JP2012172618A - 圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】圧縮機101は、潤滑油を含む冷媒を圧縮する圧縮機であり、圧縮機101の吐出側に、冷媒に旋回流を発生させて潤滑油を分離するための第一油分離室12cを備えている。さらに、第一油分離室12cは、第一油分離室12cを形成する筒状の側部周状壁12c1及び22c1と、第一油分離室12cの側部周状壁12c1に形成され、冷媒を第一油分離室12c内に流入させる流入口12a2と、第一油分離室12cの側部周状壁12c1から延在する整流板10aとを有する。整流板10aは、流入口12a2から第一油分離室12c内に冷媒が流入する方向で、流入口12a2に対向し、且つ、流入口12a2からの冷媒の流れを偏向させて側部周状壁12c1の内周面12c1aに沿って案内するように延在する。
【選択図】図2
Description
これによって、分離室に設けられた連通孔を介して冷媒吐出室から圧縮された冷媒が吐出され、吐出された冷媒は、分離室の内壁に沿って旋回するように流通し、含有する潤滑油が遠心分離される。旋回する冷媒は、分離管の下端から冷媒収容室に吐出された後、冷媒吐出口から外部に吐出する。
分離室は、流入口より上方に設けられ、分離室内から流体を流出させる流出口と、流入口及び流出口の間に、周壁から突出して分離室の断面積を減少させる絞り部とを有してもよい。
分離室の周壁は、複数の周壁形成部材から形成され、分離室は、周壁形成部材同士の間にガスケットを有し、整流板は、ガスケットに取り付けられてもよい。
上記圧縮機は、複数のハウジング形成部材から形成され、筐体を構成するハウジングをさらに備え、分離室の複数の周壁形成部材は、異なるハウジング形成部材に対応させて設けられ且つ対応するハウジング形成部材と一体に形成されてもよい。
分離室は、絞り部より下方の下部空間と絞り部より上方の上部空間とを有し、下部空間から上部空間に流れる流体を衝突させて流体の流通方向を変えるための第一衝突壁部を、上部空間にさらに有してもよい。
分離室は、流入口の下方で周壁から周壁の内周面に沿って延びる下部整流部を有してもよい。
実施の形態1.
図1〜4を用いて、この発明の実施の形態1に係る圧縮機101の構成を説明する。なお、以下の実施形態において、圧縮機101として、車両に搭載された冷凍回路に設けられて、冷凍回路を流通する冷媒を吸入、圧縮して吐出するスクロール型の圧縮機を使用した場合の例について説明する。
ここで、シェル1、リアハウジング2及びフロントハウジング3はそれぞれ、ハウジング形成部材を構成し、さらに、シェル1、リアハウジング2及びフロントハウジング3は一体となって、圧縮機101の筐体であるハウジング100を構成している。
可動スクロール7は、フロントハウジング3からシェル1に向かう方向に垂直な方向に延びる板状の基板7bと、基板7bからリアハウジング2に向かう方向へ内部1cに突出する渦巻壁7aとによって形成されている。そして、渦巻壁7aは、基板7b上で渦巻き状に延びている。
さらに、可動スクロール7は、その渦巻壁7aがシェル1の渦巻き状の渦巻壁1d同士の間にはまりこむようにして、配置されている。そして、可動スクロール7の渦巻壁7aは、シェル1の渦巻壁1dと当接することによって、閉鎖された空間である三日月状の圧縮室7cを形成することができる。
また、可動スクロール7では、基板7bから渦巻壁7aと反対側に、筒状のシャフト支持部7dが突出して形成されている。
連結部4a及び拡径部4bは、互いの中心軸を同一とし、偏心シャフト部4cは、その中心軸を連結部4a及び拡径部4bに対して偏心させている。そして、偏心シャフト部4cは、ブッシュ6及びその外周の軸受6aを介してシャフト支持部7dと回転自在に嵌合している。
また、吐出室12aの内部には、吐出孔1fを開閉する吐出バルブ機構8が設けられ、リアハウジング2には、吐出室12aを圧縮機101の外部の図示しない冷凍回路に連通する吐出通路9が設けられている。
また、貯油室12bは、圧縮機101の吸入側に連通しており、貯油室12bの潤滑油が駆動機構(偏心シャフト部4c、ブッシュ6等)の摺動部、シール部(シャフトシール等)、可動スクロール7及び固定スクロール間の摺動部等に供給される。なお、可動スクロール7及び固定スクロール間への潤滑油の供給は、両スクロール間の摺動を円滑にするためだけでなく、両スクロール間のシール性を高めて圧縮室7cの密封性を高め、圧縮室7cを密閉空間とするためにも、行われている。
ここで、紙面上で貯油室12bから吐出室12aに向かう方向を上方と呼び、吐出室12aから貯油室12bに向かう方向を下方と呼び、さらに、図示の圧縮機101は、車両等に設置されて使用される状態にある圧縮機を示しており、この状態では上方及び下方をそれぞれ重力方向の上方及び下方としている。
側部1bでは、その周囲を取り囲む外周壁部1baと、外周壁部1baの内側で各室を仕切る内部壁部1bbとが突出して形成されている。
内部壁部1bbは、外周壁部1baと共に、吐出室12aの一部を画定し、そして、吐出室12aの下方に貯油室12bの一部を画定する。さらに、内部壁部1bbは、吐出室12aに隣接し且つ連通する第一油分離室12cの半分を画定する。そして、内部壁部1bbは、外周壁部1baと共に、第一油分離室12cに隣接し且つ第一油分離室12c及び貯油室12bに連通する第二油分離室12dの一部を画定する。また、シェル1において第一油分離室12cは、略半円筒状の形状で形成されている。
ここで、側部周状壁12c1は、第一油分離室12cの周壁形成部材を構成している。
図2に戻り、第一油分離室12cにおいて、側部周状壁12c1の内側には、流入口12a2の上部に隣接して、半環状の帯状をした突起部12c6が、内周面12c1a(図3参照)を取り囲むようにして内側に向かって突出している。そして、突起部12c6は、第一油分離室12cにおける突起部12c6より下方の下部空間12caから突起部12c6より上方の上部空間12cbへ向かう流体の流れを規制する絞り部を構成している。
さらに、第一油分離室12cの側部周状壁12c1において、底部壁12c3の近傍に、第一油分離室12cの下部空間12caを貯油室12bに連通する油排出孔12c7が形成されている。
また、吐出通路9は、第一油分離室12cより上方に位置してリアハウジング2(図1参照)に形成されており、第二油分離室12dを圧縮機101の外部の図示しない冷凍回路に連通する。なお、冷凍回路は、圧縮機101と、図示しない凝縮器、膨張弁、蒸発器とを備えている。
さらに、第二油分離室12dは、ガスケット10が設けられていない内部壁部1bbによって第二油分離室12dの下部に形成された連通路12d2を介して、貯油室12bに連通する。
ここで、側部周状壁22c1は、第一油分離室12cの周壁形成部材を構成し、側部周状壁12c1及び22c1で、第一油分離室12cの周壁を構成している。
さらに、流入口12a2の上方には、側部周状壁12c1の内周面12c1aから突起部12c6が突出すると共に、側部周状壁22c1の内周面22c1aから半環状の突起部22c6が突出し、突起部12c6及び22c6で環状の突出部を形成している。
また、図2における第一油分離室12c及びその周辺を拡大しガスケット10を除いた状態で示す図4を参照すると、整流板10aは、流入口12a2を覆うような上下方向にわたる長さでも形成されている。
図1を参照すると、図示しないクラッチによって車両のエンジンの回転駆動力が、駆動シャフト4の連結部4aに伝達されて連結部4aを回転させると、連結部4aと共に拡径部4b及び偏心シャフト部4cが回転する。このとき、拡径部4bは、連結部4aと同軸で回転し、偏心シャフト部4cは、連結部4aの回転中心軸の周りを旋回運動する。そして、旋回運動する偏心シャフト部4cとシャフト支持部7dで嵌合する可動スクロール7は、連結部4aの回転中心軸の周りを公転運動する。
さらに、図3及び図4をあわせて参照すると、流入口12a2から下部空間12caに吐出された圧縮冷媒は、ガスケット10の整流板10aによって、その流れを偏向させるように案内され、第一油分離室12cの円筒状の内周面12c1aに沿うようにして流れ、図3の紙面上で反時計回りの方向に進む旋回流を発生する。また、流入口12a2から吐出された圧縮冷媒は、直上の環状をした帯状の突起部12c6によって流入口12a2から上方への流れが規制されるため、圧縮冷媒の旋回流は、内周面12c1aに沿って旋回しつつ底部壁12c3に向かって進む。このとき、圧縮冷媒に含まれる潤滑油は、圧縮冷媒と共に旋回する過程で遠心分離されて内周面12c1aに付着し、付着した潤滑油は流下して底部壁12c3上に溜まる。そして、底部壁12c3上に溜まった潤滑油は、油排出孔12c7を通って第一油分離室12cの外部の貯油室12b(図2参照)に流出する。
このとき、上部空間12cbでは、圧縮冷媒は、上部壁12c2に衝突することによって、分離されずに含んだままであった潤滑油の分離が促進され、含有する潤滑油の量をさらに低減して、第二油分離室12dに吐出される。
ここで、上部壁12c2は、第一衝突壁部を構成している。
ここで、対向壁部12d1は、第二衝突壁部を構成している。
さらに、整流板10aは、流入口12a2から流入した直後の冷媒と、第一油分離室12cの底部壁12c3に衝突した後、上部壁12c2に向かって旋回流の中央を流れる冷媒とを遮断し、互いによって流れが乱されることを防ぐことができる。
この発明の実施の形態2に係る圧縮機201は、実施の形態1における圧縮機101の第一油分離室12cにおいて、流入口12a2の下方に側部周状壁12c1から側部周状壁12c1の内周面12c1aの周方向に沿って延びる下部整流板部212c8を設けたものである。
なお、以下の実施の形態において、前出した図における参照符号と同一の符号は、同一または同様な構成要素であるので、その詳細な説明は省略する。
また、この発明の実施の形態2に係る圧縮機201のその他の構成及び動作は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
また、圧縮機201において、第一油分離室12cは、流入口12a2の下方で側部周状壁12c1から側部周状壁12c1の内周面12c1aに沿って延びる下部整流板部212c8を有している。これによって、流入口12a2から第一油分離室12c内に吐出された冷媒は、下部整流板部212c8によって下方への流れも遮られるため、内周面12c1a及び22c1aに沿う旋回流をより効果的に発生することが可能になる。
この発明の実施の形態3に係る圧縮機301は、実施の形態2における圧縮機201の第一油分離室12cにおける側部周状壁の形状を変更したものである。
また、この発明の実施の形態3に係る圧縮機301のその他の構成及び動作は、実施の形態2と同様であるため、説明を省略する。
また、圧縮機301の第一油分離室312cにおいて、第一油分離室312cの側部周状壁312c1の下部に下方に向かって先細になるテーパー部312c12を設けることによって、冷媒の旋回流の流速を高く維持することができるため、冷媒に含まれる潤滑油をより効率的に分離することが可能になる。
また、圧縮機301の第一油分離室312cにおいて、第一油分離室312cの下部空間312caの下方に下部空間312caに連通するバッファ室312ccを設けることによって、冷媒から分離された潤滑油が、冷媒の流れによってその油面がかき乱されて舞い上がり、再び冷媒に溶け込むことを防ぐことが可能になる。
また、実施の形態1及び2の圧縮機101及び201において、第一油分離室12cの油排出孔12c7は、側部周状壁12c1に形成されていたが、これに限定されるものでなく、図9に示すように、底部壁12c3に形成されてもよい。これによって、冷媒から分離された潤滑油が、第一油分離室12c内に滞留することを防ぐことができる。
また、実施の形態1〜3の圧縮機101〜301において、第一油分離室12c,312cには、流入口12a2の上部に隣接して環状の帯状をした突起部12c6,22c6,312c6が形成されていたが、図10に示すように、突起部がなくてもよい。整流板10aに対する流入孔12a1の向き、整流板10aの延びる方向及び長さ等を調節することによって、流入口12a2から流入した冷媒に、第一油分離室12c,312cの内部で十分な潤滑油分離効果を有する旋回流を発生させることは可能である。
また、実施の形態1〜3の圧縮機101〜301において、整流板10a,310aは、第一油分離室12c,312cの中心軸cにおける中心角αを90°付近とする範囲の
側部周状壁12c1,312c1の内周面を覆うように形成されていたが、これに限定されるものでない。整流板10a,310aと流入孔12a1との位置関係及び構成によっては、中心角αは90°より大きくても小さくてもよい。
また、実施の形態1〜3の圧縮機101〜301において、流入孔12a1は、第一油分離室12c,312cの内周面の接線方向に向けて形成されていたが、いずれの方向であってもよい。また、流入口12a2は、整流板10a,310aが第一油分離室12c,312cの内周面から突出する位置に近い位置に形成されていたが、これに限定されるものでなく、離れていてもよい。このとき、整流板10a,310aの長さを調節して、流入口12a2から流入する冷媒を案内できるようにすればよい。
また、圧縮機101〜301は、スクロール型の圧縮機に限定されるものでなく、圧縮後の冷媒に潤滑油が含まれる構造のいかなる圧縮機にも適用することができる。
Claims (8)
- 潤滑油を含む流体を圧縮する圧縮機であって、
前記圧縮機の吐出側に、前記流体に旋回流を発生させて前記潤滑油を分離するための分離室を備え、
前記分離室は、
前記分離室を形成する筒状の周壁と、
前記分離室の前記周壁に形成され、前記流体を前記分離室内に流入させる流入口と、
前記分離室の前記周壁から延在する整流板とを有し、
前記整流板は、前記流入口から前記分離室内に前記流体が流入する方向で、前記流入口に対向し、且つ、前記流入口からの前記流体の流れを偏向させて前記周壁の内周面に沿って案内するように延在する圧縮機。 - 前記整流板は、前記周壁の前記内周面に対向するようにして前記内周面の周方向に沿って延在する請求項1に記載の圧縮機。
- 前記分離室は、
前記流入口より上方に設けられ、前記分離室内から前記流体を流出させる流出口と、
前記流入口及び前記流出口の間に、前記周壁から突出して前記分離室の断面積を減少させる絞り部とを有する請求項1または2に記載の圧縮機。 - 前記分離室の前記周壁は、複数の周壁形成部材から形成され、
前記分離室は、前記周壁形成部材同士の間にガスケットを有し、
前記整流板は、前記ガスケットに取り付けられる請求項1〜3のいずれか一項に記載の圧縮機。 - 複数のハウジング形成部材から形成され、筐体を構成するハウジングをさらに備え、
前記分離室の複数の前記周壁形成部材は、異なる前記ハウジング形成部材に対応させて設けられ且つ対応する前記ハウジング形成部材と一体に形成される請求項4に記載の圧縮機。 - 前記流出口を介して前記分離室と連通する第二分離室をさらに備え、
前記第二分離室は、前記流出口に対向する位置に前記流出口から流出した前記流体を衝突させるための第二衝突壁部を有する請求項3、並びに請求項3を引用する請求項4及び5のいずれか一項に記載の圧縮機。 - 前記分離室は、前記絞り部より下方の下部空間と前記絞り部より上方の上部空間とを有し、前記下部空間から前記上部空間に流れる前記流体を衝突させて前記流体の流通方向を変えるための第一衝突壁部を、前記上部空間にさらに有する請求項3、及び請求項3を引用する請求項4〜6のいずれか一項に記載の圧縮機。
- 前記分離室は、前記流入口の下方で前記周壁から前記周壁の前記内周面に沿って延びる下部整流部を有する請求項2〜7のいずれか一項に記載の圧縮機。
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