JP2012153903A - 重合体粉末の製造方法、重合体粉末およびレジスト組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】重合体が分散媒に分散した分散液をろ過して重合体湿粉を製造する工程と、減圧乾燥装置50を用いて重合体湿粉を乾燥させる工程とを有し、前記減圧乾燥装置50内に乾燥中および乾燥終了後に気体を流入させる際、孔径が0.1〜1.0μmのフィルター52を通過した気体を流入させる重合体粉末の製造方法。
【選択図】図1
Description
(i)脂環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル、ラクトン骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル等を含む単量体成分を溶液重合法にて重合する工程。
(ii)溶液重合法にて得られた重合体溶液を貧溶媒に注いで重合体を析出させ、重合体の分散液を得る工程。
(iii)重合体の分散液を、フィルターを用いてろ過して重合体を製造する工程。
(iv)得られた重合体を良溶媒に溶解させて重合体溶液とし、該重合体溶液を貧溶媒に注いで重合体を析出させ、重合体の分散液を得る工程。
(v)重合体の分散液を、フィルターを用いてろ過して重合体を製造する工程。
(vi)必要に応じて(iv)〜(v)工程を繰り返した後、得られた重合体を乾燥させる工程。
また、前記気体が乾燥窒素であることが好ましい。
本発明のレジスト組成物は、本発明の重合体粉末の製造方法により得られた重合体粉末から得られることを特徴とする。
本発明の重合体は、含まれる異物が少ない。
本発明のレジスト組成物は、含まれる異物が少ない。
また、式(1−1)で表される単量体を単量体(1−1)と記す。他の式で表される単量体も同様に記す。また、(メタ)アクリル酸は、メタクリル酸またはアクリル酸を意味し、(メタ)アクリル酸エステルは、メタクリル酸エステルまたはアクリル酸エステルを意味する。
本発明の重合体粉末の製造方法は、重合体が分散媒に分散した分散液をろ過して重合体湿粉を製造する工程と、減圧乾燥装置を用いて、得られた重合体湿粉を乾燥させる工程とを有する。
重合体としては、用途別では、レジスト用重合体、反射防止用重合体、塗料用重合体、トナー用重合体、成形用重合体、インク用重合体等が挙げられる。
本発明の重合体粉末の製造方法は、異物のコンタミネーションをできるだけ抑えることが要求されるレジスト用重合体の製造に好適である。
例えば、「ポリマーハンドブック(Polymer Handbook)」、第4版、VII−497頁〜VII−545頁には、各種の重合体(Polymer)に対応する貧溶媒(Nonsolvents)が記載されている。
さらに、例えば、重合体がレジスト用アクリル系重合体の場合には、溶解度パラメーター(以下、単に「SP値」とも記す。)の値が、7.0(cal/cm3)1/2 〜9.0(cal/cm3) 1/2[14.3MPa1/2 〜18.5MPa1/2]、または11.5(cal/cm3) 1/2 〜23.4(cal/cm3) 1/2[23.5MPa1/2 〜47.9MPa1/2]の範囲である溶媒が、貧溶媒として好ましい。
溶媒のSP値は、例えば、「ポリマーハンドブック(Polymer Handbook)」、第4版、VII−675頁〜VII−711頁に記載の方法により求めることができ、具体的には、表1(VII−683頁)、表7〜8(VII−688頁〜VII−711頁)に記載されている。
貧溶媒が複数の溶媒の混合溶媒である場合のSP値は、公知の方法により求めることができる。例えば、混合溶媒のSP値は、加成性が成立するとして、各溶媒のSP値と体積分率との積の総和として求めることができる。
前記レジスト用アクリル系重合体の貧溶媒としては、例えば、メタノール、イソプロパノール、メチル−t−ブチルエーテル、水、n−ヘキサン、n−ヘプタン等が挙げられる。
(α)溶液重合法によって得られた重合体溶液を貧溶媒に注いで重合体を析出させて得られた重合体の分散液。
(β)乳化重合法によって得られたラテックス中の重合体を凝固させて得られた重合体スラリー。
(γ)懸濁重合法によって得られた重合体の懸濁液。
(δ)塊状重合によって得られた重合体を粉砕した後、分散媒に分散させた分散液。
(ε)(α)〜(δ)から回収された重合体を分散媒に再度、分散させた分散液。
減圧乾燥装置には、フィルターを通過した気体を流入させるための、開閉自在な気体流入口が設けられている。
フィルターとしては、セルロースアセテート、ナイロン、PP、PE、PVDF、PTFE等が挙げられる。また、フィルターの孔径は0.1〜1.0μmであり、0.2〜0.8μmが好ましく、0.2〜0.5μmがより好ましい。フィルターの孔径を上記範囲内とするととにより、気体をフィルターに通過させる際の負荷を低減し、また、気体に含まれる異物を除去できる。
ここで、フィルターの孔径とは、フィルターの網目の大きさのことであり、電子顕微鏡写真や、加圧時の気体流量等を用いて求めることができる。
(I)乾燥中に、フィルターを通過させた気体を減圧乾燥装置へ少量流入させる。
(II)乾燥終了後、減圧乾燥装置内を減圧から常圧に戻す(ブレイクする)際に、フィルターを通過させた気体を装置内へ流入させる。
操作(I)を行うと、装置内に発生する気流により重合体湿粉が乾燥しやすくなる。操作(I)で用いられる気体としては、乾燥窒素が挙げられる。気体の流入量は、0.01〜20L/分が好ましい。
操作(II)で用いられる気体としては、乾燥窒素や乾燥空気が挙げられる。
乾燥中の減圧乾燥装置内の圧力は、6〜13300Paが好ましい。
乾燥温度は20〜100℃が好ましい。
乾燥時間は2〜200時間が好ましい。
以下、レジスト用重合体の製造方法について、具体的に説明する。
レジスト用重合体は、例えば、以下の工程を経て製造される。
(a)単量体成分を重合する工程。
(b)重合体の分散液を得る工程。
(c)重合体の分散液を、フィルターを用いてろ過して重合体湿粉を製造する工程。
(d)得られた重合体湿粉を貧溶媒に分散させ、重合体の分散液を得る工程。
(e)重合体の分散液を、フィルターを用いてろ過して重合体湿粉を製造する工程。
(f)得られた重合体湿粉を乾燥させて粉体品を得る工程。
重合法としては、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法等の公知の重合方法が挙げられ、光線透過率を低下させないために、重合反応終了後に残存する単量体を除去する必要がある点、重合体の分子量を比較的低くする必要がある点から、溶液重合法が好ましい。溶液重合法のうち、製造ロットの違いによる平均分子量、分子量分布等のばらつきが小さく、再現性のある重合体が簡便に得られる点から、単量体成分を、所定の重合温度に加熱された重合容器中に滴下する滴下重合と呼ばれる重合方法が好ましい。
有機溶媒(以下、「仕込み溶媒」とも記す。)をあらかじめ重合容器に仕込んでもよく、仕込み溶媒をあらかじめ重合容器に仕込まなくてもよい。この場合、単量体成分または重合開始剤は、仕込み溶媒がない状態で重合容器中に滴下される。
重合開始剤は、単量体成分に溶解させてもよく、滴下溶媒に溶解させてもよい。
単量体成分および重合開始剤は、同じ貯槽内で混合した後、重合容器中に滴下してもよく;それぞれ独立した貯槽から重合容器中に滴下してもよく;それぞれ独立した貯槽から重合容器に供給する直前で混合し、重合容器中に滴下してもよい。
単量体成分および重合開始剤は、一方を先に滴下した後、遅れて他方を滴下してもよく、両方を同じタイミングで滴下してもよい。
滴下速度は、滴下終了まで一定であってもよく、単量体または重合開始剤の消費速度に応じて、多段階に変化させてもよい。
滴下は、連続的に行ってもよく、間欠的に行ってもよい。
図1に示す攪拌機12およびジャケットを有する調合槽10に原料(単量体成分、重合開始剤、溶媒等。)を注入し、攪拌機12で撹拌して単量体溶液を調製する。
攪拌機22、ジャケットおよびコンデンサ24を有する重合槽20に溶媒を注入し、一定温度に保持する。調合槽10の単量体溶液を重合槽20に供給し、一定温度に保持された溶媒中に滴下し、単量体成分を重合させ、重合体溶液を得る。
ラクトン骨格を有する単量体(1)は、環内にカルボニルオキシ基(−C(O)O−)を含む環状の飽和炭化水素基を有する単量体である。
ラクトン骨格を有する単量体としては、単量体(1−1)〜(1−29)が好ましい。
ただし、Rは、水素原子またはメチル基を表す。
分岐3級アルキル基、下記式で表されるアルキル置換炭化水素基(式中、R11は、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状アルキル基を表し、R12は、これが結合する炭素原子とともに炭化水素基を形成する基を表す。)、アルコキシアルキル基、−R13−O−R14−R15で表される基(式中、R13は、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状アルキレン基を表し、R14は、単結合、または炭素数1〜6の直鎖状または分岐状アルキレン基を表し、R15は、炭化水素基を表す。)、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等。
アルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、1−メトキシエチル基、エトキシメチル基、1−エトキシエチル基、イソプロポキシメチル基、1−イソプロポキシエチル基、シクロヘキソキシメチル基、1−シクロヘキソキシエチル基、シクロペントキシメチル基、1−シクロペントキシエチル基等が挙げられる。
単環性脂環式炭化水素基として、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられ、レジスト用重合体とした際に感度、解像度に優れる点から、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が好ましい。
多環性脂環式炭化水素基としては、例えば、架橋環式炭化水素基、スピラン系炭化水素基、環集合型炭化水素基等が挙げられる。具体例としては、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5 ]ドデシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基等が挙げられる。
酸脱離性基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、単量体(2−1)〜(2−28)が好ましい。ただし、RおよびR’は、水素原子またはメチル基を表す。
親水性基は、−C(CF3)2−OH、ヒドロキシ基、シアノ基、メトキシ基、カルボキシ基およびアミノ基からなる群から選択される少なくとも1種である。
親水性基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、単量体(3−1)〜(3−15)が好ましい。ただし、Rは、水素原子またはメチル基を表す。
非極性脂環式骨格を有する単量体(4)の量は、特に制限されないが、単量体成分(100モル%)中、20モル%以下の範囲が好ましい。非極性脂環式骨格を有する単量体(4)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて併用してもよい。
非極性脂環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタジエニルが挙げられる。該非極性脂環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルは、脂環式骨格上に炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基を有していてもよい。
非極性脂環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、単量体(4−1)〜(4−5)が好ましい。ただし、Rは、水素原子またはメチル基を表す。
2−メチル−2,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(1−(メタ)アクリロイルオキシ)エチルエーテル、1,4−ブタンジオールジ(1−(メタ)アクリロイルオキシ)メチルエーテル、(メタ)アクリロイルオキシエチレングリコールダイマー(1−(メタ)アクリロイルオキシ)エチルエーテル、(メタ)アクリロイルオキシエチレングリコールダイマー(1−(メタ)アクリロイルオキシ)メチルエーテル等の酸分解性基を有する多官能(メタ)アクリル酸エステル;
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−ヒドロキシスチレン、p−tert−ブトキシカルボニルヒドロキシスチレン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシスチレン、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシスチレン、p−tert−ぺルフルオロブチルスチレン、p−(2−ヒドロキシ−iso−プロピル)スチレン等の芳香族アルケニル化合物;
(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸およびカルボン酸無水物;
エチレン、プロピレン、ノルボルネン、テトラフルオロエチレン、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、塩化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、ビニルピロリドン;
単量体(5−1)〜(5−15)等が挙げられる。ただし、Rは、水素原子またはメチル基を表す。
本発明の製造方法で得られた重合体をArFエキシマレーザー(波長:193nm)リソグラフィー用途に使用する場合には、光線透過率(波長193nmの光に対する透過率)をできるだけ低下させない点から、重合開始剤としては、分子構造中に芳香環を有しないものを用いることが好ましい。
また、重合時の安全性等を考慮すると、重合開始剤は、10時間半減期温度が60℃以上のものが好ましい。
さらに、重合開始剤の使用量は、特に限定されないが、重合体の収率を高くさせる点から、単量体成分100モル部に対して0.3モル部以上が好ましく、1モル部以上がより好ましい。また、重合体の分子量分布を狭くさせる点から、単量体成分100モル部に対して30モル部以下が好ましい。
溶媒の量は、滴下溶媒および仕込み溶媒の合計量で、単量体成分(100質量部)に対して30〜700質量部が好ましい。
滴下重合法においては、溶媒を2種以上使用する場合、滴下溶媒および仕込み溶媒における溶媒の混合比は、任意の割合で設定できる。
調合槽20における単量体溶液の単量体濃度は、特に限定されないが、5〜50質量%の範囲内であることが好ましい。
仕込み溶媒の量は、特に限定されず、適宜決めればよい。通常は、単量体成分の全量100質量部に対して30〜700質量部の範囲内で使用することが好ましい。
連鎖移動剤の量は、単量体成分100モル部に対して1〜20モル部が好ましい。
また、重合時間は、1時間以上が好ましく、24時間以下が好ましい。
重合体の分散液を得る方法は、(a)工程の重合法により異なる。
溶液重合法(滴下重合法)の場合、得られた重合体溶液を貧溶媒に注いで重合体を析出させることによって前記(α)の分散液が得られる。
乳化重合法の場合、得られたラテックス中の重合体を酸析または塩析によって凝固させることによって前記(β)の重合体スラリーが得られる。
懸濁重合法の場合、得られた重合体の懸濁液がそのまま前記(γ)の懸濁液となる。
塊状重合法の場合、得られた重合体を粉砕した後、分散媒に分散させることによって前記(δ)の分散液が得られる。
図1に示す重合槽20の重合体溶液を、必要に応じて、良溶媒で適当な溶液粘度に希釈する。
攪拌機32およびジャケットを有する精製槽30に貧溶媒を注入する。重合槽20の希釈した重合体溶液を精製槽30に供給し、攪拌機32で撹拌しながら貧溶媒中に滴下し、重合体を析出させ、重合体の分散液を得る。
前記貧溶媒としては、前記レジスト重合体用の貧溶媒が挙げられる。
また、貧溶媒の量は、重合体溶液100質量部に対して300〜3000質量部が好ましい。
図1に示す精製槽30の重合体の分散液を、フィルター42を有する真空式ろ過器40に供給し、重合体の分散液を、フィルター42を用いてろ過して重合体湿粉を製造する。
なお、フィルター42としては、ろ布、ろ紙、ガラスフィルター、メンブレンフィルター、カートリッジフィルター、フェルト等が挙げられ、工業的にはろ布が好ましい。ろ布は、長繊維を織った布である。長繊維の材料としては、例えば、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン等の化学繊維、羊毛、木綿、セラミック、PTFE、ガラス、セルロース、炭素、アスベスト及びステンレス等の金属等が挙げられる。
フィルター42は、前ロットで用いたフィルターを洗浄したものであってもよく、一度もろ過に用いられていない新品のフィルターであってもよい。
真空式ろ過器の代わりに、加圧式ろ過器、重力式ろ過、圧搾式ろ過器、遠心分離機等を用いてもよいし、これらを併用してもよい。
図1に示す精製槽30に貧溶媒を注入する。(c)工程の真空式ろ過器40にて製造された重合体湿粉を精製槽30に投入し、攪拌機32で撹拌して貧溶媒に分散させ、重合体の分散液を得る。
貧溶媒としては、(b)工程にて用いた貧溶媒が挙げられる。
貧溶媒の量は、重合体溶液100質量部に対して300〜3000質量部が好ましい。
(c)工程と同様にして、重合体の分散液を、フィルター42を用いてろ過して重合体湿粉を製造する。
フィルター42としては、(c)工程で用いたフィルターをそのまま用いてもよく、(c)工程で用いたフィルターに代えて、フィルターを新たに用意し、これを用いてもよい。
(e)工程にて製造された重合体湿粉を、フィルターが52設けられた気体流入口54を有する減圧乾燥装置50に入れ、ポンプ106を作動させて減圧乾燥装置50内を減圧にし、重合体湿粉を乾燥させて、最終製品である重合体粉末を得る。乾燥中に、フィルター52を通して気体を少量流入させてもよい。また、減圧乾燥装置50内を加温してもよい。乾燥終了後は、減圧乾燥装置50内に、フィルター52を通して気体を流入させ常圧に戻す。尚、フィルターは、図2のように気体供給管54の途中に設けてもよい。
減圧乾燥装置50としては、間接加熱方式箱型乾燥装置(真空)、間接加熱方式箱型乾燥装置(凍結真空)、間接加熱方式撹拌乾燥装置(皿形、丸形、みぞ形)、間接加熱方式回転乾燥装置、間接過熱方式ドラム型乾燥装置、直接過熱方式箱型乾燥装置(並行、通気、流動層)、直接加熱方式トンネル型乾燥装置、直接加熱方式バンド型乾燥装置(並行、通気)、直接加熱方式シート乾燥装置、直接過熱方式多段円板乾燥装置、直接過熱方式縦型ターボ乾燥装置、直接過熱方式縦型通気乾燥装置、直接過熱方式回転乾燥装置(直接、通気)、直接加熱方式振動乾燥装置、直接加熱方式流動乾燥装置、直接加熱方式気流乾燥装置、直接加熱方式噴霧乾燥装置、直接加熱方式泡沫層乾燥装置、赤外線乾燥装置、高周波乾燥装置、超音波乾燥装置等が挙げられる。
中でもレジスト組成物として使用した際の感度、解像度が優れる点で間接加熱方式箱型乾燥装置(真空)が好ましい。
乾燥中の減圧乾燥装置50内の圧力は、6〜13300Paが好ましい。
乾燥温度は、20〜100℃が好ましい。
乾燥時間は、2〜200時間が好ましい。
本発明の製造方法で得られる重合体粉末の質量平均分子量は、レジスト用重合体の場合、1000以上が好ましく、また、1000000以下が好ましい。レジスト用重合体をポジ型レジスト組成物に用いる場合には、レジスト用重合体の質量平均分子量は、エッチング耐性およびレジストパターン形状の点から、1000以上が好ましく、2000以上であることがより好ましく、5000以上であることが特に好ましい。また、レジスト用重合体をポジ型レジスト組成物として用いる場合には、レジスト用重合体の質量平均分子量は、溶媒に対する溶解性および解像度の点から、100000以下であることが好ましく、50000以下であることがより好ましく、20000以下であることが特に好ましい。
本発明の製造方法で得られた重合体粉末の分子量分布(Mw/Mn)は、特に限定されないが、レジスト用重合体として用いる場合には、レジスト溶液に対する溶解性および解像度の点から、2.5以下が好ましく、2.3以下がより好ましく、2.0以下が特に好ましい。
溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン等の直鎖もしくは分岐鎖ケトン類;シクロペンタノン、シクロヘキサノン等の環状ケトン類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等のジエチレングリコールアルキルエーテル類;酢酸エチル、乳酸エチル等のエステル類;n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、シクロヘキサノール、1−オクタノール等のアルコール類;1,4−ジオキサン、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトン;ペンタン、2−メチルブタン、n−ヘキサン、2−メチルペンタン、2,2−ジブチルブタン、2,3−ジブチルブタン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、2,2,3−トリメチルペンタン、n−ノナン、2,2,5−トリメチルヘキサン、n−デカン、n−ドデカン等の炭素数5〜11の脂肪族炭化水素系溶媒などが挙げられる。これらの溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
溶媒としては、安全性が高く、汎用的に用いられている点から、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、シクロヘキサノン、γ―ブチロラクトンが好ましい。
光酸発生剤は、化学増幅型レジスト組成物の酸発生剤として用いることができるものの中から任意に選択することができる。光酸発生剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
光酸発生剤の量をこの範囲にすることにより、レジスト組成物の安定性が向上し、組成物を塗布する際の塗布むら、現像時のスカム等の発生が充分に少なくなる。
第2級低級脂肪族アミン、第3級低級脂肪族アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリペンチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。これらのうち、含窒素化合物としては、トリエタノールアミン等の第3級アルカノールアミンがより好ましい。
含窒素化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
有機カルボン酸としては、例えば、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸等が好ましい。
リンのオキソ酸、または、その誘導体としては、例えば、リン酸、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステル等のリン酸およびそれらのエステルのような誘導体;ホスホン酸、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステル等のホスホン酸およびそれらのエステルのような誘導体;ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸等のホスフィン酸およびそれらのエステルのような誘導体等が挙げられる。これらのうち、ホスホン酸が好ましい。
これらの化合物(有機カルボン酸、リンのオキソ酸、または、その誘導体)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
さらに、レジスト組成物には、必要に応じて、界面活性剤、前記含窒素化合物以外のクエンチャー、増感剤、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤等の各種添加剤を配合してもよい。これらの添加剤は、当該分野で公知のものであればいずれも用いることができる。また、これらの添加剤の添加量は、特に限定されず、適宜決めればよい。
まず、パターンを形成するシリコンウエハー等の被加工基板の表面に、レジスト組成物をスピンコート等により塗布する。そして、このレジスト組成物が塗布された被加工基板をベーキング処理(プリベーク)等で乾燥し、基板上にレジスト膜を形成する。
本発明者らは、重合体粉末への異物の混入を抑える検討を行った結果、乾燥中に流入させる気体および、ブレイクの際に流入する気体に含まれる異物が重合体粉末に混入することを突き止め、孔径が0.1〜1.0μmのフィルターを通過した気体を減圧乾燥装置内に流入させることとした。これにより、異物の少ない重合体粉末を製造できる。また、得られた重合体粉末を溶解させて得られるレジスト組成物をろ過する場合においては、ろ過の負荷が削減されるため、ろ過の時間を短縮できる。
尚、孔径が0.1〜1.0μmのフィルターを通過した気体を減圧乾燥装置内に流入させる場合、ブレイクの際の気体の流入の負荷が大きくなり、ブレイクに時間がかかるようになるが、気体をフィルターに通す場合の負荷は、液体をろ過する場合の負荷よりも小さいため、ブレイク時にフィルターを用いないことによるブレイク時間の短縮効果よりも、予め乾燥時に異物を取り除くことによる、レジスト組成物のろ過時間の短縮効果の方が大きい。
また、本発明のレジスト組成物は、本発明の製造方法によって得られた重合体を溶解して得られるため、含まれる異物が少ない。
<レジスト用重合体の製造>
(a)工程:
攪拌機およびジャケットを有する調合槽に、単量体(1−1)(ただし、Rはメチル基。)23.1質量部、単量体(2−10)(ただし、Rはメチル基。)26.7質量部、単量体(3−4)(ただし、Rはメチル基。)16.1質量部、乳酸エチル98.7質量部、および重合開始剤であるジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(和光純薬工業(株)製、V601)1.96質量部を注入し、撹拌して単量体溶液を調製した。
攪拌機およびジャケットを有する精製槽にメタノール1078質量部および水340質量部を注入した。重合槽の重合体溶液220質量部を精製槽に供給し、メタノールおよび水の混合溶液中に撹拌しながら滴下し、重合体を析出させ、重合体の分散液を得た。
精製槽の重合体の分散液を、フィルターを有する真空式ろ過器に供給し、重合体の分散液を、該フィルターを用いてろ過して重合体湿粉を製造した。
精製槽にメタノール1445質量部および水255質量部を注入した。真空式ろ過器にて製造された重合体湿粉140質量部を精製槽に投入し、攪拌機で撹拌してメタノールおよび水の混合溶液に分散させ、重合体の分散液を得た。
精製槽の重合体の分散液を、フィルターを有する真空式ろ過器に供給し、重合体の分散液を該フィルターを用いてろ過して重合体湿粉を製造した。フィルターとしては、(c)工程で用いたフィルターを洗浄することなくそのまま用いた。
製造した重合体湿粉を、孔径が0.2μmのフィルターが設けられた気体流入口を有する減圧乾燥装置(Vacumoven VO−400、アズワン製)に入れ、減圧乾燥装置内を減圧にし、乾燥温度60℃、乾燥時間36時間の条件で重合体湿粉を減圧乾燥させた。乾燥終了後、フィルターを通して乾燥窒素を減圧乾燥装置内に流入させ、常圧に戻し、最終製品である重合体粉末を得た。
得られた重合体粉末20mgを、5mLのテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、孔径0.5μmメンブランフィルターでろ過して試料溶液を調製した。この試料溶液を、東ソー(株)製ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)に導入し、質量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を測定した。また、質量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)から分子量分布(Mw/Mn)を求めた。結果を表1に示す。
分離カラムとしては、昭和電工(株)製、Shodex GPC K−805L(商品名)を3本直列にしたものを用い、溶媒としては、THF(流量1.0mL/min)を用い、検出器としては示差屈折計を用いた。測定条件は、測定温度40℃、注入量0.1mLであった。標準ポリマーとして東ソー製標準ポリスチレンF−80(Mw=706,000)、F−20(Mw=190,000)、F−4(Mw=37,900)、F−1(Mw=10,200)、A−2500(Mw=2,630)、A−500(Mw=682、578、474、370、260の混合物)を用いた。
得られた重合体粉末100質量部と、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート700質量部と、光酸発生剤であるトリフェニルスルホニウム2質量部とを混合して均一溶液とした後、孔径0.1μmのメンブランフィルターでろ過し、レジスト組成物を調製した。
得られたレジスト組成物20mgを5.0mLのTHFに溶解し、孔径0.5μmのフィルター(メンブレンフィルター)でろ過し、フィルター上に残った異物の個数(レジスト組成物20mg中の個数)を測定した。結果を表1に示す。
フィルターとして、孔径が表1に示す数値のフィルターを用いた以外は、参考例1と同様にして重合体粉末を製造し、レジスト組成物を調製した。得られた重合体粉末およびレジスト組成物を各々評価した。評価結果を表1に示す。
(a)工程で用いる単量体成分を、単量体(1−12)(ただし、Rは水素原子。)33.7質量部、単量体(2−2)(ただし、Rはメチル基。)37.7質量部、および単量体(3−7)(ただし、Rはメチル基。)19.7質量部に変更し;滴下溶媒をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート136.7質量部に変更し;仕込み溶媒をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート33.41質量部およびγ−ブチロラクトン42.5質量部の混合溶媒に変更し;重合開始剤であるジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(和光純薬工業(株)製、V601)の量を3.50質量部に変更し;(b)工程で用いる貧溶媒をメタノール1824質量部に変更し;(d)工程で用いる貧溶媒をメタノール1824質量部に変更し;(f)工程で用いるフィルターの孔径が表1に示す値のもの用いた以外は、参考例1と同様にして重合体粉末を製造し、レジスト組成物を調製した。得られた重合体粉末およびレジスト組成物を各々評価した。評価結果を表1に示す。
減圧乾燥装置内を減圧にし、フィルターを通した乾燥窒素0.1L/分で減圧乾燥装置に流入しながら重合体湿粉を減圧乾燥した以外は、参考例1と同様にして重合体粉末を製造し、レジスト組成物を調製した。得られた重合体粉末およびレジスト組成物を各々評価した。評価結果を表1に示す。
フィルターとして、孔径が表1に示す数値のフィルターを用いた以外は、参考例1と同様にして重合体粉末を製造し、レジスト組成物を調製した。得られた重合体およびレジスト組成物を各々評価した。評価結果を表1に示す。
フィルターを設置していない乾燥装置を用いた以外は、参考例1と同様にして重合体粉末を製造し、レジスト組成物を調製した。得られた重合体およびレジスト組成物を各々評価した。評価結果を表1に示す。
一方、比較例1のレジスト組成物には、多くの異物が含まれていた。これは重合体粉末の乾燥工程において、孔径が大きいフィルターを使用したため、充分に除去できなかった気体中の異物が重合体粉末に混入したことによる。比較例2のレジスト組成物についても同様の結果が得られた。これは、フィルターを用いずに乾燥したため、気体中の異物が取り除かれることなく重合体粉末へ混入したことによる。
Claims (4)
- 重合体が分散媒に分散した分散液をろ過して重合体湿粉を製造する工程と、減圧乾燥装置を用いて、得られた重合体湿粉を乾燥させる工程とを有し、前記減圧乾燥装置内に乾燥中および乾燥終了後に気体を流入させる際、孔径が0.1〜1.0μmのフィルターを通過した気体を流入させる重合体粉末の製造方法。
- 前記気体が乾燥窒素である、請求項1に記載の重合体粉末の製造方法。
- 請求項1または2に記載の重合体粉末の製造方法により得られた、重合体粉末。
- 請求項1または2に記載の重合体粉末の製造方法により得られた重合体粉末から得られた、レジスト組成物。
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