JP2012172898A - 再燃焼装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】既存の暖房装置の排気口に装着することで、暖房装置の予熱運転をすることなく未燃焼成分である煤塵除去効率を高め、燃焼効率や燃費効率を改善し再燃焼による熱交換を行なって排熱損失を改善した再燃焼装置を提供する。
【解決手段】排気抑制板6によって排気抑制されて排気と触媒ブロック9との反応時間を長くすることによって再燃焼を促し、再燃焼により発生する熱気を排気管3aの外周に設けられた熱交換器5の放熱フィン5aを通じて放熱する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば薪ストーブなどの暖房装置の排気側に接続され、排気中に含まれる煤塵除去率、燃焼効率、燃費効率を向上させた再燃焼装置に関する。
薪或いは石炭などの固形燃料を用いたストーブは、現在から250年ほど前に発明され実用化されてきたが、固形燃料を比較的低い温度で燃焼させているので未燃焼ガスが煙となって大量に発生する。この未燃焼ガスは着火温度が600度程度と非常に高く通常の燃焼では完全に燃やすことができない。従って、未燃焼ガス中に含まれている微粒子、CO、タール等の不純物が煙とともに煙突を介して大気中へ排出され、スモッグ発生の要因となる。
しかしながら、近年、石炭、石油などの化石燃料の枯渇や地球温暖化防止の観点から木質バイオマスを燃料とする薪ストーブは再び見直されている。また、再生可能エネルギーへの転換が世界的規模ではかられておりこの点でも森林資源は好適である。さらには、近年、大気汚染が規制された結果、固形燃料を一次燃焼させる際に発生する未燃焼ガスをストーブ内で再燃焼させる以下の方式が知られている。
蜂の巣状に形成したセラミックスに白金パラジウムやロジウム等の貴金属を付着させた酸化触媒等に未燃焼ガスを接触させて250度程度の低い温度で煙中の未燃焼ガスを燃焼させるようにした触媒方式と、ストーブの燃焼室内に高温の再燃焼用の空気を供給してこの再燃焼用の空気を未燃焼ガスと撹拌させて600度以上の高温で未燃焼ガスを再燃焼させるようにしたクリーンバーニング方式である。
触媒方式のストーブは、薪を燃焼させる燃焼室の上方であって煙突の手前に連通口を介して燃焼室と連通された二次燃焼室を形成し、この二次燃焼室内に未燃焼ガスの燃焼を促進する酸化触媒を配置して構成されている。そして、燃焼室内で発生した未燃焼ガスを二次燃焼室内へ導入するとともにこの二次燃焼室に配置されている酸化触媒の内部を通過させ、この触媒の酸化作用によって250度程度の低い温度で未燃焼ガスを再燃焼させ未燃焼ガス中のCO量を削減させるようにしている(特許文献1参照)。
また、クリーンバーニング方式のストーブは、薪を燃焼させるようにした燃焼室と、一端側が燃焼室の外側に開口されるとともに他端側に前記燃焼室内に開口されている流出口が形成された空気供給管を設けて構成されており、煙突によるドラフト効果によって前記空気供給管を介して燃焼室の外から取り入れた空気を流出口から再燃焼用空気として燃焼室内へ噴出させて、この再燃焼用空気を未燃焼ガスと撹拌させて600度以上の高温にして未燃焼ガスを再燃焼させるようにしている(特許文献2参照)。なお排気煙の燃焼成分を再燃焼させることは、浄化と同時に発熱が増加し燃焼効率も向上する特長を併せ持つ。
また、薪ストーブは火力調整がむずかしい欠点がありそれを解決するために一次燃焼と二次燃焼の給気を調整する機構も開発されている。例えば、ストーブの焚き始めや煙突による十分なドラフト効果が得られない場合を想定して再燃焼用の空気を強制給気するようにしたストーブや(特許文献3)、未燃焼ガスを滞留させた二次燃焼室に給気することで燃焼させるストーブ(特許文献4)なども提案されている。或いは焼却炉ではあるが、燃焼室の排気に含まれる煙の微粒子をヒーターによって再燃焼させ触媒を併用して無臭化させる技術も提案されている(特許文献5)。
特開2000−46334号公報 特開2004−77060号公報 特開2006−52912号公報 特開2007−285660号公報 特開2007−78206号公報
上述した各薪ストーブには、以下に述べる課題があった。
即ち、二次燃焼装置は二次燃焼室の温度が250℃〜350℃以上にならないと機能せず、加熱は薪の燃焼に頼っている。よって、点火直後や小出力時は二次燃焼装置の温度が低く、煤塵やCOガスは燃焼できず屋外に排出されてしまう。即ち、ストーブ本体を予熱する必要があるため、予熱の間は未浄化ガスがそのまま屋外に排出され、環境負荷が大きいという課題がある。
また、薪ストーブは小出力・長時間燃焼ができない。
即ち、小出力にするため給気を絞ると不完全燃焼し、排煙の爆燃・室内噴出、立ち消えに至る。また中出力に維持することも難しく過剰燃焼し熱くなりすぎ、短時間で燃料補給しなければならない。即ち、利用者が常時薪などの補給に追われて、燃料の補給するサイクルが短すぎる。さらには、早朝の暖房が特に望まれるが薪が短時間で燃え尽きて朝方にはストーブが冷え切ってしまう。
また、暖房装置が二次燃焼室以上の複数の燃焼室を設けると装置が大掛かりになり家庭用の薪ストーブとして用いるには適当ではなく、二次燃焼のためのバーナー、ヒーター等の熱源や給気のための送風機などの駆動源が別途必要になるため、排熱損失が大きく燃費効率も低下する。
そこで本発明の目的は、上述した課題を解決し、既存の暖房装置の排気口に装着することで、暖房装置の予熱運転をすることなく未燃焼成分である煤塵除去効率を高め、燃焼効率や燃費効率を改善し再燃焼による熱交換を行なって排熱損失を改善した再燃焼装置を提供することにある。
一次燃焼が行なわれる暖房装置の排気口に接続される円筒状の排気管と、前記排気管の外周に放熱フィンが放射状に設けられ、排気管内部の発熱を室内空気に放熱する放熱手段と、前記排気管内に中心部を閉塞し周辺部を開口した排気を抑制する排気抑制手段と、前記排気抑制手段より排気方向上流側であって前記暖房装置からの火炎到達範囲に所定のクリアランスを設けて配置され、排気中に含まれる可燃成分を再燃焼させる触媒ブロックと、を具備し、前記排気抑制手段によって排気抑制されて前記排気と触媒ブロックとの反応時間を長くすることによって再燃焼を促し、再燃焼により発生する熱気を前記排気管の外周に設けられた前記放熱手段によって放熱することを特徴する。
上記再燃焼装置を用いれば、一次燃焼させた暖房装置の排気が排気管内を上昇し、暖房装置からの火炎到達範囲に設けられた触媒によって排気中に含まれる可燃成分を再燃焼させる。このとき、触媒を通過して未燃焼成分が燃焼した排気は、排気管の中心部を閉塞し周辺部を開口した排気抑制手段によって一時的に排気を抑制される。これにより、排気静圧が上昇し、触媒反応時間が長くなるので、排気中の煤塵除去効率が上昇する。
また、排気抑制により再燃焼が促されて発生する熱気を排気管の外周に設けられた放熱手段によって室内に放熱することで、排熱利用を促進することができる。
また、触媒は排気管中央部の温度上昇が大きく壊れ易くなるが、排気管中央部の排気抑制することで、触媒全体の再燃焼を促して長寿命化を図ることができる。
また、再燃焼装置は暖房装置の排気口に後付けすることができるので、既存の設備を用いて排気口を交換するだけで設置することができるので汎用性が向上する。
前記排気抑制手段の排気方向下流側に排気調整手段が設けられており、排気調整手段は、前記排気抑制手段の開口部の開口面積を調整可能に設けられていることを特徴とする。これにより、暖房装置の一次燃焼の状態に応じて再燃焼の排気調整をすることで、排気ガスの未燃焼や燃料の燃えすぎを防いで、暖房装置の最適な燃焼状態を維持することができる。
この場合、排気抑制板には、周方向に沿って複数の開口部が設けられており、排気調整板には前記排気抑制板と同様な開口部が重ね合わせて形成されており、前記排気調整板はレバー操作によって回転させることで開口部の開度を所定角度範囲で調節するのが好ましい。これにより、燃焼装置の一次燃焼の状態に応じて排気管の開口面積を操作性良く調整することができる。
前記触媒ブロックはハニカム構造を有する多孔質柱状金属ブロックにパラジウムめっきされたものが用いられ、前記排気管内の触媒収納部に設置され排気管外部に延設された触媒退避室から交換されることを特徴とする。これにより触媒ブロックの交換作業がしやすくなる。
また、前記触媒ブロックは触媒ホルダーに収納されて前記触媒収納部と前記触媒退避部との間をスライド可能に保持されており、任意の位置で設置可能に設けられていると、暖房装置の燃焼状態に応じて、触媒排気、直接排気、これらを併用した排気ダンパーとして使用することができる。
前記触媒ブロックより排気方向上流側の排気管に設けられ一次燃焼した排気に外気を混入させる給気口が設けられていることを特徴とする。これにより、格別な設備を設けて給気動作を行う必要がなく、自然対流により給気することで触媒ブロックの再燃焼を促すことができ、無駄なエネルギーを消費することがない。
前記触媒より排気方向上流側の排気管に、前記暖房装置で一次燃焼した火炎の到達範囲を視認することができる透視窓が設けられていることを特徴とする。これにより、暖房装置の一次燃焼状態を目視により確認して排気抑制の調整や燃料の補給調整が行なって最適な燃焼状態を維持することができる。
前記排気管はその長手方向に伸縮可能に設けられていることを特徴とする。これにより、排気管の設置箇所に応じた調整が行い易くなる。
以上説明したように、本発明によれば、既存の暖房装置の排気口に装着することで、暖房装置の予熱運転をすることなく未燃焼成分である煤塵除去効率を高め、燃焼効率や燃費効率を改善し再燃焼による熱交換を行なって排熱損失を改善した再燃焼装置を提供することができる。
暖房装置に装着した再燃焼装置の正面図である。 再燃焼装置の正面図、右側面図及び平面図である。 排気調整板による排気口の開度調整状態を示す正面図及び平面図である。 再燃焼装置の暖房装置への組み付け状態を示す説明図である。 触媒ブロックの交換作業を示す説明図である。 暖房装置の火炎到達範囲と透視窓の配置関係を示す模式図である。 触媒の中心からの温度分布を示すグラフ図である。 従来例と本願の煤塵排出量の比較を示すグラフ図である。
本発明に係る再燃焼装置の実施形態について図1乃至図6を参照して説明する。以下の実施例では、暖房装置の一例として薪ストーブを例示して説明するものとする。
図4(a)において、暖房装置1は薪ストーブであり、図示しない開閉扉より投入された木材などを収容して給気しながら燃焼(一次燃焼)させる。また、暖房装置1の上部に設けられた排気口2には、再燃焼装置3が接続される。再燃焼装置3は装置本体である排気管3aの下端が接続されていても良いし(図4(a)参照)、接続用排気管4を介して組み付けられても良い(図4(b)参照)。
図1において、円筒状の排気管3aは一次燃焼が行なわれる暖房装置1の排気口2に接続される。排気管3aの外周には放熱フィン5aが放射状に設けられ、排気管3a内部の発熱を室内空気に放熱する熱交換器5(放熱手段)が設けられている。また、排気管3a内には中心部を閉塞し周辺部を開口した排気を抑制する排気抑制板6が(排気抑制手段)設けられている。排気抑制板6には、周方向に沿って複数の開口部6aが設けられている。また、排気抑制板6には、排気調整板7(排気調整手段)が重ね合せて設けられている。排気調整板7には排気抑制板6と同様な開口部7aが重ね合わせて形成されている。排気調整板7には回転レバー8が連結されており、後述すように該回転レバー8を回転させることで、開口部6a,7aの開度を調節して排気量を調整できるようになっている。
また、排気抑制板6より排気方向上流側であって、暖房装置1からの火炎15の到達範囲(図6参照)に触媒ブロック9が所定のクリアランスを設けて配置されている。触媒ブロック9は、排気中に含まれる可燃成分を300℃以下で再燃焼させる。触媒ブロック9は、例えばハニカム構造を有する多孔質金属ブロックにパラジウムめっきされたものが用いられる。
触媒ブロック9は触媒ホルダー10に収納されたまま、排気管3aの内周面に設けられた段付き部である触媒収納部11に設置される。触媒ホルダー10は、円柱状の触媒ブロック9を脱落することなく保持すべく、リング状底部に筒状側部が起立形成されたホルダーである。また、触媒ホルダー10は、触媒収納部11と排気管3aの外部に延設された触媒退避部12との間を移動可能に設けられている(図2(a)(c)参照)。触媒ホルダー10にはスライドレバー10aが設けられている。このスライドレバー10aを押し込むことで、触媒ホルダー10が触媒退避部12から触媒収納部11にセットされ、スライドレバー10aを引くことで、触媒ホルダー10が触媒収納部11から触媒退避部12にスライドするようになっている。
図2(a)に示すように、触媒退避部12には上蓋12aが開閉可能に設けられている。上蓋12aを開放すると、触媒退避部12に移動させた触媒ホルダー10から触媒ブロック9を取り出して交換することができる。触媒ブロック9は先の曲がった針金等で釣り上げて取り出すことができる。
ここで触媒ブロック9の交換作業について図5(a)〜(d)を参照して説明する。
図5(a)(b)に示すように、触媒ブロック9は触媒ホルダー10に収納されたまま排気管3内の触媒収納部11にセットされている(触媒排気)。触媒ブロック9の清掃や交換を行う場合には、図5(c)に示すようにスライドレバー10aを引いて触媒ホルダー10を触媒退避部12に退避させた状態で上蓋12aを開けて触媒ブロック9を交換する。尚、必要に応じて触媒ブロック9を介さずに暖房装置1の排気を行うことも可能である(直接排気)。そして。再度上蓋12aを締めてスライドレバー10aを押し込むことで、触媒ホルダー10を触媒退避部12から触媒収納部11にセットすることができる。
また、図5(d)に示すように、触媒ブロック9を収納した触媒ホルダー10を触媒収納部11に移動せずに中間位置にセットして排気ダンパーとして使用して排気調整することも可能である。
排気抑制板6によって排気抑制されて排気と触媒ブロック9との反応時間を長くすることによって再燃焼を促し、再燃焼により発生する熱気を排気管3aの外周に設けられた熱交換機によって放熱するようになっている。
図1において、触媒ブロック9より排気方向上流側の排気管3aの一部には給気口3bが設けられており(図2(b)参照)、一次燃焼した排気に外気を混入させることで再燃焼を促すようになっている。これにより、格別な設備を設けて給気動作を行う必要がなく、自然対流により給気することにより触媒ブロック9で再燃焼を促すことができ、無駄なエネルギーを消費することがない。
また、図6において、触媒収納部11にある触媒ブロック9より排気方向上流側の排気管3aには、暖房装置1で一次燃焼した火炎15の到達範囲を視認することができる透視窓3cが設けられている。この透視窓3cを通じて暖房装置1の一次燃焼状態を目視により確認することで、排気抑制板6及び排気調整板7の開口部6a,7aの調整や燃料の補給調整を行なって最適な燃焼状態を維持することができる。
図1において、排気管3aにはストーブアタッチメントリング13が設けられている。ストーブアタッチメントリング13を暖房装置1の排気口2に嵌め合わせてねじ止めにより固定することで脱落を防ぐ。熱交換器5は、ストーブアタッチメントリング13の外周にねじ止め固定されている。尚、暖房装置1の煙突サイズの変更には、このストーブアタッチメントリング13を変えれば組み付けることができる。
排気管3aはその長手方向に伸縮可能に複数の配管が同心状に設けられていてもよい。また、排気を屋外に排出するため、図4(a)(b)に示すように排気管3aに延長用の延長排気管14を接続しても良い。
従来の薪ストーブは、直接煙突に排気する経路と、2次燃焼装置を経由して排気する経路を備え、手動式ダンパーで切り替えている。ストーブが冷えているときは、ダンパーを直通側にセットし、1次燃焼室内いっぱいに薪を詰め込み燃焼する予熱運転を行い、ストーブが300℃程度になったらダンパーを切り替え2次燃焼装置経由としていた。つまり予熱運転の間は2次燃焼が行われていない。予熱運転は火炎が煙突内を何mも立ち上る過剰運転であり煙道火災の危険があり燃焼ガスは瞬時に煙突に吸引されるので熱量の大半は排出されてしまいストーブはなかなか暖まらず、しかも大量の煤塵が屋外に排出されていた。
これに対して、本発明に係る再燃焼装置では、煙突下部の火炎領域に触媒ブロック9を内蔵の熱交換器5を配し、常に触媒経由で排気することを可能にした。火炎到達領域の排気温度は400℃〜500℃であり、触媒は240℃〜260℃で動作することから、薪の点火直後から瞬時に再燃焼が開始される。よって、従来はそのまま排出されていた点火時の煤煙も90%程度除去される大きな効果がある。
従来の予熱運転が強火力で長時間かかっていた原因は、熱容量の大きなストーブ本体を暖めていたことにある。これに対して本発明は軽量の熱交換器に再燃焼装置を設けることから熱容量を大幅に小さくできる。比熱が同じならば熱容量は質量に比例する。ストーブと熱交換器の比熱はほぼ同じであるから両者の熱容量を比較するには質量を検証すればよい。ストーブは約100kg重であり、熱交換器は約5kg重が可能であり、熱容量は熱交換器のほうが約1/20であるため予熱時間も1/20となる。すべての熱流が熱交換器に集中するわけではないが、仮に50%とすると予熱時間は1/10になる。よって従来20分かかっていた予熱は2分でよいことになり、予熱運転などせずとも通常運転で熱交換器は充分に昇温できる。従って、予熱にかかる薪の消費量及び煤塵発生量は事実上ゼロとなる。尚、触媒を使わない2次燃焼装置(例えばクリーンバーン方式)についても、ストーブが高温にならないと再燃焼が開始されず、予熱運転が必要なことは触媒機と同様である。以上で、石油や電気を使わずに点火時から浄化できる再燃焼装置を実現できる。
さらに火炎到達部に触媒が配置されることで、火炎は触媒部で停止する。過剰燃焼の際は火炎が煙突内を数mも上昇し、付着していたクレオソートやススが発火し煙道火災を起こす原因であったが、本案は火炎を停止させることで煙道火災を防止する。また1次燃焼を監視する透視窓3cがあることからユーザーは普段から煙突内の火炎を観察でき、過剰燃焼そのものを抑制できるのでさらに安全性が高まる。
従来の触媒は長期使用時に、機械的ストレスにより周辺部が物理的に破損した。特に角型の触媒にその傾向が顕著である。そこで触媒を円柱状とし、熱膨張を考慮して充分な余裕を設けた触媒収納部11を設け、該触媒収納部11に触媒ブロック9を固定せずに設置すれば、応力集中による機械的破壊を防止できる。煙突も円筒状であるから大面積の触媒を無駄なく実装でき、スペース効率が高い。
触媒ブロック9の温度分布は一様ではなく、熱力学的に中央部は周辺部に比べて高温になる。そのため中央部で顕著に基材が劣化あるいは破壊する問題があった。特に給気管がトロイダル形状の場合、流体力学的にも中央に排気ガスが集中した。温度分布の偏在と排気集中が重なりさらに中央部の劣化が激しくかった(図7参照)。そこで、本発明では、排気抑制板6を設け、その中央部には開口部を設けず中央部の静圧をあげる。これにより中央部の排気通過量が少なくなり発熱も減る。また、給気口3bを触媒ブロック9の投影面より外側に配置し、煙道周辺部から一様に給気を噴出させる。こうすることで触媒ブロック9全面に均等に排気が到達し、排気の偏流を無くし煤塵除去効率が向上する。
排気抑制板6の開口比は小さいほど静圧が上がり、排気速度が低下し再燃焼時間が長くなる。しかし開口比20%以下では排気の吸い込みが悪く1次燃焼の著しい低下がみられた。また40%以上では排気流速が早すぎ、未燃焼煤塵が排出され煤塵除去率の低下が激しい。最適なストーブの排気能力は設置条件や燃焼状態により様々である。そこで排気調整板7を設けて、開口比を20%〜40%で可変できるようにすると適度な燃焼と高い煤塵除去能力を両立できる。
図3(a)〜(c)は、排気抑制板6の開口部6aと排気調整板7の開口部7aの排気管3aとの開口比を示す状態図である。図3(a)は、排気抑制板6の開口部6aが排気調整板7により遮断されているため、開口比は0%となる。
また、図3(b)は、回転レバー8を回転操作して排気調整板7を時計回り方向に所定量回転させると、開口部7aと開口部6aが連通し、開口比20%の状態を示す。
更に、図3(c)は、回転レバー8を更に回転操作して排気抑制板6の開口部6aと排気調整板7の開口部7aが連通した状態を示す。このときの開口比は40%となるように開口部6a,7aが形成されている。
よって、排気調整板7を回転操作することで、開口比20〜40%の調整が行なえるようになっている。
薪ストーブの煤塵量規制値は4g/h程度であるからその10倍を触媒ブロック9が再燃焼すると仮定して煤塵量を0.6g/minとすると、必要な空気量は10L/minとなる。直径20mmの給気口3bから0.5m/secの流速で給気すれば流量は約10L/minであり、自然対流による吸気だけで2次給気をまかなえることになり強制給気は不要である。また、給気口3b付近の動圧に応じて吸気流量が変化し調整機構も不要である。例えば排気流量が多い時は給気口負圧も大きくなり吸入量が増加する。従来は送風ファンと制御装置が設けられていたがそれらを使わないことは、環境負荷を低減し、また停電時も影響を受けない。
暖房装置1の排気口2はもともと高温となる部位でありしかもそこに触媒ブロック9の発熱が加わる。そこで熱交換器5に放熱フィン5aを設け、室内空気に放熱すれば熱効率が向上する。薪1kg/h燃焼時に触媒が1kW発熱は妥当な値であり、この熱流が熱効率改善になる。例えば標準的なφ150mmの煙突の場合、熱交換器周長は約500mmである。そこへ10mmピッチで高さ10mmの放熱フィン5aを設けたと仮定すると周長は1000mm増加し放熱面積は3倍に拡大できる。L=240mmでTa+150℃とした場合の対流熱伝導=340W,放射熱伝導=120Wで、熱流は約500Wと概算される。よって1kW時は約300℃昇温する。放熱フィンH=20mmとすれば温度上昇は200℃程度に低減され安全性が向上する。逆に放熱フィン5aが無い場合は概ね600℃の温度上昇となり触媒ブロック9が破損し実用とならない。
再燃焼装置を設置するには、既設の室内煙突を一部取り外して取り付ける必要がある。ストーブと室内煙突の位置は固定されているので、本機をストーブに設置した後、上方から垂れ下がっている室内煙突と本機を接続しなければならない。そのために室内煙突より細いスライド煙突を使用し、設置前に室内煙突に挿入しておく。そして、再燃焼装置をストーブ本体に固定した後、スライド煙突を引きおろし本体上部に固定すれば設置することができる。
またスライド煙突が上下動できると、地震動時の煙突抜けを防止できる。また室内煙突の熱膨張による伸縮や、経年変化で建物高さが縮小するセトリングにも対応できる。室内煙突が二重煙突の場合は外形が太くなるが内径は変わらないので同じサイズのスライド煙突で対応できる。薪ストーブにはインテリア性があり煙突は目立つ部材である。傷つきやすいストーブ塗装が施されているため外周を煙突が摺動すればすぐに傷がつくが、本機は室内煙突の外周には接触しないので脱着時・使用時に擦り傷を付けない。
以上説明したように、本願発明に係る再燃焼装置を用いれば、予熱運転を不要とし、薪の消費や煤塵排出を大幅に低減できる。また過剰燃焼が抑制され、定常時の燃費も改善される。触媒ブロック9の全面を使い常時再燃焼するので、煤塵除去率と燃焼効率が上がる図8は一次燃焼型ストーブ、二次燃焼型ストーブ、本願発明を適用した薪ストーブについて煤塵排出量を比較したシミュレーションの結果である。煤塵排出量を一次燃焼型(図8;P)が100%とすると、二次燃焼型(図8;Q)では60.7%で概ね半減するが、本願発明の薪ストーブ(図8;R)では21.2%で1/5に更に改善される。
また熱交換器5の放熱フィン5aにより熱交換し暖房能力が向上する。同時に煙突温度が低下するので、壁面の炭化防止の他、煙道火災の予防になる。円筒状の触媒ブロック9を熱膨張しても余裕があり応力集中しない触媒ホルダー10に収納して設置することで機械的ストレスを低減し長寿命化できる。また排気抑制板6により触媒発熱部の偏在を低減でき熱的にも長寿命化できる。煙突のスライド機能により、地震動時など煙突長さの変動に対応でき、安全性が向上する。電気や灯油を使わない再燃焼装置を低価格で提供できる。汎用性が高く既設ストーブに使用でき、環境問題対策に即効性がある。住宅地における排煙トラブル解消になり、都市での木質バイオマスの利用を促進できる。
1 暖房装置
2 排気口
3 再燃焼装置
3a 排気管
3b 給気口
3c 透視窓
4 接続用排気管
5 熱交換器
5a 放熱フィン
6 排気抑制板
6a,7a 開口部
7 排気調整板
8 回転レバー
9 触媒ブロック
10 触媒ホルダー
10a スライドレバー
11 触媒収納部
12 触媒退避部
12a 上蓋
13 ストーブアタッチメントリング
14 延長排気管
15 火炎

Claims (8)

  1. 一次燃焼が行なわれる暖房装置の排気口に接続される円筒状の排気管と、
    前記排気管の外周に放熱フィンが放射状に設けられ、排気管内部の発熱を室内空気に放熱する放熱手段と、
    前記排気管内に中心部を閉塞し周辺部を開口した排気を抑制する排気抑制手段と、
    前記排気抑制手段より排気方向上流側であって前記暖房装置からの火炎到達範囲に所定のクリアランスを設けて配置され、排気中に含まれる可燃成分を再燃焼させる触媒ブロックと、を具備し、
    前記排気抑制手段によって排気抑制されて前記排気と触媒ブロックとの反応時間を長くすることによって再燃焼を促し、再燃焼により発生する熱気を前記排気管の外周に設けられた前記放熱手段によって放熱することを特徴する再燃焼装置。
  2. 前記排気抑制手段の排気方向下流側に排気調整手段が設けられており、排気調整手段は、前記排気抑制手段の開口部の開口面積を調整可能に設けられている請求項1記載の再燃焼装置。
  3. 排気抑制板には、周方向に沿って複数の開口部が設けられており、排気調整板には前記排気抑制板と同様な開口部が重ね合わせて形成されており、前記排気調整板はレバー操作によって回転させることで開口部の開度を所定角度範囲内で調節する請求項2記載の再燃焼装置。
  4. 前記触媒ブロックはハニカム構造を有する多孔質柱状金属ブロックにパラジウムめっきされたものが用いられ、前記排気管内の触媒収納部に設置され排気管外部に延設された触媒退避部から交換される請求項1乃至請求項3いずれか1項に記載の再燃焼装置。
  5. 前記触媒ブロックは触媒ホルダーに収納されて前記触媒収納部と前記触媒退避部との間をスライド可能に保持されており、任意の位置で設置可能に設けられている請求項4記載の再燃焼装置。
  6. 前記触媒より排気方向上流側の排気管に設けられ一次燃焼した排気に外気を混入させる給気口が設けられている請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の再燃焼装置。
  7. 前記触媒より排気方向上流側の排気管に、前記暖房装置で一次燃焼した火炎の到達範囲を視認することができる透視窓が設けられている請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の再燃焼装置。
  8. 前記排気管はその長手方向に伸縮可能に設けられている請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の再燃焼装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103884016A (zh) * 2014-04-14 2014-06-25 重庆大学 含尘含硫低浓度甲烷的高效催化燃烧装置及燃烧方法
JP2015169397A (ja) * 2014-03-08 2015-09-28 株式会社上野商店 燃焼促進用煙突筒
CN105042644A (zh) * 2015-06-25 2015-11-11 安顺惠烽节能炉具有限责任公司
KR101727631B1 (ko) 2016-07-06 2017-04-17 최혁순 유해가스 재연소 장치

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