JP2012163831A - 超広角レンズおよびこれを搭載した撮像装置 - Google Patents

超広角レンズおよびこれを搭載した撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】全画角が110度以上と広角で、概ね400nmの短波長領域から800nm以上の赤外線領域に亘る波長領域での高精細な撮像を可能とし得る超広角レンズを提供する。
【解決手段】 撮影半画角が55度以上に設定され、物体側から順に、負メニスカスレンズを含んだ第1レンズ群G1、開口絞り、接合レンズ及び正レンズを含んで正の屈折力を有した第2レンズ群G2を備えるとともに、第2レンズ群G2中に複層型回折光学面Gfを有し、かつ使用波長域の短波長端が450nm以下、使用波長域の長波長端が800nm以上とされ、赤外のアッベ数νIRが以下の条件式(1)を満たすように構成されている。
νIR < −60 (1)
ただし、νIR=使用波長がd線における焦点距離fd /( 短波長端での焦点距離fs− 長波長端での焦点距離fL)
【選択図】図1

Description

本発明は、CCD等の固体撮像素子を用いた電子画像用の超広角レンズおよびこれを搭載した撮像装置に関し、特に、全画角が110度以上で、概ね400nmの短波長域から800nm以上の赤外線領域に至る広範な波長領域に亘って高精細な画像を撮像し得る、監視用カメラ等として好適な超広角レンズおよび撮像装置に関する。
一般に超広角レンズは、色収差(軸上、倍率)の補正が難しく、特に赤外域において十分に色収差を補正することが難しいことから、可視域での使用に止まっていた(下記特許文献1を参照)。
特開2006−301222号公報
上記公報に開示された比較的画角の広い広角レンズにおいては、可視域を超えた赤外域においては、色収差(特に軸上色収差)の補正が不充分となって、暗視用レンズや監視用レンズに用いるには結像性能が不足していた。
ところで、最近の素子技術の発展に伴って可視域/赤外域を同時に撮像する撮像素子などが出現しているが、上記公報記載の広角レンズをこのような撮像素子を用いて可視域と赤外域を同時に撮像するようにした電子画像用カメラ等に搭載される撮像レンズとして用いるとピントずれ等の問題が生じ、適用が難しかった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、全画角が110度以上と広角で、概ね400nmの短波長領域から800nm以上の赤外線領域に亘る波長領域での高精細な撮像を可能とし得る超広角レンズおよびこれを用いた撮像レンズを提供することを目的とする。
本発明を例示する超広角レンズの一態様は、
撮影半画角が55度以上に設定され、物体側から順に、少なくとも負メニスカスレンズを含んだ第1レンズ群、開口絞り、少なくとも接合レンズ及び正レンズを含んで正の屈折力を有した第2レンズ群を備えるとともに、少なくとも前記第2レンズ群中の少なくとも1つのレンズ面に積層されてなる格子構造による複層型回折光学面を有し、かつ使用波長域の短波長端が450nm以下、使用波長域の長波長端が800nm以上とされ、赤外のアッベ数νIRが以下の条件式(1)を満たすように構成されていることを特徴とするものである。
νIR < −60 (1)
ただし、前記赤外のアッベ数νIRは、以下のごとく定義される。
νIR=使用波長がd線における焦点距離fd /( 短波長端での焦点距離fs− 長波長端での焦点距離fL)
また、本発明を例示する撮像装置の一態様は、上記超広角レンズと、この超広角レンズにより結像された被写体像を撮像する撮像手段を備えていることを特徴とするものである。
なお、上述した「複層型」は積層型とも称され、2つ以上の層を重畳して形成したものであり、各層間にはスペースを設けず、互いに密着されたものを意味するものとする。
以上のごとく構成された本発明の超広角レンズおよび撮像装置によれば、全画角が110度以上と広角で、概ね400nmの短波長領域から800nm以上の赤外線領域に亘る波長領域での高精細な撮像を可能とし得る超広角レンズおよびこれを用いた撮像レンズを提供することができる。
本発明の第1実施例に係る超広角レンズのレンズ構成を示す図である。 上記第1実施例に係る超広角レンズの無限遠合焦状態での諸収差図(球面収差、像面湾曲、ディストーションおよび倍率色収差)である。 上記第1実施例に係る超広角レンズの無限遠合焦状態でのコマ収差を示す収差図である。 本発明の第2実施例に係る超広角レンズのレンズ構成を示す図である。 上記第2実施例に係る超広角レンズの無限遠合焦状態での諸収差図(球面収差、像面湾曲、ディストーションおよび倍率色収差)である。 上記第2実施例に係る超広角レンズの無限遠合焦状態でのコマ収差を示す収差図である。 複層型回折光学素子の断面の一例を示す概略図であり、(a)は従来技術に係る分離複層型の回折光学素子の断面の一例を示す概略図、(b)は本実施形態に係る分離複層型の回折光学素子の断面の一例を示す概略図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1に示す本実施形態に係る超広角レンズ(実施例1のものを代表させて示している)100では、物体側から順に、少なくとも負メニスカスレンズを含んで負の屈折力を有した第1レンズ群G1、開口絞りS、少なくとも接合レンズ及び正レンズを含んで正の屈折力を有した第2レンズ群G2を備えており、いわゆるレトロフォーカスタイプの(バックフォーカスが焦点距離fよりも長いタイプの)撮像レンズとして構成されている。このため光学系全体の焦点距離と比較して十分な長さのバックフォーカスが確保でき、像面Iとの間にフィルター(ローパスフィルタ、所定波長以上の赤外線カットフィルター等)やプリズム(色分解プリズム等)等の光学部材を配置し得るようになっている。このため本超広角レンズ100は例えばCCDを撮像素子101とする電子画像機器等に用いるのに好適である。
ここで、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間に開口絞りSが設けられているのは、像面Iに対して十分に射出瞳を遠くするためである。本超広角レンズ100と像面Iとの間に色分解プリズムやダイクロイックミラー等の色分解光学系が設置される場合には、画面の上部に至る光束および画面の下部に至る光束が、ダイクロイックミラー等となす角度が互いに大きく異なってしまい、画面の上下で色ムラが生じてしまう。これに対して、本超広角レンズ100のように像面Iに対して十分に射出瞳を遠くする構成とすれば、このような色ムラを防ぐことができる。
また、第2レンズ群G2は接合レンズを有しているため、本超広角レンズ100のように広画角なレンズ系で問題となる倍率色収差を良好に補正できるようになっている。
また、本実施形態に係る超広角レンズ100においては、第2レンズ群G2中のいずれかのレンズ面に回折光学面が設けられている。
ところで、一般に、光線を曲げる手法としては屈折や反射を利用する方法が知られているが、第3番目として回折を利用する手法がある。回折光学面とは、このように、光に対して回折作用を施す光学面であり、回折光学素子とは、このような回折光学面を備えた光学素子をいい、その種類としては、従来から知られているように回折格子やフレネルゾーンプレートなどがある。このような回折光学素子により回折作用を施された光は、屈折や反射とは異なる振る舞いを示すことが知られており、その具体例としては、屈折や反射では正の分散値を有するのに対して、負の分散値を有することが挙げられる。この性質は色収差補正に極めて有効であり、高価な特殊低分散ガラスでしか達し得ない(通常のガラスでは達し得ない)良好な色収差補正が可能となる。本発明では、この性質を赤外域まで広げた波長帯域での色消しに適用している。
しかし、このような回折光学面を有する単層型の回折光学素子では、設計波長からずれた波長域の光によりフレアが発生し、画質・結像性能を損ねてしまう問題があり、その使用態様はレーザー光源などの単一波長や狭い波長域での使用に限られていた。このため、近年、上述した、複層型回折光学素子が提案されている。このタイプの回折光学素子は、例えば、鋸歯状に形成された回折光学面(レリーフパターン)を有し、異なる屈折率及び分散を有した複数の光学素子要素を分離あるいは密着させた形で積層させてなるものであり、所望の広波長域(例えば、可視光領域)のほぼ全域で高い回折効率が保たれる。すなわち、回折効率の波長特性が良好であるという特徴を有している。
複層型の回折光学素子の構造について説明すると、一般に、図7(a),(b)に示すように、第1の材質からなる第1光学素子要素111と、これとは屈折率や分散値が異なる第2の材質からなる第2光学素子要素112とから構成され、それぞれの光学素子要素の対向し合う面には鋸歯状の回折格子111a,112aが形成されている。そして、特定の2波長に対して色消し条件を満足させるように、第1光学素子要素111の格子高さ(溝の高さ)h1を所定の値に決定し、第2光学素子要素112の格子高さh2を別の所定の値に決定する。これにより、特定の2波長に対しては回折効率が1.0となり、その他の波長に対してもかなり高い回折効率を得ることができるようになる。このように、回折光学素子を複層型にすることで、回折光学素子をほぼ全波長に対して適用することができるようになる。なお、回折効率(一次回折光の回折効率:本実施形態においては一次回折光を用いている)とは、透過型の回折光学素子において、該回折光学素子に入射する光の強度I0と、回折光学素子を透過した光に含まれる一次回折光の強度I1との割合η(=I1/I0)として定義される。
また、所定条件を満たすことにより、図7(b)に示すように、第1光学素子要素111の格子高さh1と、第2光学素子要素112の格子高さh2とを一致させた、本実施形態に係る、いわゆる密着複層型の回折光学素子を達成することが可能となる。この密着複層型の回折光学素子では、図7(a)に示す従来技術に係る分離複層型に比べ、格子高さの誤差感度(公差)が緩くなったり、格子面の面粗さの誤差感度(公差)が緩くなったりする等、製造し易くなるメリットがあり、生産性に優れ、量産性が高く、光学製品のコストダウンに好都合であるという利点を有している。
そこで、本実施形態に係る超広角レンズ100では、このような密着複層型回折光学素子の性質を利用して、小型化及び結像性能、特に、短波長可視域から赤外域に至る広範囲での色収差補正の向上、および製造精度の緩和による製造コストの低減を図っている。
また、本実施形態に係る超広角レンズ100においては、下記条件式(1)を満足する。下記条件式(1)は「赤外のアッベ数νIR」の適正なる範囲を示す。この場合において、少なくとも前記第2レンズ群G2中のいずれかのレンズ面に、複数(通常は2つ)の回折素子要素が積層されてなる複層型回折光学素子を有するものとし、使用波長域の短波長端が450nm以下、使用波長域の長波長端が800nm以上とされるものとする。
ただし、νIRは、d線における焦点距離fd / (短波長端での焦点距離fs−長波長端での焦点距離fL)との式により定義される。
なお、νIRは光学系全体の色消し状態を示すものであり、換言すれば、光学系の色消しの能力を示しているともいえる。
νIR < −60 (1)
条件式(1)の上限を上回ると、色消し状態が不十分で実用的ではない領域でしか利用できないものとなってしまう。また、回折光学素子が十分に機能していないことになり、本発明が目的とする、赤外域を含めた広い波長帯域での良好な色消しが達成できないことになる。
また、第2レンズ群G2中の少なくとも1つのレンズ面に積層されてなる格子構造による複層型回折光学面を設けており、これにより可視域から赤外域に亘る広い波長領域で軸上色収差の補正を良好に行うことができるとともに、構成レンズ枚数を少なくしてレンズ系全体の軽量化を図ることができる。
さらに、赤外域におけるアッベ数νIRが上記条件式(1)を満足する構成とされているので、レンズ系全体の大型化を防止して赤外域を含めた広い波長範囲の全域で良好な結像性能を発揮させることができる。
また、一般のCCDはs線付近まで感度を持っているので、上述した使用波長域の最も短波長光の波長λsとしてはg線を選択し、最も長波長光の波長λLとしてはs線を選択することが好ましい。さらに、特殊のCCDの場合には、t線付近まで感度を持っているものがあるので、このようなときには、上述した使用波長域の最も短波長光の波長λsとしてg線を選択し、最も長波長光の波長λLとしてt線を選択することが好ましい。
なお、条件式(1)を満足させることによる効果を、より良好に発揮させるためには上記条件式(1)に替えて、上限値を−80とした下記条件式(1´)を満足することが好ましい。
νIR < −80 (1´)
また、本実施形態においては、d線、s線における格子界面の屈折率差をΔNd、ΔNsとしたとき、前記積層されてなる格子構造による回折面が、下記条件式(2)を満たす。
下記条件式(2)は隣接する媒質の界面に形成された格子による回折光学面の、d線、s線におけるその界面の屈折率差ΔNd、ΔNsの平均値の適切なる範囲を規定する。
0.005 < (ΔNd+ΔNs)/2 < 0.45 (2)
前記格子を形成する光学部材は、相対的に高屈折率と低屈折率の両光学材料からなることが必要であり、いずれが物体側に位置していてもよい。ただし、その界面において相対的に、一方が高屈折率、他方が低屈折率となる材料の組合せを選ぶ必要があり、これは密着型を構成する場合に重要な必須要件となる。特に、赤外域まで使用する場合は使用波長域の両端での屈折率を考慮しなくてはならない。
条件式(2)の上限を上回ると、屈折率差(の平均値)が大きくなり過ぎてしまい、格子の製造誤差感度が大きくなり過ぎるという不都合が生じる。一方、条件式(2)の下限を下回ると、格子高さが大きくなり過ぎてしまい、製造上不利となるばかりか、段差部分により光の進行に対する影が生じてしまい、ブレーズ光による回折効率の低下と段差部分に照射された光の散乱や反射による迷光の増大が起きることから、画質を損ねる原因となってしまう。
なお、製造上の誤差感度を低下させるために、上記条件式(2)に替えて、上限値を0.20とした下記条件式(2´)を満足することが好ましい。
0.005 < (ΔNd+ΔNs)/2 < 0.20 (2´)
なお、条件式(2)を満足させることによる効果を十分に発揮させるためには上記条件式(2)に替えて、下限値を0.10とした下記条件式(2´´)を満足することが好ましい。
0.10 < (ΔNd+ΔNs)/2 < 0.45 (2´´)
さらに、このような観点から、上限値を0.20とし、下限値を0.10とする範囲となるように設定することがより好ましい。
また、本実施形態においては、主波長(d線587.6nm)の回折効率設計値をEdとし、この主波長に対する、短波長(g線435.8nm)および長波長(C線656.3nm)での回折効率設計値をそれぞれEgおよびECとしたとき、下記条件式(3)を満たす。なお、回折効率計算はスカラー計算で行っている。
0.8 < (Eg+EC)/(2×Ed) (3)
上記条件式(3)は広帯域化した際の回折効率のバランスの適切なる範囲を規定するものである。条件式(3)の下限を下回ると、短波長、長波長のいずれかで回折効率が低下してしまい、回折フレアが大きくなり画質を損ねてしまう。
なお、条件式(3)を満足させることによる効果を十分に発揮させるためには上記条件式(3)に替えて、下限値を0.95とした下記条件式(3´)を満足することが好ましい。
0.95 < (Eg+EC)/(2×Ed) (3´)
また、本実施形態においては、高屈折率低分散の材料と低屈折率高分散の材料との主分散(NF、NC)の差をΔ(NF−NC)としたとき、下記条件式(4)を満たす。
−20.0 < ΔNd/Δ(NF−NC) < −2.0 (4)
上記条件式(4)は、上記高屈折率低分散の材料と低屈折率高分散の材料との間で適切なる屈折率と分散の配分を示す。この条件は、広い波長帯域の全域に亘り、十分に高い回折効率を得るために必須の要件である。この条件式(4)の範囲を外れると、十分に高い回折効率を得ることが困難となる。
なお、条件式(4)を満足させることによる効果を十分に発揮させるためには上記条件式(4)に替えて、上限値を−2.5 とした下記条件式(4´)、または下限値を−10.0 とした下記条件式(4´´)を満足することが好ましい。さらに、上限値として下記条件式(4´)の−2.5 、下限値として下記条件式(4´´)の−10.0 により規定される範囲となるように設定すれば、より好ましい。
−20.0 < ΔNd/Δ(NF−NC) < −2.5 (4´)
−10.0 < ΔNd/Δ(NF−NC) < −2.0 (4´´)
また、本実施形態においては、軸上色収差(g〜s線)の拡がり幅をΔsとし、全系のd線に対する焦点距離をf(明細書の焦点距離の記載においても、特記しない限りはd線に対するものとする)としたとき、下記条件式(5)を満たすように規定している。νIRは光学系全体の色消し状態を示すものであり、下記条件式(5)は、本発明の用途に必要な光学系の色消し状態の条件範囲を示している。なお、本条件式(5)は通常のCCD等の撮像素子101で感度を有するs線までの波長を扱っている。
0.00005 < Δs/f < 0.0500 (5)
上記条件式(5)の上限を上回ると、色消しが不十分となって良好な撮影画像が得られなくなる。一方、条件式(5)の下限を下回ると、色消し性能は十分であるが、回折格子のピッチが細かくなる傾向となって、フレアが多く発生するとともに製造し辛くなってしまい、不都合である。なお、条件式(5)を満足させることによる効果を十分に発揮させるためには上記条件式(5)に替えて、上限値を0.0100とした下記条件式(5´)、または下限値を0.0001とした下記条件式(5´´)を満足することが好ましい。さらに、上限値として下記条件式(5´)の0.0100、下限値として下記条件式(5´´)の0.0001により規定される範囲となるように設定すれば、より好ましい。
0.00005 < Δs/f < 0.0100 (5´)
0.0001 < Δs/f < 0.0500 (5´´)
また、本実施形態においては、軸上色収差(g〜t線)の拡がり幅をΔtとしたとき下記条件式(6)を満たすように規定している。νIRは光学系全体の色消し状態を示すものであり、条件式(6)は、本発明の用途に必要な光学系の色消し状態の条件範囲を示している。なお、本条件式(6)は、通常のCCD等の感度よりも、さらに長波長までの感度を有する特殊な撮像素子101に対するものでt線までの波長を扱っている。
0.00005 < Δt/f < 0.0500 (6)
条件式(6)の上限を上回ると、色消しが不十分となって良好な撮影画像が得られなくなる。一方、条件式(6)の下限を下回ると上記条件式(5)の場合と類似してはいるものの、さらに回折格子のピッチが細かくなる傾向となって、フレアが発生しやすくなり、かつ製造し辛くなり、不都合である。
なお、条件式(6)を満足させることによる効果を十分に発揮させるためには上記条件式(6)に替えて、上限値を0.0100とした下記条件式(6´)、または下限値を0.0001とした下記条件式(6´´)を満足することが好ましい。さらに、上限値として下記条件式(6´)の0.0100、下限値として下記条件式(6´´)の0.0001により規定される範囲となるように設定すれば、より好ましい。
0.00005 < Δt/f < 0.0100 (6´)
0.0001 < Δt/f < 0.0500 (6´´)
また、本実施形態においては、第2レンズ群G2中のレンズ面に形成された複層型回折光学素子の回折光学面は負のパワーを有し、その回折光学面の有効径をC2としたときに、下記条件式(7)を満たす。この条件式(7)は、回折光学面の有効径の適切な範囲を規定するものである。
0.2 < C2/f < 7.0 (7)
上記条件式(7)の上限値を上回ると回折光学面の径が大きくなり過ぎ、回折光学面の製作が困難となりコストアップに繋がる。また、回折光学面から有害光が入り易くなり、フレア等による画質の低下を招き易くなる。一方、上記条件式(7)の下限値を下回ると、複層型回折光学素子を設けたレンズ(回折光学素子)の適切な有効径が小さくなり過ぎて、撮像系として十分なFナンバーの確保が難しくなり、さらには、周辺の光量不足の傾向が強まり不都合である。
なお、条件式(7)を満足させることによる効果を十分に発揮させるためには上記条件式(7)に替えて、上限値を5.0とした下記条件式(7´)、または下限値を3.0とした下記条件式(7´´)を満足することが好ましい。さらに、上限値として下記条件式(7´)の5.0、下限値として下記条件式(7´´)の3.0により規定される範囲となるように設定すればより好ましい。
0.2 < C2/f < 5.0 (7´)
3.0 < C2/f < 7.0 (7´´)
また、本実施形態においては、絞りSより物体側に位置する前記第1レンズ群G1中のレンズ面および絞りSより像面側に位置する第2レンズ群G2中のレンズ面に、各々複層型回折光学素子を設け、第1レンズ群G1中の複層型回折光学素子の回折光学面の有効径をC1、第2レンズ群G2中の複層型回折光学素子の回折光学面の有効径をC2としたときに、以下の条件式(8)を満たす。この条件式(8)は、回折光学面C1、C2の有効径の適切な比の範囲を規定するものである。なお、第1レンズ群G1は負のパワーを有しているので、第1レンズ群G1中の複層型回折光学素子の回折光学面のパワーは負(正分散を有する)であることが好ましい。
0.3 < C1/C2 < 7.0 (8)
この条件式(8)の上限値を上回ると、C2の径が小さくなり過ぎてしまい、撮像系として十分なFナンバーの確保が難しくなり、さらには、周辺の光量不足の傾向が強まり不都合である。一方、条件式(8)の下限値を下回ると、C1の径が小さくなり過ぎてしまい、大きな画角で入射した光線がケラレやすくなり、広角化が難しくなるという不都合が発生する。
なお、条件式(8)を満足させることによる効果を十分に発揮させるためには上記条件式(8)に替えて、上限値を5.0とした下記条件式(8´)、または下限値を3.0とした下記条件式(8´´)を満足することが好ましい。さらに、上限値として下記条件式(8´)の5.0、下限値として下記条件式(8´´)の3.0により規定される範囲となるように設定すればより好ましい。
0.3 < C1/C2 < 5.0 (8´)
3.0 < C1/C2 < 7.0 (8´´)
本超広角レンズ100では、上記構成に加え、第2レンズ群G2の焦点距離をf2としたときに、下記条件式(9)を満たすことが好ましい。この条件式(9)は第2レンズ群G2の焦点距離f2に関して、適切な範囲を規定したものである。
0.2 < f2/f < 10.0 (9)
f2/fの値が上記条件式(9)の下限値を下回ると、ペッツバール和が正側に変移し易くなるため、像面湾曲が負側に過大となり易く、また、十分な大きさのバックフォーカスが得られないので不都合である。さらに、歪曲収差が負側に大きくなり易く、良好な結像性能を得ることが困難となる。一方、f2/fの値が上記条件式(9)の上限値を上回ると、ペッツバール和が負側に変移し易くなるため、像面湾曲が正側に過大となり易く、不都合である。また、歪曲収差が正側に大きくなり易く、良好な結像性能を得ることが困難となる。さらに、レンズ光学系の全長が長くなる傾向になり、本超広角レンズ100の小型化を図ることが困難となる。
なお、条件式(9)を満足させることによる効果を十分に発揮させるためには上記条件式(9)に替えて、上限値を8.0とした下記条件式(9´)、または下限値を1.5とした下記条件式(9´´)を満足することが好ましい。さらに、上限値として8.0、さらに下限値として1.5により規定される範囲となるように設定すれば、さらに好ましい。
0.2 < f2/f < 8.0 (9´)
1.5 < f2/f < 10.0 (9´´)
本超広角レンズ100では、上記構成に加え、第2レンズ群G2中の複層型回折光学素子の回折光学面の焦点距離をfd2としたとき、下記条件式(10)を満たすことが好ましい。この条件式(10)は第2レンズ群G2の焦点距離fd2に関して、適切な範囲を規定したものである。すなわち、適正なる色収差補正を実現するための条件式である。
10.0 < fd2/f < 300.0 (10)
この条件式(10)の下限値を下回ると、上記回折光学面のパワーが強くなり過ぎ、適正な色収差補正が達成し難くなるばかりか、格子ピッチが小さくなり過ぎるという不都合も生じやすくなる。一方、上限値を上回ると、回折光学面のパワーが弱くなり過ぎて、やはり適正な色収差補正が達成し難くなる。
なお、条件式(10)を満足させることによる効果を十分に発揮させるためには上記条件式(10)に替えて、上限値を 150.0 とした下記条件式(10´)、または下限値を 30.0 とした下記条件式(10´´)を満足することが好ましい。さらに、上限値として下記条件式(10´)の 150.0 、下限値として下記条件式(10´´)の 30.0 により規定される範囲となるように設定すれば、より好ましい。
10.0 < fd2/f < 150.0 (10´)
30.0 < fd2/f < 300.0 (10´´)
本実施形態に係る超広角レンズ100を実際に構成する場合、第1レンズ群G1の最も物体側の位置には物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズが設けられるとともに、その像面側に正レンズ(下記実施例1、2においては、第2レンズG2中または第1レンズG1中に設けられたレンズL2)が設けられることが好ましい。これにより主光線の下側に発生するコマ収差をはじめとする諸収差の補正を十分に行うことができる。
また、第2レンズ群G2は、最も像面側に、両凸レンズと負レンズとを貼り合わせてなる接合レンズ、を有することが望ましい。さらには、第1レンズ群G1中には非球面レンズを少なくとも1枚有する(下記実施例1が対応する)ことが好ましい。
さらに、本実施形態に係る超広角レンズ100は、下記実施例1、2に示す超広角レンズ100を構成する具体的なレンズ態様に加えて、非球面レンズ、屈折率分布型レンズ(GRINレンズ)等をさらに用いることにより、さらに良好な光学性能が得られることはいうまでもない。
また、本実施形態に係る超広角レンズ100では、近距離物体へのフォーカシング(合焦)は、レンズ光学系全体を物体側に繰り出す方式が最も機構的に簡単であるが、第1レンズ群G1を固定としたまま、第2レンズ群G2のみを物体側に繰り出す方式(いわゆるリアフォーカス方式)の方が、近距離結像性能が良いので好ましい。さらに、リアフォーカス方式の方が、フォーカス群の重量を小さくできるのでオートフォーカス等には好適である。このようなリアフォーカス方式においては、このとき、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間の光線は平行系に近いことが望ましい。また、本実施形態に係る超広角レンズ100では、第2レンズ群G2を2つの正の屈折力を有するレンズ群に分割して、その相互の間隔を変えながら繰り出す方式(いわゆるフローティング方式)であれば、画面周辺の結像性能を十分に良好に保ったまま合焦が可能である。かかる方式の場合でも、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間の光線は平行系であることが望ましい。
次に、本実施形態に係る撮像装置について説明する。なお、この撮像装置は上記超広角レンズ100、およびこの超広角レンズ100により結像される被写体像を撮像するCCD等の撮像素子101を備えている。また、この超広角レンズ100と撮像素子101の間には、ローパスフィルタや所定波長以上の赤外線をカットするフィルター等を含むガラスブロックを設けるようにしてもよい。また、撮像素子101として3板式を採用する場合には、色分解プリズムを構成するガラスブロックやダイクロイックミラーを設けるようにしてもよい。
なお、本発明の超広角レンズおよび撮像措置は、上記実施形態のものに限られるものではなく種々の態様の変更が可能であり、例えば複層型回折光学素子を形成するレンズ面としては、上述したレンズ面に替えて、または上述したレンズ面とともに、その他のレンズ面に形成するようにしてもよい。さらに、回折光学素子の層数は2つに限られるものではなく3層以上のものとしてもよい。
以下、本発明に係る超広角レンズの具体的な実施例(実施例1、2)について説明する。
なお、各実施例において非球面は、光軸に垂直な方向の高さ(入射高)をyとし、非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸に沿った距離(サグ量)をZとし、基準球面の曲率半径(近軸曲率半径)をrとし、円錐係数をκとし、n次の非球面係数をCnとしたとき、下記非球面式(11)で表されるものとした。
(非球面式)
Z=(y/r)/{1+(1−κ・y/r1/2
+C4・y+C6・y+C8・y+C10・y10 (11)
また、各実施例において、回折光学面の位相差は位相関数法を用いて計算した。
すなわち、回折光学面の形状Zは、下記位相差関数式(位相多項式)(12)で表されるものとした。
(位相差関数式)
Z=ΣC・x・y (12)
(jは、2、4、6、8、10)
ここで、上式(12)においてj、mおよびnは自然数であり、以下の式を満たす。
j=[(m+n)+m+3n]/2
なお、本実施形態のものにおいては、光軸Axに対し回転対称とされているので、上記位相差関数式、さらに光路差関数式は、光軸Axからの高さをhとすれば、下式のような簡潔な表記とすることができる。
(位相差関数式)
φ(h)=(2π/λ)・ψ(h)
(光路差関数式)
ψ(h)=C2h+C4h+C6h+C8h+C10h10
h=√(x+y
なお、本実施形態で表わされるデータは、上記光路差関数式の係数において回折面で付加する位相差を表している。
また、本実施例においては、収差特性の算出対象として、d線、C線、F線、g線、s線およびt線の各スペクトル線を用いている。これら各スペクトル線の波長は以下の通りである。
[表1]
波長(nm)
d線 587.562
g線 435.835
C線 656.273
F線 486.133
s線 852.110
t線 1013.980
第1実施例について図1〜3および表2〜6を用いて説明する。
図1は、第1実施例に係る超広角レンズ100を示す概略構成図である。
すなわち、この超広角レンズ100は、物体側より、1枚のレンズL1からなる第1レンズ群G1、絞りSおよび4枚のレンズL2〜L5からなる第2レンズ群G2よりなる。
また、この超広角レンズ100および撮像素子101とにより第1実施例に係る撮像装置が構成される。
また、第1レンズ群G1を構成する1枚のレンズL1は、物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズであって、その像面側の凹面に2つの回折素子要素が密着積層されてなる複層型回折光学素子(表2において第2面と第4面の間:Gf)が設けられてなる。
また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、パワーの弱いレンズ(実際には両凸レンズ)L2、像面側の凸面に2つの回折素子要素が密着積層されてなる複層型回折光学素子(表2において第9面と第11面の間:Gf)が設けられた両凸レンズL3、および両凸レンズL4と物体側に凹面を向けた負レンズ(実際には物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズ)L5との接合レンズよりなる。
本第1実施例においては、第2レンズ群G2中のみならず、第1レンズ群G1中にも複層型回折光学面を配置しているので、倍率色収差をさらに良好に補正することができるので好ましい。
また、撮像素子101は撮像面Iに被写体像が結像されるCCD等から構成されている。
なお、図1には、近軸光線や、入射角に応じた周辺光線の光線軌跡が記載されている。
次に、上記構成を有する第1実施例に係る超広角レンズ100の諸元を表2に示す。この表2において、第1欄mは物体側からの各光学面の番号であって、図1に示した面番号1〜14に対応している。また、第2欄rは各光学面の曲率半径(回折光学面の場合は、ベースとなる非球面の基準となる球面の曲率半径)、第3欄dは各光学面から次の光学面(又は像面)までの光軸上の距離、さらに第4欄nd、第5欄ng、第6欄nC、第7欄nF、第8欄nsおよび第9欄ntはそれぞれd線、g線、C線、F線、s線およびt線に対する屈折率を示している。
また、各レンズ面形状が非球面であるもの(第1面および第14面:表2の面番号に*を付している)について、その非球面形状を、上記非球面式(式(11))を用いて表した場合における、その係数を表3に示す。また、各レンズ面形状が位相差関数形状であるもの(第3面および第10面:表2の面番号に**を付している)について、その位相差関数の係数を、表4に示す。
さらに、表6には前記条件式(1)〜(10)に対応する値(表5には条件対応値)を示している。ここで、式(1)における記載で、s線とあるのは最も長波長光としてs線を選択した場合を示し、一方、t線とあるのは最も長波長光としてt線を選択した場合を示すものである。
なお、以下の全ての諸元において掲載される、曲率半径r、面間隔d、その他長さの単位は、特記がない場合は「mm」が使われている。但し、光学系は、比例拡大又は比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、単位は「mm」に限定されることなく、他の適当な単位を用いることが可能である。
以上の表の説明は、下記第2の実施例においても同様である。
[表2]
m r d
1* 34.00693 1.07800
2 2.46119 0.10000
3** 2.36119 0.10000
4 2.26119 4.15800
5 ∞ 0.46200
6 769.65287 3.69600
7 -25.42977 0.15400
8 20.65891 2.77200
9 -5.24680 0.10000
10** -5.34680 0.10000
11 -5.34680 0.15400
12 6.52237 4.15800
13 -4.15800 1.07800
14* -54.26797 4.35050

m nd ng nC nF ns nt
1 1.6204110 1.6331500 1.6172760 1.6275660 1.6116950 1.6087450
2 1.5571400 1.5713300 1.5538400 1.5649900 1.5484600 1.5458240
3 1.5278000 1.5490600 1.5232900 1.5391100 1.5162000 1.5120090
4
5
6 1.6967970 1.7123400 1.6929740 1.7055220 1.6861530 1.6825220
7
8 1.4874900 1.4959640 1.4853440 1.4922850 1.4813820 1.4791500
9 1.5571400 1.5713300 1.5538400 1.5649900 1.5484600 1.5458240
10 1.5278000 1.5490600 1.5232900 1.5391100 1.5162000 1.5120090
11
12 1.6204110 1.6331500 1.6172760 1.6275660 1.6116950 1.6087450
13 1.8466600 1.8941890 1.8364880 1.8720960 1.8202090 1.8129380
14
[表3]
[非球面データ]
m 1 14
K 1.0000 1.0000
C2 0.00000 0.00000
C4 2.18170×10-3 1.70040×10-3
C6 -1.86790×10-4 -1.57920×10-4
C8 1.00000×10-5 1.01300×10-5
C10 -2.00000×10-7 -5.63640×10-7
[表4]
[位相差関数DOEデータ]
m 3 10
WAVE 587.562 587.562
ORD 1 1
C2 5.00000×10-4 -8.00000×10-4
C4 -1.00000×10-4 -4.00000×10-5
C6 -1.00000×10-5 1.00000×10-6
C8 0.00000 1.00000×10-6
C10 0.00000 0.00000
[表5]
[条件対応値]
d線でのf 2.72700
短波長端での焦点距離
fg 2.72415
長波長端での焦点距離
fs 2.73597
ft 2.73957
ΔNd 0.02934
ΔNg 0.02227
ΔNs 0.03226
ΔNt 0.03382
Eg 0.9984
EC 0.9844
Ed 1.0000
NF−NC
PL1 0.01115
PL2 0.01582
Δ(NF−NC) -0.00467
Δs 0.0158
Δt 0.0158
C2 5.6
C1 4.36
f2 4.92609

fd2 141.096
[表6]
[条件対応値]
νIR
s線 -304.013
t線 -176.84
(ΔNd+ΔNs)/2 0.02727
(Eg+EC)/2 0.9914
0.9×Ed 0.9000
ΔNd/Δ(NF−NC) -6.283
Δs/f 0.00579
Δt/f 0.00579
C2/f 2.0535
C2/C1 1.2844
f2/f 1.8064
fd2/f 51.7404
このように構成された第1実施例においては、表6に示すように、条件式(1)、(1´)、(2)、(2´)、(3)、(3´)、(4)、(4´)、(4´´)、(5)、(5´)、(5´´)、(6)、(6´)、(6´´)、(7)、(7´)、(8)、(8´)、(9)、(9´)、(9´´)および(10)(10´)、(10´´)を満足している。
また、図2、図3は本第1実施例の諸収差(球面収差、像面湾曲、歪曲収差、倍率色収差、コマ収差)を示す収差図である。図2、図3より、第1実施例に係る超広角レンズの光学性能が良好とされていることが明らかである。
第2実施例について図4〜6、および表7〜10を用いて説明する。
図4は、第2実施例に係る超広角レンズ100を示す概略構成図である。
すなわち、この超広角レンズ100は、物体側より順に、7枚のレンズL1〜L7からなる第1レンズ群G1、絞りSおよび3枚のレンズL8〜L10からなる第2レンズ群G2よりなる。
また、この超広角レンズ100および撮像素子101とにより第2実施例に係る撮像装置が構成される。
また、上記第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズL1、物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズL2と像面側に凹面を向けた負のメニスカスレンズL3との接合レンズ、両凹レンズL4と物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズL5との接合レンズ、および像面側に凹面を向けた負のメニスカスレンズL6と両凸レンズL7との接合レンズが配列されてなる。
また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、像面側の凸面に2つの回折素子要素が密着積層されてなる複層型回折光学素子(表7において第14面と第16面との間:Gf)が設けられた、像面側に凸面を向けた正のメニスカスレンズL8、および物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズL9と両凸レンズL10との接合レンズよりなる。
また、撮像素子101は撮像面Iに被写体像が結像されるCCD等から構成されている。
次に、上記構成を有する第2実施例に係る超広角レンズ100の諸元を表7に示す。この表7において、第1欄mは物体側からの各光学面の番号であって、図4に示した面番号1〜19に対応している。また、上記レンズL8に設けられた複層型回折光学素子の回折光学面(第15面:表7の面番号に**を付している)について、その位相多項式の係数を、表8に示す。
さらに、表10には前記条件式(1)〜(10)に対応する値(表9には条件対応値)を示している。
[表7]
m r d
1 47.51520 1.36160
2 10.04240 9.53200
3 33.65400 2.06680
4 73.95640 0.97280
5 8.62000 7.02240
6 -151.71120 0.77800
7 8.62000 2.38280
8 48.89520 4.02280
9 75.89640 0.97280
10 5.43360 3.35080
11 -22.40480 3.80240
12 ∞ 2.28160
13 -30.90840 2.27120
14 -12.62360 0.10000
15** -12.72360 0.10000
16 -12.82360 0.10000
17 13.34960 0.72960
18 8.21880 2.49480
19 -14.56040 17.72786

m nd ng nC nF ns nt
1 1.5891300 1.6010300 1.5861900 1.5958200 1.5809300 1.5781300
2
3 1.7847200 1.8253400 1.7759600 1.8065200 1.7618600 1.7554900
4 1.5931890 1.6040340 1.5905390 1.5992790 1.5859200 1.5835840
5
6 1.6700000 1.6844890 1.6664470 1.6781340 1.6601630 1.6568620
7 1.6668000 1.6931150 1.6609250 1.6810980 1.6512290 1.6466730
8
9 1.7727890 1.7923240 1.7680740 1.7837010 1.7598570 1.7556710
10 1.6032300 1.6213200 1.5990300 1.6132200 1.5918800 1.5882100
11
12
13 1.5163300 1.5262140 1.5138550 1.5219050 1.5093470 1.5068620
14 1.5571400 1.5713300 1.5538400 1.5649900 1.5484600 1.5458240
15 1.5278000 1.5490600 1.5232900 1.5391100 1.5162000 1.5120090
16
17 1.9228600 1.9828500 1.9103900 1.9545900 1.8906400 1.8818900
18 1.5186010 1.5276670 1.5163150 1.5237260 1.5121240 1.5097900
19
[表8]
[位相差関数DOEデータ]
m 15
WAVE 587.562
ORD 1
C2 -2.90000×10-4
C4 -3.20000×10-5
C6 4.00000×10-6
C8 -1.20000×10-7
C10 0.00000
[表9]
[条件対応値]
d線でのf 3.90177
短波長端での焦点距離
fg 3.91277
長波長端での焦点距離
fs 3.91897
ft 3.93027
ΔNd 0.02934
ΔNg 0.02227
ΔNs 0.03226
ΔNt 0.03382
Eg 0.9984
EC 0.9844
Ed 1.0000
NF−NC
PL1 0.01115
PL2 0.01582
Δ(NF−NC) -0.00467
Δs 0.0211
Δt 0.0391
C2 7.24
C1 −
f2 12.51698
fd2 346.506
[表10]
[条件対応値]
νIR
s線 -629.31
t線 -222.96
(ΔNd+ΔNs)/2 0.02727
(Eg+EC)/2 0.9914
0.9×Ed 0.9000
ΔNd/Δ(NF−NC) -6.283
Δs/f 0.00541
Δt/f 0.01002
C2/f 1.8556
C2/C1 −
f2/f 3.20803
fd2/f 88.8074
このように構成された第2実施例においては、表10に示すように、条件式(1)、(1´)、(2)、(2´)、(3)、(3´)、(4)、(4´)、(4´´)、(5)、(5´)、(5´´)、(6)、(6´´)、(7)、(7´)、(9)、(9´)、(9´´)、(10)、(10´)、(10´´)を満足している。なお、第2実施例においては、C1が存在しないので、条件式(8)、(8´)、(8´´)の計算が不能である。
また、図5、図6は第2実施例の諸収差(球面収差、像面湾曲、ディストーション、倍率色収差、コマ収差)を示す収差図である。図5、図6より、第2実施例に係る超広角レンズ100の光学性能が良好とされていることが明らかである。
1〜19 レンズ面
100 超広角レンズ
101 撮像素子
G1、G2 レンズ群
L1〜L10 レンズ
I 撮像面(像面)
S 絞り
Gf 複層型回折光学素子
Ax 光軸

Claims (11)

  1. 撮影半画角が55度以上に設定され、物体側から順に、少なくとも負メニスカスレンズを含んだ第1レンズ群、開口絞り、少なくとも接合レンズ及び正レンズを含んで正の屈折力を有した第2レンズ群を備えるとともに、少なくとも前記第2レンズ群中のいずれかの光学面に、複数の回折素子要素が積層されてなる格子構造による複層型回折光学素子を有し、使用波長域の短波長端が450nm以下、使用波長域の長波長端が800nm以上とされ、赤外のアッベ数νIRが以下の条件式(1)を満たすように規定されていることを特徴とする超広角レンズ。
    νIR < −60 (1)
    ただし、前記赤外のアッベ数νIRは、以下のごとく定義される。
    νIR=使用波長がd線における焦点距離fd/(短波長端での焦点距離fs−長波長端での焦点距離fL)
  2. 使用波長域の最も短波長光の波長λsがg線であって、最も長波長光の波長λLがs線であることを特徴とする請求項1に記載の超広角レンズ。
  3. 使用波長域の最も短波長光の波長λsがg線であって、最も長波長光の波長λLがt線であることを特徴とする請求項1に記載の超広角レンズ。
  4. 前記複層型回折光学素子は、2つの回折素子要素が積層されてなる格子構造からなり、d線およびs線の各々における、前記2つの回折素子要素の間の回折光学面に係る屈折率差を順にΔNdおよびΔNsとすると、下記条件式(2)を満たすことを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれか1項記載の超広角レンズ。
    0.005 < (ΔNd + ΔNs)/2 < 0.45 (2)
  5. 主波長(d線587.6nm)の回折効率設計値をEdとし、短波長(g線435.8nm)および長波長(C線656.3nm)での回折効率設計値をそれぞれEgおよびECとすると、下記条件式(3)を満たすことを特徴とする請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載の超広角レンズ。
    0.8 < (Eg+EC)/(2×Ed) (3)
  6. 高屈折率低分散の材料と低屈折率高分散の材料の主分散(NF、NC)の差をΔ(NF−Nc)とすると、下記条件式(4)を満たすことを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか1項に記載の超広角レンズ。
    −20.0 < ΔNd/Δ(NF−NC) < −2.0 (4)
  7. 軸上色収差(g線〜s線)の拡がり幅をΔsとすると、下記条件式(5)を満たすことを特徴とする請求項1ないし6のうちいずれか1項に記載の超広角レンズ。
    0.00005 < Δs/f < 0.0500 (5)
  8. 軸上色収差(g〜t線)の拡がり幅をΔtとすると、下記条件式(6)を満たすことを特徴とする請求項1ないし7のうちいずれか1項に記載の超広角レンズ。
    0.00005 < Δt/f < 0.0500 (6)
  9. 前記第2レンズ群中のレンズ面に設けられた複層型回折光学素子の回折光学面は負のパワーを有し、その回折光学面の有効径をC2としたとき、下記条件式(7)を満たすことを特徴とする請求項1ないし8のうちいずれか1項に記載の超広角レンズ。
    0.2 < C2/f < 7.0 (7)
  10. 絞りより物体側に位置する第1レンズ群中のレンズ面および絞りより像面側に位置する第2レンズ群中のレンズ面に、各々前記複層型回折光学素子を設け、前記第1レンズ群中の複層型回折光学素子の回折光学面の有効径をC1、前記第2レンズ群中の複層型回折光学素子の回折光学面の有効径をC2としたとき、下記条件式(8)を満たすことを特徴とする請求項9に記載の超広角レンズ。
    0.3 < C2/C1 < 7.0 (8)
  11. 請求項1〜10のうちいずれか1項に記載の超広角レンズと、この超広角レンズにより結像される被写体像を撮像する撮像手段を備えていることを特徴とする撮像装置。
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