JP2012157801A - 曝気機のスクリュー - Google Patents
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Abstract
【課題】曝気性能が高く、構造が簡単で製造の容易で、特に、高水深の槽においても標準の水槽での運転の場合と比べて特に槽容積当たりの動力を増加させることなく必要な底部流速を発生可能な高水深の槽に適したスクリュー型曝気機を提供すること。
【解決手段】羽根4と中空軸3の接合部41の長さL1を、羽根4の巻きつけ軸方向長さLの1.1倍〜1.5倍の範囲とし、スクリュー出口部5bにおける羽根4の外縁42と中空軸3の円周方向のなす角度(β)を、30度〜100度の範囲とし、中空軸3に対する羽根4の巻き角度(θ)を、360度/羽根の枚数〜360度とし、中空軸3の外径(d)と羽根の最大外径(Dmax)との比(d/Dmax)を、0.30〜0.55の範囲とする。
【選択図】図1
【解決手段】羽根4と中空軸3の接合部41の長さL1を、羽根4の巻きつけ軸方向長さLの1.1倍〜1.5倍の範囲とし、スクリュー出口部5bにおける羽根4の外縁42と中空軸3の円周方向のなす角度(β)を、30度〜100度の範囲とし、中空軸3に対する羽根4の巻き角度(θ)を、360度/羽根の枚数〜360度とし、中空軸3の外径(d)と羽根の最大外径(Dmax)との比(d/Dmax)を、0.30〜0.55の範囲とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、汚水を攪拌して負圧を発生させることにより汚水中に空気(酸素)を供給し曝気を行うスクリュー型曝気機に関し、さらに詳しくは、駆動モータにより回転し、軸端に開口部を形成した中空軸の先端部に1枚又は複数枚の螺旋状に形成した板状の羽根を設けたスクリュー型曝気機に関するものである。
駆動モータにより回転し、軸端に開口部を形成した中空軸の先端部に螺旋状に形成した羽根と必要に応じてこの羽根の先端に遠心羽根を組み合わせたスクリュー型曝気機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この自給式スクリュー型曝気機の場合、図10及び図12(a)に示すように、スクリュー軸の先端に螺旋状に形成した羽根4が取り付けられ、さらに必要に応じてこの羽根4の先端に遠心羽根6が組み合わせられたスクリューの構造をしている。そして、このスクリューでは、図12(b)に示すように、その回転により中央部に負圧が発生し、通気時には負圧により空気が吸引され中央部から多量の空気が水と共に遠心羽根に沿って矢印の方向に流れる。これらの作用と気泡の微細化とにより広範囲へ気泡を拡散させることで、所要動力に対して酸素を効率よく水側に移動させることができる。しかし、水と空気の流れる方向が矢印の方向で半径方向の外向き成分が大きいため、流れを軸方向に遠くまで直進させる必要のある場合、すなわち、水深の深い水槽で運転する場合には不向きという欠点を有していた。
また、特許文献2には、この改良タイプが開示されている。このスクリュー型曝気機の場合、図13(a)に示すように、スクリュー軸の先端部に数条の螺旋状に形成した羽根4を一体に設けた曝気攪拌用スクリューにおいて、螺旋状に形成した羽根4の先端に遠心羽根6を形成し、該遠心羽根6の先端に、スクリュー軸の軸心に垂直に配置するように、すなわちスクリュー軸の開口部に対向するように、円板7を配したことを特徴としており、水流のうち戻る流れを抑制することで消費動力を抑えられる効果がある。しかしながら、高水深槽に不向きな点は特許文献1に記載のものと同様であり、スクリュー先端部に遠心羽根を有する構造であるため、水流は図13(b)に示すように、外周方向へも向かい広がりながら進む。水流は広がりが広範囲であるほど速度が減少するため、流れはあまり遠くまでは届かない。
この従来技術では、図11に示すように羽根のピッチPをスクリュー出口部ほど小さく、すなわち、羽根の外縁と中空軸の円周方向のなす角度(β)をスクリュー出口部ほど小さくなるようにしている。
ところで、羽根の外縁と中空軸の円周方向のなす角度(β)をスクリュー出口部ほど小さくすると、図6(a)に示すようにスクリュー出口部での水流の絶対速度(V)が上がらず、大きな負圧を発生させることができない。このため、中空軸を通って汚水中に供給される空気量が少ないものとなる。
また、スクリュー出口部での水流の絶対速度(V)が上がらないため、汚水の攪拌力が小さく、酸素が溶存した水を曝気槽の深くかつ遠くまで送り込むことができない。
すなわち、当該スクリューを含め、従来のスクリューは、水深が3m以下の通常の水槽には適しているが、水深3mを超える高水深槽への適用には不向きであった。
また、スクリュー出口部での水流の絶対速度(V)が上がらないため、汚水の攪拌力が小さく、酸素が溶存した水を曝気槽の深くかつ遠くまで送り込むことができない。
すなわち、当該スクリューを含め、従来のスクリューは、水深が3m以下の通常の水槽には適しているが、水深3mを超える高水深槽への適用には不向きであった。
また、スクリュー出口部での水流の絶対速度(V)を大きくするためには、羽根の外縁と中空軸の円周方向のなす角度(β)を大きくする必要があるが、この場合、従来のスクリュー型曝気機においては、スクリュー入口部での羽根の外縁と中空軸の円周方向のなす角度(β)が必然的に大きなものとなる。
ところで、スクリュー入口部での流れには旋回成分がなく、軸方向に直線的な流れであるため、スクリュー入口部での羽根の外縁と中空軸の円周方向のなす角度(β)が大きくなるとスクリュー入口部での流体損失が大きくなるという問題点を有していた。
そして、流入部でスクリュー入口部における羽根の外縁と中空軸の円周方向のなす角度(β)が3度未満又は10度以上になるとスクリュー羽根周辺に気泡が大量に発生し,水流をうまく発生させられないという問題点を有していた。
ところで、スクリュー入口部での流れには旋回成分がなく、軸方向に直線的な流れであるため、スクリュー入口部での羽根の外縁と中空軸の円周方向のなす角度(β)が大きくなるとスクリュー入口部での流体損失が大きくなるという問題点を有していた。
そして、流入部でスクリュー入口部における羽根の外縁と中空軸の円周方向のなす角度(β)が3度未満又は10度以上になるとスクリュー羽根周辺に気泡が大量に発生し,水流をうまく発生させられないという問題点を有していた。
また、従来のスクリュー型曝気機は、水流をスクリューの外周方向へ向かせるために、すなわち、旋回成分を持たせるために、図11に示すように、羽根と中空軸の接合部の長さを、羽根の巻きつけ軸方向長さに比べて大きな値にしたものが多く、このため、水流のスクリューの軸の延長方向への到達距離が短く、高水深槽への適用には不向きであった。
本発明は、上記従来のスクリュー型曝気機の有する問題点に鑑み、曝気性能が高く、構造が簡単で製造の容易で、特に、高水深の槽においても標準の水槽での運転の場合と比べて特に槽容積当たりの動力を増加させることなく必要な底部流速を発生可能な高水深の槽に適したスクリュー型曝気機を提供することを目的とする。
また、本発明は、スクリューの羽根周辺に気泡が大量に発生し、水流をうまく発生させられないといった不具合が生じないスクリュー型曝気機を提供することを目的とする。
また、本発明は、スクリューの羽根周辺に気泡が大量に発生し、水流をうまく発生させられないといった不具合が生じないスクリュー型曝気機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のスクリュー型曝気機は、駆動モータにより回転し、軸端に開口部を形成した中空軸の先端部に1枚又は複数枚の螺旋状に形成した板状の羽根を設けたスクリュー型曝気機において、羽根と中空軸の接合部の長さを、羽根の巻きつけ軸方向長さの1.1倍〜1.5倍の範囲とし、スクリュー出口部における羽根の外縁と中空軸の円周方向のなす角度(β)を、30度〜100度の範囲とし、中空軸に対する羽根の巻き角度(θ)を、360度/羽根の枚数〜360度とし、中空軸の外径(d)と羽根の最大外径(Dmax)との比(d/Dmax)を、0.30〜0.55の範囲としたことを特徴とする。
この場合において、スクリュー入口部の近傍における羽根の外径を他の部分よりも小さく形成することができる。
また、中空軸と直交する断面における羽根の外縁の中空軸の回転する方向への曲げ角度(γ)を、羽根の巻きつけ軸方向の全長に対する流入側〜1/4長さの位置において、3度〜10度の範囲とするとともに、羽根の最大外径(Dmax)の位置において、10度〜22度の範囲とすることができる。
本発明のスクリュー型曝気機によれば、スクリュー出口部での水流の絶対速度を高め、大きな負圧を発生させて、中空軸を通って汚水中に大量の空気を供給することができ、また、スクリュー出口部での水流の絶対速度が高められるため、汚水の攪拌力が大きく、高水深槽の場合においても酸素が溶存した水を曝気槽の深くまで送り込むことができ、高水深槽においても水槽底部に必要な流速を発生させることができる。また、このとき1m3当たりの動力(動力密度)を標準の水槽の場合に対して増加する必要がないため、高水深の槽に適したスクリュー型曝気機を提供することができる。
また、スクリュー入口部の近傍における羽根の外径を他の部分よりも小さく形成することにより、スクリュー入口部での流体損失を低減することができる。
また、中空軸と直交する断面における羽根の外縁の中空軸の回転する方向への曲げ角度(γ)を、羽根の巻きつけ軸方向の全長に対する流入側〜1/4長さの位置において、3度〜10度の範囲とするとともに、羽根の最大外径(Dmax)の位置において、10度〜22度の範囲とすることにより、スクリューを回転したとき、スクリューの半径方向に逃げる流れを少なくして、スクリュー出口部での水流の絶対速度を大きくするとともに、スクリューの羽根周辺に気泡が大量に発生し、水流をうまく発生させられないといった不具合が生じないようにすることができる。
以下、本発明のスクリュー型曝気機の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1〜図5に、本発明のスクリュー型曝気機の一実施例を示す。
このスクリュー型曝気機1は、下水処理場の曝気槽等に配設されるもので、駆動モータ2により回転し、軸端に開口部3bを形成した中空軸3の先端部に1枚又は複数枚の螺旋状に形成した板状の羽根4を設けてスクリュー5を構成する。
中空軸3の基端部には吸気孔3aを穿設し、駆動モータ2により中空軸3を介して汚水中でスクリュー5を回転してスクリュー5の前方領域の汚水中に負圧を発生させることにより、吸気孔3aから空気を吸引し、吸引した空気を中空軸3の軸端に形成した開口部3bから汚水中に供給するようにする。
このスクリュー型曝気機1は、下水処理場の曝気槽等に配設されるもので、駆動モータ2により回転し、軸端に開口部3bを形成した中空軸3の先端部に1枚又は複数枚の螺旋状に形成した板状の羽根4を設けてスクリュー5を構成する。
中空軸3の基端部には吸気孔3aを穿設し、駆動モータ2により中空軸3を介して汚水中でスクリュー5を回転してスクリュー5の前方領域の汚水中に負圧を発生させることにより、吸気孔3aから空気を吸引し、吸引した空気を中空軸3の軸端に形成した開口部3bから汚水中に供給するようにする。
スクリュー5は、プレス等により曲げ加工したそれぞれ独立した3枚の板状の羽根4を略等間隔に互いに接することなく中空軸3に螺旋状に溶接することにより構成する。
この場合、スクリュー5の羽根の枚数は3枚に限定されず、1枚又は2枚若しくはそれ以上の複数枚とすることができ、また、羽根と中空軸との固着方法も、溶接に限定されず、任意の機械的な固着方法を採用することができる。
この場合、スクリュー5の羽根の枚数は3枚に限定されず、1枚又は2枚若しくはそれ以上の複数枚とすることができ、また、羽根と中空軸との固着方法も、溶接に限定されず、任意の機械的な固着方法を採用することができる。
この場合において、所定の曝気性能を得るため、羽根4と中空軸3の接合部41の長さL1(羽根4の基端部4aから先端部4bまでの接合部の全長)を、羽根4の巻きつけ軸方向長さLの1.1倍〜1.5倍の範囲(本実施例においては1.37)とするとともに、中空軸3に対する羽根4の巻き角度(θ)を360度/羽根4の枚数〜360度(本実施例においては、360度/3枚=120度以上の260度)とする。
また、中空軸3の外径(d)と羽根4の最大外径(Dmax)との比(d/Dmax)を、この比(d/Dmax)と曝気性能との関係を示した図7からも明らかなように、0.20〜0.55の範囲(本実施例においては0.34)とし((d/Dmax)が0.20より小さいと供給される空気量が少なくなり、また、0.55より大きいと供給される水量が少なくなり、いずれの場合も曝気性能が低下する。なお、図6において、曝気性能が0.8より小さな値になると通常の曝気機としては使用できない状態を示す。)、さらに、スクリュー5の強度を高めるため、好ましくは、羽根4の先端部4bの中空軸3の軸端に形成した開口部3bからの突出量(t)を羽根4の最大高さ(hmax)の0.5倍以下とする。
また、中空軸3の外径(d)と羽根4の最大外径(Dmax)との比(d/Dmax)を、この比(d/Dmax)と曝気性能との関係を示した図7からも明らかなように、0.20〜0.55の範囲(本実施例においては0.34)とし((d/Dmax)が0.20より小さいと供給される空気量が少なくなり、また、0.55より大きいと供給される水量が少なくなり、いずれの場合も曝気性能が低下する。なお、図6において、曝気性能が0.8より小さな値になると通常の曝気機としては使用できない状態を示す。)、さらに、スクリュー5の強度を高めるため、好ましくは、羽根4の先端部4bの中空軸3の軸端に形成した開口部3bからの突出量(t)を羽根4の最大高さ(hmax)の0.5倍以下とする。
また、スクリュー出口部5bにおける羽根4の外縁42と中空軸3の円周方向のなす角度(β)(以下、角度(β)という。)は、角度(β)と曝気性能との関係を示した図7からも明らかなように、30度〜100度の範囲に設定する必要がある。すなわち、角度(β)を30度以上に設定することにより、スクリュー出口部5bでの水流の絶対速度(V)が大きくなる。
このように、水流の絶対速度(V)が大きいと、スクリューから出た水流の勢いが強いため、スクリュー5の中空軸3の軸端に形成した開口部3bから汚水中に送り込まれた空気の気泡を深く、かつ遠くまで送り込むことができる。また、水流の絶対速度(V)が大きいと、スクリュー5の中空軸3の軸端に形成した開口部3bに大きな負圧を発生させることができ、汚水中に大量の空気を送り込むことができる。
これらのことから、水中に溶ける酸素の量も多くなり、曝気性能を向上することができる。
一方、角度(β)を100度より大きく設定すると、水流の旋回速度のみが大きくなり過ぎ、スクリュー5の回転駆動力が大きくなる割には、空気の供給量が増加せず、曝気性能が低下することとなる。なお、この図において、曝気性能が0.8より小さな値になると通常の曝気機としては使用できない状態を示す。
これらのことから、水中に溶ける酸素の量も多くなり、曝気性能を向上することができる。
一方、角度(β)を100度より大きく設定すると、水流の旋回速度のみが大きくなり過ぎ、スクリュー5の回転駆動力が大きくなる割には、空気の供給量が増加せず、曝気性能が低下することとなる。なお、この図において、曝気性能が0.8より小さな値になると通常の曝気機としては使用できない状態を示す。
羽根4と中空軸3の接合部41と中空軸3の円周方向のなす角度(α)(以下、角度(α)という。)、は、スクリュー出口部5bでの水流の絶対速度を高めるため、また水流の直進性を高めるためにスクリュー出口部5bにおいて拡大するように構成する(本実施例において、スクリュー出口部5bの角度(α)は50度に設定している。)。
このとき、角度(α)の拡大に伴い、角度(β)も拡大する。
このとき、角度(α)の拡大に伴い、角度(β)も拡大する。
スクリュー出口部5bにおける羽根4の外縁42と中空軸3の円周方向のなす角度(β)を30度〜100度の範囲に設定することにより、図6(a)に示す従来のスクリュー型曝気機の場合と比較して、スクリュー入口部5aでの流体損失を増大させることなく、図6(b)に示すようにスクリュー出口部での水流の絶対速度(V)を上昇させることにより、スクリュー5の中空軸3の軸端に形成した開口部3bに大きな負圧を発生させることができ、汚水中に大量の空気を送り込むことができる。
汚水中でスクリュー5を回転したとき、スクリュー5の半径方向に逃げる流れを少なくして、スクリュー出口部5bでの水流の絶対速度を大きくするため、図2(a)に示すように、羽根4の外縁42を中空軸3と直交する断面において中空軸3の回転する方向に曲げた形状にする。
そして、中空軸と直交する断面における羽根の外縁の中空軸の回転する方向への曲げ角度(γ)(以下、角度(γ)という。)は、角度(γ)と曝気性能との関係を示した図9からも明らかなように、羽根の最大外径(Dmax)の位置において10度〜22度の範囲に設定する必要がある(角度(γ)が10度より小さいと供給される水量が少なくなり、また、22度より大きいと縮流となるため供給される空気量が少なくなり、いずれの場合も曝気性能が低下する。)。なお、この図において、曝気性能が0.8より小さな値になると通常の曝気機としては使用できない状態を示す。
また、特に入口側(羽根の全長に対して流入側から1/4長さまでの範囲)において角度(γ)を3度未満又は10度以上の範囲に設定すると、スクリュー羽根周辺に気泡が大量に発生し、水流をうまく発生させられないという問題点を有していた。よって入口側においては角度(γ)を3度〜10度の範囲に設定する。
そして、中空軸と直交する断面における羽根の外縁の中空軸の回転する方向への曲げ角度(γ)(以下、角度(γ)という。)は、角度(γ)と曝気性能との関係を示した図9からも明らかなように、羽根の最大外径(Dmax)の位置において10度〜22度の範囲に設定する必要がある(角度(γ)が10度より小さいと供給される水量が少なくなり、また、22度より大きいと縮流となるため供給される空気量が少なくなり、いずれの場合も曝気性能が低下する。)。なお、この図において、曝気性能が0.8より小さな値になると通常の曝気機としては使用できない状態を示す。
また、特に入口側(羽根の全長に対して流入側から1/4長さまでの範囲)において角度(γ)を3度未満又は10度以上の範囲に設定すると、スクリュー羽根周辺に気泡が大量に発生し、水流をうまく発生させられないという問題点を有していた。よって入口側においては角度(γ)を3度〜10度の範囲に設定する。
次に、本実施例のスクリュー型曝気機1の作用を実証するため、水深が3mを超える高水深槽の一例として、水深が5mの図14に示す水槽で実測した流速分布の結果を図15に示す。
本試験では、容積が約480m3の水槽に制水を満たし、3.7kWのスクリュー型曝気機を2台設置し曝気運転したときの合成流速を測定した。
ここで、本試験時の曝気機の動力(3.7kW)と台数(2台)は、以下に示すようにほぼ実設備を想定した設定になっている。
[必要酸素量]
実際の曝気槽を想定すると、水槽容量が480m3の水槽を用いる場合には、1日に必要な酸素量が概算で下記の式より、201.6kgO2/日となる。
480m3(水槽容量)×200mg/L(汚水濃度)÷103×2.1kgO2/kgBOD(原単位)=201.6kgO2/日
[曝気機の動力と台数]
1日のうちに曝気運転をしない時間を設けて処理水質を向上させる運転方法が採用される場合があり、一例として曝気運転の時間を概ね半日間(具体的には、例えば14時間)とする。1日14時間で上記必要酸素量を満たすためには、下記の式より1時間当たり14.5kgO2/hの酸素溶解能力を持つ曝気機が必要となる。
201.6kgO2/d÷14h/d=14.4kgO2/h
従来の曝気機と本発明の曝気機のいずれにおいても、酸素移動動力効率は2.0kgO2/kWhであるため、これらの曝気機に必要な総動力は、下記の式のとおりとなる。
14.4kgO2/h÷2.0kgO2/kWh=7.2kW
この動力を満足する型式と台数の選定例として曝気機の動力が3.7kW機で2台運転とするような上記試験条件と同じ設定内容が考えられる。
[動力密度と底部流速の基準値]
前記運転条件を元に動力を水槽容積で除した値(以下、「動力密度」という。)を計算すると、下記の式のとおりとなる。
7,400W(動力,3.7kW×2台×103)÷450m3(水槽容積)=16.4W/m3
こうした曝気運転時において、槽内に十分な水流を発生させることができることを示す指標として、高水深槽においても標準槽と同様に汚泥の堆積を防止するために底部流速が0.1m/s以上と定められている。
つまり、水槽の容積と必要酸素量及び曝気機の性能より求めた動力密度が約16W/m3という条件で曝気操作を行った場合に、高水深(一例として5m)であっても底部流速が0.1m/s以上となるような攪拌性能が曝気機に必要とされる。
本試験では、容積が約480m3の水槽に制水を満たし、3.7kWのスクリュー型曝気機を2台設置し曝気運転したときの合成流速を測定した。
ここで、本試験時の曝気機の動力(3.7kW)と台数(2台)は、以下に示すようにほぼ実設備を想定した設定になっている。
[必要酸素量]
実際の曝気槽を想定すると、水槽容量が480m3の水槽を用いる場合には、1日に必要な酸素量が概算で下記の式より、201.6kgO2/日となる。
480m3(水槽容量)×200mg/L(汚水濃度)÷103×2.1kgO2/kgBOD(原単位)=201.6kgO2/日
[曝気機の動力と台数]
1日のうちに曝気運転をしない時間を設けて処理水質を向上させる運転方法が採用される場合があり、一例として曝気運転の時間を概ね半日間(具体的には、例えば14時間)とする。1日14時間で上記必要酸素量を満たすためには、下記の式より1時間当たり14.5kgO2/hの酸素溶解能力を持つ曝気機が必要となる。
201.6kgO2/d÷14h/d=14.4kgO2/h
従来の曝気機と本発明の曝気機のいずれにおいても、酸素移動動力効率は2.0kgO2/kWhであるため、これらの曝気機に必要な総動力は、下記の式のとおりとなる。
14.4kgO2/h÷2.0kgO2/kWh=7.2kW
この動力を満足する型式と台数の選定例として曝気機の動力が3.7kW機で2台運転とするような上記試験条件と同じ設定内容が考えられる。
[動力密度と底部流速の基準値]
前記運転条件を元に動力を水槽容積で除した値(以下、「動力密度」という。)を計算すると、下記の式のとおりとなる。
7,400W(動力,3.7kW×2台×103)÷450m3(水槽容積)=16.4W/m3
こうした曝気運転時において、槽内に十分な水流を発生させることができることを示す指標として、高水深槽においても標準槽と同様に汚泥の堆積を防止するために底部流速が0.1m/s以上と定められている。
つまり、水槽の容積と必要酸素量及び曝気機の性能より求めた動力密度が約16W/m3という条件で曝気操作を行った場合に、高水深(一例として5m)であっても底部流速が0.1m/s以上となるような攪拌性能が曝気機に必要とされる。
本発明の曝気機を用いた流速結果を示す図15(a)(A面)では、底部流速は0.3m/s以上又は0.25m/s以上、図15(b)(B面)では、底部流速は0.3m/s以上となっており、いずれも基準値の0.1m/sを十分上回った値になっている。
一方で、従来の曝気機を用いた流速結果(図示省略)は、A面とB面のいずれにおいても底部流速が本発明の曝気機の運転時よりも小さく、しかも基準値の0.1m/s未満となった。
一方で、従来の曝気機を用いた流速結果(図示省略)は、A面とB面のいずれにおいても底部流速が本発明の曝気機の運転時よりも小さく、しかも基準値の0.1m/s未満となった。
[実処理場での流速]
汚水が投入された水深が4.5mの高水深の曝気槽(容積1,200m3)で動力が11kWの本発明の曝気機を2台運転した際の実測データ(この条件では全台数の運転ではなく一部の曝気機を停止している。)によれば、この運転条件での底部流速は、0.37m/sであった。このときの動力密度は、
11,000W×2台/1,200m3=18.3W/m3
となっていることから、前述の試験と同様の動力密度といえる。ほぼ同条件の実処理場においても、前述の試験と同様の結果が得られることを確認している。
汚水が投入された水深が4.5mの高水深の曝気槽(容積1,200m3)で動力が11kWの本発明の曝気機を2台運転した際の実測データ(この条件では全台数の運転ではなく一部の曝気機を停止している。)によれば、この運転条件での底部流速は、0.37m/sであった。このときの動力密度は、
11,000W×2台/1,200m3=18.3W/m3
となっていることから、前述の試験と同様の動力密度といえる。ほぼ同条件の実処理場においても、前述の試験と同様の結果が得られることを確認している。
以上のことから、本発明の曝気機の高水深槽での攪拌性能が従来機に対して優位であり曝気機に必要とされる攪拌性能を満たしているといえ、本発明の曝気機は、特に、高水深の槽に適したものであることを確認した。
以上、本発明のスクリュー型曝気機について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
本発明のスクリュー型曝気機は、槽の底部の水流の流速を高めることができ、曝気性能が高く、構造が簡単で製造の容易で、特に、高水深の槽においても標準の水槽での運転の場合と比べて特に槽容積当たりの動力を増加させることなく必要な底部流速を発生可能であることから、高水深の槽の用途に好適に用いることができる。
1 スクリュー型曝気機
2 駆動モータ
3 中空軸
3a 吸気孔
3b 開口部
4 羽根
4a 羽根の基端部
4b 羽根の先端部
41 羽根と中空軸の接合部
42 羽根の外縁
5 スクリュー
5a スクリュー入口部
5b スクリュー出口部
6 遠心羽根
7 円板
Dmax 羽根の最大外径
d 中空軸の外径
hmax 羽根の最大高さ
α 羽根と中空軸の接合部と中空軸の円周方向のなす角度
β 羽根の外縁と中空軸の円周方向のなす角度
γ 中空軸と直交する断面における羽根の外縁の中空軸の回転する方向への曲げ角度
2 駆動モータ
3 中空軸
3a 吸気孔
3b 開口部
4 羽根
4a 羽根の基端部
4b 羽根の先端部
41 羽根と中空軸の接合部
42 羽根の外縁
5 スクリュー
5a スクリュー入口部
5b スクリュー出口部
6 遠心羽根
7 円板
Dmax 羽根の最大外径
d 中空軸の外径
hmax 羽根の最大高さ
α 羽根と中空軸の接合部と中空軸の円周方向のなす角度
β 羽根の外縁と中空軸の円周方向のなす角度
γ 中空軸と直交する断面における羽根の外縁の中空軸の回転する方向への曲げ角度
Claims (3)
- 駆動モータにより回転し、軸端に開口部を形成した中空軸の先端部に1枚又は複数枚の螺旋状に形成した板状の羽根を設けたスクリュー型曝気機において、羽根と中空軸の接合部の長さを、羽根の巻きつけ軸方向長さの1.1倍〜1.5倍の範囲とし、スクリュー出口部における羽根の外縁と中空軸の円周方向のなす角度(β)を、30度〜100度の範囲とし、中空軸に対する羽根の巻き角度(θ)を、360度/羽根の枚数〜360度とし、中空軸の外径(d)と羽根の最大外径(Dmax)との比(d/Dmax)を、0.30〜0.55の範囲としたことを特徴とするスクリュー型曝気機。
- スクリュー入口部の近傍における羽根の外径を他の部分よりも小さく形成したことを特徴とする請求項1記載のスクリュー型曝気機。
- 中空軸と直交する断面における羽根の外縁の中空軸の回転する方向への曲げ角度(γ)を、羽根の巻きつけ軸方向の全長に対する流入側〜1/4長さの位置において、3度〜10度の範囲とするとともに、羽根の最大外径(Dmax)の位置において、10度〜22度の範囲としたことを特徴とする請求項1又は2記載のスクリュー型曝気機。
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- 2011-01-31 JP JP2011018209A patent/JP2012157801A/ja active Pending
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