JP2012173402A - 立体視眼鏡用反射偏光フィルム、それからなる偏光板および立体視眼鏡 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】1軸延伸多層積層フィルムからなる反射偏光フィルムであり、該1軸延伸多層積層フィルムのフィルム面を反射面とし、1軸延伸方向(X方向)を含む入射面に対して平行な偏光成分について入射角0度での該入射偏光に対する波長400〜800nmの平均反射率が95%以上であり、フィルム面を反射面とし、X方向を含む入射面に対して垂直な偏光成分について、入射角0度での該入射偏光に対する波長400〜800nmの平均反射率が12%以下である立体視眼鏡用反射偏光フィルムによって得られる。
【選択図】なし
Description
同様に、特許文献4に記載されているポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(以下、2,6−PENと称することがある)を高屈折率層に用い、熱可塑性エラストマーやイソフタル酸を30mol%共重合したPENを低屈折率層に用いた多層積層フィルムは、延伸により延伸方向(X方向)の層間の屈折率差を大きくしてX方向に平行な(透過軸と直交方向)偏光の反射率を高め、一方フィルム面内方向におけるX方向と直交する方向(Y方向)の層間の屈折率差が小さいことでY方向に平行な(透過軸方向)偏光の透過率を高めて一定レベルの偏光性能を発現しているが、その偏光度は吸収型偏光板と同等のレベルには至っていない。
かかる知見により、本発明者等は、多層積層のフィルムからなる反射型偏光板を吸収型偏光板に代わる偏光板として単独で立体視眼鏡用に用いた場合に、従来の反射型偏光板よりも偏光性能が高く、さらに吸収型偏光板に較べて透過軸方向において高い透過性を有しているため、立体視眼鏡用に用いた場合に視野が明るく、立体映像の視認性および立体映像以外の視認性にも優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
項2. 該1軸延伸多層積層フィルムが第1層と第2層とが交互に積層された多層構造を有しており、
1)第1層は、平均屈折率1.60以上1.70以下であって、1軸延伸方向(X方向)の屈折率nXが延伸により増大し、フィルム面内で1軸延伸方向に直交する方向(Y方向)の屈折率nYおよびフィルム厚み方向(Z方向)の屈折率nZが延伸により低下する熱可塑性樹脂からなり、
2)第2層は、延伸前のX方向、Y方向、Z方向の平均屈折率が1.50以上1.60以下であって、該延伸前の平均屈折率と延伸後のX方向、Y方向、Z方向の屈折率との差が3方向とも0.05以下である熱可塑性樹脂からなる、項1に記載の立体視眼鏡用反射偏光フィルム。
(i)該ジカルボン酸成分は5モル%以上50モル%以下の下記式(A)で表される成分および50モル%以上95モル%以下の下記式(B)で表される成分を含有し、
(ii)該ジオール成分は90モル%以上100モル%以下の下記式(C)で表される成分を含有する、項1または2に記載の立体視眼鏡用反射偏光フィルム。
項5. 該1軸延伸多層積層フィルムの積層数が251層以上である項1〜4のいずれかに記載の立体視眼鏡用反射偏光フィルム。
項6. 項1〜5のいずれかに記載の立体視眼鏡用反射偏光フィルムを含む偏光板。
項7. さらにλ/4波長フィルムを含む項6に記載の偏光板。
項8. 少なくともλ/4波長フィルム側において空気とλ/4波長フィルムと間に反射防止層を有する項7に記載の偏光板。
項9. 項6〜8のいずれかに記載の偏光板を用いた立体視眼鏡。
[1軸延伸多層積層フィルム]
(平均反射率)
本発明の立体視眼鏡用反射偏光フィルムは1軸延伸多層積層フィルムからなる反射偏光フィルムであり、該1軸延伸多層積層フィルムのフィルム面を反射面とし、1軸延伸方向(X方向)を含む入射面に対して平行な偏光成分について入射角0度での該入射偏光に対する波長400〜800nmの平均反射率が95%以上であり、フィルム面を反射面とし、X方向を含む入射面に対して垂直な偏光成分について、入射角0度での該入射偏光に対する波長400〜800nmの平均反射率が12%以下であることを特徴する。
フィルム面を反射面とし、1軸延伸フィルムの延伸方向(X方向)を含む入射面に対して垂直な偏光成分(s偏光)について入射角0度での該入射偏光に対する波長400〜800nmの平均反射率は、より好ましくは5%以上12%以下であり、さらに好ましくは8%以上12%以下、特に好ましくは9%以上11%以下である。
また、フィルム面を反射面とし、1軸延伸フィルムの延伸方向(X方向)を含む入射面に対して垂直な偏光成分(s偏光)について入射角50度での該入射偏光に対する波長400〜800nmの平均反射率は、12%以下であることが好ましく、さらに好ましくは5%以上10%以下であり、特に好ましくは8%以上10%以下である。
一方、かかる範囲内でより該偏光反射率が低い方がよりs偏光成分の透過率が高くなるものの、下限値より低くすることは組成や延伸との関係で難しいことがある。
また、フィルム面を反射面とし、1軸延伸フィルムの延伸方向(X方向)を含む入射面に対して垂直な偏光成分(s偏光)について入射角50度での該入射偏光に対する波長400〜800nmの平均透過率は、好ましくは88%以上、さらに好ましくは90%以上95%以下、特に好ましくは90%以上92%以下である。
一方、かかる範囲内でより該平均透過率が高い方がよりs偏光成分の透過率が高くなるものの、下限値より低くすることは組成や延伸との関係で難しいことがある。
本発明の1軸延伸多層積層フィルムは、第1層と第2層とが交互に積層された多層構造を有している。本発明において、第1層は第2層より屈折率の高い層、第2層は第1層より屈折率の低い層をそれぞれ表す。また、延伸方向(X方向)の屈折率はnX、延伸方向と直交する方向(Y方向)の屈折率はnY、フィルム厚み方向(Z方向)の屈折率はnZと記載することがある。
反射偏光機能を有する多層積層フィルムにおいて、第1層を構成する樹脂として従来知られていなかった本発明の屈折率特性の熱可塑性樹脂を第1層に用い、さらに後述する第2層の熱可塑性樹脂と組み合わせて多層積層フィルムにすることにより、これまでの多層積層フィルムでは困難であった高い偏光性能が発現する。そのため、立体映像を観察者に認識させるための立体視用眼鏡に適した反射偏光フィルムとして用いることができ、立体視用眼鏡の偏光板として好適に用いることができる。
次に、延伸後の屈折率については、第1層を構成する熱可塑性樹脂を単独で溶融させてダイより押出し、1軸方向に135℃で5倍を施して1軸延伸フィルムを作成し、得られたフィルムのX方向、Y方向、Z方向それぞれの方向について、メトリコン製プリズムカプラを用いて波長633nmにおける屈折率を測定し、延伸後の各方向の屈折率とする。
かかる方法で得られた延伸前の屈折率と延伸後の各方向の屈折率とを比較し、延伸による屈折率変化の増減を確認することができる。
かかる屈折率特性を有する熱可塑性樹脂として、具体的には以下に述べるような特定構造の共重合成分をジカルボン酸成分に有する芳香族ポリエステル(以下、芳香族ポリエステル(I)と称することがある)が例示される。
第1層を形成する熱可塑性樹脂として、特定構造の共重合成分をジカルボン酸成分に有する芳香族ポリエステル(I)が例示される。かかるポリエステルは、以下に詳述するジカルボン酸成分とジオール成分との重縮合によって得られる。
(ジカルボン酸成分)
本発明の芳香族ポリエステル(I)を構成するジカルボン酸成分(i)として、5モル%以上50モル%以下の下記式(A)で表される成分、および50モル%以上95モル%以下の下記式(B)で表される成分の、少なくとも2種の芳香族ジカルボン酸成分またはそれらの誘導体が用いられる。ここで、各芳香族ジカルボン酸成分の含有量は、ジカルボン酸成分の全モル数を基準とする含有量である。
従って、式(A)で表される成分の含有量は、好ましくは5モル%以上45モル%以下、より好ましくは7モル%以上40モル%以下、さらに好ましくは10モル%以上35モル%以下、特に好ましくは15モル%以上30モル%以下である。
延伸フィルムにおけるY方向の屈折率nYとZ方向の屈折率nZの差異が大きくなり、斜め方向の入射角で入射した偏光による色相ずれが生じることがある。また、式(A)で示される成分の割合が上限値を超える場合は、非晶性の特性が大きくなり、延伸フィルムにおけるX方向の屈折率nXとY方向の屈折率nYとの差異が小さくなるため、反射偏光フィルムとして十分な反射性能が得られない。
また、式(B)で表される酸成分について、式中、RBはフェニレン基またはナフタレンジイル基である。
式(B)で表される成分として、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、またはこれらの組み合わせから誘導される成分が挙げられ、特に2,6−ナフタレンジカルボン酸から誘導される成分が好ましく例示される。
従って、式(B)で表される成分の含有量は、好ましくは55モル%以上95モル%以下、より好ましくは60モル%以上93モル%以下、さらに好ましくは65モル%以上90モル%以下、特に好ましくは70モル%以上85モル%以下である。
このように、式(B)で表される成分を含有するポリエステルを用いることで、X方向に高屈折率を示すと同時に1軸配向性の高い複屈折率特性を実現できる。
本発明の芳香族ポリエステル(I)を構成するジオール成分(ii)として、90モル%以上100モル%以下の下記式(C)で表されるジオール成分が用いられる。ここで、ジオール成分の含有量は、ジオール成分の全モル数を基準とする含有量である。
式(C)中、RCは炭素数2〜10のアルキレン基であり、かかるアルキレン基として、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基等が挙げられる。これらの中でも式(C)で表されるジオール成分として、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等から誘導される成分が好ましく挙げられる。特に好ましくはエチレングリコールから誘導される成分である。式(C)で示されるジオール成分の割合が下限値に満たない場合は、前述の1軸配向性が損なわれる。
芳香族ポリエステル(I)において、式(A)で表される酸成分と式(C)で表されるジオール成分で構成されるエステル単位(−(A)−(C)−)の含有量は、全繰り返し単位の5モル%以上50モル%以下であり、好ましくは5モル%以上45モル%以下、さらに好ましくは10モル%以上40モル%以下である。
該ポリエステルの融点が上限値を越えると、溶融押出して成形する際に流動性が劣り、吐出などが不均一化しやすくなることがある。一方、融点が下限値に満たないと、製膜性は優れるものの、ポリエステルの持つ機械的特性などが損なわれやすくなり、また本発明の屈折率特性が発現し難い。
かかる芳香族ポリエステル(I)の製造方法は、例えばWO2008/153188号パンフレットの第9頁に記載されている方法に準じて製造することができる。
芳香族ポリエステル(I)を1軸延伸した場合の各方向の屈折率の変化例を図2に示す。図2に示すように、X方向の屈折率nXは延伸により増加する方向にあり、Y方向の屈折率nYとZ方向の屈折率nZはともに延伸に伴い低下する方向にあり、しかも延伸倍率によらずnYとnZの屈折率差が非常に小さいことを特徴としている。
<熱可塑性樹脂>
本発明における第2層は、延伸前のX方向、Y方向、Z方向の平均屈折率が1.50以上1.60以下であって、該延伸前の平均屈折率と延伸後のX方向、Y方向、Z方向の屈折率との差が3方向とも0.05以下である熱可塑性樹脂からなる。
ここで、第2層における延伸前のX方向、Y方向、Z方向の平均屈折率とは、第2層を構成する熱可塑性樹脂を単独で溶融させ、ダイより押出して未延伸フィルムを作成し、得られたフィルムのX方向、Y方向、Z方向それぞれの方向における屈折率について、メトリコン製プリズムカプラを用いて波長633nmで測定し、それらの平均値を平均屈折率として規定したものである。
このようにして求めた延伸前の平均屈折率と、延伸後のX方向、Y方向、Z方向の屈折率との差をそれぞれ求め、3方向ともその差が絶対値で0.05以下である屈折率特性を有する熱可塑性樹脂を第2層に用いる。
第2層を構成する熱可塑性樹脂の平均屈折率は、好ましくは1.53以上1.60以下、さらに好ましくは1.55以上1.60以下、さらに好ましくは1.58以上1.60以下である。第2層がかかる平均屈折率を有し、しかも延伸前後の屈折率差の小さい等方性材料であることにより、第1層と第2層の層間における延伸後のX方向の屈折率差が大きく、その結果、高い偏光性能が得られる。また、Y方向の屈折率差およびZ方向の屈折率差が共に極めて小さい屈折率特性を得ることができ、斜め方向の入射角よる色相ずれに対しても良好である。
なお、第2層を構成する熱可塑性樹脂の融点は、フィルムにする前の段階から低い必要はなく、延伸処理後に低くなっていれば良い。例えば、2種以上のポリエステルをブレンドし、これらを溶融混練時にエステル交換させたものであってもよい。
(積層数)
本発明の1軸延伸多層積層フィルムは、上述の第1層および第2層が交互に合計251層以上積層されていることが好ましい。積層数が251層未満であると、延伸方向(X方向)を含む入射面に対して平行な偏光成分の平均反射率特性について、波長400〜800nmにわたり一定の平均反射率を満足するすることができないことがある。
積層数の上限値は、生産性およびフィルムのハンドリング性など観点から2001層に制限される。積層数の上限値は、本発明の平均反射率特性が得られれば生産性やハンドリング性の観点からさらに積層数を減らしてもよく、例えば1001層、501層、301層であってもよい。
第1層および第2層は、層間の光干渉によって選択的に光を反射するために、各層の厚みは0.01μm以上0.5μm以下である。また第1層の各層の厚みは、好ましくは0.01μm以上0.1μm以下、第2層の各層の厚みは、好ましくは0.01μm以上0.3μm以下である。各層の厚みは透過型電子顕微鏡を用いて撮影した写真をもとに求めることができる。
本発明の1軸延伸多層積層フィルムは、第1層および第2層におけるそれぞれの最大層厚みと最小層厚みの比率がいずれも2.0以上5.0以下であり、より好ましくは2.0以上4.0以下、さらに好ましくは2.0以上3.5以下、特に好ましくは2.0以上3.0以下である。
即ち、第1層における最大層厚みと最小層厚みの比率が2.0以上5.0以下であり、かつ第2層における最大層厚みと最小層厚みの比率が2.0以上5.0以下である。
かかる層厚みの比率は、具体的には最小層厚みに対する最大層厚みの比率で表わされる。第1層、第2層におけるそれぞれの最大層厚みと最小層厚みは、透過型電子顕微鏡を用いて撮影した写真をもとに求めることができる。
第1層および第2層の層厚みは、段階的に変化してもよく、連続的に変化してもよい。このように積層された第1層および第2層のそれぞれが変化することで、より広い波長域の光を反射することができる。
本発明の1軸延伸多層積層フィルムは、第1層の平均層厚みに対する第2層の平均層厚みの比が1.5倍以上5.0倍以下の範囲であることが好ましい。第1層の平均層厚みに対する第2層の平均層厚みの比の下限値は、より好ましくは2.0である。また、第1層の平均層厚みに対する第2層の平均層厚みの比の上限値は、より好ましくは4.0であり、さらに好ましくは、3.5である。
一方、第1層の平均層厚みに対する第2層の平均層厚みの比がかかる範囲からはずれる場合、反射波長の半波長で生じる2次反射が小さくなってしまい、反射率が低下することがある。
本発明の1軸延伸多層積層フィルムは、かかる第1層、第2層以外に、層厚みが2μm以上の厚み調整層を第1層と第2層の交互積層構成の一部に有していてもよい。かかる厚みの厚み調整層を第1層と第2層の交互積層構成の一部に有することにより、偏光機能に影響をおよぼすことなく、第1層および第2層を構成する各層厚みを均一に調整しやすくなる。かかる厚みの厚み調整層は、第1層、第2層のいずれかと同じ組成、またはこれらの組成を部分的に含む組成であってもよく、層厚みが厚いため、反射特性には寄与しない。
本発明の1軸延伸多層積層フィルムは、目的とする反射偏光フィルムとしての光学特性を満足するために、少なくとも1軸方向に延伸されている。本発明における1軸延伸には、1軸方向にのみ延伸したフィルムの他、2軸方向に延伸されたフィルムであって、一方向に、より延伸されたフィルムも含まれる。1軸延伸方向(X方向)は、フィルム長手方向、幅方向のいずれの方向であってもよい。また、2軸方向に延伸されたフィルムであって、一方向により延伸されたフィルムの場合は、より延伸される方向(X方向)はフィルム長手方向、幅方向のいずれの方向であってもよく、延伸倍率の低い方向は、1.05〜1.20倍程度の延伸倍率にとどめることが偏光性能を高める点で好ましい。2軸方向に延伸され、一方向により延伸されたフィルムの場合、偏光光や屈折率との関係での「延伸方向」とは、より延伸された方向を指す。
延伸方法としては、棒状ヒータによる加熱延伸、ロール加熱延伸、テンター延伸など公知の延伸方法を用いることができるが、ロールとの接触によるキズの低減や延伸速度などの観点から、テンター延伸が好ましい。
第1層と第2層のX方向の屈折率差は0.10〜0.45であることが好ましく、さらに好ましくは0.20〜0.40、特に好ましくは0.25〜0.30である。X方向の屈折率差がかかる範囲にあることにより、反射特性を効率よく高めることができ、より少ない積層数で高い反射率を得ることができる。
また、第1層と第2層のY方向の屈折率差および第1層と第2層のZ方向の屈折率差は、それぞれ0.05以下であることが好ましい。Y方向およびZ方向それぞれの層間の屈折率差がともに上述の範囲にあることにより、偏光光が斜め方向の入射角で入射した際に色相ずれを抑制することができる。
本発明の1軸延伸多層積層フィルムは、フィルム厚みが15μm以上40μm以下であることが好ましい。従来の反射偏光機能を有する多層積層フィルムは、p偏光の平均反射率を高めるために層数を多くする必要があり、100μm程度の厚みが必要であったところ、本発明は第1層を構成する熱可塑性樹脂として延伸によりY方向の屈折率が低下する樹脂を用い、さらに既述の第2層の熱可塑性樹脂と組み合わせて一定層厚みの多層積層フィルムにすることにより、従来の多層積層フィルムよりもフィルム厚みを薄くできる。
つぎに、本発明の1軸延伸多層積層フィルムの製造方法について詳述する。
本発明の1軸延伸多層積層フィルムは、第1層を構成する熱可塑性樹脂と第2層を構成する熱可塑性樹脂とを溶融状態で交互に重ね合わせた状態で押出し、多層未延伸フィルム(シート状物とする工程)とする。このとき、積層物は各層の厚みが段階的または連続的に2.0倍以上、好ましくは5.0倍以下の範囲で変化するように積層される。
本発明の1軸延伸多層積層フィルムは、従来の反射型偏光板に比べて高い偏光性能を有し、また吸収型偏光板に較べて透過軸方向の高い透過率とを備えるため、立体視眼鏡用反射偏光フィルムとして用いることができる。さらに、斜め方向に入射した光に対する透過光の色相ずれが小さいため、立体視眼鏡として使用したときに映像光の入射角による色相ずれが生じることなく、映像光の再現性に優れる。
(直線偏光板および直線偏光板を用いた立体視眼鏡)
本発明の立体視眼鏡用反射偏光フィルムを立体視眼鏡の偏光板として用いる場合、さらにλ/4波長フィルムを貼り合せることなく、偏光板により偏光された直線偏光をそのまま視認する態様の立体視眼鏡として使用することができる。かかる方式の立体視眼鏡は直線偏光方式と呼ばれることがあり、また本発明においてかかる方式の偏光板を直線偏光板と称することがある。
本発明の偏光板として、上述の直線偏光板以外に、立体視眼鏡用反射偏光フィルムとλ/4波長フィルムとを含む、立体視眼鏡の円偏光板に用いることもできる。ここでλ/4波長フィルムとは、単色光に対して1/4波長の位相差を与える延伸フィルムを指す。
かかる円偏光板は、本発明の立体視眼鏡用反射偏光フィルムとλ/4波長フィルムとを、配向軸に対して45度傾けて貼合することによって得られる。円偏光板として用いる場合、本発明の立体視眼鏡用反射偏光フィルムを用いることによる効果に加え、さらに観察者の立体視用眼鏡を傾けて使用しても偏光軸のずれが発生しないため、鉛直方向と同じ視認性を得ることができる。
円偏光方式の立体視眼鏡は、観察者の右目側に配置される右目用画像透過部と観察者の左目側に左目用画像透過部とからなり、この右目用画像透過部および左目用画像透過部に上述の立体視眼鏡用反射偏光フィルムおよびλ/4波長フィルムを含む円偏光板が用いられる。
また、かかる反射防止層の形成は、溶液をフィルム上に塗布後乾燥して積層していく湿式塗布法、スパッタリング・蒸着等による乾式法、のいずれの方法を用いてもよく、両者を組み合わせてもよい。
なお、実施例中の物性や特性は、下記の方法にて測定または評価した。
分光光度計(島津製作所製、MPC−3100)を用い、光源側に偏光フィルタを装着し、各波長でのアルミ蒸着したミラーとの相対鏡面反射率を波長400nmから800nmの範囲で測定する。このとき、偏光フィルタの透過軸をフィルムの延伸方向(X方向)と合わせるように配置した場合の測定値をp偏光とし、偏光フィルタの透過軸をフィルムの延伸方向と直交するように配置した場合の測定値をs偏光とした。それぞれの偏光成分について、400−800nmの範囲での反射率の平均値を平均反射率とし、400−800nmの範囲での透過率の平均値を平均透過率とした。
またフィルムサンプルのフィルム面に対して垂直方向より測定光を入射させた場合を0度入射とした。
各層を構成する個々の樹脂について、それぞれ溶融させてダイより押出し、キャスティングドラム上にキャストしたフィルムをそれぞれ用意した。また、得られたフィルムを135℃にて一軸方向に5倍延伸した延伸フィルムを用意した。得られたキャストフィルムと延伸フィルムについて、それぞれ延伸方向(X方向)とその直交方向(Y方向)、厚み方向(Z方向)のそれぞれの屈折率(それぞれnX、nY、nZとする)を、メトリコン製プリズムカプラを用いて波長633nmにおける屈折率を測定して求め、延伸前、延伸後の屈折率とした。各層の延伸前の平均屈折率については、延伸前の3方向の屈折率の平均値を平均屈折率とした。
ポリマー試料またはフィルムサンプルを10mgサンプリングし、DSC(TAインスツルメンツ社製、商品名:DSC2920)を用い、20℃/min.の昇温速度で、融点およびガラス転移点を測定する。
フィルムサンプルの各層について、1H−NMR測定より熱可塑性樹脂の成分ならびに共重合成分および各成分量を特定した。
フィルムサンプルをフィルム長手方向2mm、幅方向2cmに切り出し、包埋カプセルに固定後、エポキシ樹脂(リファインテック(株)製エポマウント)にて包埋した。包埋されたサンプルをミクロトーム(LEICA製ULTRACUT UCT)で幅方向に垂直に切断し、5nm厚の薄膜切片にした。透過型電子顕微鏡(日立S−4300)を用いて加速電圧100kVにて観察撮影し、写真から各層の厚みおよび積層数を測定した。
また、得られた各層の厚みをもとに、第1層における最小層厚みに対する最大層厚みの比率、第2層における最小層厚みに対する最大層厚みの比率をそれぞれ求めた。
また、得られた各層の厚みをもとに、第1層の平均層厚み、第2層の平均層厚みをそれぞれ求め、第1層の平均層厚みに対する第2層の平均層厚みを算出した。
なお、最外層のヒートシール層は第1層と第2層から除外した。また交互積層中に2μm以上の厚み調整層が存在する場合は、かかる層も第1層と第2層から除外した。
フィルムサンプルをスピンドル検出器(安立電気(株)製K107C)にはさみ、デジタル差動電子マイクロメーター(安立電気(株)製K351)にて、異なる位置で厚みを10点測定し、平均値を求めフィルム厚みとした。
後述する方法で作成した立体視眼鏡および円偏光方式の3D液晶表示装置備えたパソコン(富士通製「ESPRIMO FH550/AN」)を用い、パソコンにより黒画面表示したとき、および白画面表示したときの立体視眼鏡の右目用画像透過部と左目用画像透過部を通した液晶表示装置の画面の正面輝度をオプトデザイン社製FPD視野角測定評価装置(ErgoScope88)で測定し、白画面より明輝度を、また黒画面より暗輝度をそれぞれ求め、
下記の基準で明るさを評価した。
i)明るさ
◎ :明輝度が立体視眼鏡を用いない場合の85%以上
○ :明輝度が立体視眼鏡を用いない場合の75%以上、85%未満
× :明輝度が立体視眼鏡を用いない場合の75%未満
ii)コントラスト
あわせて明輝度/暗輝度より求められるコントラストを以下の基準で評価した。
◎: コントラスト(明輝度/暗輝度) 15以上
○: コントラスト(明輝度/暗輝度) 10以上、15未満
×: コントラスト(明輝度/暗輝度) 10未満
iii)色相
さらに明輝度時の色相xまたはyを測定し、下記の基準で色相を評価した。
○:立体視眼鏡を用いない場合を基準としたx、yのいずれかの最大変化が0.15未満
△:立体視眼鏡を用いない場合を基準としたx、yのいずれかの最大変化が0.15以上、0.25未満
×:立体視眼鏡を用いない場合を基準としたx、y両方の最大変化が0.25以上
(偏光子の作成)
ポリビニルアルコールを主成分とする高分子フィルム[クラレ製 商品名「9P75R(厚み:75μm、平均重合度:2,400、ケン化度99.9モル%)」]を周速の異なるロール間で染色しながら延伸搬送した。まず、30℃の水浴中に1分間浸漬させてポリビニルアルコールフィルムを膨潤させつつ搬送方向に1.2倍に延伸した後、30℃のヨウ化カリウム濃度0.03重量%、ヨウ素濃度0.3重量%の水溶液中で1分間浸漬することで、染色しながら搬送方向に、全く延伸していないフィルム(原長)を基準として3倍に延伸した。次に60℃のホウ酸濃度4重量%、ヨウ化カリウム濃度5重量%の水溶液中に30秒間浸漬しながら、搬送方向に原長基準で6倍に延伸した。次に、得られた延伸フィルムを70℃で2分間乾燥することで偏光子を得た。なお、偏光子の厚みは30μm、水分率は14.3重量%であった。
アセトアセチル基を有するポリビニルアルコール系樹脂(平均重合度1200、ケン化度98.5モル%、アセトアセチル化度5モル%)100重量部に対して、メチロールメラミン50重量部を30℃の温度条件下で純水に溶解し、固形分濃度3.7重量%の水溶液を調製した。この水溶液100重量部に対して、正電荷を有するアルミナコロイド(平均粒子径15nm)を固形分濃度10重量%で含有する水溶液18重量部を加えて接着剤水溶液を調製した。接着剤溶液の粘度は9.6mPa・sであり、pHは4〜4.5の範囲であり、アルミナコロイドの配合量は、ポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して74重量部であった。
厚み80μm、正面レターデーション0.1nm、厚み方向レターデーション1.0nmの光学等方性素子(富士フィルム製商品名「フジタック ZRF80S」の片面に、上記のアルミナコロイド含有接着剤を、乾燥後の厚みが80nmとなるように塗布し、これを上記の偏光子の片面に両者の搬送方向が平行となるようにロール・トゥー・ロールで積層した。続いて、偏光子の反対側の面にも同様にして光学等方性素子(富士フィルム製商品名「フジタック ZRF80S」)の片面に上記のアルミナコロイド含有接着剤を乾燥後の厚みが80nmとなるように塗布したものを、これらの搬送方向が平行となるようにロール・トゥー・ロールで積層した。その後55℃で6分間乾燥させて偏光板を得た。この偏光板を「偏光板X」とする。
厚さ50μmのポリカーボネートフィルムを150℃で2.5%延伸処理し、複屈折光に基づいて波長550nmの光に対して1/4波長の位相差を与えるλ/4延伸フィルムを得た。
「偏光板X」とλ/4延伸フィルムの光軸が45度となるように粘着剤で貼合し、円偏光フィルムとした。
得られた円偏光フィルムを眼鏡のレンズに相当する大きさに2枚裁断し、偏光板Xのそれぞれの偏光軸が互いに平行になるように右目用画像透過部と左目用画像透過部に設置し、λ/4延伸フィルムが立体画像表示装置側になるよう配置して立体視眼鏡を作成した。得られた立体視眼鏡越しの明るさ評価、コントラスト評価および色相評価を行った。
この吸収型偏光板を立体視眼鏡の偏光板として用いた場合、s偏光の入射角0°における平均透過率が70%であり、立体視眼鏡有無で明輝度を評価した明るさについても、明輝度が立体視眼鏡を用いない場合の75%未満と視野が暗くなった。
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸、そしてエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル化反応およびエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、固有粘度0.62dl/gで、酸成分の65モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸成分(表中、PENと記載)、酸成分の35モル%が6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分(表中、ENAと記載)、グリコール成分がエチレングリコールである芳香族ポリエステルを得、これを第1層用熱可塑性樹脂とし、第2層用熱可塑性樹脂として固有粘度(オルトクロロフェノール、35℃)0.62dl/gのイソフタル酸20mol%共重合ポリエチレンテレフタレート(IA20PET)を準備した。
準備した第1層用熱可塑性樹脂および第2層用熱可塑性樹脂を、それぞれ170℃で5時間乾燥後、第1、第2の押出機に供給し、300℃まで加熱して溶融状態とし、第1層用ポリエステルを137層、第2層用ポリエステルを138層に分岐させた後、第1層と第2層が交互に積層され、かつ第1層と第2層におけるそれぞれの最大層厚みと最小層厚みが最大/最小で2.2倍まで連続的に変化するような多層フィードブロック装置を使用して、第1層と第2層が交互に積層された総数275層の積層状態の溶融体とし、その積層状態を保持したまま、その両側に第3の押出機から第2層用ポリエステルと同じポリエステルを3層ダイへと導き、総数275層の積層状態の溶融体の両側にヒートシール層をさらに積層した。両端層(ヒートシール層)は、全体の18%なるよう第3の押出機の供給量を調整した。その積層状態を保持したままダイへと導き、キャスティングドラム上にキャストして、第1層と第2層の平均層厚み比が1.0:2.6になるように調整し、総数277層の未延伸多層積層フィルムを作成した。
この多層未延伸フィルムを135℃の温度で幅方向に5.2倍に延伸し、140℃で3秒間熱固定処理を行った。得られた反射偏光フィルムの厚みは33μmであった。
得られた反射偏光フィルムと比較例1で用いたλ/4延伸フィルムとを用い、これらの光軸が45度となるように粘着剤で貼合し、円偏光板とした。
得られた円偏光フィルムを眼鏡のレンズに相当する大きさに2枚裁断し、それぞれの反射偏光フィルムの偏光軸が互いに平行になるように右目用画像透過部と左目用画像透過部に設置し、λ/4延伸フィルムが立体画像表示装置側になるよう配置して立体視眼鏡を作成した。得られた立体視眼鏡越しの明るさ評価、コントラスト評価および色相評価を行った。
得られた1軸延伸多層積層フィルムの各層の樹脂構成、各層の特徴を表1に、また1軸延伸多層積層フィルムの特性および立体視眼鏡の特性を表2に示す。
本実施例の多層積層フィルムを立体視眼鏡に用いることで、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを第1層に用いた比較例2に較べて、s偏光の入射角0°における平均透過率、立体視眼鏡有無で明輝度を評価した明るさ、コントラストおよび色相ともに特性が向上し、明るく鮮明な視認性が得られた。
表1に示すとおり、各層の樹脂組成または層厚みを変更した以外は実施例1と同様にして、1軸延伸多層積層フィルムからなる反射偏光フィルムを得た。
なお、実施例2で第2層用ポリエステルとして用いたNDC20PETとは、実施例1の第2層用ポリエステルとして用いたイソフタル酸20mol%共重合ポリエチレンテレフタレート(IA20PET)の共重合成分を2,6−ナフタレンジカルボン酸に変更した共重合ポリエステルである。
また、実施例4で第2層用ポリエステルとして用いたENA21PEN/PCTブレンドとは、実施例4の第1層用ポリエステルであるENA21PEN(酸成分の79モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、酸成分の21モル%が6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分、グリコール成分がエチレングリコールである芳香族ポリエステル)と、イーストマンケミカル製PCTA AN004(ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート-イソフタレート共重合体)を、重量比率で2:1になるように混合したものである。
得られた反射偏光フィルムと比較例1で用いたλ/4延伸フィルムとを用い、実施例1と同様にこれらの光軸が45度となるように粘着剤で貼合し、円偏光フィルムとした。
また、得られた円偏光フィルムを眼鏡のレンズに相当する大きさに2枚裁断し、それぞれの偏光軸が互いに平行になるように右目用画像透過部と左目用画像透過部に設置し、立体視眼鏡を作成した。得られた立体視眼鏡について、明るさ、コントラストおよび色相評価を行った。
得られた1軸延伸多層積層フィルムの各層の樹脂構成、各層の特徴を表1に、また1軸延伸多層積層フィルムの特性および立体視眼鏡の特性を表2に示す。
実施例1で用いたλ/4延伸フィルム上にフッ素系コート剤DS−5300(株式会社ハーベス製)をマイヤーバー#5で塗工して風乾し、反射防止層付λ/4延伸フィルムを得た。得られた反射防止層付λ/4延伸フィルムと実施例1で作成した1軸延伸多層積層フィルムとを実施例1に倣い、これらの光軸が45度となるように配置し、反射防止層が塗布されていない面を粘着剤で貼合し、円偏光フィルムとした以外は実施例1と同様の操作を繰り返した。得られた立体視眼鏡について、明るさ、コントラストおよび色相評価を行い、立体視眼鏡の特性を表2に示す。得られた立体視眼鏡は、吸収型偏光板を用いた立体視眼鏡と同程度の高いコントラストを有しており、しかも明るさ、色相は吸収型偏光板を用いた立体視眼鏡よりも良好であった。
実施例1で用いた1軸延伸多層積層フィルム上にもフッ素系コート剤DS−5300(株式会社ハーベス製)をマイヤーバー#5で塗工して風乾し、反射防止層付1軸延伸多層積層フィルムを得た。得られた反射防止層付1軸延伸多層積層フィルムと、実施例7にて得られた反射防止層付λ/4延伸フィルムとを、実施例1と同様にこれらの光軸が45度となるように配置し、反射防止層が塗布されていない面を粘着剤で貼合し、円偏光フィルムとした以外は実施例1と同様の操作を繰り返した。得られた立体視眼鏡について、明るさ、コントラストおよび色相評価を行い、立体視眼鏡の特性を表2に示す。得られた立体視眼鏡は、吸収型偏光板を用いた立体視眼鏡と同程度の高いコントラストを有しており、しかも明るさ、色相は吸収型偏光板を用いた立体視眼鏡よりも良好であった。
第1層用熱可塑性樹脂を固有粘度(オルトクロロフェノール、35℃)0.62dl/gのポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)、第2層用熱可塑性樹脂を固有粘度(オルトクロロフェノール、35℃)0.62dl/gのテレフタル酸64mol%共重合ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(TA64PEN)に変更し、表1に示す製造条件に変更する以外は実施例1と同様にして1軸延伸多層積層フィルムを得、かかるフィルムを偏光板として比較例1で用いたλ/4延伸フィルムと貼り合せて円偏光フィルムを形成し、立体視眼鏡を作成した。
得られた1軸延伸多層積層フィルムはp偏光の平均反射率が95%未満であり、またs偏光の平均反射率が12%を超え、偏光性能が実施例に比べて低いため、十分なコントラストが得られなかった。また、明るさ、色相も実施例に較べて低下した。
表1に示すとおり、樹脂組成、層厚み、製造条件のいずれかを変更した以外は実施例1と同様にして、1軸延伸多層積層フィルムを作成し、かかるフィルムを偏光板として比較例1で用いたλ/4延伸フィルムと貼り合せて円偏光フィルムを形成し、立体視眼鏡を作成した。
得られたフィルムはいずれも実施例に比べて偏光性能が低下しており、十分なコントラストが得られなかった。また、明るさ、色相も実施例に較べて低下した。
ENA:6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸
EG:エチレングリコール
IA:イソフタル酸
TA:テレフタル酸
PEN:ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート
PET:ポリエチレンテレフタレート
2 λ/4波長フィルム
3 立体視眼鏡
3L 円偏光フィルムを用いた左目用画像透過部
3R 円偏光フィルムを用いた右目用画像透過部
4 反射防止層
Claims (9)
- 1軸延伸多層積層フィルムからなる反射偏光フィルムであり、該1軸延伸多層積層フィルムのフィルム面を反射面とし、1軸延伸方向(X方向)を含む入射面に対して平行な偏光成分について入射角0度での該入射偏光に対する波長400〜800nmの平均反射率が95%以上であり、フィルム面を反射面とし、X方向を含む入射面に対して垂直な偏光成分について、入射角0度での該入射偏光に対する波長400〜800nmの平均反射率が12%以下であることを特徴とする立体視眼鏡用反射偏光フィルム。
- 該1軸延伸多層積層フィルムが第1層と第2層とが交互に積層された多層構造を有しており、
1)第1層は、平均屈折率1.60以上1.70以下であって、1軸延伸方向(X方向)の屈折率nXが延伸により増大し、フィルム面内で1軸延伸方向に直交する方向(Y方向)の屈折率nYおよびフィルム厚み方向(Z方向)の屈折率nZが延伸により低下する熱可塑性樹脂からなり、
2)第2層は、延伸前のX方向、Y方向、Z方向の平均屈折率が1.50以上1.60以下であって、該延伸前の平均屈折率と延伸後のX方向、Y方向、Z方向の屈折率との差が3方向とも0.05以下である熱可塑性樹脂からなる、請求項1に記載の立体視眼鏡用反射偏光フィルム。 - 該1軸延伸多層積層フィルムが第1層と第2層とが交互に積層された多層構造を有しており、第1層はジカルボン酸成分とジオール成分とのポリエステルからなり、
(i)該ジカルボン酸成分は5モル%以上50モル%以下の下記式(A)で表される成分および50モル%以上95モル%以下の下記式(B)で表される成分を含有し、
(ii)該ジオール成分は90モル%以上100モル%以下の下記式(C)で表される成分を含有する、請求項1または2に記載の立体視眼鏡用反射偏光フィルム。
- 第2層を形成する熱可塑性樹脂が、イソフタル酸もしくは2,6−ナフタレンジカルボン酸を共重合したエチレンテレフタレート成分を主たる成分とするポリエステルである請求項2または3に記載の立体視眼鏡用反射偏光フィルム。
- 該1軸延伸多層積層フィルムの積層数が251層以上である請求項1〜4のいずれかに記載の立体視眼鏡用反射偏光フィルム。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の立体視眼鏡用反射偏光フィルムを含む偏光板。
- さらにλ/4波長フィルムを含む請求項6に記載の偏光板。
- 少なくともλ/4波長フィルム側において空気とλ/4波長フィルムと間に反射防止層を有する請求項7に記載の偏光板。
- 請求項6〜8のいずれかに記載の偏光板を用いた立体視眼鏡。
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