JP2012173373A - オートフォーカス装置及び顕微鏡 - Google Patents

オートフォーカス装置及び顕微鏡 Download PDF

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Abstract

【課題】試料の任意の位置に対物レンズの焦点を合わせ、それを追従し続けるようなオートフォーカス装置を提供する。
【解決手段】オートフォーカス装置1は、第1対物レンズ12を介してスリット板22のスリット像(投影像)を標本18に照射するフォーカス用照明光学系5と、標本18からの投影像の反射光を第1対物レンズ12を介して受光し、この投影像の反射像を結像させるフォーカス用結像光学系7と、この反射像を検出するオートフォーカス用CCDセンサ30と、投影像及び反射像の少なくとも一方の結像位置を光軸方向に移動させる焦点位置調節レンズ8と、フォーカスアクチュエータの作動を制御するための信号を出力するオートフォーカス用信号処理部31と、を有し、フォーカス用照明光学系5及びフォーカス用結像光学系7の少なくとも一方に可変絞り2を設け、フォーカス用照明光の開口数若しくは反射光の開口数を変化させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、オートフォーカス装置及び顕微鏡に関する。
液体中の生物標本を光学顕微鏡(生物顕微鏡)で蛍光観察する場合、観察したい位置に焦点を合わせた後、しばらくすると観察位置が動いてしまい焦点がずれてしまうことがある。この原因としては、標本を乗せたステージと対物レンズとの位置関係が振動や温度などで変化してしまうことなどが挙げられる。長時間観察を行い経時変化を見るタイムラプス観察において、観察の途中で焦点位置が動いてしまうことは大きな問題であった。また短時間の観察であっても、一度蛍光観察を行った位置でもう一度観察を行おうとしたときに、焦点位置が動いてしまっていると改めて焦点調整が必要となってしまうが、蛍光は退色が速く、蛍光像に焦点を合わせている間に像が消えてしまうため、一度調整した観察位置から焦点が動かないように自動追尾するようなオートフォーカス装置が望まれていた。
これまで工業用顕微鏡の分野では、観察位置を反射面としてオートフォーカス用の赤外光を照射し、その反射面から戻ってきた光をシグナルとして追尾して、焦点調整を行い続けることで焦点位置が動かないようにするようなオートフォーカス装置があった。しかしながらこのような構成の装置は、生物用顕微鏡で観察するような反射面を持たない標本に対しては用いることができなかった。そこで、オートフォーカス用の赤外光について焦点位置を調整する調整レンズを導入したオートフォーカス装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。ここでは観察光の焦点位置と、オートフォーカス用の赤外光の焦点位置とを調整レンズ(オフセットレンズ)によりずらし、オートフォーカス用の赤外光の焦点位置を標本とカバーガラスとの界面に合わせ、そこからの反射光をもとにフォーカス調整を行うものである。
特開2007−323094号公報
しかし、最近では標本のより深い位置を見る観察が求められており、また、二光子励起観察などに用いられる高開口数対物レンズにおいては収差の影響を大きく受けるため、前述の調整レンズで観察光の焦点位置とオートフォーカス用の赤外光の焦点位置とを大きくずらしたとき、赤外光の信号強度が弱くなり、オートフォーカス機構がうまく働かなくなってしまうという課題があった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、高開口数の対物レンズを用いて、標本のより深部を見る観察をするために、標本の任意の位置に対物レンズの焦点を合わせる場合であっても、それに追従し続けるようなオートフォーカス装置、及び、このオートフォーカス装置を有する顕微鏡を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明に係るオートフォーカス装置は、標本と対物レンズとの相対位置を変化させる駆動部の作動を制御することにより、対物レンズの焦点を標本に対する所望の位置に維持させるオートフォーカス装置であって、標本に対物レンズを介して所定の投影像を形成するフォーカス用照明光学系と、対物レンズを介して投影像の標本による反射光を受光し、投影像の反射像を結像させるフォーカス用結像光学系と、このフォーカス用結像光学系による反射像の結像位置に設けられ、反射像を検出する光電変換器と、投影像及び反射像の少なくとも一方の結像位置を光軸方向に移動させる結像位置調節部材と、光電変換器で得られた反射像の信号に基づいて、駆動部の作動を制御するための信号を出力する信号出力部と、を有し、フォーカス用照明光学系及びフォーカス用結像光学系の少なくとも一方に可変絞りを設け、この可変絞りを制御することにより、可変絞りの配置位置に対応してフォーカス用照明光の開口数及び前記反射光の開口数の少なくとも一方を変化可能に構成したことを特徴とする。
このようなオートフォーカス装置は、結像位置調節部材による結像位置の移動量を検出する移動量検出部と、この移動量検出部により検出された移動量に応じて可変絞りの開口径を変化させる制御部と、を有することが好ましい。
また、このようなオートフォーカス装置は、結像位置調節部材の作動量を記憶する記憶部と、作動量に応じて可変絞りの開口径を変化させる制御部と、を有することが好ましい。
また、このようなオートフォーカス装置において、制御部は、可変絞りの開口径に応じてフォーカス用照明光源の光量を変化させることが好ましい。
また、本発明に係る顕微鏡は、対物レンズと、標本と対物レンズとの相対位置を変化させる駆動部と、上述のオートフォーカス装置のいずれかと、を有することを特徴とする。
本発明によれば、高開口数な対物レンズを用いて標本の深部を観察する際も観察位置を自動追従し続けて、タイムラプス観察や、同じ位置を何度も観察できるような、オートフォーカス制御が可能となる。
オートフォーカス装置を有する顕微鏡の光学系及び制御系の構成を示す説明図である。 液浸系対物レンズ使用時における可変絞りの動作を説明する説明図である。 乾燥系対物レンズ使用時における可変絞りの動作を説明する説明図である。 第1実施例に係る顕微鏡の光学系を示す説明図である。 第2実施例に係る顕微鏡の光学系を示す説明図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。まず、図1を用いて、本実施形態に係るオートフォーカス装置1を有する顕微鏡100の構成について説明する。本実施形態に係る顕微鏡100の光学系は、ステージ11上にスライドガラス15を介して載置された標本18の上部に配置されている観察光学系3と、その側方に配置されたオートフォーカス装置1の光学系であるフォーカス用照明光学系5及びフォーカス用結像光学系7により構成されている。
フォーカス用照明光学系5は、その光軸上に順に、LED光源20、第1コレクタレンズ21、スリット板22、第2コレクタレンズ23、第1瞳制限マスク24、可変絞り2、第1ハーフミラー25、結像位置調節部材である焦点位置調節レンズ8及び可視光カットフィルタ10が配設されて構成されている。スリット板22の中央部には長方形の細長いスリット開孔22aが形成されており、このスリット板22は、スリット開孔22aの長手方向が図1において紙面に垂直方向に延びるように光軸を中心に配設されている。
このフォーカス用照明光学系5のLED光源20から出射された赤外光(近赤外光)は第1コレクタレンズ21で集光されてスリット板22に入射し、標本面(カバーガラス14と標本18が浸された媒質との境界面)18aと共役位置に配置したスリット板22のスリット開孔22aを通り、第2コレクタレンズ23で略平行光に変換され、第1瞳制限マスク24に照射される。第1瞳制限マスク24は、瞳の半分を遮光するものであり、光軸を中心にスリット状の赤外光の長手方向の中心線にそって半分が遮光されるように配設されている。そして、この第1瞳制限マスク24を通過した赤外光(図1の赤外光La)は、可変絞り2を通過した後、第1ハーフミラー25に入射する。この第1ハーフミラー25は、フォーカス用照明光学系5とフォーカス用結像光学系7の光軸が交差する点に配設されており、赤外光(図1のLa及びLd)の一部を反射して、他の一部を透過するものであり、後述するように、フォーカス用結像光学系7でも共用されている。
フォーカス用照明光学系5と観察光学系3の光軸が交差する点には、ダイクロイックミラー16が配設されており、後述するように観察光学系3でも共用されている。ダイクロイックミラー16は、観察光学系3の観察光路上のアフォーカル系に配設され、赤外光(La及びLc)を反射して可視光(図1において破線で示す観察光)を透過する作用をする。第1ハーフミラー25を透過した赤外光Laは焦点位置調節レンズ8を透過した後、可視光カットフィルタ10を介して、ダイクロイックミラー16に入射し下方に反射され(赤外光Lb)、第1対物レンズ12によって標本18に集光されて照射される。すなわち、LED光源20及びスリット板22からなるフォーカス用照明光源から放射されるフォーカス用照明光により、このスリット板22のスリット開孔22aの像が第1対物レンズ12を介して標本18に照射される。なお、第1対物レンズ12は、後述するように、観察光学系3でも共用されている。
観察光学系3は、標本18に近い方から順に、第1対物レンズ12、ダイクロイックミラー16、赤外光カットフィルタ19、第2ハーフミラー17及び接眼用第2対物レンズ13が配設されて構成されており、さらに接眼用第2対物レンズ13の先には図示しないが接眼レンズが配設されて構成されている。また、図示しないが、この顕微鏡100には、ステージ11上に載置された標本18を照明する照明装置が設けられている。この照明装置は、透過型または落射型であり、透過型の照明装置の場合はステージ11の下方に配置され、落射型の照明装置の場合はステージ11の上方に配置される。照明装置から照射された可視光は標本18を透過して観察光となり、第1対物レンズ12を経て、ダイクロイックミラー16を透過し、赤外光カットフィルタ19で赤外光が除去されて、第2ハーフミラー17に入射する。第2ハーフミラー17は、観察光の一部を反射して、他の一部を透過するものであり、第2ハーフミラー17に入射した観察光は、一部が反射され接眼用第2対物レンズ13及び接眼レンズで標本18の観察像が結像され、観察に供せれる。
なお、第2ハーフミラー17を透過した一部の観察光を、カメラ用第2対物レンズ36とカメラ用リレーレンズ37を通し、カメラ用CCDセンサ38の撮像面に結像させ、カメラ用信号処理部39で処理して標本18の画像をモニタ(図示せず)に投影して利用することも可能である。このカメラ用信号処理部39の動作はCPU41により制御される。
次にフォーカス用結像光学系7について説明する。このフォーカス用結像光学系7は、上述のようにフォーカス用照明光学系5によりステージ11上の標本18に照射されて反射するスリット状の赤外光(スリット開孔22aの投影反射像)を受光するものである。ここで、ステージ11上の標本18はカバーガラス14によって覆われているため、第1対物レンズ12で結像された赤外光Lbは、カバーガラス14の表面14aやカバーガラス14と標本18との境界面(標本面18a)で反射する。カバーガラス14の表面14aや標本面18a等で反射した赤外光は、第1対物レンズ12で略平行光に変換され(赤外光Lc)、ダイクロイックミラー16に入射して側方に反射され(赤外光Ld)、さらに可視光カットフィルタ10で可視光(ノイズとなる標本面18aからの観察光)が除去された後、焦点位置調節レンズ8を通り、第1ハーフミラー25に入射する。
第1ハーフミラー25に入射した赤外光Ldは、上方に一部が反射されフォーカス用結像光学系7に入る。フォーカス用結像光学系7は、光軸に沿って、第1ハーフミラー25、オートフォーカス用第2対物レンズ26、オートフォーカス用リレーレンズ27、第2瞳制限マスク28、オートフォーカス用リレーレンズ27、シリンドリカルレンズ29及び光電変換器であるオートフォーカス用CCDセンサ30が配設されて構成されている。第1ハーフミラー25で反射された赤外光Ldは、オートフォーカス用第2対物レンズ26で集光して結像光に変換されスリット開孔22aの投影反射像を結像する。オートフォーカス用リレーレンズ27は、オートフォーカス用第2対物レンズ26によって結像された反射像(赤外光Le)をリレーし、シリンドリカルレンズ29を経て、オートフォーカス用CCDセンサ30の撮像面に反射像を再結像する。
なお、第2瞳制限マスク28は、瞳の半分を遮光するように配設されており、遮光される領域は、上記に述べた第1瞳制限マスク24によって遮光される領域に対応している。また、シリンドリカルレンズ29は、所定方向のみに屈折作用を持つレンズであり、赤外光Leを図1において紙面に垂直方向(スリット像の長手方向)に圧縮して、オートフォーカス用CCDセンサ30の撮像面に結像させる作用をする。また、オートフォーカス用CCDセンサ30は、複数の受光部が1次元に配列されたラインセンサ、または、2次元に配列されたエリアセンサで構成することが可能である。
オートフォーカス装置1は、オートフォーカス用CCDセンサ30で取得したスリット開孔22aの投影反射像を、信号出力部であるオートフォーカス用信号処理部31で処理することにより第1対物レンズ12の標本18に対する相対位置を算出し、第1対物レンズ12の焦点を標本18に対する所定の位置に一致させるための信号を出力する。そして、CPU41はオートフォーカス用信号処理部31から出力された信号に基づいて、ステージ駆動部34又は対物レンズ駆動部35のフォーカスアクチュエータにより、ステージ11又は第1対物レンズ12を光軸方向に移動させることにより、第1対物レンズ12の焦点面が、標本18の所望の位置に維持されるように制御する。
以上の説明ではフォーカス用照明光学系5において、LED光源20から出射した光をスリット板22のスリット開孔22aを通してスリット状にすることによりこのスリット開孔22aの像を標本18に照射している。これは、スポット光とした場合、標本面18a等に段差部分があると、その反射光が散乱して理想的な光量信号を得ることができないためであるが、標本面18a等の状態によってはこのスリット板22を無くし、上述の方法でLED光源20の像を標本に照射してオートフォーカス制御をすることも可能である。また、第1コレクタレンズ21はなくても実現可能である。
次に本実施形態に係るオートフォーカス装置1において使用する可変絞り2について説明する。図1において可変絞り2は、第1瞳制限マスク24と第1ハーフミラー25の間、つまり、フォーカス用照明光学系5の光路上に位置し、アフォーカル系に配設されている。この可変絞り2は、後述するように焦点位置調節レンズ8により移動されるオートフォーカス用の赤外光の焦点位置(スリット板22のスリット開孔22aの像位置)に応じて開口部の径(開口径)の大きさを変化させる(絞る量を変化させる)ことにより、オートフォーカス用赤外光の開口数を制御するものである。この可変絞り2の作動は、移動量検出部32により検出されたオートフォーカス用赤外光の焦点位置(スリット板22のスリット開孔22aの像位置)に応じて制御部であるCPU41が制御信号を出力し、この制御信号に基づいて駆動部9により制御され、また、それに連動して、同じくCPU41で制御されるLED光源20の光量が調整される。例えば可変絞り2を絞ったとき、標本18に向かうフォーカス用赤外光の光量が少なくなるので、LED光源20の光量を上げ、オートフォーカス用CCDセンサ30に届くシグナルの強度を確保する。なお、CPU41により制御を行うための情報は、メモリ42に記憶されており、また、観察者による指示は、入力部43を介してCPU41に入力される。また、焦点位置調節レンズ8の作動を、カバーガラス14と標本18との界面(標本面18a)から観察面までの距離、標本の屈折率等から算出される作動量(予めメモリ42等の記憶部に記憶された作動量)を用いてCPU41により制御する場合は、移動量検出部32を設けずに、CPU41による焦点位置調節レンズ8の作動量から可変絞り2及びLED光源20の光量を調整するように構成しても良い。
それでは、可変絞り2の作用について、図2及び図3を用いて説明する。なお図2及び図3ではオートフォーカス用の赤外光を実線もしくは点線で示し、観察光を2重線で示している。
図2は第1対物レンズ12として液浸用対物レンズを用いたときの観察位置付近を模式的に示したものである。液浸用対物レンズを使用するときは、カバーガラス14と標本18との界面(標本面18a)でオートフォーカス用の赤外光を反射させる。図2(a)のようにカバーガラス14からあまり離れていない深さを観察する場合、焦点位置調節レンズ8によってオートフォーカス用の赤外光の焦点位置はカバーガラス14と標本18との界面(標本面18a)におかれる。これが図2(b)のようにカバーガラス14から離れた深い位置を観察する場合、焦点位置調節レンズ8でオートフォーカス用の赤外光の焦点位置を調整しても、第1対物レンズ12の収差の影響を受けてうまく集光されず、反射光のシグナルが受信できないためにオートフォーカス機構が働かない。これは高開口数の第1対物レンズ12のときより顕著となる。そこで可変絞り2を絞り、図2(c)のようにオートフォーカス用赤外光の開口数を小さくすることで第1対物レンズ12の収差の影響を抑え、反射光のシグナルを回復させることができる。
第1対物レンズ12に乾燥系対物レンズを用いるときも同様のことが言える。図3は乾燥系対物レンズを用いたときの観察位置付近を模式的に示したものである。乾燥系対物レンズを使用するときは、カバーガラス14と第1対物レンズ12側の空気層との界面(カバーガラス14の表面14a)でオートフォーカス用の赤外光を反射させる。この位置で反射させる理由は、カバーガラス14と標本18との界面(標本面18a)での反射に比べより大きい屈折率差から、より大きい反射光が得られるためである。図3(a)のようにカバーガラス14からあまり離れていない深さを観察する場合、焦点位置調節レンズ8によってオートフォーカス用の赤外光の焦点位置はカバーガラス14と空気層との界面(表面14a)におかれる。これが図3(b)のようにカバーガラス14から離れた深い位置を観察する場合、焦点位置調節レンズ8でオートフォーカス用の赤外光の焦点位置を調整しても、第1対物レンズ12の収差の影響を受けてうまく集光されず、反射光のシグナルが受信できないためにオートフォーカス機構が働かない。高開口数の第1対物レンズ12のときこれはより顕著となる。そこで可変絞り2を絞り、図3(c)のようにオートフォーカス用赤外光の開口数を小さくすることで第1対物レンズ12の収差の影響を抑え、反射光のシグナルを回復させることができる。
本実施形態に係るオートフォーカス装置1において、図1に示す可変絞り2は、フォーカス用照明光学系5の第2コレクタレンズ23より略平行となった赤外光の光路上に配置した場合を示しているが、フォーカス用結像光学系7の第1ハーフミラー25とオートフォーカス用第2対物レンズ26との間の略平行光束中にも配置できる。以下、それぞれの場合の実施例について説明する。
[第1実施例]
図4は、本実施形態に係るオートフォーカス装置1を有する顕微鏡100の光学系の第1実施例を示している。なお、図4においてはオートフォーカス用の赤外光を実線で示し、観察光を点線で示している。この第1実施例において、可変絞り2は第1瞳制限マスク24と第1ハーフミラー25との間、つまり、フォーカス用照明光学系5の光路上に位置し、アフォーカル系に配設されている。この図4には、可変絞り2を絞ると標本位置付近におけるオートフォーカス用赤外光の開口数が小さくなる様子が表されている。なお、図4は、説明に関係しない構成要素は省略している。
ここで、第1対物レンズ12として液浸用対物レンズ使用時にカバーガラス14と標本18との界面(標本面18a)から標本内側に、焦点位置調節レンズ8で25μmと50μmだけずらした位置に観察面を設定した場合における、可変絞り2のそれぞれの絞り量について表1に示す。なお、この表1において、foは対物レンズの焦点距離、NAoは対物レンズの開口数を示している。
Figure 2012173373
可変絞り2を開放した場合(オートフォーカス用赤外光の開口数は使用する対物レンズの開口数に相当)、オートフォーカス用赤外光の信号は第1対物レンズ12の収差による劣化でピークが検出できない。そこで可変絞り2を絞り、カバーガラス14と標本18との界面(標本面18a)に照射されるオートフォーカス用赤外光の開口数が、深さが25μmのときは0.95、深さが50μmのときは0.80にそれぞれなるよう調整する。
この場合、可変絞り2が絞られたことによるオートフォーカス用赤外光の光量の低下をLED光源20の光量を変化させることで調整する。LED光源20からの光量は可変絞り2の開孔の面積、即ち開口数NAの2乗に比例するので、NAo=1.40の対物レンズの使用時における開口数NAを0.95、0.80に絞った場合、光量は、可変絞り2を絞る前の光量を1とすると、それぞれ2.17、3.06となる。また、NAo=1.38の対物レンズの使用時における開口数NAを0.95、0.80に絞った場合、光量は、可変絞り2を絞る前の光量を1とすると、それぞれ2.11、2.98となる。さらに、NAo=1.30の対物レンズの使用時における開口数NAを0.95、0.80に絞った場合、光量は、可変絞り2を絞る前の光量を1とすると、それぞれ2.09、2.64となる。これによりオートフォーカス用赤外光の信号はオートフォーカス機構が働くのに十分な程度まで回復し、観察位置を追従しながらの観察が可能になる。このとき、上記絞り量よりも絞る量が大きすぎると焦点深度が深くなるため焦点位置合せの精度が落ちてしまう他、信号のピークがなだらかになることにより焦点調整速度が遅くなってしまう。逆に、上記絞り量よりも絞る量が小さすぎると信号が回復し切らず、オートフォーカス機構がうまく働かない。ここで、絞り量が大きいとは開口数を小さくすること、絞り量が小さいとは開口数の低下量が小さいことに対応する。
次に、第1対物レンズ12として乾燥系対物レンズ使用時にカバーガラス14と空気層との界面(表面14a)から標本内側に、焦点位置調節レンズ8で170μmと220μmだけずらした位置に観察面を設定した場合における、可変絞り2のそれぞれの絞り量について表2に示す。ただし、170μmとはカバーガラス14の厚さに相当し、ずらした位置の前者はカバーガラス14と標本18との界面(標本面18a)、後者はカバーガラス14と標本18との界面(標本面18a)から標本内側に50μm進入した位置となる。なお、この表2において、foは対物レンズの焦点距離、NAoは対物レンズの開口数を示している。
Figure 2012173373
可変絞り2を開放した場合(オートフォーカス用赤外光の開口数は使用する対物レンズの開口数に相当)、オートフォーカス用赤外光の信号は第1対物レンズ12の収差による劣化でピークが検出できない。そこで可変絞り2を絞り、カバーガラス14と空気層との界面(表面14a)に照射されるオートフォーカス用赤外光の開口数が、深さが170μmのときは0.60、深さが220μmのときは0.50にそれぞれなるよう調整する。
この場合、可変絞り2が絞られたことによるオートフォーカス用赤外光の光量の低下を、LED光源20の光量を変化させることで調整する。LED光源20からの光量は、可変絞り2の開孔の面積、即ち開口数NAの2乗に比例するので、NAo=0.85の対物レンズの使用時における開口数NAを0.60、0.50に絞った場合、光量は、可変絞り2を絞る前の光量を1とすると、それぞれ2.01、2.89となる。また、NAo=0.75の対物レンズの使用時における開口数NAを0.60、0.50に絞った場合、光量は、可変絞り2を絞る前の光量を1とすると、それぞれ1.56、2.25となる。これによりオートフォーカス用赤外光の信号はオートフォーカス機構が働くのに十分な程度まで回復し、観察位置を追従しながらの観察が可能になる。このとき、上記絞り量よりも絞る量が大きすぎると焦点深度が深くなるため焦点位置合せの精度が落ちてしまう他、信号のピークがなだらかになることにより焦点調整速度が遅くなってしまう。逆に、上記絞り量よりも絞る量が小さすぎると信号が回復し切らず、オートフォーカス機構がうまく働かない。ここで、絞り量が大きいとは開口数を小さくすること、絞り量が小さいとは開口数の低下量が小さいことに対応する。
なお、可変絞り2の位置は、上述の第1瞳制限マスク24と第1ハーフミラー25との間に限定されず、スリット板22からダイクロイックミラ−16までの光路上であればどこに配置しても良い。
[第2実施例]
本実施形態に係るオートフォーカス装置1を有する顕微鏡100の光学系の第2実施例を図5に示す。この図5において、可変絞り2′は第1ハーフミラー25とオートフォーカス用第2対物レンズ26との間、つまり、フォーカス用結像光学系7の光路上に位置し、アフォーカル系に配設されている。可変絞り2′を絞るとカバーガラス14で反射したオートフォーカス用赤外光のうち、開口数が小さい成分のみがフォーカス用結像光学系7に届く様子が表されている。なお、この第2実施例において、使用する第1対物レンズ12と可変絞り2′の絞り量との関係については、第1実施例における第1対物レンズ12と可変絞り2の絞り量との関係に等しく、それぞれ表1、表2と同様になる。
以上の第1及び第2実施例に示すように、可変絞を配置する位置(フォーカス用照明光学系5又はフォーカス用結像光学系7)に対応してフォーカス用照明光の開口数及び反射光の開口数の少なくとも一方を変化可能に構成することにより、高開口数な第1対物レンズ12を用いて標本の深部を観察する際も観察位置を自動追従し続けて、タイムラプス観察や、同じ位置を何度も観察できるようなオートフォーカス制御が可能なオートフォーカス装置1を実現することができる。
1 オートフォーカス装置 2,2′ 可変絞り
5 フォーカス用照明光学系 7 フォーカス用結像光学系
8 焦点位置調節レンズ(結像位置調節部材)
12 第1対物レンズ(対物レンズ) 18 標本
20 LED光源(フォーカス用照明光源)
22 スリット板(フォーカス用照明光源)
30 オートフォーカス用CCDセンサ(光電変換器)
31 オートフォーカス用信号処理部(信号出力部)
32 移動量検出部 34 ステージ駆動部 35 対物レンズ駆動部
41 CPU(制御部) 42 メモリ(記憶部) 100 顕微鏡

Claims (5)

  1. 標本と対物レンズとの相対位置を変化させる駆動部の作動を制御することにより、前記対物レンズの焦点を前記標本に対する所望の位置に維持させるオートフォーカス装置であって、
    前記標本に前記対物レンズを介して所定の投影像を形成するフォーカス用照明光学系と、
    前記対物レンズを介して前記投影像の前記標本による反射光を受光し、前記投影像の反射像を結像させるフォーカス用結像光学系と、
    前記フォーカス用結像光学系による前記反射像の結像位置に設けられ、前記反射像を検出する光電変換器と、
    前記投影像及び前記反射像の少なくとも一方の結像位置を光軸方向に移動させる結像位置調節部材と、
    前記光電変換器で得られた前記反射像の信号に基づいて、前記駆動部の作動を制御するための信号を出力する信号出力部と、を有し、
    前記フォーカス用照明光学系及び前記フォーカス用結像光学系の少なくとも一方に可変絞りを設け、該可変絞りを制御することにより、前記可変絞りの配置位置に対応して前記フォーカス用照明光の開口数及び前記反射光の開口数の少なくとも一方を変化可能に構成したことを特徴とするオートフォーカス装置。
  2. 前記結像位置調節部材による前記結像位置の移動量を検出する移動量検出部と、
    前記移動量検出部により検出された前記移動量に応じて前記可変絞りの開口径を変化させる制御部と、を有することを特徴とする請求項1に記載のオートフォーカス装置。
  3. 前記結像位置調節部材の作動量を記憶する記憶部と、
    前記作動量に応じて前記可変絞りの開口径を変化させる制御部と、を有することを特徴とする請求項1に記載のオートフォーカス装置。
  4. 前記制御部は、前記可変絞りの開口径に応じて前記フォーカス用照明光源の光量を変化させることを特徴とする請求項2又は3に記載のオートフォーカス装置。
  5. 対物レンズと、
    標本と前記対物レンズとの相対位置を変化させる駆動部と、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載のオートフォーカス装置と、を有することを特徴とする顕微鏡。
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