JP2012173610A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着部材の長手方向端部の非通紙領域における定着部材と磁界誘導部材である感温磁性体の温度差を小さくし、長手方向中央部の通紙領域における定着部材と磁界誘導部材の所望の温度差を維持し、小熱容量でウォームアップ時間が短く、定着部材の過昇温が確実且つ迅速に抑止される定着装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】誘導加熱部で生成された交流磁界を内部に誘導し又は透過する磁界誘導部材22を、定着ベルト21の内周面に近接して固設し、所望の温度のキュリー点を有するように構成し、定着ベルト21と磁界誘導部材22の間に空隙を設け、長手方向端部における磁界誘導部材22の発熱量を長手方向中央部における発熱量よりも大きくすることにより解決される。
【選択図】図6

Description

本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ又はそれらの複合機等の画像形成装置に設置される定着装置及びこれを備えた画像形成装置に関し、特に電磁誘導加熱方式を用いた定着装置及び画像形成装置に関する。
従来から、小熱容量でウォームアップ時間が短く、定着ベルトの過昇温が防止される電磁誘導加熱方式の定着装置が知られている。
特許文献1は、発熱層として感温磁性層と低抵抗層を有し、端部の低抵抗層の厚みを厚くすることで、長手方向の温度分布が均一で過昇温が防止される定着装置を開示している。
特許文献2は、通紙による回転体の温度低下を抑制するために、定着ベルトの内周側に、磁界の作用により発熱する発熱体であって、磁界発生装置に対し定着ベルトを介して対向すると共に定着ベルトの内周面に接触して発熱体を設け、この発熱体を厚みが表皮深さを超え且つ磁性金属材料を含んで構成させることを開示している。
特許文献3は、自己温度制御機能を備えつつ発熱部の熱容量を小さくし、省エネルギー効果及び迅速な立ち上がり特性を得ることができる定着装置を開示している。
特許文献4は、定着部材を熱容量の小さいベルト部材で構成することにより、ウォームアップ時間やファーストプリント時間の短い定着装置であって、定着部材を介してコイルと対向する位置に、コイルにて生成された交流磁界を誘導して磁路を形成する磁界誘導部材としての感温磁性部材を配置することで、小サイズの記録媒体を連続的に定着した場合に記録媒体と接触していない定着部材の温度が過昇温してしまう非通紙部昇温を防止する定着装置を開示している。この装置は、固定の感温磁性部材の外側で低熱容量の定着部材を回転させて定着を行う定着装置であり、定着部材端部の昇温の抑制開始が遅れることを防止するものである。
ここで、定着部材の非通紙部の昇温について説明する。
一般的な画像形成装置は、幅方向のサイズが異なる数種類の記録媒体に画像形成ができるように構成されている。ここで、幅方向サイズの異なる記録媒体とは、JIS寸法のA列やB列における種々の定形サイズの記録媒体の他に不定形サイズの記録媒体も含まれる。また、同一サイズ(例えば、A4サイズ)の記録媒体であっても、長手方向を搬送方向にした場合と、長手方向に直交する方向である短手方向を搬送方向にした場合とでは、幅方向サイズの異なる記録媒体を扱っていることになる。
このように幅方向サイズの異なる記録媒体を定着装置で定着する場合には、記録媒体の幅方向サイズに応じて、定着部材の幅方向の熱分布が変動して、温度ムラが生じてしまうことがあった。例えば、幅方向サイズの小さな記録媒体を通紙して定着する場合には、その記録媒体の幅方向サイズに対応する定着部材の範囲(通紙領域)では熱が多く奪われて、この範囲ではその他の範囲(非通紙領域)に比べて定着温度が低くなる。このような現象は、幅方向サイズの小さな多数の記録媒体を連続的に通紙するような場合に特に顕著になる。
従って、定着部材の幅方向中央部の定着温度を基準として定着部材の幅方向全域の定着温度を制御しようとすると、定着部材の幅方向中央部の定着温度は所望の温度に制御できるものの、幅方向両端部の定着温度が上昇(過昇温)してしまうことになる。このように、定着部材の幅方向両端部の定着温度が上昇した状態で、幅方向サイズの大きな記録媒体を定着すると、温度上昇位置に対応した記録媒体上にホットオフセットが発生してしまう。さらに、幅方向両端部の定着温度が定着部材の耐熱温度を超えた場合には、定着部材に熱的破損が生じることも考えられる。
一方、定着部材の幅方向両端部の定着温度を基準として定着部材の幅方向全域の定着温度を制御しようとすると、定着部材の幅方向両端部の定着温度は所望の温度に制御できるものの、幅方向中央部の定着温度が低下してしまうことになる。このように、定着部材の幅方向中央部の定着温度が低下した状態で記録媒体を定着すると、温度低下位置に対応した記録媒体上にコールドオフセットが発生してしまう。
この課題に対して従来の定着装置では、加熱源がハロゲンヒータ又は電磁誘導加熱の場合、配光分布を中央部と端部に分けた2本のヒータ又はIH(Induction Heating)コイルを設置して制御する等して定着部材の温度制御を行ってきたが、定着装置の小熱容量化及び高速化に伴って過昇温が非常に発生し易くなっており、あらゆる紙種と通紙パターンに対応するためには非常に多数の加熱源の制御パターンを設計する必要がある。
特許文献4は、電磁誘導加熱方式による加熱と感温磁性部材を導入することにより、過昇温が確実に抑止される定着装置及び画像形成装置を開示している。
また、従来、定着部材と感温磁性体の間に空隙を設けることで、電磁誘導加熱により定着部材に発生した熱が、定着部材と感温磁性体との接触によって感温磁性体に伝熱することを防止している。この構成は、定着装置を実質的に小熱容量化しているのと同じ効果があり、ウォームアップ時間を短縮するのに非常に有効である。
しかしながら、この構成では定着部材と感温磁性体の間に温度差が生じ、これにより以下に述べるように発熱の抑制が直ちに行われないという課題があった。
従来、感温磁性体がキュリー点以上の温度になった時に、その外周に対向する定着部材の発熱を抑制する構成となっているため、感温磁性体のキュリー点の設定が非常に重要である。
例えば、感温磁性体のキュリー点を定着部材の耐熱温度よりも少し低めに設定した場合、図9に関連して後述するように、定着部材の非通紙部の温度がキュリー点を超えたとしても、感温磁性体の温度は空隙を介すことで伝熱が抑制されておりキュリー点よりも低い状態であるので、発熱の抑制が直ちに行われなかった。従って、その温度差により、定着部材の非通紙部が耐熱温度を超えても感温磁性体の温度がキュリー点を超えていないために発熱が抑制されない可能性がある。
他方で、感温磁性体のキュリー点を定着部材の耐熱温度よりも大幅に低く、定着に必要な定着部材よりも少し高く設定した場合、図10に関連して後述するように、定着部材の非通紙部が耐熱温度に近づく前に感温磁性体はキュリー点温度より上昇するので、感温磁性体の作用により発熱が抑制される。しかしながら、図11に関連して後述するように、定着部材の熱は空気を介して感温磁性体に少しずつ伝わっていくので、通紙中に通紙部の定着部材に対向する感温磁性体がキュリー点よりも昇温してしまい、不都合にも通紙部の定着部材の発熱を抑制してしまうという課題があった。
そこで、本発明は、定着部材の長手方向端部の非通紙領域における定着部材と磁界誘導部材である感温磁性体の温度差を小さくし、長手方向中央部の通紙領域における定着部材と磁界誘導部材の所望の温度差を維持し、小熱容量でウォームアップ時間が短く、定着部材の過昇温が確実且つ迅速に抑止される定着装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、この課題は、発熱層を備えた定着部材と、該定着部材の外周面に対向して配置された電磁誘導加熱のための誘導加熱部と、該定着部材の内周面に近接して固設され、該誘導加熱部で生成された交流磁界を内部に誘導し又は透過する磁界誘導部材とを有し、前記誘導加熱部は前記定着部材の前記発熱層と前記磁界誘導部材を電磁誘導加熱し、前記定着部材は固設された前記磁界誘導部材に対して回動可能に設けられた、定着装置において、前記磁界誘導部材は所望の温度のキュリー点を有するように構成され、前記定着部材と前記磁界誘導部材の間に空隙が設けられており、長手方向端部における前記磁界誘導部材の発熱量が長手方向中央部における発熱量よりも大きいことにより解決される。
また、前記誘導加熱部により電磁誘導加熱される導電性を有する発熱補助層が、前記定着部材の長手方向端部の内周面に対向する前記磁界誘導部材の外周面に設けられると好ましい。
また、前記定着部材と前記発熱補助層の間に空隙が設けられていると好ましい。
また、前記発熱補助層は銅からなると好ましい。
また、前記発熱補助層は、A4縦サイズの転写紙を通紙した時に非通紙領域に対応する前記磁界誘導部材の幅方向範囲に設けられると好ましい。
また、長さの異なる複数のスリットが前記磁界誘導部材に形成され、長手方向端部における該スリットは長手方向中央部における該スリットよりも短いと好ましい。
また、前記磁界誘導部材は半円筒状に形成され、前記スリットはその円周方向に沿って前記磁界誘導部材に形成されると好ましい。
また、前記磁界誘導部材は、ニッケル、鉄、クロム又はそれらの合金からなると好ましい。
また、前記磁界誘導部材のキュリー点は、定着設定温度よりも高く、前記定着部材の耐熱温度よりも低く設定されていると好ましい。
また、本発明に従う画像形成装置は前記定着装置を備えると好ましい。
本発明によれば、定着部材と磁界誘導部材の間に空隙を設けることにより、電磁誘導加熱により定着部材に発生した熱が、定着部材と磁界誘導部材との接触によって磁界誘導部材に伝熱することを防止している。さらに、長手方向端部における磁界誘導部材の発熱量を長手方向中央部における発熱量よりも大きくすることで、空隙を設けたことによる端部の非通紙領域における定着部材と磁界誘導部材の温度差を小さくし、中央部の通紙領域における定着部材と磁界誘導部材の所望の温度差を維持することができ、従って、定着部材端部の過昇温を迅速に抑制することができる。小熱容量でウォームアップ時間が短く、定着部材の過昇温が確実に抑止される定着装置及び画像形成装置が実現される。特に、複数枚の小サイズの記録媒体を連続的に定着した場合や装置が突発的に駆動停止した場合等であっても、過昇温が確実に抑止される。
画像形成装置全体の概略構成図である。 定着装置の概略構成図である。 定着ベルトの断面図である。 コイル部の概略構成図である。 定着装置を幅方向に見た模式図である。 本実施の形態1におけるコイル部と定着ベルトと感温磁性体を幅方向に見た模式図である。 定着ベルトの長手方向中央部における、フェライトコア、コイル部、定着ベルトの発熱層、感温磁性体及び磁束遮蔽部材の断面図である。 従来技術におけるコイル部と定着ベルトと感温磁性体を幅方向に見た模式図である。 従来技術の定着装置を用いてウォームアップ直後に幅方向サイズの小さな転写紙の連続通紙試験を行った時の定着ベルトの温度の経時変化を示す図である。 従来技術の定着装置の感温磁性体のキュリー点を定着設定温度の170℃に設定した場合における定着ベルトの温度の経時変化を示す図である。 図10に示した通紙を継続した時の定着ベルトの温度の経時変化を示す図である。 発熱補助層が設けられた定着ベルトの長手方向端部における、感温磁性体の温度がキュリー点以下である時にコイル部から発生される磁束を表す図である。 実施の形態1においてウォームアップ直後に幅方向サイズの小さな転写紙の連続通紙試験を行った時の定着ベルトの温度の経時変化を示す図である。 実施の形態2における定着装置の断面図である。 実施の形態2における感温磁性体の概略図である。 感温磁性体をコイル部側から見た平面図である。 実施の形態2においてウォームアップ直後に幅方向サイズの小さな転写紙の連続通紙試験を行った時の定着ベルトの温度の経時変化を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[実施の形態1]
先ず、図1にて画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としての複写機の装置本体、2は原稿Dの画像情報を光学的に読み込む原稿読込部、3は原稿読込部2で読み込んだ画像情報に基いた露光光Lを感光体ドラム5上に照射する露光部、4は感光体ドラム5上にトナー像(画像)を形成する作像部、7は感光体ドラム5上に形成されたトナー像を記録媒体Pに転写する転写部、10はセットされた原稿Dを原稿読込部2に搬送する原稿搬送部、12,13,14は転写紙等の記録媒体Pが収納された給紙部、20は記録媒体P上の未定着画像を定着する定着装置、21は定着装置20に設置された定着部材としての定着ベルト、31は定着装置20に設置された加圧部材としての加圧ローラをそれぞれ示す。
次に、図1を参照して、画像形成装置1における通常の画像形成時の動作について説明する。
先ず、原稿Dは、原稿搬送部10の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送され、原稿読込部2上を通過する。この時原稿読込部2では、上方を通過する原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
そして、原稿読込部2で読み取られた光学的な画像情報は、電気信号に変換された後に、露光部3(書込部)に送信される。そして、露光部3からは、その電気信号の画像情報に基づいたレーザ光等の露光光Lが作像部4の感光体ドラム5上に向けて発せられる。
一方、作像部4において、感光体ドラム5は図中時計回りに回転しており、不図示の帯電装置や現像装置等による所定の作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程)を経て、感光体ドラム5上に画像情報に対応した画像(トナー像)が形成される。
その後、感光体ドラム5上に形成された画像は、転写部7でレジストローラにより搬送された記録媒体P上に転写される。
一方、記録媒体Pは次のように転写部7に搬送される。
先ず、画像形成装置1の複数の給紙部12,13,14のうち、1つの給紙部が自動又は手動で選択される。例えば、最上段の給紙部12が選択されたものとする。そして、給紙部12に収納された記録媒体Pの最上方の1枚が、ピックアップローラにより給紙されて、搬送経路Kの位置に向けて搬送される。
その後、記録媒体Pは、搬送経路Kを通過してレジストローラの位置に達する。そして、レジストローラの位置に達した記録媒体Pは、感光体ドラム5上に形成された画像と位置合わせをするためにタイミングを合わせて、転写部7に向けて搬送される。
そして、転写工程後の記録媒体Pは、転写部7の位置を通過した後に、搬送経路を経て定着装置20に達する。定着装置20に達した記録媒体Pは、定着ベルト21と加圧ローラ31との間に送入されて、定着ベルト21から受ける熱と、双方のローラ21,31から受ける圧力とによって画像が定着される。画像が定着された記録媒体Pは、定着ベルト21と加圧ローラ31との間のニップ部から送出された後に、画像形成装置本体1から排出される。
こうして、一連の画像形成プロセスが完了する。
<定着装置>
次に、図2〜図4を参照して、画像形成装置本体1に設置される定着装置20の構成・動作について詳述する。
図2は、定着装置20を示す概略断面図である。図示のように、定着装置20は、定着部材としての定着ベルト21、感温磁性体22、ニップ形成部材23、磁束遮蔽部材27、補強部材24、励磁部材としてのコイル部42、コイル部42より発生した磁界を外部に漏らさないように定着ベルト21の発熱層に導くフェライトコア41、加圧部材としての加圧ローラ31、温度センサ40、ガイド板35,37等で構成される。ここで、誘導加熱部が、定着ベルト21の外周面に対向して配設されており、コイル部42、フェライトコア41、これらの保持体としてのケース(不図示)等で構成される。
コイル部42より発生した磁界が、定着ベルト21に具備された発熱層を電磁誘導加熱して定着ベルト21を加熱する。また、その時感温磁性体22も僅かに発熱する。そして、記録部材Pは、定着ベルト21と加圧ローラ31が構成するニップ部を通過することにより、定着ベルト21から熱を与えられ、加熱されて、トナー像が定着される。
<定着ベルト>
定着部材としての定着ベルト21は、薄肉で可撓性を有する無端状ベルトであって、図2において矢印方向(時計回り)に回転する。
また、定着ベルト21の断面図を図3に示す。定着ベルト21は、基材211上に発熱層212、弾性層213、離型層214が順次積層されていて、その全体の厚さが1mm以下に設定されている。
定着ベルト21の基材211は、層厚が30〜50μmであって、ニッケル、ステンレス等の金属材料やポリイミド等の樹脂材料で形成されている。本実施の形態1では、定着ベルト21の基材層211には、コイル部42から生成される交番磁界を受けても殆ど発熱しない40μmの厚さの非磁性ステンレスであるSUS304を使用し、発熱層212には10μmの厚さの銅を使用した。
発熱層212は、交番磁界により渦電流が発生し易く電磁誘導加熱に適した電気伝導性の良好な金属部材で構成される。電磁誘導加熱に適した金属としては一般的には電気的に高抵抗のものが知られているが、低抵抗の金属であっても金属部材を薄層化することにより、発熱部材の実質的な抵抗値を任意に設定することができ、発熱量を調整することができる。本実施の形態1では、発熱層212には10μmの厚さの銅を使用したが、発熱部材は電気伝導性に優れていれば良いので、銀、アルミニウム、マグネシウム等又は磁性体であるニッケルや磁性ステンレス等の他の金属を用いても良い。
基材層211は、発熱層212を支持し、発熱層212の強度を増すために配置される。従って、基材層211の材料としては、鉄、ニッケル、ステンレス等の金属を使用することができる。また、セラミック等の非磁性且つ絶縁性の材料で芯金層を構成することで、電磁誘導加熱に影響を与えない材料を使用することもできる。
また、絶縁性の耐熱樹脂材料、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PES(ポリエーテルサルファイド)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、フッ素樹脂等を用いることができ、これにより基材層211の熱容量を小さくすることができる。本実施の形態1では、基材層211に非磁性のステンレスを使用することで、コイル部42から発生した磁束が基材層211を透過し易く、従って磁束が感温磁性体22に届き易くなるようにしている。
定着ベルト21の弾性層213は、層厚が100〜300μmであって、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、フッ素ゴム等のゴム材料で形成されている。弾性層213を設けることで、ニップ部における定着ベルト21表面の微小な凹凸が形成されなくなり、記録媒体P上のトナー像Tに均一に熱が伝わり、ユズ肌画像の発生が抑止される。
定着ベルト21の離型層214は、層厚が10〜50μmであって、PFA(4フッ化エチレンバーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES等の材料で形成されている。離型層214を設けることで、定着ベルト21のトナーT(トナー像)に対する離型性・剥離性が担保される。
なお、本実施の形態1では、定着ベルト21の直径は30mmに設定されている。定着ベルト21の内部(内周面側)には、感温磁性体22、ニップ形成部材23、補強部材24等が固設されている。
これらの構成により、コイル部42に対向する部位で定着ベルト21を加熱することができる。
<コイル部>
定着ベルト21と感温磁性体22を電磁誘導加熱するための励磁コイルであるコイル部42は、表面が絶縁された外径0.15mmの銅製の線材を90本束ねた線束を、定着ベルト21の円周方向に沿うように且つ定着ベルトの回転軸方向に巻き回した形状となっている。
フェライトコア41は、定着ベルト21の周面に対向する位置且つコイル部42の背後に配置されているアーチコア41bと、コイル部42を介さずに発熱部材の周面に対向し且つアーチコア41bよりも発熱部材に近接する位置に配置されているセンターコア41aとにより構成されており、コイル部42より発生した磁束を発熱層212に集中させるように構成されている。
アーチコア41b及びセンターコア41aの材質としては、強磁性体且つ電気抵抗率の高いものが望ましく、フェライトの他にはパーマロイ等の材料が挙げられる。
次に、図4を用いてコイル部42の構成をより詳しく説明する。
コイル部42は、絶縁された外径0.15mmの銅製の線材を90本束ねた線束を周回することにより構成されており、発熱部材である定着ベルト21を覆うように配置される絶縁支持部材48の表面の全幅にわたって渦巻状に配置されている。
また、コイル部42の形状としては、センターコア41aを軸として、定着ベルト21の円周方向に沿うように回転軸方向に巻き回した形状になっている。従って、図4の下図に示すように、誘導コイルの線束が直線になっている直線部と、線束を周回させるために折り返す湾曲部が存在する。なお、以下ではコイル部は同心円にて記しているが、実際には図4の上図に示す通り渦巻状になっている。
コイル部42は、定着ベルト21の発熱層212に対向する位置に配置されている。
各層の位置関係は、図3に示すように、ローラ中心方向に向かって、離型層214、弾性層213、発熱層212、基材層211の順になっている。また、図2に示すように、基材層211のさらに内側に空隙を介して感温磁性体22が配置されている。
コイル部42は図示しない高周波電源と接続しており、高周波電源部から10kHz〜1MHz(好ましくは、10kHz〜300kHz)の交番電流がコイル部42に印加される。
高周波電源部が発生させる交番電流の周波数が高くなるほど電磁誘導加熱の加熱効率は大きくなるが、電源の大型化・高コストが問題となる。本実施の形態1では、電源の小型化・低コスト化のため、使用周波数帯を20kHz〜40kHzとし、主に30kHzの交番電流をコイル部42に印加した。
高周波電源部からコイル部42に10kHz〜1MHzの高周波交番電流を流すことで、コイル部42のループ内に磁力線が双方向に交互に切り替わるように形成される。このように交番磁界が形成されることで、感温磁性体22の温度がキュリー点以下である場合に、定着ベルト21の発熱層212と感温磁性体22とに渦電流が生じて、定着ベルト21の発熱層212と感温磁性体22のそれぞれの電気抵抗によってジュール熱が発生して、これらの部材が電磁誘導加熱される。
また、後述するように、本構成では発熱補助層25を設置した部分を除いて感温磁性体22は殆ど発熱せず、発熱量の90%以上は発熱層212が発熱するように構成されている。
<ニップ形成部材>
図5は、定着装置20を幅方向に見た模式図である。
定着ベルト21の外部(外周面側)に配置されているコイル部42は省略されている。ニップ形成部材23は、定着ベルト21の内周面側に固設されていて、定着ベルト21を介して加圧ローラ31に当接し、ニップ部を形成する。図示のように、ニップ形成部材23は、その幅方向両端部が定着装置20の側板43に保持部材44を介して固定支持されている。
図2を参照して、ニップ形成部材23は、加圧ローラ31との対向面が加圧ローラ31の曲率にならうように形成されている。これにより、記録媒体Pは加圧ローラ31の曲率にならうようにニップ部から送出されるため、定着工程後の記録媒体Pが定着ベルト21に吸着して分離しない不具合を抑止することができる。
なお、ニップ形成部材23と定着ベルト21とが摺接しても定着ベルト21の磨耗が軽減されるように、ニップ形成部23の摺接面を摩擦係数の低い材料で形成することが好ましい。
<補強部材>
ニップ部におけるニップ形成部材23の強度を補強する補強部材24が、定着ベルト21の内周面側に固設されている。図5を参照して、補強部材24は、幅方向の長さがニップ形成部材23と略同じに形成されていて、その幅方向両端部が定着装置20の側板43に保持部材44を介して固定支持されている。そして、補強部材24がニップ形成部材23と、定着ベルト21を介して加圧ローラ31とに当接することで、ニップ部においてニップ形成部材23が加圧ローラ31の加圧力を受けて変形する(撓む)不具合を抑止している。
なお、補強部材24は、上述した機能を満足するために、ステンレスや鉄等の機械的強度が高い金属材料で形成することが好ましい。さらには、加圧ローラ31による加圧方向に沿って横長の断面を有するように補強部材24を形成することで、断面係数が大きくなって補強部材24の機械的強度を高めることができる。本実施の形態1では、補強部材24として、コイル部42から生成される交番磁界を受けても殆ど発熱しない非磁性ステンレスであるSUS304を使用した。
<感温磁性体>
感温磁性体22は、定着温度を含む所定の温度領域内において、強磁性と常磁性(非磁性)との間を可逆的に変化する「感温性」を有する材質で構成される。そして、図7(a)に関連して後述するように、感温磁性体22は、強磁性を呈する透磁率変化開始温度(キュリー点)以下の温度範囲においては、コイル部42にて生成され定着ベルト21を透過した交流磁界の磁束を誘導して、感温磁性体22の内部に感温磁性体22の広がり方向に沿った磁路を形成する磁界誘導部材として機能する。また、図7(b)に関連して後述するように、感温磁性体22は、キュリー点を超える温度範囲においては、コイル部42にて生成され定着ベルト21を透過した磁束を、感温磁性体22の層厚方向に横切るように透過させる。
図2を参照して、感温磁性体22は、定着ベルト21の長手方向幅(回転軸方向幅)にわたって、コイル部42に対向する定着ベルト21の内周面に対向して固設されていて、コイル部42から生成される交番磁界により電磁誘導加熱される。ただし、定着ベルト21と感温磁性体22の間には空隙が設けられているので、感温磁性体22の熱は空気を介してしか定着ベルト21に伝わらないため、感温磁性体22から定着ベルト21へはゆっくりとしか伝熱しない。
しかしながら、感温磁性体22は、発熱補助層25を設置した両端部を除いて殆ど発熱せず、発熱量の90%以上は定着ベルト21の発熱層212が発熱するように構成されている。感温磁性体22の材料としては、ニッケル、鉄、クロム又はそれらの合金等の磁性導電性材料を用いることができる。
本実施の形態1では、感温磁性体22は所望のキュリー点を有するように形成されており、感温磁性体22の材料として、キュリー点が定着可能温度以上であって300度以下となるものを用いている。具体的には、ニッケル、鉄、クロム又はそれらの合金であり、各材料の添加量と加工条件を調整することで所望のキュリー点を有する感温磁性体22を得ることができる。感温磁性体22は、これらの材料からなる金属パイプを半円筒状に加工して作られる。
本実施の形態1では、感温磁性体22のキュリー点を200℃に調整し、その肉厚(層厚)を0.5mmとした。
このように、キュリー点が定着ベルト21の定着温度(170℃)近傍となる磁性導電性材料で感温磁性体22を構成することで、感温磁性体22は電磁誘導によって過昇温されることなく加熱されることになる。
また、本実施の形態1では、感温磁性体22の内周面に対向して磁束遮蔽部材27が備えられている。磁束遮蔽部材27は、感温磁性体22がキュリー点以上の温度になった時に、コイル部42から発生する磁界の範囲内に配置されていれば良く、この時にコイル部42からの磁界を透過させずに遮蔽して磁路を形成する機能を有する。
磁束遮蔽部材27は、非磁性且つ電気導電性の良好な導電性材料で形成されている。具体的には、体積抵抗率が3.0×10−8Ω・m以下となる、銅、アルミニウム、金、銀等を用いることが好ましい。本実施の形態1では、過昇温防止部材の材料として、厚さ0.5mmの非磁性材料のアルミニウムを用いている。
これらの構成により、定着ベルト21の発熱層212の発熱をより確実に抑制することができる。
<発熱補助層>
図6は、本実施の形態1におけるコイル部42と定着ベルト21と感温磁性体22を幅方向に見た模式図である。
図示のように、コイル部42により電磁誘導加熱される導電性を有する発熱補助層25が感温磁性体22の幅方向両端部の外周面に配置されている。定着ベルト21と発熱補助層25の間には空隙が設けられている。発熱補助層25は、発熱補助層25として10μmの厚さの銅を使用した。発熱補助層25を銅にすることで、発熱補助層25を薄層にすることができる。これに代えて、発熱補助層25には、銀、アルミニウム、マグネシウム等又は磁性体であるニッケルや磁性ステンレス等の他の金属を用いても良い。
本実施の形態1で処理できる最大通紙幅はA4横方向サイズの297mmであるため、発熱補助層25は、A4縦サイズの210mmを通紙した時に非通紙領域に対応する感温磁性体22の幅方向範囲に配置されている。しかしながら、発熱補助層25を配置する幅方向の位置は、端部昇温が問題となる位置に応じて適宜設定することができる。
<ギャップ>
定着ベルト21と感温磁性体22とのギャップは1mm以内に設定されることが好ましい。このように感温磁性体22が定着ベルト21に近接して設置されることで、可撓性を有する定着ベルト21の円形姿勢がある程度維持されるため、定着ベルト21の変形による劣化・破損を軽減することができる。
<加圧ローラ>
図2を参照して、加圧部材としての加圧ローラ31は、直径が30mmであって、中空構造の芯金32上に弾性層33を形成したものである。加圧ローラ31の弾性層33は、発泡性シリコーンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の材料で形成されている。なお、弾性層33の表層にPFA、PTFE等からなる薄肉の離型層を設けることもできる。加圧ローラ31は定着ベルト21に圧接して、双方の部材間に所望のニップ部を形成する。また、図5を参照して、加圧ローラ31には不図示の駆動機構の駆動ギアに噛合するギア45が設置されていて、加圧ローラ31は図2中の矢印方向(反時計回り)に回転駆動される。また、加圧ローラ31は、その幅方向両端部が定着装置20の側板43に軸受46を介して回転自在に支持されている。なお、加圧ローラ31の内部にハロゲンヒータ等の熱源を設けることもできる。
また、加圧ローラ31の弾性層33を発泡性シリコーンゴム等のスポンジ状の材料で形成した場合には、ニップ部に作用する加圧力を減ずることができるために、ニップ形成部材23に生じる撓みをさらに軽減することができる。
また、本実施の形態1では、定着ベルト21の直径が加圧ローラ31の直径と同等になるように形成したが、定着ベルト21の直径が加圧ローラ31の直径よりも小さくなるように形成することもできる。その場合、ニップ部における定着ベルト21の曲率が加圧ローラ31の曲率よりも小さくなるために、ニップ部から送出される記録媒体Pが定着ベルト21から分離され易くなる。
<ガイド板>
図2を参照して、定着ベルト21と加圧ローラ31との当接部(ニップ部)の入口側には、ニップ部に向けて搬送される記録媒体Pを案内する入口ガイド板35が配設されている。また、ニップ部の出口側には、ニップ部から送出される記録媒体Pを案内する出口ガイド板37が配設されている。双方のガイド板35、37はいずれも定着装置20の側板43に固設されている。
<定着装置の動作>
次に、上述のように構成された定着装置20の動作について簡単に説明する。
装置本体1の電源スイッチが入れられると、コイル部42に電力が供給されると共に、加圧ローラ31の図2中の矢印方向の回転駆動が開始される。これにより、加圧ローラ31との摩擦力によって、定着ベルト21も図2中の矢印方向に従動回転する。
その後、給紙部12〜14から記録媒体Pが給送されて、作像部4にて記録媒体P上に未定着画像が担持される。未定着のトナー像Tを担持した記録媒体Pは、ガイド板35に案内されながら図2の矢印Y10方向に搬送されて、圧接状態にある定着ベルト21及び加圧ローラ31のニップ部に送入される。
そして、コイル部42による電磁誘導加熱によって加熱された定着ベルト21による加熱と、補強部材24によって補強されたニップ形成部材23と加圧ローラ31との押圧力とによって、記録媒体Pの表面にトナー像Tが定着される。その後、ニップ部から送出された記録媒体Pは、矢印Y11方向に搬送される。
このような定着工程において、感温磁性体22の温度がキュリー点を超えた場合には、定着ベルト21と感温磁性体22の発熱が制限されることになる。
すなわち、コイル部42によって加熱された感温磁性体22の温度がキュリー点を超えた場合には、感温磁性体22が磁性を失うことにより、定着ベルト21の発熱層212と感温磁性体22の発熱が制限される。これにより、定着ベルト21の発熱層212と感温磁性体22のジュール熱の発生量が低下して、過昇温が抑止される。
<感温磁性体による自己温度制御>
次に、感温磁性体22の自己温度制御能力に関して詳述する。
図7は、定着ベルト21の長手方向中央部における、フェライトコア41、コイル部42、定着ベルト21の発熱層212、感温磁性体22及び磁束遮蔽部材27の断面図である。
図7(a)は、感温磁性体22の温度がキュリー点以下である時にコイル部42から発生する磁束Aを表している。コイル部42は定着ベルト21と感温磁性体22に対向するようにループ状に形成されているので、磁束Aはフェライトコア41を経路として定着ベルト21を貫いて、感温磁性体22を経路として再びフェライトコア41に戻る。
この時、発熱層212と基材層211と感温磁性体22に渦電流が誘導されて発熱する。ここで、発熱層212は銅であり、基材層211や感温磁性体22よりも電気導電性が非常に高いため、発熱層212に渦電流が多く流れる。従って、発熱層212の発熱量は基材層211と感温磁性体22の発熱量よりも非常に多い。
ここで、磁束Aが定着ベルト21を貫くのに対して、感温磁性体22は貫かずにその表面を通過するのは、電流の浸透深さが原因である。交番電流によってできる交番磁束が金属に誘導する渦電流は、金属の表面に近いほど大きく、内部に行くに連れて指数関数的に小さくなる。金属が磁性体である時、誘導される渦電流はさらに金属表面に集中する。
渦電流が物質表面における電流密度の0.368倍に減少した点での物質表面からの深さを、電流の浸透深さδ(m)と呼び、これは以下の(式1)で表される。金属表面から浸透深さよりも深く内部に流れる渦電流は、表面と比較して非常に小さく、電磁誘導加熱に殆ど影響を与えない。従って、金属の厚さが浸透深さ以上であれば、金属表面から進入した磁束は金属層中でエネルギーを消失し、金属板を殆ど透過することができなくなる。
δ=503×[ρ/(μf)]1/2・・・・・・・・(式1)
ここで、ρは金属の体積抵抗率(Ω・m)、μは金属の比透磁率、fは交番電流の周波数(Hz)である。
本実施の形態1では、前述のように、金属層である定着ベルト21の発熱層212には厚さ10μm(=0.01mm)の銅を、金属層である基材層211には厚さ40μm(=0.04mm)の非磁性ステンレス層(SUS304)を使用した。銅と非磁性ステンレス層の浸透深さδは、交番電流の周波数が30kHzの時、(式1)よりそれぞれ約0.38mmと約246mmになる。従って、磁束は定着ベルト21を透過するので定着ベルトの金属層の全体に渦電流が流れる。
一方、本実施の形態1では、前述のように、金属層である感温磁性体22の層厚を0.5mmとしている。そして、感温磁性体22の浸透深さδは、感温磁性体の温度がキュリー点以下で、交番電流の周波数が30kHzの時、(式1)より約0.06mmになる。ここで、金属の比透磁率μは常温の初透磁率を真空の透磁率μで割ることにより算出した。従って、磁束Aは感温磁性体22の表層の0.06mm程度までしか浸透せず、渦電流も0.06mm程度までしか流れない。
図7(b)は、感温磁性体22の温度がキュリー点以上である時にコイル部42から発生する磁束Bを表している。磁束Bはフェライトコア41を経路として定着ベルト21を貫き、そして感温磁性体22を貫いて磁束遮蔽部材27を経路として再びフェライトコア41に戻る。感温磁性体22の温度がキュリー点以上の時、交番電流の周波数30kHzの場合の感温磁性体22の浸透深さδは約2mmとなるので、コイル部42より発生する磁束は厚さ0.5mmの感温磁性体22を貫く。一方、磁束遮蔽部材27としてのアルミニウムは浸透深さδが約0.48mmであるので、厚さ0.5mmの磁束遮蔽部材は貫くことはできない。
図7(a)での磁束は、発熱層212、基材層211及び感温磁性体22で磁気回路を形成するのに対して、図7(b)での磁束は、発熱層212、基材層211、感温磁性体22とさらに磁束遮蔽部材27とで磁気回路を形成する。本実施の形態1では磁束遮蔽部材27には非磁性且つ低抵抗であるアルミニウムを使用しているため、コイル部42からの磁界に対する反作用磁界が多く発生して、磁気回路の実効抵抗が小さくなり発熱層212のジュール熱による発熱が低減される。
この磁束A,Bの違いにより、感温磁性体22の温度がキュリー点以上に昇温すると発熱量が非常に小さくなって自己温度制御機能が働く。従って、このような感温磁性体22を用いた自己温度制御は、定着ベルト21の長手方向の温度制御が難しい電磁誘導加熱定着において非常に有用な技術である。
しかしながら、図6に示す本発明のように感温磁性体22に発熱補助層25を設けていない図8に示す従来技術では、定着ベルト21と感温磁性体22の間に間隙が設けられているために定着ベルト21と感温磁性体22の間に大きめの温度差が生じ、感温磁性体22による自己温度制御機能が遅れるという課題がある。
従来技術と本実施の形態1の定着装置では、加熱された定着ベルト21の表面から記録媒体P上のトナー像Tに熱が加えられる。従って、コイル部42の出力制御は、定着ベルト21表面に対向するサーミスタ等の温度センサ40によるベルト表面温度の検知結果に基づいて行われる。
また、感温磁性体22は殆ど発熱せず、発熱量の90%以上は発熱層212が発熱するように構成されており、さらに感温磁性体22と定着ベルト21の間には空隙があるため、空気を介してしか伝熱が行われない。従って、定着装置のウォームアップ直後や通紙初期等は、感温磁性体の温度は定着ベルト表面温度よりも低くなる。
図9は、図8に示す従来技術の定着装置を用いてウォームアップ直後に幅方向サイズの小さな転写紙の連続通紙試験を行った時の定着ベルトの温度の経時変化を示す。
ここでは、通紙領域の定着ベルトの温度(a)、非通紙領域の定着ベルトの温度(b)、非通紙領域の感温磁性体の温度(c)が示されている。
先ず、ウォームアップ時、定着ベルトを定着が可能な定着設定温度170℃まで昇温させる。この時は定着装置の処理できる最大通紙幅全域を昇温させるので、通紙領域の定着ベルトの温度(a)と非通紙領域の定着ベルトの温度(b)は共に同じように昇温していく。一方、感温磁性体22自身はあまり発熱せず、また定着ベルトとの間に空隙があるため定着ベルトよりも低い温度で少しずつ昇温していく(温度(c))。
連続通紙が始まると、定着ベルトと転写紙が接触する通紙領域の定着ベルトの温度(a)は、定着設定温度である170℃を維持するように制御される。そのため、転写紙に熱量が奪われない非通紙領域の定着ベルトの温度(b)は上昇していく。非通紙領域の感温磁性体の温度(c)も定着ベルトの温度(b)より低い温度で上昇していく。
感温磁性体による自己温度制御機能が発現するためには、感温磁性体がキュリー点の200℃を越えなければならない。図8に示す構成では、感温磁性体の温度(c)は、定着ベルトの温度(b)が定着ベルト周辺の部品の耐熱温度250℃を超えた時に初めてキュリー点を越え、自己温度制御機能が発現して発熱が抑制された。しかしながら、定着ベルトの温度(b)は耐熱温度250℃を超えているため、高品質な定着が実現されないだけでなく、定着装置の故障の恐れもある。
そこで、この問題を解決するために感温磁性体のキュリー点を低く設定する方法が考えられる。
図10は、従来技術の定着装置の感温磁性体のキュリー点を定着設定温度の170℃に設定した場合における定着ベルトの温度の経時変化を示す。図示のように、非通紙領域の定着ベルトの温度(b)が200℃を超えた辺りで、非通紙領域の感温磁性体の温度(c)がキュリー点の170℃を突破するので、この時点で感温磁性体による自己温度制御機能が働き、非通紙領域の定着ベルトの温度(b)が抑制される。しかしながら、この方法は、ウォームアップ直後から比較的短い通紙時間の間しか好適に機能しない。
図11は、図10に示した通紙を継続した時の定着ベルトの温度の経時変化を示す図であり、さらに通紙領域の感温磁性体の温度(d)が示されている。通紙開始直後の非通紙領域の定着ベルトの温度(b)の過昇温は好適に抑制することができるが、通紙を継続すると、ゆっくりではあるが感温磁性体は定着ベルトの熱を空気を介して受け取るので、通紙領域の感温磁性体の温度(d)が徐々に上がっていく。この構成では感温磁性体のキュリー点を定着設定温度の170℃と低く設定しているので、通紙を継続することで、通紙領域の感温磁性体の温度(d)がキュリー点を突破してしまい、感温磁性体による自己温度制御機能によって通紙領域で発熱が抑制され、通紙領域の定着ベルトの温度(a)が低下し、定着不良が発生してしまった。
従って、従来技術では定着ベルト端部の過昇温を防止し且つ長時間の通紙を続けることが困難で、所定の枚数を通紙後、通紙を一時停止して定着ベルト端部の温度を低下させる、通紙領域の感温磁性体の温度(d)を低下させる等の温度制御が必要となり、画像形成の効率が著しく低下してしまう。
そこで、本発明では図6に示したように感温磁性体22の端部の外周面に発熱補助層25を設置し、長手方向端部における感温磁性体22の発熱量をその長手方向中央部における発熱量よりも大きくすることで、これらの問題を解決した。
図12は、発熱補助層25が設けられた定着ベルト21の長手方向端部における、感温磁性体22の温度がキュリー点以下である時にコイル部42から発生される磁束を表す図である。図7(a)と比べると、端部での磁束Cは、フェライトコア41を経路として定着ベルト21を貫き、さらに発熱補助層25を貫いて、感温磁性体22を経路として再びフェライトコア41に戻る。前述のように発熱補助層25は、発熱層212と同様に10μmの銅であるので、コイル部42により近接している発熱層212よりは発熱量は小さいものの発熱するため、発熱補助層25によって端部の感温磁性体22の発熱量を中央部の感温磁性体22の発熱量よりも大きくすることができる。なお、銅の浸透深さδは、交番電流の周波数が30kHzの時、(式1)より約0.38mmであるため、磁束Cは、厚さ10μm(=0.01mm)の銅である発熱補助層25を透過する。
図13は、本実施の形態1においてウォームアップ直後に幅方向サイズの小さな転写紙の連続通紙試験を行った時の定着ベルトの温度の経時変化を示す。前述の通り、感温磁性体のキュリー点は、定着設定温度(170℃)よりも高く、定着装置の構成部品の耐熱温度(250℃)よりも低い、200℃に設定した。
図13には、通紙領域の定着ベルトの温度(a)、非通紙領域の定着ベルトの温度(b)、非通紙領域の感温磁性体の温度(c)、通紙領域の感温磁性体の温度(d)が示されている。
先ず、ウォームアップ時、定着ベルトを定着が可能な定着設定温度170℃まで昇温させる。この時は定着装置の処理できる最大通紙幅全域を昇温させるので、通紙領域の定着ベルトの温度(a)と非通紙領域の定着ベルトの温度(b)は共に同じように昇温していく。感温磁性体自身があまり発熱せず、また定着ベルトとの間に空隙があるため、中央部に位置していて発熱補助層25のない通紙領域の感温磁性体の温度(d)は、定着ベルトよりも低い温度で少しずつ上昇していく。一方、非通紙領域の感温磁性体は発熱補助層25のある端部に位置しているので、非通紙領域の感温磁性体の温度(c)は、空気を介した定着ベルトからの伝熱に加えて発熱補助層25の発熱により定着ベルトより少し低い温度で上昇していく。
連続通紙が開始すると、定着ベルトと転写紙が接触する通紙領域の定着ベルトの温度(a)は、定着設定温度である170℃を維持するように制御される。そのため、転写紙から熱量が奪われない非通紙領域の定着ベルトの温度(b)は上昇していく。非通紙領域の感温磁性体の温度(c)も定着ベルトの温度(b)より低い温度で上昇していく。
感温磁性体により自己温度制御機能が発現するのは感温磁性体がキュリー点の200℃を越えなければならないが、非通紙領域の感温磁性体の温度(c)は定着ベルトの温度(b)より少し低い温度で上昇しているため、本実施の形態1では、定着ベルトの温度(b)が220℃に到達したところで、感温磁性体の温度(c)がキュリー点を突破し、自己温度制御機能によって発熱が抑制され、定着ベルトの温度(b)が低下に転じた。言い換えれば、発熱補助層25によって、非通紙領域の感温磁性体22の発熱量が通紙領域の発熱量よりも大きくなった結果、非通紙領域の感温磁性体の温度(c)は、図9に示す従来技術による温度(c)よりも上昇し易くなり、感温磁性体による自己温度制御機能によって非通紙領域の定着ベルトの温度(b)を適切な温度範囲内で抑制することができた。定着ベルトの温度(b)が220℃以下で維持されれば、これは周辺部品の耐熱温度よりも低いため、定着ベルトの熱的破損等の問題は生じない。
また、小サイズ紙の通紙を続けた場合であるが、感温磁性体のキュリー温度200℃と定着設定温度170℃が大きく離れているため、長時間通紙しても、通紙領域の感温磁性体の温度(d)がキュリー点に達することはなく、小サイズの連続通紙を良好に行うことができた。
以上のように、本実施の形態1の定着装置によれば、加熱効率が非常に良好で、自己温度制御能力が高く、小サイズの連続通紙を良好に行うことができる。
[実施の形態2]
図14は、実施の形態2における定着装置20の断面図である。
本実施の形態2は、実施の形態1と感温磁性体22の構成が異なるだけで、その他の構成は実施の形態1と定着装置と同一である。本実施の形態2では、実施の形態1と異なり、発熱補助層ではなく、長さの異なる複数のスリット(切り込み)28を感温磁性体22に設けることで、定着ベルトの長手方向端部の内周面に対向する感温磁性体22の発熱量を、定着ベルトの長手方向中央部の内周面に対向する感温磁性体22の発熱量よりも大きくしている。
図15は、本実施の形態2における感温磁性体22の概略図である。上図は感温磁性体22をコイル部42側から見た平面図であり、下図は感温磁性体22の斜視図である。感温磁性体22は半円筒状に形成され、スリット28はその円周方向に沿って複数設けられており、長手方向の位置によってスリット28の長さが異なっている。スリット28の円周方向の長さは中央部よりも端部において短くなっている。
図16は、感温磁性体22をコイル部42側から見た平面図であり、矢印は感温磁性体に流れる渦電流を示している。
図示のように、コイル部42からの磁束により感温磁性体22に流れる誘導電流は、短いスリット28が設けられていて広い領域のある端部では大きな電流になる。一方、長いスリット28が設けられていて領域の狭い中央部では、渦電流が分断されて電流が小さくなる。電磁誘導加熱により発熱するジュール熱は渦電流に比例するので、スリット28の形成によって感温磁性体22の端部の発熱量を中央部の発熱量よりも大きくすることができる。また、スリット28の形成によって感温磁性体22に流れる渦電流を分断することができ、感温磁性体22の発熱量を少なくすることができる。
実施の形態1では、感温磁性体22は殆ど発熱せず、発熱量の90%以上は発熱層212が発熱するように構成されていたが、本実施の形態2では、発熱層212である銅の厚みを5μm薄くして、感温磁性体22が発熱する割合を少し大きくした。
図17は、本実施の形態2においてウォームアップ直後に幅方向サイズの小さな転写紙の連続通紙試験を行った時の定着ベルトの温度の経時変化を示す。感温磁性体のキュリー点は、定着設定温度(170℃)よりも高く、定着装置の構成部品の耐熱温度(250℃)よりも低い、200℃に設定した。
図17には、通紙領域の定着ベルトの温度(a)、非通紙領域の定着ベルトの温度(b)、非通紙領域の感温磁性体の温度(c)、通紙領域の感温磁性体の温度(d)が示されている。
先ず、ウォームアップ時、定着ベルトを定着が可能な定着設定温度170℃まで昇温させる。この時は定着装置の処理できる最大通紙幅全域を昇温させるので、通紙領域の定着ベルトの温度(a)と非通紙領域の定着ベルトの温度(b)は共に同じように昇温していく。通紙領域の感温磁性体は中央部に位置しているので、大きなスリット28により渦電流が分断されて感温磁性体自身があまり発熱せず、また定着ベルトとの間に空隙があるため、通紙領域の感温磁性体の温度(d)は、定着ベルトよりも低い温度で少しずつ上昇していく。また、非通紙領域の感温磁性体は端部に位置しているので、渦電流を分断するスリット28が小さく感温磁性体自身の発熱によって、また空気を介した定着ベルトからの伝熱によって、非通紙領域の感温磁性体の温度(c)は、定着ベルトより少し低い温度で上昇していく。
連続通紙が開始すると、定着ベルトと転写紙が接触する通紙領域の定着ベルトの温度(a)は、定着設定温度である170℃を維持するように制御される。そのため、転写紙から熱量が奪われない非通紙領域の定着ベルトの温度(b)は上昇していく。非通紙領域の感温磁性体の温度(c)も定着ベルトの温度(b)より低い温度で上昇していく。
感温磁性体により自己温度制御機能が発現するのは感温磁性体がキュリー点の200℃を越えなければならないが、非通紙領域の感温磁性体の温度(c)は定着ベルトの温度(b)より少し低い温度で上昇しているため、本実施の形態2では、定着ベルトの温度(b)が220℃に到達したところで、感温磁性体の温度(c)がキュリー点を突破し、自己温度制御機能によって発熱が抑制され、定着ベルトの温度(b)が低下に転じた。言い換えれば、スリット28によって、非通紙領域の感温磁性体22の発熱量が通紙領域の発熱量よりも大きくなった結果、非通紙領域の感温磁性体の温度(c)は、図9に示す従来技術による温度(c)よりも上昇し易くなり、感温磁性体による自己温度制御機能によって非通紙領域の定着ベルトの温度(b)を適切な温度範囲内で抑制することができた。定着ベルトの温度が220℃以下で維持されれば、これは周辺部品の耐熱温度よりも低いため、定着ベルトの熱的破損等の問題は生じない。
また、小サイズ紙の通紙時を続けた場合であるが、感温磁性体のキュリー温度200℃と定着設定温度170℃が大きく離れているため、長時間通紙しても、通紙領域の感温磁性体の温度(d)がキュリー点に達することはなく、小サイズの連続通紙を良好に行うことができた。
以上のように、本実施の形態2の定着装置によっても、加熱効率が非常によく、自己温度制御能力が高く、小サイズの連続通紙を良好に行うことができる。
このように、本発明のIH定着装置によれば、所望の金属パイプを半円筒状に加工して、定着部材の過昇温を防止するように自己温度制御が可能な所望のキュリー点を有する感温磁性体を形成し、これを定着部材内部にこれから間隔を置いて配置し、交番磁界を発生させるコイルを定着部材に対向するように配設した。定着部材と感温磁性体の間に空隙を設けることにより定着部材の小熱容量化が図られると共に、定着部材と感温磁性体の間に空隙ができたために定着部材と感温磁性体間に温度差が生じることにより定着部材端部の昇温を直ちに抑制できないという課題も、長手方向端部における感温磁性体の発熱量を長手方向中央部における発熱量よりも大きくすることで解決された。具体的には、定着部材の長手方向端部の内周面に対向する感温磁性体の外周面に導電性を有する発熱補助層を設けることにより、又は長さの異なる複数のスリットを感温磁性体に形成し、長手方向端部におけるスリットを長手方向中央部よりも短くすることにより、感温磁性体の長手方向端部の発熱量を中央部より大きくすることができ、定着部材の端部昇温を直ちに抑制することができる。
また、定着部材と、ニップ部を除く位置で定着部材の内周面に対向するように固設されている感温磁性体とを加熱することにより、効率的な加熱、装置の高速化、耐久性向上を実現し、さらに小サイズの記録媒体を連続的に定着した場合や装置が突発的に駆動停止した場合等であっても、過昇温が確実に抑止される定着装置及び画像形成装置が提供される。
以上、本発明を図示例により説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、画像形成装置の各部構成も任意であり、例えばリボルバ方式に限らず、タンデム式などの任意の作像方式を採用可能である。また、3色のトナーを用いるフルカラー機や、2色のトナーによる多色機、あるいはモノクロ装置にも本発明を適用することができる。もちろん、画像形成装置としては複写機に限らず、プリンターやファクシミリ、あるいは複数の機能を備える複合機であっても良い。
21 定着ベルト(定着部材)
212 発熱層
213 弾性層
214 離型層
22 感温磁性体(磁界誘導部材)
25 発熱補助層
28 スリット
41 フェライトコア(誘導加熱部)
42 コイル部(誘導加熱部)
特開2007−310353号公報 特開2008−129517号公報 特開2010−002604号公報 特開2009−258453号公報

Claims (10)

  1. 発熱層を備えた定着部材と、該定着部材の外周面に対向して配置された電磁誘導加熱のための誘導加熱部と、該定着部材の内周面に近接して固設され、該誘導加熱部で生成された交流磁界を内部に誘導し又は透過する磁界誘導部材とを有し、
    前記誘導加熱部は前記定着部材の前記発熱層と前記磁界誘導部材を電磁誘導加熱し、前記定着部材は固設された前記磁界誘導部材に対して回動可能に設けられた、定着装置において、
    前記磁界誘導部材は所望の温度のキュリー点を有するように構成され、前記定着部材と前記磁界誘導部材の間に空隙が設けられており、
    長手方向端部における前記磁界誘導部材の発熱量が長手方向中央部における発熱量よりも大きいことを特徴とする定着装置。
  2. 前記誘導加熱部により電磁誘導加熱される導電性を有する発熱補助層が、前記定着部材の長手方向端部の内周面に対向する前記磁界誘導部材の外周面に設けられることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記定着部材と前記発熱補助層の間に空隙が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記発熱補助層は銅からなることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  5. 前記発熱補助層は、A4縦サイズの転写紙を通紙した時に非通紙領域に対応する前記磁界誘導部材の幅方向範囲に設けられることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の定着装置。
  6. 長さの異なる複数のスリットが前記磁界誘導部材に形成され、長手方向端部における該スリットは長手方向中央部における該スリットよりも短いことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  7. 前記磁界誘導部材は半円筒状に形成され、前記スリットはその円周方向に沿って前記磁界誘導部材に形成されることを特徴とする請求項6に記載の定着装置。
  8. 前記磁界誘導部材は、ニッケル、鉄、クロム又はそれらの合金からなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の定着装置。
  9. 前記磁界誘導部材のキュリー点は、定着設定温度よりも高く、前記定着部材の耐熱温度よりも低く設定されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の定着装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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