JP2012162997A - プロペラファン - Google Patents

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Yoshinao Komatsu
由尚 小松
Takahiro Kato
隆博 加藤
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Abstract

【課題】プロペラファンの空力性能を低下させることなく、羽根の強度を向上させるリングを有するプロペラファンを提供することを目的とする。
【解決手段】プロペラファンは、回転軸線y回りに回転するボス7と、ボス7に対して放射状に固定された複数の羽根3と、隣り合う羽根3間を接続するリング5と、を有し、リング5は、流体が流入する上流側の先端に、回転軸線yに対して所定角度を有して傾斜する傾斜部11を備えた剥離抑制部9を有している。剥離抑制部9は、傾斜部11に接続され、下流側に向けて回転軸線y方向に沿うように転向する転向部13が設けられていることが好ましい。
【選択図】図2

Description

本発明は、回転軸線回りに回転する中心体と、該中心体に対して放射状に固定された複数の羽根と、隣り合う前記羽根間を接続する接続部材を有するプロペラファンに関するものである。
流体に圧力を加えて送風する装置として、プロペラファンがある。このプロペラファンは、例えばエンジンのラジエータや空調機等に用いられているが、これらの機器はプロペラファンの他にも様々な機器を搭載しているため、プロペラファンを設置するスペースは限られており、プロペラファンの省スペース化、軽量化が求められている。プロペラファンの省スペース化、軽量化を実現する手段の一つとして、プロペラファンの羽根を薄幅化する方法がある。具体的には、羽根を薄幅化し、空力性能を維持するために羽根枚数を増加させる。
しかしながら、この羽根を薄幅化する方法の問題点として、羽根一枚ごとの寸法が小さくなるにしたがい、羽根の剛性が低下するとともに強度が低下してしまう。
このような、羽根の薄幅化に起因する問題への対策として、羽根の剛性および強度を維持するために、特許文献1に示されるように、隣接する羽根同士を連結するリングをプロペラファンに設ける方法がある。
特開2010−96084号公報
しかしながら、特許文献1に示される羽根同士をリングで連結する方法には、リング先端(上流端)における流れの剥離が発生し、空力性能が低下するという問題点がある。以下、この問題点を具体的に説明する。図15は、プロペラファン101のボス(中心体)107に放射状に設けられた複数の羽根103が、リング(接続部材)105により連結されていることを示す図である。そして図16は、図15におけるプロペラファン101のN−N矢視断面図である。
プロペラファン101に、周囲環境要因等により、回転軸線に対して角度を有するX方向から流体が流入する場合がある。図17は、図15におけるN−N矢視方向から、プロペラファン101にX方向から流入した流体がリング105に衝突した場合のリング105と流れの方向の関係を示している。図17に示す回転軸線zに水平に延在する断面を有するリング105先端に衝突した流れは、矢印xが示すように、リング105の上流側から剥離し、渦が発生する。この渦が、プロペラファン101を通過する流体の流れの抵抗となり、その結果、プロペラファン101の空力性能が低下する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、プロペラファンの空力性能を低下させることなく、羽根の強度を向上させるリングを有するプロペラファンを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のプロペラファンは以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかるプロペラファンは、回転軸線回りに回転する中心体と、該ボスに対して放射状に固定された複数の羽根と、隣り合う前記羽根間を接続する接続部材と、を有し、前記接続部材は、流体が流入する上流側の先端に、前記回転軸線に対して所定角度を有して傾斜する傾斜部を備えた剥離抑制部を有することを特徴とする。
プロペラファンは、回転軸線を中心に回転する中心体を有し、中心体には、複数枚の板状の羽根が放射状に固定されている。それぞれの羽根には接続部材が設けられ、この接続部材を介して、隣接する羽根と接続されている。この接続部材において、流体が流入する上流側の端部である先端には、剥離抑制部が設けられている。剥離抑制部は、回転軸線に対して所定角度を有して傾斜する傾斜部を備えている。この傾斜部によって、傾斜部に沿う方向から流入する流体の追従性を向上させ、剥離を抑制することができる。よって、流れの剥離を抑制することができ、接続部材によるプロペラファンの剛性および強度の向上と、ファンの空力性能維持を両立することができる。
傾斜部の傾斜方向は、流入する流れに応じて決定されるが、プロペラファンの場合、一般に、上流側が外周方向に向くように傾斜させることが好ましい。
なお、接続部材としては、隣り合う全ての羽根間を接続することが好ましく、この場合、接続部材の全体形状は略リング形状となる。
前記剥離抑制部は、前記傾斜部に接続され、下流側に向けて前記回転軸線方向に沿うように転向する転向部が設けられていることが好ましい。
傾斜部に転向部を接続し、この転向部によって、下流側に向けて回転軸線方向に沿うような形状とした。この転向部によって、流れが転向する際にはたらく慣性力を小さくすることができ、また、コアンダ効果を生じさせることができる。
前記剥離抑制部は、鈍頭形状であることが好ましい。
剥離抑制部を、曲面で構成される鈍頭形状とする。これにより、多方向から流体が流入した場合や、流体が流入する角度が変化した場合でも、流れの剥離を抑制することができる。
前記剥離抑制部は、板状体とされた接続部材の先端部を曲成することによって形成されていることが好ましい。
剥離抑制部は、板状体とされた接続部材の先端部すなわち上流側を曲成したものである。シミュレーション等により算出可能な流体の流入角度と接続部材の先端部の回転軸線方向における角度が回転軸線に対して略同等となる角度で、接続部材の先端部を曲成する。また、接続部材全体を剥離抑制部とし、回転軸線方向において接続部材全体に、上流側から下流側へ傾斜する面を設けてもよい。
これにより、接続部材において、上流側の先端の角度と流体が流入する角度の偏差が低減され、流体が接続部材に流入する際の流れの剥離を抑制できるので、プロペラファンの空力性能の低下をさらに防ぐことができる。また、接続部材全体が剥離抑制部であり、上流側から下流側へ傾斜する面を有することで、接続部材に流入した流体の流れの転向がより円滑に行われ、空力性能の低下をさらに防ぐことができる。
前記接続部材の内周側には、隣り合う前記羽根間を接続する第二の接続部材が設けられ、前記第二の接続部材の下流側の後端は回転軸線方向へ傾斜し、前記接続部材と前記第二の接続部材との間隔が、流体が流入する上流側の先端よりも、流体が流出する下流側の先端の方が広いことが好ましい。
接続部材と第二の接続部材のうち、内周側に設けられた部材の面の下流側の後端を、内周側へ傾斜させ、接続部材と第2の接続部材の間で流体が流入する面積よりも流体が流出する面積を広くする。
プロペラファン等の回転体においては、内周方向よりも外周方向における流体の流速が速く、流速が速いほど流れのエネルギー損失が大きくなり、すなわち、空力性能が低下する。流体が流入する面積よりも流体が流出する面積を広くすることで、流体が流出する側における流体の流速は、流体が流入する側における流速よりも遅くなり、外周方向における流れのエネルギー損失を低減することができる。また、外周側の流速が遅くなることで、内周側の流速が速くなり、流速分布が均一化される。これらにより、空力性能を維持することができる。さらに、下流側での流速が遅くなることで、下流側における静圧が上がる。これにより、プロペラファンが発生させる圧力が上がり、空力性能が向上する。
前記接続部材は、流体の流入する側の端部が外周方向に湾曲され、流体の流出する側の端部が内周方向に湾曲されていることが好ましい。
接続部材は、回転軸の半径方向の断面において、流体の流入する側の端部が外周方向に湾曲され、流体の流出する側の端部が内周方向に湾曲された略S字形に形成されている。これにより、接続部材によって区画された外周側では、流入する流体の流速よりも流出する流体の流速が遅くなる。一方で、接続部材によって区画された内周側では、流入する流体の流速よりも流出する流体の流速が速くなる。
これにより、羽根の内周側と外周側における流速分布の均一化、外周側の流体のエネルギー損失の低減、下流側の静圧上昇による空力性能の向上といった効果を、接続部材のみで得ることができる。よって、低コストで効率的に、プロペラファンの強度維持と空力性能の向上を実現できる。
前記接続部材には、開口部が形成されていることが好ましい。
回転軸線方向に沿って延在する開口部により、剥離抑制部または面部上の流体の流れの方向を整えることができる。よって、流速分布が不均一であることにより発生する渦や剥離を抑制し、空力性能を維持することができる。
なお、開口部としては、回転軸線方向に沿って延在するスリットとしても良いし、多数形成された例えば円形状の穴としても良い。
前記剥離抑制部または前記接続部材は、少なくとも内周側の表面に球状の凹部を有することが好ましい。
羽根に流入した流体は、ディンプル等の凹部において乱流となる。これにより、流れの剥離を抑制し、エネルギー損失を抑制し、空力性能を維持することが可能である。
これにより、プロペラファンの空力性能を低下させることなく、羽根の強度を向上させるリングを有するプロペラファンを提供することができる。
本発明の第1実施形態にかかるプロペラファンの正面図である。 図1に示すプロペラファンのM−M断面矢視図である。 図1または図2に示すプロペラファンのリング(接続部材)の断面図である。 本発明の第2実施形態にかかるプロペラファンの羽根の断面図である。 図4に示すプロペラファンのリング(接続部材)の断面図である。 本発明の第2実施形態にかかるプロペラファン変形例における羽根の断面図である。 図6に示すプロペラファンのリング(接続部材)の断面図である。 本発明の第3実施形態にかかるプロペラファンの正面図である。 図8に示すプロペラファンを外周側からみた部分拡大側面図である。 図8に示すプロペラファンの変形例を外周側からみた部分拡大側面図である。 本発明の第4実施形態にかかるプロペラファンの羽根の断面図である。 本発明の第4実施形態にかかるプロペラファンの変形例における羽根の断面図である。 本発明の第4実施形態にかかるプロペラファンの変形例における羽根の断面図である。 本発明の各実施形態にかかるプロペラファンの変形例における羽根の断面図である。 従来のプロペラファンの正面図である。 図15に示すプロペラファンのN−N断面図である。 図16に示すリング(接続部材)の断面拡大図である。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1乃至図3を用いて説明する。
図1は、ボス(中心体)7を中心として回転するプロペラファン1を、流体が流入する側すなわち上流側から見た図である。
ボス7は、例えば円筒形状であり、円形断面の中心を通る回転軸線を中心として、周方向に回転する。羽根3は板状体であり、長手方向の一端の断面をボス7の側面に対向させ、回転軸線に対して羽根3の長手方向を放射状にして固定されている。羽根3の幅方向は、ボスボス7の周方向に対して角度を有している。隣接する羽根3は、リング(接続部材)5により互いに接続されている。リング5は、たとえば略リング形状で、その中心はプロペラファン1の回転中心と同一である。
図2は、図1のプロペラファン1のM−M断面の矢視図である。
リング5の上流側の先端には、剥離抑制部9が設けられている。剥離抑制部9は、その上流側先端が傾斜部(傾斜面)11であり、傾斜部11は、回転軸線に対して所定の角度を有する。剥離抑制部9において、傾斜部11の流体が流出する側すなわち下流側には、転向部(転向面)13が設けられている。転向部13は、傾斜部11の面と連続的であり、また、リング5の面と連続的な、下流側に向けて回転軸線方向へ無段階に転向する曲面を有する。傾斜部11と転向部13は、剥離抑制部9の内周側と外周側にそれぞれ設けられ、剥離抑制部9は、内周側と外周側にそれぞれ突出した曲面により構成される鈍頭形状である。流体は、矢印Aの示す方向からすなわち外周側から内周側に向かう方向に羽根3に流入し、剥離抑制部9の上流側の先端すなわち傾斜部11に衝突する。
次に、リング5と、剥離抑制部9と衝突した流体の流れの関係を、図3を用いて説明する。
剥離抑制部9に衝突した流体は、矢印aの示す方向へ流れる。剥離抑制部9が鈍頭形状であり、剥離抑制部9の上流側先端である傾斜部11は流入する流体に対して曲面であるため、流体と傾斜部11の間でコアンダ効果が発生する。コアンダ効果とは、曲面に接近した流体が、曲面に沿って流れる現象である。このコアンダ効果により、流体は傾斜部11に沿って剥離抑制部9に流入し、転向部13上を、転向部13の面の形状に沿いながら、すなわち無段階に回転軸線方向へと流れの角度を転向する。
このように構成されたプロペラファン1では、リング5に衝突した流体の流れが転向する角度が小さくなるため、流れは剥離抑制部9およびリング5の表面に追従するので、流れの剥離を抑制することができ、プロペラファンの空力性能を維持することができる。また、剥離抑制部9が鈍頭形状であるため、流入する角度が多方向の流体に対して、曲面に流入させることができる。よって、多方向から流入する流体に対して、流れの剥離を抑制することができる。
また、リング5の下流側を鋸歯状に形成したセレーション形状としてもよい。
このように構成されたプロペラファン1では、セレーションによって生成される渦がリング5よりも下流における流体の圧力変動の強度を減少させ、騒音を低減することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図4乃至図7を用いて説明する。
図4に示すプロペラファン1の羽根3は、羽根3がボス7に設けられ、傾斜部11と転向部13を有する剥離抑制部9を設けられたリング5により隣接する羽根3と接続される点で第1実施形態と共通する。したがって、これらの構成については同一符号を付しその説明を省略する。本実施形態は、第1実施形態に比べて、剥離抑制部9が板状体とされたリング5の上流側を曲成したものである点で相違する。
図4は、図1に示すプロペラファン1のM−M矢視図である図2と同様に、ボス7に設けられた羽根3の、プロペラファン1の半径方向断面を示している。流体は、矢印Bが示す方向に流入する。矢印Bが示す方向は、適用される環境に応じてシミュレーション等により求められ、典型的には、第1実施形態と同様に、同図に示したように外周側から内周側に向かって流れる方向となる。剥離抑制部9は、板状体であるリング5の上流側端部を、所定の角度で曲成することにより設けられる。所定の角度とは、流体が羽根3に流入し、リング5の上流側の先端すなわち傾斜部11に衝突する角度に略等しい角度であり、リング5の長手方向に対する矢印Bの流入角度に相当する。これにより、板状体である傾斜部11の面の角度は、流体の流入する角度と平行となる。
次に、リング5と、剥離抑制部9と衝突した流体の流れの関係を、図5を用いて説明する。
剥離抑制部9に衝突した流体は、矢印bの示す方向へ流れる。剥離抑制部9の上流側の先端すなわち傾斜部11の面と、流体の流入する方向は平行であるので、流体は流れの向きを変えずに傾斜部11に流入し、その面に沿って流れ、傾斜部11と連続する転向部13に流入する。傾斜部11と転向部13は連続的であるので、流れの方向は変わらない。転向部13に流入した流体は、転向部13の面に沿って、無段階に転向しながらリング5の長手方向に平行な角度となり、リング5の面に沿って流れる。
このように構成されたプロペラファン1においては、流体が流入する方向と、流体が流入する傾斜部11の角度の偏差が少ないため、流体の流れの方向が殆ど変わらず、傾斜部11に衝突する際に流体の流れが剥離することをさらに抑制できる。
また、図6に示すように、リング5の幅方向(主流流れ方向)全体を曲成し、その全体を剥離抑制部9とすることが好ましい。
図6において、剥離抑制部9に流体が矢印Cの示す方向に流入した場合のリング5と、剥離抑制部9と衝突した流体の流れの関係を、図7を用いて説明する。
剥離抑制部9に流入した流体は、矢印cの示す方向へ、剥離抑制部9の面に沿って流れる。傾斜部11と傾斜部13の面がリング5の面全体を占めるため、傾斜部11と傾斜部13の傾斜の角度は緩やかになり、したがって、面に沿って流れる流体の流れも、緩やかな角度で転向する。
角度の転向が緩やかになることで、面に対する流れの追従性が向上する。また、リング5の面全体で流れの剥離を抑制できる。よって、流体の流れの剥離をさらに抑制することができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について、図8乃至図10を用いて説明する。
図8に示すプロペラファン1は、羽根3がボス7に設けられ、傾斜部11と転向部13を有する剥離抑制部9を設けられたリング5により隣接する羽根3同士が接続される点で第2実施形態と共通する。したがって、これらの構成については同一符号を付しその説明を省略する。本実施形態は、第2実施形態に比べて、リング5に開口部が設けられている点で相違する。
図9は、図8に示すプロペラファン1を外周側からみた部分拡大側面図である。リング5には、流体が矢印Dが示す方向(同図において左方)から流入する。リング5の表面には、開口部15が設けられている。開口部15は、本実施形態では、羽根3の幅方向に平行なスリット状としているが、この形状に限らず、例えば、多数の穴や、互いに平行ではない非パターン化されたスリットであってもよい。また、図10に示すように、リング5の下流側端部に開口部があってもよい。開口部15の位置や大きさは、例えば、プロペラファンの回転数とプロペラファンの半径の長さの関係により決定される。具体的には、プロペラファンの回転数とプロペラファンの半径の長さの関係から羽根3とリング5にかかる力が求められる。リング5は、この力を受けても羽根3が破断せず、また、リング5自体も破断しない強度を有している必要がある。この強度を有する範囲内で、開口部の位置や大きさが任意に決定される。
開口部15が形成された位置には、リング5に対して流入した流体に対して障害となる構造物が存在せず、流体は開口部15を通過する。したがって、半径方向成分を有する方向から流体がリング5に対して流入しても、開口部15を通過するだけで、流体が障害物に接触することによる流れの剥離が起こらず、流れの剥離によるプロペラファンの空力性能の低下をさらに抑制することができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について、図11乃至図13を用いて説明する。
図11に示すプロペラファン1の羽根3は、羽根3がボス7に設けられ、傾斜部11と転向部13を有する剥離抑制部9を設けられたリング5により隣接する羽根3と接続される点で第2実施形態と共通する。したがって、これらの構成については同一符号を付しその説明を省略する。本実施形態は、第2実施形態に比べて、リング5の下流側の端部に、圧縮部材21が設けられている点で相違する。
図11は、ボス7に設けられた羽根3の、プロペラファン1の半径方向断面を示している。板状のリング5の下流側の端部は、リング5をプロペラファン1の内周方向に任意の角度で湾曲して設けられた下流側湾曲部21が設けられている。このとき、下流側湾曲部21の面は、リング5の面と連続的であることが好ましい。
羽根3の半径方向において、リング5を基準とした外周側では、上流側の流体が流入する部分の面積は、下流側の流体が流出する面積に比べて狭い。
具体的には、剥離抑制部9が外周側から内周側に向けて傾斜している上流側と、圧縮部材21が内周側に向けて傾斜している下流側では、羽根3の上流側の外周側端部と剥離抑制部9の上流側先端の距離Lが、羽根3の下流側の外周側端部と下流側湾曲部21の下流側先端の距離Lよりも短い。このため、流体が流入する面積よりも流体の流出する面積が大きくなるので、リング5の外周側の流速は、リング5が下流側湾曲部21を有さない場合に比べて遅くなる。
一方で、リング5を基準とした内周側では、上流側の流体が流入する部分の面積は、下流側の流体が流出する面積に比べて広い。具体的には、リング5の内周側では、羽根3の上流側の内周側端部と剥離抑制部9の上流側先端の距離L11が、羽根3の下流側の内周側端部と下流側湾曲部21の下流側先端の距離L12よりも長い。このため、流体が流入する面積よりも流体の流出する面積が小さくなるので、リング5の内周側の流速は、リング5が圧縮部材21を有さない場合に比べて速くなる。
通常、羽根3における流速分布は、プロペラファン1の内周側ほど流速が遅く、外周側ほど流速が速い性質がある。しかし、このように構成されたプロペラファン1においては、剥離抑制部9と下流側湾曲部21により、外周側の流速が遅くなり、内周側の流速が速くなるので、不均一であった流速分布の均一化を図ることができる。特に、外周側の流速が遅くなることで、流れの剥離によるエネルギー損失を抑制し、プロペラファン1の空力性能を維持することができる。
図12は、図11の変形例を示している。すなわち、リング5の内周側に第二のリング(第二の接続部材)17が設けられている。第二のリング17は、第二傾斜部31と第二転向部33を有する第二剥離抑制部39を上流側端部に、第二下流側湾曲部19を下流側端部に設けられた構成となっている。このような構成とされたプロペラファン1においては、羽根3の外周側端部とリング5の間を通過する流体と、リング5と第二のリング17の間を通過する流体それぞれの流速を遅くすることができる。すなわち、多くの流体の流速を遅くすることで、流れの剥離に伴うエネルギー損失をさらに抑制し、プロペラファンの空力性能をさらに維持することができる。
また、図13には他の変形例が示されており、同図に示すプロペラファンでは、リング5の下流側端部に下流側湾曲部21を設けている。これにより、エネルギー損失の大きい外周側で、流体の流入する面積と流体の流出する面積の差をさらに大きくすることができ、エネルギー損失をさらに抑制することができる。
なお、上述した各実施形態に対して、図14に示すように、表面にディンプル等の凹部41を有するリング5としてもよい。凹部41を設ける面は、特にリング5の内周側の面であるとよい。
このように構成された羽根に流入した流体は、凹部41において乱流となる。これにより、流れの追従性が向上するので剥離が抑制され、それに伴いエネルギー損失が抑制され、プロペラファン1の空力性能を維持することが可能である。
凹部41は、リング5の少なくとも内周側の面に設けることが好ましい。リング5の内周側では、以下の理由により、リング5の外周側に比べて流体の流れの剥離が発生しやすいからである。リング5の外周側では、傾斜部11に流入した流体は、転向部13において、矢印Qの示す方向すなわち流体の流入した方向に転向部13が存在するため、流れが転向部13に沿う。一方、リング5の内周側では、転向部13において、矢印Q示す方向すなわち流体の流入した方向には転向部13が存在しない。そのため、外周側に流入した流体と比較して、内周側に流入した流体は、流体の流入した方向に剥離しやすい性質がある。
1 プロペラファン
3 羽根
5 リング(接続部材)
7 ボス(中心体)
9 剥離抑制部
11 傾斜部
13 転向部
15 開口部
17 第二のリング(第二の接続部材)
19 第二下流側湾曲部
21 下流側湾曲部
31 第二傾斜部
33 第二転向部
39 第二剥離抑制部
41 凹部

Claims (8)

  1. 回転軸線回りに回転する中心体と、
    該中心体に対して放射状に固定された複数の羽根と、
    隣り合う前記羽根間を接続する接続部材と、を有し、
    前記接続部材は、流体が流入する上流側の先端に、前記回転軸線に対して所定角度を有して傾斜する傾斜部を備えた剥離抑制部を有することを特徴とするプロペラファン。
  2. 前記剥離抑制部は、前記傾斜部に接続され、下流側に向けて前記回転軸線方向に沿うように転向する転向部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のプロペラファン。
  3. 前記剥離抑制部は、鈍頭形状であることを特徴とする請求項1または2に記載のプロペラファン。
  4. 前記剥離抑制部は、板状体とされた接続部材の先端部を曲成することによって形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のプロペラファン。
  5. 前記接続部材の内周側には、隣り合う前記羽根間を接続する第二の接続部材が設けられ、
    前記第二の接続部材の下流側の後端は回転軸線方向へ傾斜し、
    前記接続部材と前記第2の接続部材との間隔が、流体が流入する上流側の先端よりも、流体が流出する下流側の先端の方が狭いことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のプロペラファン。
  6. 前記接続部材は、流体の流入する側の端部が外周方向に湾曲され、流体の流出する側の端部が内周方向に湾曲されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のプロペラファン。
  7. 前記剥離抑制部または前記接続部材は、少なくとも内周側の表面に球状の凹部を有することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のプロペラファン。
  8. 前記接続部材には、開口部が形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のプロペラファン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016044604A (ja) * 2014-08-22 2016-04-04 株式会社日本自動車部品総合研究所 軸流送風機

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