JP2012172281A - 二方向性強化繊維織物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】強化繊維織物を小さく裁断して貼り合わせながら曲面を有する複合材料用プリフォーム等を作製するにあたっても、織糸が解れることなく容易に所定のプリフォームを形成できる二方向性強化繊維織物の製造方法を提供する。
【解決手段】二方向性の強化繊維織物は強化繊維偏平糸からなる経糸(1) と長手方向に沿って低融点繊維(3) を添設したマルチフィラメント強化繊維偏平糸からなる緯糸(2) とを製織して得られる。織機上における前記経糸(1) は実質的に無撚りであり、前記緯糸(2) は解舒撚りを有している。前記経糸と前記緯糸とを製織したのち、前記低融点繊維(3) を加熱溶融して経糸(1) と緯糸(2) との交差部において経糸(1) 及び緯糸(2) を溶融した低融点繊維(3) を介して接着させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、繊維強化複合材料の補強基材として用いられる経糸及び緯糸がマルチフィラメント強化繊維偏平糸からなる二方向性強化繊維織物の製造方法に関し、具体的には織糸の目ズレや、裁断時の解れを抑えることができ、織目の開口が均等な形態を保持でき、表面平滑性に優れた繊維強化プラスチック製品を得ることのできる、特に目止め処理を施された二方向性の強化繊維織物の製造方法に関する。
従来より、炭素繊維などの強化繊維は、比強度、比弾性率に優れ軽量化もしやすいことから、繊維強化プラスチックの補強用基材としてスポーツ・レジャー用品をはじめ、航空機用途や一般産業用途、更には橋やトンネル、建物などのコンクリート構造対の補強材、補修材などに広く採用されている。かかる繊維強化プラスチックの成形方法としては、ハンドレイアップ成形をはじめとしてオートクレーブ成形、RTM成形など多様な方法があり、成形品の形状、個数、要求される特性などにより適宜選ばれている。これら成形法では、強化繊維は中間基材として織物の形態としたものが多く使われ、マトリックス樹脂が繊維間に均等に行き渡る必要のあることから、繊維間及び織糸間に所要の間隙が要求される。そのため、成形に到るまでに織物の組織自体が変形したり、経糸や緯糸がずれる目ズレや、織物を裁断した際に織糸が解れやすいという問題があった。
かかる問題に対処すべく、例えば特開平10−317247号公報(特許文献1)や特開2006−2295号公報(特許文献2)により、経糸と緯糸とを交錯させた二方向性強化繊維織物にあって、経糸と緯糸との交錯部を溶融樹脂をもって部分的に接着して目止めを行うことが提案されている。
具体的には、特許文献1では低融点の熱可塑性ポリマーからなる糸を目止め材として使い、その具体例によれば経糸と緯糸が交互に交錯する平織組織の織物において、全ての緯糸上に前記目止め材が線状に配列され、経糸の1本おきに同じく線状の目止め材を配列し、これを加熱溶融させて目止めを行っている。この目止め織物では経糸と緯糸との目止めされた交錯点を織物全体の交錯点数の60〜90%に規定し、複雑な曲面へのフィット性を確保している。
ところで、炭素繊維は繊度が大きくなるほど生産性が向上し、安価な炭素繊維を製造することが可能となる。しかし、通常の炭素繊維織物は、ほぼ円形断面に収束させた炭素繊維を織糸としており、織り込まれた状態においては、経糸と緯糸が交錯する交錯部における炭素繊維糸の断面が楕円で、織糸が大きくクリンプしている。特に太い炭素繊維糸を使用した炭素繊維織物では、太い経糸と太い緯糸が交錯するのでこの傾向が大である。このため、大きくクリンプした炭素繊維織物では、繊維密度が不均一となり、炭素繊維の特徴である高強度特性を十分に発揮させることが出来ない。このように織糸が大きくクリンプすることを避けるため、太い炭素繊維で低い目付の織物にすると、炭素繊維糸間に形成される空隙が大きくなる。
こうした課題を解決すべく、上記特許文献2では、特許文献1と同様の二方向性強化繊維織物であって、経糸及び緯糸の少なくとも一方を開繊して偏平化させ、その少なくとも緯糸上に目止め材としての熱融着繊維を配して、これを経糸及び緯糸の交差部で熱溶着させ、目止めとともにクリンプを小さくし、同時に繊維密度を均一化して、炭素繊維の特徴である高強度特性を十分に発揮させる。この目止め織物にあっては、熱融着繊維の繊度を110dtex以上とし、開繊されて偏平化した経糸及び緯糸の少なくとも一方の接着強
力が2N以上であり、織目の開口率を10%以下に規定して、たとえ繊維密度を均一化し、経糸及び緯糸に太い繊度の糸が使われたとしても、完成されるプラスチック製品は所期の高強度特性が保持される。
特開平10−317247号公報 特開2006−2295号公報
しかして、この種の二方向性の偏平糸織物は、通常、上記特許文献1にも記載されているとおり、織り上がった織物の経糸及び緯糸は共に撚りの無い偏平なマルチフィラメント糸のからなる糸条形態をもっている。上記特許文献2には、この点につき明示されてはいないが、緯糸を開繊拡幅しやくするため無撚りの緯糸を使うことが適切であるとの意図をもっていることは明らかである。
しかしながら、特許文献1及び2に記載されているように、無撚りのマルチフィラメントからなる偏平な緯糸に沿って目止め材である熱融着繊維を直線的に添設させて織成すると、緯糸の構成糸であるフィラメント間に熱融着繊維が埋もれる部分が生じやすく、以降の熱融着繊維を熱溶融させながら経糸と緯糸との交差部分を熱融着して目止めするとき、前記熱融着繊維がフィラメント間に埋もれた部分では、経糸と緯糸との交差部分において経糸と緯糸とが熱融着繊維によって融着がなされず、目止めがなされ部分が発生しかねない。
本発明は、こうした課題を解消すべくなされたものであり、その具体的な目的は、特に扁平な強化繊維糸を用いた二方向性の強化繊維織物において、例えば前記織物を小さく裁断して貼り合わせながら曲面を有する複合材料用プリフォーム等を作製する際にも、織糸が解れることなく容易に所定のプリフォームを形成できる二方向性強化繊維織物の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の基本的構成は、マルチフィラメント強化繊維偏平糸からなる経糸と、偏平な面上を糸方向に沿って低融点繊維が添設されたマルチフィラメント強化繊維偏平糸からなる緯糸とを製織して得られる二方向性強化繊維織物の製造方法であって、前記低融点繊維が前記経糸及び緯糸を構成するマルチフィラメント繊維より低い融点を有してなり、織機上における前記経糸は実質的に無撚りであり、前記緯糸は解舒撚りを有してなり、前記低融点繊維は解舒撚りを有する前記緯糸上に糸方向に沿って直線的に配され、前記経糸と前記緯糸とを製織したのち、前記低融点繊維を加熱溶融して経糸と緯糸との交差部において経糸及び緯糸に融着させてなる二方向性強化繊維織物の製造方法にある。
好適な態様によれば、前記緯糸がマルチフィラメント強化繊維からなる実質的に無撚りであり、当該緯糸が巻かれたボビンをクリールに掛けること、前記ボビンから前記緯糸をボビンの軸線方向に引き出すこと、或いは前記緯糸がマルチフィラメント強化繊維からなる解舒撚りを有し、当該緯糸が巻かれたボビンをクリールに掛けること、前記ボビンから前記緯糸をボビンの軸線方向と直交する方向に引き出すことを含み、更に前記引き出された緯糸を織機上で緯挿入するとき前記低融点繊維を緯糸に沿って連続して添設させること、製織された繊維強化織物を加熱して低融点繊維を溶融させることを含んでいる。
更に好ましい態様によれば、前記経糸のトウ幅が2.0〜5.0mmであり、前記緯糸のトウ幅が2.0〜5.0mmであって、前記低融点繊維の総繊度が55〜330dtexである。また、前記経糸及び緯糸に6000〜15000本の炭素繊維からなるマルチフィラメント偏平糸が使われ、織物の目付を200〜400g/m2 とすることが望ましい。更に、好ましくは経糸及び緯糸のいずれか一方の接着強力が150g以上であるとよい。
本発明の代表的な実施形態である二方向性強化繊維織物の部分平面図である。 解舒撚りを有する緯糸に沿って目止め材としての低融点繊維を添設するときの一例を示す緯糸挿入部近傍の斜視図である。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は本発明で得られる二方向性の強化繊維織物の一部平面図であり、緯糸2の長手方向に沿って直線状に低融点繊維3が添設され、経糸1と緯糸2とが1本ごとに交互に交差した平織構造を備え、経糸1と緯糸2との交差部分が溶融した低融点繊維3で接合されている。また、本発明で得られる強化繊維織物は、上記特許文献2に開示された強化繊維織物の製造方法と同様に、製織工程において緯糸2に低融点繊維3が添設されて織成され連続して熱ロールにより加熱処理される。
本発明で得られる強化繊維織物は、経糸1と緯糸2の交点の50%以上が目止めされた状態であれば現場施工する際の取り扱いには何ら問題の生じない接着性が確保される。接着性は強化繊維織物の目付け及び低融点繊維3の糸種、繊度、加熱バーの条件などにより大きく左右される。本発明で得られる強化繊維織物の接着強力は経糸1及び緯糸2の少なくとも一方の接着強力が150g以上であることが必要である。
この接着強力の測定方法は、次のようにして行う。まず、経糸1又は緯糸2に対して平行に、強化繊維織物を150mm幅に切断し、平面上(机上でよい)に、切断した強化繊維織物をテープで固定する。次に、その強化繊維織物の経糸1または緯糸2の中央部にバネ秤りのフックを引っ掛け、該強化繊維織物を平面と平行かつ引っ掛けた経糸1又は緯糸2に垂直な方向に引っ張っていき、経糸と緯糸との融着がはがれる直前にバネ秤りが示した、秤りの目盛りの最大値を測定する。そして、これを経糸1及び緯糸2それぞれについて20回繰り返して測定し、それらのそれぞれの平均値をこの強化繊維織物の経糸1又は緯糸2の接着強力とする。
低融点繊維3の挿入方法は、本実施形態のような平織組織であって経糸1と緯糸1の交点の50%であれば、経糸1或いは緯糸2のいずれか一方に添設すればよいが、経糸1に添設する場合、実際の製織を考慮した場合、経糸1と同数の融着繊維をクリールなどに準備し、且つ経糸1に沿って引き揃えて配置するには、各経糸1の上に該繊維を配列させながら製織させなければならない。更には、多数の強化繊維と多数の低融点繊維3とを同時に張力コントロールしながら製織する必要もあり、非常に煩雑な工程管理が必要となる。逆に本発明方法のように緯糸2上に該低融点繊維3を挿入する方法を採れば、1本の低融点繊維3の張力コントロールだけを行えば足り、比較的容易に緯糸2に沿って直線状に該低融点繊維3を挿入させることができる。
ここで、本発明におけるマルチフィラメントからなる緯糸2に低融点繊維3を添設するにあたって最も重要な点は、緯糸2に添設された低融点繊維3の挙動や、その挙動による
緯糸2の形状変化に対する影響に注目する点にある。低融点繊維3を添設する緯糸2には、上述のように、一般的には実質的に撚りを有さないマルチフィラメント糸が使われている。このとき、緯糸2が偏平化されているか否かとは無関係に、仮に無撚りであった場合には、織機上への緯糸2の供給時又は経糸1の開口への挿入時(製織時)に緯糸2を構成するマルチフィラメントのフィラメント間へと低融点繊維3が沈み込み、複数のフィラメント間に埋もれる部分が生じやすい。その結果、製織後の織物を加熱して低融点繊維3を溶融させて、経糸1と緯糸2との交差部分を接着させたとしても、前述のようなフィラメント間に埋もれた低融点繊維は糸表面に表出せず、緯糸2の内部でフィラメント同士を融着させるだけで、肝心の経糸1との間での融着が実現されない部分が発生し、以降のプリプレグ作成時及び繊維強化成形品の成形時に既述したような不具合が発生しやすくなるばかりでなく、最終製品の物性にも大きな影響を与えかねない。
これに対処するには、従来のように、緯糸2の長手方向に低融点繊維3を単純に引き揃えて挿入することを避けなければならない。そこで多様な検討を重ねた結果、前記低融点繊維3を緯糸2に添設するにあたり、緯糸2に予め解舒撚りを積極的に施しておくことが、作業性及び経済性の両面からも上記課題を払拭するために最も効果的であることを知った。この解舒撚りを施すには以下の二つの方法が採用できる。
その一つ目は、緯糸2を多数のフィラメントが平行に引き揃えられた無撚りの状態でボビンに巻き上げ、そのボビンをクリールに掛けたのち、緯糸2をボビンの軸線方向に向けて引き出しながら織機上で緯挿入する。こうしてボビンから緯糸2を縦取りすると緯糸2にはボビンを一周するごとに1回の解舒撚りが施される。また、この製織時に、低融点繊維3が巻かれたボビンを別途用意した低融点繊維用クリールに掛けておき、前記低融点繊維3をボビンから引き出し、図2に示すように、適宜ガイドを使って低融点繊維3を前記緯糸2の長手方向に沿って低融点繊維3を引き揃えながら添設する。
緯糸2に予め解舒撚りを施す二つ目の方法は、上記ボビンに巻き取るとき予め解舒撚りに相当する撚りを与えておき、解舒撚りが施されたボビンを緯糸用クリールに掛け、低融点繊維3を前記ボビンからその軸線に直交する方向に引き出して、そのまま織機上の経糸1により作られる開口へと挿入する。従って、この緯挿入時も、緯糸2には解舒撚りに相当する撚りが残った状態を維持する。ここで、上記一つ目の方法と同様に、低融点繊維用クリールに掛けられたボビンから低融点繊維3を引き出し、適宜ガイドを使って低融点繊維3を前記緯糸2の長手方向に沿って添設しながら、緯糸2と一緒に経糸により作られる開口へと緯挿入する。
ここで、上記低融点繊維3はポリアミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリウレタン繊維といった熱可塑性繊維など特に限定するものではないが、接着性を有する低融点繊維であれば如何なる繊維を用いてもよい。基本的には使用する低融点繊維3の太さにより接着性が異なり、太い繊度の繊維を用いる程、接着性は明らかに大きくなり、強化繊維織物全体にコシがでて、取り扱い性、作業性が向上する。しかし、必要以上に太い繊度の該低融点繊維3を用いると強化繊維織物が剛直になりすぎ、樹脂含浸が阻害される恐れが生じ、強度にも悪い影響を及ぼすことが考えられる。これらを考慮したとき、低融点繊維3の繊度は、特に限定されないが、総繊度が55〜330dtexであることが好ましく、用途、接着性を考慮し適宜決定するとよい。
また、低融点繊維3を目止め材として使用することから、該低融点繊維3の融着処理を施す方法として、一般的にロール式やベルトニップ式などを挙げることができるが、如何なる方法を用いても差し支えない。融着処理後の接着度合は処理速度、熱ロール温度、接触角度やロール数などにより異なり適宜適正条件を選定できる。また、融着処理の工程は織物を製織しながら連続して処理を施すインライン式、或いはオフライン式による処理で
も何ら問題はない。特に融着温度は使用する該低融点繊維3の融点により異なり、融点以上の温度で処理することが必要である。また、処理速度は製織と連動させるインラインでは製織速度が優先されるため、接着性は熱ロールの表面温度、ロール数や該ロールの接触長などでコントロールする。逆にオフライン式では処理速度は接着性を重視して調整することが可能となる。
次に、経糸1及び緯糸2のトウ幅、低融点繊維3の繊度、目止め温度、製織条件を変更した試験例に基づき本発明を更に具体的に説明する。
以下に示す試験例1〜5では経糸1及び緯糸2に、炭素繊維(三菱レイヨン株式会社製パイロフィルTR50S、フィラメント数12000本・ 繊度8000dtex)をそれぞれ用いて、300g/m2 の目付で製織すると共に、緯糸2に沿って低融点繊維3を添設した後に加熱処理して経糸1と緯糸2とをその交差部で融着して強化繊維織物を得、その接着強力を測定した。その結果を表1に示す。
〔試験例1〕
試験例1では低融点繊維として、融点が約110℃、繊度が56dtexである東レ株式会社製ナイロン繊維を用い、これを解舒撚りを有する緯糸の糸方向に沿わせて添設し、上記経糸及び緯糸を用いて平織物を織成した。続いて130℃に熱した加熱ロールに接触させることにより熱処理を施し、この強化繊維織物の接着強力を測定したところ、189gの接着強力を有していた。
〔試験例2〕
試験例2では低融点繊維として、融点が約110℃、繊度が78dtexである東レ株式会社製ナイロン繊維を用いた以外は試験例1と同じ方法で強化繊維織物を得た。得られた強化繊維織物の接着強力を測定したところ、225gの接着強力を有していた。
〔試験例3〕
試験例3では低融点繊維として、融点が約110℃、繊度が110dtexである東レ株式会社製ナイロン繊維を用いた以外は試験例1と同じ方法で強化繊維織物を得た。得られた強化繊維織物の接着強力を測定したところ、267gの接着強力の高い数値を有していた。
〔試験例4〕
試験例4では低融点繊維として、融点が約110℃、繊度が330dtexである東レ株式会社製ナイロン繊維を用いた以外は試験例1と同じ方法で強化繊維織物を得た。得られた強化繊維織物の接着強力を測定したところ、522gの接着強力で試験例1〜3より高い数値を有していたが、実用的には問題ないが、試験例1〜3に比べ強化繊維織物の剛直性が増し、柔軟性にやや欠けるものであった。
〔試験例5〕
試験例5では低融点繊維として、融点が約110℃、繊度が33dtexである東レ株式会社製ナイロン繊維を用いた以外は試験例1と同じ方法で強化繊維織物を得た。得られた強化繊維織物の接着強力を測定したところ、125gの接着強力であり、特に土建用途の強化繊維織物としてはほつれやすく取扱い性が悪く実用に供し得なかった。
更に、以下に示す試験例6〜10では経糸及び緯糸に、炭素繊維(三菱レイヨン株式会社製パイロフィルTR50S、フィラメント数6000本・ 繊度4000dtex)をそれぞれ用いて、200g/m2 の目付で製織すると共に、緯糸に沿って低融点繊維を添設した後に加熱処理して経糸と緯糸とをその交差部で融着して強化繊維織物を得、その接着強力を測定した。その結果を表2に示す。
〔試験例6〕
試験例6では低融点繊維として、融点が約110℃、繊度が56dtexである東レ株式会社製ナイロン繊維を用い、これを解舒撚りを有する緯糸の糸方向に沿わせて添設し、上記経糸及び緯糸を用いて平織物を織成した。続いて130℃に熱した加熱ロールに接触させることにより熱処理を施し、この強化繊維織物の接着強力を測定したところ、160gの接着強力を有していた。
〔試験例7〕
試験例7では低融点繊維として、融点が約110℃、繊度が78dtexである東レ株式会社製ナイロン繊維を用いた以外は試験例1と同じ方法で強化繊維織物を得た。得られた強化繊維織物の接着強力を測定したところ、196gの接着強力を有していた。
〔試験例8〕
試験例8では低融点繊維として、融点が約110℃、繊度が110dtexである東レ株式会社製ナイロン繊維を用いた以外は試験例1と同じ方法で強化繊維織物を得た。得られた強化繊維織物の接着強力を測定したところ、210gの接着強力の高い数値を有していた。
〔試験例9〕
試験例9では低融点繊維として、融点が約110℃、繊度が330dtexである東レ株式会社製ナイロン繊維を用いた以外は試験例1と同じ方法で強化繊維織物を得た。得られた強化繊維織物の接着強力を測定したところ、315gの接着強力で試験例1〜3より高い数値を有していたが、実用的には問題ないが、試験例1〜3に比べ強化繊維織物の剛直性が増し、柔軟性にやや欠けるものであった。
〔試験例10〕
試験例10では低融点繊維として、融点が約110℃、繊度が33dtexである東レ株式会社製ナイロン繊維を用いた以外は試験例1と同じ方法で強化繊維織物を得た。得られた強化繊維織物の接着強力を測定したところ、105gの接着強力であり、特に土建用途の強化繊維織物としてはほつれやすく、取扱い性が悪く実用に供し得なかった。
表1、2からも明らかのように低融点繊維として融点が約110℃、繊度が55dtex以上の東レ株式会社製ナイロン繊維を用いて強化繊維織物を織成することで取り扱い性、作業性などに支障をきたさない優れた強化繊維織物が得られる。
Figure 2012172281
Figure 2012172281
次に上記試験例1及び試験例6で得られた強化繊維織物にコニシ株式会社製の土建用エポキシ樹脂(E2500S)を用いて樹脂を含浸させて平板を作製し、JIS A1191A型に準拠した測定法に基づきコンポ物性評価を実施した結果、表3に示すように、二方向性強化織物としての土建用物性値の公称規格(強度≧2900Mpa 、弾性率240±24Gpa)を上回る強度が得られた。
Figure 2012172281
1 経糸
2 緯糸
3 低融点繊維

Claims (7)

  1. マルチフィラメント強化繊維偏平糸からなる経糸と、偏平な面上を長手方向に沿って低融点繊維が添設されたマルチフィラメント強化繊維偏平糸からなる緯糸とを製織して得られる二方向性の強化繊維織物の製造方法であって、
    前記低融点繊維が前記経糸及び緯糸を構成するマルチフィラメント繊維より低い融点を有してなり、
    織機上における前記経糸は実質的に無撚りであり、前記緯糸は解舒撚りを有してなり、
    前記低融点繊維は解舒撚りを有する前記緯糸上に糸方向に沿って直線的に配され、
    前記経糸と前記緯糸とを製織したのち、前記低融点繊維を加熱溶融して経糸と緯糸との交差部において経糸及び緯糸を溶融した低融点繊維を介して接着させてなる、二方向性強化繊維織物の製造方法。
  2. 前記緯糸がマルチフィラメント強化繊維からなる実質的に無撚りであり、当該緯糸が巻かれたボビンをクリールに掛けること、前記ボビンから前記緯糸をボビンの軸線方向に引き出すこと、この引き出された緯糸を織機上で緯挿入するとき前記低融点繊維を緯糸に沿って連続して添設させること、製織された繊維強化織物を加熱して低融点繊維を溶融させることを含んでなる、請求項1記載の二方向性強化繊維織物の製造方法。
  3. 前記緯糸がマルチフィラメント強化繊維からなる解舒撚りを有し、当該緯糸が巻かれたボビンをクリールに掛けること、前記ボビンから前記緯糸をボビンの軸線方向と直交する方向に引き出すこと、この引き出された緯糸を織機上で緯挿入するとき前記低融点繊維を緯糸に沿って連続して添設させること、製織された繊維強化織物を加熱して低融点繊維を溶融させることを含んでなる、請求項1記載の二方向性強化繊維織物の製造方法。
  4. 二方向性強化繊維織物を加熱して低融点繊維を溶融させることをインライン又はオフラインにて行うことを含んでなる、請求項1記載の二方向性強化繊維織物の製造方法。
  5. 前記経糸のトウ幅が2.0〜5.0mmであり、前記緯糸のトウ幅が2.0〜5.0mmであって、前記低融点繊維の総繊度が56〜330dtexである、請求項1〜4のいずれかに記載の二方向性強化繊維織物の製造方法。
  6. 前記経糸及び緯糸に6000〜15000本の炭素繊維からなるマルチフィラメント偏平糸が使われ、目付が200〜400g/m2である、請求項5に記載の二方向性強化繊維織物の製造方法。
  7. 前記経糸及び緯糸のいずれか一方の接着強力が150g以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の二方向性強化繊維織物の製造方法。
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