JP2012160395A - ケーブルおよびケーブルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 水走りを確実に防止可能であるとともに、製造性にも優れ、導線の腐食等の問題もなく、その後のコネクタ等との接続作業性にも優れるケーブルの製造方法等を提供する。
【解決手段】 中心に配置される導線3aの外周に、導線3bが配置される。隣り合う導線3b同士は接触するとともに、導線3bは導線3aと接触する。また、導線3bは導線3aの外周に最密に配置されて、撚り合わされる。同様に、導線3cが、導線3bの外周に配置される。隣り合う導線3c同士は接触するとともに、導線3cは導線3bと接触する。また、導線3cは導線3bの外周に最密に配置されて、撚り合わされる。導線3a、3b、3cの間の空間には、熱可塑性樹脂5が充填される。導線3cの外周には絶縁被覆7が設けられる。絶縁被覆7は、例えばポリエチレンを用いることができる。絶縁被覆7は、熱可塑性樹脂5および導線3cとの間に隙間が形成されないように被覆される。
【選択図】図1

Description

本発明は、主に屋外で使用される鉄道等の軌道脇に敷設される信号ケーブルであって、複数の電線を撚り合せて形成され、導線間の水走りを防止可能なケーブルおよびケーブルの製造方法に関するものである。
従来、軌道回路の送着電箇所から、信号ケーブルの導線間の隙間に水が浸入することにより、端子間の短絡や腐食等の問題があった。このため、導線間の水走りを防止可能な信号ケーブルが求められている。
このような水走り防止ケーブルとしては、例えば、金属素線からなる中心導体と複数の金属素線からなるより線層とを有するより線導体の製造法において、中心導体上にポリエーテル合成油を塗布して吸水膨潤性粉末を付着させた後により線層を形成し、ついで該より線層上にポリエーテル合成油を塗布して吸水膨潤性粉末を付着させて製造される線導体がある(特許文献1)。
また、芯線に対して複数の撚線層を重ねて形成する撚線導体において、芯線と平行に配置する縦紐部材とを中心にして第1撚線層を重ね、第1撚線層の外周面に芯線と平行に配置する縦紐部材と、スパイラルに巻回される斜め紐部材とを配置して、第1撚線層の上に第2撚線層を形成し、第2撚線層の外周部には縦紐部材と斜め紐部材とを配置して第3撚線層を形成し、縦紐部材と斜め紐部材とを介して撚線層を順次重ねて形成される走水防止型導体がある(特許文献2)。
特開平10−302561号公報 特開平11−162264号公報
特許文献1、特許文献2のいずれの導線も、水膨張性部材を用いるものであり、内部に水が浸入すると、多少の隙間が形成されていても、当該水膨張性部材が膨張してそれ以上の水の浸入を防止することができる。しかし、当該水膨張性部材が水分を保持するため、これと接触する導体が腐食するという問題がある。
また、このような導線は、端部にコネクタ等が接続されて使用されるが、このようなコネクタ等との接続時には、素線周囲の被覆や紐部材を撤去する必要がある。このため、コネクタ接続作業性が劣る。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、水走りを確実に防止可能であるとともに、製造性にも優れ、導線の腐食等の問題もなく、その後のコネクタ等との接続作業性にも優れるケーブルの製造方法等を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するため、第1の発明は、ケーブルの製造方法であって、第1の内部側導線の外周に熱可塑性樹脂を被覆する工程(a)と、前記熱可塑性樹脂の外周から複数の外部側導線を加熱しつつ前記第1の内部側導線の外周に撚り合せ、断面において前記外部側導線と前記第1の内部側導線とを接触させる工程(b)と、最外周に絶縁被覆を施す工程(c)と、を具備し、前記工程(a)における前記熱可塑性樹脂の被覆量は、ケーブルの断面において、前記第1の内部側導線の周囲に前記外部側導線を最密に配置した際に、前記第1の内部側導線と前記外部側導線との間に形成される空間よりも多いことを特徴とするケーブルの製造方法である。
前記工程(a)における前記熱可塑性樹脂の被覆量は、最外周に配置される前記外部側導線を前記第1の内部側導線の周囲に最密に配置した状態における、隣り合う前記外部側導線同士の接点から、径方向における前記熱可塑性樹脂の厚みをTとした場合に、Tが前記外部側導線の半径rに対して、0.05r≦T≦1.4rであることが望ましく、さらに望ましくは、0.4r≦T≦1.0rである。
前記工程(a)の前に、前記第1の内部側導線の内周側に第2の内部側導線が形成される工程(d)をさらに有し、前記工程(d)は、第2の内部側導線の外周に熱可塑性樹脂を被覆し、熱可塑性樹脂の外周から複数の第1の内部側導線を加熱しつつ前記第2の内部側導線の外周に撚り合せ、断面において前記第1の内部側導線と前記第2の内部側導線とを接触させる工程であり、前記工程(a)における前記熱可塑性樹脂の被覆量と、前記工程(d)における前記熱可塑性樹脂の被覆量の総量は、ケーブルの断面において、前記第2の内部側導線の周囲に前記第1の内部側導線を最密に配置した際に、前記第2の内部側導線と前記第1の内部側導線との間に形成される空間と、前記第1の内部側導線の周囲に前記外部側導線を最密に配置した際に、前記第1の内部側導線と前記外部側導線との間に形成される空間の合計よりも多く、かつ、前記外部側導線を前記第1の内部側導線の周囲に最密に配置した状態における、隣り合う前記外部側導線同士の接点から、径方向における前記熱可塑性樹脂の厚みをTとした場合に、Tが前記外部側導線の半径rに対して、0.05r≦T≦1.4rであってもよい。
第1の発明によれば、内部側導線の外周に熱可塑性樹脂を被覆後、外部側導線を加熱しながら撚り合せるため、外部側導線を内部側導線と接触させた際に、互いの間に生じる隙間が熱可塑性樹脂で満たされるため、水の浸入を防止することができる。また、水膨張性部材等を用いないため、水分が一か所に保持されることもない。
また、外部側導線を撚り合せた際に、最外周に最密に配置される外部側導線の接点からの径方向の熱可塑性樹脂の厚みを所定範囲内とすることで、外部側導線同士の隙間を確実に熱可塑性樹脂で埋めることが可能であるとともに、最外周に絶縁被覆を施した後、絶縁被覆を剥離する際に、絶縁被覆とともに熱可塑性樹脂を除去可能であり、導線の外周が露出するため、コネクタ等との接続の際に、導線外周の樹脂等を除去する必要がない。したがって、絶縁被覆の剥離後すぐにコネクタ等との接続を行うことができるため、接続作業性に優れる。
また、第2の内部側導線の外周に第1の内部側導線を設け、3重構造とすることもできる。この場合であっても、第2の内部側導線の外周に設けられる熱可塑性樹脂の量を適正化することで、確実に導線間の隙間を埋めることができる。また、外部側導線の接点からの径方向の熱可塑性樹脂の厚みを所定範囲内とすることで、絶縁被覆を剥離した後に、外部側導線の外周面に熱可塑性樹脂が残ることがない。
また、絶縁被覆を施す前の状態において、絶縁被覆を施す側の導線間の隙間に熱可塑性樹脂がはみ出し、導線間の隙間の狭い部分は熱可塑性樹脂が充填されるため、絶縁被覆の充填不良等の発生を防止することができる。また、絶縁被覆が導線間の狭い隙間に挟み込まれることがないため、絶縁被覆の除去が容易である。
第2の発明は、第1の内部側導線と、前記第1の内部側導線の外周に設けられる複数の外部側導線と、絶縁被覆と、を具備し、ケーブルの断面において、前記第1の内部側導線の周囲に前記外部側導線が最密に配置され、前記第1の内部側導線と前記外部側導線との間に形成される空間には、熱可塑性樹脂が満たされており、前記熱可塑性樹脂が、隣り合う前記外部側導線同士の接点から径方向にはみ出していることを特徴とするケーブルである。
前記第1の内部側導線の内部側には、さらに第2の内部側導線が設けられ、前記第1の内部側導線は、前記第2の内部側導線の外周に複数設けられ、ケーブルの断面において、前記第2の内部側導線の周囲に前記第1の内部側導線が最密に配置され、前記第2の内部側導線と前記第1の内部側導線との間に形成される空間は熱可塑性樹脂によって満たされており、前記第1の内部側導線の周囲に前記外部側導線が最密に配置され、前記第1の内部側導線と前記外部側導線との間に形成される空間は熱可塑性樹脂によって満たされており、前記外部側導線を前記第1の内部側導線の周囲に最密に配置した状態における隣り合う前記外部側導線同士の接点から、径方向における前記熱可塑性樹脂の厚みをTとした場合に、Tが前記外部側導線の半径rに対して、0.05r≦T≦1.4rであってもよい。前記熱可塑性樹脂は、エチレンエチルアクリレートであることが望ましい。
第2の発明によれば、確実に水走りを防止可能である。また、外周部の絶縁被覆を除去した際に、最外周の外部側導線の外周面に熱可塑性樹脂が残らないようにすることで、その後のコネクタ等との接続作業性にも優れるケーブルを得ることができる。
本発明によれば、水走りを確実に防止可能であるとともに、製造性にも優れ、導線の腐食等の問題もなく、その後のコネクタ等との接続作業性にも優れるケーブルの製造方法等を提供することができる。
ケーブル1を示す断面図。 導線間の熱可塑性樹脂の態様を示す図で、(a)は熱可塑性樹脂が不足した状態、(b)は熱可塑性樹脂5が導線3cの外接円11よりはみ出した状態を示す図。 導線間の熱可塑性樹脂の態様を示す図で、(a)は熱可塑性樹脂5が導線3c同士の接触部よりも外周側にはみ出すものの、導線3cの外接円11からは、はみ出さない状態を示す図、(b)は(a)に対して、導線3c同士の接触部からの熱可塑性樹脂のはみ出し量を減らした状態を示す図。 ケーブル1の製造工程を示す図。 ケーブル1の製造工程を示す図。
以下、本発明の実施の形態にかかるケーブル1について説明する。図1は、ケーブル1を示す断面図である。ケーブル1は、主に導線3a、導線3b、導線3c、熱可塑性樹脂5、絶縁被覆7等から構成される。
導線3a、3b、3cは、例えば、電気用軟銅線である。中心に配置される内部側導線である導線3aの外周に、導線3bが配置される。隣り合う導線3b同士は接触するとともに、導線3bは導線3aと接触する。また、導線3bは導線3aの外周に最密に配置されて、撚り合わされる。同様に、導線3cが、導線3bの外周に配置される。隣り合う導線3c同士は接触するとともに、導線3cは導線3bと接触する。また、導線3cは導線3bの外周に最密に配置されて、撚り合わされる。なお、最外周に最密に配置される導線を外部側導線とし、外部側導線の内側に配置される導線を第1の内部側導線とする。ケーブルが3層構造の場合には、第1の内部側導線の内側にさらに配置される導線を第2の内部側導線とする。したがって、中心の内部側導線は1本となるが、内部側導線が複数層形成される場合には、より外側の内部側導線が複数本撚り合わさって形成される場合もある。
導線3a、3b、3cの間の空間には、熱可塑性樹脂5が充填される。すなわち、導線3c同士の接触部よりも内周側の空間(断面における導線以外の部位)は全て熱可塑性樹脂5で満たされる。熱可塑性樹脂としては、熱可塑性を有すれば任意の樹脂材料を選定可能であるが、後述するケーブルの製造性や導線等の密着性および柔軟性等を考慮すると、エチレンエチルアクリレートを用いることが望ましい。
導線3cの外周には絶縁被覆7が設けられる。絶縁被覆7は、例えばポリエチレンを用いることができる。絶縁被覆7は、熱可塑性樹脂5および導線3cとの間に隙間が形成されないように被覆される。
図2、図3は、図1のA部拡大図における、導線3c間の熱可塑性樹脂5および絶縁被覆7の状態を示す図である。
図2(a)は、熱可塑性樹脂5が導線3cの内部側(導線3c同士の接触部よりも中心側)までは充填されるが、導線3cの外部側(導線3c同士の接触部よりも外周側)には熱可塑性樹脂5が充填されない(はみ出さない)状態を示す図である。この状態では、図に示すように、絶縁被覆7が導線3c同士の隙間を完全に埋めずに隙間が形成される恐れがある。したがって、当該隙間に水が浸入する恐れがある。
また、絶縁被覆7が導線3cの狭い隙間に挟み込まれる。このため、絶縁被覆7を除去する際に、絶縁被覆7が剥がれにくくなる。したがって、本発明においては、熱可塑性樹脂5が導線3cの接触部よりも外部側にはみ出していることが望ましい。
これに対し、図2(b)は、熱可塑性樹脂5が導線3cの外周にはみ出した状態を示す図である。導線3cの外接円11を想定した際に、熱可塑性樹脂5が外接円11からさらに外周側にはみ出させるように構成すれば、前述した隙間が形成されることがない。したがって、水の浸入を防ぐことができる。ここで、隣り合う導線3c(最外周に最密に配置される外部側導線)同士の接点から、当該ケーブルの径方向に対する厚みをTとし、導線3cの半径をrとする。すなわち、外接円11上は、T=rとなる。この場合には、T≦1.4rであることが望ましい。Tが大きすぎると、絶縁被覆7を除去した際に、熱可塑性樹脂5が導線3cの外周に残ってしまい、熱可塑性樹脂5を除去する必要がある。このため、コネクタ接続作業性が悪くなるためである。
一方、図3は、熱可塑性樹脂5の量をさらに適正化したものである。図2(b)のように導線3cの外接円11を想定した際に、熱可塑性樹脂5が外接円11からさらに外周側にはみ出すと、導線3c全体が熱可塑性樹脂5により被覆される。したがって、前述した隙間をなくすことはできるものの、絶縁被覆7を剥離した後、コネクタ等の接続前に熱可塑性樹脂5が導線3cの表面に残る恐れがある。このため、コネクタ等の接続作業性が悪くなる恐れがある。これに対し、図3(a)に示すように、熱可塑性樹脂5が導線3c同士の接触部よりも外周側にはみ出すものの、導線3cの外接円11からは、はみ出さない程度に構成することが望ましい。すなわち、T≦1.0rとすることが望ましい。このようにすることで、確実に導線3c同士の隙間を埋めることができるとともに、前述の図2(b)と比較して、より確実に絶縁被覆7の剥離性を向上させ、絶縁被覆を剥離する際に、導線3cの外周面を露出させることができる。このため、熱可塑性樹脂5の除去が不要である。なお、図1のようなケーブルでは、Tを測定する対象部が12か所(各導線3c間)あるが、その最大値がT≦1.4r(またはT≦1.0r)を満足することが望ましい。
図3(b)は、図3(a)に対して、熱可塑性樹脂5の導線3c同士の接触部からのはみ出し量を減らしたものである。熱可塑性樹脂5のはみ出し量が多くなると、熱可塑性樹脂の使用量が増え、また、導線3cの露出部の面積が減るため、最低限のはみ出し量とすることが望ましい。
したがって、特に望ましい熱可塑性樹脂5のはみ出し量としては、絶縁被覆7の被覆時に絶縁被覆7が導線3cの隙間へ回り込むことが可能な範囲であって、例えば、0.05r≦Tとすれば、絶縁樹脂の回り込み不良(図2(a))を防止することができる。さらに望ましくは、0.4r≦Tであり、このようにすると、絶縁被覆の回り込み不良を防止できるとともに、絶縁被覆を除去する際に、絶縁被覆が狭い導線間の隙間には入り込まないため、絶縁被覆の剥離性にも優れる。したがって、熱可塑性樹脂5の使用量を削減できるとともに、水の浸入を防ぎ、絶縁被覆の除去作業やコネクタ等との接続作業が容易となる。なお、図1のようなケーブルでは、Tを測定する対象部が12か所(各導線3c間)あるが、その最小値が0.05r≦T(または0.4r≦T)を満足することが望ましい。
次に、本発明にかかるケーブルの製造方法について説明する。図4はケーブルの製造工程を示す図である。まず、図4(a)に示すように、導線3aの外周に熱可塑性樹脂5a(5)を被覆する。
次いで、6本の導線3bを加熱しつつ導線3aの周りに配置する。導線3bは、導線3aの周りに撚り合わされる。この際、隣り合う導線3b同士が接触し、導線3bは導線3aと接触する。この際、熱可塑性樹脂5aは導線3bによって押し出され、導線3b同士の接触部より外側にはみ出す。すなわち、図4(a)における熱可塑性樹脂5aの被覆量(断面における断面積)は、導線3aの周囲に導線3bを最密に配置した状態における、導線3bと導線3aの空間(断面における隙間の総断面積)よりも大きくなるように調整される。また、熱可塑性樹脂5aの導線3b外周側へのはみ出し量が、前述したような範囲となるように調整される。
ケーブルが2層構造であれば、図4(c)に示すように、導線3bの外周に絶縁被覆7を施せばケーブルが完成する。この場合、導線3aが第1の内部側導線として機能し、導線3bが外部側導線として機能する。
また、ケーブルが図1に示すように3層構造である場合には、図4(b)の後、導線3bの外周にさらに熱可塑性樹脂5b(5)を被覆する。
次いで、12本の導線3cを加熱しつつ導線3bの周りに配置する。導線3cは、導線3bの周りに円形に撚り合わされる。この際、隣り合う導線3c同士が接触し、導線3cは導線3bと接触する(導線3bの外接円と導線3cの内接円とが略一致する)。この際、熱可塑性樹脂5bは導線3cによって押し出され、導線3c同士の接触部より外側にはみ出す。
すなわち、図4(a)、図5(a)における熱可塑性樹脂5a、5
bの総被覆量(断面における総断面積)は、導線3aの周囲に導線3bを最密に配置し、導線3bの周囲に導線3cを最密に配置した状態における、導線3a、3b、3cの間の空間(断面における隙間の総断面積)よりも大きくなるように調整される。但し、熱可塑性樹脂の導線3cの接点からの径方向の厚みが、前述したような範囲内となるように調整されることが望ましい。
最後に、導線3cの外周に絶縁被覆7を被覆することで、ケーブル1が完成する。この場合には、導線3aが第2の内部側導線として機能し、導線3bが第1の内部側導線として機能し、導線3cが外部側導線として機能する。なお、さらに導線を4層以上形成する場合には、図5に示す工程を繰り返せばよい。
本発明によれば、断面において隙間が形成されず、水走りを確実に防止することができる。また、導線3a、3b、3c間の隙間は熱可塑性樹脂5により構成されるため、加熱した導線を外周から撚り合せることで、熱可塑性樹脂で確実に隙間を満たすことができる。また、導線3c同士の接触部より外周側に熱可塑性樹脂5がはみ出すため、絶縁被覆7の導線3c間の隙間に対する充填不良が生じることがなく、また、絶縁被覆の剥離が容易である。
また、熱可塑性樹脂5の導線3cからのはみ出し量を適正化することで、絶縁被覆を剥離してコネクタ等への接続を行う際に、熱可塑性樹脂を除去する必要がない。
以下、各ケーブルの導線に対する熱可塑性樹脂の厚みを変化させて、耐水走り性およびコネクタ接続作業性について評価した。評価は、直径1.4mmの導線19本を3層構造(図1)のように撚り合せたものを用いた。絶縁体はポリエチレン製とした。熱可塑性樹脂としてはエチレンエチルアクリレートを用いた。
耐水走り性の評価は、0.1m長さの各ケーブルを用いて、JIS C 6851(光ファイバケーブル特性試験方法 2.4.透水 方法F5B)に準じて行った。水頭長は1mとし、評価時間は24hとした。
コネクタ接続作業性の評価は、ケーブル端部の絶縁被覆を工具で除去した際に、導線の表面に熱可塑性樹脂の付着があるか否かを目視で評価した。結果を表1に示す。
Figure 2012160395
表中、「T min」、「T max」は、図2(b)、図3で示したTであり、最外周の導線同士の接線から径方向への熱可塑性樹脂のはみ出し厚みであり、r=0.7mmである。すなわち、T=0とは、熱可塑性樹脂が導線接点から外方にはみ出していないことを意味する。なお、「T min」は、最外周にある導線12本のそれぞれの間において、最も薄い部分のTを指す。同様に、「T max」は、最外周にある導線12本のそれぞれの間において、最も厚い部分のTを指す。なお、No.6〜10のT minは、0.4r以上であり、No.1〜5のT maxは0.7r以下である。
また、「耐水走り性」は、前述の試験で導線の端部から水漏れが確認された物を「×」として、水漏れが見られなかったものを「○」とした。また、「コネクタ接続作業性」は、絶縁被覆除去後、導線の外表面に熱可塑性樹脂が付着していたものを「×」とした。また、絶縁被覆の除去がしやすいが、コネクタ接続には影響を及ぼさない程度の熱可塑性樹脂の付着が見られたもの、または、熱可塑性樹脂の付着は見られないが、絶縁被覆の除去が困難であったものを「○」とし、両者のいずれにも優れていたものを「◎」とした。
その結果、No.1,2は、Tが0.05r未満であり、耐水走り性が悪く、水の浸入が確認された。したがって、これらについてはコネクタ接続作業性の評価は行わなかった。また、No.9,10は、Tが1.4rを超えているため、絶縁被覆の除去の際に、熱可塑性樹脂が除去しきれずに、導線表面への付着が確認された。
一方、No.3〜8は、Tが適正値(0.05r〜1.4r)であるため、耐水走り性に優れ、コネクタ接続作業性にも優れるものであった。特に、Tが0.4r〜1.0rでは、絶縁被覆の除去の際に、熱可塑性樹脂の付着が見られず、かつ、絶縁被覆自体の除去性にも優れることが分かった。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、導線3b、3cを撚り合せる際に、熱可塑性樹脂5の一部が、断面における径方向のみではなく、軸方向に押し出される場合がある。この場合には、ある断面において、導線3a、3b、3cの隙間に熱可塑性樹脂の未充填の部位が生じる恐れがある。しかし、全体として熱可塑性樹脂5の量が、当該隙間よりも多いため、ケーブルの軸方向に対しては、確実に当該隙間が熱可塑性樹脂で満たされ、水の経路が軸方向に連通することはない。
1………ケーブル
3a、3b、3c………導線
5、5a、5b………熱可塑性樹脂
7………絶縁被覆
9………隙間
11………外接円

Claims (7)

  1. ケーブルの製造方法であって、
    第1の内部側導線の外周に熱可塑性樹脂を被覆する工程(a)と、
    前記熱可塑性樹脂の外周から複数の外部側導線を加熱しつつ前記第1の内部側導線の外周に撚り合せ、断面において前記外部側導線と前記第1の内部側導線とを接触させる工程(b)と、
    最外周に絶縁被覆を施す工程(c)と、
    を具備し、
    前記工程(a)における前記熱可塑性樹脂の被覆量は、ケーブルの断面において、前記第1の内部側導線の周囲に前記外部側導線を最密に配置した際に、前記第1の内部側導線と前記外部側導線との間に形成される空間よりも多いことを特徴とするケーブルの製造方法。
  2. 前記工程(a)における前記熱可塑性樹脂の被覆量は、最外周に配置される前記外部側導線を前記第1の内部側導線の周囲に最密に配置した状態における、隣り合う前記外部側導線同士の接点から、ケーブルの径方向における前記熱可塑性樹脂の厚みをTとした場合に、Tが前記外部側導線の半径rに対して、0.05r≦T≦1.4rであることを特徴とする請求項1記載のケーブルの製造方法。
  3. 前記工程(a)における前記熱可塑性樹脂の被覆量は、隣り合う前記外部側導線同士の接点から、径方向における前記熱可塑性樹脂の厚みをTとした場合に、Tが前記外部側導線の半径rに対して、0.4r≦T≦1.0rであることを特徴とする請求項2記載のケーブルの製造方法。
  4. 前記工程(a)の前に、前記第1の内部側導線の内周側に第2の内部側導線が形成される工程(d)をさらに有し、
    前記工程(d)は、
    第2の内部側導線の外周に熱可塑性樹脂を被覆し、熱可塑性樹脂の外周から複数の第1の内部側導線を加熱しつつ前記第2の内部側導線の外周に撚り合せ、断面において前記第1の内部側導線と前記第2の内部側導線とを接触させる工程であり、
    前記工程(a)における前記熱可塑性樹脂の被覆量と、前記工程(d)における前記熱可塑性樹脂の被覆量の総量は、
    ケーブルの断面において、前記第2の内部側導線の周囲に前記第1の内部側導線を最密に配置した際に、前記第2の内部側導線と前記第1の内部側導線との間に形成される空間と、前記第1の内部側導線の周囲に前記外部側導線を最密に配置した際に、前記第1の内部側導線と前記外部側導線との間に形成される空間の合計よりも多く、
    かつ、前記外部側導線を前記第1の内部側導線の周囲に最密に配置した状態における、隣り合う前記外部側導線同士の接点から、ケーブルの径方向における前記熱可塑性樹脂の厚みをTとした場合に、Tが前記外部側導線の半径rに対して、0.05r≦T≦1.4rであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のケーブルの製造方法。
  5. 第1の内部側導線と、
    前記第1の内部側導線の外周に設けられる複数の外部側導線と、
    絶縁被覆と、
    を具備し、
    ケーブルの断面において、前記第1の内部側導線の周囲に前記外部側導線が最密に配置され、前記第1の内部側導線と前記外部側導線との間に形成される空間には、熱可塑性樹脂が満たされており、前記熱可塑性樹脂が、隣り合う前記外部側導線同士の接点からケーブルの径方向にはみ出していることを特徴とするケーブル。
  6. 前記第1の内部側導線の内部側には、さらに第2の内部側導線が設けられ、
    前記第1の内部側導線は、前記第2の内部側導線の外周に複数設けられ、
    ケーブルの断面において、前記第2の内部側導線の周囲に前記第1の内部側導線が最密に配置され、前記第2の内部側導線と前記第1の内部側導線との間に形成される空間は熱可塑性樹脂によって満たされており、
    前記第1の内部側導線の周囲に前記外部側導線が最密に配置され、前記第1の内部側導線と前記外部側導線との間に形成される空間は熱可塑性樹脂によって満たされており、
    前記外部側導線を前記第1の内部側導線の周囲に最密に配置した状態における隣り合う前記外部側導線同士の接点から、ケーブルの径方向における前記熱可塑性樹脂の厚みをTとした場合に、Tが前記外部側導線の半径rに対して、0.05r≦T≦1.4rであることを特徴とする請求項5に記載のケーブル。
  7. 前記熱可塑性樹脂は、エチレンエチルアクリレートであることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のケーブル。
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