JP2012171296A - パターンシートの製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い転写率を実現し、また、シートの両面に形成されたパターンの位置決めを高精度に行うことの可能なパターンシートの製造方法及び製造装置を提供する。
【解決手段】両面に所定形状のパターンが形成されたパターンシートを製造する方法は、押出成形機のTダイ13から押出シートを吐出する工程と、Tダイ13から吐出された押出シートを一対のロール15で挟圧するとともに、この押出シートの両面にパターンを形成し、パターンシート16に成形するパターンシート成形工程と、成形されたパターンシート16を搬送し断裁する工程とを備え、ロールの表面にはパターンシート16に形成されるパターンに対応するパターンが形成され、片面にパターンが形成された一対のラミネートシート14を押出シートの両面に挿入して一対のロール15により挟圧することで、このラミネートシート14を押出シートの両面にラミネートし、パターンシート16を製造する。
【選択図】図2

Description

本発明は、液晶テレビや照明等に用いるプラスチックシート、およびフィルムの表面に立体模様を付与するためのパターンシートの製造方法及び製造装置に関する。
従来から、液晶テレビの輝度向上を目的として、表面にプリズムパターンが付与されたシート及びフィルム(以後、シート及びフィルムを総称してシートと記載)やモワレ防止のためマイクロレンズパターンが付与されたパターンシートが液晶テレビのバックライト部材として用いられてきた(特許文献1、2参照)。
一方、今後普及が進むと考えられている、液晶テレビ用の導光板に関しても、現在多用されている印刷法により製造された導光板に代えて、表面にパターンが付与された導光板の使用が検討されている(特許文献3参照)。
これらパターンシート及び導光板を製造する方法としては、従来、紫外線成形法及び押出成形法の2法が提案されている。
紫外線成形法は、ポリエチレンテレフタレートなどからなる基材に紫外線硬化性樹脂を均一に塗布した後、紫外線硬化性樹脂を塗布した基材を任意のパターンが形成されたパターンロールで加圧しながら紫外線を照射することで、このパターンロールに形成されたパターンを基材に転写するものである。現在、プリズム及びマイクロレンズパターンを有するパターンシートは、主としてこの紫外線成形法で製造されている。
さらに、導光板についてもこのパターンシートの製造法を踏襲し、押出成形機の工程の後ろにパターンロールと紫外線成形機を設け、押出成形機から押し出された押出成形板に紫外線硬化性樹脂を均一に塗布した後、この押出成形板をパターンロールで加圧しながら紫外線を照射することで、このパターンロールに形成されたパターンを押出成形板に転写することができる。
あるいは、押出成形、または射出成型で導光板となる板に紫外線硬化性樹脂を均一に塗布し、その後、パターン板を押し付けながら紫外線を照射することでパターン板のパターンを板に転写することができる。
この紫外線成形法で製造した場合、パターンロール又はパターン板に形成されたパターンを高い精度で板に転写することが可能であるが(その転写率は99%〜100%)、その製造コストが高く、年率数10%で低下している液晶テレビのコストトレンドに追従することが容易ではない。
紫外線成形法の製造コストが高くなる理由としては、高価な紫外線硬化性樹脂を使用することが挙げられる。
一方、押出成形法は、ペレット状の樹脂を押出機で混練し、混練した樹脂をTダイから吐出し、このTダイから吐出された押出シートを、互いに平行に配置された押さえロールとプリズムなどのパターンが形成されたパターンロールとの間に供給し、その挟圧力でパターンロールに形成されたパターンを樹脂に転写させる方法である。
押出成形法で製造した場合、押出成形されたシートは既にその状態でパターンシートとなっているため、紫外線成形法のように高価な材料の使用を避けることができ、紫外線成形法と比較して製造コストを低減することが可能となる。
しかし、この押出成形法は低コストで製造することができるが、パターンロールからのパターンの転写に難があり(転写率は良くても90%程度)、プリズムに代表される鋭利なパターンを高い精度で転写することは難しい。
そのため、パターンシートや導光板を必要とする液晶テレビのバックライト部材へ参入を検討しているメーカーは、押出成形法において高い転写率が得られる方法を検討している。
この押出成形法で高い転写率が得られない理由としては、以下の2つが考えられている。
原因1としては、Tダイから高温で吐出された押出シートが、押さえロールとパターンロールとで挟圧されてこの押出シートにパターンが転写される過程で、押出シートの熱がパターンロールに瞬時に吸収されることで、押出シートの流動性が急激に低下する。そのため、高い挟圧力でパターンの転写を試みても、押出シートの流動性が低いために高い転写率が得られない。
よって、原因1を解決する手法として、高い転写率を得るために押出シートの流動性を保持することが考えられる。具体的には、熱伝導率の低い有機材料からなる転写シートの使用が検討されている。この転写シートを使用することで押出シートの熱移動が遅延され、高い転写率が得られる。
特許文献4に開示された手法では、熱伝導率の低いポリエステル類、またはポリオレフィン類からなる転写シートを対となる2つのロールの一方、あるいは両方から投入し、押出シートに転写シートのパターンを転写させている。その結果、パターン表面が金属からなるものに比べ、高い転写率が得られたと報告されている。
特許文献5及び6に開示された手法では、熱伝導率の低いポリイミドや感光性樹脂からなる転写シートをロールに貼り付けることでパターンを転写させている。その結果、パターン表面が金属からなるものに比べ、高い転写率が得られたと報告されている。
また、原因2としては、導光板のようにシートの厚さが一定以上(1mm以上)になると、押出シートの表面の流動性が低下してもその内部は依然高い流動性を保持したままの状態が暫く継続されるため、押さえロールとパターンロールとで挟圧しても押出シートに弾性変形が生じ、このため、押さえロールとパターンロールとによる挟圧力が押出シートに伝わりにくい。よって、高い転写率が得られない可能性が高くなる。
この、原因2を解決する、押出成形法でシートの厚さが一定以上の場合に高い転写率を与える有効な方法はまだ示されていない。
一方、コストダウンの方法として、バックライトユニットを構成する光学シートのシート枚数削減を目的に、シート両面をパターン化したシート及び導光板の開発も行われている。従来は2〜3枚のパターンシートを必要とするところを、シートの両面をパターン化することで光の利用効率を上げ、光学シートを1枚まで削減でき、また、高輝度な導光板を得ることが可能となる。
さらに、シートの両面に形成されたパターンの位置を表裏で合わすことで、さらなる輝度向上が得られ、またモワレを防止することができる。特許文献7に開示された手法では、パターンピッチに対してシート両面に形成されたパターン位置のズレを20%以内に抑える必要があり、ズレが30%になると10%の輝度低下が発生すると報告されている。
特許第3607759号公報 特開2006−301582号公報 特許第4596850号公報 特許第2925069号公報 特開平9−141757号公報 特開平6−286041号公報 特開2009−162843号公報
しかしながら、上述した従来のパターンシートの製造方法には、下記に説明するような問題があった。
まず、上述した原因1を解決する手法として、熱伝導率の低い材料を転写シートに用いることはパターン転写にとっては有利であるが、上述した特許文献4に開示された手法では以下の問題がある。すなわち、シートの両面にパターンを形成する目的で、転写シートを対となる2つのロールの両方から単純に投入し、押出シートに転写シートのパターンを転写させようとしても、シートの両面に形成されるパターン位置を高度に制御することは容易でない。なぜならば、転写シートのテンションが経時で少なからず変化する、またロール上で単発的にスリップすることで横ズレし、パターンピッチを20%以内に安定して制御することは困難であるからである。
また、特許文献5、6に開示された手法の場合、転写シートの繋ぎ目が問題となる。光学部材として必要とされるシートの大きさはそれが使用される製品に依存する。そのため、周期的に転写シートの繋ぎ目に起因する不具合がある貼り付け方法では歩留まりが低い。また、転写シートの繋ぎ目が最終製品であるパターンシートに不具合をもたらす場合は、転写シートが貼り付けられるロール円周長より大きなシートを製造することが難しい。
また、これら特許文献5、6に開示された手法の場合は、転写シートをロールに貼り付ける手段も問題となる。転写シートの初めと終わりを粘着テープで貼り付ける、あるいは転写シート裏面の粘着層を介してロールに貼り付けた場合、生産中にこの転写シートとロールとの間の相対的位置関係がずれてしまう可能性が高く、押出シートの両面に形成されたパターンの位置を高度に制御することは難しい。
さらに、押出成形はいったん製造を始めると1日、あるいは1週間連続など長時間稼動する。そのような場合、耐久性に難のある粘着テープ、あるいは粘着層を用いて転写シートをロールに貼り付けた場合は、連続稼動に耐えることができず、安定的かつ連続的に製品を作り得ることが難しい。
以上説明したように、プリズムに代表される鋭利なパターンを高い転写率で形成し、また、表裏で高度に位置合せがされたパターンシート及びパターン導光板を、比較的低コストな押出成形法で製造することは困難であった。
なお、特許文献7の場合、その製造方法が詳細に記述されていない。
本発明は上述した課題に対応してなされたものであり、その目的は、押出成形法を用いたパターンシートの製造方法及び製造装置において、高い転写率を実現し、また、シートの両面に形成されたパターンの位置決めを高精度に行うことの可能なパターンシートの製造方法及び製造装置を実現することにある。
本発明は、両面に所定形状のパターンが形成されたパターンシートを製造する方法に適用される。
そして、上述の目的は、押出成形機のTダイから押出シートを吐出する工程と、Tダイから吐出された押出シートを一対のロールで挟圧するとともに、この押出シートの両面にパターンを形成し、パターンシートに成形するパターンシート成形工程と、成形されたパターンシートを搬送し断裁する工程とを備え、パターンシートに形成すべきパターンに対応するパターンをロール表面に形成し、片面にパターンシートに形成すべきパターンが形成された一対のラミネートシートを、押出シートの両面に挿入して一対のロールにより挟圧することで、このラミネートシートを前記押出シートの両面にラミネートしてパターンシートを製造することにより達成される。
ここで、ロールの表面に形成されたパターンを、ラミネートシートに形成されたパターンの少なくとも一部に噛み合うパターンとしてもよい。
また、ロールに形成されたパターンの先端を10%〜40%除去してもよい。
また、ロールに形成されたパターンの数を、ラミネートシートに形成されたパターンの数の10分の1以上でとしてもよい。
さらに、パターンシートの厚みを1〜5mmとしてもよい。
また、本発明は、両面に所定形状のパターンが形成されたパターンシートを製造する装置に適用される。
そして、上述の目的は、押出シートを吐出するTダイを備える押出成形機と、Tダイから吐出された押出シートを挟圧するとともに、この押出シートの両面にパターンを形成し、パターンシートに成形する一対のロールと、成形されたパターンシートを搬送し断裁する搬送断裁機構とを備え、ロールの表面にパターンシートのパターンに対応するパターンを形成し、片面にパターンシートに形成すべきパターンが形成された一対のラミネートシートを、押出シートの両面に挿入して一対のロールにより挟圧することで、このラミネートシートを押出シートの両面にラミネートすることにより達成される。
本発明によれば、ロールのパターンとラミネートシートのパターンとが対応したものとされているので、ロールの位置決めにより一対のラミネートシートの位置関係を制御することができる。これにより、製造されたパターンシートのパターンの位置決めを精度良く行うことができ、高い転写率を実現し、また、シートの両面に形成されたパターンの位置決めを高精度に行うことの可能なパターンシートの製造方法及び製造装置を実現することが可能となる。
本発明の一実施形態であるパターンシートの製造装置を示す概略図 本発明の一実施形態の押出成形機により、賦形ラミネートシート及びパターンロールで位置合わせされた両面パターンシートを得る工程を示す概略図 本発明の一実施形態における、先端部を欠いたパターンロールの概略図 本発明の一実施形態における、形成されたパターン数を減じたパターンロールを示す概略図 本発明の一実施形態による、賦形ラミネートシートをニップロールで押さえつけ押出成形する工程を示す概略図 本発明の一実施形態であるパターンシートの製造方法により得られた両面パターンシートの断面の概略図 実施例及び比較例に示す製造方法により得られた両面パターンシートの転写率、位置バラツキ、および輝度比の比較表
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態であるパターンシートの製造装置を示す概略図である。図1において、パターンが形成された賦形ラミネートシート14を備えたパターンシートの製造装置は、原料ホッパー11から供給された熱可塑性樹脂原料を加熱混練する押出機12、シート状溶融樹脂を吐出するTダイ13、Tダイ13から吐出された押出シート22にパターンを付与するための一対の賦形ラミネートシート14、押出シート22を挟圧するとともに賦形ラミネートシート14のパターン位置を制御する一対のパターンロール15、両面にパターンが形成されたパターンシート16を搬送する複数のガイドロール17、そして両面パターンシート16を断裁する断裁機18を備えている。ここに、ガイドロール17及び断裁機18は、パターンシートを搬送し断裁する搬送断裁機構を構成している。
図2は、賦形ラミネートシート14及びパターンロール15を用いて、両面にパターンが形成されたパターンシート16を得る工程を拡大して示した概略図である。賦形ラミネートシート14は、パターンシート16に形成すべきパターンに対応するパターンが一面に形成されたシートであり、後述するように、一対のパターンロール15により押出シート22が挟持された際に、これらパターンロール15に巻き付いた状態でパターンロール15と押出シート22との間に挟圧され、これにより、押出シート22の両面に賦形ラミネートシート14がラミネートされてパターンシート16が製造される。
本実施形態では、賦形ラミネートシート14は巻取りコアに巻き取られた状態で供給される。巻取りコアから引き出された賦形ラミネートシート14は、Tダイ13から吐出された押出シート22が一対のパターンロール15により挟圧される際に、賦形ラミネートシート14がこのパターンロール15に巻き付いた状態で押出シート22とパターンロール15との間に挿入され(賦形ラミネートシート14がパターンロール15に抱かれ)、同様にパターンロール15により挟圧される。
パターンロール15には、賦形ラミネートシート14の一面に形成されたパターンに対応する、より詳細に言えばこのパターンの少なくとも一部と噛み合うパターンが表面に形成されている。パターンロール15に形成されるパターンについては後に詳述する。
本実施形態に用いられる熱可塑性樹脂は、光学シートの製造に適した樹脂が選ばれる。このためには、透明な樹脂であること、および、例えば組み込まれた液晶表示装置の使用時の信頼性を高めるために、耐熱性や耐湿性が実用的に差し支えない程度に備えていることが求められる。このような熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)、メタクリルスチレン(MS)、アクリロニトリルスチレン(AS)、環状ポリオレフィンが好適である。
押出シート22にパターンを付与する賦形ラミネートシート14は押出成形で製造でき、その製造方法は低熱伝導率からなる転写シート、および金属あるいは合金からなるパターンロールを使用した公知方法で製造することできる。
賦形ラミネートシート14の材質は押出シート22と同一であることが好ましい。押出シート22と異種の材質からなる賦形ラミネートシート14を使用した場合、浮きや剥がれなどのラミネート不良が発生する可能性が高く、仮に浮きが発生しないとしても両面パターンシート16が大きく反ってしまう。ここで述べる浮き・剥がれとは、押出シート22と賦形ラミネートシート14の間に空気が残存することによるラミネート不良であり、押出シート22と賦形ラミネートシート14が密着しないことによりシート外観が白濁して見える現象である。また、反りとはシート四隅がシート中央に対し高い位置にある現象である。
賦形ラミネートシート14の厚みは100μm以上〜500μm未満であることが好ましい。賦形ラミネートシート14をパターンロール15に抱かせる際に賦形ラミネートシート14の厚みが100μm未満であると、抱かせるまでの搬送中にヨレ、シワ、折れなどが発生して好ましくない。一方、500μm以上であれば柔軟性に乏しく、パターンロール15へ任意に抱かせることが難しい。また、熱硬化性樹脂の種類によっては、賦形ラミネートシート14の製造段階で巻取りコアに巻き取ることができないことがある。さらに、両面パターンシート16の製造では押出シート22は熱可塑性樹脂の供給を断たなければ連続して製造できるが、賦形ラミネートシート14は巻取りコアに巻き取られている量を使用すると新しいものに交換する必要がある。賦形ラミネートシート14の厚みが500μm以上の場合、巻取りコアに巻き取られている賦形ラミネートシート14の長さが短くなり、巻取りコアの交換作業が頻繁になって歩留まりが低下する。
賦形ラミネートシート14の一面に形成されるパターンはプリズム、レンチキュラーレンズ、マイクロレンズ、ピラミッド、矩形など用途に応じ任意のパターンを付与することができる。一方、賦形ラミネートシート14の他方の面(非パターン面)は表面粗さ(算術平均粗さ:Ra)で1.0μm以下にすることが好ましい。Raが1.0μm以下であれば押出シート22へ適度にラミネートすることができるが、1.0μmより大きい場合は浮き、あるいは異物噛み込みの原因となる。
賦形ラミネートシート14に形成されたパターンの寸法はピッチ10μm以上〜1000μm未満、高さ5μm以上〜500μm未満、頂角45°以上であることが好ましい。ピッチ10μm未満、高さ5μm未満の場合は、賦形ラミネートシート14とパターンロール15とのパターンが噛み合う力が弱く、賦形ラミネートシート14の横ズレを防げない。一方、ピッチ1000μm以上、高さ500μm以上となると噛み合わせ精度が低下し、パターンピッチ20%以内の位置制御が難しくなる。また、頂角が45°未満の場合、搬送中に賦形ラミネートシート14のパターン(特にその頂部)が折れてしまう恐れがある。
賦形ラミネートシート14は、直径6インチ以上の巻取りコアに巻き取ることが好ましい。6インチ未満の巻取りコアの場合、巻芯部の賦形ラミネートシート14に巻き癖がついてしまい、パターンシート16を反らす原因となる。ここで述べる巻き癖とは、賦形ラミネートシート14を巻取りコアから巻き出しても賦形ラミネートシート14が平坦にならず、巻き方向に丸まっている現象である。
パターンロール15の母材は、一般のシート押出成形装置の加圧ロールに使用される鉄、鋼材、アルミニウム、またはアルミニウムを主成分とする合金等であれば良く、特に耐久性に優れる鋼材が好ましい。一方、鋼材へのパターン付与は硬度の関係で難しいため、鋼材の表面に銅、ニッケルなどの金属、あるいはニッケルリンなどの合金をめっきし、ダイヤモンドバイトなどで切削することで高精度なパターンを付与することができる。さらに、賦形ラミネートシート14のパターンが容易にパターンロール15のパターンに噛み合うために、高い摺動性が得られるクロムめっき、あるいはダイヤモンドライクカーボンなどを表面に施すことが好ましい。また、クロムめっき、あるいはダイヤモンドライクカーボンなど施すことでパターンロール15のパターンが傷つき難くなり、長期間使用しても噛み合わせ力が低下することがない。
パターンロール15の表面に形成されたパターンは、賦形ラミネートシート14のパターンの少なくとも一部に噛み合う必要があり、好ましくは賦形ラミネートシート14のパターンと逆のパターンである。しかし、パターンロール15のパターンがプリズムのような鋭利な形状の場合、賦形ラミネートシート14のパターンを傷つけてしまい歩留まりを低下させる。よって、プリズムのような鋭利なパターンの場合、図3に示すように、その先端151を10%以上〜40%未満除去する、言い換えれば欠くことがより好ましい。除去率が10%未満の場合、賦形ラミネートシート14のパターンを傷つけてしまう可能性があり、40%以上の場合は賦形ラミネートシート14とパターンロール15の噛み合わせ力が低下してしまうおそれがある。
パターンロール15の表面に形成されたパターン数は賦形ラミネートシート14のそれの10分の1以上である必要がある。10分の1未満のパターン数の場合、賦形ラミネートシート14とパターンロール15に十分な噛み合わせ力が得られない。また、パターン数を減じたパターンロール15を使用する場合、そのパターン位置はランダムでも良いが、図4に示すように、賦形ラミネートシート14の両端部に設けるとより好ましい。
パターンロール15の直径は100mm以上〜500mm未満であることが好ましい。直径が100mm未満の場合、賦形ラミネートシート14がパターンロール15に接した後、押出シート22にラミネートされるまでに賦形ラミネートシート14のパターンとパターンロール15のパターンとが正確に噛み合うための時間が得られ難い。一方、500mm以上だとパターンロール15の重量が増し、取り扱いが難しくなる。
パターンロール15による成形速度は1m/min以上〜15m/min未満であることが好ましい。1m/min未満の場合、押出機12の吐出、またパターンロール15の回転が安定せず、得られた両面パターンシート16に横段などの外観不良が発生する。ここで述べる横段とは両面パターンシート16の流れ方向に垂直な方向に発生する厚みムラのことである。一方、15m/min以上の場合、賦形ラミネートシート14とパターンロール15のパターンによる噛み合わせ力より横ズレする力の方が強くなり、位置合わせが難しくなる。また、ラミネート時に空気を噛み込みやすくなり浮きなどの外観不良が発生するおそれが高くなる。
両面パターンシート16の表裏パターンの位置制御は、賦形ラミネートシート14とパターンロール15のパターンを噛み合わせることで賦形ラミネートシート14の横ズレを防止し、さらに軸方向の調整が可能なパターンロール15の軸方向を調整することで行うことができる。
また、賦形ラミネートシート14とパターンロール15が噛み合った状態でこの賦形ラミネートシート14が押出シート22にラミネートするまでに横ズレを防止するため、図5に示すように、賦形ラミネートシート14とパターンロール15が接した後の位置にニップロール21を設けることが好ましい。一方、ニップロール21をTダイ13付近に備えた場合はニップロール21とTダイ13の干渉を防止するためにエアーギャップが長くなる。その場合、押出シート22がその長いエアーギャップ間で冷却され、流動性が低下し賦形ラミネートシート14とラミしにくくなる。よって、ニップロール21はパターンロール15頂点からTダイ13から遠くなる方向に1/4周未満に備えることが好ましい。
賦形ラミネートシート14とパターンロール15を用いて製造した両面パターンシート16は高精度な位置合わせがなされている。ここで述べる位置合わせとは、任意に選んだ部分(図6では表裏対向する溝)の位置が目的通りかである。その確認は得られた両面パターンシート16の断面パターンを光学顕微鏡などで観察することでできる。本実施形態の製造装置を使用して製造した両面パターンシート16の位置バラツキ31は、図7に示すようにパターンピッチ20%未満に抑えられていることが確認できた。よって、設計通りの輝度を得ることができ、また輝度ムラ、モワレが発生し難い。
また本実施形態で製造した両面パターンシートの立体模様シート、およびフィルムは液晶テレビ、照明等の光学部材として用いられる。
なお、本発明のパターンシートの製造方法及び製造装置は、その細部が上述の実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。
(実施例1)
耐熱透明性高機能樹脂のポリカーボネート樹脂(帝人化成(株)、型番「L―1250Z」)を140℃、250Torrで24時間除湿乾燥した後、単軸押出機(口径32、L/D=24)にTダイ(有効幅330mm)を取付け、シート状に吐出した。Tダイよりシート厚3mmになるように吐出した。賦形ラミネートシートは厚み200μmのポリカーボネート樹脂(帝人化成(株)、型番「L―1250Z」)からなり、横断面形状が頂角90°、ピッチ100μm、高さ50μmの二等辺三角形を両面に与えた。また、パターンロールは賦形ラミネートシートの逆パターンである横断面形状が頂角90°、ピッチ100μm、高さ50μmの二等辺三角形とし、その先端を高さで10μm除去したものとした。パターンロールとして直径300mm、幅400mm、表面をクロムめっきしたロールを使用した。この対に備えられた2つのパターンロールの両側から賦形ラミネートシートを投入し、賦形ラミネートシートとパターンロールのパターンを噛み合わせながら押出シートに賦形ラミネートシートをラミネートした。両パターンロールの温度は80〜120℃、また線圧15〜20kgf/cmで挟圧し、両面パターンシートを成形した。運転ラインの速度は1.25m/minで運転した。
(比較例1)
パターンロール15にパターンを与えない鏡面ロールを使用した以外は実施例1と同様の条件で両面パターンシートを成形した。
(比較例2)
賦形ラミネートシート14を使用せず先端除去を行っていないパターンロール15のみでパターンを与えた以外は実施例1と同様の条件で両面パターンシートを成形した。
上記両面パターンシートについて、下記項目の評価を行い、その結果を図7に示した。
・パターン転写率
両面パターンシートの中央付近を両面パターンシートの流れ方向に対し1m間隔で連続10点、そのパターン深さを光学顕微鏡で測定した。それを賦形ラミネートシート、あるいはパターンロールのパターン深さで除した数値に100を乗じ、さらにその平均値をパターン転写率とした。
・パターン位置バラツキ
両面パターンシートの中央付近を両面パターンシートの流れ方向に対し1m間隔で連続10点、その両面パターンシートの表裏パターンの溝位置を光学顕微鏡で測定した。それを賦形ラミネートシート、あるいはパターンロールのパターンピッチで除した数値に100を乗じ、さらにその平均値をパターン位置バラツキとした。
・輝度比
両面パターンシートの中央付近を両面パターンシートの流れ方向に対し1m間隔で連続10点、その輝度を測定し、その平均値を求めた。比較例1、2の値を実施例1の輝度で除した数値に100を乗じたものの値を輝度比とした。
11 原料ホッパー
12 押出機
13 Tダイ
14 賦形ラミネートシート
15 パターンロール
151 先端
16 パターンシート
17 ガイドロール
18 断裁機
21 ニップロール
22 押出シート

Claims (6)

  1. 両面に所定形状のパターンが形成されたパターンシートを製造する方法であって、
    押出成形機のTダイから押出シートを吐出する工程と、
    前記Tダイから吐出された押出シートを一対のロールで挟圧するとともに、この押出シートの両面にパターンを形成し、前記パターンシートに成形するパターンシート成形工程と、
    前記成形されたパターンシートを搬送し断裁する工程とを備え、
    前記ロールは、その表面に前記パターンに対応するパターンが形成され、
    前記パターンシート成形工程は、片面に前記パターンが形成された一対のラミネートシートを、前記押出シートの両面に挿入して前記一対のロールにより挟圧することで、このラミネートシートを前記押出シートの両面にラミネートする工程を含む
    ことを特徴とするパターンシートの製造方法。
  2. 請求項1記載のパターンシートの製造方法において、
    前記ロールの表面に形成されたパターンは、前記ラミネートシートに形成されたパターンの少なくとも一部に噛み合うパターンであることを特徴とする、パターンシートの製造方法。
  3. 請求項2記載のパターンシートの製造方法において、
    前記ロールに形成されたパターンは、その先端が10%〜40%除去されていることを特徴とする、パターンシートの製造方法。
  4. 請求項1記載のパターンシートの製造方法において、
    前記ロールに形成されたパターンの数は、前記ラミネートシートに形成されたパターンの数の10分の1以上であることを特徴とする、パターンシートの製造方法。
  5. 請求項1に記載のパターンシートの製造方法において、
    前記パターンシートはその厚みが1〜5mmであることを特徴とするパターンシートの製造方法。
  6. 両面に所定形状のパターンが形成されたパターンシートを製造する装置であって、
    押出シートを吐出するTダイを備える押出成形機と、
    前記Tダイから吐出された前記押出シートを挟圧するとともに、この押出シートの両面にパターンを形成し、前記パターンシートに成形する一対のロールと、
    前記成形されたパターンシートを搬送し断裁する搬送断裁機構とを備え、
    前記ロールは、その表面に前記パターンに対応するパターンが形成され、
    片面に前記パターンが形成された一対のラミネートシートが、前記押出シートの両面に挿入されて前記一対のロールにより挟圧されることで、このラミネートシートが前記押出シートの両面にラミネートされる
    ことを特徴とするパターンシートの製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104139528A (zh) * 2014-07-16 2014-11-12 上海遨提新材料技术咨询有限公司 淋膜复合压纹一体机
CN105856579A (zh) * 2016-05-24 2016-08-17 苏州和记荣达新材料有限公司 一种塑料板材挤出机

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