JP2012152867A - 切削インサートおよび刃先交換式切削工具 - Google Patents

切削インサートおよび刃先交換式切削工具 Download PDF

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Abstract

【課題】1種類の切削インサートによって分断された切屑を生成する切削が可能で、不要な凹凸部を設けずとも使用する切刃を間違えてインサート取付座に取り付けられるのを防ぐ。
【解決手段】刃先交換式切削工具の工具本体に形成されたインサート取付座にクランプネジによって着脱可能に取り付けられて切刃を構成する切削インサートであって、インサート本体1のすくい面2と逃げ面3との交差稜線部に複数の切刃4が形成され、すくい面2にはクランプネジが挿通される貫通孔7が開口させられ、逃げ面には、インサート取付座の取付座壁面に当接させられる当接部が、すくい面2に交差する方向に延びるインサート中心線Cに関して回転対称とされた複数のインサート輪郭面Pに沿うように形成される一方、切刃4と貫通孔7とはインサート中心線Cに関して非回転対称とされる。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば刃先交換式のラフィングエンドミルのような切削工具の切刃を構成する切削インサート、および該切削インサートを取り付けた刃先交換式切削工具に関するものである。
このような刃先交換式のエンドミルとして、例えば特許文献1には、切刃の異なる位置にニックが形成された複数種の切削インサートと、これらの切削インサートが取り付けられるインサート取付座との双方に、相互に対応する凸部と凹部とを、複数種の切削インサート間で異なる位置に形成し、これら凸部と凹部とを相互に嵌合した状態で切削インサートを取り付けることにより、複数種の切削インサートの取付間違いを防止してワークの仕上げ面にニック形状が転写されることがないようにしたものが提案されている。
特開平7−299633号公報
しかしながら、このように切削インサートとインサート取付座の双方に凹凸部を形成したものでは、切削インサート側に凹部を形成したときには、ただでさえニックが形成されていることによって低下したインサート強度がさらに損なわれることになり、切削中にインサートが割損したりするおそれがある。また、切削インサートに凸部を形成した場合でも、この凸部自体が破損してインサート取付座の凹部に残されてしまい、切削インサートの交換に支障を来すおそれがある。
そして、さらに特許文献1に記載されたエンドミルでは、切刃の異なる位置にニックが形成された複数種の切削インサートが必要となるため、例えばこれらの切削インサートを超硬合金等の焼結合金により形成する場合には、焼結前の圧粉体をプレス成形する金型も複数種必要となって切削インサートのコスト高を招くとともに、切削インサートの管理も煩雑になる結果となる。
本発明は、このような背景の下になされたもので、1種類の切削インサートによって例えばラフィング切削やニック付き切刃による分断された切屑を生成するような切削が可能であり、しかも相互に嵌合する凹凸部を設けたりせずとも使用する切刃を間違えてインサート取付座に取り付けられることも防ぐことが可能な切削インサート、および該切削インサートを取り付けた刃先交換式切削工具を提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明の切削インサートは、刃先交換式切削工具の工具本体に形成されたインサート取付座にクランプネジによって着脱可能に取り付けられて該刃先交換式切削工具の切刃を構成する切削インサートであって、インサート本体のすくい面と逃げ面との交差稜線部に複数の上記切刃が形成されており、上記すくい面には上記クランプネジが挿通される貫通孔が開口させられ、上記逃げ面には、上記インサート取付座の取付座壁面に当接させられる当接部が、上記すくい面に交差する方向に延びるインサート中心線に関して回転対称とされた複数のインサート輪郭面に沿うように形成されている一方、上記切刃と貫通孔とは上記インサート中心線に関して非回転対称とされていることを特徴とする。
また、本発明の刃先交換式切削工具は、軸線回りに回転される上記工具本体に複数種の上記インサート取付座が形成され、これらのインサート取付座は、上記軸線回りの回転軌跡において、上記取付座壁面の位置は互いに一致させられる一方、上記クランプネジがねじ込まれるクランプネジ孔の位置は異なるようにされており、これらのインサート取付座に、それぞれ同形同大の上記構成の切削インサートが、互いに異なる上記インサート輪郭面に形成された上記当接部を上記取付座壁面に当接させて、上記貫通孔に挿通された上記クランプネジが上記クランプネジ孔にねじ込まれることにより取り付けられていることを特徴とする。
上述のような切削インサートによって、例えばラフィング切削やニック付き切刃による分断された切屑を生成するような切削を行うには、上記逃げ面に上記インサート輪郭面に対して凹んだ凹部を形成して、上記切刃は、上記すくい面に対向する方向から見たときに凹凸形状をなし、かつ上記インサート本体を上記インサート中心線回りに回転させて複数の上記インサート輪郭面同士を一致させたときの軌跡では該切刃の凹凸の位相がずらされるように形成すればよい。
このような切削インサートを取り付けた上記刃先交換式切削工具では、複数種の上記インサート取付座に取り付けられた同形同大すなわち1種類の切削インサート間で、インサート取付座の取付座壁面に当接させられる当接部が沿うインサート輪郭面が異なり、従って切削に使用される切刃の逃げ面に形成された当接部が沿うインサート輪郭面も異なるものとなる。
そして、これらのインサート輪郭面はインサート中心線に関して回転対称でも、切削に使用される切刃同士はインサート中心線に関して非対称とされていて、例えば上述のように切刃を凹凸形状としたときにはインサート中心線回りの軌跡において凹凸の位相がずらされ、従って工具本体を軸線回りに回転させたときの回転軌跡においても凹凸の位相がずらされることになるので、複数種のインサート取付座に取付けられた1種類の切削インサートによって被削材に凹部の形状を転写させることなく、分断された切屑を生成する切削を行うことが可能となる。
その一方で、当接部が沿うように形成されるインサート輪郭面自体はインサート中心線回りに回転対称に形成されているので、インサート本体は、複数種のインサート取付座のいずれにもその取付座壁面に当接部を当接させて着座させることは可能であるが、クランプネジが挿通される貫通孔がインサート中心線に関して非回転対称とされているので、こうして着座させた状態でこの貫通孔とクランプネジ孔の位置が一致したインサート取付座にしか取り付けることができない。
従って、複数種の上記インサート取付座間で、異なるインサート輪郭面に沿った当接部が取付座壁面に当接したときに貫通孔の位置と一致するように、工具本体の軸線回りの回転軌跡におけるクランプネジ孔の位置を異なるように形成しておけば、切刃を凹凸形状に形成するための凹部以外に不要な凹凸部を形成したりすることなく、切削インサートの取付間違いが生じるのを防ぐことができ、これらのインサート取付座に取り付けられた切削インサート間で確実に上述のように切削に使用される切刃の凹凸の位相をずらしたりすることが可能となる。
ここで、上記貫通孔は、インサート中心線に関して非対称とされていて、すなわちこのインサート中心線と同軸でなければ1つであってもよいが、インサート本体に複数の貫通孔をインサート中心線からの距離が異なるように形成すれば、たとえこれらの貫通孔の中心線がすくい面に対向する方向から見たときにインサート中心線と一直線上にあってもインサート中心線に関して非対称とすることができ、切削インサートの取付安定性の向上を図ることができる。
以上説明したように、本発明によれば、インサート本体に不要な凹凸部を形成したりすることなく切削インサートの取付間違いを防ぐことができて、インサート本体の損傷を防ぐことができるとともに、インサート中心線に関して非回転対称に形成された切刃を、複数種のインサート取付座に取り付けた切削インサート同士で切削に使用することにより、1種類の切削インサートによって低コストで、しかしながら被削材に凹部の形状を転写させることなく分断された切屑を生成する切削を行ったりすることが可能となり、また切削インサートの管理も容易となる。
本発明の切削インサートの一実施形態を示す斜視図である。 図1に示す切削インサートをすくい面に対向する方向から見た平面図である。 図2における矢線A方向視の側面図である。 図2における矢線B方向視の側面図である。 図2における矢線C方向視の側面図である。 図2における矢線D方向視の側面図である。 図1に示す実施形態の切削インサートを取り付けた本発明の刃先交換式切削工具(ラフィングラジアスエンドミル)の一実施形態を示す斜視図である。 図7に示す実施形態の底面図である。 図8における矢線E方向視の側面図である。 図8における矢線F方向視の側面図である。 図7に示した実施形態のインサート取付座において図1に示した切削インサートをインサート中心線回りに回転させたときの一対の切刃および貫通孔とクランプネジ孔との位置関係を示す図である。
図1ないし図6は、本発明の切削インサートの一実施形態を示すものであり、図7ないし図10は、この実施形態の切削インサートを取り付けた本発明の刃先交換式切削工具の一実施形態であるラフィングラジアスエンドミルを示すものである。本実施形態の切削インサートは、超硬合金等の硬質材料により形成された縦長平板状のインサート本体1を備え、このインサート本体1の厚さ方向(図3ないし図6における上下方向)を向く一方の平板面がすくい面2とされるとともに、このすくい面2の周りに配置される側面が逃げ面3とされ、これらすくい面2と逃げ面3との交差稜線部に切刃4が形成されている。
この切刃4は、上述のように刃先交換式のラジアスエンドミルの切刃とされるため、その基本形状は、すくい面2に対向する方向から見て図2に破線で示すように略1/4円弧状をなすコーナ刃4aと、このコーナ刃4aの一端に接するようにしてインサート本体1の長手方向(図2における上下方向)に直線状に延びる外周刃4bとから構成される。このような切刃4の基本形状をすくい面2との交差稜線に形成する逃げ面3に沿った面をインサート輪郭面Pとして、本実施形態では一対のインサート輪郭面Pが、すくい面2の中央に位置して上記厚さ方向に延びるインサート中心線Cに関して180°回転対称に設けられており、従って切刃4も一対形成される。
ただし、本実施形態の切削インサートの切刃4は、ラフィングエンドミルの切刃でもあるため、逃げ面3には上記インサート輪郭面Pから凹む凹部5が、上記厚さ方向にはすくい面2から反対側の着座面6に達するように、またインサート中心線C回りの周方向には略等間隔をあけて複数形成され、これにより切刃4はすくい面2に対向する方向から見て図2に示すような凹凸形状をなすことになる。従って、切刃4は、この凹凸形状のうち凸部のみが切削に関与することになり、切屑は凹部5において分断されて生成される。
そして、本実施形態では、インサート本体1を上記インサート中心線C回りに180°回転させて一対のインサート輪郭面P同士を一致させたときの軌跡では、図11に示すように一対の切刃4における凹凸の位相がずらされるように形成されている。すなわち、こうしてインサート本体1を上述のように回転対称となる角度だけ回転させたとき、一方の切刃4の凹部5に他方の切刃4の凸部が重なって、略1/4円弧とその一端に接する直線よりなる連続した切刃4の上記基本形状が形成されるようにされている。従って、これらの切刃4は、インサート中心線Cに関して非回転対称とされている。
なお、本実施形態では、凹部5は、本実施形態では上記厚さ方向に直交する断面が凹円弧等の凹曲線状をなすようにされており、ただし凹凸形状の凸部となる部分との境界は半径の小さな断面凸円弧をなすようにされている。また、これらの凹部5は、本実施形態では例えば図2において右側に延びる一方の切刃4の凹部5が、左側に延びる他方の切刃4の凹部5よりも、該凹部5の断面がなす凹曲線の曲率半径が大きく、また数も多くされている。
一方、インサート本体1には、当該インサート本体1を上記厚さ方向に貫通してすくい面2および着座面6に開口する貫通孔7が形成されている。本実施形態では、図2に示すように同形同大の一対の貫通孔7がすくい面2に対向する方向から見てインサート中心線Cを間にして上記長手方向に並ぶように形成されている。そして、これらの貫通孔7も、切刃4と同様に、インサート本体1を複数のインサート輪郭面Pが一致するように回転対称となる角度だけインサート中心線C回りに回転させたとき、該インサート中心線Cに関して非回転対称となるようにされている。
すなわち、本実施形態では、図2に示すようにこれら複数の貫通孔7は、その中心線がインサート中心線Cと上記長手方向に一直線上に並ぶように配設されているものの、これらの貫通孔7の中心線とインサート中心線Cとの距離L、Mが例えばL>Mと異なるようにされており、これにより図11に示すようにインサート本体1をインサート中心線C回りに180°回転させたとき、貫通孔7同士の位置がずれて非回転対称となるようにされている。ここで、図11において二点鎖線で示してあるのは後述するクランプネジ孔である。
なお、本実施形態の切削インサートは、上記逃げ面3が凹部5も含めてすくい面2から着座面6側に向かうに従い漸次後退するように傾斜して、切刃4に予め逃げ角が付されたポジティブインサートとされ、従って上記インサート輪郭面Pも傾斜することになる。また、着座面6は全体が上記厚さ方向に垂直な平面とされているのに対し、すくい面2は、凹部5も含めて切刃4に沿った周縁部に内周側に向かうに従い上記厚さ方向に漸次後退するポジ面が形成され、このポジ面よりも内周の上記貫通孔7の開口部を含む部分が上記厚さ方向に垂直な平面とされている。ただし、この平面には、図2にA、Bと示されたようなインサート本体1の向きを表す指標8が、互いに反対向きに示されている。
また、切刃4は、一対の切刃4ともに、上記コーナ刃4aの部分では、図5および図6に示すように上記厚さ方向に垂直な平面上に延び、このコーナ刃4aの上記一端側から外周刃4bにかけては図3および図4に示すように上記厚さ方向に凸曲しつつ該厚さ方向に漸次後退するように形成されている。さらに、切刃4のコーナ刃4aの他端とこれに隣接する切刃4の外周刃4bとの間の部分は、上記厚さ方向にはコーナ刃4aの他端から外周刃4bに向けて漸次後退し、またすくい面2に対向する方向から見たときにはこれらのコーナ刃4aと外周刃4bとに鈍角に交差するように面取りされている。
このような切削インサートが取り付けられる本実施形態の刃先交換式切削工具であるラフィングラジアスエンドミルは、図7ないし図10に示すようにその工具本体11が軸線Oを中心とした概略円筒状をなしており、この工具本体11の後端部(図9および図10において上側部分)が工作機械の主軸に取り付けられることにより、軸線O回りに工具回転方向Tに回転されつつ、該軸線Oに交差する方向に送り出されて、被削材に切削加工を施してゆく。
工具本体11の先端部外周には、周方向に等間隔に複数(本実施形態では偶数の4つ)のチップポケット12が形成されており、これらのチップポケット12の工具回転方向Tを向く壁面12aに、上記実施形態の切削インサートが取り付けられるインサート取付座13が、やはり周方向に等間隔にそれぞれ形成されている。これらのインサート取付座13は、上記壁面12aから工具回転方向Tの後方側に一段凹むようにして工具本体11の先端外周部に開口するものであり、工具回転方向Tを向く取付座底面13aと、この取付座底面13aからチップポケット12の上記壁面12aに向けて延びる取付座壁面13bとにより形成されている。
本実施形態では、上記取付座底面13aは軸線Oに平行な平面状とされ、該取付座底面13aには上述したクランプネジ孔13cが一対、インサート本体1の上記一対の貫通孔7の中心線間の間隔L+Mと等しい中心線間の間隔で軸線O方向に並ぶように形成されている。また、取付座壁面13bは、工具本体11の先端から後端側に向けては、該工具本体11の外周側を向いて軸線Oに平行に延びた後に、1/4凹円弧を描くように湾曲して外周側に切れ上がって工具本体11の外周面に達するように形成されている。
また、この取付座壁面13bは、取付座底面13a側から上記壁面12a側に向けては、インサート本体1の着座面6に対する逃げ面3の傾斜に合わせて漸次後退するように取付座底面13aに対して傾斜して形成されており、取付座底面13aに上記着座面6を密着させてインサート本体1を着座させたときに、一対のインサート輪郭面Pのうち一方のインサート輪郭面Pに沿った逃げ面3が当接可能とされている。ただし、本実施形態では逃げ面3に上述のように凹部5が形成されているので、例えば図2に右側に延びる切刃4を使用するときに取付座底面13aに当接するのは逃げ面3のうち例えば図4および図5にハッチングを付けて示したインサート輪郭面Pに沿った当接部3aだけとなる。
このように形成された複数のインサート取付座13には、同形同大の、すなわち1種類の上記実施形態の切削インサートがそれぞれ着座させられて、上記貫通孔7に挿通されてクランプネジ孔13cにねじ込まれるクランプネジ14により取り付けられる。そして、こうしてインサート取付座13に取り付けられた切削インサートは、一対のインサート輪郭面Pのうち上記取付座壁面13bに当接させられた側とは反対のインサート輪郭面Pに沿った切刃4が切削に使用され、この切刃4のコーナ刃4aが、工具本体11の先端外周部に位置して凹部5を除いて内周側から後端外周側に延び、かつこのコーナ刃4aに連なる外周刃4bが工具回転方向T側から見てやはり凹部5を除いて軸線Oに平行に延びるように位置決めされる。
ここで、これら複数のインサート取付座13のすべての取付座底面13aと取付座壁面13bとは、工具本体11を軸線O回りに回転させたときにそれぞれ回転軌跡が一致して回転対称となるように形成されており、すなわち4つのインサート取付座13が周方向に等間隔に形成された本実施形態の刃先交換式切削工具では、工具本体11を軸線O回りに90°ずつ回転させたときに、回転前の位置にあったインサート取付座13と回転後のインサート取付座13とで、取付座底面13a同士と取付座壁面13b同士がそれぞれ重なるようにされている。
従って、これらのインサート取付座13に取り付けられた複数の切削インサート同士でも、取付座壁面13bに当接させられたインサート輪郭面Pは同様にすべて工具本体11の軸線Oに関して回転軌跡が一致して回転対称に配置されることになり、またこれとは反対の切削に使用される切刃4が延びるインサート輪郭面Pもすべて軸線Oに関して回転対称に配置され、さらにインサート中心線C同士もすべてが回転対称に配置されることになる。
ところが、インサート取付座13において上記クランプネジ孔13cだけは、すべてのインサート取付座13でこのように回転軌跡が一致して回転対称には形成されてはおらず、本実施形態では4つのインサート取付座13のうち周方向に1つおきのそれぞれ2つずつのインサート取付座13同士では、回転軌跡が一致して軸線Oに関して180°回転対称とされるものの、周方向に隣接するインサート取付座13同士では、上述のように工具本体11を軸線O回りに90°ずつ回転させたときに、回転前の位置にあったインサート取付座13と回転後のインサート取付座13とでクランプネジ孔13c同士が重なり合わず、回転軌跡が異なる位置とされて非回転対称となるようにされている。
すなわち、上記実施形態の切削インサートにおいて切刃4と貫通孔7はインサート中心線Cに関して非回転対称に形成されているので、上記回転非対称となるインサート取付座13のうち一方のインサート取付座13は、インサート本体1の一方の切刃4が切削に使用されるときの貫通孔7の位置にクランプネジ孔13cが開口するように形成され、他方のインサート取付座13では逆に他方の切刃4が切削に使用されるときの貫通孔7の位置にクランプネジ孔13cが開口するように形成される。このように、切削インサートは1種類であるのに対し、インサート取付座13は複数種とされる。
従って、図11(a)に示すように貫通孔7からクランプネジ孔13cの全体が臨める状態から、図11(b)に示すようにインサート本体1をインサート中心線C回りに180°回転させた上で、取付座壁面13bに向けられた逃げ面3の当接部3aを該取付座壁面13bに当接させて同じインサート取付座13に取り付け直そうとしても、インサート中心線Cの位置は変わらないものの、図11(c)に示すように貫通孔7の位置がクランプネジ孔13cの位置からずれてしまう。そして、このとき、この図11(c)では、貫通孔7からクランプネジ孔13cの一部が隠れてしまってクランプネジ14がねじ込めないようにされている。
このため、上記構成の切削インサートおよび刃先交換式切削工具では、上述のように一方のインサート取付座13に取り付けられて一方の切刃4により切削を行い、この一方の切刃4に摩耗が生じたりして寿命が訪れた切削インサートは、残る他方の切刃4を切削に使用する場合には他方のインサート取付座13にしか取り付けることができず、逆に一方の切刃4が未使用の切削インサートは、この一方の切刃4を使用する場合には一方のインサート取付座13にしか取り付けることができない。
そして、これら非回転対称とされた一方のインサート取付座13と他方のインサート取付座13は、本実施形態では周方向に交互に配設されることになるので、これらのインサート取付座13に上記切削インサートが取り付けられた刃先交換式のラフィングラジアスエンドミルでは、該切削インサートにおいてインサート中心線Cに関して非回転対称とされた一方の切刃4と他方の切刃4とが、そのインサート輪郭面Pの軸線O回りの回転軌跡を一致させて交互に配設されることになり、すなわち凹凸の位相がずらされた切刃4が交互に被削材に切り込まれることになる。
このように、上記構成の切削インサートおよび刃先交換式切削工具によれば、1種類のインサート本体1に切刃4をインサート中心線Cに関して非回転対称に形成して、例えば上記実施形態のように凹凸の位相をずらしたりすることにより、こうして位相がずらされた切刃4によって被削材に分断された切屑が生成されるような切削を行ったりすることができる。このため、複数種の切削インサートを用意する必要がなくなって低コスト化を図ることができるとともに、切削インサートの管理も容易となる。
そして、このように1種類の切削インサートをインサート取付座13に取り付けるのに際して、インサート本体1の貫通孔7は切刃4と同じくインサート中心線Cに関して非回転対称とされているので、使用する切刃4に対応して異なる位置にクランプネジ孔13cが形成された複数種のインサート取付座13を工具本体11に形成しておくことにより、例えば上述のように切刃4を凹凸させるための凹部5以外の凹部や凸部をインサート本体1に形成したりせずとも、インサート取付座13ごとに取付間違いを生じることなく、確実に所定の切刃4を切削に使用することが可能となる。
従って、上記構成の切削インサートおよび刃先交換式切削工具においては、不要な凹凸部によりインサート本体1に損傷が生じ易くなるのを防いでインサート寿命の延長を図ることができ、一層低コストの切削を可能とすることができる。その一方で、上述のように切刃4に凹部5を形成して、分断された切屑が生成されるような切削を被削材に施す場合でも、特に上述のようにインサート本体1の向きが使用する切刃4に対応しないインサート取付座13ではクランプネジ14をねじ込めないようにしたりすることにより、作業者が何等注意を払わずとも切削インサートを取付間違いするのを確実に防ぎ、同じ回転軌跡の切刃4が連続して被削材に切刃4の凹凸が転写されるのを防止することができる。
また、本実施形態の切削インサートでは、このようにインサート中心線Cに関して非回転対称とされた貫通孔7がインサート本体1に複数の一対形成されており、複数の箇所でクランプネジ14によってインサート本体1をインサート取付座13にクランプして取り付けることができるので、切削インサートの取付安定性を向上させてより円滑な切削を行うことができる。
しかも、これらの貫通孔7は、その中心線がインサート中心線Cとインサート本体1の長手方向に一直線上に配置されて、インサート中心線Cとの距離L、Mが異なるようにされることにより該インサート中心線Cに関して非回転対称とされているので、特に本実施形態のように縦長板状のインサート本体1を有する切削インサートにおいては、貫通孔7と逃げ面3との間隔が極端に狭まることがなく、インサート本体1の強度低下を防ぐことができる。
ただし、本実施形態ではこのようにインサート本体1に複数の貫通孔7を形成しているが、貫通孔7の中心線がインサート中心線Cと同軸とならないようにして、1つの貫通孔7をインサート中心線Cから偏心させて形成するようにしてもよい。また、逆に3つ以上の貫通孔7を、そのうち少なくとも1つが他の貫通孔7に対して、1回転360°を回転対称とされたインサート輪郭面Pの数で除した対称回転角度でインサート本体1をインサート中心線C回りに回転させたときに、インサート中心線Cに関して非回転対称となるように形成してもよい。同様に、切刃4も、少なくとも1つが他の切刃4に対しインサート中心線Cに関して非回転対称であれば、3以上形成されていてもよい。
また、本実施形態では、本発明の刃先交換式切削工具を、上述のようなラフィングラジアスエンドミルに適用した場合について説明したが、ラジアスエンドミル以外の複数の切削インサートが取り付けられる転削工具に適用することも勿論可能である。さらに、複数の切刃4をインサート中心線Cに関して非回転対称に形成するのに、本実施形態ではラフィングエンドミルのように切刃4を位相がずらされた凹凸形状に形成しているが、例えば1つのインサート本体1に軸方向や径方向のすくい角が異なる複数の切刃4を、回転対称のインサート輪郭面Pに沿った逃げ面3とすくい面2との交差稜線部に形成して、複数種のインサート取付座13の少なくとも1つに取り付けられた切削インサートの切削に使用される切刃4の上記すくい角を他と異なる角度とすることにより、いわゆる不等リードの効果によってビビリ振動の防止を図ったりすることも可能である。
1 インサート本体
2 すくい面
3 逃げ面
3a 当接部
4 切刃
4a コーナ刃
4b 外周刃
5 凹部
6 着座面
7 貫通孔
8 指標
11 工具本体
12 チップポケット
13 インサート取付座
13a 取付座底面
13b 取付座壁面
13c クランプネジ孔
14 クランプネジ
C インサート中心線
P インサート輪郭面
L、M 貫通孔7の中心線とインサート中心線Cとの間の距離
O 工具本体11の軸線
T 工具回転方向

Claims (4)

  1. 刃先交換式切削工具の工具本体に形成されたインサート取付座にクランプネジによって着脱可能に取り付けられて該刃先交換式切削工具の切刃を構成する切削インサートであって、インサート本体のすくい面と逃げ面との交差稜線部に複数の上記切刃が形成されており、上記すくい面には上記クランプネジが挿通される貫通孔が開口させられ、上記逃げ面には、上記インサート取付座の取付座壁面に当接させられる当接部が、上記すくい面に交差する方向に延びるインサート中心線に関して回転対称とされた複数のインサート輪郭面に沿うように形成されている一方、上記切刃と貫通孔とは上記インサート中心線に関して非回転対称とされていることを特徴とする切削インサート。
  2. 上記逃げ面には上記インサート輪郭面に対して凹んだ凹部が形成されていて、上記切刃は、上記すくい面に対向する方向から見たときに凹凸形状をなし、かつ上記インサート本体を上記インサート中心線回りに回転させて複数の上記インサート輪郭面同士を一致させたときの軌跡では該切刃の凹凸の位相がずらされるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の切削インサート。
  3. 上記インサート本体には、複数の上記貫通孔が、上記インサート中心線からの距離が異なるように形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の切削インサート。
  4. 軸線回りに回転される上記工具本体に複数種の上記インサート取付座が形成され、これらのインサート取付座は、上記軸線回りの回転軌跡において、上記取付座壁面の位置は互いに一致させられる一方、上記クランプネジがねじ込まれるクランプネジ孔の位置は異なるようにされており、これらのインサート取付座に、それぞれ同形同大の請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の切削インサートが、互いに異なる上記インサート輪郭面に形成された上記当接部を上記取付座壁面に当接させて、上記貫通孔に挿通された上記クランプネジが上記クランプネジ孔にねじ込まれることにより取り付けられていることを特徴とする刃先交換式切削工具。
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