JP2012156381A - 実装精度評価用チップ - Google Patents

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昭彦 高橋
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Abstract

【課題】可視光における反射率が90%以上と高く、かつ、良好な機械的特性も備えた実装精度評価用チップを提供する。
【解決手段】94質量%以上97質量%以下の酸化アルミニウムと、酸化珪素と、酸化カルシウムおよび酸化マグネシウムの少なくとも1種とを含むセラミック焼結体からなり、焼結体の表面の9.074×10μmの表面積の部分において、円相当径0.8μm以上の気孔について見たときに、気孔率が2.5%以上4.5%以下であり、気孔数が7000個以上11000個以下であり、気孔分布における円相当径1.6μm以下の累積相対度数が70%以上である焼結体からなるチップ状電子部品の実装機10における実装位置精度確認用の実装精度評価用チップ1である。可視光における反射率が90%以上と高く機械的特性も良好な、実装精度評価用チップ1に好適な焼結体となる。
【選択図】図3

Description

本発明は、電子部品搭載装置を用いて回路基板に電子部品を搭載するときに、電子部品の位置精度の確認および調整等を行なうために使用する実装精度評価用チップに関する。
従来、真空吸着ノズルを備えた真空吸着装置を用いてチップ抵抗器やチップコンデンサ等の電子部品を吸着し、回路基板上に移送して所定の位置に搭載するようにした電子部品搭載装置(以下、実装機と称す。)が、一般に知られている。
このような実装機においては、吸着後の電子部品の位置やずれを確認するために、あるいは、真空吸着ノズルと回路基板との正確な位置関係を確認するために、複数の光源とカメラとが配置されており、電子部品の搭載開始時に実装機を稼動し、複数の光源から電子部品および真空吸着ノズルに光を照射して、その反射光をカメラで撮像し、電子部品および真空吸着ノズルの位置を認識しながら初期調整(キャリブレーション)が行なわれている。
特許文献1には、実装装置の精度を正しく評価するための実装精度評価用チップを、実装するチップ部品と同系の材料で、かつ、同一の基準寸法の四角柱状としたことにより、チップ部品と同等あるいは近似の質量および表面粗さを有していることから、実装トライアルの実装過程における部品吸着や部品搭載を適正に行なうことができることが開示されている。
特開2003−8298号公報
しかしながら、特許文献1に開示された実装精度評価用チップを用いて実装精度評価を行なうにあたり、チップ部品(チップ状電子部品)の小型化が求められていくなかで、実装精度評価用チップも小型化が求められ、光源からの反射光をカメラで撮像して実装精度評価を行なったとしても、実装精度評価用チップからの反射光が不足して実装精度が劣るという問題が生じ、実装精度評価用チップの光に対する反射率向上という課題があった。
本発明は、上記課題を解決するために案出されたものであり、その目的は、高い反射率を有し、カメラによる認識精度が高い実装精度評価用チップを提供することである。
本発明の実装精度評価用チップは、94質量%以上97質量%以下の酸化アルミニウムと、酸化珪素と、酸化カルシウムおよび酸化マグネシウムの少なくとも1種とを含むセラミック焼結体からなり、焼結体の表面の9.074×10μmの表面積の部分において、円相当
径0.8μm以上の気孔について見たときに、気孔率が2.5%以上4.5%以下であり、気孔数
が7000個以上11000個以下であり、気孔分布における円相当径1.6μm以下の累積相対度数が70%以上であることを特徴とするものである。
本発明の実装精度評価用チップによれば、94質量%以上97質量%以下の酸化アルミニウ
ムと、酸化珪素と、酸化カルシウムおよび酸化マグネシウムの少なくとも1種とを含むセラミック焼結体からなり、焼結体の表面の9.074×10μmの表面積の部分において、
円相当径0.8μm以上の気孔について見たときに、気孔率が2.5%以上4.5%以下であり、
気孔数が7000個以上11000個以下であり、気孔分布における円相当径1.6μm以下の累積相対度数が70%以上であるので、実装機に備えた真空吸着ノズルで実装評価用チップを吸着してカメラで撮像するときに、実装評価用チップの反射率が高いので鮮明な画像が得られ、精度の高い位置認識ができる。
本実施形態の実装精度評価用チップを実装機のキャリブレーションに用いたときの構成の一例を示す概念図で、(a)はキャリアテープ上の実装精度評価用チップを真空吸着ノズルで吸着した状態、(b)は実装精度評価用チップの移送時の位置をカメラで認識する状態、(c)は実装精度評価用チップを回路基板に搭載する状態を示す。 本実施形態の実装精度評価用チップの一例を示す斜視図である。 本実施形態の実装精度評価用チップのセラミック焼結体の表面への入射光が散乱する状態を示す概念図である。
以下、本発明の実装精度評価用チップの実施の形態の例を説明する。
図1は本実施形態の実装精度評価用チップを実装機のキャリブレーションに用いたときの構成の一例を示す概念図で、(a)はキャリアテープ上の実装精度評価用チップを真空吸着ノズルで吸着した状態、(b)は実装精度評価用チップの移送時の位置をカメラで認識する状態、(c)は実装精度評価用チップを回路基板に搭載する状態を示している。
本実施形態の実装精度評価用チップ1は、実装機10のキャリブレーションに用いるもので、図1(a)に示すように、例えば、キャリアテープ17上に載置された実装精度評価用チップ1を真空吸着装置11に備えられた真空吸着ノズル12で吸着して、(b)に示すように移送途上で、真空吸着ノズル12で吸着した実装評価用チップ1に、光源13により光を照射し、その反射光をカメラ14で撮像し、この画像を画像解析装置15で2値化データ処理することによって、真空吸着ノズル12に対する実装評価用チップ1の吸着の位置、姿勢を認識し、次に、(c)に示すように、実装精度評価用チップ1が搭載される回路基板18の所定の位置に搬送し載置することによって、実装機10の動作位置が正確か否かを確認し、問題が有れば修正を行ない適正な状態を見いだすためのものである。なお、実際の製造工程で回路基板18にチップ状電子部品16を搭載するときには、チップ状電子部品16は実装精度評価用チップ1に換えて用いればよいので、図1に示す符号1の後に括弧で括って示して
いる。
また、チップ状電子部品16と真空吸着ノズル12のコントラストを明瞭にするために、真空吸着ノズル12の吸着面を含むその周囲は、吸着するチップ状電子部品16よりも反射率の低い黒色系が採用されていることが多い。
本実施形態の実装精度評価用チップ1は、チップ状電子部品16の実装機10における実装位置精度確認用の実装精度評価用チップ1であって、この実装精度評価用チップ1は、含有量が94質量%以上97質量%以下の酸化アルミニウムと、酸化珪素と、酸化カルシウムおよび酸化マグネシウムの少なくとも1種とを含むセラミック焼結体からなり、焼結体の表面の9.074×10μmの表面積の部分において、円相当径0.8μm以上の気孔について見たときに、気孔率が2.5%以上4.5%以下であり、気孔数が7000個以上11000個以下であり
、気孔分布における円相当径1.6μm以下の累積相対度数が70%以上であることが重要で
ある。
図2は、本実施形態の実装精度評価用チップの一例を示す斜視図であり、図3は、本実施形態の実装精度評価用チップのセラミック焼結体の表面への入射光が散乱する状態を示す概念図である。
本実施形態の実装精度評価用チップ1は、図2に示すように、長方形の平板からなるチップで説明するが、形状は長方形の平板に限るものではなく、角柱状もしくは円柱状であっても構わず、真空吸着ノズルで吸着出来る形状であれば構わないが、回路基板18に搭載するチップ状電子部品16の形状と同一または類似していることが実装精度を良くするためには好ましい。
さらに、本実施形態の実装精度評価用チップ1は、94質量%以上97質量%以下の酸化アルミニウムと、酸化珪素と、酸化カルシウムおよび酸化マグネシウムの少なくとも1種とを含むセラミック焼結体からなる。ここで主成分である酸化アルミニウムの含有量が94質量%以上であるので充分な機械的強度が得られ、97質量%以下であるとセラミック焼結体の焼成温度を低く設定できる。焼成温度が1420〜1540℃の温度で焼成したとしても焼結性を十分高められる。
さらに、セラミック焼結体の表面の9.074×10μmの表面積の部分において、円相
当径0.8μm以上の気孔について見たときに、気孔率が2.5%以上4.5%以下であり、気孔
数が7000個以上11000個以下であり、気孔分布における円相当径1.6μm以下の累積相対度数が70%以上であることが重要である。
ここで、実装精度評価用チップ1に光源13から照射された光の進路について説明する。
図3に示すように、実装精度評価用チップ(セラミック焼結体)1は、断面を結晶のサイズのレベルで見たときに、アルミナ粒子2,ガラス相(粒界相)3および気孔4を有している。なお、これらのアルミナ粒子2とガラス相3との境界を界面5、気孔4とガラス相3との境界を界面6としてある。この実装精度評価用チップ1の表面1aに照射された入射光7は、その一部が表面1aで入射角度に対し同じ角度で逆方向に反射される正反射光9aと、表面1aで不特定な方向へ反射される拡散反射光9bとなるが、残りは実装精度評価用チップ1の内部を進行する。そして、この実装精度評価用チップ1の内部を進行する光は、実装精度評価用チップ1内でアルミナ粒子2とガラス相3との界面5で一部は拡散反射光9dとなり、また、気孔4とガラス相3との界面6で拡散反射光9eとなり拡散反射光9d,9eは、表面1aからの拡散反射光9cとなる。そして、一部の光は、他方の表面1bから透過光8として出てくる。
また、光の反射率を向上させるには、実装精度評価用チップ1の表面1aに照射された入射光7は、表面1aで正反射光9aおよび拡散反射光9bとなるのがもっとも好ましく、光が実装精度評価用チップ1内に入射したとしても、出来る限り表面1a近くで拡散反射光9d,9eとなるのが好ましいので、表面1a側に存在する気孔4の存在数を従来のセラミック焼結体に比較し大幅に増やし、さらに、厚み方向における中央部側に向かうほどさらに、気孔4の存在数を増やすことにより、気孔4とガラス相3との界面6で拡散反射光9eの発生の機会が増え、表面1aからの拡散反射光9cを増加することができ反射
率が向上し易くなる。
さらに、実装精度評価用チップ1の表面1a、1bの9.074×10μmの表面積の部
分において、円相当径0.8μm以上の気孔について見たときに、気孔率が2.5%以上4.5%
以下であり、気孔数が7000個以上11000個以下としたことから、気孔率を高くすることな
く気孔数を増やしてガラス相3と気孔4との界面6の面積を広くすることができ、その結
果、図3を用いて説明したように、実装精度評価用チップ1の内部で拡散反射光9cを増やして入射光7が入射した側の表面1aの外部に反射するようにできる。また、実装精度評価用チップ1の内部のアルミナ粒子2を伝って他の表面1b側に透過しようとする光もガラス相3を透過するときに、気孔率と気孔数とを本実施形態の範囲にすることによって、ガラス相3と気孔4との界面6でより多くの光が拡散して反射するようにできることから、入射光7が入射した反対側の表面1bから透過して出てくる光は少なくなって表面1aに放出される反射光9を大幅に増加させやすくなり、実装精度評価用チップ1の反射率を向上させやすくできる。このため、高価な添加物を用いる必要がなく反射率を高めやすくできる。
さらにまた、実装精度評価用チップ1の表面1aの9.074×10μmの表面積の部分
において、円相当径0.8μm以上の気孔について見たときに、気孔分布における円相当径1.6μm以下の累積相対度数が70%以上であることから、大きな気孔4があることによる機械的強度の低下を低減し易くなり、ガラス相3と気孔4との界面6の面積を広くすることができるので、反射光9を増加させやすくなる。
ここで、本実施形態の実装精度評価用チップ1である実装精度評価用チップ1の表面1aの9.074×10μmの表面積の部分における気孔4の気孔数は、機械的特性と反射率
との双方が最良となる9800個以上11000個以下であり、円相当径0.8μm以上の気孔分布における円相当径1.6μm以下の累積相対度数が70%以上とすることがより好ましく、焼成
温度を1420〜1540℃程度とし、焼成時間を3.6〜21時間の範囲で行ない、焼結体がより均
一に焼成されるように焼成炉内の温度バラツキを抑えるとともに、成形体の重ね枚数を少なくして昇温降温の温度プロファイルの厳密な制御を行なうことによって、本実施形態の実装精度評価用チップ1を得ることができる。
なお、気孔4の平均気孔径,気孔数,気孔率および気孔分布の測定については、実装精度評価用チップ1の試料の表面1aを、例えば10μmの深さまで鏡面研磨加工し、倍率を100倍にした金属顕微鏡の画像をCCDカメラに取り込み、画像解析装置を用いて解析し
て数値化する。具体的には、画像解析のソフトウェアには(株)三谷商事製の型名Win
ROOFを使用し、9.074×10μmの表面積に対して、円相当径0.8μmを閾値として各測定値を算出すればよい。
また、光の反射率の測定は、分光光度計(例えば(株)島津製作所製の分光光度計 型名UV−315と付属品の積分球ユニット 型名ISR−3100)を用い、光源に50Wハロゲ
ンランプと重水素ランプとを使用し、波長範囲を200〜1000nmとし、測定範囲は拡散反
射率(スリット幅7mm×9mm)で、基準試料は硫酸バリウム粉体を用いて測定する。
さらに、本実施形態の実装精度評価用チップ1は、円相当径0.8μm以上の気孔につい
て見たときに、実装精度評価用チップ1の表面側よりも中央部側の気孔数が多いことが好ましい。
ここで、本実施形態の実装精度評価用チップ1の表面側と中央部側とについて説明する。まず表面側とは、図3に示す実装精度評価用チップ1の表面1aまたはその反対面の表面1bから厚み方向に10μm程度までの表層の部分を表面側とする。これは、一般的な粒子の脱粒や傷等の外観上の欠陥が及びにくい深さが約10μmであることから、この範囲の表層を表面側とした。次に中央部側とは、焼結体1を厚み方向に3等分したときの真ん中の部分を中央部側とした。
そして、実装精度評価用チップ1の表面1aの9.074×10μmの表面積の部分にお
いて、円相当径0.8μm以上の気孔について見たときに、気孔率が2.5%以上4.5%以下、
気孔数が7000個以上11000個以下であって、かつ、円相当径0.8μm以上の気孔4について見たときに、実装精度評価用チップ1の表面側よりも中央部側の気孔数が多いときには、実装精度評価用チップ1の内部を透過中の光は、アルミナ粒子2とガラス相3との界面5と、気孔4とガラス相3との界面6とで、光の一部が拡散反射光9d,9eとなり、残りの光はさらに透過中の光となり進行していくが、実装精度評価用チップ1の中央部側に近付くにつれ、気孔数が表面側よりも多くなることから、気孔4とガラス相3cとの界面6の面積も広くなり、拡散反射光9eの発生頻度が増加する。したがって、表面1aより放出される拡散反射光9cが増加する。
また、本実施形態の実装精度評価用チップ1の両表面1a,1b側と中央部側との気孔数の関係を同等とすることにより、例えば、真空吸着ノズル12で吸着する実装精度評価用チップ1の表面1a,1bは何れの表面であっても構わないため、実装精度評価用チップ1を事前にキャリアテープ17に貼り付ける製造工程において、実装精度評価用チップ1の表裏の方向性を考慮する必要がなく生産性を向上できる。
さらに、本実施形態の実装精度評価用チップ1である焼結体1は、酸化珪素の含有量が1質量%以上3質量%以下であることが好ましい。
酸化珪素の含有量が1質量%以上3質量%以下であれば、図3に示すように、気孔4を除くアルミナ粒子2間の粒界に十分ガラス相3を形成することができる。また、通常の焼成温度より低い温度である1420〜1540℃の温度で実装精度評価用チップ1の表面1a,1bは、実装精度評価用チップ1としては問題ない程度に焼結することから、実装精度評価用チップ1としての機械的強度を確保できる。また、酸化珪素の含有量が過度に高くないために機械的強度が低下することも抑制できる。
このように、本実施形態の実装精度評価用チップ1によれば、気孔4とガラス相3との界面6でもアルミナ粒子2とガラス相3との界面5と同様な拡散反射光9eが発生することにより、実装精度評価用チップ1の外部への拡散反射光9cを放出する機会が格段に増えるために光の反射率が向上する。
次に、本実施形態の実装精度評価用チップ1の製造方法の一例を説明する。
まず、実装精度評価用チップ1となるセラミック焼結体を作製するための、平均粒径が1.4〜1.8μm程度の酸化アルミニウム(Al)の粉末と、酸化珪素(SiO)と、酸化カルシウム(CaO)および酸化マグネシウム(MgO)の少なくとも1種の粉末とを準備し、各粉末の合計含有量が100質量%となるように秤量した混合粉末を水または
有機溶剤等の溶媒とともに回転ミルに投入して、混合する。
次に、これにポリビニルアルコール,ポリエチレングリコール,アクリル樹脂またはブチラール樹脂等の中から一種の成形用バインダを、混合粉末100質量%に対して4〜8質
量%程度を添加し、高純度のアルミナボールを用いて、さらに回転ミルで混合してスラリーを得る。
次に、このスラリーを用いて、ドクターブレード法でシートを作製するか、このスラリーをスプレードライヤを用いて作製した造粒体を使用してロールコンパクション法によってセラミックスのシートを作製する。なお、セラミックスのシートを作製するにおいては、一般的なセラミックスのシートを作製する方法を用いれば良く、前述の混合粉末を用いて坏土を作製し、押出成形法で作製しても構わない。
次に、製品形状とするための金型による加工もしくはレーザ加工によって未焼成の成形
体を作製する。このとき成形体は、最終的に実装精度評価用チップ1の単品でも良いが、量産性を考慮すれば、後で分割するために溝などを形成した多数個取りの成形体とするのがより好ましい。なお、単品を作製する場合には、前述の混合粉末から造粒体を作製して、粉末プレス成形法を用いて実装精度評価用チップ1の単品を成形しても良い。
そして、得られた成形体を、大気(酸化)雰囲気の焼成炉(例えば、ローラー式トンネル炉,バッチ式雰囲気炉およびプッシャー式トンネル炉)を用いて、最高温度が1420〜1540℃となるように設定して焼成することによって、本実施形態の実装精度評価用チップ1であるセラミック焼結体を作製することができる。また、焼成時間を変更することによっても気孔数を増減することもできる。
多数個取りの成形体を焼成した場合には、予め形成した分割用の溝(不図示)により単品に分割することによって実装精度評価用チップ1を得るか、あるいは、セラミック焼結体にレーザあるいはダイシングにより分割して、実装精度評価用チップ1を得ることかできる。
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
まず、酸化アルミニウム(Al)として平均粒径が1.6μm程度の粉末と、酸化
珪素(SiO)と、酸化カルシウム(CaO)および酸化マグネシウム(MgO)の少なくとも1種の粉末とを準備する。そして、各粉末の合計含有量が100質量%となるよう
に秤量した混合粉末を水を溶媒として回転ミルに投入して混合した。
次に、これにアクリル樹脂の成形用バインダを添加し、高純度のアルミナボールを用いて、さらに回転ミルで混合してスラリーを得た。ここで、成形用バインダの添加量は混合粉末100質量%に対して4〜8質量%程度とする。この範囲内であれば、成形体の強度お
よび可撓性に問題がなく、また、焼成時に成形用バインダの脱脂が不十分となることによる不具合も発生しない。
次に、得られたスラリーを公知のドクターブレード法でシート状に成形し、このシートを金型で製品形状の寸法に加工する。
ここで、金型で加工した成形体の焼成後の外辺寸法は100mm角で厚みが0.635mmの多数個取りであって、金型に備えられた刃を用いて、焼成後に分割するための分割用の溝を形成し、単品の外辺寸法が1mm×2mmとなるように加工した。
次に、この製品形状の成形体をプッシャー式トンネル炉にて表1に示す温度条件にて焼成することにより試料No.1〜33のセラミック焼結体の試料を得た。また、焼成時間は、試料No.1〜23は9時間であり、試料No.24〜33は3.6〜21時間の範囲で選択して
焼成を行なった。そして、これらのセラミック焼結体を分割用の溝に沿って分割することにより実装精度評価用チップ1の単品を成形した。
この得られた実装精度評価用チップ1の試料について、気孔率,気孔数,気孔分布の累積相対度数,曲げ強度および反射率の測定を以下の方法で行なった。
実装精度評価用チップ1の気孔率,気孔数および気孔分布の累積相対度数の測定は、各試料の表面を深さ10μmまで鏡面研磨加工し、倍率が100倍の金属顕微鏡の画像をCCD
カメラによって取り込み、画像解析装置を用いて数値化した。具体的には、金属顕微鏡に
は(株)キーエンス製のマイクロスコープ 型名VHX−500を用い、CCDカメラには(株)ニコン製のデジタルSIGHT 型名DS−2Mvを用いて、画像解析のソフトウェ
アには(株)三谷商事製の型名Win ROOFを使用して、9.074×10μmの表面積に対して、円相当径0.8μmを閾値として各測定値を算出した。なお、測定数は各試料数
1個で、1回毎の測定面積が2.2685×10μmであり、計4箇所を測定して、測定総面積が9.074×10μmの表面積に対する各データを求めた。
また、各試料と同一組成、同一焼成条件で、JIS R 1601に準拠して、予め長さが30mm、幅が10mm、厚みが0.635mmで分割用の溝を形成していないセラミック焼結体を
作製し、焼結体のスパンが20mmの中央部に、0.5mm/分の荷重を印加し、セラミック
焼結体が破壊するまでの最大荷重を測定して、三点曲げ強度を算出した。なお、測定数は試料数10個について測定し、その平均値を求めた。
次に、反射率の測定を行なった。測定器(図示せず)は(株)島津製作所製の分光光度計 型名:UV−315と積分球ユニット 型名ISR−3100とを用い、光源に50Wハロゲン
ランプと重水素ランプとを使用し、波長範囲を200〜1000nmとし、測定範囲は拡散反射
率(スリット20nm時7×9mm)としてフィルターおよびマスクは使用しないで、反射率の基準として硫酸バリウム粉体を用いて測定した。なお、試料は前述した多数個取りの実装精度評価用チップ1で試料数は各1個について表面1aの1箇所について測定した。なお、測定箇所は分割用の溝が形成されていないエリアとした。
また、各試料の評価は、曲げ強度が300MPa未満を否、300MPa以上310MPa未満
を可、310MPa以上を優良とし、かつ、波長350〜1000nm範囲の反射率が70%未満を否、70%以上90%未満を可とし、90%以上であれば良とした。さらに、波長500〜750nmの反射率が92%以上であれば優良とした。そして、曲げ強度と反射率とのいずれか低い方の評価で総合評価することとし、否であれば総合評価は×、可であれば総合評価は△、良であれば総合評価は○、さらに優良であれば総合評価を◎とした。なお、曲げ強度については、回路印刷や部品搭載をしない実装精度評価用チップ1には高い機械的強度は求められないが、繰り返し使用可能であることが必要なので、電子部品用基板に求められる一般的な曲げ強度を判断基準とした。反射率については、アルミナ基板の波長500nm付近の反
射率が80%前後であることと、反射率を高めるために用いる銀の反射率が92〜94%であることを参考に判断基準を設定した。
得られた結果を表1および表2に示す。
表1,2に示す結果から分かるように、試料No.1,2,8,11,14は、上記総合評価の各項目ののなかで、いずれか1つ以上の項目が十分満足するものではなかったために可であった。
まず、試料No.1は、焼成温度が高かったために気孔率および気孔数が少なくなり反射率が90%未満であった。試料No.2は、酸化アルミニウムの含有量が93.5%と低く、
第2成分である酸化珪素と、酸化カルシウムおよび酸化マグネシウムの少なくとも1種との合計の含有量が多いため、気孔率と気孔数とが低くなり、反射率はどの波長帯においても90%未満であった。試料No.8は、酸化カルシウムおよび酸化マグネシウムのいずれも含有していないものであることから、焼結時の結晶粒成長が抑止できず、気孔率は高く、気孔数が少なくなり、反射率はどの波長帯においても90%未満となり、曲げ強度も309
MPaという値であった。
また、試料No.11は、酸化珪素の含有量が0.5質量%と少ないため、焼成温度が1530
℃とやや高いにもかかわらず最適な焼結とならず、曲げ強度は309MPaという値であっ
た。試料No.14は、焼成温度を低くしたことにより、アルミナ粒子の焼結不足となり、気孔数が多く、各波長帯における反射率は高いものの、曲げ強度は302MPaという値と
なった。
これに対して、試料No.3〜7,9,10,12,13および15〜33は、含有量が94質量%以上97質量%以下の酸化アルミニウムと、酸化珪素と、酸化カルシウムおよび酸化マグネ
シウムの少なくとも1種とを含む実装精度評価用チップ1である焼結体であって、焼結体の表面の9.074×10μmの表面積の部分において、円相当径0.8μm以上の気孔について見たときに、気孔率が2.5%以上4.5%以下であり、気孔数が7000個以上11000個以下で
あり、気孔分布における円相当径1.6μm以下の累積相対度数が70%以上であるセラミッ
ク焼結体であることから、波長350〜1000nmの光の反射率が90%以上であって、曲げ強
度は310MPa以上であり、総合評価は良(○)あるいは優良(◎)であった。
また、この本発明の実施例の中で、試料No.5,6,9,10,12,13,21、22,24,27,30および33は、表面1aの9.074×10μmの表面積の部分における円相当径0.8μm以上の気孔の気孔数が9800〜11000個であり、通常反射率の評価で使用される波長500〜750nmにおける反射率が全て92%以上という、特に良い結果であった。このことから、
円相当径0.8μm以上の気孔の気孔数のより好ましい範囲は9800〜11000個であることが分かる。これらの試料の総合評価は優良(◎)であった。
なお、実装機10の真空吸着ノズル12が実装精度評価用チップ1を吸着したときに照射する光源13の多くは赤色LEDであり、一部には緑色LEDが採用されている。このことから、波長約500nm(緑色)〜約750nm(赤色)の範囲の反射率について特に重要視した。
また、本実施形態において、酸化カルシウムと酸化マグネシウムとは、少なくとも1つが含有されていることが必須であるが、酸化珪素は焼結性と、厚膜印刷による導体の密着強度と、反射率とのいずれも満足させるための必須成分であり、特に好ましい範囲は1〜3質量%であることが分かる。
次に、実装精度評価用チップ1の表面側よりも中央部側の気孔数が多いことによる気孔数と反射率の関係を調べた。
まず、実施例1で作製した試料No.12と同一の原料を用いて、実施例1と同様の工程で成形体を作製し、表3に示す焼成温度と焼成時間の条件で焼成して実装精度評価用チップ1を作製した。
気孔率の測定方法は実施例1と同一である。但し、中央部側の気孔数を測定するときは、実装精度評価用チップ1の厚みが0.635mmであることから、実装精度評価用チップ1
を表面1aから約0.32mm研磨して、この研磨面について実施例1と同様な方法で気孔数を測定した。また、反射率は、ここでは波長500nmについてのみ測定した。
得られた結果を表3に示す。
表3の結果から分かるように、表面側よりも中央部側の気孔数が多くなるにつれて反射
率が増加しており、実装精度評価用チップ1として良好に使用できることが分かる。
以上のように、本実施形態の実装精度評価用チップ1であるセラミック焼結体は、材料コストの高い添加物を使用することなく、さらに通常の温度より低い温度である1420〜1540℃の温度でも焼結性が高められることから、実装精度評価用チップ1の低コスト化を図ることができる。さらに、曲げ強度が高く、しかも可視光領域の全域から紫外線領域および赤外線領域の一部にもわたる広い範囲の波長において高反射率が得られるとともに、高反射率と機械的特性との双方を十分に満足することができることから実装機10のキャリブレーション等に用いる実装精度評価用チップ1として好適である。
次に、実装評価用チップ1を用いてキャリブレーション行なった後、実装機を用いて電子部品16の回路基板18への実装テストを行ない反射率と実装位置の不具合発生との関係を調べた。
まず、実施例1で作製した試料No.1,3および5の実装精度評価用チップの外辺サイズが1.6mm×0.8mmと成るように同様の製造方法で作製した。そのうち各々100個用
いてキャリブレーション行なった後、1608CRチップ(外辺寸法が1.6mm×0.8mmのChip Resistorを指す)を10000個使用して実装テストを行なった。実装位置
の不具合の結果は、実装機10のキャリブレーションに試料No.1を用いた場合が0.06%であったのに対して、試料No.3を用いた場合が0.02%、試料No.5を用いた場合が0%という結果であり、本実施形態の実装精度評価用チップ1を用いると精度良く実装されることが分かる。さらに、実装精度評価用チップ1の表面の反射率が高いほど実装機10の動作位置のキャリブレーションができることが分かった。
1:実装精度評価用チップ(セラミック焼結体)
1a,1b:表面
2:アルミナ粒子
3:ガラス相(粒界相)
4:気孔
5:界面(アルミナ粒子とガラス相との界面)
6:界面(気孔とガラス相との界面)
7:入射光
8:透過光
9:反射光
9a:正反射光、9b:拡散反射光、9c:拡散反射光、9d:拡散反射光
10:実装機
11:真空吸着装置
12:真空吸着ノズル
13:光源
14:カメラ
15:画像解析装置
16:電子部品
17:キャリアテープ
18:回路基板

Claims (1)

  1. 94質量%以上97質量%以下の酸化アルミニウムと、酸化珪素と、酸化カルシウムおよび酸化マグネシウムの少なくとも1種とを含むセラミック焼結体からなり、焼結体の表面の9.074×10μmの表面積の部分において、円相当径0.8μm以上の気孔について見たときに、気孔率が2.5%以上4.5%以下であり、気孔数が7000個以上11000個以下であり、気孔分布における円相当径1.6μm以下の累積相対度数が70%以上であることを特徴とする実装精度評価用チップ。
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