JP2012166849A - 貼付材包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒートシール部分においてピンホールの発生が無く、気密性や無菌性を保つことが容易である貼付材包装体を提供すること。
【解決手段】貼付材を包材フィルムで挟み、貼付材の周囲にて包材フィルムがヒートシール処理されている貼付材包装体であって、包材フィルムのヒートシールされた部分が、エンボスヒートシール部とフラットヒートシール部とを有して形成されており、エンボスヒートシール部とフラットヒートシール部とが、それぞれ貼付材の周囲を囲むパターンとして形成されている、貼付材包装体。
【選択図】図1

Description

本発明は、貼付材包装体に関し、より詳細には、貼付材を包材フィルムで挟み、貼付材の周囲にて包材フィルムがヒートシール処理されている貼付材包装体に関する。
近年、人の皮膚における創傷、褥瘡、熱傷潰瘍、採皮創などの保護と治癒を目的として、種々の機能を付与したドレッシング材が開発されている。ドレッシング材は、皮膚への細菌の感染を予防するため個別包装されたのち滅菌される。この包装には、無菌性を高度に保障するための重要な役割がある。
また、薬物を生体内に投与する手段として、薬物を含有する貼付材を生体に貼付することで薬物を皮膚より経皮吸収させる方法が開発されている。このような薬物含有貼付材は、ポリエステルやポリエチレンなどのプラスチックフィルム製または不織布製の支持体の片面に、経皮吸収性薬物を含有させた粘着剤層を積層し、露出する粘着剤層面を被覆材にて被覆してなるものである。通常このような薬物含有貼付材は、含有する薬物の揮散を防止する、および/または湿度、酸素などによる影響(分解、酸化など)を防止する目的で、包材フィルムにて個別包装されている。
一般的には、個別包装は、包装機にて貼付材の周囲の包材フィルムをヒートシール処理することによって行われる。
包材フィルムについては、湿度や酸素に対して不透過性または難透過性のフィルムが各種開発されているが、包材フィルムの種類や包装方法によってはヒートシール処理が十分では無く、ヒートシール部分でピンホールが発生する場合があった。ヒートシール部分におけるピンホールの発生には、ヒートシール処理を実施するためのヒートブロックの過剰な圧力や温度によって包材フィルムの一部が破壊されてピンホールが発生する場合、ヒートブロックの圧力や温度が十分でないためにヒートシール処理が不完全となりピンホールが発生する場合、ヒートシール部分のシワによりピンホールが発生する場合等がある。更に、一般的に包材フィルムには厚みのバラツキがあり、この厚みのバラツキのために、ヒートシール部分にわたってヒートシール圧力が変動する場合や、包材フィルムの張力の影響が大きくなってシワになりやすくなる場合があり、その結果、ピンホールが発生しやすくなる。
従来のヒートシール部分の帯幅は、一般的には3mmから8mm程度あるいはそれ以上であり、このような帯幅のヒートシール部分を形成しつつピンホールが発生しないように、同時にかつ均一に包材フィルムを圧着してヒートシール処理を行うには、専門的な機械の調整、包材フィルムの材料および厚みの選定などが必要であった。特に、包材フィルムの材料および厚みの選定がピンホールの発生の回避にとって重要である。ピンホールが発生しないように包装するためには、包材フィルムの材料として、低温で接着するタイプのヒートシール性の樹脂を使用する場合が多く、この場合、包材フィルムの厚みは厚くなる傾向にある。
一方、薬物を含有する経皮吸収型の貼付材を包装する場合は、その保存中に薬物がヒートシール性の樹脂に吸着するため、貼付材中の薬物の含量が低下し、治療効果に影響する場合があった。そのため、包材フィルムの材料としては、薬物が吸着しにくいヒートシール性の樹脂を用いる必要があり、さらに、包材フィルム全体としての薬物の吸着量を少なくするために、その厚みも薄くする必要がある。薬物が吸着しにくいヒートシール性の樹脂は、ヒートシール処理温度が高くなる傾向にあり、また、包材フィルムの厚みを薄くすると、ヒートシール処理圧力が包材フィルムのヒートシール処理すべき部分全体にわたって均一に付加されなくなる傾向にあり、その結果、ピンホールが発生しやすくなる。
従来、上記ヒートシール部分としては、エンボスヒートシール部(凹凸、例えば、ゴザ目、格子目などのパターンを有するヒートシール部分)を採用しているため、微小なピンホールは、外観検査などの非破壊検査では発見しづらい。従って、微小なピンホールの発見はヒートシール部分の破壊などの方法によらなければならないため、品質の保証の面でも問題があった。
本発明は、上記課題を解決しようとするものであり、ヒートシール部分においてピンホールの発生が無く、気密性や無菌性を保つことが容易である貼付材包装体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討した結果、貼付材を包材フィルムで挟み、貼付材の周囲にて包材フィルムがヒートシール処理されている貼付材包装体において、包材フィルムのヒートシールされた部分を、エンボスヒートシール部とフラットヒートシール部とを有して形成し、エンボスヒートシール部とフラットヒートシール部とを、それぞれ貼付材の周囲を囲むパターンとして形成することによって、ヒートシール部分におけるピンホールの発生を防止できることを見出した。さらに詳細に検討した結果、かかる貼付材包装体において、エンボスヒートシール部とフラットヒートシール部とを、それぞれ貼付材の周囲を同心状に囲むパターンとして形成し、かつ、フラットヒートシール部の帯幅を0.4mm〜2.0mmとすることによって、ヒートシール部分におけるピンホールの発生をより確実に防止できることを見出した。これらの知見に基づいて、本発明を完成するに至った。また、透明な包材フィルムを用いた場合、フラットヒートシール部の目視検査あるいは画像処理による検査によって、ピンホールの有無を判定できることも見出した。すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]貼付材を包材フィルムで挟み、貼付材の周囲にて包材フィルムがヒートシール処理されている貼付材包装体であって、包材フィルムのヒートシールされた部分が、エンボスヒートシール部とフラットヒートシール部とを有して形成されており、エンボスヒートシール部とフラットヒートシール部とが、それぞれ貼付材の周囲を囲むパターンとして形成されている、貼付材包装体。
[2]フラットヒートシール部が、0.4mm〜2.0mmの帯幅を有する、上記[1]記載の貼付材包装体。
[3]エンボスヒートシール部とフラットヒートシール部とが、それぞれ貼付材の周囲を同心状に囲むパターンとして形成されている、上記[1]または[2]記載の貼付材包装体。
[4]エンボスヒートシール部とフラットヒートシール部とが、内側から順に、
(1)フラットヒートシール部、エンボスヒートシール部、
(2)エンボスヒートシール部、フラットヒートシール部、
(3)エンボスヒートシール部、フラットヒートシール部、エンボスヒートシール部、および
(4)フラットヒートシール部、エンボスヒートシール部、フラットヒートシール部
から選ばれる組み合わせにて貼付材の周囲を囲むパターンを形成している、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の貼付材包装体。
[5]包材フィルムのヒートシールされた部分が、エンボスヒートシール部とフラットヒートシール部とを合わせて全体として3mm〜20mmの帯幅を有する、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の貼付材包装体。
[6]貼付材を2枚の包材フィルムで挟み、貼付材の周囲の包材フィルムがヒートシール処理されている、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の貼付材包装体。
[7]貼付材の厚みが50μm〜2000μmである、上記[1]〜[6]のいずれか一に記載の貼付材包装体。
[8]貼付材が、粘着剤層と、該粘着剤層の一方の面に積層された支持体と、該粘着剤層の他方の面に積層された剥離処理した離型ライナーとを有する、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の貼付材包装体。
[9]粘着剤層が経皮吸収される薬物を含有する、上記[8]記載の貼付材包装体。
[10]包材フィルムが、基材フィルム層と、該基材フィルム層の一方の面に積層された熱融着樹脂層とを有しており、かつ、該熱融着樹脂層の厚みが3μm〜40μmである、上記[1]〜[9]のいずれか一に記載の貼付材包装体。
[11]熱融着樹脂層を構成する樹脂が、ポリアクリロニトリル系樹脂またはポリオレフィン系樹脂である、上記[10]記載の貼付材包装体。
[12]包材フィルムが透明である、上記[1]〜[11]のいずれかに記載の貼付材包装体。
[13]貼付材を包材フィルムで挟み、貼付材の周囲の包材フィルムがヒートシール処理されている貼付材包装体であって、包材フィルムのヒートシールされた部分が、エンボスヒートシール部とフラットヒートシール部とを有して形成されており、エンボスヒートシール部とフラットヒートシール部とが、それぞれ貼付材の周囲を同心状に囲むパターンとして形成されており、フラットヒートシール部が0.4mm〜2.0mmの帯幅を有している、貼付材包装体。
[14]エンボスヒートシール部とフラットヒートシール部とが、内側から順に、
(1)フラットヒートシール部、エンボスヒートシール部、
(2)エンボスヒートシール部、フラットヒートシール部、
(3)エンボスヒートシール部、フラットヒートシール部、エンボスヒートシール部、または
(4)フラットヒートシール部、エンボスヒートシール部、フラットヒートシール部の組み合わせとなる同心状のパターンである、上記[13]記載の貼付材包装体。
[15]包材フィルムのヒートシールされた部分が、エンボスヒートシール部とフラットヒートシール部とを合わせて全体として3mm〜20mmの帯幅を有する、上記[13]または[14]に記載の貼付材包装体。
[16]貼付材を2枚の包材フィルムで挟み、貼付材の周囲の包材フィルムがヒートシー
ル処理されている、上記[13]〜[15]のいずれかに記載の貼付材包装体。
[17]貼付材の厚みが50μm〜2000μmである、上記[13]〜[16]のいずれかに記載の貼付材包装体。
[18]貼付材が、粘着剤層と、該粘着剤層の一方の面に積層された支持体と、該粘着剤層の他方の面に積層された剥離処理した離型ライナーとを有する、上記[13]〜[17]のいずれかに記載の貼付材包装体。
[19]粘着剤層が経皮吸収される薬物を含有する、上記[18]に記載の貼付材包装体。
[20]包材フィルムが、基材フィルム層と、該基材フィルム層の一方の面に積層された熱融着樹脂層とを有しており、かつ、該熱融着樹脂層の厚みが3μm〜40μmである、上記[13]〜[19]のいずれかに記載の貼付材包装体。
[21]熱融着樹脂層を構成する樹脂が、ポリアクリロニトリル系樹脂またはポリオレフィン系樹脂である、上記[20]に記載の貼付材包装体。
[22]包材フィルムが透明である、上記[13]〜[21]のいずれかに記載の貼付材包装体。
本発明の貼付材包装体は、例えば、治療を目的とする医療用の貼付材が、シワやピンホールが発生すること無くヒートシール処理によって完全に包装(密封)されている。すなわち、本発明の貼付材包装体は、貼付材を包材フィルムで挟み、貼付材の周囲にて包材フィルムがヒートシール処理し、包材フィルムのヒートシールされた部分を、エンボスヒートシール部とフラットヒートシール部とを有して形成し、かつ、エンボスヒートシール部とフラットヒートシール部とを、それぞれ貼付材の周囲を囲むパターンとして形成することによって、ヒートシール部分においてピンホールの発生が無く、気密性や無菌性を保つことが容易になる。かかる貼付材包装体において、エンボスヒートシール部とフラットヒートシール部とを、それぞれ貼付材の周囲を同心状に囲むパターンとして形成し、かつ、フラットヒートシール部の帯幅を0.4mm〜2.0mmとすることによって、ピンホールの発生が無く、気密性や無菌性を保つことが一層容易になる。そのため、本発明の貼付材包装体は、酸素による酸化や水分による分解を受けやすい薬物を含有する貼付材が包装されている場合、脱酸素剤や水分除去剤として作用して酸化や分解を高度に抑制することができ、また、貼付材としてドレッシング材などが包装されている場合、無菌性を高度に保証することができる。さらに、本発明の貼付材包装体は、本質的にヒートシール部分にシワが発生しないので、外観的にも美しく商品としての価値が上がる。透明な包材フィルムを用いた場合には、フラットシール部を目視検査することによって、フラットシール部に切れ目が無く、完全にヒートシールされている(密封されている)ことを確認することができる。この目視検査に代えて、フラットヒートシール部の映像をカメラによって取り込み、画像処理、たとえば二値化処理を行うことによって、フラットヒートシール部に切れ目が無いことを自動検出によって確認することが可能となる。
また、本発明の貼付材包装体においては、包材フィルムを構成する熱融着樹脂層の厚みを薄くすることができるので、貼付材が薬物を含有する場合、薬物の熱融着樹脂層への吸着を低減することができ、従って安定した治療効果を発揮することができる貼付材を包装した包装体を提供することができる。
本発明の一実施態様の貼付材包装体の平面図を示す。なお、ハッチングは、エンボスヒートシール部3およびフラットヒートシール部4の領域を区別するために施したものである。 本発明の別の実施態様の貼付材包装体の平面図を示す。なお、ハッチングは、エンボスヒートシール部3およびフラットヒートシール部4の領域を区別するために施したものである。 本発明の別の実施態様の貼付材包装体の平面図を示す。なお、ハッチングは、エンボスヒートシール部3およびフラットヒートシール部4の領域を区別するために施したものである。 本発明の別の実施態様の貼付材包装体の平面図を示す。なお、ハッチングは、エンボスヒートシール部3およびフラットヒートシール部4の領域を区別するために施したものである。 本発明の一実施態様の貼付材包装体の断面図を示す。 本発明の別の実施態様の貼付材包装体の平面図を示す。なお、ハッチングは、エンボスヒートシール部3およびフラットヒートシール部4の領域を区別するために施したものである。 本発明の別の実施態様の貼付材包装体の平面図を示す。なお、ハッチングは、エンボスヒートシール部3およびフラットヒートシール部4の領域を区別するために施したものである。 本発明の別の実施態様の貼付材包装体の断面図を示す。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の貼付材包装体は、貼付材を包材フィルムで挟み、貼付材の周囲にて包材フィルムがヒートシール処理されており、包材フィルムのヒートシールされた部分(以下、ヒートシール部分ともいう)が、エンボスヒートシール部とフラットヒートシール部とを有して形成されており、かつ、エンボスヒートシール部とフラットヒートシール部とが、それぞれ貼付材の周囲を囲むパターンとして形成されていることを特徴とする。中でも、貼付材を包材フィルムで挟み、貼付材の周囲の包材フィルムがヒートシール処理されており、ヒートシール部分がエンボスヒートシール部とフラットヒートシール部とを有して形成されており、エンボスヒートシール部とフラットヒートシール部とが、それぞれ貼付材の周囲を同心状に囲むパターンとして形成されており、かつ、フラットヒートシール部が0.4mm〜2.0mmの帯幅を有しているものが好ましい。
本発明において、「貼付材の周囲の包材フィルムがヒートシール処理されている」とは、貼付材の周囲の包材フィルムに、貼付材を密封するようにヒートシール部分が形成されていることを意味する。例えば、貼付材包装体が方形の形状であり、2枚の包材フィルムの間に貼付材を挟んでヒートシール処理する場合、包剤フィルムの四方に貼付材を密封するようにヒートシール部分が形成される。また、例えば、貼付材包装体が方形の形状であり、1枚の包材フィルムを2つ折りにしてその間に貼付材を挟んでヒートシール処理する場合、包材フィルムの折り曲げ部分を除いた三方に貼付材を密封するようにヒートシール部分が形成される。
また、本発明において、「貼付材の周囲を同心状に囲むパターン」における同心状とは、貼付材を中心とした同心状を意味する。
本発明の貼付材包装体の一実施形態を図1および5に示す。図1は、方形の形状の貼付材包装体1を示す平面図である。図5は、該貼付材包装体1のI−I線に沿ってとられた断面図である。なお、本明細書において、図示の便宜上、図面の寸法比率は必ずしも一致しない。図1および5に示されるように、貼付材2は包材フィルム6によって包装(密封)されている。貼付材2の周囲には、包材フィルム6をヒートシール処理することによって形成されたヒートシール部分5が形成されており、該ヒートシール部分5は、それぞれ貼付材2の周囲を同心状に囲むパターンとして形成されたフラットヒートシール部3とエンボスヒートシール部4とを有して形成されている。
また、本発明の貼付材包装体の別の実施形態を図6〜8に示す。図6は、方形の形状の貼付材包装体1を示す平面図であり、図8は、該貼付材包装体1のII−II線に沿ってとられた断面図である。図6および8に示されるように、貼付材2は、2つ折りされた包材フィルム6によって包装(密封)されている。包材フィルム6の折り曲げ部分を除いた三方には、ヒートシール部分5が形成されている。該ヒートシール部分5は、それぞれ貼付材2の周囲を囲むパターンとして形成されたフラットヒートシール部3とエンボスヒートシール部4とを有して形成されている。なお、2つ折りされた包材フィルム6のコーナーは、図7に示すように丸みを持っていてもよい。
ヒートシール部分は、エンボスヒートシール部とフラットヒートシール部とを合わせて全体として、好ましくは3mm〜20mm、より好ましくは4〜8mmの帯幅を有する。帯幅が3mmよりも狭いと、後述するような範囲内の適正なシール強度が得られず、またピンホールも発生しやすい。帯幅が20mmよりも広いと、経済的でない。ヒートシール部分のシール強度は、好ましくは1〜30N/15mmであり、より好ましくは3〜20N/15mmであり、さらに好ましくは6〜15N/15mmである。シール強度が1N/15mmよりも小さいと、ヒートシール部分の剥れやピンホールの発生する度合いが高くなる。シール強度の上限は、後述する包材フィルムを構成する熱融着樹脂層の破壊強度や硬さにより制限される。なお、本発明において、シール強度は、JIS Z0238「密封軟包装袋の試験方法」によるものである。
エンボスヒートシール部は、凹凸を有するヒートシール部分であり、凹凸としては、例えば、一般的なゴザ目、格子目、直線目、波型目、点状目などのパターンが挙げられる。上記範囲内の適正なシール強度を得るためには、ゴザ目と直線目との組み合わせが好ましい。また、上記パターンのピッチは、例えば、ゴザ目の場合、0.2〜2mmの範囲で設定可能であるが、好ましくは0.4〜0.8mmの範囲である。ゴザ目のピッチが0.2mmよりも狭いと、エンボスヒートシール部を形成する際にヒートブロック金型による成型が困難となり、2mmよりも広いと、ピンホールが発生しやすくなり、また得られる包装体の外観も美しくない。
フラットヒートシール部は、凹凸等がない平坦なヒートシール部分である。フラットシール部の帯幅は、0.4〜2.0mmであり、好ましくは0.5〜1.0mmであり、より好ましくは0.5〜0.7mmある。帯幅が0.4mmよりも狭いと、ピンホールの発生を防止する効果が小さくなり、2.0mmよりも広いと、後述するフラットヒートシール部の形成方法において、ヒートシール処理圧力が分散してヒートシール処理が不完全となり、それゆえピンホールが発生する場合があり、またフラットヒートシール部に気泡が入りやすくなるので外観的にも好ましくない。
エンボスヒートシール部とフラットヒートシール部との同心状のパターンは、特に限定されるものではないが、例えば、内側から順に、(1)フラットヒートシール部、エンボスヒートシール部(図1)、(2)エンボスヒートシール部、フラットヒートシール部(図2)、(3)エンボスヒートシール部、フラットヒートシール部、エンボスヒートシール部(図3)、および(4)フラットヒートシール部、エンボスヒートシール部、フラットヒートシール部(図4)の組み合わせが挙げられる。中でも、所望のシール強度が得られ易いという観点から、(1)フラットヒートシール部、エンボスヒートシール部(図1)の組み合わせが好ましい。また、エンボスヒートシール部とフラットヒートシール部とのパターンが同心状でない場合においても、該パターンの態様として上記(1)〜(4)の組み合わせが挙げられ、中でも(1)が好ましい。
なお、後述するヒートシール処理方法に関連して、複数のフラットヒートシール部を同時に形成する場合は、ヒートシール処理圧力が分散するためにヒートシール処理が不完全となり、ピンホールが発生しやすくなる。従って、フラットヒートシール部は単一である(例えば、図1〜3、6および7に示す態様)のが好ましく、本発明の作用効果を奏するためは、単一のフラットヒートシール部が形成されれば十分である。
本発明の貼付材包装体の形状は、貼付材を包装できるような形状であれば特に限定されるものではなく、例えば、方形(正方形、長方形など)、多角形(三角形など)、円形、楕円形、その他の図形等が挙げられる。また、貼付材包装体の形状と包装される貼付材の形状とは、貼付材の包装(密封)が可能である限り、同じ形状であっても異なる形状であってもよい。
本発明において、ヒートシール処理を行う方法は、特に限定されるものではなく、任意の自体公知の方法を用いることができる。ヒートシール処理を行う方法としては、一般的に、主軸の動きにより、回転方式、ボックスモーション方式および合掌方式によるヒートシール処理に大別される。
ヒートシール処理によってエンボスヒートシール部とフラットヒートシール部とを形成して貼付材を包装する方法は、例えば包装体を方形とする場合、一般的な四方シール包装機を用いて実施可能である。
一般的な四方シール包装機を用いて、回転方式によるヒートシール処理を行って貼付材を包装する方法の一例は次の通りである。まず、2枚の長尺状の包材フィルムの同一面側が互いに向かい合うようにして、これら包材フィルム間に貼付材を上下方向から挟む。次に、合わせた2枚の包材フィルムの長手方向の両側縁部にヒートブロックによって温度をかける。次に、加温した両側縁部を、凹凸のない平坦なロールによって圧着してヒートシール処理し、フラットヒートシール部を形成する。さらに、形成したフラットヒートシール部の少し外側を、ゴザ目等のパターンを有するロールによって圧着してヒートシール処理し、エンボスヒートシール部を形成する(これによって両側縁部にヒートシール部分が完成する)。その後、凹凸のない平坦なヒートシール処理面とゴザ目等のパターンを有するヒートシール処理面とが一体となった金型バーを、フラットヒートシール部が内側にかつエンボスヒートシール部が外側に形成されるように、包材フィルムの長手方向と直交する方向に圧着してヒートシール処理し、フラットヒートシール部とエンボスヒートシール部とを同時に形成する(すなわち、上記両側縁部と直交するヒートシール部分を形成する)。その後、個々の包装体に切断して四方シール包装体を完成する。
また、一般的な四方シール包装機を用いて、合掌方式によるヒートシール処理を行って貼付材を包装する方法の一例は次の通りである。まず、2枚の包材フィルムの同一面側が互いに合うようにして、これら包材フィルム間に貼付材を上下方向から挟む。次に、四方のヒートシール部分を同時に形成することができるヒートブロック金型(凹凸のない平坦なヒートシール処理面とゴザ目等のパターンを有するヒートシール処理面とを有する)を加熱し、包材フィルムに押し当て、圧着してヒートシール処理し、エンボスヒートシール部とフラットヒートシール部とを同時に形成する。その後、貼付材を包装した包材フィルムを抜き刃で打抜いて四方シール包装体を完成する。また、ボックスモーション方式とは、上記合掌方式において、包装体を連続的に搬送しながらヒートシール処理を行うものである。
本発明においては、ピンホールの発生をできる限り抑制するという観点から、ボックスモーション方式および合掌方式を用いるのが好ましい。また、貼付材包装体が方形の形状である場合、四方のヒートシール部分を同時に形成するヒートシール処理が最も好ましい。
また、本発明の貼付材包装体においては、例えば、2枚の包材フィルムを用いて、それらの間に貼付材を挟み、貼付材の周囲の包材フィルムをヒートシール処理して貼付材を包装(密封)してもよく、また、1枚の包材フィルムを2つ折りにしてその間に貼付材を挟み、包材フィルムの折り曲げ部分を除いて貼付材の周囲の包材フィルムをヒートシール処理して貼付材を包装(密封)してもよい。しかしながら、貼付剤を包材フィルムの間に挟み込む際の投入位置を精度よく制御できる点から、2枚の包材フィルムを用いて貼付材を包装(密封)するのが好ましい。
上記ヒートシール処理における、温度、圧着圧力、圧着時間等の条件は、包材フィルムの構成(例えば、包材フィルムの厚み、熱融着樹脂層を構成する熱融着樹脂の種類など)等によって異なるが、所望の帯幅、シール強度が得られるように適宜設定すればよい。温度は、一般的に100〜250℃の範囲である。温度が100℃よりも低いと、熱融着樹脂層が熱融着せず、温度が250℃よりも高いと、シワの発生や発泡、包材フィルムを構成する基材フィルムの変形、劣化などにより、得られる包装体の外観が悪くなる。圧着圧力は、一般的に0.5〜2.0MPaであり、好ましくは0.8〜1.6MPaであり、より好ましくは0.9〜1.5MPaである。圧着圧力が0.5MPaよりも低いと、ピンホールが発生しやすくなり、また適正なシール強度も得られない。圧着圧力が2.0MPaよりも高いと、包材フィルムが破損しやすくなる。
本発明の貼付材包装体における包材フィルムは、ヒートシール処理によってヒートシール部分を形成し、貼付材を密封できるものであれば、特に限定されるものではないが、好ましくは、基材フィルム層と、該基材フィルム層の一方の面に積層された熱融着樹脂層とを有する。該包材フィルムは、基材フィルムと熱融着樹脂層との間に、これらを相互に接着するためのドライラミネート接着剤層をさらに有していてもよいが、基材フィルムと熱融着樹脂層とが熱融着により相互に十分に接着される場合は、ドライラミネート接着剤層を有していなくてもよい。
基材フィルム層としては、優れた機械的、物理的、化学的、その他の特性を有し、特に、十分な強度を有していて強靭であり、かつ耐熱性を有する樹脂のフィルムないしシートで透明性に優れるものを使用することができる。具体的には、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系またはポリメタクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂等の強靭な樹脂のフィルムないしシート等を使用することができる。上記の樹脂のフィルムないしシートとしては、縦方向または横方向のいずれかの一軸方向に延伸した延伸フィルムを使用することができる。その延伸方法としては、例えば、フラット法、インフレーション法等の公知の方法で行うことができ、その延伸倍率としては、約2〜10倍位のものを使用することができる。また、そのフィルムの厚さとしては、通常5μm〜100μmであり、好ましくは、10μm〜50μmである。なお、本発明においては、上記のような樹脂のフィルムには、通常の印刷法によって、例えば、文字、図形、記号、絵柄、模様等の所望の印刷絵柄の表刷り印刷あるいは裏刷り印刷等が施されていてもよい。
ドライラミネート接着剤層としては、通常用いられるドライラミネート接着剤を使用することができるが、好ましくは2液硬化型接着剤が使用される。なかでも、ポリエステルウレタンポリオール/芳香族ポリイソシアネート系、ポリエーテルポリウレタン/エポキシ系、ポリエーテルウレタンポリオール/脂肪族ポリイソシアネート系、ポリエステル/脂肪族イソシアネート系、ポリエステル/芳香族イソシアネート系がより好ましく、ポリエステルウレタンポリオール/芳香族ポリイソシアネート系がさらに好ましい。また、包材フィルムを着色する目的で、ドライラミネート接着剤層に任意の顔料又は染料を適量加えることができる。
ドライラミネート接着剤層は、ドライラミネート接着剤の溶液を、基材フィルム層、あるいは熱融着樹脂層の面に、グラビアコート、ロールコート、ナイフコート、スプレイコート、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、その他の通常の印刷方式又はコーティング方式により、印刷又はコーティングし、しかる後印刷又はコーティング膜を乾燥することによって形成することができる。ドライラミネート接着剤層の厚みは、通常1.0g/m〜30g/mであり、好ましくは2.0g/m〜20g/mである。
熱融着樹脂層を構成する樹脂としては、熱によって溶融して相互に融着し得る樹脂を使用することができ、具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS系樹脂)、熱融着性のポリエチレンテレフタレート等の樹脂を使用することができる。本発明において最も好適に用いられる熱融着樹脂は、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂あるいはポリアクリルニトリル系樹脂である。上記のような樹脂のフィルムないしシート、あるいは上記のような樹脂を主成分とする樹脂組成物によるコーティング膜等によって、熱融着樹脂層を構成することができる。その厚さとしては、通常1μm〜50μmであるが、薬物を含有する貼付材に適用する場合は、好ましくは3μm〜40μmであり、更に好ましくは5μm〜30μmである。熱融着樹脂層の厚みが1μmよりも薄いと、ヒートシール性が悪くなってピンホールが発生しやすくなり、厚みが50μmよりも厚いと、貼付材中の薬物が熱融着樹脂層に移行・吸着する割合が増加する。
本発明における包材フィルムには、必要に応じて、中間基材層を設けることができる。中間基材層を構成する基材としては、例えば、水蒸気、水、ガス等を透過しない性質等を有する材料等を使用することができ、これは、単体の基材でもよく、あるいは二種以上の基材を組み合わせてなる複合基材等であってもよい。具体的には、例えば、水蒸気、ガス等に対するバリアー性を有する酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を有する樹脂のフィルム、あるいは、水蒸気、水等のバリアー性を有する低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等の樹脂のフィルムないしシート、更にまた、ガスバリアー性を有するポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物等の樹脂のフィルムないしシート、更にまた、アルミニウムの蒸着膜を有する樹脂のフィルムまたはアルミニウム箔等を使用することができる。これらの材料は、一種ないしそれ以上を組み合わせて使用することができる。上記のフィルムないしシートの厚さとしては、任意であるが、通常5μm〜300μmであり、好ましくは10μm〜100μmmである。また、上記において、無機酸化物の蒸着膜としては、厚さ100Å〜3000Åのものを使用することができる。更に、上記において、アルミニウムの蒸着膜としては、厚さ、100Å〜400Å位のものを使用することができる。また、上記の蒸着膜を支持する樹脂のフィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルム等を使用することができる。アルミニウム箔の厚さは、好ましくは3〜30μmであり、より好ましくは5〜10μmである。なお、中間基材層としてアルミニウムの蒸着フィルムやアルミニウム箔を有する包材フィルムを用いた貼付材包装体は、貼付材を外側から明瞭に識別することができず、従って包装状態での貼付材の検査が困難であり、さらに、フラットヒートシール部におけるピンホールの有無を目視検査あるいは画像検査により確認するのが困難となる。
本発明における包材フィルムは、包装された貼付材の外側からの識別やフラットヒートシール部におけるピンホールの有無の確認が容易となるという点から、透明であることが好ましい。さらに、光の透過率や屈折率の差によって包材フィルムのヒートシール部分とヒートシール処理されていない部分との見分けが明確になる(ヒートシール処理において、ヒートシール部分の形成状態が容易に目視でも判別できる)という点からも、包材フィルムが透明であることが好ましい。フラットヒートシール部は、他の部分よりも透明性が高く、従って、ピンホールが存在すること無くフラットシール部が形成されている場合は、切れ目無くフラットシール部が繋がっていると解釈することができる。更に、包装体をカメラで撮影して画像処理(二値化)することによって、ピンホールの有無を自動検査することが可能となる。
本発明における貼付材は、特に限定されるものではないが、好ましくは、皮膚或いは粘膜に貼付して、疾病の治療又は予防を行うことを目的とするものであり、より好ましくは、粘着剤層と、該粘着剤層の一方の面に積層された支持体と、該粘着剤層の他方の面に積層された剥離処理した離型ライナーとを有するものである。粘着剤層は、経皮吸収される薬物を含有していてもよい。
粘着剤層を構成する粘着剤としては、常態で粘着性を発揮するもの、湿潤条件下で粘着性を発揮するもの、加温下で粘着性を発揮するものなど、皮膚或いは粘膜に一定時間貼着され得るものを使用することができる。具体的には、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン、ポリ−N−ビニルアセトアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸塩、寒天、キサンタンガムなどを主体とした水溶性粘着基剤、架橋された水溶性高分子、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸エステルなどを主体とした水膨潤性粘着基剤、アクリル系重合体、ゴム系重合体、シリコーン系重合体、ビニルエーテル系重合体、ビニルエステル系重合体などを主体とした非水溶性粘着基剤を用いることができる。また、これらの粘着剤或いは粘着性基剤には、必要に応じて、粘着性をさらに向上させるために、粘着性付与剤(例えば、ロジン、変性ロジン、石油系樹脂、ポリテルペン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリブテン樹脂、液状ポリイソブチレン、グリセリンなど)、可塑剤(例えば、流動パラフィン、脂肪酸エステルなど)、吸収促進剤、界面活性剤、充填剤、水などの公知の添加剤が配合されてもよい。
粘着剤層の厚みは、通常10μm〜200μmであり、好ましくは15μm〜150μmである。
粘着剤層に含有され得る薬物は、この薬物が粘着剤または粘着性基剤に溶解状態、過飽和結晶析出状態もしくは分散状態で含有され、かつ粘着剤または粘着性基剤の粘着性が保持されるものであれば、特に制限されない。例えば、コルチコステロイド類、鎮痛消炎剤、催眠鎮静剤、精神安定剤、抗高血圧剤、降圧利尿剤、抗生物質、全身麻酔剤、抗菌剤、抗真菌剤、ビタミン剤、冠血管拡張剤、抗ヒスタミン剤、鎮咳剤、性ホルモン、抗欝剤、脳循環改善剤、制吐剤、抗腫瘍剤、生体医薬等が挙げられる。
粘着剤層中の薬物の含有量は、薬物種に応じて適宜設定することができるが、通常1重量%〜80重量%であり、好ましくは2重量%〜70重量%程度含有させる。含有量が1重量%に満たない場合は、治療や予防に有効な量の薬物放出が期待できず、また80重量%を越えると、接着性が低下して十分に貼着しなくなるために治療や予防効果に限界が生じるとともに経済的にも不利である。
支持体層としては、貼付時に著しい違和感がないものであれば、特に限定されない。具体的には、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸セルロース、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、アイオノマー樹脂などの合成樹脂からなる単独フィルム又はこれらのラミネートフィルム、あるいはゴム若しくは上記合成樹脂若しくはポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン等のポリアミド製の多孔性フィルム若しくはシート、不織布、織布又はこれらと上記合成樹脂フィルムとのラミネート物などが挙げられる。該支持体層の厚みは、通常1μm〜1000μmであり、好ましくは、上記単独フィルムまたはラミネートフィルムの場合、1μm〜100μmであり、上記多孔性フィルムまたはシート、不織布、織布及びこれらのフィルムラミネート物の場合、100μm〜1000μmである。なお、本発明における支持体層を構成する材料は、上記のような水不溶性の材料に限らず、無毒性であれば、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン、ポリ−N−ビニルアセトアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸塩、寒天、キサンタンガムなどの水溶性材料を用いてもよい。
本発明における貼付材は、粘着剤層が、製造中にいたずらに器具、容器などに接着すること、運搬または保存中にいたずらに包材フィルムに接着すること、および貼付材が劣化することを防止するために、皮膚面への貼付の直前までは粘着剤層の露出面を、離型ライナーにて被覆、保護することが望ましい。そして使用時にこれを剥離して、粘着剤層の面を露出させ、目的部位に貼付して投与する。離型ライナーとしては、使用時に粘着剤層から容易に剥離されるものであれば、特に限定されず、例えば、粘着剤層と接触する面に、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などを塗布することによって剥離処理が施された、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレートなどのフィルム、上質紙、グラシン紙などの紙、あるいは上質紙またはグラシン紙等とポリオレフィンとのラミネートフィルムなどが用いられる。該離型ライナーの厚みは、通常10μm〜200μmであり、好ましくは50μm〜100μmである。
本発明における貼付材の製造方法は、特に限定されず、例えば、薬物および粘着剤などを溶媒に溶解または分散させ、得られた溶液または分散液を支持体の片面に塗布し、乾燥して粘着剤層を支持体の表面に形成させ、その後、粘着剤層上に離型ライナーを積層する方法などが挙げられる。また、上記の溶液または分散液を保護用の離型ライナー上に塗布し、乾燥して離型ライナー上に粘着剤層を形成させ、その後、支持体を粘着剤層に接着させることによって製造することができる。
包装される貼付材の総厚みは、50μm〜2000μmであり、好ましくは100μm〜1000μmの範囲である。貼付材の厚みが50μmよりも薄いと、従来のヒートシール処理によってもピンホールの発生を抑制しつつ貼付材を包装することが可能であり、従って本発明による利点はそれほどなく、厚みが2000μmよりも厚いと、厚みによる包材フィルムの歪をフラットヒートシール部によって抑制することができなくなり、ピンホールが発生しやすくなる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
<実施例1>
包材フィルム:透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ:約12μm)/ポリアクリルニトリル系樹脂フィルム(品名:ハイトロンBX、タマポリ(株)社製、厚さ:約20μm)の積層フィルムを用いて、経皮吸収性薬物としてリドカインを含有する貼付材(厚み:680μm、大きさ:50×30.5mm)を、以下に示す条件でヒートシール処理を行って包装(密封)し、図1に示す形態の貼付材包装体を得た。
包装体の大きさ:50mm×70mmの長方形、フラットヒートシール部の帯幅:0.5mm、エンボスヒートシール部の帯幅:5mm、エンボスヒートシール部の凹凸パターン:0.6mmピッチのゴザ目、ヒートシール処理方法:四方シール包装機を用い、四方を同時に金型でヒートシール処理する合掌方式、ヒートシール処理温度:180℃、ヒートシール処理圧:0.9Mpa。
<実施例2>
包材フィルム:透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ:約16μm)/ポリエチレン系樹脂フィルム(厚さ:約40μm)の積層フィルム(カイト化学工業(株)社製)を用いて、経皮吸収性薬物として二硝酸イソソルビド(ISDN)を含有する貼付材(厚み:140μm、大きさ:63.5mm×63.5mm)を、以下に示す条件でヒートシール処理を行って包装し、図1に示す形態の貼付材包装体を得た。
包装体の大きさ:85mm×85mmの正方形、フラットヒートシール部の帯幅:1.0mm、エンボスヒートシール部の帯幅:7mm、エンボスヒートシール部の凹凸パターン:0.6mmピッチのゴザ目、ヒートシール処理方法:四方シール包装機を用い、四方を同時に金型でヒートシール処理する合掌方式、ヒートシール処理温度:140℃、ヒートシール処理圧:1.0Mpa。
<比較例1>
フラットヒートシール部を設けなかったこと、および回転方式によりヒートシール処理を行ったこと以外は、実施例1と同様にして貼付材包装体を得た。
<比較例2>
フラットヒートシール部を設けなかったこと、および回転方式によりヒートシール処理を行ったこと以外は、実施例2と同様にして貼付材包装体を得た。
<比較例3>
エンボスヒートシール部を設けなかったこと、およびフラットヒートシール部の帯幅を5.5mmとしたこと以外は、実施例1と同様にして貼付材包装体を得た。
<比較例4>
フラットヒートシール部を設けなかったこと以外は、実施例1と同様にして貼付材包装体を得た。
実施例1、2及び比較例1〜4で得られた貼付材包装体について、以下の試験を実施し、貼付材包装体の性能を比較検討した。その結果を以下の表1に示す。
(包装体のシール強度)
包装体のシール強度は、JIS Z0238「密封軟包装袋の試験方法」に規定する袋のヒートシール強さ試験法により測定した。
(ピンホールの確認)
包装体のヒートシール部分にピンホールが存在するかどうかの確認は、JIS Z0238「密封軟包装袋の試験方法」に規定する漏えい試験のA法により実施した。試験は、複数の包装体よりランダムに20個をとり、20個中でピンホールがあり試験液の浸潤が認められた包装体の個数を評価した。
(外観)
複数の包装体よりランダムに選択した20個について、包装体全体およびヒートシール部分の外観ならびにシワおよびピンホールの有無を、目視により確認した。20個中の外観不良の包装体の個数を評価した。
Figure 2012166849
表1の結果から、フラットヒートシール部を形成した実施例1および2の包装体では、目視による外観の観察によってピンホールが存在しないことが容易に確認でき、また漏えい試験によってもピンホールが存在しないことが確認された。
他方、比較例1の包装体は、目視による外観の観察によってシワやピンホールが存在することが確認でき、また漏えい試験によってもピンホールが存在することが確認された。比較例2の包装体は、目視による外観の観察では良好な結果が得られたが、漏えい試験では20個中3個に液漏れが観察され、ピンホールがあることが確認された。比較例3の包装体は、目視による外観の観察によってシワやピンホールが存在することが確認でき、また漏えい試験によってもピンホールが存在することが確認された。比較例4の包装体は、目視による外観の観察では良好な結果が得られたが、漏えい試験では20個中17個に液漏れが発生し、完全に密封されていないことが確認された。
1 貼付材包装体
2 貼付材
3 エンボスヒートシール部
4 フラットヒートシール部
5 ヒートシール部分
6 包材フィルム

Claims (1)

  1. エンボスヒートシール部とフラットヒートシール部とが、それぞれ貼付材の周囲を囲むパターンとして形成されている貼付材包装体の製造方法であって、
    該貼付材は、粘着剤層と、該粘着剤層の一方の面に積層された支持体と、該粘着剤層の他方の面に積層された剥離処理した離型ライナーとを有し、該粘着剤層は、経皮吸収される薬物を含有してなり、
    2枚の包材フィルムの同一面側が互いに合うようにして、該包材フィルム間に貼付材を上下方向から挟み、
    四方のヒートシール部分を同時に形成することができ、凹凸のない平坦なヒートシール処理面と凹凸を有するヒートシール処理面とを有するヒートブロック金型を加熱し、包材フィルムに押し当て、圧着してヒートシール処理し、エンボスヒートシール部とフラットヒートシール部とを同時に形成することを特徴とする製造方法。
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