JP2012155829A - 主磁極とシールドを備えた垂直磁気記録用磁気ヘッド - Google Patents

主磁極とシールドを備えた垂直磁気記録用磁気ヘッド Download PDF

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Abstract

【課題】媒体対向面において主磁極の端面に対して記録媒体の進行方向の前側に配置された端面を有するシールドと主磁極とを経由する磁路の長さを短くする。
【解決手段】磁気ヘッドは、主磁極15と、コイルと、媒体対向面において主磁極15の端面に対して記録媒体の進行方向の前側に配置された端面を有する第1のシールド16Dと、主磁極15と第1のシールド16Dの間に配置された部分を含むギャップ部と、主磁極15に対して記録媒体の進行方向の前側に配置された第1の帰磁路部を備えている。第1の帰磁路部は、主磁極15、ギャップ部、第1のシールド16Dおよび第1の帰磁路部によって囲まれた第1の空間S1が形成されるように、第1のシールド16Dと主磁極15とを接続する。コイルは、それぞれ第1の空間S1を通過するように延び、記録媒体の進行方向に一列に並ぶ複数の第1のコイル要素21A,22A,23Aを含んでいる。
【選択図】図1

Description

本発明は、垂直磁気記録方式によって記録媒体に情報を記録するために用いられる垂直磁気記録用磁気ヘッドに関し、特に、主磁極とシールドを備えた垂直磁気記録用磁気ヘッドに関する。
磁気記録再生装置における記録方式には、信号磁化の向きを記録媒体の面内方向(長手方向)とする長手磁気記録方式と、信号磁化の向きを記録媒体の面に対して垂直な方向とする垂直磁気記録方式とがある。垂直磁気記録方式は、長手磁気記録方式に比べて、記録媒体の熱揺らぎの影響を受けにくく、高い線記録密度を実現することが可能であると言われている。
一般的に、垂直磁気記録用の磁気ヘッドとしては、長手磁気記録用の磁気ヘッドと同様に、読み出し用の磁気抵抗効果素子(以下、MR(Magnetoresistive)素子とも記す。)を有する再生ヘッドと、書き込み用の誘導型電磁変換素子を有する記録ヘッドとを、基板上に積層した構造のものが用いられる。記録ヘッドは、記録媒体の面に対して垂直な方向の磁界を発生する主磁極を備えている。主磁極は、例えば、一端部が記録媒体に対向する媒体対向面に配置されたトラック幅規定部と、このトラック幅規定部の他端部に連結され、トラック幅規定部よりも大きな幅を有する幅広部とを有している。トラック幅規定部は、ほぼ一定の幅を有している。垂直磁気記録方式の記録ヘッドには、高記録密度化のために、トラック幅の縮小と、記録特性、例えば重ね書きの性能を表わすオーバーライト特性の向上が求められる。
ところで、ハードディスク装置等の磁気ディスク装置に用いられる磁気ヘッドは、一般的に、スライダに設けられる。スライダは、上記媒体対向面を有している。この媒体対向面は、空気流入端(リーディング端)と空気流出端(トレーリング端)とを有している。そして、空気流入端から媒体対向面と記録媒体との間に流入する空気流によって、スライダは記録媒体の表面からわずかに浮上するようになっている。このスライダにおいて、一般的に、磁気ヘッドは媒体対向面における空気流出端近傍に配置される。磁気ディスク装置において、磁気ヘッドの位置決めは、例えばロータリーアクチュエータによって行なわれる。この場合、磁気ヘッドは、ロータリーアクチュエータの回転中心を中心とした円軌道に沿って記録媒体上を移動する。このような磁気ディスク装置では、磁気ヘッドのトラック横断方向の位置に応じて、スキューと呼ばれる、円形のトラックの接線に対する磁気ヘッドの傾きが生じる。
特に、長手磁気記録方式に比べて記録媒体への書き込み能力が高い垂直磁気記録方式の磁気ディスク装置では、上述のスキューが生じると、あるトラックへの信号の記録時に、記録対象のトラックに隣接する1以上のトラックに記録された信号が消去されたり減衰したりする現象(以下、隣接トラック消去と言う。)が生じる場合がある。高記録密度化のためには、隣接トラック消去の発生を抑制する必要がある。
上述のようなスキューに起因した隣接トラック消去の発生を抑制すると共に記録密度を向上させる技術としては、主磁極の近傍に1つ以上のシールドを設ける技術が有効である。例えば、特許文献1には、主磁極と共に磁路を形成するリターンヨークを備え、このリターンヨークが、媒体対向面において主磁極の端面に対して所定の距離だけ離れた位置に配置された端面を有するリターンヨークチップを含む磁気ヘッドが開示されている。リターンヨークチップは、シールドとして機能する。
また、特許文献2や、特許文献3には、媒体対向面において主磁極の端面に対して記録媒体の進行方向の前側に配置された端面を有するシールドと、媒体対向面において主磁極の端面に対して記録媒体の進行方向の後側に配置された端面を有するシールドと、媒体対向面において主磁極の端面に対してトラック幅方向の両側に配置された2つの端面を有する2つのシールドとを備えた磁気ヘッドが開示されている。4つのシールドの端面は、媒体対向面において主磁極の端面の周りを囲むように配置されている。
磁気ヘッドにおいて、主磁極に対して記録媒体の進行方向の前側というのは空気流出端(トレーリング端)側であり、主磁極に対して記録媒体の進行方向の後側というのは空気流入端(リーディング端)側である。以下、主磁極の端面に対して記録媒体の進行方向の前側に配置された端面を有するシールドをトレーリングシールドと呼び、主磁極の端面に対して記録媒体の進行方向の後側に配置された端面を有するシールドをリーディングシールドと呼ぶ。
一般的に、1つ以上のシールドを備えた磁気ヘッドでは、主磁極のうちの媒体対向面から離れた部分と1つ以上のシールドとを接続する磁性層が設けられる。そして、1つ以上のシールドと上記磁性層は、主磁極の端面より発生されて記録媒体の面に垂直な方向以外の方向に広がる磁束を取り込んで、この磁束が記録媒体に達することを阻止する機能を有している。また、1つ以上のシールドと上記磁性層は、主磁極の端面より発生されて、記録媒体を磁化した磁束を、主磁極に還流させる機能も有している。1つ以上のシールドを備えた磁気ヘッドによれば、隣接トラック消去の発生を抑制することが可能になると共に、記録密度のより一層の向上が可能になる。
特開2009−20999号公報 米国特許第6,954,340 B2号明細書 特開2005−182987号公報
ところで、記録媒体に記録される記録ビットの端部の位置は、媒体対向面に配置された主磁極の端面のうち、記録媒体の進行方向の前側に配置された端部の位置によって決まる。そのため、リーディングシールドとトレーリングシールドを備えた磁気ヘッドでは、記録ビットの端部の位置を精度よく規定するためには、特にトレーリングシールドが多くの磁束を取り込むことができることが重要である。
また、記録密度を高めるために記録信号の周波数が高くなってくると、磁気ヘッドには、主磁極の端面より発生される磁束の方向の変化の速度の向上が求められる。リーディングシールドとトレーリングシールドを備えた磁気ヘッドでは、この要求に応えるためには、特に、多くの磁束を取り込むトレーリングシールドと主磁極とを経由する磁路の長さを短くすることが有効である。
特許文献1に記載された磁気ヘッドでは、リターンヨークチップがトレーリングシールドに相当する。特許文献1には、トレーリングシールドと主磁極とを経由する磁路の長さに関係するヨーク長を短くする技術が記載されている。すなわち、この技術では、主磁極をソレノイド構造で取り囲むコイルを設けている。このコイルは、主磁極の下部を通る下部導線部と、主磁極の上部を通る上部導線部と、下部導線部と上部導線部とを電気的に連結する連結部とを備えている。上部導線部は、少なくとも2層で積層された上部導線層を備えている。しかし、この技術では、コイルの構造ならびにコイルの周辺の構造が複雑になると共に、コイルを形成するための工程数が多く必要になるという問題点がある。また、特許文献1に記載された磁気ヘッドは、リーディングシールドを備えていない。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、媒体対向面において主磁極の端面に対して記録媒体の進行方向の前側に配置された端面を有する第1のシールドと、媒体対向面において主磁極の端面に対して記録媒体の進行方向の後側に配置された端面を有する第2のシールドとを備えた垂直磁気記録用磁気ヘッドにおいて、第1のシールドと主磁極とを経由する磁路の長さを短くすることができるようにした垂直磁気記録用磁気ヘッドを提供することにある。
本発明の垂直磁気記録用磁気ヘッドは、記録媒体に対向する媒体対向面と、記録媒体に記録する情報に応じた磁界を発生するコイルと、媒体対向面に配置された端面を有し、コイルによって発生された磁界に対応する磁束を通過させると共に、垂直磁気記録方式によって情報を記録媒体に記録するための記録磁界を発生する主磁極とを備えている。磁気ヘッドは、更に、磁性材料よりなり、媒体対向面において主磁極の端面に対して記録媒体の進行方向の前側に配置された端面を有する第1のシールドと、磁性材料よりなり、媒体対向面において主磁極の端面に対して記録媒体の進行方向の後側に配置された端面を有する第2のシールドと、非磁性材料よりなるギャップ部とを備えている。ギャップ部は、主磁極と第1のシールドとの間に配置された第1の部分と、主磁極と第2のシールドとの間に配置された第2の部分とを含んでいる。磁気ヘッドは、更に、磁性材料よりなり、主磁極に対して記録媒体の進行方向の前側に配置されて第1のシールドと主磁極に接する第1の帰磁路部と、磁性材料よりなり、主磁極に対して記録媒体の進行方向の後側に配置されて第2のシールドと主磁極に接する第2の帰磁路部とを備えている。
第1の帰磁路部は、媒体対向面から離れた位置にあって主磁極に接する端面を有し、主磁極、ギャップ部、第1のシールドおよび第1の帰磁路部によって囲まれた第1の空間が形成されるように、第1のシールドと主磁極とを接続している。第2の帰磁路部は、媒体対向面から離れた位置にあって主磁極に接する端面を有し、主磁極、ギャップ部、第2のシールドおよび第2の帰磁路部によって囲まれた第2の空間が形成されるように、第2のシールドと主磁極とを接続している。コイルは、第1の帰磁路部の一部の周りに巻かれた第1の部分と、第2の帰磁路部の一部の周りに巻かれた第2の部分とを含んでいる。第1の部分は、それぞれ第1の空間を通過するように延び、記録媒体の進行方向に一列に並ぶ複数の第1のコイル要素を含んでいる。第2の部分は、第2の空間を通過するように延びる複数の第2のコイル要素を含んでいる。複数の第1のコイル要素を除くコイルのいかなる部分も、第1の空間内には存在しない。
本発明の垂直磁気記録用磁気ヘッドにおいて、複数の第2のコイル要素は、媒体対向面に垂直な方向に並んでいてもよいし、記録媒体の進行方向に並んでいてもよい。
また、本発明の垂直磁気記録用磁気ヘッドは、更に、磁性材料よりなり、媒体対向面において主磁極の端面に対してトラック幅方向の両側に配置された2つの端面を有する2つのサイドシールドを備えていてもよい。
本発明の垂直磁気記録用磁気ヘッドでは、コイルの第1の部分は、それぞれ第1の空間を通過するように延び、記録媒体の進行方向に一列に並ぶ複数の第1のコイル要素を含んでいる。複数の第1のコイル要素を除くコイルのいかなる部分も、第1の空間内には存在しない。複数の第1のコイル要素は、媒体対向面に垂直な方向の幅に比べて、記録媒体の進行方向の厚みを小さくすることが容易である。また、複数の第1のコイル要素が記録媒体の進行方向に並んでいる場合には、隣接する第1のコイル要素間を薄い絶縁膜によって隔てることができるため、複数の第1のコイル要素が媒体対向面に垂直な方向に並んでいる場合に比べて、隣接する第1のコイル要素間の距離を小さくすることが可能である。これらのことから、本発明によれば、複数の第1のコイル要素が媒体対向面に垂直な方向に並んでいる場合に比べて、第1の帰磁路部の磁路の長さを短くすることが可能になる。これにより、本発明によれば、媒体対向面において主磁極の端面に対して記録媒体の進行方向の前側に配置された端面を有する第1のシールドと主磁極とを経由する磁路の長さ、すなわち第1のシールド、第1の帰磁路部および主磁極を経由する磁路の長さを短くすることが可能になり、その結果、主磁極の端面より発生される磁束の方向の変化の速度の向上が可能になるという効果を奏する。
本発明の第1の実施の形態に係る磁気ヘッドを示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る磁気ヘッドの媒体対向面を示す正面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る磁気ヘッドにおけるコイルの第2の部分を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る磁気ヘッドにおけるコイルの第1の部分の第1層を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る磁気ヘッドにおけるコイルの第1の部分の第2層を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る磁気ヘッドにおけるコイルの第1の部分の第3層を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る磁気ヘッドにおける主磁極の媒体対向面の近傍の部分を示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係る磁気ヘッドにおける主磁極の媒体対向面の近傍の部分を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る磁気ヘッドを示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る磁気ヘッドを示す断面図である。 本発明の第4の実施の形態に係る磁気ヘッドを示す断面図である。 本発明の第5の実施の形態に係る磁気ヘッドを示す断面図である。 本発明の第5の実施の形態に係る磁気ヘッドにおけるコイルの第2の部分の第1層を示す平面図である。 本発明の第5の実施の形態に係る磁気ヘッドにおけるコイルの第2の部分の第2層を示す平面図である。 本発明の第5の実施の形態に係る磁気ヘッドにおけるコイルの第2の部分の第3層を示す平面図である。 本発明の第5の実施の形態に係る磁気ヘッドにおけるコイルの第1の部分の第1層を示す平面図である。 本発明の第5の実施の形態に係る磁気ヘッドにおけるコイルの第1の部分の第2層を示す平面図である。 本発明の第5の実施の形態に係る磁気ヘッドにおけるコイルの第1の部分の第3層を示す平面図である。 本発明の第6の実施の形態に係る磁気ヘッドを示す断面図である。 本発明の第6の実施の形態に係る磁気ヘッドにおけるコイルの第2の部分の第1層を示す平面図である。 本発明の第6の実施の形態に係る磁気ヘッドにおけるコイルの第2の部分の第2層を示す平面図である。 本発明の第6の実施の形態に係る磁気ヘッドにおけるコイルの第1の部分の第1層を示す平面図である。 本発明の第6の実施の形態に係る磁気ヘッドにおけるコイルの第1の部分の第2層を示す平面図である。 本発明の第7の実施の形態に係る磁気ヘッドを示す断面図である。 本発明の第7の実施の形態に係る磁気ヘッドにおけるコイルの第2の部分を示す平面図である。 本発明の第7の実施の形態に係る磁気ヘッドにおけるコイルの第1の部分の第1層を示す平面図である。 本発明の第7の実施の形態に係る磁気ヘッドにおけるコイルの第1の部分の第2層を示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。始めに、図1ないし図6を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る磁気ヘッドの構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る磁気ヘッドを示す断面図である。なお、図1は媒体対向面および基板の上面に垂直な断面を示している。図1において記号Tで示す矢印は、記録媒体の進行方向を表している。図2は、本実施の形態に係る磁気ヘッドの媒体対向面を示す正面図である。図3は、本実施の形態に係る磁気ヘッドにおけるコイルの第2の部分を示す平面図である。図4は、本実施の形態に係る磁気ヘッドにおけるコイルの第1の部分の第1層を示す平面図である。図5は、本実施の形態に係る磁気ヘッドにおけるコイルの第1の部分の第2層を示す平面図である。図6は、本実施の形態に係る磁気ヘッドにおけるコイルの第1の部分の第3層を示す平面図である。図2ないし図6において記号TWで示す矢印は、トラック幅方向を表している。
図1および図2に示したように、本実施の形態に係る垂直磁気記録用磁気ヘッド(以下、単に磁気ヘッドと記す。)は、アルミニウムオキサイド・チタニウムカーバイド(Al23・TiC)等のセラミック材料よりなり、上面1aを有する基板1と、この基板1の上面1a上に配置されたアルミナ(Al23)等の絶縁材料よりなる絶縁層2と、この絶縁層2の上に配置された磁性材料よりなる下部再生シールド層3と、この下部再生シールド層3の上に配置された絶縁膜である下部再生シールドギャップ膜4と、この下部再生シールドギャップ膜4の上に配置された再生素子としてのMR(磁気抵抗効果)素子5と、このMR素子5の上に配置された絶縁膜である上部再生シールドギャップ膜6と、この上部再生シールドギャップ膜6の上に配置された磁性材料よりなる上部再生シールド層7とを備えている。
MR素子5の一端部は、記録媒体に対向する媒体対向面30に配置されている。MR素子5には、AMR(異方性磁気抵抗効果)素子、GMR(巨大磁気抵抗効果)素子あるいはTMR(トンネル磁気抵抗効果)素子等の磁気抵抗効果を示す感磁膜を用いた素子を用いることができる。GMR素子としては、磁気的信号検出用の電流を、GMR素子を構成する各層の面に対してほぼ平行な方向に流すCIP(Current In Plane)タイプでもよいし、磁気的信号検出用の電流を、GMR素子を構成する各層の面に対してほぼ垂直な方向に流すCPP(Current Perpendicular to Plane)タイプでもよい。
下部再生シールド層3から上部再生シールド層7までの部分は、再生ヘッドを構成する。磁気ヘッドは、更に、非磁性材料よりなり、上部再生シールド層7の上に配置された非磁性層8と、非磁性層8の上に配置された記録ヘッドとを備えている。非磁性層8は、例えばアルミナによって形成されている。記録ヘッドは、コイルと、主磁極15と、第1のシールド16Dと、2つのサイドシールド16B,16Cと、第2のシールド16Aと、ギャップ部とを備えている。
コイルは、記録媒体に記録する情報に応じた磁界を発生する。コイルは、第1の部分20と第2の部分10とを含んでいる。第1の部分20と第2の部分10は、いずれも、銅等の導電材料によって形成されている。第1の部分20と第2の部分10は、直列または並列に接続されている。主磁極15は、媒体対向面30に配置された端面を有し、コイルによって発生された磁界に対応する磁束を通過させると共に、垂直磁気記録方式によって情報を記録媒体に記録するための記録磁界を発生する。図1は、媒体対向面30に配置された主磁極15の端面と交差し、媒体対向面30および基板1の上面1aに垂直な断面(以下、主断面と言う。)を示している。コイルについては、後で詳しく説明する。
シールド16A,16B,16C,16Dは、いずれも磁性材料によって形成されている。シールド16A,16B,16C,16Dの材料としては、例えばCoFeN、CoNiFe、NiFe、CoFeのいずれかを用いることができる。
2つのサイドシールド16B,16Cは、主磁極15のトラック幅方向TWの両側に配置されている。第1のシールド16Dは、主磁極15に対して記録媒体の進行方向Tの前側(トレーリング端側)に配置されている。第2のシールド16Aは、主磁極15に対して記録媒体の進行方向Tの後側(リーディング端側)に配置されている。サイドシールド16B,16Cは、第1のシールド16Dと第2のシールド16Aを磁気的に連結している。
第1のシールド16Dは、媒体対向面30において主磁極15の端面に対して記録媒体の進行方向Tの前側に配置された端面を有している。第2のシールド16Aは、媒体対向面30において主磁極15の端面に対して記録媒体の進行方向Tの後側に配置された端面を有している。2つのサイドシールド16B,16Cは、主磁極15のトラック幅方向TWの両側に配置された2つの端面を有している。媒体対向面30において、シールド16A,16B,16C,16Dの端面は、主磁極15の端面の周りを囲むように配置されている。
磁気ヘッドは、更に、第1および第2の帰磁路部を備えている。第1および第2の帰磁路部は、いずれも磁性材料によって形成されている。第1および第2の帰磁路部の材料としては、例えばCoFeN、CoNiFe、NiFe、CoFeのいずれかを用いることができる。第1の帰磁路部は、主磁極15に対して記録媒体の進行方向の前側に配置されて第1のシールド16Dと主磁極15とに接触し、第1のシールド16Dと主磁極15とを磁気的に連結している。第2の帰磁路部は、主磁極15に対して記録媒体の進行方向の後側に配置されて第2のシールド16Aと主磁極15とに接触し、第2のシールド16Aと主磁極15とを磁気的に連結している。
第2の帰磁路部は、磁性層31〜36を有している。磁性層31は、非磁性層8の上に配置されている。磁性層32,33は、いずれも磁性層31の上に配置されている。磁性層32は、媒体対向面30の近傍に配置されている。磁性層33は、磁性層32に対して、媒体対向面30からより遠い位置に配置されている。磁性層31,32は、それぞれ、媒体対向面30に向いた端面を有し、これらの端面は、媒体対向面30から離れた位置に配置されている。
磁気ヘッドは、更に、磁性層31の周囲において非磁性層8の上に配置された絶縁材料よりなる絶縁層51と、磁性層31の上面の一部の上に配置された絶縁材料よりなる絶縁層52とを備えている。絶縁層51,52は、例えばアルミナによって形成されている。第2の部分10の少なくとも一部は、絶縁層52の上に配置されている。第2の部分10は、平面渦巻き形状をなして、第2の帰磁路部の一部である磁性層33の周りに巻かれている。
磁気ヘッドは、更に、第2の部分10の巻線間および周囲ならびに磁性層33の周囲に配置された絶縁材料よりなる絶縁層53と、絶縁層53および磁性層32の周囲に配置された絶縁材料よりなる絶縁層54とを備えている。第2の部分10、磁性層32,33および絶縁層53,54の上面は平坦化されている。絶縁層53は、例えばフォトレジストによって形成されている。本実施の形態では、特に、絶縁層54は、磁性層32を構成する磁性材料よりも硬い無機絶縁材料、例えばアルミナによって形成されている。
磁性層34は、磁性層32および絶縁層54の上に配置されている。磁性層35は、磁性層33の上に配置されている。磁性層34は、媒体対向面30に配置された端面を有している。磁気ヘッドは、更に、磁性層34,35の周囲において第2の部分10および絶縁層53の上面の上に配置された絶縁材料よりなる絶縁層55を備えている。絶縁層55は、例えばアルミナによって形成されている。磁性層34,35および絶縁層55の上面は、平坦化されている。
第2のシールド16Aは、磁性層34の上に配置されている。磁性層36は、磁性層35の上に配置されている。磁気ヘッドは、更に、第2のシールド16Aおよび磁性層36の周囲において磁性層34の上面の一部および絶縁層55の上面の上に配置された絶縁材料よりなる絶縁層56を備えている。絶縁層56は、例えばアルミナによって形成されている。
主磁極15は、基板1の上面1aにより近い端部である下端部15Lと、下端部15Lとは反対側の上面15Tと、トラック幅方向TWの両側に配置された第1および第2の側部SP1,SP2とを有している。サイドシールド16Bは、主磁極15の第1の側部SP1に対向する第1の側壁SW1を有している。サイドシールド16Cは、主磁極15の第2の側部SP2に対向する第2の側壁SW2を有している。
ギャップ部は、非磁性材料よりなり、主磁極15と、シールド16A,16B,16C,16Dとの間に設けられている。ギャップ部は、主磁極15と第1のシールド16Dとの間に配置された第1のギャップ層18と、主磁極15と第2のシールド16Aおよびサイドシールド16B,16Cとの間に配置された第2のギャップ層17とを含んでいる。
サイドシールド16B,16Cは、第2のシールド16Aの上に配置され、第2のシールド16Aの上面に接している。第2のギャップ層17は、サイドシールド16B,16Cの側壁、第2のシールド16Aの上面および絶縁層56の上面に沿って配置されている。第2のギャップ層17は、非磁性材料によって形成されている。第2のギャップ層17を構成する非磁性材料は、絶縁材料でもよいし、非磁性金属材料でもよい。第2のギャップ層17を構成する絶縁材料としては、例えばアルミナが用いられる。第2のギャップ層17を構成する非磁性金属材料としては、例えばRuが用いられる。第2のギャップ層17には、磁性層36の上面を露出させる開口部が形成されている。
主磁極15は、第2のシールド16Aおよび絶縁層56の上面と主磁極15との間に第2のギャップ層17が介在するように、第2のシールド16Aおよび絶縁層56の上に配置されている。また、図2に示したように、主磁極15とサイドシールド16B,16Cとの間にも、第2のギャップ層17が介在している。
媒体対向面30から離れた位置において、主磁極15の下端部15Lは、磁性層36の上面に接している。主磁極15は、金属磁性材料によって形成されている。主磁極15の材料としては、例えば、NiFe、CoNiFe、CoFeのいずれかを用いることができる。主磁極15の形状については、後で詳しく説明する。
磁気ヘッドは、更に、主磁極15、第2のシールド16Aおよびサイドシールド16B,16Cの周囲に配置された非磁性材料よりなる図示しない非磁性層を備えている。本実施の形態では、特に、図示しない非磁性層は、アルミナ等の非磁性絶縁材料よりなる。
磁気ヘッドは、更に、媒体対向面30から離れた位置において、主磁極15の上面15Tの一部の上に配置された非磁性金属材料よりなる非磁性金属層61と、この非磁性金属層61の上面の上に配置された絶縁材料よりなる絶縁層62とを備えている。非磁性金属層61は、例えばRu、NiCrまたはNiCuによって形成されている。絶縁層62は、例えばアルミナによって形成されている。
第1のギャップ層18は、主磁極15、非磁性金属層61および絶縁層62を覆うように配置されている。第1のギャップ層18は、非磁性材料によって形成されている。第1のギャップ層18の材料は、アルミナ等の非磁性絶縁材料でもよいし、Ru、NiCu、Ta、W、NiB、NiP等の非磁性導電材料でもよい。
第1のシールド16Dは、サイドシールド16B,16Cおよび第1のギャップ層18の上に配置され、サイドシールド16B,16Cおよび第1のギャップ層18の上面に接している。媒体対向面30において、第1のシールド16Dの端面の一部は、主磁極15の端面に対して、第1のギャップ層18の厚みによる所定の間隔を開けて配置されている。第1のギャップ層18の厚みは、5〜60nmの範囲内であることが好ましく、例えば30〜60nmの範囲内である。主磁極15の端面は、第1のギャップ層18に隣接する辺を有し、この辺はトラック幅を規定している。
第1の帰磁路部は、ヨーク層40と磁性層41〜45とを有している。ヨーク層40は、媒体対向面30から離れた位置において主磁極15の上に配置されている。磁性層41〜45は、第1のシールド16Dとヨーク層40とを接続する。
コイルの第1の部分20は、第1層21、第2層22および第3層23を含んでいる。第1層21の一部は、第1のシールド16Dとヨーク層40との間を通過している。磁気ヘッドは、更に、第1のシールド16D、ヨーク層40および第1のギャップ層18と第1層21との間に介在する絶縁材料よりなる絶縁膜63と、第1層21、第1のシールド16Dおよびヨーク層40の周囲に配置された絶縁材料よりなる図示しない絶縁層とを備えている。絶縁膜63および図示しない絶縁層は、例えばアルミナによって形成されている。第1層21、第1のシールド16D、ヨーク層40、絶縁膜63および図示しない絶縁層の上面は平坦化されている。
磁性層41は、第1のシールド16Dの上に配置されている。磁性層41は、媒体対向面30に向いた端面を有し、この端面は、媒体対向面30から離れた位置に配置されている。磁性層42は、ヨーク層40の上に配置されている。
第2層22は、第1層21の上方に配置されている。第2層22の一部は、磁性層41と磁性層42との間を通過している。磁気ヘッドは、更に、第1層21および磁性層41,42と第2層22との間に介在する絶縁材料よりなる絶縁膜64と、第2層22および磁性層41,42の周囲に配置された絶縁材料よりなる絶縁層65とを備えている。絶縁膜64および絶縁層65は、例えばアルミナによって形成されている。第2層22、磁性層41,42、絶縁膜64および絶縁層65の上面は平坦化されている。
磁性層43は、磁性層41の上に配置されている。磁性層43は、媒体対向面30に向いた端面を有し、この端面は、媒体対向面30から離れた位置に配置されている。磁性層44は、磁性層42の上に配置されている。
第3層23は、第2層22の上方に配置されている。第3層23の一部は、磁性層43と磁性層44との間を通過している。磁気ヘッドは、更に、第2層22および磁性層43,44と第3層23との間に介在する絶縁材料よりなる絶縁膜66と、第3層23および磁性層43,44の周囲に配置された絶縁材料よりなる絶縁層67とを備えている。絶縁膜66および絶縁層67は、例えばアルミナによって形成されている。第3層23、磁性層43,44、絶縁膜66および絶縁層67の上面は平坦化されている。磁気ヘッドは、更に、第3層23を覆うように配置された絶縁材料よりなる絶縁膜68を備えている。絶縁膜68は、例えばアルミナによって形成されている。
磁性層45は、磁性層43,44および絶縁膜68の上に配置され、磁性層43と磁性層44とを接続している。磁性層45は、媒体対向面30に向いた端面を有し、この端面は、媒体対向面30から離れた位置に配置されている。磁気ヘッドは、更に、磁性層45の周囲に配置された絶縁材料よりなる絶縁層69を備えている。絶縁層69は、例えばアルミナによって形成されている。磁性層45および絶縁層69の上面は平坦化されている。
磁気ヘッドは、更に、非磁性材料よりなり、磁性層45を覆うように配置された保護層70を備えている。保護層70は、例えば、アルミナ等の無機絶縁材料によって形成されている。
以上説明したように、本実施の形態に係る磁気ヘッドは、記録媒体に対向する媒体対向面30と再生ヘッドと記録ヘッドとを備えている。再生ヘッドと記録ヘッドは、基板1の上に積層されている。再生ヘッドは、記録ヘッドに対して、記録媒体の進行方向Tの後側(リーディング端側)に配置されている。
再生ヘッドは、再生素子としてのMR素子5と、媒体対向面30側の一部がMR素子5を挟んで対向するように配置された、MR素子5をシールドするための下部再生シールド層3および上部再生シールド層7と、MR素子5と下部再生シールド層3との間に配置された下部再生シールドギャップ膜4と、MR素子5と上部再生シールド層7との間に配置された上部再生シールドギャップ膜6とを備えている。
記録ヘッドは、第1の部分20および第2の部分10を含むコイルと、主磁極15と、第1のシールド16Dと、2つのサイドシールド16B,16Cと、第2のシールド16Aと、ギャップ部と、第1および第2の帰磁路部とを備えている。
2つのサイドシールド16B,16Cは、媒体対向面30の近傍において、主磁極15のトラック幅方向TWの両側に配置されている。また、2つのサイドシールド16B,16Cは、主磁極15のトラック幅方向TWの中心に対して対称な位置に配置されている。第1のシールド16Dは、媒体対向面30の近傍において、サイドシールド16B,16Cに対して記録媒体の進行方向Tの前側に配置されている。第2のシールド16Aは、媒体対向面30の近傍において、サイドシールド16B,16Cに対して記録媒体の進行方向Tの後側に配置されている。
第1のシールド16Dは、媒体対向面30において主磁極15の端面に対して記録媒体の進行方向Tの前側に配置された端面を有している。2つのサイドシールド16B,16Cは、媒体対向面30において主磁極15の端面に対してトラック幅方向TWの両側に配置された2つの端面を有している。第2のシールド16Aは、媒体対向面30において主磁極15の端面の端面に対して記録媒体の進行方向Tの後側に配置された端面を有している。
ギャップ部は、主磁極15と第1のシールド16Dとの間に配置された第1のギャップ層18と、主磁極15と第2のシールド16Aおよびサイドシールド16B,16Cとの間に配置された第2のギャップ層17とを含んでいる。
第2の帰磁路部は、磁性材料よりなり、主磁極15に対して記録媒体の進行方向Tの後側に配置されている。また、第2の帰磁路部は、第2のシールド16Aと主磁極15に接している。第2の帰磁路部は、磁性層31〜36を有している。
また、第2の帰磁路部は、媒体対向面30から離れた位置にあって主磁極15に接する端面、すなわち磁性層36の上面を有している。第2の帰磁路部の前記端面(磁性層36の上面)と主磁極15との間には、第2の界面S10が形成されている。図1に示したように、第2の帰磁路部は、主磁極15、ギャップ部(ギャップ層17)、第2のシールド16Aおよび第2の帰磁路部によって囲まれた第2の空間S2が形成されるように、第2のシールド16Aと主磁極15とを接続し、これにより、第2のシールド16Aと主磁極15とを磁気的に連結している。
第2の帰磁路部において、磁性層34,32は、第2のシールド16Aと磁性層31とを磁気的に連結している。磁性層34は、媒体対向面30において第2のシールド16Aの端面に対して記録媒体の進行方向Tの後側に配置された端面を有している。前記主断面において、磁性層31は、媒体対向面30に垂直な方向について第2のシールド16Aよりも大きな長さを有している。前記主断面において、磁性層34,32は、媒体対向面30に垂直な方向について第2のシールド16Aよりも大きく磁性層31よりも小さな長さを有している。
本実施の形態では、磁性層31,32は、媒体対向面30に露出していない。磁性層31,32は、それぞれ、媒体対向面30に向いた端面を有し、これらの端面は、媒体対向面30から離れた位置に配置されている。磁性層31の上記端面と媒体対向面30との間には絶縁層51の一部が介在している。磁性層32の上記端面と媒体対向面30との間には絶縁層54の一部が介在している。
第1の帰磁路部は、磁性材料よりなり、主磁極15に対して記録媒体の進行方向Tの前側に配置されている。また、第1の帰磁路部は、第1のシールド16Dと主磁極15に接している。第1の帰磁路部は、ヨーク層40と磁性層41〜45とを有している。
また、第1の帰磁路部は、媒体対向面30から離れた位置にあって主磁極15に接する端面を有している。ヨーク層40は、媒体対向面30から離れた位置にあって第1の帰磁路部の前記端面である下面を含んでいる。磁性層41〜45は、第1のシールド16Dとヨーク層40とを接続する接続部を構成している。この接続部は、第1のシールド16Dおよびヨーク層40に対して記録媒体の進行方向Tの前側に配置されている。第1の帰磁路部の前記端面(ヨーク層40の下面)と主磁極15との間には、第1の界面S20が形成されている。図1に示したように、第1の帰磁路部は、主磁極15、ギャップ部(ギャップ層18)、第1のシールド16Dおよび第1の帰磁路部によって囲まれた第1の空間S1が形成されるように、第1のシールド16Dと主磁極15とを接続し、これにより、第1のシールド16Dと主磁極15とを磁気的に連結している。
本実施の形態では、磁性層41,43,45は、媒体対向面30に露出していない。磁性層41,43,45は、それぞれ、媒体対向面30に向いた端面を有し、これらの端面は、媒体対向面30から離れた位置に配置されている。磁性層41の上記端面と媒体対向面30との間には絶縁層65の一部が介在している。磁性層43の上記端面と媒体対向面30との間には絶縁層67の一部が介在している。磁性層45の上記端面と媒体対向面30との間には絶縁層69の一部が介在している。
図1に示したように、第1の界面S20は、媒体対向面30に最も近い第1の端部E1を有し、第2の界面S10は、媒体対向面30に最も近い第2の端部E2を有している。第1の端部E1は、第2の端部E2に対して、媒体対向面30により近い位置に配置されている。
コイルの第2の部分10の一部は、空間S2を通過している。コイルの第1の部分20の一部は、空間S1を通過している。以下、図3ないし図6を参照して、第1の部分20および第2の部分10について詳しく説明する。
図3は、第2の部分10を示す平面図である。第2の部分10は、第2の帰磁路部の一部である磁性層33の周りに1回以上巻かれている。また、第2の部分10は、第2の空間S2を通過するように延びる1つ以上の第2のコイル要素を含んでいる。なお、コイル要素とは、コイルの巻線の一部である。第2の部分10が磁性層33の周りに2回以上巻かれている場合には、第2の部分10は、第2の空間S2を通過するように延びる2つ以上の第2のコイル要素を含む。本実施の形態では、特に、第2の部分10は、磁性層33の周りに約3回巻かれ、第2の部分10は、第2の空間S2を通過するように延びる3つの第2のコイル要素10A,10B,10Cを含んでいる。第2のコイル要素10A,10B,10Cは、媒体対向面30側からこの順に、媒体対向面30に垂直な方向に並んでいる。第2の部分10は、第1の部分20に電気的に接続されたコイル接続部10Eを有している。
図4は、第1の部分20の第1層21を示す平面図である。第1層21は、第1の帰磁路部の一部であるヨーク層40の周りに1回巻かれている。第1層21は、第1の空間S1内のうち特に第1のシールド16Dとヨーク層40との間を通過するコイル要素21Aを含んでいる。また、第1層21は、第2の部分10のコイル接続部10Eに電気的に接続されたコイル接続部21Sと、第2層22に電気的に接続されたコイル接続部21Eとを有している。コイル接続部21Sは、第1層21と第2の部分10との間の複数の層を貫通する図示しない柱状の接続層を介してコイル接続部10Eに電気的に接続されている。接続層は、銅等の導電材料によって形成されている。
図5は、第1の部分20の第2層22を示す平面図である。第2層22は、第1の帰磁路部の一部である磁性層42の周りに1回巻かれている。第2層22は、第1の空間S1内のうち特に磁性層41と磁性層42との間を通過するコイル要素22Aを含んでいる。また、第2層22は、絶縁膜64を貫通して第1層21のコイル接続部21Eに電気的に接続されたコイル接続部22Sと、第3層23に電気的に接続されたコイル接続部22Eとを有している。
図6は、第1の部分20の第3層23を示す平面図である。第3層23は、第1の帰磁路部の一部である磁性層44の周りに約1回巻かれている。第3層23は、第1の空間S1内のうち特に磁性層43と磁性層44との間を通過するコイル要素23Aを含んでいる。また、第3層23は、絶縁膜66を貫通して第2層22のコイル接続部22Eに電気的に接続されたコイル接続部23Sを有している。図3ないし図6に示した例では、第1の部分20と第2の部分10は、直列に接続されている。
コイル要素21A,22A,23Aは、それぞれ第1の空間S1を通過するように延び、記録媒体の進行方向に一列に並んでいる。コイル要素21A,22A,23Aは、本発明における複数の第1のコイル要素に対応する。複数の第1のコイル要素21A,22A,23Aを除くコイルのいかなる部分も、第1の空間S1内には存在しない。第1のコイル要素21A,22A,23Aは、いずれも、媒体対向面30に垂直な方向の幅に比べて、記録媒体の進行方向の厚みが小さい。
次に、図7および図8を参照して、主磁極15の形状について詳しく説明する。図7は、主磁極15の媒体対向面30の近傍の部分を示す斜視図である。図8は、主磁極15の媒体対向面30の近傍の部分を示す断面図である。図7に示したように、主磁極15は、媒体対向面30に配置された端面とその反対側の端部とを有するトラック幅規定部15Aと、トラック幅規定部15Aの端部に接続された幅広部15Bとを含んでいる。また、図7および図8に示したように、主磁極15は、基板1の上面1aにより近い端部である下端部15Lと、下端部15Lとは反対側の上面15Tと、第1の側部SP1と、第2の側部SP2とを有している。幅広部15Bにおける上面15Tのトラック幅方向TWの幅は、トラック幅規定部15Aにおける上面15Tのトラック幅方向TWの幅よりも大きい。
トラック幅規定部15Aにおける上面15Tのトラック幅方向TWの幅は、媒体対向面30からの距離によらずにほぼ一定である。幅広部15Bにおける上面15Tのトラック幅方向TWの幅は、例えば、トラック幅規定部15Aとの境界位置ではトラック幅規定部15Aにおける上面15Tのトラック幅方向TWの幅と等しく、媒体対向面30から離れるに従って、徐々に大きくなった後、一定の大きさになっている。ここで、媒体対向面30に垂直な方向についてのトラック幅規定部15Aの長さをネックハイトと呼ぶ。ネックハイトは、例えば0〜0.3μmの範囲内である。ネックハイトが0の場合は、トラック幅規定部15Aがなく、幅広部15Bの端面が媒体対向面30に配置される。
下端部15Lは、媒体対向面30に近い順に、連続するように配置された第1の部分15L1、第2の部分15L2および第3の部分15L3を含んでいる。第1の部分15L1は、媒体対向面30に配置された端部を有している。第1および第2の部分15L1,15L2は、2つの面が交わってできるエッジでもよいし、2つの面を連結する面でもよい。第3の部分15L3は、実質的に媒体対向面30に垂直な方向に延在する面になっている。上面15Tは、媒体対向面30に近い順に、連続するように配置された第4の部分15T1、第5の部分15T2および第6の部分15T3を含んでいる。第4の部分15T1は、媒体対向面30に配置された端部を有している。
図8に示したように、第1および第2の部分15L1,15L2における任意の位置の基板1の上面1aからの距離は、任意の位置が媒体対向面30から離れるに従って小さくなっている。媒体対向面30に垂直な方向に対する第2の部分15L2の傾斜角度θL2は、媒体対向面30に垂直な方向に対する第1の部分15L1の傾斜角度θL1よりも大きい。第2のシールド16Aは、ギャップ部(第2のギャップ層17)を介して第1の部分15L1に対向する上面を有している。この第2のシールド16Aの上面における任意の位置の基板1の上面1aからの距離は、任意の位置が媒体対向面30から離れるに従って小さくなっている。
また、第4および第5の部分15T1,15T2における任意の位置の基板1の上面1aからの距離は、任意の位置が媒体対向面30から離れるに従って大きくなっている。媒体対向面30に垂直な方向に対する第5の部分15T2の傾斜角度θT2は、媒体対向面30に垂直な方向に対する第4の部分15T1の傾斜角度θT1よりも大きい。第6の部分15T3は、実質的に媒体対向面30に垂直な方向に延在している。第1のシールド16Dは、ギャップ部(第1のギャップ層18)を介して第4および第5の部分15T1,15T2に対向する下面を有している。第1のシールド16Dの下面における任意の位置の基板1の上面1aからの距離は、任意の位置が媒体対向面30から離れるに従って大きくなっている。
第1の部分15L1の傾斜角度θL1および第4の部分15T1の傾斜角度θT1は、いずれも、15°〜45°の範囲内であることが好ましい。第2の部分15L2の傾斜角度θL2および第5の部分15T2の傾斜角度θT2は、いずれも、45°〜85°の範囲内であることが好ましい。
また、図7に示したように、媒体対向面30に配置された主磁極15の端面は、第1のギャップ層18に隣接する第1の辺A1と、第1の辺A1の一端部に接続された第2の辺A2と、第1の辺A1の他端部に接続された第3の辺A3とを有している。第1の辺A1はトラック幅を規定する。記録媒体に記録される記録ビットの端部の位置は、第1の辺A1の位置によって決まる。媒体対向面30に配置された主磁極15の端面のトラック幅方向TWの幅は、主磁極15の下端部15Lに近づくに従って、すなわち基板1の上面1aに近づくに従って小さくなっている。第2の辺A2と第3の辺A3がそれぞれ基板1の上面に垂直な方向に対してなす角度は、例えば7°〜17°の範囲内であり、10°〜15°の範囲内であることが好ましい。第1の辺A1の長さは、例えば0.05〜0.20μmの範囲内である。
ここで、図8に示したように、媒体対向面30における主磁極15の厚み(基板1の上面1aに垂直な方向の長さ)をD1とし、第3の部分15L3と第6の部分15T3との距離をD2とする。また、基板1の上面1aに垂直な方向における第1の部分15L1の両端間の、同方向の長さをDL1とする。また、基板1の上面1aに垂直な方向における第2の部分15L2の両端間の、同方向の長さをDL2とする。また、基板1の上面1aに垂直な方向における第4の部分15T1の両端間の、同方向の長さをDT1とする。また、基板1の上面1aに垂直な方向における第5の部分15T2の両端間の、同方向の長さをDT2とする。例えば、D1は0.05〜0.2μmの範囲内であり、D2は0.4〜0.8μmの範囲内である。また、例えば、DL1は0より大きく0.3μm以下であり、DL2は0.15〜0.3μmの範囲内である。また、例えば、DT1は0より大きく0.3μm以下であり、DT2は0.15〜0.3μmの範囲内である。
なお、図7には、第2の部分15L2と第3の部分15L3の境界位置と媒体対向面30との間の距離と、第5の部分15T2と第6の部分15T3の境界位置と媒体対向面30との間の距離が、いずれも、トラック幅規定部15Aと幅広部15Bとの境界位置と媒体対向面30との間の距離すなわちネックハイトと等しい例を示している。しかし、第2の部分15L2と第3の部分15L3の境界位置と媒体対向面30との間の距離と、第5の部分15T2と第6の部分15T3の境界位置と媒体対向面30との間の距離は、それぞれ、ネックハイトよりも小さくてもよいし、大きくてもよい。
図2に示したように、媒体対向面30において、トラック幅方向TWにおける主磁極15の第1および第2の側部SP1,SP2の間隔は、基板1の上面1aに近づくに従って小さくなっている。同様に、媒体対向面30において、トラック幅方向TWにおけるサイドシールド16B,16Cにおける第1および第2の側壁SW1,SW2の間隔は、基板1の上面1aに近づくに従って小さくなっている。媒体対向面30において、第1の側部SP1と第1の側壁SW1は実質的に平行であり、第2の側部SP2と第2の側壁SW2も実質的に平行である。媒体対向面30において、第1の側部SP1と第1の側壁SW1との間隔と、第2の側部SP2と第2の側壁SW2との間隔は等しい。ここで、これらの間隔をG1とする。G1は、例えば20〜80nmの範囲内である。また、媒体対向面30において、主磁極15の下端部15Lと第2のシールド16Aとの間隔をG2とする。G2は、G1よりも大きく、G1の3倍以下である。この関係は、側壁SW1,SW2を有するサイドシールド16B,16Cを形成した後に第2のギャップ層17および主磁極15を形成することによって実現される。
次に、本実施の形態に係る磁気ヘッドの作用および効果について説明する。この磁気ヘッドでは、記録ヘッドによって記録媒体に情報を記録し、再生ヘッドによって、記録媒体に記録されている情報を再生する。記録ヘッドにおいて、第1の部分20および第2の部分10を含むコイルは、記録媒体に記録する情報に応じた磁界を発生する。第1の部分20によって発生された磁界に対応する磁束は、第1の帰磁路部と主磁極15を通過する。第2の部分10によって発生された磁界に対応する磁束は、第2の帰磁路部と主磁極15を通過する。従って、主磁極15は、第1の部分20によって発生された磁界に対応する磁束と第2の部分10によって発生された磁界に対応する磁束とを通過させる。
なお、第1の部分20および第2の部分10は、直列に接続されていてもよいし、並列に接続されていてもよい。いずれにしても、主磁極15において、第1の部分20によって発生された磁界に対応する磁束と第2の部分10によって発生された磁界に対応する磁束が同じ方向に流れるように、第1の部分20および第2の部分10は接続される。
主磁極15は、上述のようにコイルによって発生された磁界に対応する磁束を通過させて、垂直磁気記録方式によって情報を記録媒体に記録するための記録磁界を発生する。
シールド16A,16B,16C,16Dは、磁気ヘッドの外部から磁気ヘッドに印加された外乱磁界を取り込む。これにより、外乱磁界が主磁極15に集中して取り込まれることによって記録媒体に対して誤った記録が行なわれることを防止することができる。また、シールド16A,16B,16C,16Dは、主磁極15の端面より発生されて記録媒体の面に垂直な方向以外の方向に広がる磁束を取り込んで、この磁束が記録媒体に達することを阻止する機能を有している。
また、シールド16A,16B,16C,16Dと第1および第2の帰磁路部は、主磁極15の端面より発生されて、記録媒体を磁化した磁束を還流させる機能を有している。具体的に説明すると、主磁極15の端面より発生されて、記録媒体を磁化した磁束の一部は、シールド16Dと第1の帰磁路部を通過して主磁極15に還流する。また、主磁極15の端面より発生されて、記録媒体を磁化した磁束の他の一部は、シールド16Aと第2の帰磁路部を通過して主磁極15に還流する。
媒体対向面30において、シールド16A,16B,16C,16Dの端面は、主磁極15の端面の周りを囲むように配置されている。従って、本実施の形態によれば、主磁極15の端面に対して記録媒体の進行方向Tの前側および後側ならびにトラック幅方向TWの両側において、主磁極15の端面より発生されて記録媒体の面に垂直な方向以外の方向に広がる磁束を取り込んで、この磁束が記録媒体に達することを抑制することができる。これにより、本実施の形態によれば、スキューに起因した隣接トラック消去の発生を抑制することができる。第1のシールド16Dおよび第2のシールド16Aは、スキューに起因した隣接トラック消去の発生を抑制することに寄与する他に、記録磁界の勾配を大きくすることに寄与する。サイドシールド16B,16Cは、特に隣接トラック消去を抑制することへの寄与が大きい。このようなシールド16A,16B,16C,16Dの機能により、本実施の形態によれば、記録密度を高めることができる。
また、本実施の形態では、図2に示したように、媒体対向面30において、トラック幅方向TWにおける主磁極15の第1および第2の側部SP1,SP2の間隔すなわち主磁極15の端面の幅は、基板1の上面1aに近づくに従って小さくなっている。本実施の形態によれば、この特徴によっても、スキューに起因した隣接トラック消去の発生を抑制することができる。
また、本実施の形態では、媒体対向面30において、トラック幅方向TWにおけるサイドシールド16B,16Cにおける第1および第2の側壁SW1,SW2の間隔は、主磁極15の第1および第2の側部SP1,SP2の間隔と同様に、基板1の上面1aに近づくに従って小さくなっている。従って、本実施の形態によれば、媒体対向面30において、第1の側部SP1と第1の側壁SW1との間隔、ならびに第2の側部SP2と第2の側壁SW2との間隔を、小さく、且つ均一にすることが可能になる。これにより、サイドシールド16B,16Cによって、主磁極15の端面より発生されてトラック幅方向TWの両側に広がる磁束を、効果的に取り込むことができる。その結果、本実施の形態によれば、特にサイドシールド16B,16Cの機能を高めることが可能になり、スキューに起因した隣接トラック消去の発生をより効果的に抑制することが可能になる。
ところで、シールド16A〜16Dで取り込んだ磁束を吸収できるような、体積が大きい磁性層がシールド16A〜16Dに磁気的に接続されていないと、シールド16A〜16Dによって多くの磁束を取り込むことはできない。本実施の形態では、第1のシールド16Dと主磁極15とを磁気的に連結する第1の帰磁路部(ヨーク層40および磁性層41〜45)と、第2のシールド16Aと主磁極15とを磁気的に連結する第2の帰磁路部(磁性層31〜36)を備えている。このような構成により、シールド16A〜16Dで取り込んだ磁束は、第1および第2の帰磁路部を経由して主磁極15に流れ込む。本実施の形態では、シールド16A〜16Dに対して、体積が大きい磁性層である第1および第2の帰磁路部と主磁極15が磁気的に接続されている。従って、本実施の形態によれば、シールド16A〜16Dによって多くの磁束を取り込むことが可能になり、その結果、前述のシールド16A〜16Dの効果を効果的に発揮させることができる。
また、本実施の形態では、第2の帰磁路部とは別に第2のシールド16Aが設けられている。前記主断面において、第2の帰磁路部を構成する磁性層31〜36のうち主磁極15から最も遠い磁性層31は、媒体対向面30に垂直な方向について第2のシールド16Aよりも大きな長さを有している。コイルの第2の部分10は、空間S2を通過している。このような構造により、本実施の形態によれば、磁性層31が第2のシールドを兼ねた構造に比べて、第2のシールド16Aと主磁極15とを十分に近付けることが可能になり、その結果、第2のシールド16Aの機能を高めることが可能になる。
ここで、磁性層34,32の役割について説明する。まず、磁性層34,32がなく、第2のシールド16Aと磁性層31が磁気的に連結されていない場合を考える。この場合、第2のシールド16Aまたはサイドシールド16B,16Cで取り込まれて下方に向かった磁束は、磁性層31の方へ流れることができないため、上方に向かうように戻る。その結果、第2のシールド16Aまたはサイドシールド16B,16Cにおいて、下方に向かう磁束と上方に向かう磁束が生じ、その結果、第2のシールド16Aまたはサイドシールド16B,16Cで取り込まれた磁束の一部が媒体対向面30の外部に漏れ出す。これにより、隣接トラック消去が生じるおそれがある。これに対し、磁性層34,32によって第2のシールド16Aと磁性層31が磁気的に連結されていると、サイドシールド16B,16Cで取り込まれた磁束は上方と下方へ分流し、第2のシールド16Aで取り込まれた磁束は主に下方に向かう。これにより、第2のシールド16Aまたはサイドシールド16B,16Cで取り込まれた磁束の一部が媒体対向面30の外部に漏れ出すことによる隣接トラック消去の発生が防止される。
ところで、磁性層32の端面が媒体対向面30に露出していると、コイルの第2の部分10が発生する熱によって絶縁層53が膨張し、その結果、媒体対向面30の一部である磁性層32の端面が突出するおそれがある。これに対し、本実施の形態では、磁性層32と媒体対向面30との間に、磁性層32よりも硬い絶縁層54が存在している。この絶縁層54は、磁性層32よりも広い領域に存在している。そのため、絶縁層54は、第2の部分10が発生する熱による磁性層32の位置の変化を抑制する機能を有する。よって、本実施の形態によれば、第2の部分10が発生する熱によって媒体対向面30の一部が突出することを抑制することができる。
また、前記主断面において、媒体対向面30に垂直な方向についての第2のシールド16Aの長さが大きすぎると、主磁極15から第2のシールド16Aへの磁束の漏れが多くなり、主磁極15によって多くの磁束を媒体対向面30まで導くことができなくなる。そのため、前記主断面において、媒体対向面30に垂直な方向についての第2のシールド16Aの長さは大きすぎないようにする必要がある。この場合、前記主断面において、媒体対向面30に垂直な方向についての磁性層34,32の長さが第2のシールド16Aの長さと等しいか、それより小さい場合には、磁性層34,32によって第2のシールド16Aから磁性層31へ多くの磁束を導くことができなくなる。これに対し、本実施の形態では、前記主断面において、磁性層34,32は、それぞれ、媒体対向面30に垂直な方向について第2のシールド16Aよりも大きく磁性層31よりも小さな長さを有している。これにより、本実施の形態によれば、磁性層34,32によって第2のシールド16Aから磁性層31へ多くの磁束を導くことが可能になる。
ところで、記録媒体に記録される記録ビットの端部の位置は、媒体対向面30に配置された主磁極15の端面のうち、記録媒体の進行方向Tの前側に配置された端部の位置によって決まる。そのため、記録ビットの端部の位置を精度よく規定するためには、第1のシールド16Dおよび第2のシールド16Aのうち、特に第1のシールド16Dが多くの磁束を取り込むことができることが重要である。本実施の形態では、第1のシールド16Dは、第2のシールド16Aよりも体積が大きく、これにより、第2のシールド16Aよりも多くの磁束を取り込むことができる。
また、記録密度を高めるために記録信号の周波数が高くなってくると、磁気ヘッドには、主磁極15の端面より発生される磁束の方向の変化の速度の向上が求められる。この要求に応えるためには、特に、多くの磁束を取り込む第1のシールド16Dと主磁極15とを経由する磁路の長さ、すなわち第1のシールド16D、第1の帰磁路部および主磁極15を経由する磁路の長さを短くすることが有効である。本実施の形態では、以下で説明する理由により、第1のシールド16D、第1の帰磁路部および主磁極15を経由する磁路の長さを短くすることが可能になる。
本実施の形態では、コイルは、それぞれ第1の空間S1を通過するように延び、記録媒体の進行方向に一列に並ぶ複数の第1のコイル要素21A,22A,23Aを含んでいる。複数の第1のコイル要素21A,22A,23Aを除くコイルのいかなる部分も、第1の空間内には存在しない。複数の第1のコイル要素21A,22A,23Aは、媒体対向面30に垂直な方向の幅に比べて、記録媒体の進行方向の厚みを小さくすることが容易である。また、複数の第1のコイル要素21A,22A,23Aが記録媒体の進行方向に並んでいる場合には、隣接する第1のコイル要素間を薄い絶縁膜によって隔てることができるため、複数の第1のコイル要素が媒体対向面30に垂直な方向に並んでいる場合に比べて、隣接する第1のコイル要素間の距離を小さくすることが可能である。これらのことから、本実施の形態によれば、複数の第1のコイル要素が媒体対向面30に垂直な方向に並んでいる場合に比べて、第1の帰磁路部の磁路の長さを短くすることが可能になる。
また、複数の第1のコイル要素は、第1のシールド16Dとヨーク層40との間を通過するコイル要素21Aを含んでいる。これにより、複数の第1のコイル要素が、第1のシールド16Dとヨーク層40との間を通過するコイル要素21Aを含まない場合に比べて、記録媒体の進行方向Tについての第1の帰磁路部と主磁極15の間の最大の距離を小さくすることができる。これにより、第1の帰磁路部の磁路の長さをより短くすることが可能になる。
また、本実施の形態では、第1の帰磁路部の端面と主磁極15との間の第1の界面S20の第1の端部E1は、第2の帰磁路部の端面と主磁極15との間の第2の界面S10の第2の端部E2に対して、媒体対向面30により近い位置に配置されている。これにより、第1のシールド16Dと第1の界面S20との間の距離を小さくすることができる。本実施の形態では、特に、第2のコイル要素10A,10B,10Cは、媒体対向面30に垂直な方向に並び、第1のコイル要素21A,22A,23Aは、記録媒体の進行方向に一列に並んでいる。このような第1および第2のコイル要素の配置により、上述のように、第1の界面S20の第1の端部E1を、第2の界面S10の第2の端部E2に対して、媒体対向面30により近い位置に配置することが可能になる。第1の帰磁路部の磁路の長さを短くするためには、特に、第1の界面S20の第1の端部E1を媒体対向面30により近い位置に配置することが重要である。
これらのことから、本実施の形態によれば、第1の帰磁路部の磁路の長さを短くすることができる。従って、本実施の形態によれば、多くの磁束を取り込む第1のシールド16Dと主磁極15とを経由する磁路の長さ、すなわち第1のシールド16D、第1の帰磁路部および主磁極15を経由する磁路の長さを短くすることができ、その結果、主磁極15の端面より発生される磁束の方向の変化の速度の向上が可能になる。
また、本実施の形態では、コイルは、第1の帰磁路部の一部の周りに巻かれた第1の部分20と、第2の帰磁路部の一部の周りに巻かれた第2の部分10とを含んでいる。第1の空間S1を通過するコイル要素の数が同じという条件で、主磁極15の周りにヘリカル状に巻かれたコイルを設けた比較例と比較すると、本実施の形態によれば、コイルの巻回数が比較例よりも多くなる。従って、本実施の形態によれば、比較例に比べて、コイルによる起磁力を大きくすることができる。これにより、第1の空間S1を通過するコイル要素の数を少なくして、第1の帰磁路部の磁路の長さを短くしながら、所望の起磁力を確保することが可能になる。
以下、本実施の形態におけるその他の効果について説明する。本実施の形態では、主磁極15の下端部15Lは、媒体対向面30に近い順に、連続するように配置された第1の部分15L1、第2の部分15L2および第3の部分15L3を含んでいる。主磁極15の上面15Tは、媒体対向面30に近い順に、連続するように配置された第4の部分15T1、第5の部分15T2および第6の部分15T3を含んでいる。第1および第2の部分15L1,15L2における任意の位置の基板1の上面1aからの距離は、任意の位置が媒体対向面30から離れるに従って小さくなっている。第4および第5の部分15T1,15T2における任意の位置の基板1の上面1aからの距離は、任意の位置が媒体対向面30から離れるに従って大きくなっている。これにより、本実施の形態によれば、媒体対向面30における主磁極15の厚みを小さくすることができることから、スキューに起因した隣接トラック消去の発生を抑制することができる。しかも、本実施の形態によれば、媒体対向面30から離れた位置では主磁極15の厚みを大きくすることができることから、主磁極15によって多くの磁束を媒体対向面30まで導くことができ、その結果、オーバーライト特性等の記録特性を向上させることができる。
本実施の形態における主磁極15では、第1および第4の部分15L1,15T1の傾斜角度θL1,θT1を小さくすることによって、媒体対向面30の位置の変動に伴う記録特性の変動を抑制することができる。しかも、この主磁極15では、第2および第5の部分15L2,15T2の傾斜角度θL2,θT2を大きくすることによって、図8に示した媒体対向面30における主磁極15の厚みD1を小さくしながら、第3の部分15L3と第6の部分15T3との距離D2を大きくすることができ、その結果、スキューに起因した問題の発生を防止でき、且つ記録特性を向上させることができる。このように、本実施の形態によれば、媒体対向面30の位置の変動に伴う記録特性の変動を抑制しながら、スキューに起因した問題の発生を防止し、且つ記録特性を向上させることが可能になる。
[第2の実施の形態]
次に、図9を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る磁気ヘッドについて説明する。図9は、本実施の形態に係る磁気ヘッドを示す断面図である。なお、図9は媒体対向面および基板の上面に垂直な断面、特に前記主断面を示している。
本実施の形態に係る磁気ヘッドでは、磁性層41,43,45が、それぞれ、媒体対向面30に配置された端面を有している。本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
[第3の実施の形態]
次に、図10を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る磁気ヘッドについて説明する。図10は、本実施の形態に係る磁気ヘッドを示す断面図である。なお、図10は媒体対向面および基板の上面に垂直な断面、特に前記主断面を示している。
本実施の形態に係る磁気ヘッドは、以下の点で第1の実施の形態に係る磁気ヘッドと異なっている。本実施の形態に係る磁気ヘッドでは、磁性層31,32が、それぞれ、媒体対向面30に配置された端面を有している。また、本実施の形態では、第1の実施の形態における磁性層34,35および絶縁層55が設けられていない。第2のシールド16Aは、磁性層32の上に配置されている。磁性層36は、磁性層33の上に配置されている。絶縁層56は、コイルの第2の部分10および絶縁層53の上面の上に配置されている。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1または第2の実施の形態と同様である。
[第4の実施の形態]
次に、図11を参照して、本発明の第4の実施の形態に係る磁気ヘッドについて説明する。図11は、本実施の形態に係る磁気ヘッドを示す断面図である。なお、図11は媒体対向面および基板の上面に垂直な断面、特に前記主断面を示している。
本実施の形態に係る磁気ヘッドは、以下の点で第3の実施の形態に係る磁気ヘッドと異なっている。本実施の形態に係る磁気ヘッドでは、第3の実施の形態(第1の実施の形態)における絶縁膜63,64,66,68と、絶縁層65,67,69は設けられていない。本実施の形態では、コイルの第1の部分20の第1層21は、第1のギャップ層18の上に配置されている。本実施の形態における第1のギャップ層18は、アルミナ等の絶縁材料によって形成されている。本実施の形態に係る磁気ヘッドは、第1層21を覆うように配置された絶縁材料よりなる絶縁層71を備えている。絶縁層71は、例えばアルミナによって形成されている。第1のシールド16D、ヨーク層40および絶縁層71の上面は平坦化されている。
本実施の形態では、第1の部分20の第2層22は、絶縁層71の上に配置されている。本実施の形態に係る磁気ヘッドは、第2層22を覆うように配置された絶縁材料よりなる絶縁層72を備えている。絶縁層72は、例えばアルミナによって形成されている。第1の部分20の第3層23は、絶縁層72の上に配置されている。磁気ヘッドは、更に、第3層23および絶縁層72を覆うように配置された絶縁材料よりなる絶縁層73を備えている。絶縁層73は、例えばフォトレジストによって形成されている。
本実施の形態に係る磁気ヘッドは、第3の実施の形態(第1の実施の形態)における磁性層41〜45の代りに、磁性層46を備えている。磁性層46は、第1のシールド16D、ヨーク層40および絶縁層73の上に配置され、第1のシールド16Dとヨーク層40とを接続している。また、磁性層46は、媒体対向面30に配置された端面を有している。本実施の形態における第1の帰磁路部は、ヨーク層40と磁性層46によって構成されている。磁性層46は、第1の帰磁路部における接続部を構成する。保護層70は、磁性層46を覆うように配置されている。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第3の実施の形態と同様である。
[第5の実施の形態]
次に、図12ないし図18を参照して、本発明の第5の実施の形態に係る磁気ヘッドについて説明する。図12は、本実施の形態に係る磁気ヘッドを示す断面図である。なお、図12は媒体対向面および基板の上面に垂直な断面、特に前記主断面を示している。図13は、本実施の形態に係る磁気ヘッドにおけるコイルの第2の部分の第1層を示す平面図である。図14は、本実施の形態に係る磁気ヘッドにおけるコイルの第2の部分の第2層を示す平面図である。図15は、本実施の形態に係る磁気ヘッドにおけるコイルの第2の部分の第3層を示す平面図である。図16は、本実施の形態に係る磁気ヘッドにおけるコイルの第1の部分の第1層を示す平面図である。図17は、本実施の形態に係る磁気ヘッドにおけるコイルの第1の部分の第2層を示す平面図である。図18は、本実施の形態に係る磁気ヘッドにおけるコイルの第1の部分の第3層を示す平面図である。
本実施の形態に係る磁気ヘッドは、以下の点で第1の実施の形態に係る磁気ヘッドと異なっている。本実施の形態におけるコイルは、図1および図3に示した第1の実施の形態における第2の部分10の代りに、図12に示した第2の部分110を含んでいる。第2の部分110は、第1層111、第2層112および第3層113を含んでいる。図13に示したように、第1層111は、第2の帰磁路部の一部である磁性層33の周りに約1回巻かれている。第1層111は、第2の空間S2内のうち特に磁性層32と磁性層33との間を通過するコイル要素111Aを含んでいる。
第2層112は、第1層111の上方に配置されている。図14に示したように、第2層112は、第2の帰磁路部の一部である磁性層35の周りに1回巻かれている。第2層112は、第2の空間S2内のうち特に磁性層34と磁性層35との間を通過するコイル要素112Aを含んでいる。
第3層113は、第2層112の上方に配置されている。図15に示したように、第3層113は、第2の帰磁路部の一部である磁性層36の周りに1回巻かれている。第3層113は、第2の空間S2内のうち特に第2のシールド16Aと磁性層36との間を通過するコイル要素113Aを含んでいる。本実施の形態では、コイル要素111A,112A,113Aが、第2のコイル要素である。第2のコイル要素111A,112A,113Aは、記録媒体の進行方向に並んでいる。コイル要素113Aの媒体対向面30に垂直な方向についての幅は、同方向についての各コイル要素111A,112Aの幅よりも大きい。
図16ないし図18に示したように、本実施の形態における第1の部分20の第1層ないし第3層21,22,23の形状および配置は、基本的には、図4ないし図6に示した第1の実施の形態における第1層ないし第3層21,22,23と同じである。本実施の形態では、第1層21のコイル要素21Aの媒体対向面30に垂直な方向についての幅は、同方向についての第2層22のコイル要素22Aの幅および第3層23のコイル要素23Aの幅よりも大きい。
また、本実施の形態に係る磁気ヘッドでは、磁性層41が、媒体対向面30に配置された端面を有している。また、本実施の形態では、第1の実施の形態における絶縁層52,53が設けられていない。本実施の形態に係る磁気ヘッドは、絶縁材料よりなる絶縁膜91,92,93,94,95を備えている。絶縁膜91は、磁性層31,32,33と第1層111との間に介在している。絶縁膜92は、第1層111および磁性層34,35と第2層112との間に介在している。絶縁膜93は、第2層112、第2のシールド16Aおよび磁性層34,36と第3層113との間に介在している。絶縁膜94は第3層113を覆うように配置されている。絶縁膜95は第1層21を覆うように配置されている。絶縁膜91〜95は、例えばアルミナによって形成されている。
第1層111は、コイル接続部111Eを有している。第2層112は、コイル接続部112Sとコイル接続部112Eとを有している。第3層113は、コイル接続部113Sとコイル接続部113Eとを有している。コイル接続部112Sは、絶縁膜92を貫通してコイル接続部111Eに電気的に接続されている。コイル接続部113Sは、絶縁膜93を貫通してコイル接続部112Eに電気的に接続されている。第1層21のコイル接続部21Sは、第1層21と第3層113との間の複数の層を貫通する図示しない柱状の接続層を介してコイル接続部113Eに電気的に接続されている。図13ないし図18に示した例では、第1の部分20と第2の部分110は、直列に接続されている。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
[第6の実施の形態]
次に、図19ないし図23を参照して、本発明の第6の実施の形態に係る磁気ヘッドについて説明する。図19は、本実施の形態に係る磁気ヘッドを示す断面図である。なお、図19は媒体対向面および基板の上面に垂直な断面、特に前記主断面を示している。図20は、本実施の形態に係る磁気ヘッドにおけるコイルの第2の部分の第1層を示す平面図である。図21は、本実施の形態に係る磁気ヘッドにおけるコイルの第2の部分の第2層を示す平面図である。図22は、本実施の形態に係る磁気ヘッドにおけるコイルの第1の部分の第1層を示す平面図である。図23は、本実施の形態に係る磁気ヘッドにおけるコイルの第1の部分の第2層を示す平面図である。
本実施の形態に係る磁気ヘッドは、以下の点で第5の実施の形態に係る磁気ヘッドと異なっている。本実施の形態におけるコイルの第2の部分110は、図13および図14に示した第5の実施の形態における第1層111および第2層112の代りに、図20に示した形状の第1層111と、図21に示した形状の第2層112とを含んでいる。また、本実施の形態におけるコイルの第1の部分20は、図16および図17に示した第5の実施の形態における第1層21および第2層22の代りに、図22に示した形状の第1層21と、図23に示した形状の第2層22とを含んでいる。本実施の形態に係る磁気ヘッドでは、図15に示した第5の実施の形態における第3層113と、図18に示した第5の実施の形態における第3層23は設けられていない。
本実施の形態では、第1層21のコイル接続部21Sは、第1層21と第2層112との間の複数の層を貫通する図示しない柱状の接続層を介して、第2層112のコイル接続部112Eに電気的に接続されている。図23に示したように、第2層22は、第1の帰磁路部の一部である磁性層42の周りに約1回巻かれている。
第1層21は第1のコイル要素21Aを含み、第2層22は第1のコイル要素22Aを含んでいる。第1のコイル要素21A,22Aは、それぞれ第1の空間S1を通過するように延び、記録媒体の進行方向に一列に並んでいる。第1のコイル要素21A,22Aを除くコイルのいかなる部分も、第1の空間S1内には存在しない。
また、本実施の形態に係る磁気ヘッドでは、磁性層31,32,41,45が、それぞれ、媒体対向面30に配置された端面を有している。また、本実施の形態では、第5の実施の形態における磁性層43,44、絶縁膜66,93,94および絶縁層67が設けられていない。絶縁膜68は、第2層22を覆うように配置されている。磁性層45は、磁性層41,42および絶縁膜68の上に配置され、磁性層41と磁性層42とを接続している。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第5の実施の形態と同様である。
[第7の実施の形態]
次に、図24ないし図27を参照して、本発明の第7の実施の形態に係る磁気ヘッドについて説明する。図24は、本実施の形態に係る磁気ヘッドを示す断面図である。なお、図24は媒体対向面および基板の上面に垂直な断面、特に前記主断面を示している。図25は、本実施の形態に係る磁気ヘッドにおけるコイルの第2の部分を示す平面図である。図26は、本実施の形態に係る磁気ヘッドにおけるコイルの第1の部分の第1層を示す平面図である。図27は、本実施の形態に係る磁気ヘッドにおけるコイルの第1の部分の第2層を示す平面図である。
本実施の形態に係る磁気ヘッドは、以下の点で第4の実施の形態に係る磁気ヘッドと異なっている。本実施の形態におけるコイルは、第4の実施の形態(第1の実施の形態)における第2の部分10の代りに、図25に示した第2の部分210を含んでいる。また、本実施の形態におけるコイルは、第4の実施の形態(第1の実施の形態)における第1の部分20の代りに、第1の部分220を含んでいる。第1の部分220は、第4の実施の形態における第2層22および第3層23の代りに、図26に示した形状の第1層221と、図27に示した形状の第2層222とを含んでいる。本実施の形態に係る磁気ヘッドでは、第4の実施の形態における第1層21は設けられていない。
図24に示したように、第1層221は、絶縁層71の上に配置されている。絶縁層72は、第1層221を覆うように配置されている。第2層222は、絶縁層72の上に配置されている。絶縁層73は、第2層222および絶縁層72を覆うように配置されている。
図25に示したように、第2の部分210は、平面渦巻き形状をなして、第2の帰磁路部の一部である磁性層33の周りに約2回巻かれている。また、第2の部分210は、2つの第2のコイル要素210A,210Bを含んでいる。本実施の形態における第2のコイル要素210A,210Bの形状および配置は、基本的には、第4の実施の形態(第1の実施の形態)における第2のコイル要素10A,10Bと同じである。第2の部分210は、第1の部分220に電気的に接続されたコイル接続部210Eを有している。
図26に示したように、第1層221は、磁性層46のうち、ヨーク層40の上に配置された部分の周りに1回巻かれている。第1層221は、第1の空間S1を通過する第1のコイル要素221Aを含んでいる。
第2層222は、磁性層46のうち、ヨーク層40の上に配置された部分の周りに約1回巻かれている。なお、図27では、磁性層46の図示を省略している。第2層222は、第1の空間S1を通過する第1のコイル要素222Aを含んでいる。
第1のコイル要素221A,222Aは、それぞれ第1の空間S1を通過するように延び、記録媒体の進行方向に一列に並んでいる。第1のコイル要素221A,222Aを除くコイルのいかなる部分も、第1の空間S1内には存在しない。
第1層221は、コイル接続部221Sとコイル接続部221Eとを有している。第2層222は、コイル接続部222Sを有している。コイル接続部221Sは、第1層221と第2の部分210との間の複数の層を貫通する図示しない柱状の接続層を介して第2の部分210のコイル接続部210Eに電気的に接続されている。コイル接続部222Sは、絶縁層72を貫通してコイル接続部221Eに電気的に接続されている。図25ないし図27に示した例では、第1の部分220と第2の部分210は、直列に接続されている。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第4の実施の形態と同様である。
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、請求の範囲の要件を満たす限り、第1および第2のコイル要素の数は、各実施の形態に示した例に限らず、任意である。
また、実施の形態では、基体側に再生ヘッドを形成し、その上に、記録ヘッドを積層した構造の磁気ヘッドについて説明したが、この積層順序を逆にしてもよい。
10…第2の部分、15…主磁極、16A…第2のシールド、16B,16C…サイドシールド、16D…第1のシールド、17…第2のギャップ層、18…第1のギャップ層、20…第1の部分、21A,22A,23A…コイル要素、30…媒体対向面、31〜36…磁性層、40…ヨーク層、41〜45…磁性層、S1…第1の空間、S2…第2の空間。

Claims (4)

  1. 記録媒体に対向する媒体対向面と、
    前記記録媒体に記録する情報に応じた磁界を発生するコイルと、
    前記媒体対向面に配置された端面を有し、前記コイルによって発生された磁界に対応する磁束を通過させると共に、垂直磁気記録方式によって前記情報を前記記録媒体に記録するための記録磁界を発生する主磁極と、
    磁性材料よりなり、前記媒体対向面において前記主磁極の前記端面に対して前記記録媒体の進行方向の前側に配置された端面を有する第1のシールドと、
    磁性材料よりなり、前記媒体対向面において前記主磁極の前記端面に対して前記記録媒体の進行方向の後側に配置された端面を有する第2のシールドと、
    非磁性材料よりなり、前記主磁極と前記第1のシールドとの間に配置された第1の部分と、前記主磁極と前記第2のシールドとの間に配置された第2の部分とを含むギャップ部と、
    磁性材料よりなり、前記主磁極に対して前記記録媒体の進行方向の前側に配置されて前記第1のシールドと前記主磁極に接する第1の帰磁路部と、
    磁性材料よりなり、前記主磁極に対して前記記録媒体の進行方向の後側に配置されて前記第2のシールドと前記主磁極に接する第2の帰磁路部とを備えた垂直磁気記録用磁気ヘッドであって、
    前記第1の帰磁路部は、前記媒体対向面から離れた位置にあって前記主磁極に接する端面を有し、前記主磁極、ギャップ部、第1のシールドおよび第1の帰磁路部によって囲まれた第1の空間が形成されるように、前記第1のシールドと前記主磁極とを接続し、
    前記第2の帰磁路部は、前記媒体対向面から離れた位置にあって前記主磁極に接する端面を有し、前記主磁極、ギャップ部、第2のシールドおよび第2の帰磁路部によって囲まれた第2の空間が形成されるように、前記第2のシールドと前記主磁極とを接続し、
    前記コイルは、前記第1の帰磁路部の一部の周りに巻かれた第1の部分と、前記第2の帰磁路部の一部の周りに巻かれた第2の部分とを含み、
    前記第1の部分は、それぞれ前記第1の空間を通過するように延び、前記記録媒体の進行方向に一列に並ぶ複数の第1のコイル要素を含み、
    前記第2の部分は、前記第2の空間を通過するように延びる複数の第2のコイル要素を含み、
    前記複数の第1のコイル要素を除く前記コイルのいかなる部分も、前記第1の空間内には存在しないことを特徴とする垂直磁気記録用磁気ヘッド。
  2. 前記複数の第2のコイル要素は、前記媒体対向面に垂直な方向に並んでいることを特徴とする請求項1記載の垂直磁気記録用磁気ヘッド。
  3. 前記複数の第2のコイル要素は、前記記録媒体の進行方向に並んでいることを特徴とする請求項1記載の垂直磁気記録用磁気ヘッド。
  4. 更に、磁性材料よりなり、前記媒体対向面において前記主磁極の前記端面に対してトラック幅方向の両側に配置された2つの端面を有する2つのサイドシールドを備えたことを特徴とする請求項1記載の垂直磁気記録用磁気ヘッド。
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