JP2012160566A - 気化装置及び成膜装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体ソースを気化して成膜処理に用いられる処理ガスを得るにあたり、気化量を安定させ、かつ処理ガス濃度を高めること。
【解決手段】液体ソースを貯留するための気化室3の天井部に面接触した状態で、毛細管現象により液体ソースが広がる繊維体からなる面状体41を設ける。また、一端側が前記面状体41に接続され、他端側が前記気化室3内の液体ソースに接触するように、前記液体ソースを毛細管現象により吸い上げて面状体41に供給する吸い上げ部42を設ける。気化室3を加熱することにより、面状体41が加熱され、液体ソースが液面から気化すると共に、面状体41の表面からも気化するので、処理ガス濃度を高めることができる。また、吸い上げ部42のみが液体ソースに接触しているので、液面の高さ位置が変動しても、面状体への液体ソースの拡散状態に影響がなく、安定した気化量を確保することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液体ソースを気化して成膜処理に用いられる処理ガスを得る気化装置及び、この気化装置を備えた成膜装置に関するものである。
半導体デバイスの微細化に伴い、DRAMの容量絶縁膜においては、キャパシタの容量を高めるため、比誘電率の高い材料が求められている。このような高誘電率材料として、酸化アルミニウム、酸化ハフニウムや酸化ジルコニウム等の金属酸化膜が採用されている。これら金属酸化膜は、例えば基板である半導体ウエハ(以下「ウエハ」という)表面に、有機金属液体ソースを気化して得た金属原料ガスと、酸化剤であるオゾンガスとを処理装置に交互に供給するALDプロセスにて成膜されている。前記金属原料ガスは、気化容器の内部に有機金属液体ソースを供給し、当該気化容器を有機金属液体ソースが熱分解しない程度の温度例えば100℃以下の温度で加熱したり、前記有機金属液体ソースをバブリングすることにより生成されている。そして、気化容器内にて得られた金属原料ガスは、当該気化容器にキャリアガスを導入し、このキャリアガスにより成膜処理が実施される処理容器に供給される。
ここで、半導体デバイスの微細化が進むにつれ、構造がより3次元化してトレンチが深いデバイスが検討されている。このようなデバイスは表面積が大きいため、その表面に金属酸化膜を成膜しようとすると、金属原料ガスの消費量が増大する。このため、例えば多数枚のウエハを棚状に保持して同時に一括(バッチ)して成膜処理を行うバッチ式の成膜装置では、ウエハWが大口径化していることとも合わせて、ウエハWの中央部に金属原料ガスが行き渡りにくくなるおそれがある。これにより、ウエハWの中央部の金属酸化膜では所望の電気特性が確保しにくくなることが懸念されている。
このようなことから、金属原料ガスの供給量を高めることが要請されているが、有機金属液体ソースは、蒸気圧が低く、熱的安定性が低い。このため、気化温度よりも高い温度に加熱すると、熱分解を起こして変質しやすく、加熱温度を上昇させることにより気化容器内にて処理ガス濃度を高めることは困難である。また、気化容器内の液面を広げて揮発面積を大きくしようとすると、気化容器の重量が大きくなり、実装置としては現実的な解決策ではない。
ところで、特許文献1には、処理タンクの内壁に沿って設けられた処理液誘導体によりHMDS液を誘導し、拡散させる手法が記載されている。しかしながら、この手法では、処理タンク内のHMDS液の液量の変化に伴い、処理液誘導体とHMDS液との接触面積が変化するため、HMDSガスの気化量が変化してしまう。このため、この手法を液体ソースの気化に適用して、成膜処理に用いられる処理ガスを得ようとすると、気化量が安定せず、成膜処理にばらつきが発生してしまう。
特開平5−102024号公報(図1、段落0015,0016)
本発明は、このような事情の下になされたものであり、その目的は、液体ソースを気化して成膜処理に用いられる処理ガスを得るにあたり、気化量を安定させ、かつ処理ガス濃度を高めることができる技術を提供することにある。
本発明の気化装置は、
液体ソースを気化して成膜処理に用いられる処理ガスを得るための気化装置において、
液体ソースを貯留するための容器と、
この容器を加熱する加熱部と、
前記容器の天井部に面接触した状態で当該容器内に設けられ、毛細管現象により液体ソースが広がる繊維体からなる面状体と、
一端側が前記面状体に接続されると共に、他端側が前記容器内の液体ソースに接触するように設けられ、前記液体ソースを毛細管現象により吸い上げて面状体に供給する吸い上げ部と、
前記容器内にキャリアガスを導入するガス導入ポートと、
前記容器内にて気化された処理ガスを取り出すための取り出しポートと、を備えたことを特徴とする。
また、本発明の気化方法は、液体ソースを気化して成膜処理に用いられる処理ガスを得るための気化方法において、
液体ソースを貯留すると共に、その天井部に繊維体からなる面状体が面接触した状態で設けられた容器を加熱する工程と、
一端側が前記面状体に接続されると共に、他端側が前記容器内の液体ソースに接触するように設けられた吸い上げ部により、前記液体ソースを毛細管現象により吸い上げて前記面状体に供給する工程と、
前記面状体に液体ソースを毛細管現象により広げる工程と、
前記液体ソースの表面及び面状体の表面において前記液体ソースを気化させる工程と、
前記容器内にキャリアガスを導入する工程と、
前記容器内にて気化された処理ガスをキャリアガスと共に取り出す工程と、を含むことを特徴とする。
さらに、本発明の成膜装置は、
基板に処理ガスを供給して成膜処理を行う成膜装置において、
その内部に基板が設けられた処理容器と、
液体ソースを気化して成膜処理に用いられる処理ガスを得るための気化装置と、
当該気化装置にて得た処理ガスを前記処理容器内に供給するための処理ガス供給路と、
前記処理容器内を排気するための排気路と、を備え、
前記気化装置として、既述の気化装置を用いることを特徴とする。
本発明によれば、液体ソースを貯留した容器内では、前記液体ソースが吸い上げ部により毛細管現象により吸い上げられ、前記容器の天井部に面接触した面状体に毛細管現象により広げられる。このため、前記容器を加熱すると面状体も加熱され、当該容器内では、液体ソースが液面から気化すると共に、面状体の表面からも気化する。これにより、面状体の分、気化面積が大きくなって気化量が多くなり、液体ソースの気化により得られる処理ガス濃度を高めることができる。また、吸い上げ部のみが液体ソースに接触しているので、液面の高さ位置が変動しても、面状体への液体ソースの拡散状態に影響がなく、安定した気化量を確保することができる。
本発明にかかる気化装置及び成膜装置の一実施の形態の全体構成を示す縦断面図である。 前記気化装置を示す斜視図である。 前記気化装置の一部を示す分解斜視図である。 前記気化装置に設けられた面状体と吸い上げ部を構成する繊維体を示す斜視図である。 前記気化装置の他の例を示す断面図である。 前記気化装置の作用を説明するための説明図である。 前記気化装置の作用を説明するための説明図である。 前記気化装置のさらに他の例を示す断面図である。 前記気化装置に設けられた毛細管現象形成部材を示す斜視図である。 前記気化装置のさらに他の例を示す断面図である。 前記気化装置に設けられた毛細管現象形成部材を示す斜視図である。 前記気化装置の効果を確認するために行った実施例を示す特性図である。
以下に本発明に係る気化装置の一実施の形態について説明する。図1は本発明の気化装置を備えた成膜装置の一例を示す縦断面図である。図中1は、本発明の気化装置であり、図中2は本発明の成膜装置である。前記気化装置1は、液体ソースを貯留するための容器をなす気化室3を備えており、この気化室3は、上面が開口する容器部31とこの容器部31の上面を塞ぐ蓋体32とにより、例えば略円筒形状に構成されている(図2参照)。前記容器部31と蓋体32とは例えばステンレス(SUS)により構成され、その内部には上方側に気化空間Sを形成するように前記液体ソース30が貯留されている。前記液体ソース30としては、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、アルミニウム(Al)、チタニウム(Ti)等の金属を含む液体金属化合物が用いられる。ここでは、液体ソースとしてジルコニウムを含む液体金属化合物であるC1123Zr(トリ(ジメチルアミノ)シクロペンタジエニルジルコニウム)を用いる場合を例にして説明する。
前記蓋体32の周縁領域は、前記容器部31の上縁部33に載置されるように構成され、これら上縁部33と蓋体32には、例えば図3に示すように、夫々対応する位置にネジ穴33a,32aが形成されている。こうして、これら容器部31と蓋体32とは、ネジ34により、蓋体32の周縁領域の周方向の複数個所においてネジ止めにより固定され、その内部には気密な空間が形成されている。なお、図3では図示の便宜上、ネジ34は1個のみ示しているが、夫々のネジ穴33a,32aに対応してネジ34が設けられている。
前記気化室3は、図1及び図2に示すように、加熱ジャケット35内に貯留されている。この加熱ジャケット35の側壁35aと底壁35bは、気化室3の側壁3aと底板3bとに夫々接触するように構成されている。また、加熱ジャケット35の側壁35aと底壁35bには、夫々加熱ヒータ36a,36bが内蔵されている。さらに、蓋体32の内部には、加熱ヒータ37が設けられている。この例では、加熱ヒータ36a,36b,37により、気化室3を加熱する加熱部が構成されている。
このような気化室3の内部には、毛細管現象形成部材4が設けられている。この毛細管現象形成部材4は、面状体41と吸い上げ部42とによりなり、前記面状体41は、前記気化室3の天井部に面接触した状態で当該気化室3内に設けられ、毛細管現象により液体ソース30が広がる繊維体より構成されている。また、前記吸い上げ部42は、一端側が前記面状体41に接続されると共に、他端側が前記気化室3内の液体ソース30に接触するように設けられ、前記液体ソース30を毛細管現象により吸い上げて面状体41に供給するように構成されている。
これら面状体41及び吸い上げ部42は、金属例えばステンレスの繊維の集合体よりなる厚さ5mm程度の板状の繊維体により構成されている。図4は、前記繊維体43の顕微鏡写真をトレースしたものである。このように、前記繊維体43は、太さが20μm程度のステンレスの繊維44が3次元的に組み合わさって構成されており、繊維44同士の間には、大きさが50μm程度の肉眼では認知できない微小な空間45が多数形成されている。
前記面状体41は、例えば気化室3の天井部とほぼ同じ大きさの円板状に構成され、その上面が蓋体32の裏面に面接触し、かつその下面が液体ソース30に接触しないように設けられている。例えば、蓋体32と面状体41には、夫々対応する位置に少なくとも1個例えば2個のネジ孔32b,41aが設けられており、面状体41は、ネジ43により蓋体32の裏面に取り付けられている(図3参照)。
また、この例では、前記吸い上げ部42は、細長い幅狭な帯状に構成され、その外面が容器部31の内壁に接触し、その他端側が容器部31の底板3bに接触するように設けられている。これら面状体41と吸い上げ部42は、面状体41の一部を下方側に伸びるように屈曲させることにより一体に形成されている。但し、面状体41と吸い上げ部42とを個別に形成し、互いにネジ止めにより接続してもよい。
さらに、蓋体32には、気化室3内にキャリアガスを導入する導入孔51が形成されると共に、気化室3内にて液体ソースを気化して得た処理ガスを取り出すための取出孔52が形成されている。これら導入孔51及び取出孔52は、夫々気化室3内にキャリアガスを導入するガス導入ポートと、前記気化室3内にて気化された処理ガスを取り出すための取り出しポートに相当するものである。また、図3に示すように、面状体41においても、これら導入孔51及び取出孔52に対応する位置に、孔部43,44が夫々形成されている。
そして、前記蓋体32の導入孔51は、バルブV1を備えたキャリアガス供給路53を介してキャリアガス例えばアルゴン(Ar)ガスの供給源54に接続されている。また、前記蓋体32の取出孔52は、バルブV2を備えた処理ガス供給路55を介して成膜装置2に接続されている。さらに、キャリアガス供給路53と処理ガス供給路55とは、バルブV3を備えた供給路56により接続されている。この供給路56はガスラインのパージのために設けられている。
ここで、気化室3内部の容積は、例えば4リットルであり、気化室3内の液体ソース30の液面が、満液状態の半分になったときにおいて、面状体41の面積は、吸い込み部52の面積の100倍以上であることが好ましい。
続いて、成膜装置2について簡単に説明する。図中21は、下端が開口する例えば石英製の内管21aと、その周囲に設けられた外管21bとからなる反応管であり、その下端開口部にはマニホールド22が連結されている。このマニホールド22の下方から多数枚例えば100枚のウエハWを多段に載置可能な石英製のウエハボート23が内管21a内に挿入される。図中24は保温筒、25は保温筒24を鉛直軸まわりに回転させる回転機構である。なお、保温筒24は気密にシールしつつ回転できるように構成されている。図中26は蓋体であり、ウエハボート23および蓋体26等は図示しないボートエレベータにより昇降して、反応管21に対して搬入出されるように構成されている。
また、前記マニホールド22の側部には、前記内管21aと外管21bとの間から反応管21内の雰囲気を排出する排気口20が設けられており、この排気口20は、圧力調整部27aを備えた排気路27により真空ポンプ28に接続されている。さらに、反応管21の周囲には、これを囲むように加熱機構6が設けられている。図中61は断熱材、62は加熱ヒータである。
さらに、前記マニホールド22には、内管21a内に各種の処理ガスを供給するためのガス供給ノズル63が設けられている。このガス供給ノズル63は、内管21a内において、側壁に沿って上下方向に伸びるように設けられており、ウエハボート23が搬入されたときには、ウエハボート23の側方にウエハボート23の長さ方向に沿って処理ガスを供給するように構成されている。図1では、図示の便宜上1本のガス供給ノズル63のみを描いているが、実際には2本以上設けられている。そして、その内の一本のガス供給ノズル63が、前記気化装置1の処理ガス供給路55に接続され、他のガス供給ノズルには、酸化ガス例えばオゾンガスの供給源64とバルブV4を備えた酸化ガス供給路65により接続されている。図1中57,66は、流量調整部である。
また、この実施の形態では、気化装置1及び成膜装置2全体の動作のコントロールを行うためのコンピュータからなる制御部100が設けられ、この制御部100のメモリ内には装置を運転するためのプログラムが格納されている。このプログラムは後述の装置の動作を実行するようにステップ群が組まれており、ハードディスク、コンパクトディスク、光磁気ディスク、メモリカード、フレキシブルディスクなどの記憶媒体から制御部100内にインストールされる。前記プログラムには、加熱ヒータ36a,36b,37,62、各バルブV1〜V4、流量調整部57,66、回転機構25、真空ポンプ28を制御するためのプログラムも含まれており、制御部100のメモリに予め記憶されたプロセスレシピに応じて上記各装置を制御するようになっている。
続いて、本発明の気化装置1の作用について説明する。先ず、容器部31に所定量の液体ソース30であるジルコニウムを含む液体金属化合物、例えばC1123Zrを供給し、容器部31に蓋体32を取り付ける。この際、蓋体32には、毛細管現象形成部材4を予め装着しておく。
なお、例えば図5に示すように、蓋体32に液体ソースの供給孔58aを形成し、バルブV5を備えた液体ソース供給路58を介して、気化室3と液体ソースの供給源59とを接続するようにしてもよい。この場合には、毛細管現象形成部材4における前記液体ソースの供給孔58aと対応する位置にも孔部45を形成しておき、容器部31に毛細管現象形成部材4を設けた蓋体32を取り付けた状態で、バルブV5を開くことにより、液体ソースが気化室3内に供給されるようになっている。
作用に説明を戻すと、吸い上げ部42の他端側が液体ソース30に接触すると、吸い上げ部42は繊維の集合体であるので、図6に示すように、毛細管現象により液体ソース30を吸い上げ、こうして、毛細管現象により吸い上げ部42の上方側まで液体ソース30が徐々に移動していく。そして、面状体41に至ると、当該面状体41の全面に毛細管現象により広がっていき、当該面状体41全体に液が供給される状態になる。
一方、加熱ヒータ36a,36b、37により気化室3を、気化室3内の液体ソース30が気化し、かつ分解しない程度の温度、例えば液体ソース30がジルコニウムを含む液体金属化合物である場合、気化室3の温度が60℃以上100℃以下になるように加熱する。この際、加熱ヒータ37からの熱により蓋体32を介して面状体41が加熱され、加熱ヒータ36a,36bからの熱により容器部31の側壁3aを介して吸い上げ部42も加熱される。こうして、気化室3内では、図7に示すように、液体ソース30の液面から気化が起こると共に、面状体41及び吸い上げ部42の表面が揮発面となり、これら表面からも気化が起こる。このため、気化室3内では、毛細管現象形成部材4により気化面積が大きくなり、毛細管現象形成部材4を設けない場合に比べて、液体ソース30の気化量が多くなる。これにより、気化室3における液体ソースの液面よりも上方側の領域30では、液体ソース30が気化したZrを含む処理ガス(以下「Zrガス」という)の濃度が高い状態となる。
ここで、所定のタイミング例えば後述する成膜処理のガス供給ステップのときに、バルブV1を開いて所定流量のキャリアガスを気化室3に導入すると共に、バルブV2を開く。これにより、気化室3内にて生成した処理ガス(Zrガス)はキャリアガス(Arガス)により気化室3から押し出されて、処理ガス供給路55を介して成膜装置2へと供給される。
一方、成膜装置2では、反応管21を所定温度に加熱すると共に、ウエハWをウエハボート23に搭載して、図示しないボートエレベータにより内管21a内に搬入し、反応管21内を真空ポンプ28により所定の真空度まで真空排気する。そして、ウエハボート23を回転させながら、処理ガスであるZrガスと、酸化ガスであるOガスとを、例えば交互に供給する。
これにより、ウエハWには、ZrガスとOガスとが交互に供給されて、Zrガスが吸着してジルコニウムの分子層が形成され、次いでOガスが吸着してジルコニウム層が酸化されて酸化ジルコニウムの分子層が1層あるいは複数層形成される。こうして、酸化ジルコニウムの分子層が順次積層されて所定の膜厚の金属酸化膜である酸化ジルコニウム膜が成膜される。
上述の実施の形態によれば、前記気化室3の天井部に面接触した状態で、毛細管現象により液体ソースが広がる繊維体からなる面状体41を設けると共に、一端側が前記面状体41に接続されると共に、他端側が前記気化室3内の液体ソース30に接触するように設けられ、前記液体ソース30を毛細管現象により吸い上げて面状体41に供給する吸い上げ部42を設けている。
これにより、液体ソース30が液面のみならず面状体41及び吸い上げ部42にも存在するので、気化室3の大きさが同じであって毛細管現象形成部材4が設けられていない場合に比べて、液体ソース30が存在する領域の表面積が大きくなる。このため、気化面積を大きくすることができるので、気化量を増加させることができ、処理ガス濃度を高めることができる。
この際、気化室3を加熱ヒータ36a,36b,37により加熱すると共に、面状体41を気化室3の天井部に接触するように設けているので、蓋体32の熱が面状体41に伝熱する。これにより、面状体41が加熱されるため、気化が促進され、当該面状体41の表面が揮発面として有効に作用する。
仮に、面状体41が気化室3の天井部に接触していない場合には、面状体41が加熱されず、しかも気化熱により面状体41の熱が奪われてしまうので、面状体41が冷却される状態となる。前記面状体41は、温度が低い場合には、揮発面として有効に作用せず、気化量が極端に少なくなってしまう。この例では、面状態41は気化室3の天井部とほぼ同じ大きさに形成されていて表面積が大きいので、例えば面状体41の温度が10℃低下すると、気化量は約1/2に減少してしまう。このように、面状体41を熱源である気化室3の天井部に面接触するように設けて加熱することは、気化量を多くするために重要である。
また、吸い上げ部42のみが液体ソース30に接触するように設けられているので、液面の高さ位置が変動しても、面状体41への液体ソース30の拡散状態に影響がない。このため、面状体41からの気化量は、液体ソース30の液面の変動に依存せず、安定した気化量を確保できる。この際、液体ソース30の液面の変動により、前記吸い上げ部42と液体ソース30との接触面積は変動するが、吸い上げ部42は幅狭な細長い形状に形成されており、液体ソース30との接触面積が元々小さい。このため、当該吸い上げ部42からの気化量は、面状体41からの気化量に比べてかなり少なく、液体ソース30の液面の高さ位置が変動により吸い上げ部42からの気化量が変動しても、その影響は問題とならない。
さらに、面状体41及び吸い上げ部42は、ステンレスの繊維より構成されているので、耐熱性に優れ、金属汚染のおそれもない。また、上述実施の形態のように、気化室3を容器部31と蓋体32とにより構成し、この蓋体32に毛細管現象形成部材4を装着する構成では、既存の気化装置3に毛細管現象形成部材4を組み込むことができ、既存の気化装置3を利用できるため有効である。
このように、本発明の気化室3を用いて液体ソースを気化すると、安定した気化量で、かつ濃度の高い処理ガスを得ることができるので、濃度が安定した高濃度の処理ガスを成膜装置2に供給できる。これにより、バッチ式の成膜装置2にて、トレンチが深く、表面積が大きくなっている半導体デバイスの表面に金属酸化膜を成膜する場合においても、ウエハWの中央部まで十分に、濃度が安定した処理ガスが行き渡る。この結果、面内安定性の高い、バラつきの発生を抑えた成膜処理を行うことができる。
以上において、毛細管現象形成部材4としては、図8及び図9に示すように、面状体72に複数本例えば2本の吸い上げ部73a,73bを設けた構成の毛細管現象形成部材71であってもよい。図8及び図9中、72a及び72bは、導入孔51及び取出孔52に対応して面状体72に夫々形成された孔部である。
また、図10及び図11に示す毛細管現象形成部材74のように、吸い上げ部76を気化室3の側壁3a,3bに接触させず、当該側壁3a,3bから離れた位置に設けるようにしてもよい。吸い上げ部76は面状体75に毛細管現象により液体ソース30を供給するものであるため、必ずしも熱源に接触させる必要はないからである。図10及び図11中、75a及び75bは、導入孔51及び取出孔52に対応して、面状体75に夫々形成された孔部である。
さらに、気化室3においては、側壁3a又は底板3bを加熱部により加熱することにより、天井部(蓋体32)が側壁3a又は底板3bを介して間接的に加熱される場合には、必ずしも天井部(蓋体32)に加熱部を設ける必要はない。また、天井部(蓋体32)のみに加熱部を設け、天井部(蓋体32)を介して側壁3a又は底板3bを間接的に加熱するようにしてもよい。さらに、天井部(蓋体32)に設けられる加熱部は、天井部(蓋体32)の内部に加熱源を設ける場合のみならず、天井部(蓋体32)の外部に加熱源を設ける場合も含まれる。
さらにまた、面状体及び吸い上げ部を構成する繊維としては、ステンレス等の金属の他、セラミックス等を用いてもよいし、ステンレスに酸化膜をコーティングした繊維を用いるようにしてもよい。前記酸化膜としては、アルミナ(Al)やシリコン酸化膜(SiO)等の金属酸化膜を用いることができる。液体金属化合物の種類によっては、ステンレス繊維の集合体では毛細管現象が形成されにくい場合があるが、ステンレスにアルミナやシリコン酸化膜をコーティングすることにより、親水性が大きくなるので、毛細管現象が形成やすくなるという点で有効である。
さらにまた、液体ソースを貯留する容器としては、容器部と蓋体とが一体になったものを用いるようにしてもよい。さらに面状体及び吸い上げ部は必ずしも一体に形成する必要はなく、面状体と吸い上げ部とを個別に形成し、両者をネジ止め等により接続してもよい。この場合、面状体と吸い上げ部を構成する繊維体は、夫々異なる繊維体であってもよい。また、キャリアガスとしては、Arガスの他、窒素(N)ガス、ヘリウム(He)ガス等を用いることができる。
以上において、本発明の液体ソースを気化して得た処理ガスを用いた成膜処理は、金属酸化膜の成膜処理の他、金属窒化膜等の成膜処理に適用できる。
図1に示す気化装置1及び成膜装置2を使用して、液体ソースとしてトリ(ジメチルアミノ)シクロペンタジエニルジルコニウム、キャリアガスとしてArガスを用いて、気化量の算出を行った。この際、気化室3に設けられる毛細管現象形成部材71は、図8に示すように、面状体72に2個の吸い上げ部73を備えた構成とした。実施例では、気化室3は100℃に加熱し、Arガスの供給流量は1〜2リットル/minとして、反応管21内に50分間、液体ソースを気化して得た処理ガスを供給し、供給前後における重量を測定し、気化量を算出した。また比較例として、気化室3に毛細管現象形成部材71を設けない場合についても、実施例と同様に、処理ガスの気化量を算出した。
この結果を図12に、実施例は◆により、比較例は◇により夫々示す。図中横軸は、キャリアガスの流量(リットル/min)、縦軸は液体ソースを気化して得たZrガスの流量(g/min)である。この結果、実施例では比較例に比べて、Zrガス流量が大きく、面状体72及び吸い上げ部73よりなる毛細管現象形成部材71を設けることにより、気化量を増大できることが確認された。
1 気化装置
2 成膜装置
21 反応管
23 ウエハボート
27 排気路
28 真空ポンプ
3 気化室
31 容器部
32 蓋体
36a,36b,37 加熱ヒータ
4 毛細管現象形成部材
41 面状体
42 吸い上げ部
51 導入孔
52 取出孔
55 処理ガス供給路
63 ガス供給ノズル
65 酸化ガス供給路
W 半導体ウエハ

Claims (9)

  1. 液体ソースを気化して成膜処理に用いられる処理ガスを得るための気化装置において、
    液体ソースを貯留するための容器と、
    この容器を加熱する加熱部と、
    前記容器の天井部に面接触した状態で当該容器内に設けられ、毛細管現象により液体ソースが広がる繊維体からなる面状体と、
    一端側が前記面状体に接続されると共に、他端側が前記容器内の液体ソースに接触するように設けられ、前記液体ソースを毛細管現象により吸い上げて面状体に供給する吸い上げ部と、
    前記容器内にキャリアガスを導入するガス導入ポートと、
    前記容器内にて気化された処理ガスを取り出すための取り出しポートと、を備えたことを特徴とする気化装置。
  2. 前記容器の天井部は、前記容器の蓋体であることを特徴とする請求項1記載の気化装置。
  3. 前記面状体と前記吸い上げ部とは一体に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の気化装置。
  4. 前記液体ソースは液体金属化合物であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の気化装置。
  5. 前記面状体及び吸い上げ部は、ステンレスの繊維の集合体であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載の気化装置。
  6. 前記加熱部は、少なくとも容器の天井部に設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一つに記載の気化装置。
  7. 液体ソースを気化して成膜処理に用いられる処理ガスを得るための気化方法において、
    液体ソースを貯留すると共に、その天井部に繊維体からなる面状体が面接触した状態で設けられた容器を加熱する工程と、
    一端側が前記面状体に接続されると共に、他端側が前記容器内の液体ソースに接触するように設けられた吸い上げ部により、前記液体ソースを毛細管現象により吸い上げて前記面状体に供給する工程と、
    前記面状体に液体ソースを毛細管現象により広げる工程と、
    前記液体ソースの表面及び面状体の表面において前記液体ソースを気化させる工程と、
    前記容器内にキャリアガスを導入する工程と、
    前記容器内にて気化された処理ガスをキャリアガスと共に取り出す工程と、を含むことを特徴とする気化方法。
  8. 前記液体ソースは液体金属化合物であることを特徴とする請求項7記載の気化方法。
  9. 基板に処理ガスを供給して成膜処理を行う成膜装置において、
    その内部に基板が設けられた処理容器と、
    液体ソースを気化して成膜処理に用いられる処理ガスを得るための気化装置と、
    当該気化装置にて得た処理ガスを前記処理容器内に供給するための処理ガス供給路と、
    前記処理容器内を排気するための排気路と、を備え、
    前記気化装置は、請求項1〜6のいずれかに記載の気化装置を用いることを特徴とする成膜装置。
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