JP2012170004A - 3軸望遠鏡の駆動角度制御方法 - Google Patents

3軸望遠鏡の駆動角度制御方法 Download PDF

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佳久 高山
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Abstract

【課題】ジンバルロックの状態とならない3軸望遠鏡の駆動角度制御方法を提案する。
【解決手段】
3軸ジンバルに装着した望遠鏡を用いて人工衛星の追跡を行う場合に、xyz直交座標の人工衛星の単位位置ベクトル([r])を、方位角、仰角の極座標で表現し、その極座標から、3軸ジンバルのAz軸、El軸およびTr軸の駆動角度の方位角ψAz、仰角ψEl、追尾角ψTrを決定する際に、1)ψAzは、上記[r]のx軸上への射影の正負、かつ、y軸上への射影の正負、に応じて、所定の変換式に従い、2)ψElは、上記[r]のz軸上への射影が正の場合に、所定の変換式に従い、3)ψTrは、鏡筒光軸を含む平面上のuvw座標系の、u座標への上記[r]の射影の正負またはゼロ、かつ、u座標単位ベクトルと上記[r]の外積のw座標への射影の正負またはゼロ、に応じて、所定の変換式に従って変換する。
【選択図】図6

Description

この発明は、指向方向を三軸駆動で制御する望遠鏡において、衛星を追尾する場合の各駆動軸の回転角度を算出する方法を提供する。
従来の仰角および方位角による望遠鏡の駆動方式では、望遠鏡から衛星を見る仰角が高くなると、方位角周りの駆動に速い回転が必要となる。この結果、望違鍍の天頂付近は、運用上、衛星の追尾範囲から外されるという問題が生じる。また、この範囲を小さく抑える場合には、高速動作が可能な駆動系を備える必要が生じ、この結果、装置が大型化する問題が生じる。
例えば、特許文献1(特開2009−141728号公報)には、2軸ジンパル構造を有するアンテナの指向誤差を低減する制御方法およびその方法を備えた制御装置が開示されている。これは、船体に搭載されたアンテナが2軸機構によるアンテナ指向制御装置により衛星方位に指向制御されるもので、船体の移動および揺動が所定周期毎に認識されかつ衛星方位が測定され、衛星と指向性アンテナとの指向性誤差が検出される。船体のアジマス(AZ)軸延直線状の一定の範囲A内に衛星が通過するか否かが判定され、衛星が一定の範囲A内を通過しないと判定された場合エレべーション(EL)軸およびAZ軸を制御する2軸制御が行われ、衛星が一定の範囲A内を通過すると判定された場合仮想的なクロスエレベーション軸を想定しEL軸およびAZ軸を制御する仮想3軸制御が行われる。
また、特許文献2(特開平7―106837号公報)に、アンテナ多軸制御装置が開示されている。これは、多軸を有する駆動機構において、仰角が天頂を超える時に発生する指向誤差を小さくした多軸制御装置である。より詳しくは、方位角を変更できる垂直軸と、該垂直軸上にあり仰角を変更できる水平軸と、必要に応じて該水平軸上にありそれに直交して角度を変更できる直交水平軸とをそれぞれ個別に駆動制御するサーボ演算手段と、追尾対象が天頂を通過することを予測検出する天頂通過予測手段と、この天頂通過予測手段が追尾対象が天頂を通過すると予測した場合は上記3軸の内の特定軸の補正誤差量を一定時間または一定駆動距離間0とする切換手段を備えるものである。
AZ軸−EL軸構成では、EL軸の指向方向がAZ軸の回転軸と一致した場合にジンバルロックの状態となることが知られている。この状態では、EL軸の回転方向と直交する方向に対象物が移動した場合に、AZ軸を瞬時に(無限大の角速度で)180°回転する必要があり、現実的には連続した対象物追跡を行うことができない。
この解決策として、軸構成を1軸追加し、3軸構成(AZ軸、EL軸、x−EL軸)にする方法が知られている。一般的には、EL軸の角度が小さい場合は、AZ軸とEL軸の2軸で制御し、EL軸の角度が大きくなりAZ軸と一致する前に、制御方式を他の2軸(EL軸、x−EL軸など)の組合せに切り換える方式がとられている。しかし、この方法では3軸目(x−EL軸)の可動範囲を大きくとる必要があり、装置のサイズが大きくなってしまうという問題があった。
特許文献3(特開2005−341273号公報)には、3軸ジンバル構造を採用しながら天頂ロックを確実に回避できる撮影装置が開示されている。これは、アジマス軸が垂直方向に向けられて回転自在に支持され、チルトアジマス軸がアジマス軸上の所定部位において交差するよう傾斜して向けられて回転自在に支持され、エレベータ軸がチルトアジマス軸とアジマス軸との交点で交差し、かつチルトアジマス軸と直交するよう向けられて回転自在に支持され、撮影部(カメラ)がエレベータ軸に取付けられエレベータ軸回りに回転自在であり、アジマス軸とチルトアジマス軸およびエレベータ軸にそれぞれに駆動機構が連結され、それぞれの軸を個別に回転駆動制御するものである。
また、非特許文献1(鳴海 他)では、3軸構成による特異姿勢制御の方法として冗長制御の概念を導入している。本来、任意の方向を指向するためには2自由度でよいが、1自由度の余裕を持たせるために、3自由度(3軸)を用いる。冗長制御とは、この1自由度を有効に活用することで、3軸ジンバルの角速度ベクトルの大きさをできるだけ小さくしつつ、かつ3軸目のジンバルが可動範囲を超えないように適切な指向角配分を行う制御である。2軸であればジンバルロックが発生する角度における制御でも、この角度からAZ軸とEL軸を遠ざける様にし、かつ、3軸目(x−EL軸)も可動範囲の限界内に収まるように制御する。この制御においては、AZ軸、EL軸、x−EL軸に必要な回転動作を評価する評価関数を用いて、3軸ジンバルの角速度ベクトルが小さくなる様に各軸を制御する。
特開2009−141728号公報 特開平7―106837号公報 特開2005−341273号公報
鳴海 他,"東芝レビュー VOL.59 NO.10(2004), pp59-62.
上記のように、AZ軸−EL軸構成では、EL軸の指向方向がAZ軸の回転軸と一致した場合にジンバルロックの状態となることが知られている。この状態では、EL軸の回転方向と直交する方向に対象物が移動した場合に、AZ軸を瞬時に(無限大の角速度で)180°回転する必要があり、現実的には連続した対象物追跡を行うことができない。また、従来の3軸の構成では、傾いた軸を用いるために、手動での調整が難しかったり、評価関数を用いた最適化を逐次行って高精度の確度調整を時々刻々実行するには、高性能のコンピュータが必要になったりする。本発明は、簡単な演算処理装置で3軸ジンバルを制御し、その確度調整を高精度に時々刻々実行するものである。
本発明の3軸望遠鏡の駆動角度制御方法は、望遠鏡と3軸ジンバルを備え、上記3軸ジンバルは入射光を受ける望遠鏡を上記3軸ジンバルのTr軸の周りに回転する様に装着した3軸望遠鏡に適用するものである。上記Tr軸は第2アームに固定され、第2アームは上記3軸ジンバルのEl軸の周りに回転する自由度を有するが、Az軸は第1アーム7に固定され、第1アーム7は上記3軸ジンバルのAz軸の周りに回転する自由度を有するが、Az軸は台座に固定され、上記Az軸は上記El軸に直交し、上記El軸は上記Tr軸に直交し、上記望遠鏡のTr軸の周りの回転、第2アームのEl軸の周りの回転、および、第1アームのAz軸の周りに回転は、制御器によって制御する。
以下では、ベクトルrを{r}で、ベクトルrの単位ベクトルを[r]と表記するものとし、衛星の位置を示すベクトルをxyz座標系で(x、y、z)とし、時刻tにおける衛星の方向を示す単位位置ベクトルを[r(t)]と表記するものとする。また、望遠鏡から見た衛星の方位角θAZと仰角θElについて、次のように表記できるように方位角θAZと仰角θElを定義するものとする。
Figure 2012170004
このとき、鏡筒光軸を含む平面上の座標系の、
w軸をTr軸と平行で方向も同じとし、
v軸をEl軸と平行で方向も同じとし、
u軸を上記v軸およびw軸と右手直交系を成す方向とすることができるものとして、
望遠鏡の駆動角度を方位角ψAz、仰角ψEl、追尾角ψTrについて、
(1) 望遠鏡の鏡筒部の指向方向を指すベクトル{Tr(t1)}の単位ベクトルu{Tr(t1)}を求め、
(2)方位角ψAzについては、内積を「・」で示すものとして、
{Tr(t1)}・[z]≧0 の場合で、
(2−1) {Tr(t1)}・[x]<0、かつ{Tr(t1)}・[y]>0 の場合は次のようにし、
Figure 2012170004
(2−2) {Tr(t1)}・[x]<0、かつ{Tr(t1)}・[y]<0 の場合は次のようにし、
Figure 2012170004
(2−3) {Tr(t1)}・[x]>0、かつ{Tr(t1)}・[y]>0 の場合は次のようにし、
Figure 2012170004
(2−4) {Tr(t1)}・[x]>0、かつ{Tr(t1)}・[y]<0 の場合は次のようにし、
Figure 2012170004
(2−5) {Tr(t1)}・[x]=0、かつ{Tr(t1)}・[y]<0 の場合は次のようにし、
Figure 2012170004
(2−6) {Tr(t1)}・[x]=0、かつ{Tr(t1)}・[y]>0 の場合は次のようにし、
Figure 2012170004
(2−7) {Tr(t1)}・[x]<0、かつ{Tr(t1)}・[y]=0 の場合は次のようにし、
Figure 2012170004
(2−8) {Tr(t1)}・[x]>0、かつ{Tr(t1)}・[y]=0 の場合は次のようにし、
Figure 2012170004
(2−9) {Tr(t1)}・[x]=0、かつ{Tr(t1)}・[y]=0 の場合は、時刻t1の直前までのψAz値を保持し、
仰角ψEl については、{Tr(t1)}・[z]≧0 の場合に次のようにし、
Figure 2012170004
(3)[u]、[v]、[w]については次のようにし、
Figure 2012170004
(4)追尾角ψTrについては、
(4−1) [u]・[r]>0、かつ(・・・・・・・・・[w]>0 の場合は次のようにし、
Figure 2012170004
(4−2) [u]・[r]<0、かつ(・・・・・・・・・[w]>0 の場合は次のようにし、
Figure 2012170004
(4−3) [u]・[r]>0、かつ(・・・・・・・・・[w]<0 の場合は次のようにし、
Figure 2012170004
(4−4) [u]・[r]<0、かつ(・・・・・・・・・[w]<0 の場合は次のようにし、
Figure 2012170004
(4−5) [u]・[r]=0、かつ(・・・・・・・・・[w]>0 の場合は次のようにし、
Figure 2012170004
(4−6) [u]・[r]=0、かつ(・・・・・・・・・[w]<0 の場合は次のようにし、
Figure 2012170004
(5)ψAz(t1)、ψTrEl(t1)、ψTr(t1)の順にAz軸、El軸、Tr軸を駆動し、
(6)上記(1)から(5)を繰り返す、
制御を上記制御器によって行う。
上記xyz座標系は、x、y、およびz軸を、それぞれ、北、西、天頂方向にとることができる。
また、上記xyz座標系は、x、y、およびz軸を、それぞれ、北、西、天頂方向にとったものから座標変換したものであってもよい。
3軸ジンバルの制御において、三軸の駆動角度についてその制御経路は一般に多値解となってしまう。本発明を適用することによって、各軸の回転角を容易に決定することができる。これは、従来の二軸駆動望遠鏡では追いかけることができなかった天頂付近を通過する衛星を、高速な駆動系を用いずに、追尾可能とする。
本発明を適用する3軸望遠鏡の模式図を示す。入射光を受ける望遠鏡1は追尾軸(Tr軸)4の周りに回転する自由度を有するが、Tr軸4は第2アーム8に固定されている。また、第2アーム8はEl軸3の周りに回転する自由度を有するが、Az軸2は第1アーム7に固定されている。さらに、第1アーム7はAz軸2の周りに回転する自由度を有するが、Az軸2は台座9に固定されている。Az軸2はEl軸に直交し、El軸3はTr軸4に直交する。ここで、望遠鏡1のTr軸4の周りの回転、第2アーム8のEl軸3の周りの回転、および、第1アーム7のAz軸2の周りに回転は、Tr軸4、El軸3、およびAz軸2に装備された回転駆動機構と、それらを制御する制御器5と制御線6によって制御されている。 望遠鏡を原点とした直交座標系の例を示す図である。方位角θAzは、x軸(北)から東回りに測り、仰角θElは、xy面からz軸方向に測る。 方位角ψAzの定義を示す図で、x軸(北)から東周りに測る。これはEl軸を北周りにy軸から測ることと等価である。 仰角ψElの定義を示す図で、El軸の+方向と向き合うように望遠鏡を見て、z軸から時計回りに測る。z軸とTr軸の成す角に相当する。 追尾角ψTrの定義を示す図で、w軸に垂直なu−v面内で、望遠鏡鏡筒の指向方向をu軸から時計回りに測る。範囲は、0〜2πradである。 基準姿勢、およびAz軸、El軸、Tr軸についての定義、を示す図である。図1に示す構造の場合は、この図による定義に整合する正方向とする。Az軸は、z軸に一致するものとし、原点から上向きを+に取る。El軸は、Az軸との接合点からTr軸との接合点を結ぶ方向を+にとる。Tr軸は、EL軸との接合郁から鏡筒とを結ぶ方向を+にとる。 待機姿勢、およびu軸、v軸、w軸についての定義、を示す図である。u軸は、以下のv軸およびw軸と右手直交系を成す方向にとる。v軸は、El軸と平行で、方向も同じにとる。w軸は、Tr軸と平行で、方向も同じにとる。 ψAzを求める際の場合分け区分を示す図である。ψAzはy軸から北周りのまわり方で測ることと等価である。 ψTrを求める際の場合分け区分を示す図である。
以下に、この発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明においては、同じ機能あるいは類似の機能をもった装置に、特別な理由がない場合には、同じ符号を用いるものとする。
本発明は、概略、3軸ジンバルに装着した望遠鏡を用いて人工衛星の追跡を行う場合に、xyz直交座標の人工衛星の単位位置ベクトル([r])を、方位角、仰角の極座標で表現し、その極座標から、3軸ジンバルのAz軸、El軸およびTr軸の駆動角度の方位角ψAz、仰角ψEl、追尾角ψTrを決定する際に、1)ψAzは、上記[r]のx軸上への射影の正負、かつ、y軸上への射影の正負、に応じて、所定の変換式に従い、2)ψElは、上記[r]のz軸上への射影が正の場合に、所定の変換式に従い、3)ψTrは、鏡筒光軸を含む平面上のuvw座標系の、u座標への上記[r]の射影の正負またはゼロ、かつ、u座標単位ベクトルと上記[r]の外積のw座標への射影の正負またはゼロ、に応じて、所定の変換式に従って変換することで、駆動角度を制御するものである。
本発明を適用する3軸望遠鏡とは、例えば図1にその模式図を示す構造のものである。入射光を受ける望遠鏡1は追尾軸(Tr軸)4の周りに回転する自由度を有するが、Tr軸4は第2アーム8に固定されている。また、第2アーム8はEl軸3の周りに回転する自由度を有するが、Az軸2は第1アーム7に固定されている。さらに、第1アーム7はAz軸2の周りに回転する自由度を有するが、Az軸2は台座9に固定されている。Az軸2はEl軸に直交し、El軸3はTr軸4に直交する。ここで、望遠鏡1のTr軸4の周りの回転、第2アーム8のEl軸3の周りの回転、および、第1アーム7のAz軸2の周りに回転は、Tr軸4、El軸3、およびAz軸2に装備された回転駆動機構と、それらを制御する制御器5と制御線6によって制御されている。
以下にAz軸2、El軸3、およびTr軸4の回転角である3軸駆動角の算出仮定を示すが、まず、その際用いる記号とその定義を記す。
<1−1>.望遠鏡を原点とした直交座標系については、図2に示すように、例えば次のように取る。
x軸:北
y軸:x軸およびz軸と右手直交系を成す方向(この場合は西)
z軸:天頂方向
<1−2>.望遠鏡から見た衛星の角度
図2に示すように、
方位角θAZは、x軸(北)から東回りに測る。
仰角θElは、xy面からz軸方向に測る。
<1−3>.望遠鏡の軸
図6に示すAz軸、El軸、Tr軸について、以下の様に正方向を定義する。また、図1に示す構造の場合は、図6による定義に整合する正方向とする。
Az軸:z軸に一致。原点から上向きを+。
El軸:Az軸との接合点からTr軸との接合点を結ぶ方向を+。
Tr軸:El軸との接合郁から鏡筒とを結ぶ方向を+。
<1−4>.鏡筒光軸を含む平面上の座標系
図6、図7に示すように、次の様に定義する。
u軸:以下のv軸およびw軸と右手直交系を成す方向
v軸:El軸と平行で、方向も同じ。
w軸:Tr軸と平行で、方向も同じ。
<1−5>.望遠鏡の駆動角度
方位角ψAzは、u軸のxy面への射影を、図3に示す基準姿勢におけるu軸のxy面への射影であるx軸から東回りに測った角度である。これはEl軸をy軸から北回りの方向に測ることと等価である。
仰角ψElは、図4に示す様に、z軸とTr軸の成す角に相当し、El軸の+方向と向き合うように望遠鏡を見て、z軸から時計回りに測る。
追尾角ψTrについては、図5に示す様に、w軸に垂直なu−v面内で、望遠鏡鏡筒の指向方向をu軸から時計回りに測る。範囲は、0〜2πradである。
<1−6>.衛星の位置を示すベクトル(xyz座標系で表記)
衛星の方向を示す時刻tにおける単位位置ベクトル[r(t)](以降、ベクトルrは、{r}で、特に単位ベクトルは[r]で表記する)のx、y、z成分を次に示す。
Figure 2012170004
<1−7>,望遠鏡の鏡筒部の指向方向を指す単位ベクトル
この単位ベクトルを、[p(t)]、とする。これは、上記望遠鏡への入射光が人工衛星の光源からの光で、その人工衛星の追尾が正しく行われている場合は、上記人口衛星の位置を示す単位ベクトルと等しいため、以下では上記[r(t)]に等しいものとして取り扱う。なお、以下の記載では各軸の物理的長さを無視し、望遠鏡全休が原点に位置するものとして説明する。
<2−1>.基準姿勢
図6に示す様に、仰角ψEl=0degで北を指向した姿勢で、ψAz=0deg、ψTr=0degとする。この場合、u軸はx軸と平行、v軸はy軸と平行、w軸はz軸と平行となる。
<2−2>.待機姿勢は、図7に示す様に、ψAz=90deg、ψEl=0deg、ψTr=−90degである。
次に、(θAz、θEl)角から、(ψAz、ψEl、ψTr)角の算出を行うことについて示す。まず、その座標系について説明する。
<3−1>.uvw座標軸の算出
v座標軸に沿った単位ベクトルをxyz座標成分で表すと、El軸と平行であるから、
Figure 2012170004
w座標軸に沿った単位ベクトルをxyz座標成分で表すと、Tr軸と平行であるから、
Figure 2012170004

また、
Figure 2012170004

と与えられる。
<3−2>.Tr軸のベクトル{Tr(t1)}を求める
時刻t1とt2での単位位置ベクトル[r(t1)]と[r(t2)]から、時刻t1でのTr軸のベクトル{Tr(t1)}を求めると、
Figure 2012170004

である,これを単位ベクトルに規格化して、次のように表記する。
Figure 2012170004
なお、上記の様に、w軸を、「Tr軸と平行で、方向も同じ」と定義したので、次のようになる。
Figure 2012170004
(1){Tr(t1)}・[z]>0の場合、各軸の駆動角の算出は下記3−3に示す。
(2){Tr(t1)}・[z]<0の場合、{Tr(t1)}を改めて、−{Tr(t1)}、として、下記3−3と同じ処理を行う。
(3){Tr(t1)}・[z]=0の場合、ψAzは下記3−3の通り。
<3−3>.ψAzの求め方
{Tr(t1)}・[z]≧0の場合
(1) {Tr(t1)}・[x]<0、かつ{Tr(t1)}・[y]>0 の場合で、これは図8 case1のEl軸射影が第1象限にある場合である。この場合は、El軸の射影がy軸と成す角がプラス値となるように右辺のarctanにマイナス符号を付ける。
Figure 2012170004
(2) {Tr(t1)}・[x]<0、かつ{Tr(t1)}・[y]<0 の場合(図8 case2 El軸射影が第2象限)
Figure 2012170004
(3) {Tr(t1)}・[x]>0、かつ{Tr(t1)}・[y]>0 の場合(図8 case3.El軸射影が第4象限)
Figure 2012170004
(4) {Tr(t1)}・[x]>0、かつ{Tr(t1)}・[y]<0 の場合(図8 case4.El軸射影が第3象限)
Figure 2012170004
(5) {Tr(t1)}・[x]=0、かつ{Tr(t1)}・[y]<0 の場合
時刻t1の直前t0に{Tr(t0)}・[x]<0 ならば、数26から、また、{Tr(t0)}・[x]=0な らば、数28から次のように得られる。
Figure 2012170004
(6) {Tr(t1)}・[x]=0、かつ{Tr(t1)}・[y]>0 の場合
時刻t1の直前t0に{Tr(t0)}・[x]<0 ならば、数25から、また、{Tr(t0)}・[x]>0 ならば、数27から、次のように得られる。
Figure 2012170004
(7) {Tr(t1)}・[x]<0、かつ{Tr(t1)}・[y]=0 の場合
数25および数26より次のように得られる。
Figure 2012170004
(8) {Tr(t1)}・[x]>0、かつ{Tr(t1)}・[y]=0 の場合
数27および数28より次のように得られる。
Figure 2012170004
(9) {Tr(t1)}・[x]=0、かつ{Tr(t1)}・[y]=0 の場合次の式が成り立つ。
Figure 2012170004
この場合、時刻t1の直前の駆動の時刻t0のψAz(t0)の値を保持する。
<3−4>. ψElの求め方
{Tr(t1)}・[z]≧0 の場合
Figure 2012170004
{Tr(t1)}・[z]=0 のとき、ψEl(t1)=π/2 である。
<3−5>. ψTrを求める。
(1) [u]・[r]>0、かつ(・・・・・・・・・[w]>0 の場合(図9 case1)
Figure 2012170004
(2) [u]・[r]<0、かつ(・・・・・・・・・[w]>0 の場合(図9 case2)
Figure 2012170004
(3) [u]・[r]>0、かつ(・・・・・・・・・[w]<0 の場合(図9 case3)
Figure 2012170004
(4) [u]・[r]<0、かつ(・・・・・・・・・[w]<0 の場合(図9 case4)
Figure 2012170004
(5) [U]・[R]=0、かつ(・・・・・・・・・[w]>0 の場合
Figure 2012170004
(6) [u]・[r]=0、かつ(・・・・・・・・・[w]<0 の場合
Figure 2012170004
本発明の3軸望遠鏡の駆動角度制御方法では、時刻t1における望遠鏡から見た衛星の方位角θAzと仰角θElについて、次に示す様にAz軸、El軸、Tr軸を制御する。
(1) 数18、数22、数23から、Tr軸のベクトル{Tr(t1)}の単位ベクトルのxyz成分uTrx(t1)、uTry(t1)、uTrz(t1)を求める。
(2) {Tr(t1)}・[z]の計算結果に応じて3−3節、3−4節からψAz(t1)とψEl(t1)を求める。
(3) 数19、数20および数21から[u]、[v]、[w]を求める。
(4) 3−5節からからψTr(t1)を求める。
(5)ψAz(t1)、ψEl(t1)、ψTr(t1)の順にAz軸、El軸、Tr軸を駆動する。
(6)上記(1)から(5)を繰り返す。
本発明を適用する3軸望遠鏡は、必ずしも、x、y、およびz軸をそれぞれ北、西、および天頂方向に限る必要は無く、上記のx、y、およびz軸に座標変換できる様に設定されていれば、他の変数も同様に座標変換して扱うことによって、本発明の3軸望遠鏡の駆動角度制御方法を適用できることは明らかである。
また、上記3望遠鏡は、光を入射する望遠鏡として説明したが、人口衛星と地上局の間で光空間通信を行う場合の光アンテナとして使用し、光を出射する際の光アンテナ用の3望遠鏡にも適用できることは明らかである。
1 望遠鏡
2 Az軸
3 El軸
4 Tr軸
5 制御器
6 制御線
7 第1アーム
8 第2アーム

Claims (3)

  1. 望遠鏡と3軸ジンバルを備え、上記3軸ジンバルは入射光を受ける望遠鏡を上記3軸ジンバルのTr軸の周りに回転する様に装着するものであり、上記Tr軸は第2アームに固定され、第2アームは上記3軸ジンバルのEl軸の周りに回転する自由度を有するが、Az軸は第1アーム7に固定され、第1アームは上記3軸ジンバルのAz軸の周りに回転する自由度を有するが、Az軸は台座に固定され、上記Az軸は上記El軸に直交し、上記El軸は上記Tr軸に直交し、上記望遠鏡のTr軸の周りの回転、第2アームのEl軸の周りの回転、および、第1アームのAz軸の周りの回転は、制御器によって制御するものであり、
    ベクトルrを{r}で、ベクトルrの単位ベクトルを[r]と表記するものとし、衛星の位置を示すベクトルをxyz座標系で(x、y、z)とし、時刻tにおける衛星の方向を示す単位位置ベクトルを[r(t)]と表記し、
    望遠鏡から見た衛星の方位角θAZと仰角θELについて、次のように表記できるものとするとき、
    Figure 2012170004
    鏡筒光軸を含む平面上の座標系の、
    w軸をTr軸と平行で方向も同じとし、
    v軸をEl軸と平行で方向も同じとし、
    u軸を上記v軸およびw軸と右手直交系を成す方向とすることができるとき、
    望遠鏡の駆動角度の方位角ψAz、仰角ψEl、追尾角ψTrについて、
    (1) 望遠鏡の鏡筒部の指向方向を指すベクトル{Tr(t1)}の単位ベクトルu{Tr(t1)}を求め、
    (2)方位角ψAzについては、
    {Tr(t1)}・[z]≧0の場合で、
    (2−1) {Tr(t1)}・[x]<0、かつ{Tr(t1)}・[y]>0の場合は次のようにし、
    Figure 2012170004
    (2−2) {Tr(t1)}・[x]<0、かつ{Tr(t1)}・[y]<0の場合は次のようにし、
    Figure 2012170004
    (2−3) {Tr(t1)}・[x]>0、かつ{Tr(t1)}・[y]>0の場合は次のようにし、
    Figure 2012170004
    (2−4) {Tr(t1)}・[x]>0、かつ{Tr(t1)}・[y]<0の場合は次のようにし、
    Figure 2012170004
    (2−5) {Tr(t1)}・[x]=0、かつ{Tr(t1)}・[y]<0の場合は次のようにし、
    Figure 2012170004

    (2−6) {Tr(t1)}・[x]=0、かつ{Tr(t1)}・[y]>0の場合は次のようにし、
    Figure 2012170004
    (2−7) {Tr(t1)}・[x]<0、かつ{Tr(t1)}・[y]=0の場合は次のようにし、
    Figure 2012170004
    (2−8) {Tr(t1)}・[x]>0、かつ{Tr(t1)}・[y]=0の場合は次のようにし、
    Figure 2012170004
    (2−9) {Tr(t1)}・[x]=0、かつ{Tr(t1)}・[y]=0の場合は時刻t1の直前の駆動時刻t0のψAz(t0)の値を保持し、
    仰角ψEl については、 {Tr(t1)}・[z]≧0の場合に次のようにし、
    Figure 2012170004
    (3)[u]、[v]、[w]については次のようにし、
    Figure 2012170004
    (4)追尾角ψTrについては、
    (4−1) [u]・[r]>0かつ(・・・・・・・・・[w]>0の場合は次のようにし、
    Figure 2012170004
    (4−2) [u]・[r]<0かつ(・・・・・・・・・[w]>0の場合は次のようにし、
    Figure 2012170004
    (4−3) [u]・[r]>0かつ(・・・・・・・・・[w]<0の場合は次のようにし、
    Figure 2012170004
    (4−4) [u]・[r]<0かつ(・・・・・・・・・[w]<0の場合は次のようにし、
    Figure 2012170004
    (4−5) [u]・[r]=0かつ(・・・・・・・・・[w]>0の場合は次のようにし、
    Figure 2012170004
    (4−6) [u]・[r]=0かつ(・・・・・・・・・[w]<0の場合は次のようにし、
    Figure 2012170004
    (5)ψAz(t1)、ψTrEl(t1)、ψTr(t1)の順にAz軸、El軸、Tr軸を駆動し、
    (6)上記(1)から(5)を繰り返す、
    ことを含むことを特徴とする3軸望遠鏡の駆動角度制御方法。
  2. 上記xyz座標系は、x、y、およびz軸を、それぞれ、北、西、天頂方向にとったものであることを特徴とする請求項1に記載の3軸望遠鏡の駆動角度制御方法。
  3. 上記xyz座標系は、x、y、およびz軸を、それぞれ、北、西、天頂方向にとったものから座標変換したものであることを特徴とする請求項1に記載の3軸望遠鏡の駆動角度制御方法。
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