JP2012156435A - Yagレーザー発振装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】禁水が必要な場所で使用可能であるYAGレーザー発振装置を提供する。
【解決手段】 筐体と、前記筐体の内部に設置されたレーザー本体と、前記筐体の内部の空気の温度を略一定に調整する温度調整機構と、前記筐体の内部の空気を前記レーザー本体の前記カバーによって囲まれた内部に送り込む第1送風機構と、前記筐体の外部に設置され、前記筐体の内部の空気を前記レーザーポンプチャンバーの内部に送り込む第2送風機構と、を備えたことを特徴とするYAGレーザー発振装置。
【選択図】 図1
【解決手段】 筐体と、前記筐体の内部に設置されたレーザー本体と、前記筐体の内部の空気の温度を略一定に調整する温度調整機構と、前記筐体の内部の空気を前記レーザー本体の前記カバーによって囲まれた内部に送り込む第1送風機構と、前記筐体の外部に設置され、前記筐体の内部の空気を前記レーザーポンプチャンバーの内部に送り込む第2送風機構と、を備えたことを特徴とするYAGレーザー発振装置。
【選択図】 図1
Description
本発明の実施形態は、YAGレーザー発振装置に関する。
ピークパワーが10MW以上となるジャイアントパルス(GP)発振方式の固体レーザー発振装置であるYAGレーザー発振装置は、レーザーアブレーション、レーザー誘起蛍光分析、レーザーピーニング等の分野で使用可能である。
このような固体レーザー発振装置は、その安定性を確保するために、レーザーポンプチャンバーを冷却する冷却機構を具備している。例えば、冷却機構として、水冷方式が多く用いられている。水冷方式を適用したレーザーポンプチャンバーでは、YAGロッド及びフラッシュランプを密閉した水冷ジャケットに収めて冷却水を循環させ冷却を行うことでレーザーポンプチャンバーを熱的に安定に保っている。
しかしながら、水の使用及び水の発生が厳禁とされる禁水が必要な場所においては、水冷方式の冷却機構は適用できない。
本実施形態の目的は、禁水が必要な場所で使用可能であるYAGレーザー発振装置を提供することにある。
本実施形態によれば、
筐体と、前記筐体の内部に設置され、a)レーザー媒質であるYAGロッドと、励起源であるフラッシュランプと、前記フラッシュランプからのフラッシュランプ光を前記YAGロッドに集光して照射するための楕円形反射光学系と、前記YAGロッド、前記フラッシュランプ、及び、前記楕円形反射光学系を囲むジャケットと、を含むレーザーポンプチャンバーと、b)前記レーザーポンプチャンバーの前方に配置された出力ミラーと、前記レーザーポンプチャンバーの後方に配置されたQスイッチ構成体と、前記Qスイッチ構成体の後方に配置されたリア反射ミラーと、を含む光学系と、c)前記レーザーポンプチャンバー及び前記光学系が取り付けられるベース板と、d)前記ベース板に取り付けられた前記レーザーポンプチャンバー及び前記光学系を囲むカバーと、を備えたレーザー本体と、前記筐体の内部の空気の温度を略一定に調整する温度調整機構と、前記筐体の内部の空気を前記レーザー本体の前記カバーによって囲まれた内部に送り込む第1送風機構と、前記筐体の外部に設置され、前記筐体の内部の空気を前記レーザーポンプチャンバーの内部に送り込む第2送風機構と、を備えたことを特徴とするYAGレーザー発振装置が提供される。
筐体と、前記筐体の内部に設置され、a)レーザー媒質であるYAGロッドと、励起源であるフラッシュランプと、前記フラッシュランプからのフラッシュランプ光を前記YAGロッドに集光して照射するための楕円形反射光学系と、前記YAGロッド、前記フラッシュランプ、及び、前記楕円形反射光学系を囲むジャケットと、を含むレーザーポンプチャンバーと、b)前記レーザーポンプチャンバーの前方に配置された出力ミラーと、前記レーザーポンプチャンバーの後方に配置されたQスイッチ構成体と、前記Qスイッチ構成体の後方に配置されたリア反射ミラーと、を含む光学系と、c)前記レーザーポンプチャンバー及び前記光学系が取り付けられるベース板と、d)前記ベース板に取り付けられた前記レーザーポンプチャンバー及び前記光学系を囲むカバーと、を備えたレーザー本体と、前記筐体の内部の空気の温度を略一定に調整する温度調整機構と、前記筐体の内部の空気を前記レーザー本体の前記カバーによって囲まれた内部に送り込む第1送風機構と、前記筐体の外部に設置され、前記筐体の内部の空気を前記レーザーポンプチャンバーの内部に送り込む第2送風機構と、を備えたことを特徴とするYAGレーザー発振装置が提供される。
以下、本実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
まず、本実施形態によるYAGレーザー発振装置を構成するレーザー本体2の構成について説明する。図1は、レーザー本体2の構成を概略的に示す上面図である。図2は、図1に示したレーザー本体2の構成を概略的に示す側面図である。なお、図1では、カバーの図示を省略している。
すなわち、レーザー本体2は、レーザーポンプチャンバー10と、光学系20と、ベース板30と、カバー40と、を備えている。
レーザーポンプチャンバー10は、レーザー媒質であるYAGロッド11と、励起源であるフラッシュランプ12と、フラッシュランプ12からのフラッシュランプ光をYAGロッド11に集光して照射するための楕円形反射光学系13と、YAGロッド11、フラッシュランプ12、及び、楕円形反射光学系13を囲むジャケット14と、を含んでいる。
YAGロッド11は、イットリウム・アルミニウム・ガーネット(Y3Al5O12)結晶中に不純物として、例えば、3価のネオジウムイオン(Nd3+)が存在するものである。このYAGロッド11は、略一直線状に延出しており、一端面11A及び他端面11Bを有している。フラッシュランプ12は、略一直線状に延出しており、YAGロッド11と略平行に配置されている。このフラッシュランプ12は、電源ユニット60に接続されている。
楕円形反射光学系13は、2つの焦点軸を有している。YAGロッド11及びフラッシュランプ12は、楕円形反射光学系13の2つの焦点軸にそれぞれ配置されている。詳述しないが、YAGロッド11及びフラッシュランプ12は、図示しない保持機構によってそれぞれ位置決めされた状態で保持されており、楕円形反射光学系13の内部に固定されている。YAGロッド11及びフラッシュランプ12と、楕円形反射光学系13との間には、空気が流れる隙間が形成されている。
ジャケット14は、略箱状に形成されており、YAGロッド11及びフラッシュランプ12が保持された状態の楕円形反射光学系13を囲むよう取り付けられている。このようなジャケット14には、詳述しないが、少なくともYAGロッド11の一端面11A及び他端面11Bにそれぞれ対向する開孔部が形成されている。
このジャケット14は、金属製である。より具体的には、ジャケット14は、熱伝導性、耐熱性、及び、防錆性に優れた金属素材、例えば、アルミニウム、チタン、ステンレスのいずれかによって形成されることが望ましい。
光学系20は、レーザーポンプチャンバー10の前方に配置された出力ミラー21と、レーザーポンプチャンバー10の後方に配置されたQスイッチ構成体22と、Qスイッチ構成体22の後方に配置されたリア反射ミラー23と、を含んでいる。Qスイッチ構成体22は、薄膜ポラライザー221と、薄膜ポラライザー221の後方に配置されたポッケルスセル222と、ポッケルスセル222の後方に配置されたλ/4板223と、によって構成されている。
出力ミラー21は、部分透過ミラーであり、YAGロッド11の一端面11Aと対向している。薄膜ポラライザー221は、YAGロッド11の他端面11Bと対向している。ポッケルスセル222は、ポッケルス効果を示す結晶であり、電源ユニット60に接続されている。リア反射ミラー23は、全反射ミラーであり、出力ミラー21との間に共振器光学系を形成している。
ベース板30には、レーザーポンプチャンバー10及び光学系20が取り付けられている。レーザーポンプチャンバー10がベース板30に取り付けられることにより、YAGロッド11、フラッシュランプ12、及び、楕円形反射光学系13は、ベース板30に対して所定の位置に固定されている。また、光学系20がベース板30に取り付けられる際には、出力ミラー21、YAGロッド11、薄膜ポラライザー221、ポッケルスセル222、λ/4板223、及び、リア反射ミラー23が同軸上において適当な間隔を置いてこの順に配置、固定されている。
カバー40は、埃対策や遮光などのために、ベース板30に取り付けられたレーザーポンプチャンバー10及び光学系20の全体を囲んでいる。このようなカバー40は、ベース板30に固定されている。カバー40の前方、つまり、出力ミラー21と対向する位置には、レーザー出射穴40Hが形成されている。レーザー光は、このレーザー出射穴40Hから外部に向けて出射される。このカバー40は、熱伝導性、熱安定性(速やかに一定温度に達する特性)に優れた金属素材、例えば、アルミニウムによって形成されることが望ましい。
次に、本実施形態によるYAGレーザー発振装置1の構成について説明する。図3は、本実施形態におけるYAGレーザー発振装置1の構成を概略的に示す図である。
すなわち、YAGレーザー発振装置1は、上記のレーザー本体2に加えて、筐体100と、筐体100の内部の空気の温度を略一定に調整する温度調整機構110と、筐体100の内部の空気をレーザー本体2のカバー40によって囲まれた内部に送り込む第1送風機構120と、筐体100の外部に設置され筐体100の内部の空気をレーザーポンプチャンバー10の内部に送り込む第2送風機構130と、を備えている。
筐体100は、例えば、略箱状に形成されている。レーザー本体2は、この筐体100の内部に設置されている。なお、筐体100の内部には、レーザー本体2の他に、レーザー本体2から出射されたレーザー光を反射するミラーや、レーザー光を集束するレンズ、各種フィルター、検出器などが設置されていても良い。
温度調整機構110は、例えば、筐体冷却装置であり、吸気部111及び排出部112を含んでいる。この温度調整機構110は、図中の矢印aで示したように、吸気部111により筐体100の内部から空気を取り込み、取り込んだ空気を温度調整する。また、この温度調整機構110は、図中の矢印bで示したように、温度調整した空気を排出部112により筐体100の内部に排出する。このような温度調整機構110は、筐体100の外気温(周囲温度)にかかわらず、筐体100の内部の空気の温度を略一定(例えば、25℃±3℃)に保っている。
第1送風機構120は、例えば、送風ファンである。この第1送風機構120は、図中の矢印cで示したように、筐体100の内部の空気を吸気して、図中の矢印dで示したように、カバー40の内部に排出する。レーザー本体2においては、カバー40で囲まれた内部は、筐体100の内部の温度調整された空気で満たされることになる。
このため、筐体100の内部の空気の温度と、カバー40の内部の空気の温度とは略同一となる。これにより、カバー40の内部に設置されたレーザーポンプチャンバー10において、その外側は、第1送風機構120によって送り込まれた温度調整された空気によって冷却される。つまり、レーザーポンプチャンバー10において、ジャケット14の外面から冷却することが可能となる。
第1送風機構120には、エアフィルター121が取り付けられることが望ましい。エアフィルターとしては、例えば、HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルターが好適であるが、さらに高性能なULPA(Ultra Low Penetration Air)フィルターを適用しても良い。
このようなエアフィルター121を適用した場合には、筐体100の内部の空気を清浄化した後にカバー40で囲まれた内部に排出することが可能となる。このため、カバー40で囲まれた内部の空気は、筐体100の内部の空気よりも清浄化される。これにより、清浄な空気によってレーザーポンプチャンバー10を冷却することが可能となるとともに、光学系20の劣化を抑制することが可能となる。
第2送風機構130は、例えば、ベローズ式ポンプである。この第2送風機構130は、吸気部131及び排出部132を含んでいる。この第2送風機構130は、図中の矢印eで示したように、吸気部131により筐体100の内部から空気を取り込み、図中の矢印fで示したように、取り込んだ空気を排出部132によりレーザーポンプチャンバー10の内部に排出する。つまり、温度調整された空気がレーザーポンプチャンバー10の内部を流れることにより、レーザーポンプチャンバー10の内側が冷却される。
レーザーポンプチャンバー10の内部に送り込まれた空気は、詳述しないが、YAGロッド11及びフラッシュランプ12と、楕円形反射光学系13との間に形成された隙間を流れ、カバー40によって囲まれた内部に漏れ出すことなく、図中の矢印gで示したように、排気部140から筐体100の外部に排気される。このため、第2送風機構130によって送り込まれた空気により、カバー40の内部の空気の清浄度を低下させることはない。
なお、この第2送風機構130は発熱源になるため、第2送風機構130そのものは、筐体100の外部に設置されている。これにより、筐体100の内部の温度調整を担う温度調整機構110の熱負荷を低減することが可能となる。
図4は、本実施形態のYAGレーザー発振装置1において第2送風機構130として適用可能なベローズ式ポンプの構成を概略的に示す図である。
すなわち、第2送風機構130であるベローズ式ポンプ50は、回転可能なモータ51と、モータ51に接続されたクランク52と、クランク52に接続された蛇腹状のベローズ53と、を備えて構成されている。吸気口54は、上記の吸気部131に接続されている。この吸気口54とベローズ53との間には、逆止弁55が介在している。吐出口56は、上記の排出部132を介して接続されている。この吐出口56とベローズ53との間には、逆止弁57が介在している。
このようなベローズ式ポンプ50は、モータ51の回転をクランク52にて往復運動に変換し、クランク52に接続されたベローズ53を伸縮させて吸気口54から取り込んだ筐体100の内部の空気を吐出口56からレーザーポンプチャンバー10の内部に送り込む。
ベローズ53は、蛇腹状であるためゴム材に比べて硬質な材料を使用することが可能である。このようなベローズ53は、アウトガスを発生しない材質であるステンレスもしくはポリテトラフルオロエチレン(あるいはテフロン(登録商標))によって形成されている。
図5は、本実施形態のYAGレーザー発振装置1に適用可能な空冷式のレーザーポンプチャンバー10の構成を概略的に示す図である。
図示しないベローズ式ポンプ50の吐出口56から送風された空気は、排出部132を通り、レーザーポンプチャンバー10の内部に導入される。レーザーポンプチャンバー10の内部に導入された空気は、発熱源となるフラッシュランプ12及びYAGロッド11と、楕円形反射光学系13との間の隙間を通り、排気部140からレーザーポンプチャンバー10の外部、さらには、筐体100の外部に排気される。
以上説明したように、本実施形態によれば、YAGレーザー発振装置1は、YAGロッド11とフラッシュランプ12とを保持しながら冷却を行うレーザーポンプチャンバー10の内部に温度調整された空気を送り込んで冷却するとともに、レーザーポンプチャンバー10が設置されたカバー40の内部に温度調整された空気を送り込んでレーザーポンプチャンバー10の外側を冷却する空冷方式を採用し、レーザーポンプチャンバー10を熱的に安定に保つことが可能となる。
また、レーザー本体2は、カバー40によって囲まれた内部に設置されており、このカバー40の内部には、温度調整された空気が送り込まれる。このため、カバー40の内部の温度を略一定に保つことができ、光学系20を熱的に安定に保つことが可能となる。
したがって、レーザーポンプチャンバー10の内外、及び、共振器内の温度を常に一定範囲内の温度に保つことが可能となり、出力エネルギー、パルス幅、ビームパターン、ビーム発散角などのレーザー特性の安定化を図ることが可能となる。
特に、本実施形態においては、レーザー本体2が設置される筐体100の内部について、温度調整機構110によって略一定の温度に保ち、この筐体100の内部の空気を第1送風機構120によってレーザー本体2の内部に送り込み、また、筐体100の内部の空気を第2送風機構130によってレーザーポンプチャンバー10の内部に送り込んでいる。
第1送風機構120としては送風ファンを適用し、第2送風機構130としてはベローズ式ポンプを適用している。送風ファン及びベローズ式ポンプは、発熱部分であるレーザーポンプチャンバー10の内部にアウトガスの無いクリーンで且つ温度調整された空気を供給して冷却を行い、かつ水分を発生させない。このため、禁水が必要な場所でYAGレーザー発振装置1の使用が可能となる。また、レーザーポンプチャンバー10の内部の汚染を抑制することが可能である。
また、第1送風機構120にエアフィルター121を適用したことにより、カバーで囲まれた内部により清浄化された空気を送り込むことが可能となる。これにより、光学系20の劣化を抑制することが可能となる。
また、レーザーポンプチャンバー10を構成するジャケット14は、耐熱性のある金属素材によって形成されている。このため、レーザーポンプチャンバー10の外側からの冷却効率を高めることが可能となる。
また、Qスイッチ構成体22を構成するポッケルスセル222は、温度依存性を有し、スイッチングのための位相変換に必要な駆動電圧が周辺温度に応じて変化する。本実施形態では、ポッケルスセル222はカバー40で囲まれた内部に設置されており、カバー40で囲まれた内部は略一定の温度に調整されている。このため、Qスイッチ構成体22の駆動電圧を一定にすることが可能となり、ポッケルスセル222の周辺温度に応じて駆動電圧を変更するといった複雑な制御が不要となる。
(実施例)
空冷方式のレーザーポンプチャンバー10及び光学系20をベース板30の上に設置し、これらをカバー40で覆ったレーザー本体2を用意し、このレーザー本体2を筐体100の内部に設置した。筐体100には、温度調整機構110として筐体冷却機構を適用し、第1送風機構120として送風ファンを適用し、エアフィルター121としてHEPAフィルターを適用し、第2送風機構130としてベローズ式ポンプを適用し、ジャイアントパルス発振方式のYAGレーザー発振装置1を構成した。
空冷方式のレーザーポンプチャンバー10及び光学系20をベース板30の上に設置し、これらをカバー40で覆ったレーザー本体2を用意し、このレーザー本体2を筐体100の内部に設置した。筐体100には、温度調整機構110として筐体冷却機構を適用し、第1送風機構120として送風ファンを適用し、エアフィルター121としてHEPAフィルターを適用し、第2送風機構130としてベローズ式ポンプを適用し、ジャイアントパルス発振方式のYAGレーザー発振装置1を構成した。
このとき、出力ミラー21の反射率を50%とし、YAGロッド11中の不純物ドープ濃度を1%atmとし、YAGロッド11の口径をφ5mmとし、YAGロッド11の長さを76mmとし、ベローズ式ポンプの冷却空気流量を20L/minとし、ベローズ式ポンプのベローズ53の材質としてテフロンを使用し、電源ユニット60からフラッシュランプ12への注入エネルギーを8Jとし、フラッシュランプ12のランプ発光周波数を1Hzとした。
筐体冷却機構に冷却能力280Wのドレン気化方式筐体クーラー(ドレン水をフィルターにて吸水し、ファンで蒸発させる方式)を用いて、周囲温度10〜40℃の時、筐体100の内部の温度を25℃±3℃に保ち、発振繰り返し周波数1Hzの空冷式ジャイアントパルス発振方式YAGレーザー発振装置1として、出力エネルギー100mJ、パルス幅7nsecを得た。
このようなYAGレーザー発振装置1から出射されたレーザー光を焦点距離25mmのレンズで集光してエアーブレークダウンを発生させることが出来たため、本実施形態におけるYAGレーザー発振装置1をレーザー誘起蛍光分析装置用のレーザー光源として用いることができる。また、その際に空冷方式であることから、冷却水の交換等が不要となり、メンテナンス性が良く、禁水を要求される様な状況でも使用することができるレーザー誘起蛍光分析装置を提供できる。
なお、このようなピークパワーが数MW以上となるGP発振方式固体レーザー光は、レーザーアブレーション、レーザーピーニング等の分野でも使用可能である。
以上説明したように、本実施形態によれば、禁水が必要な場所で使用可能である、ピークパワーが10MW以上となるジャイアントパルス発振方式の空冷冷却方式のYAGレーザー発振装置を提供することができる。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…YAGレーザー発振装置
2…レーザー本体
10…レーザーポンプチャンバー
11…YAGロッド 12…フラッシュランプ
13…楕円形反射光学系 14…ジャケット
20…光学系
21…出力ミラー
22…Qスイッチ構成体
221…薄膜ポラライザー 222…ポッケルスセル 223…λ/4板
23…リア反射ミラー
30…ベース板
40…カバー
100…筐体
110…温度調整機構 111…吸気部 112…排出部
120…第1送風機構 121…エアフィルター
130…第2送風機構 131…吸気部 132…排出部
140…排気部
2…レーザー本体
10…レーザーポンプチャンバー
11…YAGロッド 12…フラッシュランプ
13…楕円形反射光学系 14…ジャケット
20…光学系
21…出力ミラー
22…Qスイッチ構成体
221…薄膜ポラライザー 222…ポッケルスセル 223…λ/4板
23…リア反射ミラー
30…ベース板
40…カバー
100…筐体
110…温度調整機構 111…吸気部 112…排出部
120…第1送風機構 121…エアフィルター
130…第2送風機構 131…吸気部 132…排出部
140…排気部
Claims (8)
- 筐体と、
前記筐体の内部に設置され、a)レーザー媒質であるYAGロッドと、励起源であるフラッシュランプと、前記フラッシュランプからのフラッシュランプ光を前記YAGロッドに集光して照射するための楕円形反射光学系と、前記YAGロッド、前記フラッシュランプ、及び、前記楕円形反射光学系を囲むジャケットと、を含むレーザーポンプチャンバーと、b)前記レーザーポンプチャンバーの前方に配置された出力ミラーと、前記レーザーポンプチャンバーの後方に配置されたQスイッチ構成体と、前記Qスイッチ構成体の後方に配置されたリア反射ミラーと、を含む光学系と、c)前記レーザーポンプチャンバー及び前記光学系が取り付けられるベース板と、d)前記ベース板に取り付けられた前記レーザーポンプチャンバー及び前記光学系を囲むカバーと、を備えたレーザー本体と、
前記筐体の内部の空気の温度を略一定に調整する温度調整機構と、
前記筐体の内部の空気を前記レーザー本体の前記カバーによって囲まれた内部に送り込む第1送風機構と、
前記筐体の外部に設置され、前記筐体の内部の空気を前記レーザーポンプチャンバーの内部に送り込む第2送風機構と、
を備えたことを特徴とするYAGレーザー発振装置。 - 前記第1送風機構は、送風ファンであることを特徴とする請求項1に記載のYAGレーザー発振装置。
- 前記第1送風機構には、エアフィルターが取り付けられたことを特徴とする請求項1または2に記載のYAGレーザー発振装置。
- 前記第2送風機構により前記レーザーポンプチャンバーの内部に送り込まれた空気は、前記カバーによって囲まれた内部に漏れ出すことなく、前記筐体の外部に排気されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のレーザー発振装置。
- 前記第2送風機構は、ベローズ式ポンプであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のYAGレーザー発振装置。
- 前記ベローズ式ポンプのベローズは、ポリテトラフルオロエチレンまたはステンレスによって形成されたことを特徴とする請求項5に記載のYAGレーザー発振装置。
- 前記ジャケットは、アルミニウム、チタン、ステンレスのいずれかによって形成されたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のYAGレーザー発振装置。
- 前記Qスイッチ構成体は、前記レーザーポンプチャンバーの後方に配置された薄膜ポラライザーと、前記薄膜ポラライザーの後方に配置されたポッケルスセルと、前記ポッケルスセルの後方に配置されたλ/4板と、によって構成されたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のYAGレーザー発振装置。
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JP2016081993A (ja) * | 2014-10-14 | 2016-05-16 | 株式会社アマダホールディングス | レーザ共振器、レーザ加工装置及びレーザ共振器の除湿方法 |
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