JP2012171152A - 記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録媒体に対する印字精度を向上することができる記録装置を提供する。
【解決手段】インクがインク滴として吐出される複数の吐出孔29a、複数の吐出孔29aにそれぞれ通じる複数の加圧室31、複数の加圧室31にそれぞれ通じる共通流路27、およびインクを加熱するヒータ53bを有した吐出ヘッド5と、吐出ヘッド5に対して記録媒体101を相対的に移動させる搬送部3と、ヒータ53bを制御する制御部7と、を備えた記録装置1であって、搬送部3は、吐出ヘッド5に対して記録媒体101を第1の速度で相対的に移動させる第1速度モードと、吐出ヘッド5に対して記録媒体101を第1の速度よりも速い第2の速度で相対的に移動させる第2速度モードと、を有しており、制御部7は、搬送部3が第2速度モードで動作している場合に、搬送部3が第1速度モードで動作している場合と比べて、インクの温度が上がるようにヒータ53bを制御する。
【選択図】図5

Description

本発明は、吐出孔からインク滴を吐出することにより記録媒体に対して印字する記録装置に関する。
近年、インクジェット方式を利用した記録装置が、一般消費者向けのプリンタだけでなく、例えば、電子回路の形成、液晶ディスプレイ用のカラーフィルタの製造、有機ELディスプレイの製造といった工業用途にも広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。このような記録装置は、吐出ヘッドと、吐出ヘッドに対して記録媒体を相対的に移動させる搬送部とを備えている。また、この吐出ヘッドは、複数の吐出孔と、複数の吐出孔にそれぞれ通じる複数の加圧室と、複数の加圧室にそれぞれ通じる共通流路とを備えている。共通流路から吐出孔に至る空間にはインクが満たされている。そして、複数の加圧室の容積が変化してインクに圧力が付与されることにより、複数の加圧室から複数の吐出孔にインクが送出され、複数のインク滴が複数の吐出孔から吐出される。このようにして、記録装置は、記録媒体に対して印字することができる。
特開平11−309877号公報
上記の記録装置における吐出ヘッドでは、複数の吐出孔、および複数の加圧室に対して共通流路が共通化されている。したがって、共通流路内の圧力伝搬により、複数の吐出孔、および複数の加圧室内のインクの圧力は、相互に影響する。例えば、ある吐出孔の周囲に位置する吐出孔で、頻繁にインク滴が吐出されている場合、ある吐出孔からインク滴を吐出しようとすると、インクが加圧室側に引き込まれているため、所望の体積および所望の吐出速度でインク滴を吐出することができない可能性があった。そのため、記録媒体に対する印字精度が低下する。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、記録媒体に対する印字精度を向上することができる記録装置に関する。
本発明の記録装置における一態様は、インクがインク滴として吐出される複数の吐出孔、該複数の吐出孔にそれぞれ通じる複数の加圧室、該複数の加圧室にそれぞれ通じる共通流路、および前記インクを加熱するヒータを有した吐出ヘッドと、該吐出ヘッドに対して記録媒体を相対的に移動させる搬送部と、前記ヒータを制御する制御部と、を備えた記録装置であって、前記搬送部は、前記吐出ヘッドに対して前記記録媒体を第1の速度で相対的に移動させる第1速度モードと、前記吐出ヘッドに対して前記記録媒体を前記第1の速度よりも速い第2の速度で相対的に移動させる第2速度モードと、を有しており、前記制御部は、前記搬送部が前記第2速度モードで動作している場合に、前記搬送部が前記第1速度モードで動作している場合と比べて、前記インクの温度が上がるように前記ヒータを制御する。
本発明の記録装置は、記録媒体に対する印字精度を向上することができるという効果を
奏する。
本実施形態に係る記録装置の要部を模式的に示す斜視図である。 上記の記録装置の吐出ヘッドの要部を模式的に示す断面図である。 上記の吐出ヘッドのフロントエンドを破断・拡大して示す模式的な斜視図である。 上記のフロントエンドを模式的に示す平面図である。 上記の記録装置の要部を模式的に示すブロック図である。 上記の記録装置の吐出ヘッドにおける吐出孔からのインク滴の吐出タイミングを説明する図である。
図1は、本実施形態に係る記録装置1の要部を模式的に示す斜視図である。
なお、記録装置1および後述する吐出ヘッド5は、いずれの方向が上方または下方とされてもよいものであるが、以下では、便宜的に、直交座標系xyzを定義するとともに、z方向の正側(図1の紙面上方)を上方として、上面、下面等の用語を用いることがあるものとする。
記録装置1は、例えば、記録媒体(例えば、紙等)101を矢印y1で示す方向へ搬送する搬送部3と、搬送されている記録媒体101に向けてインク滴を吐出する吐出ヘッド5と、搬送部3および吐出ヘッド5の動作を制御する制御部7とを有している。
搬送部3は、例えば、図示しない供給スタックに積層された複数の記録媒体101を一ずつ図示しない排出スタックへ搬送する。搬送部3は、公知の適宜な構成とされてよい。図1では、搬送経路がストレートパスとされ、記録媒体101に当接するローラ9と、ローラ9を回転させるモータ11とが設けられた搬送部3が例示されている。
吐出ヘッド5は、記録媒体101の搬送経路の途中に配置されており、z方向の正側から記録媒体101に対向する。吐出ヘッド5は、記録媒体101の印画面および搬送方向に直交する方向(主走査方向、x方向)にシャトル運動を行うシリアルヘッドであってもよいし、当該直交する方向に固定されたラインヘッドであってもよい。なお、本実施形態においては、吐出ヘッド5がラインヘッドである場合を例に挙げて説明する。
吐出ヘッド5は、x方向の複数位置においてインク滴を記録媒体101に吐出、付着させる。当該動作が、記録媒体101の搬送に伴って繰り返し行われることにより、記録媒体101には2次元画像が形成される。
制御部7は、ROM、RAM等のメモリ、CPUを含んで構成されている。制御部7は、モータ用ドライバ13に制御信号を出力することにより、所望の電圧をモータ11に印加して、搬送部3を制御する。同様に、制御部7は、吐出ヘッド用ドライバ15に制御信号を出力することにより、所望の電圧を吐出ヘッド5に印加して、吐出ヘッド5を制御する。なお、制御部7による搬送部3および吐出ヘッド5の具体的な制御方法については後述する。
図2は、吐出ヘッド5の要部を模式的に示す断面図である。
吐出ヘッド5は、フロントエンド5aと、バックエンド5bとを有している。フロントエンド5aの詳細構成については後述する。バックエンド5bは、基体51bと、図示し
ないインクタンクからインクが導入されるインク導入部材52bと、インクを加熱するヒータ53bとを有している。インク導入部材52bは、インクを貯留する空間を形成する。また、本実施形態におけるヒータ53bは、基体51bの上面511bに設けられている。なお、ヒータ53bが設けられる位置については特に限定されない。インク導入部材52bに導入されたインクは、ヒータ53bにおいて加熱され、フロントエンド5aに供給される。なお、実際には、バックエンド5bには、インクを濾過するフィルタ、制御部7からの制御信号が伝達される信号ケーブルが通る孔等が設けられているが、説明の便宜上、ここでの詳細な説明は省略する。
図3は、フロントエンド5aを破断・拡大して示す模式的な斜視図である。なお、図3の下方が記録媒体101に対向する側である。
フロントエンド5aは、例えば、圧電素子の機械的歪によりインクに圧力を付与するピエゾ式のヘッドである。フロントエンド5aは、インク滴を吐出する複数の吐出ユニット19を有している。複数の吐出ユニット19は、xy平面において配列されており、各吐出ユニット19は1ドットに対応している。
また、別の観点では、フロントエンド5aは、インクを貯留する空間を形成する流路部材21と、流路部材21に貯留されているインクに圧力を付与するためのアクチュエータユニット23(一部流路部材21に兼用)とを有している。複数の吐出ユニット19は、流路部材21およびアクチュエータユニット23により構成されている。
流路部材21の内部には、複数の個別流路25と、複数の個別流路25に通じる共通流路27とが形成されている。個別流路25は、吐出ユニット19毎に設けられている。各個別流路25は、記録媒体101に対向する吐出孔29aを含むディセンダ29と、ディセンダ29に通じる加圧室31と、加圧室31に通じるとともに、共通流路27の内周面に開口する供給孔33とを有している。
複数の個別流路25および共通流路27にはインクが満たされている。複数の加圧室31の容積が変化してインクに圧力が付与されることにより、複数の加圧室31から複数のディセンダ29へインクが送出され、複数の吐出孔29aからは複数のインク滴が吐出される。また、複数の加圧室31へは複数の供給孔33を介して共通流路27からインクが補充される。
複数の個別流路25および共通流路27の断面形状あるいは平面形状は、適宜に設定されてよい。本実施形態では、加圧室31は、z方向において一定の厚さに形成されるとともに、z方向に見てx方向およびy方向を対角線方向とする菱形とされている。その菱形のy方向の一方の角部はディセンダ29と連通され、他方の角部は供給孔33と連通されている。
流路部材21は、例えば、複数の基板が積層されることにより構成されている。具体的には、流路部材21は、複数の個別流路25および共通流路27を構成する貫通孔が形成された第1基板35A〜第8基板35Hと、複数の加圧室31の上面開口を塞ぐ振動板37とを有している。
複数の基板35の厚みおよび積層数は、複数の個別流路25および共通流路27の形状等に応じて適宜に設定されてよい。複数の基板35は、適宜な材料により形成されてよく、例えば、金属、セラミック、あるいはシリコンにより形成されている。
アクチュエータユニット23は、例えば、撓みモードピエゾヘッドを構成する、ユニモ
ルフ型の圧電素子により構成されている。具体的には、例えば、アクチュエータユニット23は、加圧室31側から順に積層された、振動板37、共通電極39、圧電体41、および複数の個別電極43を有している。個別電極43は、吐出ユニット19毎に設けられている。
振動板37、共通電極39、および圧電体41は、例えば、複数の加圧室31を覆うように複数の加圧室31に共通に設けられている。一方、個別電極43は、加圧室31毎に設けられており、その広さは、加圧室31の広さよりも若干小さい。具体的には、個別電極43は、概ね、加圧室31と相似形(本実施形態では概ね菱形)とされており、また、その角部には、端子45が接続されている。なお、振動体37、共通電極39、および圧電体41は、加圧室31毎に設けられていてもよい。
振動板37、共通電極39、圧電体41、および複数の個別電極43は、適宜な材料により形成されてよい。例えば、振動板37は、セラミック、酸化シリコン、あるいは窒化シリコンにより形成されている。共通電極39および複数の個別電極43は、例えば、白金、あるいはパラジウムにより形成されている。圧電体41は、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等のセラミックにより形成されている。
圧電体41は、厚さ方向(z方向)を分極方向とされている。したがって、共通電極39および個別電極43に電圧を印加して、圧電体41に対して分極方向に電界を作用させると、圧電体41は面内で収縮する。この収縮により振動板37は、圧力室31側に凸となるように撓み、その結果、圧力室31の体積は変化する。
複数の吐出ユニット19は、概ね、記録媒体101の搬送方向(y方向)および搬送方向に直交する方向(x方向)に配列されている。より具体的には、複数の吐出ユニット19がx方向に配列された列に関しては、隣接する列間においては、x方向の位置を互いに異ならせて交互に加圧室31が配置されており、x方向に見て加圧室31同士がy方向において一部重複している。y方向の配列についても同様である。
図4は、フロントエンド5aを模式的に示す平面図である。
フロントエンド5aは、複数(図3では4つ)のブロック51を有している。図4では図示しないが、複数の吐出ユニット19は、各ブロック51に多数配置されている。アクチュエータユニット23は、例えば、ブロック51毎に設けられている。流路部材21は、例えば、複数のブロック51に共通に設けられている。ブロック51(アクチュエータユニット23)は、例えば、概ね台形状に形成されており、y方向に見て一部が重複するように互い違いにx方向に配列されている。
図4においては、共通流路27が点線で示されている。共通流路27は、マニホルド状に形成されており、フロントエンド5aの表面に開口し、バックエンド5bからインクが供給される開口部27aと、開口部27aから延びる主流路27bと、主流路27bから分岐する複数の副流路27cとを有している。
図3において示された、共通流路27の、供給孔33が開口する部分は、副流路27cであり、x方向に延びるとともに、y方向に配列されている。なお、共通流路27は、ブロック51毎に設けられている。ただし、本実施形態では、複数の共通流路27は、隣接するブロック51間において互いに一部が共有化され、互いに接続されている。
図5は、記録装置1の要部を模式的に示すブロック図である。
搬送部3は、吐出ヘッド5に対して記録媒体101を第1の速度で相対的に移動させる低速モード(第1速度モード)と、吐出ヘッド5に対して記録媒体101を第1の速度よりも速い第2の速度で相対的に移動させる高速モード(第2速度モード)と、を有している。本実施形態では、低速モードにおける第1の速度は、2m/min〜30m/minである。また、高速モードにおける第2の速度は、75m/min〜300m/minである。搬送部3が低速モードで動作している場合、一般に、記録媒体101に対する印字精度は向上する。一方、搬送部3が高速モードで動作している場合、一般に、記録媒体101に対する印字精度は低下する。このように、印字速度が下がれば印字精度は向上し、印字速度が上がれば印字精度は低下する。
制御部7は、低速モードで動作するようにあるいは高速モードで動作するように搬送部3を制御する。具体的には、制御部7は、搬送部3が低速モードで動作するように、モータ用ドライバ13に制御信号を出力する。モータ用ドライバ13は、制御部7から出力された制御信号に従って、搬送部3を低速モードで動作させる。また、制御部7は、搬送部3が高速モードで動作するように、モータ用ドライバ13に制御信号を出力する。モータ用ドライバ13は、制御部7から出力された制御信号に従って、搬送部3を高速モードで動作させる。なお、制御部7がモータ用ドライバ13に制御信号を出力するタイミングについては、特に限定されない。本実施形態では、使用者が切り替えスイッチを操作した場合に、制御部7は、モータ用ドライバ13に制御信号を出力する。
なお、上記では、制御部7が搬送部3を制御する例について説明したが、これに限定されない。例えば、使用者が切り替えスイッチを操作することにより、制御部7を介することなく、搬送部3が自らモードを切り替えるようにしてもよい。なお、本実施形態のように、制御部7が搬送部3を制御すれば、制御部7の検知結果に応じて搬送部3のモードを切り替えることができるため、好ましい。
制御部7は、搬送部3が低速モードで動作している場合に、搬送部3が高速モードで動作している場合と比べて、インクの温度が下がるようにヒータ53bを制御する。本実施形態では、ヒータ53bの発熱量を小さくすることにより、インクの温度が45℃から40℃に下がるようにヒータ53bを制御する。インクの温度が下がると、インクの粘度は大きくなる。なお、インクの粘度は、インクのねばりの度合いを示す。インクの粘度が大きくなると、加圧室31が過度に負圧となっても、吐出孔29a内のインクが加圧室31側に引き込まれる可能性を低減できる。このため、吐出孔29aからインク滴を吐出する場合、所望の体積および所望の吐出速度でインク滴を吐出することができる。
また、制御部7は、搬送部3が高速モードで動作している場合に、搬送部3が低速モードで動作している場合と比べて、インクの温度が上がるようにヒータ53bを制御する。本実施形態では、ヒータ53bの発熱量を大きくすることにより、インクの温度が40℃から45℃に上がるようにヒータ53bを制御する。インクの温度が上がると、インクの粘度は小さくなる。インクの粘度が小さくなると、共通流路27に貯留するインクは加圧室31側に流れ易くなる。このため、共通流路27に貯留するインクの量が不足する可能性を低減できる。高速モードでは、低速モードと比べて、後述する1周期(1サイクル)T1が短く(図6参照)、短期間のうちに、吐出孔29aから複数のインク滴を吐出する必要があるからである。また、高速モードでは、低速モードと比べて、短期間のうちに、吐出孔29aから複数のインク滴を吐出するので、吐出孔29a内のインクが加圧室31側に引き込まれる可能性は少ない。このように、高速モードでは、低速モードと比べて、インクの温度が上がるようにヒータ53bを制御することにより、インクの粘度を小さくして、共通流路27に貯留するインクを加圧室31側に流れ易くしている。
図6は、制御部7により制御される、複数の吐出ユニット19における吐出孔29aか
らのインク滴の吐出タイミングを説明する図である。具体的には、図6は、吐出ユニット19(共通電極39および個別電極43)へ出力される吐出信号の波形パターン(時系列変化)を示している。図6の上段は、搬送部3が高速モードで動作している場合の吐出信号の波形パターンであり、図6の下段は、搬送部3が低速モードで動作している場合の吐出信号の波形パターンである。図6において、横軸は時刻tを示し、縦軸は電位Eを示している。
まず、図6の上段を参照して、搬送部3が高速モードで動作している場合の吐出信号の波形パターンについて説明する。吐出ヘッド5の駆動方式は、Push-Pull方式、Pull-Push方式、Pull-Push-Pull方式等の公知の駆動方式から適宜に選択されてよい。以下では、Pull-Push方式を例にとって説明する。
Pull-Push方式では、駆動に先立って、共通電極39および吐出孔29aに対応する個
別電極43に電圧が印加されている(時刻t0)。したがって、振動板37は撓み、加圧室31の容積は縮小されている。そして、パルスの立ち下り(時刻t1)に対応して、加圧室31の容積は拡大し、インクが加圧室31に引き込まれ、パルスの立ち上がり(時刻t2)に対応して、加圧室31の容積は縮小し、インクが加圧室31から送出される。これにより、インク滴が吐出孔29aから吐出される。
このように、幅T0の吐出パルス1つにより1つのインク滴が吐出される。幅T0を変えることにより、インク滴の体積および吐出速度を変えることができる。
搬送部3が高速モードで動作している場合、搬送部3により記録媒体101を解像度に応じた距離で移動させるのに要する期間は、T1となる。すなわち、搬送部3が高速モードで動作している場合の1周期はT1となる。
なお、図6の上段では、期間T1内に、幅T0の1つの吐出パルスを印加している例について図示したが、これに限定されない。すなわち、期間T1内に、複数の吐出パルスを印加してもよい。
次に、図6の下段を参照して、搬送部3が低速モードで動作している場合の吐出信号の波形パターンについて説明する。
図6の上段と同様、駆動に先立って、共通電極39および吐出孔29aに対応する個別電極43に電圧が印加されている(時刻t0)。したがって、振動板37は撓み、加圧室31の容積は縮小されている。そして、パルスの立ち下り(時刻t1)に対応して、加圧室31の容積は拡大し、インクが加圧室31に引き込まれ、パルスの立ち上がり(時刻t2)に対応して、加圧室31の容積は縮小し、インクが加圧室31から送出される。これにより、インク滴が吐出孔29aから吐出される。
このように、幅T0の吐出パルス1つにより1つのインク滴が吐出される。幅T0を変えることにより、インク滴の体積および吐出速度を変えることができる。
搬送部3が低速モードで動作している場合、搬送部3により記録媒体101を解像度に応じた距離で移動させるのに要する期間は、T2となる。すなわち、搬送部3が低速モードで動作している場合の1周期はT2となる。なお、期間T2は、期間T1よりも長い。
なお、図6の下段では、期間T2内に、幅T0の1つの吐出パルスを印加している例について図示したが、これに限定されない。すなわち、期間T2内に、複数の吐出パルスを印加してもよい。
なお、加圧室31への圧力付与の方法は、適宜な方法とされてよい。すなわち、吐出ヘッド5は、ピエゾ式ヘッドに限定されず、例えば、インクを加熱して気泡を発生させることによりインクに圧力を付与するサーマル式ヘッドであってもよい。また、ピエゾ式の吐出ヘッド5は、撓みモードヘッドに限定されず、例えば、振動板37の振動方向に圧電体を収縮させる縦モードヘッドであってもよいし、圧電体の剪断変形を利用するシアモードヘッドであってもよい。撓みモードヘッドは、ユニモルフ型ヘッドに限定されず、互いに対向する2つの圧電体を有するバイモルフ型ヘッドであってもよい。
また、吐出孔29a、ディセンダ29、加圧室31、および供給孔33を含む個別流路25の形状、および、共通流路27の形状は、実施形態において例示したものに限定されない。例えば、吐出孔29a、ディセンダ29、加圧室31、および供給孔33は、その一部または全部が一体化されてよく、必ずしもその境界位置が明確でなくてもよい。例えば、サーマルヘッドにおいて、ディセンダと加圧室とは一体化されてよい。また、例えば、共通流路(副流路27c)は、平面視において必ずしも加圧室31に重なっている必要はなく、加圧室31の側方等に位置してもよい。また、例えば、供給孔33が開口する共通流路(副流路27c)は、搬送方向や搬送方向に斜めに交差する方向に延びてもよい。
1 記録装置
3 搬送部
5 吐出ヘッド
5a フロントエンド
5b バックエンド
53b ヒータ
7 制御部
27 共通流路
29a 吐出孔
31 加圧室
101 記録媒体

Claims (2)

  1. インクがインク滴として吐出される複数の吐出孔、該複数の吐出孔にそれぞれ通じる複数の加圧室、該複数の加圧室にそれぞれ通じる共通流路、および前記インクを加熱するヒータを有した吐出ヘッドと、該吐出ヘッドに対して記録媒体を相対的に移動させる搬送部と、前記ヒータを制御する制御部と、を備えた記録装置であって、
    前記搬送部は、前記吐出ヘッドに対して前記記録媒体を第1の速度で相対的に移動させる第1速度モードと、前記吐出ヘッドに対して前記記録媒体を前記第1の速度よりも速い第2の速度で相対的に移動させる第2速度モードと、を有しており、
    前記制御部は、前記搬送部が前記第2速度モードで動作している場合に、前記搬送部が前記第1速度モードで動作している場合と比べて、前記インクの温度が上がるように前記ヒータを制御する、記録装置。
  2. 前記制御部は、前記第1速度モードで動作するようにあるいは前記第2速度モードで動作するように前記搬送部を制御する、請求項1に記載の記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015047803A (ja) * 2013-09-03 2015-03-16 セイコーエプソン株式会社 ラインプリンター、及びその制御方法

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