JP2012174371A - 照明装置、液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エリア制御時の調光エリア間の境界の顕在化を防ぎ、かつ、生産性に優れた、直下型の照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置12は、複数の照明ユニット122と、複数の照明ユニット122から出射される光を入射して液晶パネル11へ向けて拡散する拡散板121とを備える。照明ユニット122は、LED光源122aと、ハーフミラー122cと、ハーフミラー122cにて反射された光をさらにハーフミラー122cへ反射する底面aを含む隔壁部材122bとを有する。ハーフミラー122cは、前記対向部に近い位置ほど光透過率が低く光反射率が高くなり、LED光源122aとの対向部において光透過率が最低且つ光反射率が最高になる。
【選択図】図2
【解決手段】照明装置12は、複数の照明ユニット122と、複数の照明ユニット122から出射される光を入射して液晶パネル11へ向けて拡散する拡散板121とを備える。照明ユニット122は、LED光源122aと、ハーフミラー122cと、ハーフミラー122cにて反射された光をさらにハーフミラー122cへ反射する底面aを含む隔壁部材122bとを有する。ハーフミラー122cは、前記対向部に近い位置ほど光透過率が低く光反射率が高くなり、LED光源122aとの対向部において光透過率が最低且つ光反射率が最高になる。
【選択図】図2
Description
本発明は、液晶表示装置に取り付けられる直下型の照明装置(バックライト装置、バックライトユニット)に関する。
従来、透過型の液晶表示装置では、表示パネルのバックライトとして冷陰極蛍光管(CCFL)を光源とした照明装置が主として用いられていた。しかし、最近では、LED素子の普及が急速に進んだことによって、LED方式の照明装置(LEDを光源とした照明装置)の価格低下が顕著になり、LED方式の照明装置が用いられることが多くなっている。LED方式の照明装置は、冷陰極蛍光管を光源とした照明装置にて用いられる水銀を使用しないため、環境に優しいという利点がある。さらに、LED方式の照明装置は、低消費電力化および長寿命化の点において、冷陰極蛍光管を光源とした照明装置よりも優れている。
また、LED方式の照明装置には、特許文献1に示されるようなエッジ型の照明装置と、特許文献2や特許文献3に示されるような直下型の照明装置とがある。直下型の照明装置は、エリア制御(表示パネルを複数のエリアに区切り、エリア毎に光量制御を行う)が可能であるため、画質の点においてエッジ型の照明装置よりも優れている。
しかし、LEDは指向性が強い光源であるため、直下型の照明装置において、液晶パネル全体を均一に照射するには、液晶パネルに対して照射される光を均一に拡散させる必要がある。そこで、特許文献2では、複数のLEDと拡散板とを液晶パネルの背面に配置する直下型の照明装置において、LEDの発光面直上に頂点を下向きとする逆円錐形部材を配置してLED上部の光を拡散する技術が開示されている。さらに、この逆円錐形部材により、LEDと拡散板との間隔を狭めることが可能となり、液晶表示装置の薄型化を図っている。また、特許文献3では、直下型の照明装置において、ある調光エリアの輝度一定領域となる面積を50%以上とする技術が提案されている。
しかしながら、特許文献2の技術では、逆円錐部材とLEDの中心を合わせることが難しく量産性に優れない。また、特許文献3の技術では、ある調光エリアにおいて輝度一定領域となる面積を50%以上にするというような過度の輝度均一化が生産コストを極めて高くするという問題を招来している。さらに、特許文献3の技術による輝度均一化は、調光エリアにおいて輝度一定領域の周囲に輝度変化領域を有することになるため、エリア制御時に互いに隣接し合う調光エリア間の境界が顕在化するという問題を招来している。
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、エリア制御時の調光エリア間の境界の顕在化を防ぎ、かつ、生産性(量産性、生産コスト)に優れた、直下型の照明装置を提供することにある。
前記目的を達成するために、本願発明は、表示パネルの背面に配置され、光を出射する複数の照明ユニットと、当該複数の照明ユニットから出射される光を拡散する拡散板とを備え、当該拡散板にて拡散された光を前記表示パネルに照射する直下型の照明装置において、各照明ユニットは、LED光源と、前記LED光源と前記拡散板との間に配置され、前記LED光源側の面における一部において前記LED光源と対向する対向部を有しているハーフミラーと、前記ハーフミラーの前記LED光源側の面における前記対向部以外の領域と対向する反射部とを有し、前記ハーフミラーは、前記LED光源から出射する光および前記反射部によって反射される光を入射し、入射光を、前記ハーフミラーを透過して前記拡散板へ入射する光と、前記ハーフミラーを反射して前記反射部へ到達する光とに分離するものであり、前記反射部は、前記ハーフミラーから到達した光を前記ハーフミラーへ向けて反射するようになっており、さらに、前記ハーフミラーは、前記対向部に近い位置ほど光透過率が低く光反射率が高くなり、前記対向部において前記光透過率が最低且つ前記光反射率が最高になることを特徴とする。
本発明の構成によれば、前記ハーフミラーにおいて、LED光源から直接到達する光の密度は、前記対向部に近いほど高く、前記対向部から遠いほど低くなる。よって、前記ハーフミラーにおいては、LED光源から直接到達する光の密度の高い位置ほど光反射率が高く光透過率が低くなり、LED光源から直接到達する光の密度の低い位置ほど光反射率が低く光透過率が高くなる。また、前記LED光源から出射された後に前記ハーフミラーにて反射された光は、さらに反射部によって反射されるため、前記対向部から遠ざかる方向へ進行し、前記ハーフミラーのうち前記対向部から離れた位置(LED光源から直接到達する光の密度が低く、且つ光透過率の高い位置)に入射することになる。それゆえ、前記ハーフミラーにおいて、前記LED光源から直接到達する光の密度は前記対向部に近いほど高くなるものの、透過光の分布を均一に近づけることができ、これに伴い、照明ユニットから照射される光の分布を均一に近づけることができ、これにより照明装置からの照射光の均一化を実現できる。
そして、本願発明によれば、特許文献3のような輝度均一化の手法を用いずに、照明装置からの照射光の均一化を実現しているため、エリア制御時に調光エリア間の境界が顕在化するというような問題が生じない。また、拡散板とLED光源との間にハーフミラーを備えるだけでよいため、生産性にも優れている。よって、本願発明によれば、エリア制御時の調光エリア間の境界の顕在化を防ぎ、かつ、生産性に優れた、直下型の照明装置を提供できる。
また、本願発明の照明装置は、前記構成に加えて、前記反射部が、前記LED光源の周囲に形成されている第1反射面と、前記第1反射面よりも前記LED光源から離れた位置であって前記第1反射面の周囲に形成されている第2反射面とを有する反射部材であり、前記第2反射面と前記ハーフミラーとの間隔は、前記第1反射面と前記ハーフミラーとの間隔よりも短いことを特徴とする。
この構成によれば、前記LED光源から遠い位置に配置されている前記第2反射面と前記ハーフミラーとの間隔が、前記LED光源から近い位置に配置されている前記第1反射面と前記ハーフミラーとの間隔よりも短いことから、前記LED光源から遠い位置において光の密度を高くすることができる。それゆえ、ハーフミラーの透過光の分布をより均一に近づけることができる。
また、本願発明の照明装置は、前記構成に加えて、前記LED光源に接続するプリント基板を有し、前記反射部材における前記第1反射面の裏側が前記プリント基板に接触している一方、前記反射部材における前記第2反射面の裏側が前記プリント基板から離れていることを特徴とする。
この構成によれば、前記反射部材における第2反射面の裏側と前記プリント基板との間に空隙が形成されることになり、この空隙が断熱層として機能することになる。それゆえ、前記プリント基板において前記LED光源の発光に伴う発熱が生じた場合、前記プリント基板から、前記反射部材における前記第2反射面の裏側への熱伝導を抑制でき、ひいては、ハーフミラー、拡散板、液晶表示部等へ与えられる前記発熱によるダメージを抑制できる。
また、本願発明の照明装置は、前記構成に加えて、前記反射部材に、前記第1反射面と前記第2反射面との間に形成される第3反射面が含まれており、前記第3反射面は、前記ハーフミラーに近い側の径が前記ハーフミラーに遠い側の径よりも大きくなるテーパー形状になっていることを特徴とする。
この構成によれば、前記第1反射面と前記第2反射面との間の第3反射面を前記ハーフミラーに対面させることができ、前記第1反射面と前記第2反射面との間において反射ムラを抑制でき、前記反射部材にて反射する光の分布を均一に近づけることができる。
また、本願発明の照明装置は、前記構成に加えて、前記複数の照明ユニットが、それぞれ、前記ハーフミラーと対向しており且つ光反射性を有する底面を有し、前記底面は前記反射部として機能し、前記底面には光反射性の球状部材が散在されていることを特徴とする。
この構成によれば、前記ハーフミラーから反射する光は、前記底面にて反射したり、前記球状部材によって乱反射されるようになっている。それゆえ、前記ハーフミラーにおいて前記対向部から離れた位置に対して入射する光を増やすことができ、ハーフミラーにおいて透過光の分布をより均一に近づけることができる。
また、本発明は、前記照明装置と前記液晶表示部とを備えていることを特徴とする液晶表示装置であってもよい。
本発明によれば、以上のように、エリア制御時の調光エリア間の境界の顕在化を防ぎ、かつ、生産性に優れた、直下型の照明装置を提供できる。
〔概略説明〕
まず、本発明の一実施形態の照明装置の構成の概略を説明する。図1は、本実施形態の照明装置(バックライト装置)を備える透過型の液晶表示装置を模式的に示した分解図であり、図2は、図1に示す液晶表示装置をA方向に垂直な面で切断した場合の断面図である。
まず、本発明の一実施形態の照明装置の構成の概略を説明する。図1は、本実施形態の照明装置(バックライト装置)を備える透過型の液晶表示装置を模式的に示した分解図であり、図2は、図1に示す液晶表示装置をA方向に垂直な面で切断した場合の断面図である。
図1および図2に示すように、照明装置12は、液晶表示装置10に取り付けられており、複数の照明ユニット122と、複数の照明ユニット122の各々から出射される光を入射して液晶パネル(表示パネル)11へ向けて拡散する拡散板121とを備えている。各照明ユニット122は、(a)LED光源122aと、(b)LED光源122aと拡散板121との間に配置され、LED光源122aの側の面における一部領域においてLED光源122aと対向する対向部(図3参照)を有しているハーフミラー122cと、(c)ハーフミラー122cのLED光源122a側の面における前記対向部以外の領域と対向する底面aを含む隔壁部材122bとを有する。なお、少なくとも隔壁部材122bの底面aは光反射機能を有する。
ハーフミラー122cは、LED光源122aから出射する光および底面aによって反射される光を入射し、入射光を、ハーフミラー122cを透過して拡散板121へ入射する光と、ハーフミラー122cを反射して底面aへ到達する光とに分離するものである。底面aは、ハーフミラー122cから到達した光をハーフミラー122cへ向けて反射するようになっている。
さらに、ハーフミラー122cは、前記対向部に近い位置ほど前記光透過率が低く前記光反射率が高くなり、前記対向部において光透過率が最低且つ光反射率が最高になる。
以上の構成によれば、ハーフミラー122cにおいて、LED光源から直接到達する光の密度は、前記対向部に近いほど高く、前記対向部から遠いほど低くなる。よって、ハーフミラー122cにおいては、LED光源122aから直接到達する光の密度の高い位置ほど光反射率が高く光透過率が低くなり、LED光源122aから直接到達する光の密度の低い位置ほど光反射率が低く光透過率が高くなる。また、LED光源122aから出射された後にハーフミラー122cにて反射された光は、底面aにて反射されるため、前記対向部から遠ざかる方向へ進行し、ハーフミラー122cのうち前記対向部から離れた位置(LED光源122aから直接到達する光の密度が低く、且つ光透過率の高い位置)に入射することになる。それゆえ、ハーフミラー122cにおいて、LED光源122aから直接到達する光の密度は前記対向部に近いほど高くなるものの、透過光の分布を均一に近づけることができ、これに伴い、照明ユニット122から照射される光の分布を均一に近づけることができ、これにより照明装置12からの照射光の均一化を実現できる。以下、本実施形態の照明装置の構成をより詳細に説明する。
〔詳細説明〕
図1および図2に示すように、液晶表示装置10は、液晶パネル11と、液晶パネル11の背面側に配置される照明装置12とを備えている。
図1および図2に示すように、液晶表示装置10は、液晶パネル11と、液晶パネル11の背面側に配置される照明装置12とを備えている。
本実施形態の照明装置12は、直下型のバックライト装置であり、フレーム部材124と、プリント基板123と、複数の照明ユニット122と、拡散板121とを備えている。
フレーム部材124は、液晶パネル11と略同一形状および略同一面積を有する板状部材であって、プリント基板123および複数の照明ユニット122を支持するためのものである。
プリント基板123は、フレーム部材124における液晶パネル11に対向する側の面に形成されており、後述するLED光源122aを駆動するための駆動電流をLED光源122aに供給する回路基板である。
照明ユニット122は、図1および図2に示すように、一つのLED光源122aと一つの隔壁部材122bと一つのハーフミラー122cとの組からなり、拡散板121の方へ向けて光を出射する照明部材である。そして、照明装置12においては、図1に示すように、フレーム部材124における液晶パネル11に対向する側の面に、複数の照明ユニット122がマトリクス状に配列されている。なお、照明ユニット122に含まれる部材(LED光源122a、隔壁部材122b、ハーフミラー122c)については後に詳述する。
拡散板121は、液晶パネル11と複数の照明ユニット122との間に配置されており、液晶パネル11と略同一形状および略同一面積を有する板状の光学部品である。この拡散板121は、複数の照明ユニット122の各々から出射される光を入射して液晶パネル(液晶表示部)11の方へ向けて拡散するものである。なお、本実施形態では、図1のように照明装置12に対して取り付けられる拡散板121の枚数が1枚になっているが、光学フイルムやプリズムシート等の複数の光学シート部材が照明装置12に取り付けられるような形態であってもよい。
つぎに照明ユニット122に含まれる部材について説明する。なお、本実施形態の照明装置12に取り付けられている複数の照明ユニット122は全て同一の構造であるため、説明の便宜上、以下では1つの照明ユニット122に含まれる部材についてのみ説明する。
照明ユニット122は、図1および図2に示すように、LED光源122aと、隔壁部材122bと、ハーフミラー122cとを有している。
LED光源122aは、単一のLED(light emitting diode)チップからなるものである。LEDチップは白色光を発する発光素子である。また、図2に示すように、LED光源122aは、プリント基板123に対して電気的に接続されており、プリント基板123から駆動電流が供給されるようになっている。
隔壁部材(反射部,反射部材)122bは、この隔壁部材122bと対になって照明ユニット122を構成しているLED光源122aを囲う部材であり、当該LED光源122aと他のLED光源122aとの間を隔てるためのものである。隔壁部材122bは、方形状且つ平板状の底面aと、底面aの4辺の各々から液晶パネル11の方へ向けて延びるように形成される側壁部bとからなり、底面aと対向する位置が開放された枡形部材である。隔壁部材122bは、光反射性を有する樹脂材料からなる。この樹脂材料の一例として白色のポリエチレンテレフタレートが挙げられる。
ハーフミラー122cは、入射光の一部を反射し、且つ入射光の一部を透過する平板状の光学部品である。ハーフミラー122cは、図1および図2に示すように、底面aと同じ方形状であって底面aとほぼ同一の面積を有し、底面aとオーバーラップ(対向)するように、側壁部bに支持される。これにより、照明ユニット122において、隔壁部材122bの底面aと側壁部bとハーフミラー122cとに囲まれる内部空間cが形成され、底面aとハーフミラー122cとが互いに対向することになる。なお、本実施形態では、図1および図2に示すように、一つの照明ユニット122に一枚のハーフミラー122cが取り付けられている。つまり、照明装置12に備えられるハーフミラー122cの枚数は、照明装置12に備えられる照明ユニット122の数と同数である。
また、図2に示すように、一つの照明ユニット122の内部空間cに一つのLED光源122aが配置されている。具体的には、隔壁部材122bの底面aの中央に開口部が形成されており、プリント基板123に接続されているLED光源122aが当該開口部から内部空間cに突出している。つまり、LED光源122aは、隔壁部材122bの底面aの中央に位置し、その光出射面がハーフミラー122cの中央部と対向している。
以上にて示した構成の照明ユニット122において、LED光源122aから出射される光は、図2に示すように、ハーフミラー122cに入射する。そして、ハーフミラー122cは、入射光の光束を透過光と反射光とに分けるようになっている。
つまり、図2に示すように、LED光源122aから出射された光の一部は、ハーフミラー122cを透過し、拡散板121に入射し、拡散板121によって液晶パネル11の方へ拡散される。また、図2に示すように、LED光源122aから出射された光の一部は、ハーフミラー122cを透過せずに反射し、ハーフミラー122cに対向する底面a(隔壁部材122b)に入射する。ここで、底面aは、隔壁部材(反射部,反射部材)122bの一部であり、光反射性の樹脂材料(白色のポリエチレンテレフタレート)からなる反射面である。それゆえ、ハーフミラー122cを反射した光は、底面aをさらに反射し、この反射によってハーフミラー122cの中央部から離れた方へ進行し、ハーフミラー122cに再度入射するようになっている。ハーフミラー122cに再度入射した光の一部は、ハーフミラー122cを透過して拡散板121に入射し、拡散板121によって液晶パネル11の方へ拡散され、また、ハーフミラー122cに再度入射した光の一部は、ハーフミラー122cを反射して再度底面aに入射する。照明ユニット122においては、以上のような光の挙動が繰り返されることにより、ハーフミラー122cを透過した光が拡散板121へ入射し、拡散板121によって液晶パネル11の方へ拡散されるようになっている。
そして、本実施形態のハーフミラー122cは、図3に示すように、LED光源122aとの対向部(ハーフミラー122cの中央部)において反射率が最高且つ透過率が最低になり、前記対向部に近い位置ほど反射率が高く透過率が低くなるように設計される(つまり前記対向部から遠い位置ほど反射率が低く透過率が高くなる)。換言すると、ハーフミラー122cは、LED光源122aから直接到達する入射光(隔壁部材122bにて反射されずにLED光源122aからハーフミラー122cに直接入射する入射光)の入射角が大きくなる位置ほど反射率が高くなって透過率が低くなり、当該入射角が小さくなる位置ほど反射率が高くなって透過率が低くなるように設計されているともいえる。
このようなハーフミラー122cを用いている理由を以下に説明する。LED光源は指向性が高いため、ハーフミラー122cを仮に取り付けない場合、拡散板において、LED光源からの入射光の密度がLED光源との対向部で高く、この対向部から離れるほど低くなり、拡散板へ入射する光を均一にできず、これにより照明装置から照射される光を均一にできない。そして、拡散板へ入射する光を均一にするためには、拡散板とLED光源との距離を長くしなければならず、液晶表示装置10の薄型化を妨げてしまうという問題が生じる。
そこで、本実施形態では、LED光源122aとの対向部(中央部)において反射率が最高且つ透過率が最低になり、前記対向部から近い位置ほど反射率が高くなり透過率が低くなるハーフミラー122cを用いている(前記対向部から遠い位置ほど反射率が低く透過率が高くなる)。これにより、ハーフミラー122cにおいて、LED光源122aから直接到達する光の密度が高い位置ほど光反射率が高く光透過率が低くなり、LED光源122aから直接到達する光の密度が低い位置ほど光反射率が低く光透過率が高くなる。また、LED光源122aから出射された後にハーフミラー122cにて反射された光は、さらに底面aによって反射され、前記対向部から遠ざかる方向へ進行し、ハーフミラー122cのうち前記対向部から離れた位置(LED光源122aから直接到達する光の密度が低く、且つ光透過率の高い位置)に入射することになる。それゆえ、ハーフミラー122cにおいて、LED光源122aから直接到達する光の密度は前記対向部に近いほど高くなるものの、透過光の分布を均一に近づけることができ、これに伴い、照明ユニット122から照射される光の分布を均一に近づけることができ、照明装置12の照射光の分布を均一に近づけることができる。
つまり、拡散板121とLED光源122aとの間に本実施形態のハーフミラー122cを備えるだけで、照明装置12の照射光の分布を均一に近づけることができるため、液晶表示装置10の薄型化を妨げることなく照明装置12の照射光の分布を均一にできる。
さらに、本実施形態の照明装置12は直下型であるため、複数の照明ユニット122を複数の調光エリアに分割し、調光エリア毎に照射光量を制御(調整)できるようになっている(いわゆるエリア制御が可能になっている)。したがって、液晶パネル11において高輝度の下地画像上に低輝度の暗部画像を表示するような場合、照明装置12のうち、暗部画像およびその周囲に対向しているエリアの照明ユニット122の照射光量を抑制することで、暗部画像の輪郭部分における滲みを抑制できる。つまり、図4に示すように、白色の下地画像(明部)170と、文字画像(暗部)180とを液晶パネル11に表示する場合、照明装置12のうち、文字画像180およびその周囲を照らすエリアを減光エリア200とし、減光エリア200に属する照明ユニット122の照射光量が減光エリア200に属していないエリアの照明ユニット122の照射光量よりも少なくなるように調光をおこなうことになる。これにより、文字画像180の輪郭部分において滲みが発生することを抑制できる。
また、本実施形態によれば、特許文献3に示されている輝度均一化の手法を用いずに、照明装置12の照射光の均一化を実現しているため、いわゆるエリア制御時に調光エリア間の境界が顕在化するというような問題が生じない。また、拡散板121とLED光源122aとの間にハーフミラー122cを備えるだけでよいため、生産性にも優れている。
〔変形例〕
つぎに、本実施形態の照明装置12が備えている照明ユニット122の変形例を説明する。図5は、本実施形態の照明ユニット122の変形例を示す図である。図5に示す照明ユニット122においては、隔壁部材122bの底面(反射部)aに光反射性の球状部材(ビーズ)122eが散在している。球状部材122eは、表面が滑らかな曲面形状になっており、入射した光を、乱反射する光と透過する光とに分離する。つまり、ハーフミラー122cを反射した後の光は、球状部材122eと球状部材122eとの隙間を通過して底面aに到達したり、球状部材122eを透過して底面aに到達したり、球状部材122eを乱反射するようになっている。
つぎに、本実施形態の照明装置12が備えている照明ユニット122の変形例を説明する。図5は、本実施形態の照明ユニット122の変形例を示す図である。図5に示す照明ユニット122においては、隔壁部材122bの底面(反射部)aに光反射性の球状部材(ビーズ)122eが散在している。球状部材122eは、表面が滑らかな曲面形状になっており、入射した光を、乱反射する光と透過する光とに分離する。つまり、ハーフミラー122cを反射した後の光は、球状部材122eと球状部材122eとの隙間を通過して底面aに到達したり、球状部材122eを透過して底面aに到達したり、球状部材122eを乱反射するようになっている。
図5の構成によれば、球状部材122eにおける乱反射によって、ハーフミラー122cにおいてLED光源122aとの対向部(ハーフミラーの中央)から離れた位置に対して入射する光を図2の構成よりもさらに増やすことができ、ハーフミラー122cにおいて透過光の分布をより均一なものに近づけることができる。
なお、本実施形態の球状部材122eとしては、直径0.3mmから3mm程度のガラスまたはアクリル等の透明球状粒子が好ましいが、これらに限定されない。
また、本実施形態の照明ユニット122の隔壁部材は図2の参照符122bに示されるものに限定されるものではなく、例えば図6および図7の参照符122b´に示されるような隔壁部材が照明ユニット122に取り付けられていてもよい。以下では、隔壁部材122b´について図6および図7を参照して説明する。
図6は、本実施形態の照明ユニット122のさらなる変形例を示した断面図であり、図7は、図6の照明ユニットにおける隔壁部材の底面を示した斜視図である。図6に示す照明ユニット122は、図2の隔壁部材122bの代わりに隔壁部材122b´が取り付けられている点で図2の照明ユニット122と異なるが、他の構成については図2の照明ユニット122と同一である。
図6および図7に示すように、隔壁部材122b´の底面aは、LED光源122aの周囲に形成されている第1反射面a1と、第1反射面a1よりもLED光源122aから離れた位置であって第1反射面a1の周囲に形成されている第2反射面a2とを含んでいる。そして、第2反射面a2とハーフミラー122cとの間隔は第1反射面a1とハーフミラー122cとの間隔よりも短くなっている。これにより、隔壁部材122b´の底面とハーフミラー122cとの間のスペースにおいて、LED光源から遠い位置(第2反射面a2とハーフミラー122cとの間のスペース)の光の密度を高くすることができる。それゆえ、ハーフミラー122cの透過光の分布をより均一なものに近づけることができる。
さらに、図6および図7に示すように、隔壁部材122b´の底面は、第1反射面a1および第2反射面a2の他、第1反射面a1と第2反射面a2との間に形成される第3反射面a3を含んでおり、第3反射面a3は、ハーフミラー122cに近い側の径がハーフミラー122cに遠い側の径よりも大きくなるテーパー形状になっている。これにより、第1反射面a1と第2反射面a2との間の第3反射面a3をハーフミラー122cに対面させることができ、第1反射面a1と第2反射面a2との間において反射ムラを抑制でき、隔壁部材122b´の底面にて反射する光の分布を均一なものに近づけることができる。
また、図6および図7に示すように、隔壁部材122b´における第1反射面a1の裏側がプリント基板123に接触している一方、隔壁部材122b´における第2反射面a2の裏側がプリント基板123から離れており、隔壁部材122b´における第2反射面a2の裏側とプリント基板123との間に空隙が形成されている。これにより、前記空隙が断熱層として機能するため、プリント基板123においてLED光源122aの発光に伴う発熱が生じた場合、プリント基板123から、隔壁部材122b´における第2反射面a2の裏側への熱伝導を抑制でき、ひいては、ハーフミラー122c、拡散板121、液晶パネル11等へ与えられる前記発熱によるダメージを抑制できる。
また、図1および図2にて示した照明装置12において、各照明ユニット122の各隔壁部材122bは、隣の照明ユニット122の隔壁部材122bと分離している。しかし、照明装置の隔壁部材は図1および図2に示すものに限定されるものではなく、例えば、図8および図9に示すように、押し出し成型によって一体的に成型され、全ての照明ユニット322にて共用される構成の隔壁部材330が照明装置32に取り付けられていてもよい。以下、図8および図9に示す照明装置32の構成を説明する。
図9に示すように、照明装置32は、液晶パネル311の背面に取り付けられるものであり、拡散板321、フレーム部材324、プリント基板323の他、格子状の隔壁部材330(反射部材)を備えている。
隔壁部材330は、光反射性を有する樹脂材料(白色のポリエチレンテレフタレート)からなり、押し出し成型によって一体的に成型されるものである。図8に示すように、隔壁部材330は、底面Eと、底面Eから液晶パネル311および拡散板321の方へ向けて突出している側壁部Fとを有する。
また、図8および図9に示すように、側壁部Fに囲まれている各スペースCにLED光源322aが一つづつ配置される。側壁部Fに囲まれている各スペースC毎に、各スペースCを覆うハーフミラー322cが取り付けられている。ハーフミラー322cは、側壁部Fに支持されており、LED光源322aおよび底面Eに対向する位置に配されている。このハーフミラー322cはハーフミラー122cと同じ光学部品である。
そして、図8に示すように、一つのLED光源322aと、当該LED光源322aに対向する一つのハーフミラー322cと、側壁部Fのうち当該LED光源322aを囲っている壁面F1(反射面)と、底面Eのうち当該ハーフミラー322cに対向している底面E1(反射面)とが、一つの照明ユニット322を構成しており、照明装置32は複数の照明ユニット322を備えていることになる。
以上にて示した照明装置32も、照明装置12と同じ効果を奏する。つまり、図8および図9に示す照明装置32においても、液晶表示装置の薄型化を妨げることなく照明装置の照射光の分布を均一にできる。
なお、図8および図9に示す照明装置32においても、図5に示す構成と同様、底面Eにガラスビーズを散在させてよい。
また、図8および図9に示す照明装置32の底面Eも、図6および図7の底面aと同様、LED光源322aの周囲に形成されている第1反射面と、第1反射面の外周側に形成されておりテーパー形状になっている第3反射面と、第3反射面の外周側に形成される第2反射面とを有していてもよい。この場合、図8および図9に示す照明装置32においても、第2反射面とハーフミラー322cとの間隔が第1反射面とハーフミラー322cとの間隔よりも短くなっており、第1反射面の裏面はプリント基板323に接触している一方で第2反射面の裏面はプリント基板323から離間している。これにより、図6および図7に示す構成と同様の効果が得られる。
図9に示すように、照明装置32は、液晶パネル311の背面に取り付けられるものであり、拡散板321、フレーム部材324、プリント基板323の他、格子状の隔壁部材330(反射部材)を備えている。
隔壁部材330は、光反射性を有する樹脂材料(白色のポリエチレンテレフタレート)からなり、押し出し成型によって一体的に成型されるものである。図8に示すように、隔壁部材330は、底面Eと、底面Eから液晶パネル311および拡散板321の方へ向けて突出している側壁部Fとを有する。
また、図8および図9に示すように、側壁部Fに囲まれている各スペースCにLED光源322aが一つづつ配置される。側壁部Fに囲まれている各スペースC毎に、各スペースCを覆うハーフミラー322cが取り付けられている。ハーフミラー322cは、側壁部Fに支持されており、LED光源322aおよび底面Eに対向する位置に配されている。このハーフミラー322cはハーフミラー122cと同じ光学部品である。
そして、図8に示すように、一つのLED光源322aと、当該LED光源322aに対向する一つのハーフミラー322cと、側壁部Fのうち当該LED光源322aを囲っている壁面F1(反射面)と、底面Eのうち当該ハーフミラー322cに対向している底面E1(反射面)とが、一つの照明ユニット322を構成しており、照明装置32は複数の照明ユニット322を備えていることになる。
以上にて示した照明装置32も、照明装置12と同じ効果を奏する。つまり、図8および図9に示す照明装置32においても、液晶表示装置の薄型化を妨げることなく照明装置の照射光の分布を均一にできる。
なお、図8および図9に示す照明装置32においても、図5に示す構成と同様、底面Eにガラスビーズを散在させてよい。
また、図8および図9に示す照明装置32の底面Eも、図6および図7の底面aと同様、LED光源322aの周囲に形成されている第1反射面と、第1反射面の外周側に形成されておりテーパー形状になっている第3反射面と、第3反射面の外周側に形成される第2反射面とを有していてもよい。この場合、図8および図9に示す照明装置32においても、第2反射面とハーフミラー322cとの間隔が第1反射面とハーフミラー322cとの間隔よりも短くなっており、第1反射面の裏面はプリント基板323に接触している一方で第2反射面の裏面はプリント基板323から離間している。これにより、図6および図7に示す構成と同様の効果が得られる。
なお、本実施形態の照明ユニット122は、ハーフミラー122cと対向する位置において、ハーフミラー122cにて反射された光をさらにハーフミラー122cへ反射する反射部(隔壁部材122bの底部c)が取り付けられており、ハーフミラー122cと当該反射部との組み合わせにより、ハーフミラー122cから拡散板121へ照射される光を均一なものにしているが、特許文献1のバックライトには前記のような反射部は備えられていない。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、液晶表示装置に取り付けられる直下型のバックライト装置に利用することができる。
10 液晶表示装置
11 液晶パネル(表示パネル)
12 照明装置
121 拡散板
122 照明ユニット
122a LED光源
122b 隔壁部材(反射部、反射部材)
122c ハーフミラー
122e 球状部材(ビーズ)
123 プリント基板
a 底面(反射部、反射部材、反射面)
a1 第1反射面
a2 第2反射面
a3 第3反射面
11 液晶パネル(表示パネル)
12 照明装置
121 拡散板
122 照明ユニット
122a LED光源
122b 隔壁部材(反射部、反射部材)
122c ハーフミラー
122e 球状部材(ビーズ)
123 プリント基板
a 底面(反射部、反射部材、反射面)
a1 第1反射面
a2 第2反射面
a3 第3反射面
Claims (6)
- 表示パネルの背面に配置され、光を出射する複数の照明ユニットと、当該複数の照明ユニットから出射される光を拡散する拡散板とを備え、当該拡散板にて拡散された光を前記表示パネルに照射する直下型の照明装置において、
各照明ユニットは、LED光源と、前記LED光源と前記拡散板との間に配置され、前記LED光源側の面における一部において前記LED光源と対向する対向部を有しているハーフミラーと、前記ハーフミラーの前記LED光源側の面における前記対向部以外の領域と対向する反射部とを有し、
前記ハーフミラーは、前記LED光源から出射する光および前記反射部によって反射される光を入射し、入射光を、前記ハーフミラーを透過して前記拡散板へ入射する光と、前記ハーフミラーを反射して前記反射部へ到達する光とに分離するものであり、
前記反射部は、前記ハーフミラーから到達した光を前記ハーフミラーへ向けて反射するようになっており、
さらに、前記ハーフミラーは、前記対向部に近い位置ほど光透過率が低く光反射率が高くなり、前記対向部において前記光透過率が最低且つ前記光反射率が最高になることを特徴とする照明装置。 - 前記反射部は、前記LED光源の周囲に形成されている第1反射面と、前記第1反射面よりも前記LED光源から離れた位置であって前記第1反射面の周囲に形成されている第2反射面とを有する反射部材であり、
前記第2反射面と前記ハーフミラーとの間隔は、前記第1反射面と前記ハーフミラーとの間隔よりも短いことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。 - 前記LED光源に接続するプリント基板を有し、
前記反射部材における前記第1反射面の裏側が前記プリント基板に接触している一方、前記反射部材における前記第2反射面の裏側が前記プリント基板から離れていることを特徴とする請求項2に記載の照明装置。 - 前記反射部材には、前記第1反射面と前記第2反射面との間に形成される第3反射面が含まれており、
前記第3反射面は、前記ハーフミラーに近い側の径が前記ハーフミラーに遠い側の径よりも大きくなるテーパー形状になっていることを特徴とする請求項2または3に記載の照明装置。 - 前記複数の照明ユニットは、それぞれ、前記ハーフミラーと対向しており且つ光反射性を有する底面を有し、
前記底面は前記反射部として機能し、
前記底面には光反射性の球状部材が散在されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の照明装置。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の照明装置と、前記表示パネルとしての液晶パネルとを備えていることを特徴とする液晶表示装置。
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