JP2012152962A - 印刷機診断装置、印刷機診断プログラム及び印刷機診断方法 - Google Patents

印刷機診断装置、印刷機診断プログラム及び印刷機診断方法 Download PDF

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Abstract

【課題】印刷機の不具合原因を特定することにより、メンテナンス時間を短縮することのできる印刷機診断装置等を提供することを課題とする。
【解決手段】複数のインキキーを備える印刷機を診断する印刷機診断装置であって、プリセット値と、所定の印刷品質が得られた際のインキキー開度設定値であるOKインキキー開度設定値との差分値に基づいて、印刷機の不具合原因を特定する印刷機診断装置とする。
【選択図】図13

Description

本発明は、印刷機の不具合原因を特定する印刷機診断装置等の技術分野に関する。
まず、図1及び図2を用いてオフセット印刷機について説明する。オフセット印刷機は印刷色分の印刷ユニットUを備えている(例えば、印刷色がCMYKの4色である場合には4台)。図1に示すように、印刷ユニットUは、インキキー1100、インキ元ローラ1200、インキが溜められるインキつぼ1300、及びチップ1500等からなるインキキー式のインキ供給装置を備えている。インキキー1100はブレード状の部材であり、図2に示すように印刷幅方向に複数(図2においては8つ)並置される。各インキキー1100は、チップ1500の上下の動作に従って矢印1110の方向に変位する。これに伴って、インキキー1100のインキ元ローラ1200に対する隙間量(インキキー開度1400)が変位する。これにより、インキキー1100(すなわち、インキキーによりインキが供給される領域)毎にインキ供給量を調整することができるようになっている。また、絵柄全体へのインキ供給量はインキ元ローラ1200の回転速度を変化させることにより調整することができる。このように、印刷ユニットUにおいては、インキキー開度1400、又はインキ元ローラ1200の回転速度を制御することによりインキ供給量を調整することができるようになっている。インキ供給装置から供給されたインキは、版胴、ブランケット胴を介して絵柄として紙に転写され印刷物となる。紙に付着する(盛られる)インキの厚み(膜厚)により光の吸収率が異なるため、印刷物の色調に違いがうまれる。したがって、インキ供給量(すなわち、インキキー開度1400とインキ元ローラ1200の回転速度)を制御することにより印刷物の色調を調整することができる。
インキキー開度1400の調整は、印刷機のオペレータがオペレータ端末よりインキキー開度設定値を変更することにより行われる。印刷機毎に、基準となるインキキー開度1400(零点と呼ぶ)が設定されており、インキキー開度1400を零点より広げる場合にはインキキー開度設定値として「+(プラス)」の値を設定し、一方、狭める場合には、「−(マイナス)」の値を設定すればよい。
オフセット印刷機においては、所望の印刷物を印刷するにあたり、本刷りを行う前に試し刷りと呼ばれる色合わせのための印刷が行われる。試し刷りは、オペレータが印刷物と色見本とを比較しながら所望の色調を得られるまで行われる。試し刷りが行われている間の印刷物は損紙として廃棄されるため、印刷用紙の無駄を削減するためにも試し刷りの量を極力少なくすることが望まれる。
そうした中、試し刷りを減らすための技術として、試し刷り開始時のインキキー開度設定値であるプリセット値と、所望の色調が得られた時のインキキー開度設定値であるOK値との差を小さくすることを目的とする技術が多く開示されている。具体的には、例えば、インキキー毎(具体的には、インキキーによりインキが供給される領域毎)に、CMYKの各印刷色の占める面積率(絵柄面積率)を算出し、算出した絵柄面積率と絵柄の基準濃度が得られるインキキー開度設定値の関係を実験的に求め、絵柄面積率に応じてプリセット値を求める技術が一般的に知られている。
また、特許文献1には、絵柄面積率とインキキー開度設定値との対応関係を示すインキキー開度特性線を参照し、絵柄面積率に基づいてインキキー開度設定値を個別にプリセットするインキキープリセット装置であって、インキキー毎に実際のOK値を所定回数分記録し、当該記録したOK値に基づいて新たなインキキー開度特性線を作成するインキキープリセット装置が開示されている。
しかしながら、これらの技術は印刷ユニットUが正常な状態で動作することが前提となっている。例えば、(1)インキキー1100の零点にずれが生じている場合、(2)隣り合うインキキー1100間(例えば、図2のBで示す部分)でインキが固着し、インキキー1100が動作不良を起こしている場合、(3)機械的要因(機構やギアのバックラッシュ、インクの固着等)により、同じインキキー開度設定値を設定してもインキキー1100間でインキキー開度1400が異なる場合、(4)インキ元ローラ1200とインキ呼出しローラ1210(図2参照)との軸がずれている場合などには、設定値通りにインキキー1100が動作せず、調整による試し刷りが増加する。そのため、印刷ユニットUに不具合が生じている場合には、すみやかに不具合原因を特定して適切なメンテナンスを行う必要がある。
これに対して、特許文献2には、絵柄面積率とインキキー開度データとの比を評価指標として記録し、過去と現在の指標を比較し、インキキーに不具合が生じた場合に警告する技術が開示されている。また、特許文献3には、印刷物の特性を特徴付ける色管理データを色管理データベースに蓄積し、印刷物の所定期間経過後における色管理データの変化量を診断条件と比較し、比較結果に基づいて印刷機の状態を診断する技術が開示されている。
特許第4395287号公報 特開2004−188959号公報 特開2004−195740号公報
しかしながら、上述した技術では、不具合原因を特定することができないため、メンテナンスに長時間を要する場合がある。本発明は、このような問題に鑑みて為されたもので、印刷機の不具合原因を特定することにより、メンテナンス時間を短縮することのできる印刷機診断装置等を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数のインキキーを備える印刷機を診断する印刷機診断装置であって、前記インキキー毎に、インキキー開度設定値のプリセット値を取得するプリセット値取得手段と、前記インキキー毎に、所定の印刷品質が得られた際のインキキー開度設定値であるOKインキキー開度設定値を取得するOK値取得手段と、前記プリセット値取得手段により取得されたプリセット値と、前記OK値取得手段により取得されたOKインキキー開度設定値との差分値を示す差分値情報を差分値記憶手段に記録する差分値記録手段と、前記差分値記憶手段に記憶された差分値情報の示す差分値に基づいて、前記印刷機の不具合原因を特定する診断手段と、を備えることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、プリセット値と、OKインキキー開度設定値との差分値に基づいて、印刷機の不具合原因を特定する。すなわち、印刷機で不具合が生じている場合に一定の傾向が現れる、オペレータによるインキキー開度設定値の変位量(インキキー開度操作量)に基づいて、印刷機の不具合原因を特定することができ、延いてはメンテナンス時間を短縮することができる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の印刷機診断装置であって、前記診断手段は、前記インキキー毎に、前記差分値記憶手段に記憶された直近所定件数分の前記差分値情報に基づいて差分値の平均値を算出し、当該算出した平均値を前記印刷機におけるインキキーの配列順に並べた際に当該平均値の集合から得られる直線の傾きが傾き警告判断値より大きい場合に、インキ元ローラの軸ずれが生じていることを前記不具合原因として特定することを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、インキ元ローラの軸ずれが生じている場合に現れる、インキキー毎に算出される差分値の平均値を印刷機におけるインキキーの配列順に並べた際に当該平均値の集合から得られる直線の傾きが傾き警告判断値より大きいという傾向に基づいて、インキ元ローラの軸ずれが生じているか否かを診断することができる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の印刷機診断装置であって、前記診断手段は、前記インキキー毎に前記蓄積された直近所定件数分の前記差分値情報に基づいて差分値の標準偏差及び平均値を算出し、当該標準偏差が零点ずれ量判断値以下であるインキキーの数が零点ずれ警告判断値以上であって、且つ、当該平均値の絶対値が零点不良判断値以上であるインキキーの数が零点不良警告判断値以上である場合に、前記インキキーの零点がずれていることを前記不具合原因として特定することを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、インキキーの零点がずれている場合に現れる、差分値の標準偏差が零点ずれ量判断値以下であるインキキーが零点ずれ警告判断値以上あり、且つ、差分値の平均値が零点不良判断値以上であるインキキーが零点不良警告判断値以上あるという傾向に基づいて、インキキーの零点にずれが生じているか否かを診断することができる。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載の印刷機診断装置であって、前記診断手段は、前記インキキー毎に前記蓄積された直近所定件数分の前記差分値情報に基づいて差分値の標準偏差を算出し、標準偏差が動作不良判断値を超えているインキキーが存在する場合には、当該インキキーに動作不良が生じていることを前記不具合原因として特定することを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、インキキーに動作不良が生じている場合に現れる、差分値の標準偏差が動作不良判断値を超えるという傾向に基づいて、インキキーに動作不良が生じているか否かを診断することができる。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか一項に記載の印刷機診断装置であって、前記診断手段により前記不具合原因が特定された場合に、当該不具合原因を提示して警告する警告手段、を更に備えることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、不具合原因が特定された場合に、当該不具合原因が提示・警告されるので、オペレータは容易に不具合原因を特定することができ、早急にメンテナンス作業に取りかかることができる。
また、請求項6に記載の発明は、複数のインキキーを備える印刷機を診断する印刷機診断装置に含まれるコンピュータを、前記インキキー毎に、インキキー開度設定値のプリセット値を取得するプリセット値取得手段、前記インキキー毎に、所定の印刷品質が得られた際のインキキー開度設定値であるOKインキキー開度設定値を取得するOK値取得手段、前記プリセット値取得手段により取得されたプリセット値と、前記OK値取得手段により取得されたOKインキキー開度設定値との差分値を示す差分値情報を差分値記憶手段に記録する差分値記録手段、前記差分値記憶手段に記憶された差分値情報の示す差分値に基づいて、前記印刷機の不具合原因を特定する診断手段、として機能させることを特徴とする印刷機診断プログラム。
また、請求項7に記載の発明は、複数のインキキーを備える印刷機を診断する印刷機診断装置により実行される印刷機診断方法であって、前記インキキー毎に、インキキー開度設定値のプリセット値を取得するステップと、前記インキキー毎に、所定の印刷品質が得られた際のインキキー開度設定値であるOKインキキー開度設定値を取得するステップと、前記取得されたプリセット値と、前記取得されたOKインキキー開度設定値との差分値を示す差分値情報を差分値記憶手段に記録するステップと、前記差分値記憶手段に記憶された差分値情報の示す差分値に基づいて、前記印刷機の不具合原因を特定するステップと、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、プリセット値と、OKインキキー開度設定値との差分値に基づいて、印刷機の不具合原因を特定する。すなわち、印刷機で不具合が生じている場合に一定の傾向が現れる、オペレータによるインキキー開度設定値の変位量(インキキー開度操作量)に基づいて、印刷機の不具合原因を特定することができ、延いてはメンテナンス時間を短縮することができる。
オフセット印刷機における印刷ユニットの略図である。 複数のインキキーとインキ元ローラの位置関係を説明するための略図である。 オフセット輪転印刷システムの概略構成を示す図である。 オペレータ端末の概要構成を示すブロック図である。 インキキー開度特性データの一例を示す図である。 インキキーに応じて画像を分割する際の一例を示す図である。 設定履歴データの一例を示す図である。 インキ元ローラの軸ずれが生じている様子を説明するための例図である。 インキ元ローラの軸ずれが生じている場合における、インキキー開度操作量の標準偏差と平均値を示したグラフの一例である。 インキキーの零点が開く方向にずれている場合における、インキキー開度操作量の標準偏差と平均値を示したグラフの一例である。 一部のインキキーが動作不良を起こしている場合における、インキキー開度操作量の標準偏差と平均値を示したグラフの一例である。 不具合原因特定テーブルの一例を示す図である。 オペレータ端末の制御部による印刷時処理の一例を示すフローチャートである。 (a)インキ元ローラの軸ずれ時の警告メッセージの一例である。(b)インキキーの零点ずれ時の警告メッセージの一例である。(c)インキキーの動作不良時の警告メッセージの一例である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、オフセット輪転印刷システムSにおいて本発明を適用した場合の実施形態である。なお、本実施形態において、オフセット輪転印刷システムSに含まれる印刷機が備える印刷ユニットについては、図1を用いて説明した印刷ユニットUと同様の構成を有するので、図1で用いた符号と同じ符号を用いて説明する。
図3は、本発明の一実施形態にかかるオフセット輪転印刷システムSの概略構成を示す図である。オフセット輪転印刷システムSは、印刷機Pとオペレータ端末1を含んで構成される。
印刷機Pは、多色刷りの印刷機であり、インキ色(C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック))ごとに、印刷ユニットU1〜U4が設けられている。基本的には、印刷ユニットU1がK、印刷ユニットU2がC、印刷ユニットU3がM、印刷ユニットU4がYに対応しているが、印刷する絵柄や色によっては各印刷ユニットUが担当する色が異なる場合もある。
各印刷ユニットUは、図1を用いて上述したように複数のインキキー1100とインキ元ローラ1200等からなるインキキー式のインキ供給装置を備えている。各印刷ユニットUの各インキキー1100にはそれぞれキーNOが振られており、キーNOが同じであるインキキー1100は紙面における同じ領域の印刷を行うようになっている。また、本実施形態に係る印刷機Pは両面印刷機のため、各印刷ユニットUは、紙の搬送経路を挟むように1対のブランケット胴(上胴、下胴)が備えられ、各ブランケット胴に対して版胴(上胴、下胴)及びインキ供給装置(上胴側、下胴側)が設けられている。
オペレータ端末1は、オペレータによる入力操作等に基づいて印刷機Pを制御するための印刷機制御情報を生成し、印刷機Pに送信する。印刷機制御情報には、各印刷ユニットUのインキキー1100の開度(すなわち、インキ供給量)を制御するためのインキキー開度設定値を示すインキキー開度制御情報や、インキ元ローラの回転速度を制御するための回転速度設定値を示す回転速度制御情報、引率(用紙搬送時の紙に引っ張り度合いを示す)を制御するための引率設定値を示す引率制御情報等が含まれる。
オペレータ端末1は、各印刷ユニットUにおけるインキキー1100毎に、絵柄面積率に応じてインキキー開度設定値(プリセット値)を規定したインキキー開度特性データに基づいてプリセット値を特定する。また、印刷機Pにおいて不具合が生じている場合には、オペレータがインキキー開度設定値を変位させた量(インキキー開度操作量)に一定の傾向が現れるとの視点に立ち、本実施形態のオペレータ端末1は、各インキキー1100に対するインキキー開度操作量を分析し、不具合が生じている原因を特定する。
次に、図4を用いて、本実施形態にかかるオペレータ端末1を構成する各部の構造及び機能について説明する。
図4は、本発明のオペレータ端末1の概要構成を示すブロック図である。図4に示すようにオペレータ端末1は、制御部11と、記憶部12と、表示部13と、操作部14と、印刷機Pとの通信を行うための通信部15と、を備えて構成されており、制御部11、記憶部12、表示部13、操作部14、通信部15はバスを介して相互に接続されている。
制御部11は、演算機能を有するCPU(Central Processing Unit)11a、ROM(Read Only Memory)11b、作業用のRAM(Random Access Memory)11c、及び図示しない発振回路等を備えて構成されており、操作部14からの操作信号に基づいて、当該操作信号に含まれている操作情報に対応する動作を実現すべく上記各構成部材を制御するための情報を生成し、バスを介して当該情報を該当する構成部材に出力して当該各構成部材の動作を統轄制御する。
また、制御部11は、記憶部12等に記憶された各種制御プログラムを実行することにより、本発明のプリセット値取得手段、OK値取得手段、差分値記録手段、診断手段及び警告手段として機能する。
記憶部12は、インキキー開度特性データ121、設定履歴データ122、不具合原因特定テーブル123及び各種設定情報等を記憶する。なお、記憶部12は、本発明の差分値記憶手段の一例である。
また、記憶部12は、本発明の印刷機診断プログラムを含む各種制御プログラムやデータ等を記憶する。各種プログラム等は、例えば、他のサーバ装置等からネットワークを介して取得されるようにしても良いし、記録媒体に記録されてドライブ装置を介して読み込まれるようにしても良い。すなわち、記憶部12に記憶される本発明の印刷機診断プログラムは、ネットワークを介して伝送可能であるし、また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して譲渡することが可能である。
表示部13は、液晶ディスプレイ等により構成され、製版データや、操作画面、設定画面等の各種画面を表示する。オペレータは、設定画面にて、インキキー開度設定値、インキ元ローラの回転速度の設定値、引率の設定値、紙情報(例えば、紙の種類、紙の幅、斤量など、紙に関する情報)、インキ情報(例えば、インキの種類など、インキに関する情報)、乾燥温度の設定値などを設定することができる。制御部11は、設定画面より設定された各種情報は記憶部12に記憶させるとともに、その一部の情報を制御情報として印刷機Pに送信する。また、製版データは、オペレータ端末1に接続されたプリンタにて出力することができるようになっている。
次に、図5及び図6を用いてインキキー開度特性データ121について説明する。図5に示すようにインキキー開度特性データ121は、絵柄面積率に対応するインキキー開度設定値(プリセット値)を特定するためのデータであり、本実施形態においては紙の種類毎に記憶部12に記憶されている。紙の種類毎にインキキー開度特性データ121を記憶させるのは、紙の種類によってインキの浸透率が異なり同量のインキで印刷した場合であっても色調が異なるためである。なお、インキの種類によっても色調が異なる場合があるので、更にインキの種類毎にインキキー開度特性データ121を設定することとしてもよい。
絵柄面積率とは、図6に示すように、製版データ200を印刷幅方向(ローラの軸方向)に分割して得られる分割領域200a〜200h毎に算出される値である。分割領域200a〜200hは、各インキキー1100に対応して設定される(図6は、各印刷ユニットUに8つのインキキーが設けられている場合の例である)。絵柄面積率は、各分割領域200a〜200hにおいて、対象の色が付される領域(絵柄領域)の占める割合である。対象の色とは、例えば、C(シアン)に対応する印刷ユニットUにおけるインキキー1100の場合であればC(シアン)となる。分割領域の数に4(C、M、Y、Kの4色)を乗算した数分(図6の例では、8領域×4色=32)の絵柄面積率が算出される。なお、絵柄面積率の算出方法は公知の算出方法を用いることができ、例えば、制御部11がデジタルの製版データから演算によって算出する算出方法を採用することができる。なお、オペレータ端末1の初期状態(出荷時)には実験的に求められたインキキー開度特性データ121が記録されている。
制御部11は、記憶部12に記憶された複数のインキキー開度特性データ121の中から、設定画面より設定された紙種に対応するインキキー開度特性データ121を選択し、この選択したインキキー開度特性データ121と、分割領域200a〜200h毎に算出される絵柄面積率とに基づいて、各インキキー1100のプリセット値を取得する。
次に、図7を用いて設定履歴データ122について説明する。まず、設定履歴データ122が記憶部12に記録されるまでの流れについて説明する。試し刷りにおいて、オペレータはプリセット値で所望の色調が得られなかった場合、オペレータ端末1よりインキキー開度設定値を変更して色調を調整する。そして、オペレータは所望の色調が得られたとき(「OK時」という)には、所定のOK操作(例えば、操作画面におけるOKボタンをクリックする操作)を行う。制御部11はOK操作を検出すると、設定履歴データ122を記憶部12に記憶させる。
図7に示すように、設定履歴データ122は条件情報とインキキー情報とからなる。条件情報は、OK時におけるインキ元ローラの回転速度の設定値、引率の設定値、紙情報(例えば、紙の種類、紙の幅、斤量)、インキ情報(例えば、インキの種類)、印刷機Pが設置されている室内の温度、乾燥温度の設定値などの情報からなる。一方、インキキー情報は、各印刷ユニットU(印刷ユニットNOで識別される)におけるインキキー1100毎の、絵柄面積率(インキキーに対応する分割領域200の絵柄面積率)、プリセット値、OK値、インキキー開度操作量(プリセット値とOK値の差分)などの情報からなる。なお、インキキー開度操作量はプリセット値とOK値の単純な差分値ではなく、「+」又は「−」の方向を持つ値、すなわち、オペレータがプリセット値から「+」或いは「−」の方向にどれだけインキキー開度設定値を変位させたかを示す値である。例えば、プリセット値が「+5」であり、OK値が「−5」である場合には、インキキー開度操作量は「−10」となり、また、プリセット値が「−5」であり、OK値が「+5」である場合には、インキキー開度操作量は「+10」となる。また、インキキー開度操作量は、プリセット値とOK値から算出することができるためインキキー情報に含めず、必要に応じてプリセット値とOK値とから算出することとしてもよい。
なお、設定履歴データ122は、記憶部12にて上書き更新されるのではなく蓄積される(蓄積件数に上限を設け、古いデータから削除することとしてもよい)。後述するように蓄積された設定履歴データ122はインキキー開度特性データ121を更新する際に用いられる。
次に、制御部11が、インキキー開度特性データ121を、記憶部12に蓄積された設定履歴データ122に基づいて更新する際の処理について説明する。インキキー開度特性データ121の更新は、絵柄面積率毎に行なわれる。例えば、直近に蓄積された設定履歴データ122に含まれる絵柄面積率が、4つの絵柄面積率5,15,20,40%のみであった場合には、インキキー開度特性データ121の更新は、絵柄面積率5,15,20,40%の部分についてのみ行なわれる。
ここで、インキキー開度特性データ121における絵柄面積率5%の部分を更新する場合について説明する。制御部11は、蓄積された設定履歴データ122の中から絵柄面積率が5%であった際のすべてのOK値(直近のOK値を含む)から得られる平均値が、絵柄面積率が5%である際のインキキー開度設定値(プリセット値)となるように、インキキー開度特性データ121を更新する。すなわち、制御部11は、絵柄面積率が同じである過去のOK値と直近のOK値の平均値に基づいて、インキキー開度特性データ121を更新する。なお、絵柄面積率を細かく(例えば、小数点以下まで)算出すると、同じ絵柄面積率の設定履歴データ122が重複する可能性が低いので、小数点以下は四捨五入するなどしてある程度の幅を持たせて絵柄面積率を算出するとよい。
次に、図8〜図12を用いて、各インキキー1100に対するインキキー開度操作量に基づく印刷機Pの診断方法について説明する。
[不具合原因1:インキ元ローラの軸ずれ]
図8に示すように、インキ元ローラ1200の軸がインキ呼出しローラ1210或いはインキキー1100とずれている場合がある。インキ元ローラ1200の軸ずれが生じている場合にはインキ供給量が偏るため、オペレータは供給量が多い部分1221についてインキキー開度1400を閉じるようにインキキー開度設定値を変更し、一方、供給量が少ない部分1222についてインキキー開度1400を開くようにインキキー開度設定値を変更する。この傾向を判定するために、制御部11は、まず、記憶部12に蓄積された直近所定件数分の設定履歴データ122より、各インキキー1100についてインキキー開度操作量の標準偏差と平均値を算出する。
図9は、インキ元ローラ1200の軸ずれが生じている場合における、インキキー開度操作量の標準偏差と平均値(図9では、キー操作量として示している)を示したグラフの一例である。なお、図9において、キーNO1、2、28、29のインキキー1100について標準偏差及び平均値が示されていないが、これは両端から2つ目までの部分には通常、絵柄がないため、解析の対象外としたことによるものである(図10、図11についても同様である)。
図9に示すように、インキ元ローラ1200の軸ずれが生じている場合には、両端部分に位置するインキキー1100の平均値が、一方では開く傾向になり、他方では閉じる傾向になる。そこで、制御部11は、こうした傾向が検出された場合には、インキ元ローラの軸ずれが生じていると診断する。この傾向の検出方法は、様々考えられるが、例えば、両端部分に位置するインキキー1100(図9ではキーNO3のインキキー、キーNO27のインキキー)の平均値を直線で結び、その直線の傾きが所定値以上である場合には、インキ元ローラ1200の軸ずれが生じていると診断することとができる。また、各インキキー1100のインキキー開度操作量の平均値を、最小二乗法を用いて一次関数で近似させた際の直線の傾きを算出し、算出した傾きが所定値以上である場合に、インキ元ローラ1200の軸ずれが生じていると診断することとしてもよい。
なお、「直線の傾きが所定値以上である場合」における所定値としては、例えば、「傾き警告判断値=1.0」というような値を任意に設定することができる。具体的な「傾き警告判断値」は、試験を繰り返して適正な値を設定することが好ましい。また、インキ元ローラの軸ずれが生じている可能性に応じて、例えば3段階の警告レベル(警告レベル「低」、警告レベル「中」、警告レベル「高」)毎に「傾き警告判断値」を規定し、オペレータによって選択された警告レベルに応じた「傾き警告判断値」を設定することとしてもよい。
[不具合原因2:インキキーの零点ずれ]
次に、インキキー1100の零点ずれが生じているか否かを診断する方法について説明する。インキキー1100の零点とは、印刷機種毎に設定されるインキキー1100とインキ元ローラ1200の基準となる距離(インキキー開度1400)である。インキキー1100の零点が、インキキー開度1400が開く方向にずれている場合には、零点がずれていない場合よりインキ供給量が多くなってしまい、一方、インキキー開度1400が閉じる方向にずれている場合には、零点がずれていない場合よりインキ供給量が少なくなってしまう。したがって、インキキー1100を適切に制御するためにはインキキー1100の零点がずれていないことが重要となる。
インキキー1100の零点がずれている箇所では、常にインキ供給量が多くなるか或いは少なくなるので、オペレータがインキキー開度設定値をプリセット値より小さく設定するか或いは大きく設定する傾向にある。この傾向を判定するために、制御部11は、まず、記憶部12に蓄積された直近所定件数分の設定履歴データ122より、各インキキー1100についてインキキー開度操作量の標準偏差と平均値を算出する。
図10は、インキキー1100の零点が開く方向にずれている場合における、インキキー開度操作量の標準偏差と平均値(図10では、キー操作量として示している)を示したグラフの一例である。図10に示すように、インキキー1100の零点がずれている場合には、標準偏差及び平均値が全体的に「+」の領域或いは「−」の領域に分布する傾向となる。そこで、制御部11は、こうした傾向が検出された場合には、インキキー1100の零点がずれていると診断する。この傾向の検出方法は、様々考えられるが、例えば、標準偏差が設定値以下であるインキキー1100の数が所定数以上であって、且つ、平均値の絶対値が設定値以上であるインキキー1100の数が所定数以上である場合には、インキキー1100の零点がずれていると診断することができる。
なお、「標準偏差が設定値以下であるインキキー1100の数が所定数以上」における設定値は「零点ずれ量判断値=10」というような値を任意に設定することができ、所定数としては「零点ずれ警告判断値=15」というような値を任意に設定することができる。また、「平均値の絶対値が設定値以上であるインキキー1100の数が所定数以上」における設定値は「零点不良判断値=10」というような値を任意に設定することができ、所定数としては「零点不良警告判断値=15」というような値を任意に設定することができる。具体的な「零点ずれ量判断値」、「零点ずれ警告判断値」、「零点不良判断値」、「零点不良警告判断値」は、試験を繰り返して適正な値を設定することが好ましい。また、インキキーの零点ずれが生じている可能性に応じて、例えば3段階の警告レベル(警告レベル「低」、警告レベル「中」、警告レベル「高」)毎に「零点ずれ量判断値」、「零点ずれ警告判断値」、「零点不良判断値」、「零点不良警告判断値」を規定し、オペレータによって選択された警告レベルに応じた「零点ずれ量判断値」、「零点ずれ警告判断値」、「零点不良判断値」、「零点不良警告判断値」を設定することとしてもよい。
[不具合原因3:インキキーの動作不良]
次に、インキキー1100に動作不良が生じているか否かを診断する方法について説明する。インキキー1100が動作不良を起こす原因としてはいくつか考えられる。例えば、隣り合うインキキー1100間(例えば、図2のBで示す部分)でインキが固着し、インキキー1100が動作不良を起こしている場合が考えられる。また、機械的要因(機構やギアのバックラッシュ、インクの固着等)により、同じインキキー開度設定値を設定してもインキキー1100間で動作量に違いが生じている場合が考えられる。このような場合、動作不良を起こしているインキキー1100については、オペレータが無理矢理にインキキー開度1400を調整しようとするため、「+」方向及び「−」方向、双方へのインキキー開度操作量が大きくなる傾向にある。この傾向を判定するために、制御部11は、まず、記憶部12に蓄積された直近所定件数分の設定履歴データ122より、各インキキー1100についてインキキー開度操作量の標準偏差と平均値を算出する。
図11は、一部のインキキー1100が動作不良を起こしている場合における、インキキー開度操作量の標準偏差と平均値(図11では、キー操作量として示している)を示したグラフの一例である。図11に示すように、動作不良を起こしているインキキー1100(図11においてはキーNO「18」〜「22」のインキキー1100)についてはインキキー開度操作量の標準偏差が大きくなる(キー操作量がばらつく)傾向となる。そこで、制御部11は、こうした傾向が検出された場合には、動作不良が生じているインキキー1100のキーNOを特定した上で、インキキー1100に動作不良が生じていると診断する。この傾向の検出方法は、様々考えられるが、例えば、各インキキー1100について標準偏差が設定値を超えているか判断し、標準偏差が設定値を超えているインキキー1100が存在する場合には、インキキー1100に動作不良が生じていると診断する(同時に動作不良が生じているインキキー1100のキーNOを特定する)。
なお、「標準偏差が設定値を超えているか」における設定値としては、「動作不良判断値=10」というような値を任意に設定することができる。具体的な「動作不良判断値」は、試験を繰り返して適正な値を設定することが好ましい。また、インキキーの動作不良が生じている可能性に応じて、例えば3段階の警告レベル(警告レベル「低」、警告レベル「中」、警告レベル「高」)毎に「動作不良判断値」を規定し、オペレータによって選択された警告レベルに応じた「動作不良判断値」を設定することとしてもよい。
[不具合原因特定テーブル]
上述したように、不具合原因はインキキー開度操作量の標準偏差や平均値から特定することができる。これをまとめたものが図12の不具合原因特定テーブル123である。不具合原因特定テーブル123は不具合原因毎に、標準偏差に関する条件と平均値に関する条件の少なくとも何れか一方を規定している。制御部11は、記憶部12に蓄積された設定履歴データ122を参照してインキキー開度操作量の標準偏差や平均値を算出し、算出した標準偏差や平均値と不具合原因特定テーブル123に規定された各条件とを比較することにより、不具合原因を特定するようになっている。
次に、図13のフローチャートを用いて、オペレータ端末1の制御部11による印刷時処理について説明する。なお、印刷時処理は、印刷ユニットU(すなわち、印刷色C、M、Y、K)毎に行われる。また、印刷時処理はオペレータによる試し刷り開始操作が検出されることにより開始する。
まず、オペレータ端末1の制御部11は、製版データに基づいて、インキキー1100毎に絵柄面積率を算出する(ステップS1)。次いで、制御部11は、インキキー1100毎に、ステップS1の処理で算出した絵柄面積率と、記憶部12に記憶されているインキキー開度特性データ121に基づいてプリセット値を取得する(ステップS2)。
次に、制御部11は、ステップS2の処理で取得した各インキキー1100のプリセット値を示すインキキー開度制御情報を含む試し刷り開始指示情報を印刷機Pに送信する(ステップS3)。これにより、印刷機Pは、受信した試し刷り開始指示情報に含まれるインキキー開度制御情報の示すプリセット値に従って、各インキキー1100のインキキー開度1400を制御して、試し刷りを行う。
次に、オペレータは、印刷機Pで試し刷りされた印刷物と、所望の色調が表された色見本とを比較する。このとき、オペレータは、印刷物の色調が所望の色調と一致すると判断した場合には、OK操作を操作部14より行う。一方、印刷物の色調が所望の色調と一致しないと判断した場合には、インキキー開度設定値を変更するインキキー1100のキーNOと、変更後のインキキー開度設定値を操作部14より入力する。オペレータは、印刷物の色調が所望の色調となるまでインキキー開度設定値(インキキー開度1400)の調整、及び試し刷りを繰り返す。
一方、オペレータ端末1の制御部11は、ステップS3の処理後、オペレータによるOK操作又はインキキー開度設定値の変更指示が入力されるまで待機している(ステップS4:NO、ステップS5:NO)。制御部11は、インキキー開度変更指示が入力されたと判定した場合には(ステップS5:YES)、入力されたキーNOで識別されるインキキー1100のインキキー開度設定値を、入力されたインキキー開度設定値に従って変更(設定)し(ステップS6)、再度、試し刷り開始指示情報を印刷機Pに送信する(ステップS3)。
また、制御部11は、OK操作が入力されたと判定した場合には(ステップS4:YES)、OK操作が入力された際の各インキキー1100のインキキー開度設定値(OK値)を取得する(ステップS7)。次いで、制御部11は、インキキー1100毎に、ステップS2の処理で取得したプリセット値と、ステップS7の処理で取得したインキキー開度設定値(OK値)の差分をインキキー開度操作量として算出する(ステップS8)。
次に、制御部11は、算出したインキキー開度操作量が所定の閾値より大きいか否かを判定する(ステップS9)。具体的には、インキキー開度操作量が所定の閾値より大きいインキキー1100の数が所定数以上あるか否かを判定する。この処理は、例外的なインキキー開度1400の調整操作が行われた場合については、設定履歴データ122を保存しないための処理である。例えば、印刷物の印刷依頼者から通常より濃い目の印刷をして欲しいなどの特別な依頼があった場合には、通常より大きなインキキー開度1400にて印刷を行うこととなるが、こういった例外的な調整操作が行われた場合については後述するステップS10〜ステップS13の処理を行わないようにしている。したがって、所定の閾値としては、例外的な調整操作であるか否かを判定できるような値が設定される。また、所定数も「1」や、全インキキー数の半分の数など、を任意に設定することができる。なお、ステップS9の条件を満たす場合のほか、オペレータが設定履歴データ122として保存すべきでないと判断し、操作部14より所定の除外操作を入力した場合にも、ステップS10〜ステップS13の処理を行わないようにしてもよい。このようにすることにより、例外的なインキキー開度操作量により誤って不具合原因が特定されてしまうことを防止できる。
制御部11は、インキキー開度操作量が所定の閾値より大きいと判定した場合には(ステップS9:YES)、印刷時処理を終了する。一方、制御部11は、インキキー開度操作量が所定の閾値より大きくないと判定した場合には(ステップS9:NO)、設定履歴データ122を記憶部12に登録する(ステップS10)。次に、制御部11は、記憶部12に記憶されている設定履歴データ122に基づいて診断処理を行う(ステップS11)。具体的には、制御部11は、上述したように「インキ元ローラの軸ずれ」(原因1)に関する診断処理、「インキキーの零点ずれ」(原因2)に関する診断処理、「インキキーの動作不良」(原因3)に関する診断処理をそれぞれ個別に行う。なお、「インキキーの動作不良」(原因3)については動作不良を起こしているインキキー1100のキーNOも特定する。
次に、制御部11は、診断処理(ステップS11)の結果、異常があったか否かを判定する(ステップS12)。制御部11は、異常がなかったと判定した場合には(ステップS12:NO)、印刷時処理を終了する。一方、制御部11は、異常があったと判定した場合には(ステップS12:YES)、警告処理を行う(ステップS13)。具体的には、制御部11は、診断処理の結果、「インキ元ローラの軸ずれ」(原因1)の異常があった場合には、図14(a)に示すように、インキ元ローラ1200の軸がずれている可能性を示唆する警告メッセージを表示部13に表示させる。また、制御部11は、診断処理の結果、「インキキーの零点ずれ」(原因2)の異常があった場合には、図14(b)に示すように、インキキー1100の零点がずれている可能性を示唆する警告メッセージを表示部13に表示させる。また、制御部11は、診断処理の結果、「インキキーの動作不良」(原因3)の異常があった場合には、図14(c)に示すように、動作不良の可能性のあるインキキー1100のキーNOとともに、インキキー1100が動作不良を起こしている可能性を示唆する警告メッセージを表示部13に表示させる。制御部11は、ステップ13の処理を終えると、印刷時処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態のオペレータ端末1の制御部11は、インキキー1100毎に、インキキー開度設定値のプリセット値と、所定の印刷品質が得られた際のインキキー開度設定値であるOK値(本発明の「OKインキキー開度設定値」の一例)を取得し、プリセット値とOK値との差分値であるインキキー開度操作量を記憶部12に記録する。また、制御部11は、記憶部12に記憶されたインキキー開度操作量に基づいて、印刷機Pの不具合原因を特定する。すなわち、印刷機Pで不具合が生じている場合に一定の傾向が現れる、インキキー開度操作量に基づいて、印刷機Pの不具合原因を特定することができ、延いてはメンテナンス時間を短縮することができる。
また、オペレータ端末1の制御部11は、インキキー1100毎に、記憶部12に記憶された直近所定件数分のインキキー開度操作量に基づいてインキキー開度操作量の平均値を算出し、当該算出した平均値を印刷機Pにおけるインキキー1100の配列順に並べた際に当該平均値の集合から得られる直線が所定の傾き(傾き警告判断値)より大きい場合に、インキ元ローラ1200の軸ずれが生じていることを不具合原因として特定する。これにより、インキ元ローラ1200の軸ずれが生じている場合に現れる、インキキー1100毎に算出されるインキキー開度操作量の平均値を印刷機Pにおけるインキキー1100の配列順に並べた際に当該平均値の集合から得られる直線が所定の傾きより大きいという傾向に基づいて、インキ元ローラ1200の軸ずれが生じているか否かを診断することができる。
また、オペレータ端末1の制御部11は、インキキー1100毎に、記憶部12に記憶された直近所定件数分のインキキー開度操作量に基づいてインキキー開度操作量の標準偏差及び平均値を算出し、当該標準偏差が設定値(零点ずれ量判断値)以下であるインキキーの数が所定数(零点ずれ警告判断値)以上であって、且つ、当該平均値の絶対値が設定値(零点不良判断値)以上であるインキキーの数が所定数(零点不良警告判断値)以上である場合に、前記インキキーの零点がずれていることを不具合原因として特定する。これにより、インキキー1100の零点がずれている場合に現れる、インキキー開度操作量の標準偏差が設定値以下であるインキキーが所定数以上あり、且つ、インキキー開度操作量の平均値が設定値以上であるインキキーが所定数以上あるという傾向に基づいて、インキキー1100の零点にずれが生じているか否かを診断することができる。
また、オペレータ端末1の制御部11は、インキキー1100毎に、記憶部12に記憶された直近所定件数分のインキキー開度操作量に基づいてインキキー開度操作量の標準偏差を算出し、標準偏差が設定値(動作不良判断値)を超えているインキキー1100が存在する場合には、当該インキキー1100に動作不良が生じていることを不具合原因として特定する。これにより、インキキー1100に動作不良が生じている場合に現れる、インキキー開度操作量の標準偏差が設定値を超えるという傾向に基づいて、インキキー1100に動作不良が生じているか否かを診断することができる。
また、オペレータ端末1の制御部11は、不具合原因が特定された場合に、当該不具合原因を提示して警告する。これにより、不具合原因が特定された場合に、当該不具合原因が提示・警告されるので、オペレータは容易に不具合原因を特定することができ、早急にメンテナンス作業に取りかかることができる。
なお、本実施形態においてインキ元ローラの軸ずれ(不具合原因1)について診断する場合には、制御部11が記憶部12に蓄積された直近所定件数分の設定履歴データ122より、各インキキー1100についてインキキー開度操作量の平均値を算出し、インキ元ローラの軸ずれに対応する条件(平均値から算出される直線が所定の傾き以上であるかという条件)を満たしているかを判定することとしたが、平均値を算出する代わりに、直近1件分の設定履歴データ122(すなわち、最新の設定履歴データ122)より各インキキー1100のインキキー開度操作量を取得し、当該取得したインキキー開度操作量から直線を算出し、所定の傾き以上であるかという条件を判定することとしてもよい。
1 オペレータ端末
11 制御部
12 記憶部
121 インキキー開度特性データ
122 設定履歴データ
123 不具合原因特定テーブル
13 表示部
14 操作部
15 通信部
P 印刷機
U1〜U4 印刷ユニット
1100 インキキー
1200 インキ元ローラ
1300 インキつぼ
1400 インキキー開度
S オフセット輪転印刷システム

Claims (7)

  1. 複数のインキキーを備える印刷機を診断する印刷機診断装置であって、
    前記インキキー毎に、インキキー開度設定値のプリセット値を取得するプリセット値取得手段と、
    前記インキキー毎に、所定の印刷品質が得られた際のインキキー開度設定値であるOKインキキー開度設定値を取得するOK値取得手段と、
    前記プリセット値取得手段により取得されたプリセット値と、前記OK値取得手段により取得されたOKインキキー開度設定値との差分値を示す差分値情報を差分値記憶手段に記録する差分値記録手段と、
    前記差分値記憶手段に記憶された差分値情報の示す差分値に基づいて、前記印刷機の不具合原因を特定する診断手段と、
    を備えることを特徴とする印刷機診断装置。
  2. 請求項1に記載の印刷機診断装置であって、
    前記診断手段は、前記インキキー毎に、前記差分値記憶手段に記憶された直近所定件数分の前記差分値情報に基づいて差分値の平均値を算出し、当該算出した平均値を前記印刷機におけるインキキーの配列順に並べた際に当該平均値の集合から得られる直線の傾きが傾き警告判断値より大きい場合に、インキ元ローラの軸ずれが生じていることを前記不具合原因として特定することを特徴とする印刷機診断装置。
  3. 請求項1又は2に記載の印刷機診断装置であって、
    前記診断手段は、前記インキキー毎に前記蓄積された直近所定件数分の前記差分値情報に基づいて差分値の標準偏差及び平均値を算出し、当該標準偏差が零点ずれ量判断値以下であるインキキーの数が零点ずれ警告判断値以上であって、且つ、当該平均値の絶対値が零点不良判断値以上であるインキキーの数が零点不良警告判断値以上である場合に、前記インキキーの零点がずれていることを前記不具合原因として特定することを特徴とする印刷機診断装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項に記載の印刷機診断装置であって、
    前記診断手段は、前記インキキー毎に前記蓄積された直近所定件数分の前記差分値情報に基づいて差分値の標準偏差を算出し、標準偏差が動作不良判断値を超えているインキキーが存在する場合には、当該インキキーに動作不良が生じていることを前記不具合原因として特定することを特徴とする印刷機診断装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の印刷機診断装置であって、
    前記診断手段により前記不具合原因が特定された場合に、当該不具合原因を提示して警告する警告手段、
    を更に備えることを特徴とする印刷機診断装置。
  6. 複数のインキキーを備える印刷機を診断する印刷機診断装置に含まれるコンピュータを、
    前記インキキー毎に、インキキー開度設定値のプリセット値を取得するプリセット値取得手段、
    前記インキキー毎に、所定の印刷品質が得られた際のインキキー開度設定値であるOKインキキー開度設定値を取得するOK値取得手段、
    前記プリセット値取得手段により取得されたプリセット値と、前記OK値取得手段により取得されたOKインキキー開度設定値との差分値を示す差分値情報を差分値記憶手段に記録する差分値記録手段、
    前記差分値記憶手段に記憶された差分値情報の示す差分値に基づいて、前記印刷機の不具合原因を特定する診断手段、
    として機能させることを特徴とする印刷機診断プログラム。
  7. 複数のインキキーを備える印刷機を診断する印刷機診断装置により実行される印刷機診断方法であって、
    前記インキキー毎に、インキキー開度設定値のプリセット値を取得するステップと、
    前記インキキー毎に、所定の印刷品質が得られた際のインキキー開度設定値であるOKインキキー開度設定値を取得するステップと、
    前記取得されたプリセット値と、前記取得されたOKインキキー開度設定値との差分値を示す差分値情報を差分値記憶手段に記録するステップと、
    前記差分値記憶手段に記憶された差分値情報の示す差分値に基づいて、前記印刷機の不具合原因を特定するステップと、
    を含むことを特徴とする印刷機診断方法。
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