JP2012166378A - インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 インク受容層を有する記録媒体の記録面を重ね合わせた場合に白もやの発生を抑制することができるインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置を提供すること。
【解決手段】 インクジェット方式の記録ヘッドからインクを吐出してインク受容層を有する記録媒体に画像を形成する画像形成工程を有するインクジェット記録方法であって、更に、前記画像を形成した記録媒体を乾燥させる乾燥工程を有し、前記画像形成工程で用いる前記インクが、有機概念図論における有機性値と無機性値の和が420以上である直鎖飽和脂肪族多価アルコールを含有するインクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
【選択図】 図2
【解決手段】 インクジェット方式の記録ヘッドからインクを吐出してインク受容層を有する記録媒体に画像を形成する画像形成工程を有するインクジェット記録方法であって、更に、前記画像を形成した記録媒体を乾燥させる乾燥工程を有し、前記画像形成工程で用いる前記インクが、有機概念図論における有機性値と無機性値の和が420以上である直鎖飽和脂肪族多価アルコールを含有するインクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
【選択図】 図2
Description
本発明はインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録方法により得られる画像の高画質化により、画像の出力形態が銀塩方式からインクジェット方式へと急激にシフトしている。このような状況のもとで、インクジェット記録方法には出力速度の高速化が強く求められている。これに伴い、インクの乾燥速度向上への要求も高まっており、その向上を図るための提案が数多くなされている。例えば、インクにより画像を形成した後、記録媒体を加熱ローラや赤外ヒータにより乾燥させることに関する提案がある(特許文献1及び2)。
また、吐出安定性などのインクの信頼性や普通紙におけるカール抑制などにおいても、出力速度の高速化に伴い、より厳しいレベルの性能を満足することが要求されるようになっている。そのような課題に対しては、インク中に多価アルコールを含有するインクが提案されている(特許文献3及び4)。特許文献3には、インク中に多価金属塩と炭素数4以上の糖アルコールから選択される物質を含有させることで、吐出安定性を改善できることが開示されている。特許文献4には、インク中に、炭素数が4以上でヒドロキシ基を3つ以上有する化合物、又は、炭素数が7以上でヒドロキシ基を2つ有する化合物を含有させることで、記録中及び記録後の記録媒体のカールを緩和、抑制できることが開示されている。
更に、近年では、記録物を製本し、アルバムなどの形態とした、いわゆるフォトブックが急速に普及している。そして、インクジェット記録方法により形成した画像を用いて、フォトブックを作製する機会も多くなってきている。
しかし、インクジェット記録方法による記録物の場合、記録面を内側にして記録媒体を折り曲げたり、また、複数の記録媒体の記録面が重なり合うようにしたりして、製本を行うと、以下に述べるような新たな課題が発生することが分かった。即ち、記録媒体のインク受容層の面が重なり合うような状態で記録物をしばらく保存すると、一方の記録媒体に、他方の画像の形状をした白いもや状のムラが生じた。以下、本明細書においては、このような状況で生じる現象を「白もや」と述べる。この白もやは、重なり合う2つの記録面の両方に画像が形成されている場合に特に顕著に確認される。しかし、重なり合う2つの記録面の少なくとも一方に画像が形成されていれば、他方の記録面における前記の画像と重なり合う領域には画像が形成されていない場合であってもわずかには確認される。
したがって、本発明の目的は、インク受容層を有する記録媒体の記録面を重ね合わせた場合に白もやの発生を抑制することができるインクジェット記録方法を提供することにある。また、本発明の別の目的は、上記の顕著な効果が得られるインクジェット記録装置を提供することにある。
しかし、インクジェット記録方法による記録物の場合、記録面を内側にして記録媒体を折り曲げたり、また、複数の記録媒体の記録面が重なり合うようにしたりして、製本を行うと、以下に述べるような新たな課題が発生することが分かった。即ち、記録媒体のインク受容層の面が重なり合うような状態で記録物をしばらく保存すると、一方の記録媒体に、他方の画像の形状をした白いもや状のムラが生じた。以下、本明細書においては、このような状況で生じる現象を「白もや」と述べる。この白もやは、重なり合う2つの記録面の両方に画像が形成されている場合に特に顕著に確認される。しかし、重なり合う2つの記録面の少なくとも一方に画像が形成されていれば、他方の記録面における前記の画像と重なり合う領域には画像が形成されていない場合であってもわずかには確認される。
したがって、本発明の目的は、インク受容層を有する記録媒体の記録面を重ね合わせた場合に白もやの発生を抑制することができるインクジェット記録方法を提供することにある。また、本発明の別の目的は、上記の顕著な効果が得られるインクジェット記録装置を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明にかかるインクジェット記録方法は、インクジェット方式の記録ヘッドからインクを吐出してインク受容層を有する記録媒体に画像を形成する画像形成工程を有するインクジェット記録方法であって、更に、前記画像を形成した記録媒体を乾燥させる乾燥工程を有し、前記インクが、有機概念図論における有機性値と無機性値の和が420以上である直鎖飽和脂肪族多価アルコールを含有することを特徴とする。
本発明によれば、インク受容層を有する記録媒体の記録面を重ね合わせた場合に白もやの発生を抑制することができるインクジェット記録方法を提供することができる。また、本発明の別の実施形態によれば、上記の顕著な効果が得られるインクジェット記録装置を提供することができる。
以下、好適な実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。本発明のインクジェット記録方法は、インクジェット方式の記録ヘッドからインクを吐出してインク受容層を有する記録媒体に画像を形成する画像形成工程を有するインクジェット記録方法であって、更に、前記画像を形成した記録媒体を乾燥させる乾燥工程を有し、前記インクが、有機概念図論における有機性値と無機性値の和が420以上である直鎖飽和脂肪族多価アルコールを含有することを特徴とする。
[白もやの発生メカニズム]
先ず、インク受容層を有する記録媒体の記録面を重ね合わせた場合に発生する白もやという現象について説明する。ここでは、理解を容易にするため、白もやが特に顕著に生じる場合を例に挙げる。図1(A)のように、ブラックの画像aが全体的に形成された記録媒体aの記録面a、ブラックの画像bが一部の領域に形成された記録媒体bの記録面bを重ね合わせ、しばらく放置する。すると、図1(B)のように、記録媒体aにおける画像aの領域内に、記録媒体bにおける画像bの形状をした白いもや状のムラが生じる。尚、図示しないが、図1(B)の記録媒体bにも、記録媒体aにおける画像aの形状をした白いもや状のムラが生じるが、記録媒体bの画像bが形成されていない領域であるので、白もやの程度は、記録媒体aにおける白もやと比べるとはるかに軽微である。
先ず、インク受容層を有する記録媒体の記録面を重ね合わせた場合に発生する白もやという現象について説明する。ここでは、理解を容易にするため、白もやが特に顕著に生じる場合を例に挙げる。図1(A)のように、ブラックの画像aが全体的に形成された記録媒体aの記録面a、ブラックの画像bが一部の領域に形成された記録媒体bの記録面bを重ね合わせ、しばらく放置する。すると、図1(B)のように、記録媒体aにおける画像aの領域内に、記録媒体bにおける画像bの形状をした白いもや状のムラが生じる。尚、図示しないが、図1(B)の記録媒体bにも、記録媒体aにおける画像aの形状をした白いもや状のムラが生じるが、記録媒体bの画像bが形成されていない領域であるので、白もやの程度は、記録媒体aにおける白もやと比べるとはるかに軽微である。
本発明者らは、上記で説明したような白もやが発生する原因を解析した。その結果、以下のようなメカニズムにより白もやが生じていることを突き止めた。インクジェット記録方法に用いるインクは一般に、色材の他に、液体成分(水や、水溶性有機化合物)などを含有する。インク受容層を有する記録媒体にこのインクを用いて画像を形成すると、インクに含まれていた液体成分は、画像形成後の記録媒体の表面上にインクが存在しなくなった時点でも蒸発し切らず、インク受容層の内部に僅かに残留する。その後、インク受容層の内部に残留していた液体成分は、時間の経過とともに徐々に蒸発していくが、液体成分が蒸発し終わるまでにはかなりの時間を要する。通常、画像形成後にフォトブックを作製するような場合、液体成分が残留している状態で記録媒体の記録面を重ね合わせることになる。
このとき、記録面が重ね合わせられているため、一方の記録媒体のインク受容層内部に残留している液体成分は、他方の記録媒体のインク受容層に移動する場合がある。この移動の程度や量は、インク受容層内部に存在する液体成分の量に依存する。したがって、記録媒体に形成された画像の領域において、インク種やその付与量が異なると、インク受容層中に残留する液体成分の量も不均一となるため、記録面を重ね合わせた場合、液体成分の移動量も不均一となる。その結果、記録媒体の領域によって、インク受容層内部に存在する液体成分の量が不均一となるため、インク受容層のヘイズ(にごり)が領域によって異なるようになり、これが白もやとして認識されるのである。尚、白もやが発生するような場合であっても、その領域には他方の画像の色は転写されていなかったため、色材の移動は生じないと言える。
このメカニズムに基づいて、先の具体例において生じている現象をより詳細に説明する。図1(A)の記録媒体bにおける、画像bが形成されていない領域のインク受容層にはインク由来の液体成分が存在しない。このため、記録面a及びbを重ね合わせても、上記領域では記録媒体bからaへの液体成分の移動は生じない。一方、図1(A)の記録媒体bにおける、画像bが形成された領域のインク受容層にはインク由来の液体成分が残留している。このため、記録面a及びbを重ね合わせると、記録媒体bからaへの液体成分の移動が生じ、記録媒体bの画像領域と非画像領域にそれぞれ対応する位置の記録媒体aにおける領域では、インク受容層内部に存在する液体成分の量が異なるようになる。その結果、インク受容層のヘイズも異なるようになるので、図1(B)のように、記録媒体aにおいて、記録媒体bにおける画像bの形状をした白もやが認識されるようになる。
[本発明に至った経緯]
そこで、本発明者らは、インク受容層の内部に残留する液体成分の量を減少させれば白もやの発生を抑制できると考え、特許文献1や2を参考に、画像を形成した後に、該画像を形成した記録媒体を乾燥させることを試みた。この手法により白もやの発生はある程度は抑制され、また、乾燥の際のエネルギー量を高めればその抑制の程度も高まる方向となることは分かったものの、相当量のエネルギーを与えても依然として不十分であった。
そこで、本発明者らは、インク受容層の内部に残留する液体成分の量を減少させれば白もやの発生を抑制できると考え、特許文献1や2を参考に、画像を形成した後に、該画像を形成した記録媒体を乾燥させることを試みた。この手法により白もやの発生はある程度は抑制され、また、乾燥の際のエネルギー量を高めればその抑制の程度も高まる方向となることは分かったものの、相当量のエネルギーを与えても依然として不十分であった。
本発明者らは、液体成分がインク受容層の内部に残留したとしても、記録媒体間での液体成分の移動を抑制し得る成分についての検討を行ったところ、樹脂などの高分子化合物を使用することで白もやの発生がやや抑制できることが分かった。しかし、このような高分子化合物を含有するインクは、吐出安定性が十分に得られない場合があった。
そこで、本発明者らはインクに使用する化合物に着目し、種々の水溶性有機化合物について、インクの吐出安定性を満足し、かつ、白もやの発生を低減し得る水溶性有機化合物について検討を行った。その結果、特許文献3に多価アルコールとして例示されているソルビトールをインクに含有させると、吐出安定性に優れ、かつ、白もやの発生をある程度抑制できることが分かった。そこで、ソルビトールと類似する構造の多価アルコール化合物について検討を行った。その結果、多価アルコール化合物の中でも、ソルビトールと同様に蒸気圧が低い直鎖飽和脂肪族多価アルコールをインクに含有させることにより、これまでに検討した手法の何れよりも白もやの発生を抑制できることが分かった。
本発明者らがインクジェット用のインクに使用可能な多種多様の成分の中から、蒸気圧が低い直鎖飽和脂肪族多価アルコールに着目したのは、以下の理由からである。上述の白もやの発生メカニズムでも記載した通り、白もやの発生は、インク受容層の内部に残留していた液体成分(水や、水溶性有機化合物)の蒸発と深い関わりがある。本発明者らの検討の結果、蒸発しにくい化合物、即ち、蒸気圧が低い化合物を用いると、白もやの発生をある程度抑制する効果が得られることが分かった。これは、蒸気圧が低い化合物を用いることで、一方の記録媒体のインク受容層内部に存在している液体成分の重ね合わされた記録媒体のインク受容層への移動が抑制されるからである、と考えられる。
ここで、化合物の蒸気圧は、その分子の分子間力に大きく影響を受ける。つまり、蒸気圧が低い化合物は、その分子の分子間力が大きい化合物である。この分子間力の大きさを表す指標として、本発明者らは有機概念図に基づく有機性値(OV)と無機性値(IV)に注目した。
有機概念図とは、種々の有機化合物について、炭素鎖間の共有結合の影響による「有機性値」と、置換基(官能基)の電気親和力の影響による「無機性値」を算出し、それをOV軸(横軸)とIV軸(縦軸)で作られる直交座標上にプロットしたものである。そして、有機概念図上においては、領域ごとに有機化合物の特性に様々な傾向が見られる。このことを利用して、逆に、ある有機化合物について、その構造から、有機性値及び無機性値をそれぞれ算出し、有機概念図上のどの領域に属するのかを調べることで、その特性を予測することができるものである。構造式から有機性値及び無機性値を算出する方法は以下の通りである。有機性値は、化合物の炭素数に20をかけた値である。一方、無機性値は、各置換基(官能基)について、固有の無機性値が付与されており、それらの合算値である。例えば、ヒドロキシ基の無機性値は、100である。各置換基の無機性値に関しては、「有機概念図−基礎と応用−」(甲田善生著、三共出版、1984年)に詳しい。そして、化合物の分子間力は、有機性値(OV)と無機性値(IV)の合計値と相関する。本発明者らが種々の化合物について検討したところ、有機性値と無機性値の和(OV+IV)が420以上である直鎖飽和脂肪族多価アルコールを含有するインクを用いて画像を形成すると、白もやの発生の抑制効果がある程度得られることが分かった。尚、有機概念図論における有機性値と無機性値の和が420以上である直鎖飽和脂肪族多価アルコールを、以下「特定の直鎖飽和脂肪族多価アルコール」という。
有機概念図とは、種々の有機化合物について、炭素鎖間の共有結合の影響による「有機性値」と、置換基(官能基)の電気親和力の影響による「無機性値」を算出し、それをOV軸(横軸)とIV軸(縦軸)で作られる直交座標上にプロットしたものである。そして、有機概念図上においては、領域ごとに有機化合物の特性に様々な傾向が見られる。このことを利用して、逆に、ある有機化合物について、その構造から、有機性値及び無機性値をそれぞれ算出し、有機概念図上のどの領域に属するのかを調べることで、その特性を予測することができるものである。構造式から有機性値及び無機性値を算出する方法は以下の通りである。有機性値は、化合物の炭素数に20をかけた値である。一方、無機性値は、各置換基(官能基)について、固有の無機性値が付与されており、それらの合算値である。例えば、ヒドロキシ基の無機性値は、100である。各置換基の無機性値に関しては、「有機概念図−基礎と応用−」(甲田善生著、三共出版、1984年)に詳しい。そして、化合物の分子間力は、有機性値(OV)と無機性値(IV)の合計値と相関する。本発明者らが種々の化合物について検討したところ、有機性値と無機性値の和(OV+IV)が420以上である直鎖飽和脂肪族多価アルコールを含有するインクを用いて画像を形成すると、白もやの発生の抑制効果がある程度得られることが分かった。尚、有機概念図論における有機性値と無機性値の和が420以上である直鎖飽和脂肪族多価アルコールを、以下「特定の直鎖飽和脂肪族多価アルコール」という。
しかし、前記特定の直鎖飽和脂肪族多価アルコールをインクに含有させることによって、これを使用しない場合と比較すると白もやの発生の抑制効果は大幅に改善されるが、抑制されているとは言えないレベルであった。
そこで、本発明者らは、乾燥工程を有するインクジェット記録方法を用いて、白もやの発生を確認したところ、乾燥工程を有するインクジェット記録方法を用いた場合の方が、乾燥工程を有さない記録方法を用いた場合と比べて、ある程度改善することが分かった。しかし、本発明者らの検討の結果、上記の特許文献1及び2のような乾燥工程を有する従来のインクジェット記録方法においても、白もやは発生してしまい、抑制されているとは言えないレベルであった。また、上記の特許文献3や特許文献4のようなインクを、乾燥工程を有するインクジェット記録方法に用いても、白もやは同様に発生した。
そこで、本発明者らは、乾燥工程を有するインクジェット記録方法を用いて、白もやの発生を確認したところ、乾燥工程を有するインクジェット記録方法を用いた場合の方が、乾燥工程を有さない記録方法を用いた場合と比べて、ある程度改善することが分かった。しかし、本発明者らの検討の結果、上記の特許文献1及び2のような乾燥工程を有する従来のインクジェット記録方法においても、白もやは発生してしまい、抑制されているとは言えないレベルであった。また、上記の特許文献3や特許文献4のようなインクを、乾燥工程を有するインクジェット記録方法に用いても、白もやは同様に発生した。
以上の結果を受け、本発明者らは前記特定の直鎖飽和脂肪族多価アルコールを含有するインクを用いて画像を形成した後に、前記画像を形成した記録媒体を乾燥させ、白もやの発生を確認した。その結果、前記特定の直鎖飽和脂肪族多価アルコールを含有しないインクを用いて画像を形成した記録媒体を乾燥させた場合、及び、前記特定の直鎖飽和脂肪族多価アルコールを含有するインクを用いて画像を形成し乾燥を行わなかった場合のそれぞれの結果から予想される程度をはるかに上回る、高いレベルの白もやの発生の抑制効果が得られた。この理由について、本発明者らは次のように推測している。
画像を形成した記録媒体を乾燥させることにより、インク受容層の内部に残留していた液体成分(水や、水溶性有機化合物)の蒸発が促進される。しかし、上述の通り、前記特定の直鎖飽和脂肪族多価アルコールは、蒸発しにくい化合物である。そのため、前記特定の直鎖飽和脂肪族多価アルコールを含有するインクを用いて画像を形成した記録媒体を乾燥させると、インク受容層の内部に残留していた液体成分のうち、前記特定の直鎖飽和脂肪族多価アルコール以外の成分の蒸発が促進される。即ち、水や、水溶性有機化合物の蒸発が促進される。その結果、インク受容層の内部には前記特定の直鎖飽和脂肪族多価アルコールが残存するが、上述の通り、蒸発がしにくい化合物であるため、重ね合わされた記録媒体のインク受容層への移動は起きにくく、白もやの発生は抑制される。このように、本発明の構成によれば、比較的蒸発がし易い成分は乾燥によって取り除かれ、蒸発しにくい成分のみがインク受容層の内部に残留する。そのため、重ね合わされた記録媒体のインク受容層へ移動する成分がごく微量となることで、高いレベルの白もやの発生の抑制効果が得られる。
[インクジェット記録方法]
(1)画像形成工程
本発明のインクジェット記録方法は、インクジェット方式の記録ヘッドからインクを吐出してインク受容層を有する記録媒体に画像を形成する画像形成工程を有する。この画像形成工程で使用するインクは、有機概念図論における有機性値と無機性値の和が420以上である直鎖飽和脂肪族多価アルコールを含有することを要する。インクの吐出方式は、インクに熱エネルギーや力学的エネルギーを作用させる方法が挙げられ、本発明においては、熱エネルギーの作用によりインクを吐出する方式を特に好ましく利用することができる。
(1)画像形成工程
本発明のインクジェット記録方法は、インクジェット方式の記録ヘッドからインクを吐出してインク受容層を有する記録媒体に画像を形成する画像形成工程を有する。この画像形成工程で使用するインクは、有機概念図論における有機性値と無機性値の和が420以上である直鎖飽和脂肪族多価アルコールを含有することを要する。インクの吐出方式は、インクに熱エネルギーや力学的エネルギーを作用させる方法が挙げられ、本発明においては、熱エネルギーの作用によりインクを吐出する方式を特に好ましく利用することができる。
<インク>
(有機概念図論における有機性値と無機性値の和が420以上である直鎖飽和脂肪族多価アルコール)
本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクは、有機概念図論における有機性値と無機性値の和が420以上である直鎖飽和脂肪族多価アルコールを含有する。本発明において、「直鎖飽和」とは、分岐構造や環状構造を有さない直鎖構造であり、更に、二重結合や三重結合を有さないことを意味する。また、「脂肪族多価アルコール」とは、ヒドロキシ基を2個以上有し、かつ、ヒドロキシ基以外の構造は炭素原子と水素原子のみから成る化合物であることを意味する。したがって、アルデヒド基を含むアルドースやケトン基を持つケトースなどの糖類は含まれない。本発明においては、前記特定の直鎖飽和脂肪族多価アルコールは、水溶性であることが好ましい。本発明において、水溶性とは水100gに対する溶解度が5質量%以上のものを意味する。
(有機概念図論における有機性値と無機性値の和が420以上である直鎖飽和脂肪族多価アルコール)
本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクは、有機概念図論における有機性値と無機性値の和が420以上である直鎖飽和脂肪族多価アルコールを含有する。本発明において、「直鎖飽和」とは、分岐構造や環状構造を有さない直鎖構造であり、更に、二重結合や三重結合を有さないことを意味する。また、「脂肪族多価アルコール」とは、ヒドロキシ基を2個以上有し、かつ、ヒドロキシ基以外の構造は炭素原子と水素原子のみから成る化合物であることを意味する。したがって、アルデヒド基を含むアルドースやケトン基を持つケトースなどの糖類は含まれない。本発明においては、前記特定の直鎖飽和脂肪族多価アルコールは、水溶性であることが好ましい。本発明において、水溶性とは水100gに対する溶解度が5質量%以上のものを意味する。
また、有機概念図論における有機性値と無機性値の和は、上述の通り、(炭素数)×20+(官能基固有の無機性値)で算出される。直鎖飽和脂肪族多価アルコールの場合は、ヒドロキシ基の無機性値が100であることから、(炭素数)×20+(ヒドロキシ基の数)×100で算出することができる。例えば、1,2,6−ヘキサントリオールの場合は、(炭素数:6)×20+(ヒドロキシ基の数:3)×100となり、有機性値と無機性値の和は420となる。この算出方法から明らかな通り、ヘキサントリオールであれば、炭素数とヒドロキシ基の数は一定であるから、ヒドロキシ基の置換する炭素の位置は、有機性値と無機性値の和の値に影響しない。即ち、1,2,6−ヘキサントリオール、1,3,6−ヘキサントリオール、1,4,6−ヘキサントリオール、1,2,7−ヘキサントリオール、1,3,7−ヘキサントリオール、1,4,7−ヘキサントリオールは、何れも有機性値と無機性値の和は420となる。本発明者らの検討の結果、以上のように計算した有機性値と無機性値の和の値が420以上となる直鎖飽和脂肪族多価アルコールであれば、何れも本発明の効果を奏することが分かった。具体的に、有機概念図論における有機性値と無機性値の和が420以上である直鎖飽和脂肪族多価アルコールとしては、ヘキサントリオール、ヘプタントリオール、ブタンテトラオール、ペンタンテトラオール、ヘキサンテトラオール、ヘプタンテトラオール、ヘキサンペンタオールなどのアルキルアルコール;キシリトール、ソルビトール、テトリトール、ペンチトール、ヘキシトール、ヘプチトール、オクチトールなどの糖アルコールが挙げられる。これらの中でも、ヘキサントリオール、ヘプタントリオール、キシリトール、ソルビトールから選択される少なくとも1種であることが好ましい。尚、上記の直鎖飽和脂肪族多価アルコールの例示において、ヒドロキシ基の置換する炭素の位置は省略している。
本発明においては、有機概念図論における有機性値と無機性値の和が740以下であることが好ましい。更には720以下であることがより好ましい。720より大きいと、化合物の分子量が大きく、インクの粘度が高くなり、吐出安定性が十分に得られない場合がある。
インク中の前記特定の直鎖飽和脂肪族多価アルコールの含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、5.0質量%以上25.0質量%以下であることが好ましい。5.0質量%未満の場合、前記特定の直鎖飽和脂肪族多価アルコールを含有することによる白もやの発生の抑制効果が十分に得られない場合がある。また、25.0質量%より大きいと、インクの粘度が高くなり、インクの吐出安定性が十分に得られない場合がある。
インク中の前記特定の直鎖飽和脂肪族多価アルコールの含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、5.0質量%以上25.0質量%以下であることが好ましい。5.0質量%未満の場合、前記特定の直鎖飽和脂肪族多価アルコールを含有することによる白もやの発生の抑制効果が十分に得られない場合がある。また、25.0質量%より大きいと、インクの粘度が高くなり、インクの吐出安定性が十分に得られない場合がある。
(水性媒体)
本発明のインクには、水、又は、前記特定の直鎖飽和脂肪族多価アルコール以外の水溶性有機化合物(以下、「その他の水溶性有機化合物」という)及び水の混合溶媒である水性媒体を用いることができる。尚、「その他の水溶性有機化合物」には、色材及び後述する添加剤は含まないものとする。前記特定の直鎖飽和脂肪族多価アルコールを含む、インク中の全ての水溶性有機化合物の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、2.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。また、その他の水溶性有機化合物のインク全質量を基準とした含有量(質量%)は、前記特定の直鎖飽和脂肪族多価アルコールのインク全質量を基準とした含有量(質量%)に対して、質量比率で0倍より大きく3.0倍以下であることが好ましい。3.0倍より大きいと、前記特定の直鎖飽和脂肪族多価アルコールを含有することによる白もやの発生の抑制効果が十分に得られない場合がある。その他の水溶性有機化合物としては、従来、インクジェット用のインクに一般的に用いられているものを何れも用いることができる。例えば、前記特定の直鎖飽和脂肪族多価アルコール以外のアルコール類、グリコール類、アルキレン基の炭素原子数が2乃至6のアルキレングリコール類、ポリエチレングリコール類、含窒素化合物類、含硫黄化合物類などが挙げられる。これらのその他の水溶性有機化合物は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。水は脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。
本発明のインクには、水、又は、前記特定の直鎖飽和脂肪族多価アルコール以外の水溶性有機化合物(以下、「その他の水溶性有機化合物」という)及び水の混合溶媒である水性媒体を用いることができる。尚、「その他の水溶性有機化合物」には、色材及び後述する添加剤は含まないものとする。前記特定の直鎖飽和脂肪族多価アルコールを含む、インク中の全ての水溶性有機化合物の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、2.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。また、その他の水溶性有機化合物のインク全質量を基準とした含有量(質量%)は、前記特定の直鎖飽和脂肪族多価アルコールのインク全質量を基準とした含有量(質量%)に対して、質量比率で0倍より大きく3.0倍以下であることが好ましい。3.0倍より大きいと、前記特定の直鎖飽和脂肪族多価アルコールを含有することによる白もやの発生の抑制効果が十分に得られない場合がある。その他の水溶性有機化合物としては、従来、インクジェット用のインクに一般的に用いられているものを何れも用いることができる。例えば、前記特定の直鎖飽和脂肪族多価アルコール以外のアルコール類、グリコール類、アルキレン基の炭素原子数が2乃至6のアルキレングリコール類、ポリエチレングリコール類、含窒素化合物類、含硫黄化合物類などが挙げられる。これらのその他の水溶性有機化合物は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。水は脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。
(色材)
本発明のインクは、更に色材を含有してもよい。用いられる色材としては、顔料及び染料が挙げられ、従来公知のものを何れも使用することができる。インク中の色材の含有量(質量%)としては、インク全質量を基準として、0.1質量%以上15.0質量%以下が好ましく、更には0.5質量%以上10.0質量%以下がより好ましい。
本発明においては、形成した画像の品位を銀塩写真に匹敵する高いレベルとすることが容易に達成されるため、色材として染料を用いることが特に好ましい。スルホン酸基やカルボキシ基などのアニオン性基があることで水溶性を有する染料を用いることが好ましく、具体的には、カラーインデックス(COLOUR INDEX)に記載された、酸性染料、直接染料、反応性染料などが挙げられる。また、カラーインデックスに記載のない染料であっても、スルホン酸基やカルボキシ基などのアニオン性基を少なくとも有する染料であれば、何れのものも使用することができる。
本発明のインクは、更に色材を含有してもよい。用いられる色材としては、顔料及び染料が挙げられ、従来公知のものを何れも使用することができる。インク中の色材の含有量(質量%)としては、インク全質量を基準として、0.1質量%以上15.0質量%以下が好ましく、更には0.5質量%以上10.0質量%以下がより好ましい。
本発明においては、形成した画像の品位を銀塩写真に匹敵する高いレベルとすることが容易に達成されるため、色材として染料を用いることが特に好ましい。スルホン酸基やカルボキシ基などのアニオン性基があることで水溶性を有する染料を用いることが好ましく、具体的には、カラーインデックス(COLOUR INDEX)に記載された、酸性染料、直接染料、反応性染料などが挙げられる。また、カラーインデックスに記載のない染料であっても、スルホン酸基やカルボキシ基などのアニオン性基を少なくとも有する染料であれば、何れのものも使用することができる。
(インクに使用可能な成分)
本発明のインクは、上記の成分以外にも必要に応じて、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンや、尿素、エチレン尿素などの尿素誘導体など、常温で固体の水溶性有機化合物を含有してもよい。尚、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンは、直鎖飽和脂肪族多価アルコールであるが、有機性値と無機性値の和は何れも420未満となり、本発明の前記特定の直鎖飽和脂肪族多価アルコールには該当しない。更に、本発明のインクは必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び樹脂などの種々の添加剤を含有してもよい。
本発明のインクは、上記の成分以外にも必要に応じて、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンや、尿素、エチレン尿素などの尿素誘導体など、常温で固体の水溶性有機化合物を含有してもよい。尚、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンは、直鎖飽和脂肪族多価アルコールであるが、有機性値と無機性値の和は何れも420未満となり、本発明の前記特定の直鎖飽和脂肪族多価アルコールには該当しない。更に、本発明のインクは必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び樹脂などの種々の添加剤を含有してもよい。
<記録媒体>
本発明で使用する記録媒体は、インク受容層を有するものであればよく、光沢ないしは半光沢の性状を有する表面を持つものが好ましい。具体的には、支持体の少なくとも一方の面に、シリカ、アルミナ又はその水和物などの顔料を主体とし、必要に応じてバインダやカチオン性ポリマーなどの添加剤を含んで構成されるインク受容層を有する記録媒体を用いることが好ましい。このような記録媒体は、顔料粒子で構成される多孔質構造の空隙によりインクを吸収するものであり、形成した画像が高品位なものとなるため好適である。
支持体としては、前記インク受容層を形成することが可能であって、かつ、インクジェット記録装置の搬送機構によって搬送可能な剛度を与えるものが好ましく、例えば、パルプや填料を含んで構成される紙などが挙げられる。また、支持体の少なくとも一方の面にポリオレフィンなどの樹脂層を設け、更にその上にインク受容層が形成されている記録媒体であってもよい。更に、支持体の両面にインク受容層を有する記録媒体を用いることもできる。
本発明で使用する記録媒体は、インク受容層を有するものであればよく、光沢ないしは半光沢の性状を有する表面を持つものが好ましい。具体的には、支持体の少なくとも一方の面に、シリカ、アルミナ又はその水和物などの顔料を主体とし、必要に応じてバインダやカチオン性ポリマーなどの添加剤を含んで構成されるインク受容層を有する記録媒体を用いることが好ましい。このような記録媒体は、顔料粒子で構成される多孔質構造の空隙によりインクを吸収するものであり、形成した画像が高品位なものとなるため好適である。
支持体としては、前記インク受容層を形成することが可能であって、かつ、インクジェット記録装置の搬送機構によって搬送可能な剛度を与えるものが好ましく、例えば、パルプや填料を含んで構成される紙などが挙げられる。また、支持体の少なくとも一方の面にポリオレフィンなどの樹脂層を設け、更にその上にインク受容層が形成されている記録媒体であってもよい。更に、支持体の両面にインク受容層を有する記録媒体を用いることもできる。
尚、本発明のインクジェット記録方法に用いる記録媒体は、所望のサイズに予めカットされたものであっても、また、ロール状に巻かれたシートを用い、画像形成後に所望のサイズにカットされるものであってもよい。
(2)乾燥工程
本発明のインクジェット記録方法は、画像を形成した記録媒体を乾燥する工程(乾燥工程)を有する。乾燥工程では記録媒体に付与された水や、水溶性有機化合物などのインク由来の液体成分を十分に蒸発させることができればよく、その方法としては、例えば、温風の吹き付けや、赤外線や紫外線の照射などが挙げられる。本発明においては、乾燥工程を、画像を形成した記録媒体に温度50℃以上の温風を2秒以上吹き付けることにより行うことが特に好ましい。これにより、インク受容層の内部に残留する液体成分が効率的に蒸発するため、乾燥工程を行った後に記録媒体のインク受容層の内部に残留する水がごく僅かとなるため、白もやの発生をより効果的に抑制することができる。温風の温度の上限は95℃以下、吹き付ける時間の上限は10秒以下であることが好ましい。
本発明のインクジェット記録方法は、画像を形成した記録媒体を乾燥する工程(乾燥工程)を有する。乾燥工程では記録媒体に付与された水や、水溶性有機化合物などのインク由来の液体成分を十分に蒸発させることができればよく、その方法としては、例えば、温風の吹き付けや、赤外線や紫外線の照射などが挙げられる。本発明においては、乾燥工程を、画像を形成した記録媒体に温度50℃以上の温風を2秒以上吹き付けることにより行うことが特に好ましい。これにより、インク受容層の内部に残留する液体成分が効率的に蒸発するため、乾燥工程を行った後に記録媒体のインク受容層の内部に残留する水がごく僅かとなるため、白もやの発生をより効果的に抑制することができる。温風の温度の上限は95℃以下、吹き付ける時間の上限は10秒以下であることが好ましい。
[インクジェット記録装置]
本発明のインクジェット記録装置は、インクを収容するためのインク収容部、インクェジット方式の記録ヘッドからインクを吐出してインク受容層を有する記録媒体に画像を形成するための画像形成部を有する。更に、前記画像を形成した記録媒体を乾燥させるための手段を有し、前記インク収容部に収容されるインクが上記で説明したものであることを特徴とする。
本発明のインクジェット記録装置は、インクを収容するためのインク収容部、インクェジット方式の記録ヘッドからインクを吐出してインク受容層を有する記録媒体に画像を形成するための画像形成部を有する。更に、前記画像を形成した記録媒体を乾燥させるための手段を有し、前記インク収容部に収容されるインクが上記で説明したものであることを特徴とする。
以下、本発明のインクジェット記録装置の構成を説明する。図2は本発明のインクジェット記録方法を行うためのインクジェット記録装置の全体構成の一例を示す断面図である。記録装置は、記録媒体の搬送方向の上流側から下流側に沿って、給紙部3、画像形成部1、カッタ部4、乾燥部5、インク収容部6、制御部7、排紙部8を備える。給紙部3は、ロール状に巻かれた記録媒体2を回転可能に保持する。画像形成部1は、異なるインク色にそれぞれ対応した複数の記録ヘッド1aを備える。ここでは、4種のインクに対応した4つの記録ヘッドを備えた形態としているが、インク数はこれには限定されない。各インクはインク収容部6からそれぞれインクチューブ(不図示)を介して記録ヘッド1aに供給される。複数の記録ヘッド1aのそれぞれは、使用が想定される記録媒体の最大幅をカバーする範囲で、インクジェット方式のノズル列が形成されたライン型の記録ヘッドである。
画像形成部1には記録ヘッド1aに対向して記録媒体搬送路が横切っており、記録媒体搬送路に沿って記録媒体を搬送するための搬送機構が設けられている。複数の記録ヘッド1a及び搬送機構は筐体1bの中の略閉空間に収容されている。カッタ部4は、画像形成部1で画像が形成された、ロール紙状の記録媒体を所定のサイズにカットするためのユニットであり、カッタ機構が設けられている。乾燥部5は、カットされた記録媒体を短時間で乾燥させるためのユニットであり、気体を加熱するヒータと加熱された気体の流れを発生させるファンで構成される温風装置(不図示)、記録媒体の搬送経路に沿って並べられた複数の搬送ローラが設けられている。排紙部8は、乾燥部5から排出されたカット済みの記録媒体を収容するもので、複数の記録媒体が積み重ねられていく。制御部7は、記録装置全体の各種制御や駆動を司るコントローラである。
尚、インクジェット記録装置が設置される周囲の環境によっては、上述の乾燥工程により設定されるような温度の条件になる場合もある。しかし、外部環境の温度は常に変動しているため、定常的に所望の温度条件を満たしているとは限らない。したがって、本発明で設定するような温度条件にするために乾燥工程を行うことは、本発明の効果を安定して得るうえで有効であることに変わりはない。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。尚、以下の実施例の記載において、「部」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
<インクの調製>
下記表1に示す各成分(単位:質量%)を混合し、十分撹拌して溶解させた後、ポアサイズが0.2μmであるフィルターにて加圧ろ過を行い、各インクを調製した。尚、アセチレノールE100は川研ファインケミカル製のノニオン性界面活性剤である。更に、インクの調製に用いた水溶性有機化合物の、有機概念図論における有機性値と無機性値の和を表2に示した。
下記表1に示す各成分(単位:質量%)を混合し、十分撹拌して溶解させた後、ポアサイズが0.2μmであるフィルターにて加圧ろ過を行い、各インクを調製した。尚、アセチレノールE100は川研ファインケミカル製のノニオン性界面活性剤である。更に、インクの調製に用いた水溶性有機化合物の、有機概念図論における有機性値と無機性値の和を表2に示した。
<評価>
本発明においては下記の各評価項目の評価基準において、A及びBを好ましいレベルとし、Cを許容できないレベルとした。
本発明においては下記の各評価項目の評価基準において、A及びBを好ましいレベルとし、Cを許容できないレベルとした。
(白もやの抑制)
上記で得られた各インクをインクカートリッジに充填し、図2に示す構成のインクジェット記録装置に装着した。そして、インク受容層を有する記録媒体(商品名:キヤノン写真用紙・光沢 ゴールドGL−101;キヤノン製)に、記録デューティを100%として、図1(A)の2種類の画像a及びbを形成した。比較例1の画像以外は、画像の形成に続いて、表3に示す温度及び時間の条件で、温風を吹き付け、画像を形成した記録媒体を乾燥させた。その後、画像a及びbを温度23℃、相対湿度55%の環境に30分間放置した後、記録面a及びbを重ね合わせ、その上に記録媒体と同等の大きさで面圧13kg/m2の錘を載せて、24時間放置して、評価サンプルを得た。尚、記録条件は、温度:23℃、相対湿度:50%、記録密度:2,400dpi×1,200dpi、1滴あたりの吐出量:2.8pLとした。本実施例においては、上記インクジェット記録装置を用いて、解像度600dpi×600dpiで1/600インチ×1/600インチの単位領域に2.8pLの体積のインクを8滴付与する条件を、記録デューティが100%であると定義した。
上記で得られた各インクをインクカートリッジに充填し、図2に示す構成のインクジェット記録装置に装着した。そして、インク受容層を有する記録媒体(商品名:キヤノン写真用紙・光沢 ゴールドGL−101;キヤノン製)に、記録デューティを100%として、図1(A)の2種類の画像a及びbを形成した。比較例1の画像以外は、画像の形成に続いて、表3に示す温度及び時間の条件で、温風を吹き付け、画像を形成した記録媒体を乾燥させた。その後、画像a及びbを温度23℃、相対湿度55%の環境に30分間放置した後、記録面a及びbを重ね合わせ、その上に記録媒体と同等の大きさで面圧13kg/m2の錘を載せて、24時間放置して、評価サンプルを得た。尚、記録条件は、温度:23℃、相対湿度:50%、記録密度:2,400dpi×1,200dpi、1滴あたりの吐出量:2.8pLとした。本実施例においては、上記インクジェット記録装置を用いて、解像度600dpi×600dpiで1/600インチ×1/600インチの単位領域に2.8pLの体積のインクを8滴付与する条件を、記録デューティが100%であると定義した。
上記で得られた評価サンプルについて、重ね合わせた後の記録媒体bの画像領域と非画像領域にそれぞれ対応する位置の記録媒体aにおける領域をそれぞれ領域1及び2とした。そして、領域1及び2について、分光光度計(Spectrolino;GretagMacbeth製)を用い、光源:D50、視野角:2°の条件にてL*、a*、b*を測定した。領域1におけるL1 *、a1 *、b1 *と、領域2におけるL2 *、a2 *、b2 *から、ΔE={(L1 *−L2 *)2+(a1 *−a2 *)2+(b1 *−b2 *)2}1/2の式に基づいて算出したΔEの値から白もやの抑制の評価を行った。評価基準は以下の通りである。結果を表3に示す。
A:ΔE≦0.3であり、目視で白もやは確認できなかった
B:0.3<ΔE≦0.6であり、目視で白もやは若干であるが確認された
C:0.6<ΔEであり、目視で白もやがはっきり確認された。
B:0.3<ΔE≦0.6であり、目視で白もやは若干であるが確認された
C:0.6<ΔEであり、目視で白もやがはっきり確認された。
(乾燥による白もやの低減率)
比較例1以外の上記評価サンプル(乾燥を行った場合)についてのΔEの値をΔE1、また、乾燥を行わないこと以外は同様にして評価サンプルを作製し、得られた画像についての上記と同様にして算出したΔEの値をΔE2とした。そして、低減率(%)=(ΔE2−ΔE1)/ΔE2×100の式に基づいて算出した低減率(%)の値から、乾燥による白もやの低減率の評価を行った。評価基準は以下の通りである。結果を表3に示す。
比較例1以外の上記評価サンプル(乾燥を行った場合)についてのΔEの値をΔE1、また、乾燥を行わないこと以外は同様にして評価サンプルを作製し、得られた画像についての上記と同様にして算出したΔEの値をΔE2とした。そして、低減率(%)=(ΔE2−ΔE1)/ΔE2×100の式に基づいて算出した低減率(%)の値から、乾燥による白もやの低減率の評価を行った。評価基準は以下の通りである。結果を表3に示す。
A:低減率が60%以上であった
B:低減率が40%以上60%未満であった
C:低減率が40%未満であった。
B:低減率が40%以上60%未満であった
C:低減率が40%未満であった。
尚、実施例1、11、14及び15の(白もやの抑制)の評価結果は何れもAランクであったが、他の同じAランクの実施例と比較するとやや劣っていた。また、実施例14及び15の(乾燥による白もやの低減率)の評価結果は何れもAランクであったが、他の同じAランクの実施例と比較するとやや劣っていた。
(インクの吐出安定性)
上記で得られた各インクをインクカートリッジに充填し、図2に示す構成のインクジェット記録装置に装着し、GL−101(キヤノン製)に記録デューティが100%のベタ画像を1000枚連続で記録した。その後、上記インクジェット記録装置(PIXUS iP8600)のノズルチェックパターンを1枚記録した。このときのノズルチェックパターンを目視で観察することにより、インクの吐出安定性を評価した。その結果、実施例5と実施例9において、ノズルチェックパターンの一部に許容できるレベルのヨレが見られたが、その他の実施例については、ヨレはなく、正常に記録されていた。
上記で得られた各インクをインクカートリッジに充填し、図2に示す構成のインクジェット記録装置に装着し、GL−101(キヤノン製)に記録デューティが100%のベタ画像を1000枚連続で記録した。その後、上記インクジェット記録装置(PIXUS iP8600)のノズルチェックパターンを1枚記録した。このときのノズルチェックパターンを目視で観察することにより、インクの吐出安定性を評価した。その結果、実施例5と実施例9において、ノズルチェックパターンの一部に許容できるレベルのヨレが見られたが、その他の実施例については、ヨレはなく、正常に記録されていた。
Claims (6)
- インクジェット方式の記録ヘッドからインクを吐出してインク受容層を有する記録媒体に画像を形成する画像形成工程を有するインクジェット記録方法であって、
更に、前記画像を形成した記録媒体を乾燥させる乾燥工程を有し、
前記画像形成工程で用いる前記インクが、有機概念図論における有機性値と無機性値の和が420以上である直鎖飽和脂肪族多価アルコールを含有するインクであることを特徴とするインクジェット記録方法。 - 前記インク中の前記直鎖飽和脂肪族多価アルコールの含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、5.0質量%以上25.0質量%以下である請求項1に記載のインクジェット記録方法。
- 前記直鎖飽和脂肪族多価アルコールの前記有機概念図論における有機性値と無機性値の和が720以下である請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
- 前記直鎖飽和脂肪族多価アルコールが、ヘキサントリオール、ヘプタントリオール、キシリトール、ソルビトールから選択される少なくとも1種である請求項1乃至3の何れか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記乾燥工程が、前記画像を形成した記録媒体に温度50℃以上の温風を2秒以上吹き付けることで行われる請求項1乃至4の何れか1項に記載のインクジェット記録方法。
- インクを収容するためのインク収容部、インクェジット方式の記録ヘッドからインクを吐出してインク受容層を有する記録媒体に画像を形成するための画像形成部を有するインクジェット記録装置であって、
更に、前記画像を形成した記録媒体を乾燥させるための手段を有し、
前記インク収容部に収容されたインクが、有機概念図論における有機性値と無機性値の和が420以上である直鎖飽和脂肪族多価アルコールを含有することを特徴とするインクジェット記録装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2011027321A JP2012166378A (ja) | 2011-02-10 | 2011-02-10 | インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 |
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Citations (6)
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-
2011
- 2011-02-10 JP JP2011027321A patent/JP2012166378A/ja active Pending
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