を低減するために、正極板や負極板を構成する金属箔から、それぞれ多数の集電タブが直接導出されている。例えば、正極集電タブは、リチウムイオン電池の高出力化を図るため、正極板である金属箔の一部に正極活物質を塗着せずに残しておき、この残しておいた領域を複数の矩形形状に加工することにより、正極板から直接、正極集電タブを導出している。同様に、負極集電タブも、リチウムイオン電池の高出力化を図るため、負極板である金属箔の一部に負極活物質を塗着せずに残しておき、この残しておいた領域を複数の矩形形状に加工することにより、負極板から直接、負極集電タブを導出している。
導出された正極集電タブや負極集電タブの端部は、電極捲回体の両側にそれぞれ配置された円盤状の正極集電リングや負極集電リングの周縁部に接続されている。具体的に、正極集電タブを正極集電リングに接続する工程を例に挙げて説明する。図5に示すように、電極捲回体WRFを形成すると、電極捲回体WRFの一端側から複数の正極集電タブPTABが突き出るとともに、電極捲回体WRFの他端側から複数の負極集電タブNTABが突き出るようになる。そして、図6に示すように、複数の正極集電タブPTABの内部に正極集電リングPRを挿入し、その後、テープ状のアルミニウムリボンARを正極集電タブPTABに捲きつける。続いて、図7に示すように、アルミニウムリボンARに正極集電タブPTABを超音波溶着で接続することが行われている。このとき使用される超音波溶着は、アルミニウムリボンARと正極集電タブPTABとを擦りつけることによる原子相互拡散によって、アルミニウムリボンARと正極集電タブPTABとを接続するものである。したがって、正極集電タブPTABとアルミニウムリボンARとを超音波溶着で接続する場合、アルミニウムリボンARと正極集電タブPTABとの擦り合いによって金属異物(アルミニウム)が発生し、発生した金属異物が電極捲回体WRFの内部へ侵入するポテンシャルが高くなることを本発明者は見出した。同様の現象は、負極集電タブNTABと銅リボンの接続でも生じる。つまり、負極集電タブNTABと銅リボンとを超音波溶着で接続する場合、銅リボンと負極集電タブNTABとの擦り合いによって金属異物(銅)が発生し、発生した金属異物が電極捲回体WRFの内部へ侵入するポテンシャルが高くなることを本発明者は見出した。
このようにして発生した金属異物が電極捲回体WRFの内部に侵入すると、正極と負極との間で内部短絡が引き起こされる可能性がある。具体的に、電極捲回体の内部に金属異物が侵入する状態とは、正極板とセパレータとの間に形成されている隙間や負極板とセパレータとの間に形成されている隙間に金属異物が浸入する状態を意味している。例えば、金属異物が銅の場合、隙間に浸入した銅が正極に付着すると、正極の高い電位によって銅が酸化され(電子が奪われ)、金属イオンとなって電解液中に溶解する。そして、この金属イオンが負極に到達すると、金属イオンが還元されて(電子が供給されて)金属(銅)として負極に析出する。このようなメカニズムによって負極に金属が析出し続けると、負極から成長した金属がセパレータの孔を通過して正極に達し、この析出した金属を介して正極と負極が内部短絡するのである。一方、金属異物がアルミニウムの場合、酸化還元反応による溶解・析出の現象は生じないが、侵入する金属異物の大きさが大きくなると、セパレータを突き破って正極と負極が金属異物(アルミニウム)により内部短絡する。正極と負極が内部短絡すると、リチウムイオン電池として機能しなくなる。このように、リチウムイオン電池の製造工程では、金属異物が発生する可能性があり、発生した金属異物が、正極板とセパレータとの間に形成されている隙間や負極板とセパレータとの間に形成されている隙間に侵入すると、正極と負極が内部短絡するおそれがあることがわかる。
そこで、本実施の形態1では、正極集電タブPTABと正極集電リングPRとの電気的な接続や負極集電タブと負極集電リングとの電気的な接続に、金属異物の発生しやすい超音波溶着を使用しない工夫を施している。以下に、この工夫を施した本実施の形態1における技術的思想について、図面を参照しながら説明する。
<本実施の形態1における特徴>
本実施の形態1における特徴は、正極集電タブPTABを正極集電リングPRと正極外リングPERで挟み込んで接続することにある。具体的に、図8に示すように、電極捲回体WRFの一端から突き出ている複数の正極集電タブPTABを、電極捲回体WRFの上部に配置される正極集電リングPRの側面に接触するように配置するとともに、伸縮性を有する正極外リングPERを用意する。そして、正極外リングPERを伸ばして正極集電リングPRを囲むように正極外リングPERを広げて配置し、図9に示すように、複数の正極集電タブPTABを正極集電リングPRの側面に配置した状態で、正極外リングPERを縮める。これにより、正極外リングPERは、正極集電リングPRの側面に取り付けられる。このとき、正極集電リングPRの側面には、複数の正極集電タブPTABが配置されているため、複数の正極集電タブPTABは、正極集電リングPRの側面と正極外リングPERによって挟み込まれる。このようにして、伸縮性を有する正極外リングPERを使用することにより、超音波溶着を使用することなく、複数の正極集電タブPTABと正極集電リングPRとを電気的に接続することができる。つまり、本実施の形態1では、正極集電リングPRと正極外リングPERで複数の正極集電タブPTABを挟み込むという機構で、複数の正極集電タブPTABと正極集電リングPRとを電気的に接続している。このような機構によれば、正極集電リングPRと正極外リングPERで複数の正極集電タブPTABを挟み込んでいるだけであるので、超音波溶着のように金属異物が発生することを抑制できる。すなわち、本実施の形態1によれば、超音波溶着を使用することなく、伸縮性を有する正極外リングPERを使用して、正極集電リングPRと正極外リングPERで複数の正極集電タブPTABを挟み込んでいるので、金属異物の発生ポテンシャルを低くできる。この結果、本実施の形態1によれば、金属異物に起因するリチウムイオン電池内の内部短絡を抑制して、リチウムイオン電池の信頼性を向上させることができる。
具体的に、図10は、正極集電リングPRの側面に正極外リングPERを取り付けた状態を示す上面図である。図10に示すように、正極集電リングPRの側面と正極外リングPERとの間に、複数の正極集電タブPTABが挟み込まれていることがわかる。これにより、複数の正極集電タブPTABは、正極集電リングPRと電気的に接続されることになる。図11は、図10のA−A線で切断した断面図である。図11に示すように、正極集電リングPRの側面に密着するように正極集電タブPTABが配置されており、この正極集電タブPTABの外側に正極外リングPERが配置されている。このとき、正極外リングPERは伸縮性を有しており、接着材などを使用しなくても、正極外リングPERの収縮力によって、正極集電タブPTABが正極集電リングPRの側面に押え付けられるように固定される。つまり、本実施の形態1では、正極外リングPERの収縮力によって、複数の正極集電タブPTABは、正極集電リングPRと正極外リングPERに挟み込まれて固定されることになる。
ここで、正極集電リングPRは、例えば、アルミニウムから構成されており、正極外リングPERは伸縮性を有する部材から構成される。この正極外リングPERは、例えば、伸縮性を有する弾性体であるゴムから構成されている。具体的に、正極外リングPERを構成するゴムとしては、例えば、アクリルゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、フッ素系ゴム、あるいは、ブチルゴムのいずれかから構成されている。このように、正極外リングPERを上述した伸縮性を有するゴムから構成することにより、正極外リングPERの収縮力によって、複数の正極集電タブPTABを正極集電リングPRと正極外リングPERで固定することができる。
なお、本実施の形態1では、正極集電リングPRと、伸縮性を有する正極外リングPERとによって、複数の正極集電タブPTABを挟み込むように固定する例について説明したが、この機構は、複数の負極集電タブを負極集電リングに固定する場合にも適用される。すなわち、複数の負極集電タブも、負極集電リングと、伸縮性を有する負極外リングとによって挟み込むように固定される。
ここで、負極集電リングは、例えば、銅から構成されており、負極外リングは、例えば、伸縮性を有する弾性体であるゴムから構成されている。具体的に、負極外リングを構成するゴムも、正極外リングPERと同様に、例えば、アクリルゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、フッ素系ゴム、あるいは、ブチルゴムのいずれかから構成されている。
このように、複数の負極集電タブにおいても、超音波溶着を使用せずに、負極集電リングと、伸縮性を有する負極外リングとで複数の負極集電タブを挟み込むように固定することができるので、金属異物の発生を抑制できる。つまり、本実施の形態1によれば、超音波溶着を使用することなく、伸縮性を有する負極外リングを使用して、負極集電リングと負極外リングで複数の負極集電タブを挟み込んでいるので、金属異物の発生ポテンシャルを低くできる。この結果、本実施の形態1によれば、金属異物に起因するリチウムイオン電池内の内部短絡を抑制して、リチウムイオン電池の信頼性を向上させることができる。
<実施の形態1におけるリチウムイオン電池の製造方法>
本実施の形態1におけるリチウムイオン電池は上記のように構成されており、以下に、本実施の形態1におけるリチウムイオン電池の製造方法について図面を参照しながら説明する。まず、正極PELを形成する工程について説明する。図12に示すように、正極活物質PAS(活物質AS)を製造する。そして、図13に示すように、製造した正極活物質PASと結着剤(バインダ)を溶液に溶かすことにより、正極活物質PASと結着剤を含有する塗液(スラリー)SL1を形成する。その後、図14に示すように、正極活物質PASと結着剤(バインダ)を含有する塗液SL1を正極板(正極集電体)PEPに塗布して乾燥させた後、加圧する。これにより、正極板PEPに塗着された正極活物質PASの高密度化を図ることができる。
続いて、図15に示すように、正極活物質PASを塗着した正極板PEPを切断して加工する。これにより、正極板PEPの一辺(上辺)に矩形形状をした複数の正極集電タブPTABを形成することができる。このようにして、正極板PEPに正極活物質PASを塗着して加工した正極PELを形成することができる。
次に、負極NELを形成する工程について説明する。負極NELを形成する工程も基本的な工程は、正極PELを形成する工程と同様である。具体的には、図12に示すように、負極活物質NAS(活物質AS)を製造する。そして、図13に示すように、製造した負極活物質NASと結着剤(バインダ)を溶液に溶かすことにより、負極活物質NASと結着剤を含有する塗液(スラリー)SL1を形成する。その後、負極活物質NASと結着剤(バインダ)を含有する塗液SL1を負極板(負極集電体)NEPに塗布して乾燥させた後、加圧する。これにより、負極板NEPに塗着された負極活物質NASの高密度化を図ることができる。
続いて、負極活物質NASを塗着した負極板NEPを切断して加工する。これにより、負極板NEPの一辺(下辺)に矩形形状をした複数の負極集電タブNTABを形成することができる。このようにして、図16に示すように、負極板NEPに負極活物質NASを塗着して加工した負極NELを形成することができる。
さらに、図17および図18に示すように、セパレータSP1およびセパレータSP2を用意する。以上のようにして、正極PEL、負極NEL、セパレータSP1およびセパレータSP2を準備することができる。
次に、図19に示すように、セパレータSP2とセパレータSP1の間に負極NELを挟み、かつ、セパレータSP1上に正極PELが配置されるように、正極PEL、負極NEL、セパレータSP1およびセパレータSP2を積層する。このとき、正極PELに形成されている正極集電タブPTABと、負極NELに形成されている負極集電タブNTABとが反対方向に配置されるようにする。
その後、図20に示すように、積層した正極PEL、負極NEL、セパレータSP1およびセパレータSP2を軸芯CRに捲回して電極捲回体WRFを形成する。このようにして、電極捲回体WRFを形成することができる。この電極捲回体WRFでは、図21に示すように、電極捲回体WRFの一端側から複数の正極集電タブPTABが突き出ており、電極捲回体WRFの他端側から複数の負極集電タブNTABが突き出ている。
そして、図22に示すように、電極捲回体WRFの一端側から突き出ている正極集電タブPTABをまとめる(すぼめる)ことにより、正極集電タブPTABの外側に伸縮性を有する正極外リングPERを配置する。
次に、図23に示すように、正極外リングPERを伸ばして広げた状態で、電極捲回体WRFの一端面側の中央部に正極集電リングPRを挿入する。その後、図24に示すように、複数の正極集電タブPTABを、挿入した正極集電リングPRの側面に配置した状態で、正極外リングPERを縮める。これにより、正極外リングPERは、正極集電リングPRの側面に取り付けられる。このとき、正極集電リングPRの側面には、複数の正極集電タブPTABが配置されているため、複数の正極集電タブPTABは、正極集電リングPRの側面と正極外リングPERによって挟み込まれる。このようにして、伸縮性を有する正極外リングPERを使用することにより、超音波溶着を使用することなく、複数の正極集電タブPTABと正極集電リングPRとを電気的に接続することができる。
さらに、本実施の形態1では、図22〜図24に示す工程と同様の工程を経ることにより、図25に示すように、伸縮性を有する負極外リングNERを使用して、複数の負極集電タブNTABを、負極集電リングNRと負極外リングNERで挟み込むことができる。この結果、伸縮性を有する負極外リングNERを使用することにより、超音波溶着を使用することなく、複数の負極集電タブNTABと負極集電リングNRとを電気的に接続することができる。
以上のように、本実施の形態1によれば、伸縮性を有する正極外リングPERを使用して、正極集電リングPRと正極外リングPERで複数の正極集電タブPTABを挟み込むとともに、伸縮性を有する負極外リングNERを使用して、負極集電リングNRと負極外リングNERで複数の負極集電タブNTABを挟み込んでいるので、金属異物の発生ポテンシャルを低くできる。この結果、本実施の形態1によれば、金属異物に起因するリチウムイオン電池内の内部短絡を抑制して、リチウムイオン電池の信頼性を向上させることができる。
ここで、本実施の形態1では、例えば、図21〜図24に示すように、電極捲回体WRFから突き出ている正極集電タブPTABおよび負極集電タブNTABの長さが短くなっている。このため、例えば、正極集電リングPRと正極外リングPERで正極集電タブPTABを挟み込んだ後、余分な長さの正極集電タブPTABを切断する工程が不要となる。例えば、余分な長さの正極集電タブPTABを切断する際には、金属異物が発生するおそれがあるが、本実施の形態1では、正極集電タブPTABおよび負極集電タブNTABの長さが短くなっており、余分な長さの正極集電タブPTABや負極集電タブNTABを切断する必要がない。この点からも、本実施の形態1によれば、金属異物に起因するリチウムイオン電池内の内部短絡を一層抑制することができ、リチウムイオン電池のさらなる信頼性向上を図ることができる。
次に、図26に示すように、電極捲回体WRFを外装缶CSの内部に挿入した後、負極集電リングNRを外装缶CSの底部に抵抗溶接する。そして、図27に示すように、外装缶CSを加工して溝DTを形成する。この溝DTは、外装缶CSの内部に挿入されている電極捲回体WRFが上下方向に移動しないように固定するために設けられるものである。
そして、図28に示すように、電極捲回体WRFを挿入した外装缶CSの内部に電解液ELを注入する。その後、正極集電リングPRにアルミニウム箔をリボン状に積層した正極リード板の一端を溶接し、正極リード板の他端は、外装缶CSを密閉するためのキャップの底面に溶接する。そして、キャップの周縁部と外装缶CSの間に電気絶縁性ガスケットを介し、さらに、外装缶CSをかしめることにより、キャップを固定する。以上のようにして、本実施の形態1におけるリチウムイオン電池を製造することができる。
<変形例におけるリチウムイオン電池の製造方法>
続いて、変形例におけるリチウムイオン電池の製造方法について説明する。本変形例は、前記実施の形態1におけるリチウムイオン電池の製造方法とほぼ同様であり、異なる点について説明する。本変形例では、図29に示すような電極捲回体WRFが形成されている。この図29に示す電極捲回体WRFは、前記実施の形態1における電極捲回体WRF(図21参照)よりも正極集電タブPTABの長さと負極集電タブNTABの長さが長くなっている点に特徴がある。このように正極集電タブPTABの長さと負極集電タブNTABの長さが長くなっている電極捲回体WRFを形成した後、図30に示すように、電極捲回体WRFの一端側から突き出ている正極集電タブPTABをまとめる(すぼめる)ことにより、正極集電タブPTABの外側に伸縮性を有する正極外リングPERを配置する。このとき、本変形例によれば、正極集電タブPTABの長さが長くなっているので、ハンドリング特性が良好となり、正極集電タブPTABの外側に伸縮性を有する正極外リングPERを配置することが容易となる利点が得られる。
そして、図31に示すように、正極外リングPERを伸ばして広げた状態で、電極捲回体WRFの一端面側の中央部に正極集電リングPRを挿入する。この工程においても、正極集電タブPTABの長さが長くなっているので、ハンドリング特性が良好となり、正極集電リングPRを挿入しやすくなる。その後、図32に示すように、複数の正極集電タブPTABを、挿入した正極集電リングPRの側面に配置した状態で、正極外リングPERを縮める。これにより、正極外リングPERは、正極集電リングPRの側面に取り付けられる。このとき、正極集電リングPRの側面には、複数の正極集電タブPTABが配置されているため、複数の正極集電タブPTABは、正極集電リングPRの側面と正極外リングPERによって挟み込まれる。このようにして、伸縮性を有する正極外リングPERを使用することにより、超音波溶着を使用することなく、複数の正極集電タブPTABと正極集電リングPRとを電気的に接続することができる。この工程においても、正極集電タブPTABの長さが長くなっているので、ハンドリング特性が良好となり、正極集電リングPRと正極外リングPERによって、複数の正極集電タブPTABを容易に挟み込むことができる。ここで、本変形例では、正極集電タブPTABの長さが長くなっているため、例えば、正極集電リングPRと正極外リングPERで正極集電タブPTABを挟み込んだ後、余分な長さの正極集電タブPTABを切断する必要がある。
さらに、本変形例では、図29〜図32に示す工程と同様の工程を経ることにより、図25に示すように、伸縮性を有する負極外リングNERを使用して、負極集電リングNRと負極外リングNERで複数の負極集電タブNTABを挟み込むことができる。この結果、伸縮性を有する負極外リングNERを使用することにより、超音波溶着を使用することなく、複数の負極集電タブNTABと負極集電リングNRとを電気的に接続することができる。この工程においても、本変形例によれば、負極集電タブNTABの長さが長くなっているので、ハンドリング特性が良好となる利点が得られる。ただし、上述したように、本変形例では、負極集電タブNTABの長さが長くなっているため、例えば、負極集電リングNRと負極外リングNERで負極集電タブNTABを挟み込んだ後、余分な長さの負極集電タブNTABを切断する必要がある。
以上のように、本変形例によれば、伸縮性を有する正極外リングPERを使用して、正極集電リングPRと正極外リングPERで複数の正極集電タブPTABを挟み込むとともに、伸縮性を有する負極外リングNERを使用して、負極集電リングNRと負極外リングNERで複数の負極集電タブNTABを挟み込んでいるので、金属異物の発生ポテンシャルを低くできる。この結果、本変形例でも、金属異物に起因するリチウムイオン電池内の内部短絡を抑制して、リチウムイオン電池の信頼性を向上させることができる。
ただし、本変形例では、余分な長さの正極集電タブPTABや、余分な長さの負極集電タブNTABを切断する必要があるため、前記実施の形態1に比べて、金属異物の発生ポテンシャルは高まるが、前記実施の形態1よりもハンドリング特性が良好となる利点が得られる。
(実施の形態2)
前記実施の形態1では、例えば、伸縮性を有する正極外リングPERを使用して、複数の正極集電タブPTABを、正極集電リングPRと正極外リングPERで挟み込む例について説明した。本実施の形態2では、スリットを有する正極外リングPER2を使用して、複数の正極集電タブPTABを、正極集電リングPRと正極外リングPER2で挟み込む例について説明する。
具体的に、図33に示すように、電極捲回体WRFの一端から突き出ている複数の正極集電タブPTABを、電極捲回体WRFの上部に配置される正極集電リングPRの側面に接触するように配置するとともに、スリットSLTを有する正極外リングPER2を用意する。そして、正極外リングPER2は、正極集電リングPRを囲むように配置され、図34に示すように、複数の正極集電タブPTABを正極集電リングPRの側面に配置した状態で、正極外リングPER2に圧縮力を加えることによりスリットSLTを縮める。これにより、正極外リングPER2は、正極集電リングPRの側面に取り付けられる。このとき、正極集電リングPRの側面には、複数の正極集電タブPTABが配置されているため、複数の正極集電タブPTABは、正極集電リングPRの側面と正極外リングPER2によって挟み込まれる。このようにして、スリットSLTを有する正極外リングPER2を使用することにより、超音波溶着を使用することなく、複数の正極集電タブPTABと正極集電リングPRとを電気的に接続することができる。
このように本実施の形態2によれば、超音波溶着を使用することなく、スリットSLTを有する正極外リングPER2を使用して、正極集電リングPRと正極外リングPER2で複数の正極集電タブPTABを挟み込んでいるので、金属異物の発生ポテンシャルを低くできる。この結果、本実施の形態2によっても、金属異物に起因するリチウムイオン電池内の内部短絡を抑制して、リチウムイオン電池の信頼性を向上させることができる。
ここで、正極集電リングPRは、例えば、アルミニウムから構成されており、正極外リングPER2はスリットSLTを有する圧縮力で変形可能な部材から構成される。この正極外リングPER2は、例えば、圧縮力で変形可能な金属材料から構成されている。具体的に、正極外リングPER2を構成する金属材料としては、例えば、金、銅、あるいは、アルミニウムのいずれかから構成されている。このように、正極外リングPER2を上述したスリットSLTを有する圧縮力で変形可能な金属材料から構成することにより、正極外リングPER2の変形によって、複数の正極集電タブPTABを、正極集電リングPRと正極外リングPER2で固定することができる。
なお、本実施の形態2では、複数の正極集電タブPTABを、正極集電リングPRと、スリットSLTを有する圧縮力で変形可能な正極外リングPER2とによって挟み込むように固定する例について説明したが、この機構は、複数の負極集電タブを負極集電リングに固定する場合にも適用される。
(実施の形態3)
本実施の形態3では、正極集電リングPR2の構造例について説明する。図35は、本実施の形態3における正極集電リングPR2の概略構成を示す図である。そして、図36は、本実施の形態3における正極集電リングPR2の構造を示す断面図である。図36において、本実施の形態3における正極集電リングPR2の特徴は、ストッパ部STPが設けられている点にある。
このようなストッパ部STPを有する正極集電リングPR2を使用することにより、正極集電リングPR2と正極外リングPERで、複数の正極集電タブPTABを確実に挟み込むことができる。具体的に、図37は、正極集電リングPR2と正極外リングPERで複数の正極集電タブPTABを挟み込んだ状態を示す断面図である。図37に示すように、正極集電リングPR2の側面に正極集電タブPTABが密着しており、この正極集電タブPTABが伸縮性を有する正極外リングPERで押え付けられていることがわかる。これにより、正極集電タブPTABを正極集電リングPR2と電気的に接続することができる。
ここで、本実施の形態3では、正極集電リングPR2の側面にストッパ部STPが設けられている。このため、正極集電タブPTABを介して、正極集電リングPR2に押し付けられている正極外リングPERは、ストッパ部STPによって、上方向にずれないようにすることができる。
例えば、ストッパ部STPが存在しない場合には、正極外リングPERが正極集電リングPR2の側面を上方向にずれて、正極集電タブPTABの押さえ込みができなくなるおそれが生じる。すると、正極集電リングPR2と正極集電タブPTABとの電気的な接続が不良となるおそれが生じる。
これに対し、本実施の形態3によれば、正極集電リングPR2にストッパ部STPを設けているので、正極外リングPERが上方向にずれて、正極集電タブPTABの押さえ込みができなくなることを防止できる。つまり、本実施の形態3によれば、正極集電リングPR2にストッパ部STPを設けているので、正極外リングPERが上方向にずれることを防止できる。このため、確実に正極集電タブPTABを正極集電リングPR2に押え付けることができる。この結果、本実施の形態3によれば、前記実施の形態1による金属異物の発生を抑制できる効果に加えて、さらに、正極集電リングPR2と正極集電タブPTABとの電気的な接続信頼性を向上させる効果が得られる。
なお、本実施の形態3では、正極集電リングPR2の側面にストッパ部STPを設ける例について説明したが、負極集電リングNR2の側面にもストッパ部STPを設けるように構成してもよい。
(実施の形態4)
本実施の形態4では、正極集電リングPR3の構造例について説明する。図38は、本実施の形態4における正極集電リングPR3の概略構成を示す図である。そして、図39は、本実施の形態4における正極集電リングPR3の構造を示す断面図である。図39において、本実施の形態4における正極集電リングPR3の特徴は、正極集電リングPR3の側面に溝DITが設けられている点にある。
このような溝DITを有する正極集電リングPR3を使用することにより、正極集電リングPR3と正極外リングPERで、複数の正極集電タブPTABを確実に挟み込むことができる。具体的に、図40は、正極集電リングPR3と正極外リングPERで複数の正極集電タブPTABを挟み込んだ状態を示す断面図である。図40に示すように、正極集電リングPR3の側面に正極集電タブPTABが密着しており、この正極集電タブPTABが伸縮性を有する正極外リングPERで押え付けられていることがわかる。これにより、正極集電タブPTABを正極集電リングPR3と電気的に接続することができる。
ここで、本実施の形態4では、正極集電リングPR3の側面に溝DITが設けられている。このため、正極集電タブPTABを介して、正極集電リングPR3に押し付けられている正極外リングPERは、溝DITによって固定され、上下方向にずれないようにすることができる。
例えば、溝DITが存在しない場合には、正極外リングPERが正極集電リングPR3の側面を上下方向にずれて、正極集電タブPTABの押さえ込みができなくなるおそれが生じる。すると、正極集電リングPR3と正極集電タブPTABとの電気的な接続が不良となるおそれが生じる。
これに対し、本実施の形態4によれば、正極集電リングPR3に溝DITを設けているので、正極外リングPERが上下方向にずれて、正極集電タブPTABの押さえ込みができなくなることを防止できる。つまり、本実施の形態4によれば、正極集電リングPR3に溝DITを設けているので、正極外リングPERは溝DITの内部に挿入されて固定される。この結果、正極外リングPERが上下方向にずれることを防止できる。このため、確実に正極集電タブPTABを正極集電リングPR3に押え付けることができる。このことから、本実施の形態4によれば、前記実施の形態1による金属異物の発生を抑制できる効果に加えて、さらに、正極集電リングPR3と正極集電タブPTABとの電気的な接続信頼性を向上させる効果が得られる。
なお、本実施の形態4では、正極集電リングPR3の側面に溝DITを設ける例について説明したが、負極集電リングNR3の側面にも溝DITを設けるように構成してもよい。
(実施の形態5)
本実施の形態5では、正極集電リングPR4の構造例について説明する。図41は、本実施の形態5における正極集電リングPR4の構造を示す断面図である。図41において、本実施の形態5における正極集電リングPR4の特徴は、正極集電リングPR4の側面に複数の溝DIT1および溝DIT2が設けられている点にある。
このような複数の溝DIT1および溝DIT2を有する正極集電リングPR4を使用することにより、正極集電リングPR4と正極外リングPERで複数の正極集電タブPTABを確実に挟み込むことができる。具体的に、図42は、正極集電リングPR4と正極外リングPERで複数の正極集電タブPTABを挟み込んだ状態を示す断面図である。図42に示すように、正極集電リングPR4の側面に正極集電タブPTABが密着しており、この正極集電タブPTABが伸縮性を有する複数の正極外リングPERで押え付けられていることがわかる。これにより、正極集電タブPTABを正極集電リングPR4と電気的に接続することができる。
ここで、本実施の形態5では、正極集電リングPR4の側面に複数の溝DIT1および溝DIT2が設けられている。そして、溝DIT1と溝DIT2の両方に正極外リングPERが挿入されている。これにより、本実施の形態5によれば、複数の正極外リングPERを使用して正極集電タブPTABを正極集電リングPR4の側面に固定することができるので、正極集電タブPTABと正極集電リングPR4の接続信頼性をさらに向上させることができる。
なお、本実施の形態5では、正極集電リングPR4の側面に複数の溝DIT1および溝DIT2を設ける例について説明したが、負極集電リングNR4の側面にも複数の溝DIT1および溝DIT2を設けるように構成してもよい。さらに、本実施の形態5では、正極集電リングPR4の側面に2つの溝DIT1および溝DIT2を形成する例について説明したが、溝の個数は2つに限られず、正極集電リングPR4の側面に3つ以上の溝を設け、この3つ以上の溝に正極外リングPERを挿入して、3以上の正極外リングPERと正極集電リングPR4によって正極集電タブPTABを挟み込むように構成してもよい。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
本発明は、リチウムイオン電池を製造する製造業に幅広く利用することができる。
AR アルミニウムリボン
AS 活物質
CAP 電池蓋
CR 軸芯
CS 外装缶
CU 充電器
DT 溝
DIT 溝
DIT1 溝
DIT2 溝
EL 電解液
LIB リチウムイオン電池
NAS 負極活物質
NEL 負極
NEP 負極板
NER 負極外リング
NR 負極集電リング
NR2 負極集電リング
NR3 負極集電リング
NR4 負極集電リング
NT 負極リード板
NTAB 負極集電集電タブ
PAS 正極活物質
PEL 正極
PEP 正極板
PER 正極外リング
PER2 正極外リング
PR 正極集電リング
PR2 正極集電リング
PR3 正極集電リング
PR4 正極集電リング
PT 正極リード板
PTAB 正極集電タブ
SLT スリット
SL1 塗液
SP セパレータ
SP1 セパレータ
SP2 セパレータ
STP ストッパ部
WRF 電極捲回体

Claims (12)

  1. (a)軸芯と、前記軸芯の回りに捲回された正極、負極、および、セパレータを含む捲回体を備え、
    前記捲回体は、さらに、
    (a1)前記正極と電気的に接続され、前記捲回体の一端から突き出た複数の正極集電タブと、
    (a2)前記負極と電気的に接続され、前記捲回体の他端から突き出た複数の負極集電タブと、
    (a3)前記複数の正極集電タブと電気的に接続される正極集電リングと、
    (a4)前記複数の負極集電タブと電気的に接続される負極集電リングと、
    (a5)正極外リングと、
    (a6)負極外リングと、を有し、
    前記複数の正極集電タブは、前記正極集電リングに前記正極外リングを取り付けることにより、前記正極集電リングと前記正極外リングの間に溶着されることなく挟み込まれ、
    前記複数の負極集電タブは、前記負極集電リングに前記負極外リングを取り付けることにより、前記負極集電リングと前記負極外リングの間に溶着されることなく挟み込まれていることを特徴とするリチウムイオン電池。
  2. 請求項1記載のリチウムイオン電池であって、
    前記正極集電リングの側面に正極外リング用ストッパ部が設けられており、
    前記負極集電リングの側面に負極外リング用ストッパ部が設けられていることを特徴とするリチウムイオン電池。
  3. 請求項1記載のリチウムイオン電池であって、
    前記正極集電リングの側面に正極外リング用溝が設けられており、
    前記負極集電リングの側面に負極外リング用溝が設けられていることを特徴とするリチウムイオン電池。
  4. 請求項1記載のリチウムイオン電池であって、
    前記正極外リングおよび前記負極外リングは、リング形状をしていることを特徴とするリチウムイオン電池。
  5. 請求項4記載のリチウムイオン電池であって、
    前記正極外リングおよび前記負極外リングは、ゴムから構成されていることを特徴とするリチウムイオン電池。
  6. 請求項5記載のリチウムイオン電池であって、
    前記ゴムは、アクリルゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、フッ素系ゴム、あるいは、ブチルゴムのいずれかから構成されていることを特徴とするリチウムイオン電池。
  7. 請求項1記載のリチウムイオン電池であって、
    前記正極外リングおよび前記負極外リングは、スリットを有することを特徴とするリチウムイオン電池。
  8. 請求項7記載のリチウムイオン電池であって、
    前記正極外リングおよび前記負極外リングは、金属から構成されていることを特徴とするリチウムイオン電池。
  9. 請求項8記載のリチウムイオン電池であって、
    前記金属は、金、銅、あるいは、アルミニウムのいずれかから構成されていることを特徴とするリチウムイオン電池。
  10. 請求項1記載のリチウムイオン電池であって、
    前記正極集電リングは、アルミニウムから構成されており、
    前記負極集電リングは、銅から構成されていることを特徴とするリチウムイオン電池。
  11. 請求項1記載のリチウムイオン電池であって、
    前記複数の正極集電タブは、前記正極集電リングに前記正極外リングを複数個取り付けることにより、前記正極集電リングと前記正極外リングの間に溶着されることなく挟み込まれ、
    前記複数の負極集電タブは、前記負極集電リングに前記負極外リングを複数個取り付けることにより、前記負極集電リングと前記負極外リングの間に溶着されることなく挟み込まれていることを特徴とするリチウムイオン電池。
  12. 請求項11記載のリチウムイオン電池であって、
    前記正極集電リングには、複数の正極外リング用溝が設けられており、
    前記負極集電リングには、複数の負極外リング用溝が設けられていることを特徴とするリチウムイオン電池。
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