JP2002335029A - 狭帯域化レーザ装置 - Google Patents

狭帯域化レーザ装置

Info

Publication number
JP2002335029A
JP2002335029A JP2001140450A JP2001140450A JP2002335029A JP 2002335029 A JP2002335029 A JP 2002335029A JP 2001140450 A JP2001140450 A JP 2001140450A JP 2001140450 A JP2001140450 A JP 2001140450A JP 2002335029 A JP2002335029 A JP 2002335029A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
band
temperature
narrow
laser
narrowing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001140450A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeo Komae
重夫 小前
Satoru Butsushida
了 仏師田
Motoharu Nakane
基晴 中根
Takeshi Ota
毅 太田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Gigaphoton Inc
Original Assignee
Gigaphoton Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Gigaphoton Inc filed Critical Gigaphoton Inc
Priority to JP2001140450A priority Critical patent/JP2002335029A/ja
Publication of JP2002335029A publication Critical patent/JP2002335029A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lasers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ光の波面を乱すことが少ない狭帯域化
レーザ装置を提供する。 【解決手段】 波長を狭帯域化する狭帯域化光学素子(3
3)を備えた狭帯域化レーザ装置において、その一端部(3
7A)を、レーザ光(21)が少なくともその一部に照射され
る光学部品(35)に接触させ、他端部(37B)を、一端部(37
A)よりも温度の低い場所に位置させた放熱体(37)を備
え、前記放熱体(37)の他端部(37B)を冷却する冷却手段
(42)及び他端部(37B)の温度を制御する制御手段(44)を
備えたことを特徴とする狭帯域化レーザ装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波長を狭帯域化さ
れたレーザ装置に関し、より詳細にはレーザ光の通過す
る光路近傍の屈折率の不均一をなくして波面の乱れを抑
制する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から波長を狭帯域化されたレーザ装
置において、スリットやプリズム等のレーザ光が照射さ
れる光学部品に、不活性ガスを吹きつけて冷却する技術
が知られており、例えば特願平11−153313号
(未公開)に示されている。これは、レーザ光の照射に
よる光学部品の温度上昇に伴って、光学部品近傍の気体
や光学素子内部の屈折率が変動し、レーザ光の波面が乱
れて、その中心波長やスペクトル幅が変化するのを防ぐ
ためである。尚、以下の説明においては、レーザ光が少
なくともその一部に照射され、熱を帯びる可能性のある
光路上の部品すべてを、光学部品と総称する。即ち、プ
リズム等のレーザ光が屈折、反射、又は透過する光学素
子に加え、スリット等の光路上の構造物も光学部品と言
う。図7は、前記同公報に開示されたエキシマレーザ装
置を表しており、以下図7に基づいて従来技術を説明す
る。
【0003】図7において、エキシマレーザ装置11
は、レーザガスを封入し、内部で放電によってレーザガ
スを励起するレーザチャンバ12と、発振したレーザ光
21を狭帯域化する狭帯域化ユニット30とを備えてい
る。レーザチャンバ12内部で発生したレーザ光21
は、レーザチャンバ12の後方(図7中左方)に設けら
れた、狭帯域化ユニット30に入射する。狭帯域化ユニ
ット30は、例えば2個のプリズム32,32とグレー
ティング33とを備え、狭帯域化ボックス31で周囲を
カバーされている。レーザ光21は、プリズム32,3
2によって拡大され、グレーティング33によって所定
の波長のレーザ光21のみが入射光と同じ方向に折り返
され、狭帯域化される。狭帯域化されたレーザ光21
は、レーザチャンバ12前方に設けられたフロントミラ
ー8から出射し、加工機25に入射する。
【0004】狭帯域化ユニット30の入口及び内部に
は、開口部51A,51Aを有する、熱伝導率の高い金
属製のスリット51,51が、それぞれ配設されてい
る。このスリット51,51により、レーザ光21のビ
ーム幅を制限して、レーザ光21がプリズム32やグレ
ーティング33の端部に当たるのを防止している。さら
には、レーザ光21のビーム幅を開口部51A,51A
の幅に制限し、レーザ光21を狭帯域化した際のスペク
トル幅が、より細くなるようにしている。
【0005】狭帯域化ボックス31には、不活性ガスの
ガスボンベ50に一端部が接続された、ガス配管49が
付設されている。ガス配管49の他端部は、スリット5
1,51の近傍にそれぞれ固定され、スリット51,5
1に不活性ガス41を吹きつけて冷却している。これに
より、スリット51,51の開口部51A,51A近傍
の気体の温度上昇による屈折率変動を小さくして、レー
ザ光21の波面の乱れを防止している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来技術には、次に述べるような問題がある。即ち、スリ
ット51に不活性ガス41が吹きつけられることによ
り、狭帯域化ボックス31内部の不活性ガス41が揺ら
ぐことになる。その結果、レーザ光21の通過する光路
の屈折率に不均一が生じ、レーザ光21の波面が乱れる
という問題がある。これは、スリット51,51のみな
らず、他のプリズム32等の他の光学部品に関しても同
様である。さらには、従来技術によれば、不活性ガス4
1の温度が制御されていないため、不活性ガス41の温
度が変化した場合などに、光学部品を充分に冷却できな
かったり、光学部品を冷却し過ぎたりして、屈折率が変
動するということがある。
【0007】また、例えば放電を止めてレーザ光21の
発振を一時的に停止するような場合には、狭帯域化ボッ
クス31内部の温度が下がる。そのため、狭帯域化ボッ
クス31や光学部品を固定している図示しない固定部品
の温度が下がり、光学部品の位置が変化することがあ
る。従来技術によれば、光学部品を冷却することしか記
載されていないため、これを防ぐことができず、再発振
を行なう場合に、レーザ光21の中心波長やスペクトル
幅を所望の値に制御するのに長時間を要するという問題
がある。さらに、例えばペルチェ素子等を用いて光学部
品を冷却するという技術も知られているが、ペルチェ素
子からはさまざまな不純物ガスが発生し、光学素子を汚
損することがある。
【0008】本発明は、上記の問題に着目してなされた
ものであり、レーザ光の波面を乱すことが少ない狭帯域
化レーザ装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】上記の目
的を達成するために、本発明は、波長を狭帯域化する狭
帯域化光学素子を備えた狭帯域化レーザ装置において、
その一端部を、レーザ光が少なくともその一部に照射さ
れる光学部品に接触させ、他端部を、一端部よりも温度
の低い場所に位置させた放熱体を備えている。かかる構
成によれば、放熱体によって光学部品を冷却できるの
で、光学部品の温度が上がって内部や光路の屈折率が変
動するようなことがなく、レーザ光の波面が乱れないの
で、良好な波長特性のレーザ光を得ることが可能であ
る。しかも、放熱体によって冷却することにより、空気
の揺らぎが殆んどなく、しかも不純物ガスが発生しな
い。
【0010】また、本発明は、前記放熱体の他端部を冷
却する冷却手段を備えている。これにより、光学部品を
より効率良く冷却して、その温度を低くすることがで
き、光学部品の温度上昇による、内部や光路の屈折率変
動を抑制できる。
【0011】また、本発明は、前記放熱体の他端部の温
度を制御する制御手段を備えている。これにより、光学
部品の温度を略一定に制御することができるので、外部
の温度変化に限らず、光路の屈折率を一定とし、レーザ
光の波長特性を、所望の目標特性に制御するのが容易と
なる。
【0012】また、本発明は、前記光学部品が、プリズ
ム、遮光板、反射防止板、及びスリットのうち、少なく
ともいずれか1つである。これらの光学素子は、レーザ
光がその内部を透過したり、その表面に照射されたりし
て、温度上昇や、レーザ光が停止したときの温度低下が
特に激しい。従って、これらを略一定の温度に保つこと
により、屈折率の変動を防いでレーザ光の波長特性を良
好なものにすることが可能となる。
【0013】また、本発明は、波長を狭帯域化する狭帯
域化光学素子と、狭帯域化光学素子を囲繞する狭帯域化
ボックスとを備えた狭帯域化レーザ装置において、一端
部を前記狭帯域化ボックス内部の空間に位置させ、他端
部を一端部よりも温度の低い場所に位置させた放熱体を
備えている。かかる構成によれば、狭帯域化ボックスの
任意の空間を冷却することにより、光路における温度勾
配を小さくして屈折率の不均一を防ぐことが可能であ
る。これにより、レーザ光の波面の乱れが小さくなる。
【0014】また、本発明は、前記放熱体が、中空の金
属パイプの内部に液体を封入したヒートパイプである。
これにより、一端部と他端部との熱の移動がよりスムー
ズになって、冷却効率が高くなる。
【0015】また、本発明は、狭帯域化ボックス内部に
不活性ガスを導入する不活性ガス導入装置と、この不活
性ガスの温度を制御するガス温度制御装置とを備えてい
る。このように、内部に導入する不活性ガスの温度を制
御することにより、狭帯域化ボックス内部の温度が、略
一定となるので、光学部品の温度制御が容易となり、屈
折率の変動によって波面が乱れることが少ない。
【0016】また、本発明は、波長を狭帯域化する狭帯
域化光学素子と、狭帯域化光学素子を囲繞する狭帯域化
ボックスとを備えた狭帯域化レーザ装置において、前記
狭帯域化ボックス内部に不活性ガスを導入する不活性ガ
ス導入装置と、この不活性ガスの温度を制御するガス温
度制御装置とを備えている。かかる構成によれば、狭帯
域化ボックス内部の温度を略一定とすることができるお
で、光学部品の温度が不均一になって屈折率が変動して
波面が乱れることが少ない。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図を参照しながら、本発明
に係る実施形態を詳細に説明する。まず、第1実施形態
を説明する。図1は、本実施形態に係るエキシマレーザ
装置の構成図であり、エキシマレーザ装置を上方から見
た平面図を示している。図1においてエキシマレーザ装
置11は、レーザ媒質であるレーザガスを封入した、レ
ーザチャンバ12を備えている。レーザチャンバ12の
両端部には、レーザ光21を透過するフロントウィンド
ウ17及びリアウィンドウ19が、図示しないホルダに
よってそれぞれ取着されている。レーザチャンバ12の
内部には、一対の図示しない放電電極が、図1中紙面と
垂直方向に対向して設置されている。図示しない高圧電
源から放電電極間に高電圧を印加することにより、放電
を起こしてレーザガスを励起し、レーザ光21を発生さ
せる。
【0018】発生したレーザ光21は、後方(図1中左
方)へ進行し、レーザ光21の波長を狭帯域化する狭帯
域化ユニット30に入射する。狭帯域化ユニット30
は、プリズム32、及びグレーティング33等の光学素
子を備えている。これらの光学素子は、狭帯域化ボック
ス31によって囲繞され、図示しない固定部品によって
狭帯域化ボックス31に固定されている。狭帯域化ボッ
クス31の壁には、不活性ガス給気口40が付設され、
窒素などの清浄な乾燥した不活性ガス41を、狭帯域化
ボックス31内部に導入している。狭帯域化ボックス3
1内を通過するレーザ光21の光路の両脇には、銅、ま
たはニッケル無電解メッキを施したアルミニウムなど
の、熱伝導率の高い金属製の遮光板35が付設されてい
る。この遮光板35により、レーザ光21のビーム幅を
制限して、レーザ光21がプリズム32やグレーティン
グ33の端部に当たって波面が乱れるのを防止してい
る。
【0019】また、レーザチャンバ12と狭帯域化ボッ
クス31及び加工機25との間は、それぞれ光路カバー
34によって囲繞されている。光路カバー34には、不
活性ガスを導入する図示しない不活性ガス給気口が付設
され、レーザ光21の光路に空気や不純物ガスが入り込
まないようにしている。
【0020】狭帯域化ユニット30に入射したレーザ光
21は、プリズム32によって拡大され、グレーティン
グ33に入射する。グレーティング33では、回折によ
って、レーザ光21の入射角によって定まる所定の中心
波長のレーザ光21のみが反射される。レーザチャンバ
12の前後方には、矩形の開口部26A,27Aを有す
る、熱伝導率の高い金属製のスリット26,27が、そ
れぞれ配設されている。このスリット26,27によ
り、レーザ光21の一部をカットし、ビーム断面形状を
加工装置25が要求する形状に合わせている。またスリ
ット26,27は、遮光板35と同様にレーザ光21の
ビーム幅を制限して、レーザ光21がプリズム32やグ
レーティング33の端部に当たるのを防止している。さ
らには、レーザ光21のビーム幅を開口部26A,27
Aの幅に制限し、レーザ光21を狭帯域化した際のスペ
クトル幅が、より細くなるようにしている。
【0021】また、狭帯域化ボックス31内部では、狭
帯域化されていないレーザ光21の一部が、プリズム3
2やグレーティング33等の光学素子の表面で反射し、
狭帯域化ボックス31内壁に向かう。狭帯域化ボックス
31内壁で乱反射したレーザ光21が、レーザチャンバ
12内部に戻って増幅されると、レーザ光21の中心波
長が不安定になったり、スペクトル幅が広がったりす
る。このような乱反射を防ぐために、レーザ光21が反
射する可能性のある場所には、レーザ光21を吸収して
反射を防止する反射防止板36が付設されている。
【0022】フロントスリット26の前方には、レーザ
光21を部分透過するフロントミラー16が設置されて
いる。フロントミラー16の前方には、ビームスプリッ
タ22が設置され、出射したレーザ光21の一部をレー
ザモニタ39に導いている。レーザモニタ39は、レー
ザ光21の中心波長やスペクトル幅等の波長特性と、レ
ーザ光21のパルス出力とを測定して、エキシマレーザ
装置11をコントロールするレーザコントローラ29に
出力している。グレーティング33は、レーザコントロ
ーラ29の指令に基づいて、レーザ光21に対する角度
を変更自在な駆動機構47を備えている。レーザコント
ローラ29は、レーザモニタ39から出力信号に基づ
き、レーザ光21の波長特性が所望の目標特性となるよ
うに駆動機構47を駆動する。これを、波長制御と言
う。
【0023】このとき、遮光板35、反射防止板36、
及びスリット26,27には、長手方向を縦方向(図1
中紙面と垂直方向)に一致させたヒートパイプ37の一
端部37Aが、接触して固定されている。ヒートパイプ
37とは、例えば棒状中空の金属パイプの両端部を封止
して、その内部を真空にし、水や代替フロン等の蒸発し
やすい作動液を封入したものである。金属パイプの材料
としては、熱伝導率の高い銅やアルミニウムが用いられ
る。レーザ光21が、ヒートパイプ37が接触している
光学部品に照射され、光学部品から熱が発生すると、ヒ
ートパイプ37の一端部37Aの内部で作動液が蒸発
し、蒸発潜熱によって一端部37Aの熱を吸収する。蒸
発した作動液は、蒸気流となって低温の他端部37Bへ
高速移動し、熱の低い位置にある他端部37Bの管壁に
接触して冷却されて凝縮し、凝縮潜熱によって熱を放出
する。凝縮液は、毛細管現象または重力によって一端部
37Aに戻る。このようにして、熱を一端部37Aから
他端部37Bへ、効率良く移動させることが可能であ
る。
【0024】図2に、遮光板35及びヒートパイプ37
の詳細斜視図を示す。図2において、遮光板35は、狭
帯域化ボックス31の底板31Aに、図示しない固定手
段で固定されている。またヒートパイプ37の一端部3
7A(図2中下部)は、押さえ板38によって遮光板3
5に押しつけられており、押さえ板38は遮光板35に
ネジ43でネジ止めされている。これにより、ヒートパ
イプ37と遮光板35との接触面積を大きくし、かつ密
着度を高くして、熱伝導率が高くなるようにしている。
尚、有機物等の不純物ガスが発生しないように、接触箇
所にグリース等は用いないことが望ましい。ヒートパイ
プ37の他端部37Bは、狭帯域化ボックス31の天板
31Bから、紙面上方に突出している。上記他端部37
Bには、例えばアルミニウム製の放熱フィン42が、同
様の押さえ板38によって接触して付設されている。
【0025】また、図1に示すように、グレーティング
33、プリズム32、ウィンドウ17,19、フロント
ミラー16、及びビームスプリッタ22等の光学部品の
側面にも、同様にヒートパイプ37の一端部37Aを接
触させている。尚、ヒートパイプ37は、光学部品の上
面に接触させてもよい。
【0026】以上説明したように第1実施形態によれ
ば、レーザ光21が照射される光学部品にヒートパイプ
37の一端部37Aを接触させ、他端部37Bを一端部
37Aよりも温度の低い場所に位置させている。これに
より、光学部品がレーザ光21の照射によって熱せられ
ても、熱がヒートパイプ37の一端部37Aから他端部
37Bへ移ることにより、光学部品を好適に冷却するこ
とが可能である。従って、例えばグレーティング33や
プリズム32等の光学素子の内部の屈折率が不均一にな
るようなことが少なく、レーザ光21のレーザ光軸20
が曲がったり波面が乱れたりすることがない。また、ビ
ームスプリッタ22などの、狭帯域化ユニット外の光学
素子に関しても、ヒートパイプ37によって冷却を行な
っている。これにより、光学素子がレーザ光21によっ
て熱を帯び、その表面のコーティングが劣化するという
ことが少なくなる。従って、光学素子の寿命が長くな
り、エキシマレーザ装置11の稼働率が向上する。
【0027】また、スリット26,27等の構造物につ
いても、レーザ光21によって熱せられた箇所を効率良
く冷却できるので、構造物の端部から熱が発生して、光
路の気体の屈折率が変動するようなことが少ない。しか
も、ヒートパイプ37によって冷却を行なっているの
で、不活性ガス41を吹きつけたときのように、レーザ
光21の光路の気体が揺らぐことがない。従って、レー
ザ光21が屈折率の不均一によって曲がったり、波面が
乱れたりすることが少なく、波長特性の良好なレーザ光
21を得ることが可能である。さらには、ヒートパイプ
37の他端部37Bを狭帯域化ボックス31の外部に出
しているので、光学部品から除去した熱が、狭帯域化ボ
ックス31の外部に放出される。従って、狭帯域化ボッ
クス31の内部が熱くならず、レーザ光21の光路の気
体が揺らいだり、光学素子を固定している固定部品が熱
によって伸縮したりすることが少ない。従って、レーザ
光21の波面が乱れたり波長特性が変動することが少な
い。
【0028】また、冷却によって、レーザ発振中に光学
素子や構造物の温度が低く抑えられる。これにより、レ
ーザ発振を停止している間に、光学素子を固定している
固定部品やスリット26,27等の構造物が熱によって
伸縮することが少なく、光学部品の位置ずれが起きにく
い。従って、再発振を行なった場合に、波長特性が目標
特性からずれることが少ないため、波長制御に要する時
間が短くなり、エキシマレーザ装置11の稼働率が向上
する。尚、第1実施形態においては、ヒートパイプ37
を鉛直方向に配置したが、これに限られるものではな
く、例えば水平に固定してもよい。以下の実施形態につ
いても、同様である。
【0029】次に、第2実施形態を説明する。図3に、
第2実施形態に係るエキシマレーザ装置11の構成図、
図4に、遮光板35及びヒートパイプ37の詳細斜視図
を示す。図3、図4において、エキシマレーザ装置11
のレーザ光21が照射される光学部品には、図1と同様
にヒートパイプ37の一端部37Aが接触している。そ
して、ヒートパイプ37の他端部37Bには冷却器44
が接触されている。
【0030】冷却器44は、例えばペルチェ素子等の熱
電素子を多段に用いて構成されており、冷却側部44A
をヒートパイプ37の一端部37Aに接触させ、放熱側
部44Bを冷却水45、又は図示しないファン等によっ
て冷却している。冷却器44は、ペルチェ素子を駆動す
る電源46に接続され、電源46はレーザコントローラ
29に接続されている。これにより、レーザコントロー
ラ29は、冷却器44の冷却側部44Aの温度を変える
ことにより、ヒートパイプ37を介して、光学部品の温
度を制御できる。また、図3に示すように、狭帯域化ボ
ックス31の内部には、雰囲気温度を計測する図示しな
い温度検出器48が配置されており、レーザコントロー
ラ29に付近の温度を出力する。レーザコントローラ2
9は、温度検出器48の出力に基づいて、冷却器44の
温度を制御する。
【0031】このように、ヒートパイプ37の他端部3
7Bを、温度制御自在な冷却器44で冷却することによ
り、ヒートパイプ37の他端部37Bの温度を、所定の
温度に保つことができる。従って、ヒートパイプ37の
一端部37Aの温度、及びこれに接触している光学部品
の温度の変動が小さくなり、温度変化による波面の乱れ
がさらに小さくなる。或いは、レーザモニタ39によっ
て波長特性の乱れが検出された場合に、冷却器44によ
って、ヒートパイプ37を介して光学部品の温度を変
え、波長特性の乱れを抑制することが可能である。尚、
温度検出器48は、1本と限られるものではない。ま
た、光学部品に接触させてもよく、さらには、ヒートパ
イプ37と光学部品との接触部近傍に設置してもよい。
或いは、複数本の温度検出器48を、各光学部品に接触
させ、各ヒートパイプ37ごとに温度制御を行なうよう
にすると、なお良い。
【0032】また図3において、冷却器44の代わり
に、冷却器44とヒータとを組み合わせた、加熱/冷却
自在の加熱冷却器を取り付けると、なお良い。これによ
り、ヒートパイプ37の他端部37Bを冷却又は加熱す
ることにより、光学部品の温度をさらに正確に所望の温
度に制御することが可能である。特に、例えばエキシマ
レーザ装置11が一時的に放電を止めて、レーザ発振を
停止するような場合には、狭帯域化ボックス31の内部
及び光学部品の温度が次第に低下する。これを、加熱冷
却器によって、略一定に保つことにより、再発振の際に
波長特性が目標特性からずれることが少ない。
【0033】次に、第3実施形態について、説明する。
図5に、第3実施形態に係るエキシマレーザ装置11の
構成図を示す。図5において、エキシマレーザ装置11
は、狭帯域化ボックス31の内部に一端部37Aを挿入
し、他端部37Bを狭帯域化ボックス31の外部に突出
させたヒートパイプ37を備えている。ヒートパイプ3
7の他端部37Bには、加熱冷却器44が接触してお
り、ヒートパイプ37を介して、狭帯域化ボックス31
内部の雰囲気温度を制御自在となっている。
【0034】このように、ヒートパイプ37によって狭
帯域化ボックス31内部の雰囲気温度を制御することに
より、光学部品だけでなく、特に温度が上昇しやすい場
所などの雰囲気温度を正確に制御できる。これにより、
光路の雰囲気温度が変動して屈折率が不均一になるよう
なことがなく、レーザ光21の波面が乱れないので、波
長特性の良好なレーザ光21を得ることが可能である。
【0035】次に、第4実施形態について説明する。図
6に、第4実施形態に係るエキシマレーザ装置11の構
成図を示す。図6において、狭帯域化ボックス31の壁
には、不活性ガス給気口40が付設され、窒素などの清
浄な乾燥した不活性ガス41を、狭帯域化ボックス31
内部に導入している。不活性ガス41を供給するガス配
管49には、不活性ガス41の温度を加熱/冷却自在な
ガス温度制御装置52が介挿されている。狭帯域化ボッ
クス31の内部には、レーザコントローラ29に接続さ
れた温度検出器48が挿入されている。レーザコントロ
ーラ29は、温度検出器48の出力信号に基づいてガス
温度制御装置52に指令信号を出力し、狭帯域化ボック
ス31内部の雰囲気温度を所望の温度に制御できる。
【0036】以上説明したように第4実施形態によれ
ば、不活性ガス41の温度を制御する、不活性ガス41
温度制御装置を備えている。これにより、狭帯域化ボッ
クス31内部の雰囲気温度を、例えば常に略一定とする
ことにより、光学素子を固定している固定部品が熱によ
って伸縮することが少ない。従って、波長特性が目標特
性からずれることが少なく、エキシマレーザ装置11の
稼働率が向上する。また、例えば波長特性が目標特性か
らずれたような場合には、狭帯域化ボックス31内部の
雰囲気温度を制御することにより、良好な波長特性を得
ることが可能となる。
【0037】尚、本発明においては、エキシマレーザ装
置11を例に取って説明したが、これに限られるもので
はなく、例えばフッ素レーザ装置等でも同様である。さ
らには、狭帯域化されて波面が温度によって乱れること
を嫌うレーザ装置すべてについて、同様である。また、
上記の第1〜第4実施形態は、単独で実施すると限られ
るものではなく、いくつかを組み合わせて実施すると、
尚よい。さらには、上記の各実施形態においては、ヒー
トパイプ37の代わりに、銅などの熱伝導率の高い金属
板を用いてもよいが、熱伝導率の高さから、ヒートパイ
プ37が最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るエキシマレーザ装置の構成
図。
【図2】第1実施形態に係る遮光板及びヒートパイプの
詳細斜視図。
【図3】第2実施形態に係るエキシマレーザ装置の構成
図。
【図4】第2実施形態に係る遮光板及びヒートパイプの
詳細斜視図。
【図5】第3実施形態に係るエキシマレーザ装置の構成
図。
【図6】第4実施形態に係るエキシマレーザ装置の構成
図。
【図7】従来技術に係るエキシマレーザ装置の構成図。
【符号の説明】
11:エキシマレーザ装置、12:レーザチャンバ、1
7:フロントウィンドウ、18:フロントミラー、1
9:リアウィンドウ、20:レーザ光軸、21:レーザ
光、22:ビームスプリッタ、25:加工機、26:フ
ロントスリット、27:リアスリット、、29:レーザ
コントローラ、30:狭帯域化ユニット、31:狭帯域
化ボックス、32:プリズム、33:グレーティング、
34:光路カバー、35:遮光板、36:反射防止板、
37:ヒートパイプ、38:押さえ板、39:レーザモ
ニタ、40:不活性ガス給気口、41:不活性ガス、4
2:放熱フィン、43:ネジ、44:冷却器、45:冷
却水、46:電源、47:駆動機構、48:温度検出
器。
フロントページの続き (72)発明者 中根 基晴 栃木県小山市横倉新田400 ギガフォトン 株式会社開発部内 (72)発明者 太田 毅 栃木県小山市横倉新田400 ギガフォトン 株式会社開発部内 Fターム(参考) 5F072 AA06 JJ06 JJ13 KK07 KK18 TT04 TT12 TT13 TT30

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波長を狭帯域化する狭帯域化光学素子(3
    3)を備えた狭帯域化レーザ装置において、 その一端部(37A)を、レーザ光(21)が少なくともその一
    部に照射される光学部品(35)に接触させ、他端部(37B)
    を、一端部(37A)よりも温度の低い場所に位置させた放
    熱体(37)を備えたことを特徴とする狭帯域化レーザ装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の狭帯域化レーザ装置にお
    いて、 前記放熱体(37)の他端部(37B)を冷却する冷却手段(42)
    を備えたことを特徴とする狭帯域化レーザ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の狭帯域化レーザ装置にお
    いて、 前記放熱体(37)の他端部(37B)の温度を制御する制御手
    段(44)を備えたことを特徴とする狭帯域化レーザ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の狭帯域
    化レーザ装置において、 前記光学部品が、プリズム(32)、遮光板(35)、反射防止
    板(36)、及びスリット(26,27)のうち、少なくともいず
    れか1つであることを特徴とする狭帯域化レーザ装置。
  5. 【請求項5】 波長を狭帯域化する狭帯域化光学素子
    と、 狭帯域化光学素子(33)を囲繞する狭帯域化ボックス(31)
    とを備えた狭帯域化レーザ装置において、 一端部(37A)を前記狭帯域化ボックス(31)内部の空間に
    位置させ、他端部(37B)を一端部(37A)よりも温度の低い
    場所に位置させた放熱体(37)を備えたことを特徴とする
    狭帯域化レーザ装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の狭帯域
    化レーザ装置において、 前記放熱体が、中空の金属パイプの内部に液体を封入し
    たヒートパイプ(37)であることを特徴とする狭帯域化レ
    ーザ装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の狭帯域
    化レーザ装置において、 前記狭帯域化ボックス(31)内部に不活性ガス(41)を導入
    する不活性ガス導入装置(40)と、 この不活性ガス(41)の温度を制御するガス温度制御装置
    (52)とを備えたことを特徴とする狭帯域化レーザ装置。
  8. 【請求項8】 波長を狭帯域化する狭帯域化光学素子(3
    3)と、 狭帯域化光学素子(33)を囲繞する狭帯域化ボックス(31)
    とを備えた狭帯域化レーザ装置において、 前記狭帯域化ボックス(31)内部に不活性ガス(41)を導入
    する不活性ガス導入装置(40)と、 この不活性ガス(41)の温度を制御するガス温度制御装置
    (52)とを備えたことを特徴とする狭帯域化レーザ装置。
JP2001140450A 2001-05-10 2001-05-10 狭帯域化レーザ装置 Pending JP2002335029A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001140450A JP2002335029A (ja) 2001-05-10 2001-05-10 狭帯域化レーザ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001140450A JP2002335029A (ja) 2001-05-10 2001-05-10 狭帯域化レーザ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002335029A true JP2002335029A (ja) 2002-11-22

Family

ID=18987055

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001140450A Pending JP2002335029A (ja) 2001-05-10 2001-05-10 狭帯域化レーザ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002335029A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100629368B1 (ko) 2005-08-05 2006-10-02 삼성전자주식회사 라인 협대역화 모듈 및 이를 구비한 노광설비용 레이저장치
JP2012104846A (ja) * 2011-12-26 2012-05-31 Komatsu Ltd 狭帯域化レーザ装置
JP2017094339A (ja) * 2015-11-18 2017-06-01 ファナック株式会社 クーラントを循環させるための循環路を備えるレーザ加工ヘッド

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000286483A (ja) * 1999-03-31 2000-10-13 Sony Precision Technology Inc レーザ光発生装置
WO2000074183A1 (fr) * 1999-06-01 2000-12-07 Komatsu Ltd. Dispositif laser ultraviolet

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000286483A (ja) * 1999-03-31 2000-10-13 Sony Precision Technology Inc レーザ光発生装置
WO2000074183A1 (fr) * 1999-06-01 2000-12-07 Komatsu Ltd. Dispositif laser ultraviolet

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100629368B1 (ko) 2005-08-05 2006-10-02 삼성전자주식회사 라인 협대역화 모듈 및 이를 구비한 노광설비용 레이저장치
JP2012104846A (ja) * 2011-12-26 2012-05-31 Komatsu Ltd 狭帯域化レーザ装置
JP2017094339A (ja) * 2015-11-18 2017-06-01 ファナック株式会社 クーラントを循環させるための循環路を備えるレーザ加工ヘッド
US10543568B2 (en) 2015-11-18 2020-01-28 Fanuc Corporation Laser processing head including circulation path for circulating coolant

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9185786B2 (en) Laser-driven light source
JPH10209548A (ja) アッセンブリ、エキシマレーザ、エキシマレーザにおける光ビームのビームプロフィールを改善しスペクトルバンド幅変動を減少させるための方法およびレーザを動作させるための方法
JPH11340547A (ja) レ―ザ―
US20210016390A1 (en) Optical pulse stretcher, laser apparatus, and method for manufacturing electronic device
US5481556A (en) Laser oscillation apparatus with cooling fan and cooling fins
JP2008021899A (ja) レーザ発振装置
US6021151A (en) Laser oscillation apparatus
JPH08204263A (ja) 半導体レーザ励起レーザ発振器
US6785319B1 (en) Ultraviolet laser device
JP2002335029A (ja) 狭帯域化レーザ装置
JPH04314374A (ja) 狭帯域レ−ザ装置
JP2735391B2 (ja) 筒状のレーザー管を放射方向が安定になるように保持するための装置
JP4333342B2 (ja) レーザ加工装置
JP2003249702A (ja) レーザ装置
JP2004111765A (ja) 狭帯域化レーザ装置
JP2681278B2 (ja) 固体レーザ装置
JPH04356981A (ja) レーザ発振器
JP2005148549A (ja) 光学的パルス伸長器および露光用放電励起ガスレーザ装置
JP2004140265A (ja) 狭帯域化レーザ装置
RU2624661C1 (ru) Дифракционное устройство
JP2005215186A (ja) レーザ波長変換ユニット
JP2003283011A (ja) 狭帯域化レーザ装置
JP4270277B2 (ja) レーザ発振器およびレーザ加工機
JPH07202345A (ja) 半導体レーザモジュール
JPH0357445B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080414

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100618

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100622

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101019