JP2010247112A - 攪拌機 - Google Patents
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Abstract
【課題】水槽の単位容積当たりの投入動力をより小さくして、ランニングコストを抑え、かつ槽内底部に汚泥などを沈澱させないようにするための必要流速を得ることができるようにした攪拌機を提供すること。
【解決手段】上端に吐出口72を形成した上部パイプ7及び下端に吐出口82を形成した下部パイプ8を外周に吸込口71、81を形成したケーシング9を挟むように一体に形成し、かつ前記上下部両パイプ7、8内にそれぞれ吐出口72、82から水槽内の液体を吐出するようにした上下両インペラ5、6を回転可能に配設して構成した攪拌機であって、上下両インペラ5、6の回転による上端の吐出口72から吐出する流量と下端の吐出口82から吐出する流量との流量比を3:9〜4:6となるように構成する。
【選択図】図5
【解決手段】上端に吐出口72を形成した上部パイプ7及び下端に吐出口82を形成した下部パイプ8を外周に吸込口71、81を形成したケーシング9を挟むように一体に形成し、かつ前記上下部両パイプ7、8内にそれぞれ吐出口72、82から水槽内の液体を吐出するようにした上下両インペラ5、6を回転可能に配設して構成した攪拌機であって、上下両インペラ5、6の回転による上端の吐出口72から吐出する流量と下端の吐出口82から吐出する流量との流量比を3:9〜4:6となるように構成する。
【選択図】図5
Description
本発明は、攪拌機に関し、特に、下水処理場に設置された下水処理槽等の水槽(本明細書において、単に「水槽」という。)内の液体(活性汚泥混合液)を、小さな投入動力で、かつ槽内底部まで充分な流速を発生させて槽内底部に固形物を沈澱させることなく効率的な攪拌を行うようにした攪拌機に関するものである。
従来、水槽に汚水を供給して静止すると底層には汚泥などの固形物が沈澱し、水面層には懸濁物、例えば、スカムが浮遊する。
ところで、水槽の底層に汚泥などの固形物が沈澱したり、水面層にスカムなどの懸濁物が浮遊することを防止することによって、汚水を効果的に処理するために、水槽内の汚水を強制的に攪拌している。
ところで、水槽の底層に汚泥などの固形物が沈澱したり、水面層にスカムなどの懸濁物が浮遊することを防止することによって、汚水を効果的に処理するために、水槽内の汚水を強制的に攪拌している。
この水槽内の汚水を攪拌する手段として各種の方法が提案されている。
例えば、特許文献1に示されるように、水中に配設する筒状のケーシング内でインペラを回転させて槽内の汚水をその吸込口よりケーシング内に吸い込み、吐出口より再び槽内に吐出され、この汚水の吐出力を利用して槽内全体を攪拌するようにしている。
しかしながら、槽内全体を攪拌するとともに底層に汚泥などの固形物が沈澱することを防止するためには、汚泥などの沈澱を抑制するだけの水流速、これは特に限定されるものではないが、例えば、槽内の底部流速0.1m/s以上を槽内底部に発生させることが必要である。しかも、ランニングコストを考慮すると水槽の単位容積当たりの投入動力を小さくすることが求められている。
例えば、特許文献1に示されるように、水中に配設する筒状のケーシング内でインペラを回転させて槽内の汚水をその吸込口よりケーシング内に吸い込み、吐出口より再び槽内に吐出され、この汚水の吐出力を利用して槽内全体を攪拌するようにしている。
しかしながら、槽内全体を攪拌するとともに底層に汚泥などの固形物が沈澱することを防止するためには、汚泥などの沈澱を抑制するだけの水流速、これは特に限定されるものではないが、例えば、槽内の底部流速0.1m/s以上を槽内底部に発生させることが必要である。しかも、ランニングコストを考慮すると水槽の単位容積当たりの投入動力を小さくすることが求められている。
そこで本出願人は、特許文献2及び特許文献3に示されるように、水槽の表層より少し深い位置から汚水を吸い込み、これを上層の水面層と下層の底層部から吐出して槽内に二重の循環流を起こさせる攪拌機を提案したが、省エネが充分ではない場合があった。
本発明は、従来の攪拌機や対流惹起装置の有する問題点に鑑み、水槽の単位容積当たりの投入動力をより小さくして、ランニングコストを抑え、かつ槽内底部に汚泥などを沈澱させないようにするための必要流速を得ることができるようにした攪拌機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の攪拌機は、上端に吐出口を形成した上部パイプ及び下端に吐出口を形成した下部パイプを外周に吸込口を形成したケーシングを挟むように一体に形成し、かつ前記上下部両パイプ内にそれぞれ吐出口から水槽内の液体を吐出するようにした上下両インペラを回転可能に配設して構成した攪拌機であって、前記上下両インペラの回転による上端の吐出口から吐出する流量と下端の吐出口から吐出する流量との流量比を3:9〜4:6となるように構成したことを特徴とする。
この場合において、下インペラのピッチに対して上インペラのピッチを0.65〜0.75に形成し、下インペラの径に対して上インペラの径を0.7〜1.0に形成することができる。
また、下部パイプと内径に対する上部パイプの内径を0.66〜1.0に形成することができる。
また、上インペラとほぼ相似形状に下インペラを形成し、かつ上インペラの径に対して下インペラの径を、その吐出流量が1.5〜3倍となるように構成することができる。
また、上インペラ駆動軸内に下インペラ駆動軸が貫通して垂直同心軸とし、上インペラの回転速度に対して下インペラの回転速度が1.5〜3倍となるように構成することができる。
また、上インペラと下インペラのブレードの捻り方向を相反するように構成することができる。
また、上インペラ駆動軸と下インペラ駆動軸とをそれぞれ個別の原動機にて駆動するように構成することができる。
また、1台の電動機にて上インペラと下インペラの回転速度比を3:9〜4:6となるように変速駆動するように構成することができる。
本発明の攪拌機によれば、上吹き出しの流量と下吹き出しの流量の比を3:9〜4:6に設定することにより、槽内の底部流速0.1m/sを確保するための単位容積当たりの投入動力を抑え、かつ槽内の底部流速0.1m/sを確保することができるので、ランイングコストを低減できるとともに、槽内底部に汚泥などの固形物が沈澱することなく槽内全体を効率的に攪拌することができる。
上吹き出しの流量と下吹き出しの流量の比を3:9〜4:6に設定することによる効果を、実験等により確認した結果を以下に説明する。
上下2方向に吹き出すと、1方向吹き出しと比べて、吹出口のトータル面積が広くなる。その場合には、同じ流量を1方向に狭い面積から早い速度で吹き出す場合と比べて、動力を減少させられる。
その一方で、吊り上げ性等の維持管理性を高めておくためには、攪拌機の長さをできるだけ短くする必要がある。そのためには表層近くに配置する必要がある。
表層部に配置すると必然的に吸込口や吹出口から池底までの距離が長くなってしまう。そこで、吹き出し量は、上下均等ではなく下向きを上向きより大きく設定することが有効と考え底部流速を確保しつつ効率のよい上下吹き出し流量比率を求めることとした。
その一方で、吊り上げ性等の維持管理性を高めておくためには、攪拌機の長さをできるだけ短くする必要がある。そのためには表層近くに配置する必要がある。
表層部に配置すると必然的に吸込口や吹出口から池底までの距離が長くなってしまう。そこで、吹き出し量は、上下均等ではなく下向きを上向きより大きく設定することが有効と考え底部流速を確保しつつ効率のよい上下吹き出し流量比率を求めることとした。
動力が一定となる場合の上下の各吹き出し流量の設定方法を検討した。相似則により動力Pは吹き出し流速Vの3乗に比例する。また、軸には上下両方の動力がかかるので総動力PTと上下の各吹き出し流速との関係は下記のようになる。
PT∝VU 3十VD 3 ・・・(1)
ここで、VU=上向きの吹き出し流速
VD=下向きの吹き出し流速
である。
ここで、VU=上向きの吹き出し流速
VD=下向きの吹き出し流速
である。
上記式(1)を用いて、動力一定で上下の各吹出口の面積も一定の条件でVUとVDを変化させる実験を行った。
攪拌機の構造は、後述の実施例に示すように、上インペラと下インペラを1本のシャフトで回転させる構造であるため、上下の吹き出し流量比を変えるためにピッチを変えたインペラ(上向き用下向き用共)を用いた。ピッチを変えたインペラを設計する際には、上記式(1)と相似則を用いた。
同じ動力を投入した際に、槽内底部のコーナー部での流速がどのように変化するかを調べた。
実験に用いた水槽は、4.8m(W)×5.8m(L)×5m(H)の大きさで、125m3の水量を満たし、攪拌機の設置位置を槽中央部とし、流速評価点の位置を底部のコーナー部とし、具体的には側壁の内面から短辺側が0.4m、長辺側が0.45mの距離で、底面から0.1mの高さとした。
表1に実験条件を示す。
攪拌機の構造は、後述の実施例に示すように、上インペラと下インペラを1本のシャフトで回転させる構造であるため、上下の吹き出し流量比を変えるためにピッチを変えたインペラ(上向き用下向き用共)を用いた。ピッチを変えたインペラを設計する際には、上記式(1)と相似則を用いた。
同じ動力を投入した際に、槽内底部のコーナー部での流速がどのように変化するかを調べた。
実験に用いた水槽は、4.8m(W)×5.8m(L)×5m(H)の大きさで、125m3の水量を満たし、攪拌機の設置位置を槽中央部とし、流速評価点の位置を底部のコーナー部とし、具体的には側壁の内面から短辺側が0.4m、長辺側が0.45mの距離で、底面から0.1mの高さとした。
表1に実験条件を示す。
Case1〜3は、上下両吹き出しの攪拌機で、上下吹き出し比率の異なる、上下各インペラのピッチ比(羽根の振れ度合い)の異なる6基の羽根を使用した。
Case4は下吹き出しのみの場合であり、Case2の下インペラを用い、Case1〜3と比べて高速で回転させることにより動力を同一に合わせた。
以上のようにピッチの異なる羽根でQU=QDを4種に設定した。
これらの羽根を、電動機出力が一定(1.17±0.2kW)となるように回転速度を微調整し、その時の下向き流量QDと流速評価点での流速Vを実測した。上向き流量Q、は、流速評価点での流速Vを実測した。
Case4は下吹き出しのみの場合であり、Case2の下インペラを用い、Case1〜3と比べて高速で回転させることにより動力を同一に合わせた。
以上のようにピッチの異なる羽根でQU=QDを4種に設定した。
これらの羽根を、電動機出力が一定(1.17±0.2kW)となるように回転速度を微調整し、その時の下向き流量QDと流速評価点での流速Vを実測した。上向き流量Q、は、流速評価点での流速Vを実測した。
図1に実験結果を示す。
同じ動力を用いた場合、総流量は、下部流量比(下部流量÷総流量)が0.5の場合に最大となるが、流速評価点での流速は小さい。最も底部の流速Vが大きくなるのは、Case3の上下流量比が3:7の場合であることが判った。このCase3の下向き流量は下部流量比が1.0(全部下部より吹き出す場合)のCase4と比べて0.4m3/min小さな5.6m3/minであるが、Case3の総流量は1.3m3/min大きな7.9m3/minとなっている。底部流速は、主に下吹き出し量に依存すると考えられるが、僅かに下吹き出し量が減少しても総流量が大幅に増えたCase3においては、底部流速が増加した。これは、下吹き出し流れの担う水槽の容積が減少したためと考える。
以上により攪拌機の取水口は表層近く(水深0.8m)に配置した場合に水深5mの水槽では上下流量比が3:7の場合の評価点流速が大きいすなわち最も省エネ性に優れた攪拌が可能であることが判った。
同じ動力を用いた場合、総流量は、下部流量比(下部流量÷総流量)が0.5の場合に最大となるが、流速評価点での流速は小さい。最も底部の流速Vが大きくなるのは、Case3の上下流量比が3:7の場合であることが判った。このCase3の下向き流量は下部流量比が1.0(全部下部より吹き出す場合)のCase4と比べて0.4m3/min小さな5.6m3/minであるが、Case3の総流量は1.3m3/min大きな7.9m3/minとなっている。底部流速は、主に下吹き出し量に依存すると考えられるが、僅かに下吹き出し量が減少しても総流量が大幅に増えたCase3においては、底部流速が増加した。これは、下吹き出し流れの担う水槽の容積が減少したためと考える。
以上により攪拌機の取水口は表層近く(水深0.8m)に配置した場合に水深5mの水槽では上下流量比が3:7の場合の評価点流速が大きいすなわち最も省エネ性に優れた攪拌が可能であることが判った。
次に、この攪拌機を用いて軸の回転数を変化させ評価点の流速を測定することで、底部流速が0.1m/s以上となる時の1m3当たりの動力値(単位W)すなわち必要攪拌動力密度ΦNを求めた。
図2にシミュレーションによって求めた攪拌動力密度Φと評価点での流速Vの関係を示す。
図2よりΦNは、1.8W/m3となり、目標性能を達成していることを確認した。
図2よりΦNは、1.8W/m3となり、目標性能を達成していることを確認した。
前項で使用した攪拌機(1.5kW機種)が対象とする水槽はその容積が100m3〜750m3の長方形の水槽であり、水深や長辺/短辺も多種に亘っている。
そこでシミュレーションにより種々の水槽形状における必要攪拌動力密度を求め、上下流量比が3:7の攪拌機の必要攪拌動力密度を解析し、適用範囲を明らかにした。
そこでシミュレーションにより種々の水槽形状における必要攪拌動力密度を求め、上下流量比が3:7の攪拌機の必要攪拌動力密度を解析し、適用範囲を明らかにした。
図3にシミュレーションに用いた本体モデルを示す。
適用する水槽の形状は、平面寸法の長辺/短辺の比が1.0〜2.0、水深/短辺が0.5〜1.7の場合が多い。
適用する水槽の形状は、平面寸法の長辺/短辺の比が1.0〜2.0、水深/短辺が0.5〜1.7の場合が多い。
図4のグラフの横軸は水槽の平面寸法における長辺/短辺とし、縦軸を水深/短辺とした。上記水槽形状は、太い実線で囲んだ範囲で、そのうち○で示した水槽形状についてシミュレーションを行った(容積は750m3に統一)。
攪拌機のモデルは上下流量比が3:7のものとし、吹き出し流速を3種類に変えて評価点流速が0.1m/secを越える時の攪拌動力密度を求めた。
攪拌機のモデルは上下流量比が3:7のものとし、吹き出し流速を3種類に変えて評価点流速が0.1m/secを越える時の攪拌動力密度を求めた。
シミュレーションにより求めた結果を図4の○の右肩に数値で示す。
この数値は水槽形状別の必要攪拌動力密度(単位はW/m3)である。
図の線で囲まれた形状の水槽においては、必要攪拌動力密度が目標とする2W/m3以下となることが判った。
上下流量比が3:7で取水口を水深0.8mに配置した場合には、目標とする形状の水槽(ただし、750m3以下)のすべてにおいて必要攪拌動力密度が2W/m3以下であることを確認した。
容積の異なる水槽においても同様のシミュレーションで必要攪拌動力密度を算出、確認した。
以上が上吹き出しの流量と下吹き出しの流量の比を3:9〜4:6に設定することによる効果である。
この数値は水槽形状別の必要攪拌動力密度(単位はW/m3)である。
図の線で囲まれた形状の水槽においては、必要攪拌動力密度が目標とする2W/m3以下となることが判った。
上下流量比が3:7で取水口を水深0.8mに配置した場合には、目標とする形状の水槽(ただし、750m3以下)のすべてにおいて必要攪拌動力密度が2W/m3以下であることを確認した。
容積の異なる水槽においても同様のシミュレーションで必要攪拌動力密度を算出、確認した。
以上が上吹き出しの流量と下吹き出しの流量の比を3:9〜4:6に設定することによる効果である。
以下、本発明の攪拌機の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図5及び図6に、本発明の攪拌機の実施例(図5に示す攪拌機の形態が、本発明の攪拌機の最良の形態である。)を示す。
図5及び図6に、本発明の攪拌機の実施例(図5に示す攪拌機の形態が、本発明の攪拌機の最良の形態である。)を示す。
この攪拌機Aは、下水処理場等に設置された水槽内の所定位置に垂設するもので、これを水槽内に自立させるか或いは架台にて支持する。
また、この攪拌機Aは、図5及び図6に示すように、電動機1の出力軸にカップリング2を介してシャフト4を接続する。
シャフト4は、上部軸受ユニット3により上端部付近を支持するように構成される。
シャフト4には、上インペラ5及び下インペラ6を装着しており、それらの間には予め定めた距離をあけて、それぞれの外周を覆うようにして上部パイプ7及び下部パイプ8を配置する。
シャフト4には、上インペラ5及び下インペラ6を装着しており、それらの間には予め定めた距離をあけて、それぞれの外周を覆うようにして上部パイプ7及び下部パイプ8を配置する。
この上部パイプ7と下部パイプ8との間には、外周部に吸込口71、81を形成したケーシング9を配設し、このケーシング9にて上部パイプ7と下部パイプ8とを上下に接続し、上部パイプ7の上端に吐出口72を、下部パイプ8の下端に吐出口82をそれぞれ形成する。
これにより上部パイプ7内にて回転する上インペラ5と下部パイプ8内にて回転する下インペラ6にてそれぞれケーシング9の吸込口71、81より個別的に水槽内の汚水を吸い込み、吸い込んだ汚水を上下部両パイプ7、8の上端と下端より水槽内の上層内と底槽内に吐出するようにする。
これにより上部パイプ7内にて回転する上インペラ5と下部パイプ8内にて回転する下インペラ6にてそれぞれケーシング9の吸込口71、81より個別的に水槽内の汚水を吸い込み、吸い込んだ汚水を上下部両パイプ7、8の上端と下端より水槽内の上層内と底槽内に吐出するようにする。
なお、ケーシング9内にはケーシング径より大きな径とした平板状の仕切り板91を配設し、ケーシング9の外周部に形成する吸込口71、81を上下に分けるようにする。
これにより、仕切り板91より上部の吸込口71より吸い込んだ汚水は、上部パイプ7内を上昇してその吐出口72から、また、仕切り板91より下部の吸込口81より吸い込んだ汚水は下部パイプ8内を下降してその吐出口82よりそれぞれ吐出するようにする。
これにより、仕切り板91より上部の吸込口71より吸い込んだ汚水は、上部パイプ7内を上昇してその吐出口72から、また、仕切り板91より下部の吸込口81より吸い込んだ汚水は下部パイプ8内を下降してその吐出口82よりそれぞれ吐出するようにする。
また、ケーシング9内にはシャフト4を非接触でガイドする水中ガイド41と吸込口71、81より吸い込まれた汚水をそれぞれ上部パイプ7内と下部パイプ8内へ円滑に導かれるようにする整流マウンド10を配設する。
上部パイプ7の上部は、吐出口72を形成するもステーなどを介してフレーム11には前述の電動機1や上部軸受ユニット3が設けられる。
図6に示すように、歯車式の変速装置Tを設けることもできる。
また、図6に示した歯車式の変速装置Tに代えて、ベルト駆動にすることもできる。
また、図6に示した歯車式の変速装置Tに代えて、ベルト駆動にすることもできる。
フレーム11の下部には、上向きの流れを水平方向に変えるためのガイドと渦消しを兼ねた整流板12を、水面下でほぼ水平になるようにして配置する。
なお、この整流板12の下面には必要に応じて、整流マウンド13を取り付け、これにより上部パイプ7内を上昇してきた汚水を吐出口72より整流マウンド13に沿って、放射方向にほぼ均一に流れるようにする。
図6に、シャフトを2本使用し、上インペラ5と下インペラ6のそれぞれの駆動軸を回転させる場合の構成を示す。
図6では、上インペラ5の駆動軸となる中空管状のシャフト4Aの内部に下インペラ6の駆動軸となるシャフト4Bを貫通して垂直同心軸とし、上インペラ5の回転速度に対して下インペラ6の回転速度が変更できるようにしている。
回転速度の比率は、上下インペラ5、6のピッチ、径に応じて任意に変更し、上下吹き出し比率が3:9〜4:6になるように設定する。
回転速度の比率は、上下インペラ5、6のピッチ、径に応じて任意に変更し、上下吹き出し比率が3:9〜4:6になるように設定する。
図6では2本のシャフト4A、4Bを変速装置Tを用いることで電動機1を1台用いて駆動しているが、図7に示すように、それぞれのシャフト4A、4Bを電動機1A、1Bを1台ずつ用いて駆動することも可能である。
また、各シャフト4A、4Bを反対方向に回転させて、捻り方向の同じ2基のインペラ5、6を設けることも可能である。
次に、上記の攪拌機Aの作用について説明する。
電動機1の駆動にてシャフト4、4A、4Bを介して上インペラ5及び下インペラ6を上部パイプ7内及び下部パイプ8内にて回転させると、回転速度に応じてケーシング9の外周面に形成された吸込口71、81より吸い込まれた汚水は、それぞれ上部パイプ7内と下部パイプ8内へ円滑に導かれ、上部パイプ7内を上昇した汚水は上端の吐出口72から吐出され槽水面を放射方向に流れ、表層に流れを起こし外周方向へ向かい表層から下降して吸込口へ戻り、また、下部パイプ8内を流下した汚水は下端の吐出口82から下方へ吐出され、槽底に沿って外周方向に流れ、壁面付近を上昇し、吸込口へ戻り、これにより、2重の循環流を生じさせる。
電動機1の駆動にてシャフト4、4A、4Bを介して上インペラ5及び下インペラ6を上部パイプ7内及び下部パイプ8内にて回転させると、回転速度に応じてケーシング9の外周面に形成された吸込口71、81より吸い込まれた汚水は、それぞれ上部パイプ7内と下部パイプ8内へ円滑に導かれ、上部パイプ7内を上昇した汚水は上端の吐出口72から吐出され槽水面を放射方向に流れ、表層に流れを起こし外周方向へ向かい表層から下降して吸込口へ戻り、また、下部パイプ8内を流下した汚水は下端の吐出口82から下方へ吐出され、槽底に沿って外周方向に流れ、壁面付近を上昇し、吸込口へ戻り、これにより、2重の循環流を生じさせる。
この場合、吸込口71、81や上下の吐出口72、82の位置は、いずれも表層付近であり、槽底から距離が大きいため、上部の吐出口72より吐出する流量より、下部の吐出口82より吐出する流量の方が大きくなるように設定しており、底部流速は、槽内底部に汚泥などの固形物が堆積しない底部流速0.1m/sを確保することができ、水槽の単位容積当たりの投入動力を抑えることができ、水槽内全体を攪拌することができる。
以上、本発明の攪拌機について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
本発明の攪拌機は、水槽の単位容積当たりの投入動力をより小さくして、ランニングコストを抑え、かつ槽内底部に汚泥などを沈澱させないようにするための必要流速を得ることができるという特性を有していることから、下水処理場に設置された下水処理槽の用途に好適に用いることができるほか、例えば、化学機械、食品混合の用途にも用いることができる。
A 攪拌機
T 変速装置
1 電動機
1A 電動機
1B 電動機
2 カップリング
3 上部軸受ユニット
4 シャフト
4A シャフト
4B シャフト
41 水中ガイド
5 上インペラ
6 下インペラ
7 上部パイプ
71 吸込口
72 吐出口
8 下部パイプ
81 吸込口
82 吐出口
9 ケーシング
91 仕切り板
10 整流マウンド
11 フレーム
12 整流板
13 整流マウンド
T 変速装置
1 電動機
1A 電動機
1B 電動機
2 カップリング
3 上部軸受ユニット
4 シャフト
4A シャフト
4B シャフト
41 水中ガイド
5 上インペラ
6 下インペラ
7 上部パイプ
71 吸込口
72 吐出口
8 下部パイプ
81 吸込口
82 吐出口
9 ケーシング
91 仕切り板
10 整流マウンド
11 フレーム
12 整流板
13 整流マウンド
Claims (8)
- 上端に吐出口を形成した上部パイプ及び下端に吐出口を形成した下部パイプを外周に吸込口を形成したケーシングを挟むように一体に形成し、かつ前記上下部両パイプ内にそれぞれ吐出口から水槽内の液体を吐出するようにした上下両インペラを回転可能に配設して構成した攪拌機であって、前記上下両インペラの回転による上端の吐出口から吐出する流量と下端の吐出口から吐出する流量との流量比を3:9〜4:6となるように構成したことを特徴とする攪拌機。
- 下インペラのピッチに対して上インペラのピッチを0.65〜0.75に形成し、下インペラの径に対して上インペラの径を0.7〜1.0に形成したことを特徴とする請求項1記載の攪拌機。
- 下部パイプと内径に対する上部パイプの内径を0.66〜1.0に形成したことを特徴とする請求項1記載の攪拌機。
- 上インペラとほぼ相似形状に下インペラを形成し、かつ上インペラ径に対して下インペラの径を、その吐出流量が1.5〜3倍となるように構成したことを特徴とする請求項1記載の攪拌機。
- 上インペラ駆動軸内に下インペラ駆動軸が貫通して垂直同心軸とし、上インペラの回転速度に対して下インペラの回転速度が1.5〜3倍となるように構成したことを特徴とする請求項1記載の攪拌機。
- 上インペラと下インペラのブレードの捻り方向を相反するように構成したことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の攪拌機。
- 上インペラ駆動軸と下インペラ駆動軸とをそれぞれ個別の原動機にて駆動するように構成したことを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の攪拌機。
- 1台の電動機にて上インペラと下インペラの回転速度比を3:9〜4:6となるように変速駆動するように構成したことを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の攪拌機。
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