JP2012160687A - 太陽電池パネル - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量で生産コストが低廉で温度変化にも強い高信頼性で、設計自由度も高く、耐風圧性能にも優れた完全樹脂モールドの太陽電池パネルを提供する。
【解決手段】単または複数枚の太陽電池素子が第1の樹脂3によって封入され、少なくともその片面側が第1の樹脂3よりも硬度の大きい第2の樹脂5によって被覆された封入体が、合成樹脂基板9上に形成されたことを特徴とする太陽電池パネルとする。また、単または複数枚の太陽電池素子1が第1の樹脂3によって封入され、少なくともその片面側が第1の樹脂3よりも硬度の大きい第2の樹脂5によって被覆された封入体によって、2枚の合成樹脂基板が貼り合わされて一体化されたことを特徴とする太陽電池パネルとする。第1の樹脂3および第2の樹脂5としての好例は、ヒマシ油系ポリオール若しくは液状ゴム系ポリオールを含む無黄変性で透明のポリウレタン樹脂である。
【選択図】図2

Description

本発明は、太陽電池パネルの製造技術の分野に属するものである。特に、従来の太陽電池パネルに比較して、軽量かつ生産コストが低廉で設計自由度が高く、しかも高い信頼性を実現できる太陽電池素子の封入技術に関するものである。
太陽電池パネルとは、複数のシリコン等半導体からなる太陽電池素子を、樹脂等によって封入したものである。従来の太陽電池パネルの最も一般的な構造としては、図20に示すように、配線材201によって複数の太陽電池素子203を接続したストリング205を、白板強化ガラス基板207上にEVA樹脂(エチレンビニルアセテート)209によって封入し、PET樹脂(ポリエチレンテレフタレート)シート211によって裏面をシールするとともに、周囲にアルミニウム製フレーム213をブチルゴム215などによって接着して取り付けたものである。太陽光は、白板強化ガラス基板207側から入射する(A)。
このような従来の構造はガラスを用いるため重量が大きく、構造的強度に劣る築年数の古い建造物には取り付けにくいという問題点があった。また、白板強化ガラスを使用するので、低温下での脆さなども懸念される。例えば、火山観測用電源や南極観測用電源として太陽電池を使用する場合には、著しい低温下に設置されるとともに、火山礫やブリザードによって吹き上げられた砂塵によって、白板強化ガラスが容易に破損するという問題が発生している。
そこで、本発明者らは、特許公開2010−157652号公報として開示されているポリウレタン樹脂(以下、単にウレタン樹脂と言う)を用いた太陽電池パネルの有効性を知見している。ウレタン樹脂を使用することにより、低温下であっても物理的衝撃に強くなるので、過酷な環境下での太陽電池の信頼性を高める効果がある。併せて、軽量化も実現できるというメリットがある。本発明の有用性を説明するため、特許公開2010−157652号公報の内容を背景技術(先行技術)として引用する。
特許公開2010−157652号公報に記載された先行技術は、図19に示すように、基材101上に、単又は複数枚の太陽電池素子103を配線材105によって接続したストリング107を、ウレタン樹脂109によって封入し、ウレタン樹脂側を受光面(A)とすることを基本とするものである。発電電力は、ストリング107から取出電極111、113によって、基材101の裏面側まで導かれる。さらには、ウレタン樹脂としてヒマシ油系ポリオール若しくは液状ゴム系ポリオールを含むものとすること、ウレタン樹脂としてヘキサメチレンジイソシアネート若しくはその誘導体を含むものとすること、ウレタン樹脂として水素添加によって二重結合を含まない構造としたヒマシ油系ポリオール若しくは液状ゴム系ポリオールを含むものとすること、およびこれらを組み合わせることを特徴とするものである。
特許公開2010−157652号 公報
特許公開2010−157652号公報記載の太陽電池パネルには、現状では次のような問題点があり、設置場所が制限されるという問題点がある。この構造において、基材101にポリカーボネートなどの合成樹脂基板を用いる場合、基材101と太陽電池素子103やストリング107の線膨張係数が異なるため、大きな温度変化によっては、ストリング107の構成部材である配線材105が破断する場合がある。基材101として金属やガラエポを使用する場合には、これらの線膨張係数は太陽電池素子103や配線材105と近いため、配線材105の破断という問題は起こらない。
近年、特許公開2010−157652号公報記載の発明を、ポリカーボネートのような透明基板によって実現したいとする市場ニーズの高まりがある。例えば、同発明の太陽電池パネルを、高速道路の防音壁やバス停の屋根材として使用する場合などである。しかし、透明のポリカーボネート基板で高速道路防音壁として同発明を実現した場合、温暖で気温変化の少ない地域での温度変化には耐え得るが、内陸部や山間高地といった寒暖差の大きい地域に設置すると、配線材101の破断が発生してしまい、設置場所が限定されるのである。特に高速道路の防音壁は、設置環境条件としては厳しいので、寒暖差の克服は、重要課題である。
高速道路防音壁としては、従来の白板強化ガラスを使った一般的な太陽電池パネルも使用でき、実際にいくつかの設置例はあるが、重量の関係から設置コストが嵩むため広く普及していない。特に後述するように、光透過性にするには合せガラス構造が必要となり、重量が非常に大きくなっていた。また、道路用の部材ということで事故などの際の「割れ」への抵抗感が強いことも、高速道路防音壁用の太陽電池の普及を遅らせている大きな要因となっている。さらに、居眠り運転の防止という観点からは、単調な視界にならないように、太陽電池素子間の隙間から防音壁の外の景色が見えるような透明性も求められる。しかし、白板強化ガラスを使用する一般的な太陽電池パネルでは、信頼性の点からPETシートを透明にできないという制限もある。PETシートは太陽電池パネルの裏面保護シートとして機能するが、もともとPETは吸湿性があるので、ブロック材を混合したり他の合成樹脂シートとの多層構造にしたりしているので、透明のものは今をもって普及を見ていない。
ウレタン樹脂を使用したオール樹脂製の太陽電池パネルは、基材101としてポリカーボネートやアクリルなどの透明のものを用いると、太陽電池素子間の隙間からの光透過性が確保されることや軽量であることから、長年にわたって業界各社によって開発が試みられてきた。しかし、オール樹脂製の太陽電池パネルは、実用化に至っていない。このような業界の事情にあって、特許公開2010−157652号公報記載の発明が、これらの課題の一つの解になっている。しかし一方では、前述した線膨張係数の違いから、寒暖差の大きい地域においては設置できないという制限要素が存在していた。
本発明は、前述の先行技術に基づく太陽電池パネルの諸問題を解決し、軽量で生産コストが低廉で、しかも太陽電池パネルの大きさに対する設計自由度が高く、耐風圧性能にも優れるとともに、基材として合成樹脂基板を用いても配線材が破断しない高信頼性の太陽電池パネルを提供するものである。
このような本発明は、単または複数枚の太陽電池素子が第1の樹脂によって封入され、少なくともその片面側が第1の樹脂よりも硬度の大きい第2の樹脂によって被覆された封入体が、合成樹脂基板上に形成されたことを特徴とする太陽電池パネルとすることで実現できる。ここで、合成樹脂基板側を光入射面としてもよいし、封入体側を光入射面としてもよい。
また、本発明の別の構成としては、単または複数枚の太陽電池素子が第1の樹脂によって封入され、少なくともその片面側が第1の樹脂よりも硬度の大きい第2の樹脂によって被覆された封入体によって、2枚の合成樹脂基板が貼り合わされて一体化されたことを特徴とする太陽電池パネルとすることで実現できる。
さらに、第1の樹脂および第2の樹脂がポリウレタン樹脂であり、そのポリウレタン樹脂が、ヒマシ油系ポリオールを含むものまたは液状ゴム系ポリオール、あるいはヘキサメチレンジイソシアネートまたはその誘導体を含むもの、さらに水素添加によって二重結合を含まない構造としたヒマシ油系ポリオールまたは液状ゴム系ポリオールを含むものとすることがより効果的である。
加えて、第1の樹脂および第2の樹脂がシリコーン樹脂であっても、本発明の目的を達成することができる。
特に耐風圧性能を高めるためには、少なくとも太陽電池素子の配列範囲内に、受光面から基材までの複数の貫通孔を設けた構造とすることが効果的である。
太陽電池の出力を高めるためには、両面発電可能な太陽電池素子を使用する構造とすることも、有効な手段となる。
請求項1によれば、線膨張係数の大きい合成樹脂基板を使用しても、硬度の低い第1の樹脂の存在(弾性)により、温度変化に伴う合成樹脂基板と太陽電池素子の膨張収縮のストレスが吸収されるので、配線材が破断することがなくなる。したがって、寒暖差の大きな環境下でも高い信頼性を得ることができる。さらに、樹脂のみで太陽電池素子を封入することができるので、軽量で低コストかつ設計自由度の高い太陽電池パネルを実現することができる。なお、第2の樹脂は、耐水性や機械的強度などの信頼性維持・向上に寄与する。すなわち、ウレタンなど多くの合成樹脂は、一般に硬度が高くなると耐水性や機械的強度が向上するからである。
請求項2によれば、合成樹脂基板側が光入射面となるので、ポリカーボネートやアクリルなどの高信頼性の合成樹脂をガラスの代替材として使用でき、高速道路防音壁といった透明でかつ軽量であることや飛散防止性能が要求される分野への太陽電池の普及が実現できる。
請求項3によれば、封入体側が光入射側となることから、合成樹脂基板を透明基材に限定することなく、多様な合成樹脂をその線膨張係数を考慮することなく使用することができる。したがって、太陽電池パネルの低コスト化に寄与することができる。
請求項4によれば、例えば合成樹脂基板として透明ポリカーボネート板で太陽電池素子(ストリング)を封入体を介してサンドイッチした構造となるので、より機械的強度や信頼性が向上するという効果が得られる。この構造は、言うなれば合せガラスと同等の構造であり、これまで非常に重量が大きかった合せガラス構造の太陽電池に代わり、その軽量という特性から、太陽電池の設置場所の自由度が大幅に向上する。
請求項5によれば、ウレタン樹脂は硬度のコントロールが行いやすくかつ低コストであり、近年低コスト化が著しい太陽電池用の部材としては最適なものとなる。また、ウレタンは反応硬化性の樹脂なので、夏場など太陽電池の温度が上昇しても、熱可塑性樹脂のように再軟化することがなく、オール樹脂製の太陽電池の信頼性向上に寄与できる。
請求項6、請求項7によれば、高い耐水性を得ることができる。耐水性能は、屋外で使用される太陽電池にとっては、必要不可欠の性能である。本請求項の構成によって耐水性能が向上する理由は、本発明のウレタン原料となるヒマシ油系ポリオール、若しくは液状ゴム系ポリオールの効果によるものである。ヒマシ油は、ヒマ(トウタイグサ科)という植物の種子から得られる油であるが、この油は、脂肪酸とグリセリンのエステルであり、脂肪酸の約90%がリシノレイン酸であるため、他の植物油脂とは異なった性状を示す。液状ゴム系ポリオールは、ブタジエンオリゴマー末端を過酸化水素でヒドロキシル化させることによる公知の技術によって得られる。これらのウレタン原料から得られたウレタン樹脂は、特に耐水性・耐水蒸気透過性に優れる点が特徴としてあげられる。
具体的には、ヒマシ油系ポリウレタンは、ポリプロピレングリコール系、ポリエステル系のポリウレタンと比較すると、ポリプロピレングリコール系、ポリエステル系に比べて耐水性や耐加水分解性、電気絶縁性、耐水蒸気透過性、耐熱性、耐寒性に優れている。これらは、いずれも太陽電池に要求される信頼性特性である。本発明において、ポリプロピレングリコール系、ポリエステル系ポリオール等のその他のポリオールは、支障のない限りにおいてヒマシ油系ポリオールと混合して併用することもできる。
請求項8によれば、高い耐光性を得ることができる。イソシアネートはポリオールとともにウレタン樹脂の主原料であるが、ヘキサメチレンジイソシアネート若しくはその誘導体は脂肪族イソシアネートであり、トリレンジイソシアネートやジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネートとは異なり、黄変が起こりにくいという特性を有している。これは、その化学構造として芳香環を含んでいないという点が、寄与していると考えられる。
請求項9、請求項10によれば、ヒマシ油の二重結合を水素添加によって除去しているので、ヒマシ油の有する高い耐水性に加えて、高い耐光性も併せて得ることができる。また、液状ゴム系ポリオールであっても、同様である。ウレタン樹脂が光照射や高温の影響などによって黄変するのは、二重結合がこれらの外部エネルギーによって共鳴するからである。したがって、二重結合がなければ、太陽光のような全波長にわたる強い光が照射されたとしても、黄変を防止することができる。特にヘキサメチレンジイソシアネート若しくはその誘導体との組み合わせは、ポリオールとイソシアネートの両方が二重結合を含まないものなるので、極めて高い水準で耐水性と耐光性を両立できるという効果が得られる。
請求項11によれば、コスト面や水蒸気透過性の面ではウレタン樹脂よりも若干不利にはなるものの、その可視光透過性、安定性に特に優れるシリコーン樹脂を使用することで、入射光ロスを最低限に抑えることができる。また、シリコーン樹脂もウレタン樹脂と同様に、硬度を幅広くコントロールできるという特徴を有している。
請求項12によれば、太陽電池パネル面に吹き付ける風が貫通孔を通り抜けることにより、太陽電池パネルを支える支柱などの構築部材への荷重負荷が低減し、結果として、太陽電池システムのトータルコストを大きく低減することができる。この効果は、太陽電池システム全体としての軽量化にもつながる。また、ほどよい硬度特性を有するウレタン樹脂を使用することから、この貫通孔は後加工でクラックの発生等なく開設することもできるので、想定風速が高い地域に設置する必要が生じた場合でも臨機応変に対応することができ、生産性の向上にも寄与できることになる。
請求項13によれば、裏面側(光入射側と反対側)の合成樹脂基板を透明にしておくことで、太陽電池パネルの裏面が開放される設置形態において、地面等からの反射光を太陽電池素子の裏面で吸収し、その分も発電電力として利用できる。したがって、面積当たりの発電出力を20%〜30%程度高くすることができ、白板強化ガラスを用いないことから、同時に軽量化も実現できる。
本発明の太陽電池パネルの断面構造例の説明図 本発明の太陽電池パネルの断面構造例の説明図 本発明の太陽電池パネルの断面構造例の説明図 本発明の太陽電池パネルの断面構造例の説明図 本発明の太陽電池パネルの受光面側構造例の説明図 本発明の太陽電池パネルの端面外観例の説明図 本発明の太陽電池パネルの受光面側構造例の説明図 本発明の太陽電池パネルの取付具の例の説明図 本発明の太陽電池パネルの取付態様例の説明図 本発明の太陽電池パネルを風が通り抜ける様子を表す説明図 本発明の製造方法例の説明図 本発明の製造方法例の説明図 本発明の太陽電池パネルの断面構造例の説明図 本発明の太陽電池パネルの断面構造例の説明図 本発明の太陽電池パネルの断面構造例の説明図 本発明の製造方法例の説明図 本発明の製造方法例の説明図 本発明の製造方法例の説明図 背景技術の太陽電池パネルの断面構造の説明図 一般に普及している白板強化ガラスによる太陽電池パネルの断面構造の説明図
図1には、本発明を実施するための最良の形態例を示す。図例は、単または複数枚の太陽電池素子1が第1の樹脂3によって封入され、少なくともその片面側が第1の樹脂3よりも硬度の大きい第2の樹脂5によって被覆された封入体7が、合成樹脂基板9上に形成された太陽電池パネルである。
単または複数の太陽電池素子1は、配線材11によって適宜の枚数が直列に接続されたストリング13を構成し、太陽電池パネルとしての電気特性を発揮している。配線材11としては、半田コートの銅箔などが使用可能である。また、合成樹脂基板9の膨張収縮により追随できるよう、配線材11としてメッシュ状に編んだ銅線を使用することも一考である。
ストリング13の両端からは正負電極の取出線15、17が、合成樹脂基板9に開孔された貫通孔19から外部に取り出されている。この貫通孔19の内部にも、第1の樹脂3または第2の樹脂5が、その塗布時などにおいて流れ込み、充填される構造となる。この構造では、光(A)は、第2の樹脂5側から入射するものである。
図2には、本発明を実施するための別の最良の形態例を示す。図例は、単または複数枚の太陽電池素子1が第1の樹脂3によって封入され、少なくともその片面側が第1の樹脂3よりも硬度の大きい第2の樹脂5によって被覆された封入体7が、合成樹脂基板9上に形成された太陽電池パネルである。図1の構造との違いは、本図例は合成樹脂基板9側からの光入射(A)である点である。本例でも、合成樹脂基板9の膨張収縮により追随できるよう、配線材11としてメッシュ状に編んだ銅線を使用することも一考である。
p型のシリコンウェハーによる太陽電池素子1の場合、一般にその光入射側の取出電極15が負極、同裏面側の取出電極17が正極となる。また、太陽電池素子1の裏面側にも第1の樹脂3が回り込むよう、合成樹脂基板9と太陽電池素子1との間に隙間を設けている。
図3、図4は、合成樹脂基板9上に予めストリング13を載置した後に第1の樹脂3を流し込む場合に、太陽電池素子1と合成樹脂基板9との隙間に第1の樹脂3が確実に回り込むよう、第1の樹脂3と同じ樹脂によるスペーサー21によって、合成樹脂基板9と太陽電池素子1との間に隙間を設けた例である。このスペーサー21は、第1の樹脂3と同じものであれば、屈折率が同じになることから、受光面側に設けても、太陽電池の出力に影響することはない。また、スペーサー21は、第1の樹脂3と異なる樹脂であっても、屈折率が第1の樹脂3と略同じものであれば問題はない。本例でも、合成樹脂基板9の膨張収縮により追随できるよう、配線材11としてメッシュ状に編んだ銅線を使用することも一考である。
続いて、図5について説明する。図5は、図1〜図4の太陽電池パネル(合成樹脂基板9は透明)を、受光面側から見た構造であり、4枚の太陽電池素子1を直列に配置したものである。また合成樹脂基板9の4隅には、取付用孔23を設けている。なお、この取付用孔23は、図1〜図4では省略している。なお、図2および図4のものは合成樹脂基板9側から光が入射する構造なので、貫通孔19は設けられていない。
続いて図6は、本発明の太陽電池パネルの端面外観図の一例である。図1〜図4は、説明用の図として、取出電極15、17に特別な被覆を設けない構造として描いたが、本図の構造は、取出電極15、17として被覆電線を用いた例である。さらに、一般に太陽電池パネルは水分の浸入を防止するため、取出電極の部分を通常はシリコーン樹脂などによってモールドするか、端子ボックスなどによって封入するといった方法が採られる。図6の構造についても同様に、端子ボックス25を介して、取出電極15、17を設けたものである。取出電極15、17(被覆電線)として太陽電池素子から引き出される配線材は、端子ボックス25の内部でストリングの末端と接続されている(接続部は図示せず)。
図7は、太陽電池素子1の配列範囲内に、複数の貫通孔27を設けたものである。このような構造とすると、太陽電池パネルに風が当たったときにその風が太陽電池パネルを通り抜けるので、太陽電池パネルの支持材への荷重負荷を軽くすることができる。太陽電池パネルが風の影響をより受けるのは、その面積が大きくなった場合である。したがって、本図も太陽電池素子1を4枚直列接続したストリング13を2並列に接続した構造であり、図5のものより大型のものを想定して描いている。
続いて、図7の構造の太陽電池パネルの設置形態の例を、図8〜図10を用いて説明する。図8は、図7の太陽電池パネルを取り付けるための取付具29の例である。この取付具29は、金属などの額縁状の枠の4隅に、取付孔31を開設した取付ステー33を設けた例である。図9は、図8の開口部35に、本発明の太陽電池パネル37をはめ込み、取付孔31を介して太陽電池パネル37と取付具29をネジ止めしたものである。また、取付金具39を、取付孔31を介して太陽電池パネル37と取付具29とともに、一体締結している。図10は、図9で示したものを支柱等(図示せず)に取り付けた状態を表している。太陽電池パネルは、通常は太陽光線をより効率的に受け止めるため、図のように南向けに傾斜(最適傾斜角は設置場所の緯度)させて設置する。このような取付形態においては、風が太陽電池パネルに当たったとき、その面積全面で風を受け止めるため、取付金具39の根元部分Bに大きな負荷がかかってしまう。しかし本発明では、図のように風(図中点線矢印で表示)が太陽電池パネル37を通り抜けるため、取付金具39の根元部分Bに大きな負荷がかかることがない。したがって、支柱などの構造部材を細くできることから、太陽電池システム全体としてのコストダウンに寄与することができるのである。
図11には、本発明の太陽電池(図3および図4以外)の製造方法の一例を示す。図例は合成樹脂基板9側から光が入射(A)する構造である。同図(a)のように、フッ素樹脂など離型効果のあるベルト41上に単または複数の太陽電池素子1を配線材11で接続してなるストリング13を載置し、(b)に示すように、スリットコーターやスクリーン印刷によって第1の樹脂3を塗布する。このとき、取出電極15、17は、第1の樹脂3から露出させておく。一方で、(c)に示すように、合成樹脂基板9上にも第1の樹脂3をスリットコーターやスクリーン印刷によって塗布しておく。(b)および(c)の第1の樹脂3は、作業性を考慮して、この時点で仮硬化させておいてもよい。続いて、(d)に示すように、(b)と(c)で作製した第1の樹脂3でコーティングされたストリング13と合成樹脂基板9を重畳する。さらに(e)に示すように、第2の樹脂5をスリットコーターやスクリーン印刷によって塗布し、本発明の太陽電池パネルの基本構造が完成する。その後、図6で示したような端子ボックス(ここでは図示しない)を取り付ける。
図12には、本発明の太陽電池(図3および図4以外)の別の製造方法の一例を示す。図例は、第2の樹脂5側から光が入射する(A)構造である。同図(a)のように、フッ素樹脂など離型効果のあるベルト41上に単または複数の太陽電池素子1を配線材11で接続してなるストリング13を載置し、(b)に示すように、スリットコーターやスクリーン印刷によって第1の樹脂3を塗布する。このとき、取出電極15、17は作業性を阻害しないように畳んでおく。一方で、(c)に示すように、合成樹脂基板9上にも第1の樹脂3をスリットコーターやスクリーン印刷によって塗布しておく。このとき、合成樹脂基板9に開設された貫通孔19内にも第1の樹脂3が回り込むが、後に取出電極15、17を挿通させるときに加工すれば良いので、特段の問題にはならない。また、(b)および(c)の第1の樹脂3は、作業性を考慮して、この時点で仮硬化させておいてもよい。続いて、(d)に示すように、(b)と(c)で作製した第1の樹脂3でコーティングされたストリング13と合成樹脂基板9を重畳する。さらに(e)に示すように、第2の樹脂5をスリットコーターやスクリーン印刷によって塗布し、本発明の太陽電池パネルの基本構造が完成する。その後、図6で示したような端子ボックス(ここでは図示しない)を取り付ける。
図13、図14には、特に強度が要求される分野に本発明を適用する場合の、太陽電池パネル構造を示している。図例は、単または複数枚の太陽電池素子1が第1の樹脂3によって封入され、少なくともその片面側が第1の樹脂3よりも硬度の大きい第2の樹脂5によって被覆された封入体7が、合成樹脂基板9上に形成され、強度を保持するために反対側の面に第2の合成樹脂基板43が設けられた太陽電池パネルである。図13は第2の樹脂5側から、図14は第1の樹脂3側から、それぞれ光が入射する構造である。このような構造において、合成樹脂基板9、43としてポリカーボネートを使用すれば、ポリカーボネートによる合せ構造になることから、ガラスに勝る非常に高い機械的強度でかつ軽量の太陽電池パネルを実現することができる。本例でも、合成樹脂基板9の膨張収縮により追随できるよう、配線材11としてメッシュ状に編んだ銅線を使用することも一考である。
また図15は、図13、図14と同様に2枚の合成樹脂基板9、43を用いる構造ではあるが、2枚の合成樹脂基板9、43と第2の樹脂が接している構造である。このような構造を採用することで、硬度の柔らかい第1の樹脂3と合成樹脂基板9、43が接しないため、剥がし方向に働く外力に対する機械的強度を、より高めることができるのである。すなわち、一般に硬度の大きい樹脂は、それより硬度の小さい樹脂よりも破断強度も高くなるからである。本例でも、合成樹脂基板9、43の膨張収縮により追随できるよう、配線材11としてメッシュ状に編んだ銅線を使用することも一考である。
図16には、本発明の太陽電池の別の製造方法の一例として、図13の構造の製造方法を示す。図例は、合成樹脂基板43側(第2の樹脂5側)から光が入射する構造である。同図(a)のように、フッ素樹脂など離型効果のあるベルト41上に複数の単または複数の太陽電池素子1を配線材11で接続してなるストリング13を載置し、(b)に示すように、スリットコーターやスクリーン印刷によって第1の樹脂3を塗布する。このとき、取出電極15、17は作業性を阻害しないように畳んでおく。一方で、(c)に示すように、合成樹脂基板9上にも第1の樹脂3をスリットコーターやスクリーン印刷によって塗布しておく。このとき、合成樹脂基板9に開設された貫通孔19内にも第1の樹脂3が回り込むが、後に取出電極15、17を挿通させるときに加工すれば良いので、特段の問題にはならない。また、(b)および(c)の第1の樹脂3は、作業性を考慮して、この時点で仮硬化させておいてもよい。続いて、(d)に示すように、(b)と(c)で作製した第1の樹脂3でコーティングされたストリング13と合成樹脂基板9を重畳する。一方で、(e)に示すように、強度保持のためのもう1枚の合成樹脂基板43に第2の樹脂5を、スリットコーターやスクリーン印刷によって塗布しておく。そして(f)に示すように、前記(d)における重畳物の上に、(e)において第2の樹脂5を塗布した合成樹脂基板43を重畳させ、本発明の太陽電池パネルの基本構造が完成する。その後、図6で示したような端子ボックス(ここでは図示しない)を取り付ける。
図17には、本発明の太陽電池の別の製造方法の一例として、図14の構造の製造方法を示す。図例は、第1の樹脂3側(合成樹脂基板9側)から光が入射する構造である。同図(a)のように、フッ素樹脂など離型効果のあるベルト41上に複数の単または複数の太陽電池素子1を配線材11で接続してなるストリング13を載置し、(b)に示すように、スリットコーターやスクリーン印刷によって第1の樹脂3を塗布する。このとき、取出電極15、17は、第1の樹脂3から露出させておく。一方で、(c)に示すように、合成樹脂基板9上にも第1の樹脂3をスリットコーターやスクリーン印刷によって塗布しておく。また、(b)および(c)の第1の樹脂3は、作業性を考慮して、この時点で仮硬化させておいてもよい。続いて、(d)に示すように、(b)と(c)で作製した第1の樹脂3でコーティングされたストリング13と合成樹脂基板9を重畳する。一方で、(e)に示すように、強度保持のためのもう1枚の合成樹脂基板43に第2の樹脂5を、スリットコーターやスクリーン印刷によって塗布しておく。このとき、合成樹脂基板43に開設された貫通孔19内にも第2の樹脂5が回り込むが、後に取出電極15、17を挿通させるときに加工すれば良いので、特段の問題にはならない。そして(f)に示すように、前記(d)における重畳物の上に、(e)において第2の樹脂5を塗布した合成樹脂基板43を重畳させ、本発明の太陽電池パネルの基本構造が完成する。その後、図6で示したような端子ボックス(ここでは図示しない)を取り付ける。
図18には、本発明の太陽電池の別の製造方法の一例として、図15の構造の製造方法を示す。図例では、光は取出電極の反対側から入射する(A)ことを想定して描いている。同図(a)のように、フッ素樹脂など離型効果のあるベルト41上に複数の単または複数の太陽電池素子1を配線材11で接続してなるストリング13を載置し、その上からスリットコーターやスクリーン印刷によって第1の樹脂3を塗布して必要に応じて仮硬化させ、それを反転させ、再度同様の方法で第1の樹脂3を塗布し、(b)に示すようにストリング13を第1の樹脂3によって封入した封入体45を作製する。この封入体45の作製とともに、第1の樹脂3は作業性を考慮し、仮硬化させてもよい。一方、(c)と(d)に示すように、2枚の合成樹脂基板9、43上に第2の樹脂5をスリットコーターやスクリーン印刷によって塗布しておく。このとき、一方の合成樹脂基板9、43に開設された貫通孔19内にも第1の樹脂5が回り込むが、後に取出電極15、17を挿通させるときに加工すれば良いので、特段の問題にはならない。続いて、(b)で作製した封入体45を(c)と(d)で作製した第2の樹脂5を塗布した合成樹脂基板9、43で挟み込み、(e)に示すような、本発明の太陽電池パネルの基本構造が完成する。その後、図6で示したような端子ボックス(ここでは図示しない)を取り付ける。
以上の実施形態では、発電に寄与する光が太陽電池パネルの片方から入射する構造を例に説明してきた。しかしすでに述べたように、本発明では、太陽電池素子として両面発電可能なものを使用することも可能であり、より発明の有効性が高まることになる。両面発電可能な太陽電池素子はいくつかの企業で開発が完了しており、量産品としては、例えば、PVG Solutions株式会社製の素子などがあげられる。両面発電可能な太陽電池素子も、基本的には一般的な太陽電池素子と同様のプロセスで生産可能なので、今後は広く普及していくものと思われる。
本発明のすべての実施形態について、合成樹脂基板として透明ポリカーボネート基板など、太陽電池素子として両面発電可能なものを使用しても、その作製手順や本発明の効果は何ら変わるものではない。
以上のように、本発明の太陽電池パネルは、高速道路防音壁、道路標識やソーラー街路灯、その他種々の小型〜中型の太陽電池用途に幅広く応用展開することができ、かつ、白板強化ガラス基板や金型を使用する必要がなく、生産性や材料コストを大幅に低減することができる。したがって、これまで価格や形状設計の自由度の制限から太陽電池が利用できなかった分野にも、幅広く展開することができる。また、貫通孔を設けることによって耐風圧設計が行いやすく、この点でも太陽電池の利用分野を広げることに寄与できるものである。これより、省エネルギーの機運が高まる昨今において、本発明の産業上の利用可能性は非常に大きい。
以下、さらに具体的に、本発明の実施例について説明する。なお、以下の実施例の内容によって、本発明の技術的範囲が何ら制限されるものではない。
第1の実施例として、180mm×320mm×3mm厚のポリカーボネート基板と、31mm×156mmにカットした単結晶太陽電池素子を半田コート銅箔によって7直列に接続したストリングを用い、図1の構造の太陽電池パネルを作製した。第1の樹脂は、水酸基価160(KOHmg/g)のヒマシ油系ポリオールを100重量部(伊藤製油株式会社製URIC)、NCO含有量17.1%のヘキサメチレンジイソシアネート誘導体(旭化成株式会社製デユラネートシリーズ)をNCOインデックス(活性水素基当量に対するイソシアネート基当量比)=1.05として74重量部、これに可塑剤と適量の触媒、消泡剤を混合し、真空脱泡したものである。また第2の樹脂は、ポリオールは第1の樹脂と同一配合とし、イソシアネートは、NCO含有量23.1%のヘキサメチレンジイソシアネート誘導体(旭化成株式会社製デユラネートシリーズ)をNCOインデックス=1.05として54重量部、可塑剤の添加を無くすることによって硬度を高くしたものである。硬化条件は70℃で30分とし、その後24時間養生して完全硬化を確認した。このときの第1の樹脂の硬度は、針入度(JISK2220)で45(mm/10)、第2の樹脂の硬度は、ゴム硬度(25℃)で85、D硬度(25℃)で55であった。この太陽電池パネルに、85℃〜−40℃の温湿度サイクル試験50サイクルと85℃85%の耐湿試験1,000時間を連続して施した。その結果、ウレタン樹脂が若干黄変したものの、太陽電池パネルとしての電気特性は初期値の95%以上を維持していた。
第2の実施例として、180mm×320mm×3mm厚のポリカーボネート基板と、16mm×78mmにカットした単結晶太陽電池素子を半田コート銅箔によって2列構成の34直列に接続したストリングを用い、図2の構造の太陽電池パネルを作製した。第1の樹脂は、水酸基価123(KOHmg/g)の二重結合を水素添加によって除去されたヒマシ油系ポリオール100重量部(伊藤製油株式会社製URIC−Yシリーズ)、NCO含有量17.1%のヘキサメチレンジイソシアネート誘導体(旭化成株式会社製デユラネートシリーズ)をNCOインデックス=1.05として57重量部、これに可塑剤と適量の触媒、消泡剤を混合し、真空脱泡したものである。また第2の樹脂は、ポリオールとイソシアネートは第1の樹脂と同一配合とし、可塑剤の添加を無くすることによって硬度を高くした。硬化条件は70℃で60分とし、その後24時間養生し、完全硬化を確認した。このときの第1の樹脂の硬度は、針入度(JISK2220)で43(mm/10)、第2の樹脂の硬度は、ゴム硬度(25℃)で87、D硬度(25℃)で55であった。この太陽電池パネルに、85℃〜−40℃の温湿度サイクル試験50サイクルと85℃85%の耐湿試験1,000時間を連続して施した。その結果、ウレタン樹脂の黄変はほとんど見られず、太陽電池パネルとしての電気特性は初期値の95%以上を維持していた。
第3の実施例として、180mm×320mm×3mm厚のポリカーボネート基板と、16mm×78mmにカットした単結晶太陽電池素子を半田コート銅箔によって2列構成の34直列に接続したストリングを用い、図2の構造の太陽電池パネルを作製した。第1の樹脂は、水酸基価45(KOHmg/g)の水添液状ゴム100重量部(出光石油化学株式会社製エポール)、NCO含有量17.1%のヘキサメチレンジイソシアネート誘導体(旭化成株式会社製デユラネートシリーズ)をNCOインデックス=1.05として21重量部、これに可塑剤と適量の触媒、消泡剤を混合し、真空脱泡したものである。また第2の樹脂は、実施例1の第2の樹脂と同一配合とした。硬化条件は70℃で30分とし、その後24時間養生して完全硬化を確認した。このときの第1の樹脂の硬度は、針入度(JISK2220)で53(mm/10)、であった。この太陽電池パネルに、85℃〜−40℃の温湿度サイクル試験50サイクルと85℃85%の耐湿試験1,000時間を連続して施した。その結果、実施例1や実施例2よりもウレタン樹脂の黄変は少なく、太陽電池パネルとしての電気特性は初期値の95%以上を維持していた。
第4の実施例として、240mm×450mmのポリカーボネート基板と、51mm×51mmにカットした単結晶太陽電池素子を半田コート銅箔によって4列構成の32直列に接続したストリングを用い、図1の構造のソーラー街路灯用太陽電池パネルを作製した。第1の樹脂は、水酸基価47(KOHmg/g)で液状ゴム系ポリオール100重量部(出光石油化学株式会社製poly−bd)、NCO含有量17.1%のヘキサメチレンジイソシアネート誘導体(旭化成株式会社製デユラネートシリーズ)をNCOインデックス=1.05として22重量部、これに可塑剤と適量の触媒、消泡剤を混合し、真空脱泡したものを用いた。また第2の樹脂は、実施例1の第2の樹脂と同一配合とした。硬化条件は80℃で60分とし、その後24時間養生して完全硬化を確認した。このときの第1の樹脂の硬度は、針入度(JISK2220)で53(mm/10)であった。この太陽電池パネルに、85℃〜−40℃の温湿度サイクル試験50サイクルと85℃85%の耐湿試験1,000時間を連続して施した。その結果、ウレタン樹脂の黄変はまったく見られず、太陽電池パネルとしての電気特性は初期値の95%以上を維持していた。また、1,000時間の屋外暴露試験でも黄変は見られなかった。
第5の実施例として、240mm×450mmの2枚のポリカーボネート基板と、51mm×51mmにカットした単結晶太陽電池素子を半田コート銅箔によって4列構成の32直列に接続したストリングを用い、実施例1〜実施例4で用いた第1および第2の樹脂によって、図13〜図15の構造の太陽電池パネルを作製した。この太陽電池パネルに、85℃〜−40℃の温湿度サイクル試験50サイクルと85℃85%の耐湿試験1,000時間を連続して施した。その結果、ウレタン樹脂の黄変や太陽電池パネルとしての電気特性は、実施例1〜4と同様の結果となった。
第6の実施例として、以上の実施例1〜5の太陽電池パネルとそれぞれ同じ構造と同じウレタン樹脂原料を用い、太陽電池素子の配置を間引き、その間引いた部分に2個ずつの貫通孔を設けた太陽電池パネルを作製し、実施例1〜4で行った温湿度サイクル試験と耐湿試験を行った。なお、貫通孔は、ウレタン樹脂の完全硬化後の後加工として設けた。また、太陽電池パネルでは、発電電力を少しでも高くすることが重要なので、通常は太陽電池素子を間引くことはない。本例では、あくまで実験のために、できるだけ貫通孔を多く設けるとの目的により、間引いているということを補足しておく。前記と同様の信頼性試験を行った結果、初期特性の95%以上を維持しており、貫通孔の開設部分からの水分浸入など、太陽電池パネルの特性に影響を及ぼす作用は確認されなかった。
1、103、203 太陽電池素子
3 第1の樹脂
5 第2の樹脂
7 封入体
9、43 合成樹脂基板
11、105、201 配線材
13、107、205 ストリング
15、17 取出線
19 貫通孔
21 スペーサー
23 取付用孔
25 端子ボックス
27 太陽電池パネルの貫通孔27
29 取付具
31 取付孔
33 取付ステー
35 開口部
37 本発明の太陽電池パネル
39 取付金具
41 離型効果のあるベルト
101 基材
109 ウレタン樹脂
111、113 取出電極
207 白板強化ガラス基板
209 EVA樹脂
211 PETシート
213 アルミニウム製フレーム
215 ブチルゴム

Claims (13)

  1. 単または複数枚の太陽電池素子が第1の樹脂によって封入され、少なくともその片面側が第1の樹脂よりも硬度の大きい第2の樹脂によって被覆された封入体が、合成樹脂基板上に形成されたことを特徴とする太陽電池パネル。
  2. 合成樹脂基板側を光入射面とした請求項1記載の太陽電池パネル。
  3. 封入体側を光入射面とした請求項1記載の太陽電池パネル。
  4. 単または複数枚の太陽電池素子が第1の樹脂によって封入され、少なくともその片面側が第1の樹脂よりも硬度の大きい第2の樹脂によって被覆された封入体によって、2枚の合成樹脂基板が貼り合わされて一体化されたことを特徴とする太陽電池パネル。
  5. 第1の樹脂および第2の樹脂がポリウレタン樹脂である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の太陽電池パネル。
  6. ポリウレタン樹脂が、ヒマシ油系ポリオールを含むものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池パネル。
  7. ポリウレタン樹脂が、液状ゴム系ポリオールを含むものである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の太陽電池パネル。
  8. ポリウレタン樹脂が、ヘキサメチレンジイソシアネートまたはその誘導体物を含むものである1〜7のいずれか1項に記載の太陽電池パネル。
  9. ポリウレタン樹脂が、水素添加によって二重結合を含まない構造としたヒマシ油系ポリオールを含むものである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の太陽電池パネル。
  10. ポリウレタン樹脂が、水素添加によって二重結合を含まない構造とした液状ゴム系ポリオールを含むものである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の太陽電池パネル。
  11. 第1の樹脂および第2の樹脂がシリコーン樹脂である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の太陽電池パネル。
  12. 少なくとも太陽電池素子の配列範囲内に、受光面から基材までの複数の貫通孔を設けた、請求項1〜11のいずれか1項に記載の太陽電池パネル。
  13. 両面発電可能な太陽電池素子を使用する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の太陽電池パネル。
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