近年のLEDは、その性能アップが急速に進むとともに、照明に不可欠な白色のLEDが開発され、また明るさにおいても照明として十分に使用できる輝度で発光できるようになってきた。
図11は、従来の発光ダイオード点灯装置の構成を示す回路図である。
図11に示す発光ダイオード点灯装置900は、複数の発光ダイオードの一例としての、LEDアレイ921R、LEDアレイ921G、およびLEDアレイ921Bを備えている。また、発光ダイオード点灯装置900は、電源Vdd1、および発光ダイオード点灯制御回路903を備えている。
LEDアレイ921Rは、直列に接続された複数の赤系色のLEDによって構成されている。LEDアレイ921Gは、直列に接続された複数の緑系色のLEDによって構成されている。LEDアレイ921Bは、直列に接続された複数の青系色のLEDによって構成されている。
電源Vdd1は、LEDアレイ921R、LEDアレイ921G、およびLEDアレイ921Bのそれぞれの一端に接続されている。電源Vdd1は、LEDアレイを点灯させるための電源を、LEDアレイ921R、LEDアレイ921G、およびLEDアレイ921Bのそれぞれに対して供給する。
発光ダイオード点灯制御回路903は、LEDアレイ921R、LEDアレイ921G、およびLEDアレイ921Bのそれぞれの他端に接続されている。発光ダイオード点灯制御回路903は、LEDアレイ921R、LEDアレイ921G、およびLEDアレイ921Bに供給される定電流値の各々を制御する。
発光ダイオード点灯制御回路903は、パワーMOSトランジスタ906R、抵抗904R、パワーMOSトランジスタ906G、抵抗904G、パワーMOSトランジスタ906B、抵抗904B、およびLEDドライバ905を有している。
パワーMOSトランジスタ906Rは、LEDアレイ921Rの他端、抵抗904R、およびLEDドライバ905のそれぞれに接続されている。パワーMOSトランジスタ906Gは、LEDアレイ921Gの他端、抵抗904G、およびLEDドライバ905のそれぞれに接続されている。パワーMOSトランジスタ906Bは、LEDアレイ921Bの他端、抵抗904B、およびLEDドライバ905のそれぞれに接続されている。
図11では、LEDドライバ905のうち、各LEDアレイに流れる定電流値を制御するための回路と、LEDの輝度を制御するための回路を記載しているが、実際には、LEDドライバ905は、上記機能だけでなく、LEDのオープン検出、ショート検出等、様々な機能が備えられている。
LEDドライバ905は、オペアンプ915R、オペアンプ915G、およびオペアンプ915Bを有している。
オペアンプ915Rは、パワーMOSトランジスタ906Rを制御するための制御パルスを、スイッチ回路911Rを介してパワーMOSトランジスタ906Rに供給する。
オペアンプ915Gは、パワーMOSトランジスタ906Gを制御するための制御パルスを、スイッチ回路911Gを介してパワーMOSトランジスタ906Gに供給する。
オペアンプ915Bは、パワーMOSトランジスタ906Bを制御するための制御パルスを、スイッチ回路911Bを介してパワーMOSトランジスタ906Bに供給する。
発光ダイオード点灯制御回路903においては、オペアンプ915Rと、パワーMOSトランジスタ906Rと、抵抗904Rとにより、LEDアレイ921Rへ供給される定電流値を制御するための定電流回路が構成される。
また、オペアンプ915Gと、パワーMOSトランジスタ906Gと、抵抗904Gとにより、LEDアレイ921Gへ供給される定電流値を制御するための定電流回路が構成される。
また、オペアンプ915Bと、パワーMOSトランジスタ906Bと、抵抗904Bとにより、LEDアレイ921Bへ供給される定電流値を制御するための定電流回路が構成される。
LEDアレイ921Rへ供給される定電流値は、オペアンプ915RのVrefRに入力される電圧と、抵抗904Rの抵抗値とによって決定される電流により決定される。
LEDアレイ921Gへ供給される定電流値は、オペアンプ915GのVrefGに入力される電圧と、抵抗904Gの抵抗値とによって決定される電流により決定される。
LEDアレイ921Bへ供給される定電流値は、オペアンプ915RのVrefBに入力される電圧と、抵抗904Bの抵抗値とによって決定される電流により決定される。
発光ダイオード点灯制御回路903には、PWM_R、PWM_G、およびPWM_Bのそれぞれから、PWM(Pulse Width Modulation)信号が入力される。
PWM_R、PWM_G、およびPWM_Bから入力されるPWM信号とは、LEDアレイ921R,921G,921BをPWM制御するための信号であり、具体的には、LEDアレイ921R,921G,921Bの各々の輝度を調整するためのものでる。これら各PWM信号による各LEDアレイの輝度調整は、制御回路910R、制御回路910G、および制御回路910Bによって制御される。
例えば、制御回路910Rは、PWM_Rから入力されたPWM信号に基づいて、LEDアレイ921Rの輝度を調整する。具体的には、PWM_Rから入力されたPWM信号が“H”の期間においては、制御回路910Rが、スイッチ回路911Rをオンにするとともに、プルダウントランジスタ912Rをオフにする。これにより、トランジスタ906Rに定電流が供給され、その結果、LEDアレイ921Rが点灯する。
一方、PWM_Rから入力されたPWM信号が“L”の期間においては、制御回路910Rは、スイッチ回路911Rをオフにするとともに、プルダウントランジスタ912Rをオンにする。これにより、トランジスタ906Rに対する定電流の供給が停止され、その結果、LEDアレイ921Rが消灯する。
発光ダイオード点灯制御回路903は、このようなLEDアレイ921Rの点灯及び消灯を繰り返し制御することにより、LEDアレイ921Rの輝度を調整する。
同様にして、制御回路910Gは、PWM_Gから入力されたPWM信号に基づいて、LEDアレイ921Gの輝度を調整し、制御回路910Bは、PWM_Bから入力されたPWM信号に基づいて、LEDアレイ921Bの輝度を調整する。
このように、発光ダイオード点灯制御回路903は、LEDアレイ921R、LEDアレイ921G、およびLEDアレイ921Bの各々の輝度を調整することにより、発光ダイオード点灯装置900が発する照明の色合いを調整する。
このような発光ダイオード点灯装置では、各LEDアレイの輝度を調整するため、各LEDアレイのそれぞれについて、PWM信号の1周期を決定した後、そのうちの“H”期間および“L”期間を決定する方法が一般的に用いられている。
このようにPWM信号を決定する方法では、1周期毎に各PWM信号の変化タイミング(立ち上がりタイミング)が揃ってしまい、全てのLEDアレイが同一のタイミングで駆動されてしまう。このとき、発光ダイオード点灯装置内において、大きな電流が生じてしまい、周囲の通信機器等に対して悪影響を及ぼすノイズが発生するといった不具合が生じてしまう。
そこで、特許文献1には、このような不具合の発生を防止することを目的として、複数のLEDアレイのそれぞれの輝度をPWM信号で制御する場合において、各周期毎に、各PWM信号の変化タイミング、すなわち、各LEDアレイの駆動タイミングを所定量ずつずらす方法が記載されている。これにより、全てのLEDアレイが同一のタイミングで駆動されることなく、大電流によるノイズの発生を低減する事ができるとされている。
以下、本発明の一実施形態に係る発光ダイオード点灯装置について、図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
まず、本発明に係る発光ダイオード点灯装置の実施の形態1について説明する。図1は、実施の形態1に係る発光ダイオード点灯装置の構成を示す回路図である。図1に示す発光ダイオード点灯装置100は、図11に示す発光ダイオード点灯装置900と同様に、複数の発光ダイオード(LEDアレイ921R,921G,921B)を点灯させる装置である。この発光ダイオード点灯装置100は、発光ダイオード点灯制御回路903とは異なる発光ダイオード点灯制御回路103を備える点で、図11に示す発光ダイオード点灯装置900と相違する。発光ダイオード点灯制御回路103は、ダイオード点灯制御回路903が備えるLEDドライバ905とは異なるLEDドライバ105を備える。LEDドライバ105は、PWM信号調整回路104を備える点で、LEDドライバ905と相違する。なお、以降の説明において、前述した構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細については省略する。
PWM信号調整回路104は、PWM_Rから入力されたPWM信号(以下、単に「PWM_R」と示す。)、PWM_Gから入力されたPWM信号(以下、単に「PWM_G」と示す。)、およびPWM_Bから入力されたPWM信号(以下、単に「PWM_B」と示す。)のそれぞれのタイミングを調整することにより、PWM_Rout、PWM_Gout、およびPWM_BoutのそれぞれのPWM信号を生成し、これを出力する。
PWM信号調整回路104から出力されたPWM_Rout、PWM_Gout、およびPWM_Boutは、LEDアレイ921R、LEDアレイ921G、およびLEDアレイ921Bの各々の輝度を調整するためのものでる。これら各PWM信号による各LEDアレイの輝度調整は、図11で説明した発光ダイオード点灯装置900と同様に、LEDドライバ105が備える制御回路910R、制御回路910G、および制御回路910Bによって制御される。
例えば、制御回路910Rは、PWM信号調整回路104から出力されたPWM_Routに基づいて、LEDアレイ921Rの輝度を調整する。具体的には、PWM信号調整回路104から出力されたPWM_Routが“H”の期間においては、制御回路910Rが、スイッチ回路911Rをオンにするとともに、プルダウントランジスタ912Rをオフにする。これにより、トランジスタ906Rに定電流が供給され、その結果、LEDアレイ921Rが点灯する。
一方、PWM信号調整回路104から出力されたPWM_Routが“L”の期間においては、制御回路910Rは、スイッチ回路911Rをオフにするとともに、プルダウントランジスタ912Rをオンにする。これにより、トランジスタ906Rに対する定電流の供給が停止され、その結果、LEDアレイ921Rが消灯する。
制御回路910Rは、このようなLEDアレイ921Rの点灯及び消灯を繰り返し制御することにより、LEDアレイ921Rの輝度を調整する。
同様にして、制御回路910Gは、PWM信号調整回路104から出力されたPWM_Goutに基づいて、LEDアレイ921Gの輝度を調整する。また、制御回路910Bは、PWM信号調整回路104から出力されたPWM_Boutに基づいて、LEDアレイ921Bの輝度を調整する。
ここで、PWM信号調整回路104は、複数のPWM信号の変化タイミングが重ならないように、PWM_Rout、PWM_Gout、およびPWM_BoutのそれぞれのPWM信号を生成し、これを出力する。具体的には、PWM信号調整回路104は、PWM_R、PWM_G、およびPWM_Bの変化タイミング(立ち上がりおよび立ち下がりのタイミング)を監視し、複数のPWM信号の変化タイミング同士の重なりを検知した場合には、このような変化タイミング同士の重なりが解消するように、各PWM信号の変化タイミングを変更した上で、これをPWM_Rout、PWM_Gout、およびPWM_Boutとして出力する。
このように、本実施の形態の発光ダイオード点灯装置100は、PWM信号調整回路104によって、複数のPWM信号の変化タイミングの重なりを解消することで、複数のLEDアレイが同一のタイミングで駆動されることなく、大電流によるノイズの発生を低減する事ができる。特に、PWM信号調整回路104は、変化タイミングの重なりを監視し、この重なりが発生する都度、この重なりを解消するように構成しているため、入力された複数のPWM信号の周期や振幅が不規則的なものであったり、周期が互いに異なるなど、変化タイミングの重なりの予測が困難なものであったとしても、この重なりを解消することができるのである。
図2は、PWM信号調整回路104に入力されるPWM信号の一例を示す図である。図1でも説明したとおり、PWM信号調整回路104には、PWM_R、PWM_G、およびPWM_Bが入力される。図2は、これら複数のPWM信号の一例を示したものである。なお、図2において、CKは、PWM信号調整回路104に供給されるクロック信号を示す。このCKは、PWM信号調整回路104あるいはLEDドライバ105において内部的に発生されたものであっても良く、PWM信号調整回路104およびLEDドライバ105の外部において発生されたものであっても良い。
図2に示すように、これら複数のPWM信号の関係において、複数のPWM信号の変化タイミングが互いに重なりあう場合がある。
例えば、タイミングt1においては、PWM_Rの立ち下がりタイミングと、PWM_Bの立ち下がりタイミングとが互いに重なり合っている。また、タイミングt2においては、PWM_Rの立ち下がりタイミングと、PWM_Gの立ち下がりタイミングとが互いに重なり合っている。また、タイミングt3においては、PWM_Rの立ち上がりタイミングと、PWM_Bの立ち上がりタイミングとが互いに重なり合っている。
また、タイミングt4においては、PWM_Rの立ち上がりタイミングと、PWM_Gの立ち上がりタイミングと、PWM_Bの立ち下がりタイミングとが互いに重なり合っている。また、タイミングt5においては、PWM_Gの立ち下がりタイミングと、PWM_Bの立ち下がりタイミングとが互いに重なり合っている。さらに、タイミングt6においては、PWM_Rの立ち上がりタイミングと、PWM_Bの立ち上がりタイミングとが互いに重なり合っている。
本実施形態のPWM信号調整回路104は、このようなPWM信号の変化タイミング同士の重なりを解消して、PWM_Rout、PWM_Gout、およびPWM_Boutとして出力するのである。
図3は、実施の形態1に係るPWM信号調整回路104の構成を示す回路図である。図4は、実施の形態1に係るPWM信号調整回路104が扱う各種信号のタイミングを示すタイミング図である。
図3に示す例では、PWM_RとPWM_Gとの2つのPWM信号に着目し、これら2つのPWM信号同士において、変化タイミング(立ち上がりタイミングおよび立ち下がりタイミング)の重なりを解消するためのPWM信号調整回路104の構成例を説明する。図3に示す例では、図1に示したPWM_Bの入力については図示しないが、実際には、そもそもPWM_Bが入力されないか、もしくはPWM_BをそのままPWM_Boutとして出力するように構成されている。
図3に示すように、本実施の形態1のPWM信号調整回路104は、DFF301,302,303,304,305を備えている。本実施の形態1のPWM信号調整回路104は、これら複数のD−フリップフロップ(以下、「DFF」と示す。)によって、PWM_RおよびPWM_Gのそれぞれから、変化タイミングが異なる複数のPWM信号を生成する回路構成(生成回路)を有している。
具体的に説明すると、PWM信号調整回路104に入力されたPWM_Rは、DFF301に入力される。DFF301は、CKの立ち上がりで、PWM_Rの状態をラッチし、PWM_RよりCKの1周期遅れたRQ1を生成する。RQ1は、DFF302に入力される。DFF302は、CKの立ち上がりで、RQ1の状態をラッチし、RQ1よりCKの1周期遅れたRQ2を生成する。RQ2は、DFF303に入力される。DFF303は、CKの立ち上がりで、RQ2の状態をラッチし、RQ2よりCKの1周期遅れたRQ3を生成する。
このようにして、PWM信号調整回路104は、PWM信号調整回路104に入力されたPWM_Rから、CKの1周期遅れたRQ1、CKの2周期遅れたRQ2、およびCKの3周期遅れたRQ3を生成する。
同様にして、PWM信号調整回路104は、PWM信号調整回路104に入力されたPWM_Gから、DFF304によって、CKの1周期遅れたGQ1を生成し、DFF305によって、CKの2周期遅れたRQ2を生成する。
また、図3に示すように、本実施の形態1のPWM信号調整回路104は、複数のAND回路および複数のインバータ回路によって、PWM_RとPWM_Gとの変化タイミング同士の重なりを検出する回路構成(検出回路)を有している。
具体的に説明すると、まず、PWM信号調整回路104は、PWM_Rの変化タイミングを示す、信号RHおよび信号RLを生成する。また、PWM信号調整回路104は、PWM_Gの変化タイミングを示す信号GH、および信号GLを生成する。
信号RLは、RQ1の反転信号と、RQ2との、AND出力である。この信号RLは、PWM_Rが、CKの1周期の間に“H”から“L”に変化したことを示すものである。
信号RHは、RQ1と、RQ2の反転信号との、AND出力である。この信号RHは、PWM_Rが、CKの1周期の間に“L”から“H”に変化したことを示すものである。
信号GLは、GQ1の反転信号と、GQ2との、AND出力である。この信号GLは、PWM_Gが、CKの1周期の間に“H”から“L”に変化したことを示すものである。
信号GHは、GQ1と、GQ2の反転信号との、AND出力である。この信号GHは、PWM_Gが、CKの1周期の間に“L”から“H”に変化したことを示すものである。
次に、PWM信号調整回路104は、信号RLと信号GLとのAND出力信号、および信号RHと信号GHとのAND出力信号を生成し、これを入力されたPWM信号同士の変化タイミングの重なりを示す信号として出力する。
信号RLが“H”であり、信号GLが“H”であるときというのは、PWM_Rが立ち下がったタイミングと、PWM_Gが立ち下がったタイミングとが同時に生じたことを意味する。したがって、これらのAND出力信号が“H”を示す場合、PWM_Rと、PWM_Gとの変化タイミングの重なりが生じたことを意味する。
すなわち、PWM信号調整回路104は、信号RLと信号GLとのAND出力信号に“H”を出力したことをもって、PWM_Rと、PWM_Gとの変化タイミングの重なりを検知したことになる。
同様に、信号RHが“H”であり、信号GHが“H”であるときというのは、PWM_Rが立ち上がったタイミングと、PWM_Gが立ち上がったタイミングとが同時に生じたことを意味する。したがって、これらのAND出力信号が“H”を示す場合、PWM_Rと、PWM_Gとの変化タイミングの重なりが生じたことを意味する。
すなわち、PWM信号調整回路104は、信号RHと信号GHとのAND出力信号に“H”を出力したことをもって、PWM_Rと、PWM_Gとの変化タイミングの重なりを検知したことになる。
さらに、図3に示すように、本実施の形態1のPWM信号調整回路104は、DFF306,307を備えている。本実施の形態1のPWM信号調整回路104は、これら複数のDFFを含む各種回路(DFF、AND回路、OR回路、インバータ回路)によって、PWM_RとPWM_Gとの変化タイミング同士の重なりを検出した場合に、この重なりが解消するように、出力するPWM信号の変化タイミングを変更する回路構成(変更回路)を有している。
具体的には、DFF306は、信号RLと信号GLとのAND出力信号を入力CKとして、信号SELLを出力する。信号SELLは、信号RLと信号GLとのAND出力信号が“H”になったタイミングで、“H”になる。すなわち、信号SELLは、図4のタイミングt2´が示すように、PWM_Rが立ち下がったタイミングと、PWM_Gが立ち下がったタイミングとに重なりが生じた場合に、“H”になる。その後、信号SELLは、図4のタイミングt2´eが示すように、信号RLが次に“H”になったタイミングで、リセットされて“L”になる。
一方、DFF307は、信号RHと信号GHとのAND出力信号を入力CKとして、信号SELHを出力する。信号SELHは、信号RHと信号GHとのAND出力信号が“H”になったタイミングで、“H”になる。すなわち、信号SELHは、図4のタイミングt4´が示すように、PWM_Rが立ち上がったタイミングと、PWM_Gが立ち上がったタイミングとに重なりが生じた場合に、“H”になる。その後、信号SELHは、図4のタイミングt4´eが示すように、信号RLが次に“H”になったタイミングで、リセットされて“L”になる。
通常(信号SELLが“L”の期間かつ信号SELHが“L”の期間)は、PWM信号調整回路104は、PWM_RからCKで2周期遅れたRQ2を、PWM_Routとして出力し、PWM_GからCKで2周期遅れたGQ2を、PWM_Goutとして出力するように構成されている。
しかしながら、図4において、タイミングt2´からt2´eまでの期間、およびタイミングt4´からt4´eまでの期間のように、信号SELLが“H”の期間および信号SELHが“H”の期間は、PWM_Rと、PWM_Gとの変化タイミングとが重なるタイミングを含んでいる期間である。
そこで、PWM信号調整回路104は、このような信号SELLが“H”の期間および信号SELHが“H”の期間は、PWM_RからCKで3周期遅れたRQ3を、PWM_Routとして出力する。
一方、PWM信号調整回路104は、信号SELLが“H”の期間および信号SELHが“H”の期間においても、PWM_GからCKで2周期遅れたRQ2を、PWM_Routとして出力する。
すなわち、PWM信号調整回路104は、PWM_RとPWM_Gとの変化タイミングとが重なるタイミングを含んでいる期間においては、一方のPWM信号の変化タイミングをCKで1周期遅らせて出力する。これにより、PWM信号調整回路104は、PWM_RとPWM_Gとの変化タイミングの重なりを解消する。
このように、本実施の形態1のPWM信号調整回路104は、入力された2つのPWM信号のうちの一方のPWM信号について、変化タイミングが異なるPWM信号を生成しておき、入力された2つのPWM信号の変化タイミング同士の重なりを検知した場合、上記一方のPWM信号の一部の期間の変化タイミングを、生成しておいたPWM信号に変更することでずらし、この重なりを解消するのである。
以上説明したとおり、本実施の形態1の発光ダイオード点灯装置100によれば、各PWM信号の変化タイミングを互いに重ならないように変更することにより、複数のLEDアレイが同一のタイミングで駆動されることによるノイズの発生を防止することができる。特に、各PWM信号の変化タイミングの重なりを監視し、この重なりが発生する都度、この重なりを解消するように構成しているため、入力された複数のPWM信号の周期や振幅が不規則的なものであったり、周期が互いに異なるなど、変化タイミングの重なりの予測が困難なものであったとしても、この重なりを解消することができる。
(実施の形態2)
次に、本発明に係る発光ダイオード点灯装置の実施の形態2について説明する。実施の形態2は、PWM信号調整回路104の構成が、実施の形態1と相違する。この実施の形態2では、PWM_R、PWM_G、およびPWM_Bの3つのPWM信号に着目し、これらのPWM信号同士において、変化タイミング(立ち上がりタイミングおよび立ち下がりタイミング)の重なりを解消するためのPWM信号調整回路104の構成例を説明する。
図5は、実施の形態2に係るPWM信号調整回路104の構成を示す回路図である。図6は、実施の形態2に係るPWM信号調整回路104が扱う各種信号のタイミングを示すタイミング図である。
実施の形態1のPWM信号調整回路104では、PWM_RとPWM_Gとを比較して、これらのPWM信号同士に変化タイミングの重なりがあるかを検出する構成とした。
この実施の形態2のPWM信号調整回路104では、PWM_RとPWM_G、PWM_RとPWM_B、PWM_GとPWM_B、のそれぞれを比較して、これらのPWM信号同士に変化タイミングの重なりがあるかを検出する構成となっている。
以下、本実施の形態2のPWM信号調整回路104のうち、実施の形態1のPWM信号調整回路104からの変更点について説明する。
本実施の形態2のPWM信号調整回路104は、DFF501をさらに備える。DFF501には、DFF303から出力された信号RQ3が入力される。DFF501は、CKの立ち上がりで、RQ3の状態をラッチし、RQ3よりCKの1周期遅れたRQ4を生成する。すなわち、本実施の形態2のPWM信号調整回路104は、PWM信号調整回路104に入力されたPWM信号PWM_Rから、CKの1周期遅れたRQ1、CKの2周期遅れたRQ2、CKの3周期遅れたRQ3、およびCKの4周期遅れたRQ4を生成する。
また、本実施の形態2のPWM信号調整回路104は、DFF502をさらに備える。DFF502には、DFF305から出力された信号GQ2が入力される。DFF502は、CKの立ち上がりで、GQ2の状態をラッチし、GQ2よりCKの1周期遅れたGQ3を生成する。すなわち、本実施の形態2のPWM信号調整回路104は、PWM信号調整回路104に入力されたPWM信号PWM_Gから、CKの1周期遅れたGQ1、CKの2周期遅れたGQ2、およびCKの3周期遅れたRQ3を生成する。
また、本実施の形態2のPWM信号調整回路104は、DFF511,512を備えている。本実施の形態2のPWM信号調整回路104は、これら複数のDFFによって、PWM_BのPWM信号から、変化タイミングが異なる複数のPWM信号を生成する回路構成を有している。
具体的に説明すると、PWM信号調整回路104に入力されたPWM信号PWM_Bは、DFF511に入力される。DFF511は、CKの立ち上がりで、PWM_Bの状態をラッチし、PWM_BよりCKの1周期遅れたBQ1を生成する。BQ1は、DFF512に入力される。DFF512は、CKの立ち上がりで、BQ1の状態をラッチし、BQ1よりCKの1周期遅れたBQ2を生成する。
このようにして、PWM信号調整回路104は、PWM_Bから入力されたPWM信号から、CKの1周期遅れたBQ1、およびCKの2周期遅れたBQ2を生成する。
また、図5に示すように、本実施の形態2のPWM信号調整回路104は、複数のAND回路および複数のインバータ回路による、PWM_RとPWM_Bとの変化タイミング同士の重なりを検出する回路構成と、PWM_GとPWM_Bとの変化タイミング同士の重なりを検出する回路構成とを有している。
具体的に説明すると、まず、PWM信号調整回路104は、PWM_Bの変化タイミングを示す、信号BHおよび信号BLを生成する。
信号BLは、BQ1の反転信号と、BQ2との、AND出力である。この信号BLは、PWM_Bが、CKの1周期の間に“H”から“L”に変化したことを示すものである。
信号BHは、BQ1と、BQ2の反転信号との、AND出力である。この信号BHは、PWM_Bが、CKの1周期の間に“L”から“H”に変化したことを示すものである。
次に、PWM信号調整回路104は、信号RLと信号BLとのAND出力信号、および信号RHと信号BHとのAND出力信号を生成し、これをPWM_RとPWM_Bとの変化タイミング同士の重なりを示す信号として出力する。
さらに、PWM信号調整回路104は、信号GLと信号BLとのAND出力信号、および信号GHと信号BHとのAND出力信号を生成し、これをPWM_GとPWM_Bとの変化タイミング同士の重なりを示す信号として出力する。
さらに、図5に示すように、本実施の形態2のPWM信号調整回路104は、DFF513,514,515,516を備えている。本実施の形態2のPWM信号調整回路104は、これら複数のDFFを含む各種回路(DFF、AND回路、OR回路、インバータ回路)によって、PWM_RとPWM_Bとの変化タイミング同士、およびPWM_GとPWM_Bとの変化タイミング同士の重なりを検出した場合に、これらの重なりが解消するように、出力するPWM信号の変化タイミングを変更する回路構成を有している。
具体的には、DFF513は、信号RLと信号BLとのAND出力信号を入力CKとして、信号SELL2を出力する。信号SELL2は、信号RLと信号BLとのAND出力信号が“H”になったタイミングで、“H”になる。すなわち、信号SELL2は、PWM_Rが立ち下がったタイミングと、PWM_Bが立ち下がったタイミングとに重なりが生じた場合に、“H”になる。その後、信号SELL2は、信号RHが次に“H”になったタイミングで、リセットされて“L”になる。
また、DFF514は、信号RHと信号BHとのAND出力信号を入力CKとして、信号SELH2を出力する。信号SELH2は、信号RHと信号BHとのAND出力信号が“H”になったタイミングで、“H”になる。すなわち、信号SELH2は、PWM_Rが立ち上がったタイミングと、PWM_Bが立ち上がったタイミングとに重なりが生じた場合に、“H”になる。その後、信号SELH2は、信号RLが次に“H”になったタイミングで、リセットされて“L”になる。
また、DFF515は、信号GLと信号BLとのAND出力信号を入力CKとして、信号SELL3を出力する。信号SELL3は、信号GLと信号BLとのAND出力信号が“H”になったタイミングで、“H”になる。すなわち、信号SELL3は、PWM_Gが立ち下がったタイミングと、PWM_Bが立ち下がったタイミングとに重なりが生じた場合に、“H”になる。その後、信号SELL3は、信号GHが次に“H”になったタイミングで、リセットされて“L”になる。
また、DFF516は、信号GHと信号BHとのAND出力信号を入力CKとして、信号SELH3を出力する。信号SELH3は、信号GHと信号BHとのAND出力信号が“H”になったタイミングで、“H”になる。すなわち、信号SELH3は、PWM_Gが立ち上がったタイミングと、PWM_Bが立ち上がったタイミングとに重なりが生じた場合に、“H”になる。その後、信号SELH3は、信号GLが次に“H”になったタイミングで、リセットされて“L”になる。
以上までの説明で、PWM信号調整回路104は、信号SELL、信号SELH、信号SELL2、信号SELH2、信号SELL3、および信号SELH3生成したことになる。いずれの信号も、PWM信号の変化タイミング同士の重なりの有無を示すものであるから、PWM信号調整回路104は、これらの信号に基づいて、PWM信号の変化タイミングの変更を制御する。
例えば、信号SELL,SELH,SELL2,SELH2,SELL3,SELH3のいずれも“L”の場合、すなわち、いずれのPWM信号においても変化タイミングの重なりが生じていない場合について説明する。この場合、4入力OR回路521および2入力OR回路522の出力信号はいずれも“L”となる。したがって、2つのAND回路とOR回路との複合回路である複合回路523は、PWM_Routとして、RQ2を出力する。また、2つのAND回路とOR回路との複合回路である複合回路524は、PWM_Goutとして、GQ2を出力する。なお、PWM_Boutは、タイミングの変更を行わない基準となるPWM信号となっているため、PWM信号の変化タイミング同士の重なりの有無に関わらず、常にBQ2を出力する。
他の例として、信号SELLまたは信号SELHが“H”の場合、すなわち、PWM_RとPWM_Gとで変化タイミング同士の重なりが生じた場合について説明する。この場合、4入力OR回路521の出力信号が“H”となる。このため、複合回路523は、PWM_Routとして、RQ3またはRQ4を出力する。
このとき、RQ3またはRQ4のいずれを出力するかは、さらにPWM_RとPWM_Bとの変化タイミング同士が重なるか否かによって決定付けられる。具体的には、さらにPWM_RとPWM_Bとの変化タイミング同士が重なる場合には、信号SELLと信号SELL2との双方が“H”となる。もしくは、信号SELHと信号SELH2との双方が“H”となる。これにより、図5中の2つのAND回路とOR回路との複合回路である複合回路525は、“H”を出力する。そして、図5中の2つのAND回路とOR回路との複合回路である複合回路526は、RQ4を選択的に出力する。この結果、複合回路523は、PWM_Routとして、RQ4を出力することとなる。一方、さらにPWM_RとPWM_Bとの変化タイミング同士が重ならない場合には、複合回路525は、“L”を出力する。そして、複合回路526は、RQ3を選択的に出力する。この結果、複合回路523は、PWM_Routとして、RQ3を出力することとなる。
ここで、図6を用いて、本実施の形態2のPWM信号調整回路104の動作の具体例を説明する。
図6において、タイミングt1においては、PWM_Rの立ち上がりタイミングと、PWM_Gの立ち上がりタイミングとが重なり合っている。しかしながら、さらにPWM_RとPWM_Bとの変化タイミング同士が重なり合っているわけではないので、PWM信号調整回路104は、PWM_Routとして、RQ3を出力する。これにより上記の重なりが解消されるので、PWM信号調整回路104は、PWM_Goutとしては、引き続きGQ2を出力する。なお、既に説明したとおり、PWM信号調整回路104は、PWM_Boutとしては、常にBQ2を出力する。
その後のタイミングt2においては、PWM_Rが立ち下がったことにより、タイミングt2´において、DFF307はリセットされ、信号SELHは“L”となるが、PWM_Rの立ち下がりタイミングと、PWM_Gの立ち下がりタイミングとが重なり合っているため、信号SELLが“H”となる。したがって、4入力OR回路521の出力信号は“H”のままとなり、PWM信号調整回路104は、PWM_Routとして、引き続きRQ3を出力し、PWM_Goutとして、引き続きGQ2を出力する。
要約すると、図6において、タイミングt1´からt2´eまでの期間は、PWM_RとPWM_Gとの変化タイミングとが重なるタイミングを含んでいる期間である。そこで、上記したとおり、PWM信号調整回路104は、この期間は、RQ2からCKで1周期遅れたRQ3を、PWM_Routとして出力する。これにより、PWM信号調整回路104は、PWM_RとPWM_Gとの変化タイミングの重なりを解消する。
その後のタイミングt3においては、PWM_Rの立ち上がりタイミングと、PWM_Gの立ち上がりタイミングとが重なり合っているうえ、さらにPWM_Bの立ち上がりタイミングが重なり合っている。これにより、タイミングt3´において信号SELHと信号SELH2との双方が“H”となるため、PWM信号調整回路104は、PWM_Routとして、RQ4を出力する。また、信号SELH3も“H”となるため、2入力OR回路522の出力信号は“H”となり、複合回路524は、GQ3を選択的に出力する。この結果、PWM信号調整回路104は、PWM_Goutとして、GQ3を出力することとなる。
その後のタイミングt4においては、PWM_Rの立ち下がりタイミングと、PWM_Gの立ち下がりタイミングとが重なり合っているうえ、さらにPWM_Bの立ち下がりタイミングが重なり合っている。これにより、タイミングt4´において信号SELLと信号SELL2との双方が“H”となるため、PWM信号調整回路104は、PWM_Routとして、引き続きRQ4を出力する。また、信号SELL3も“H”となるため、2入力OR回路522の出力信号は“H”となり、複合回路524は、GQ3を選択的に出力する。この結果、PWM信号調整回路104は、PWM_Goutとして、引き続きGQ3を出力することとなる。
要約すると、図6において、タイミングt3´からt4´eまでの期間は、PWM_RとPWM_GとPWM_Bとの変化タイミングとが重なるタイミングを含んでいる期間である。そこで、上記したとおり、PWM信号調整回路104は、この期間は、RQ2からCKで2周期遅れたRQ4を、PWM_Routとして出力する。また、GQ2からCKで1周期遅れたGQ3を、PWM_Goutとして出力する。これにより、PWM信号調整回路104は、PWM_RとPWM_GとPWM_Bとの変化タイミングの重なりを解消する。
このように、本実施の形態2のPWM信号調整回路104は、入力された3つのPWM信号のうちの第1のPWM信号(PWM_B)を除く、第2のPWM信号(PWM_G)および第3のPWM信号(PWM_R)について、遅延信号を生成しておき、第3のPWM信号(PWM_R)については、さらなる遅延信号を生成しておく。
そして、入力された2つのPWM信号の変化タイミング同士の重なりを検知した場合、第2のPWM信号(PWM_G)または第3のPWM信号(PWM_R)の変化タイミングを、生成しておいた遅延信号に変更することでずらし、この重なりを解消するのである。
さらに、入力された3つのPWM信号の変化タイミング同士の重なりを検知した場合、第2のPWM信号(PWM_G)の変化タイミングを、生成しておいた遅延信号に変更することでずらし、第3のPWM信号(PWM_R)の変化タイミングを、生成しておいたさらなる遅延信号に変更することでずらし、この重なりを解消するのである。
以上説明したとおり、本実施の形態2の発光ダイオード点灯装置100によれば、各PWM信号の変化タイミングを互いに重ならないように変更することにより、複数のLEDアレイが同一のタイミングで駆動されることによるノイズの発生を防止することができる。特に、各PWM信号の変化タイミングの重なりを監視し、この重なりが発生する都度、この重なりを解消するように構成しているため、入力された複数のPWM信号の周期や振幅が不規則的なものであったり、周期が互いに異なるなど、変化タイミングの重なりの予測が困難なものであったとしても、この重なりを解消することができる。
(実施の形態3)
次に、本発明に係る発光ダイオード点灯装置の実施の形態3について説明する。図7は、実施の形態3に係る発光ダイオード点灯装置の構成を示す回路図である。図7に示す発光ダイオード点灯装置700は、これまでに説明した発光ダイオード点灯装置100と同様に、複数の発光ダイオード(LEDアレイ921R,921G,921B)を点灯させる装置である。この発光ダイオード点灯装置700は、発光ダイオード点灯制御回路103とは異なる発光ダイオード点灯制御回路703を備える点で、発光ダイオード点灯装置100と相違する。発光ダイオード点灯制御回路703は、ダイオード点灯制御回路103が備えるLEDドライバ105とは異なるLEDドライバ705を備える。LEDドライバ705は、PWM信号調整回路104に代えて、PWMタイミング調整回路710を備える点で、LEDドライバ105と相違する。なお、後述するが、PWMタイミング調整回路710は、PWM信号調整回路104と同様のPWM信号調整回路712を有している。
実施の形態2の発光ダイオード点灯装置100では、PWM信号調整回路によって、あるPWM信号(PWM_B)を基準として、他のPWM信号(PWM_RおよびPWM_G)のタイミングを変更することにより、これら複数のPWM信号の変化タイミングの重なりを回避する構成を用いている。
本実施の形態3の発光ダイオード点灯装置700は、実施の形態2のようにあるPWM信号のタイミングだけが常に変更されるといった偏りを回避するため、PWMタイミング調整回路710によって、PWM信号調整回路に入力されるPWM信号を入れ替えることで、タイミングを変更するPWM信号を変更することができる構成を有している。
図8は、実施の形態3の係るPWMタイミング調整回路710の構成を示す回路図である。図9は、実施の形態3に係るPWM信号調整回路712の構成を示す回路図である。図8に示すように、PWMタイミング調整回路710は、入替回路711、PWM信号調整回路712、入替回路713、および制御回路714を備えている。
PWM信号調整回路712は、図5に示した実施の形態2のPWM信号調整回路104と同様の構成および機能を有しているが、入力の名称および出力の名称だけが異なる。具体的には、PWM信号調整回路104においては、入力の名称がPWM_R,PWM_G,PWM_Bとなっていたのに対し、図8および図9に示すとおり、PWM信号調整回路712においては、入力の名称がPWM_1A,PWM_2A,PWM_3Aとなっている。また、PWM信号調整回路104においては、出力の名称がPWM_Rout,PWM_Gout,PWM_Boutとなっていたのに対し、PWM信号調整回路712においては、出力の名称がPWM_1B,PWM_2B,PWM_3Bとなっている。
これ以外の点については、PWM信号調整回路104と同様であるため、これまでにしたPWM信号調整回路104の説明において、上記のとおり入力の名称および出力の名称を読み代えることによって、PWM信号調整回路712の説明とする。
入替回路711は、PWM信号調整回路712の複数の入力端子に入力される複数のPWM信号の組み合わせを変更することにより、PWM信号調整回路712によって変化タイミングが変更されるPWM信号を変更する第1組み合わせ変更回路として機能する。
具体的には、入替回路711には、PWM_R,PWM_G,PWM_Bがそれぞれ入力される。入替回路711は、スイッチSW01〜SW09を備えており、これら複数のスイッチを切り替えることにより、PWM信号調整回路712の入力であるPWM_1A,PWM_2A,PWM_3Aのそれぞれに対し、PWM_R,PWM_G,PWM_Bのいずれを入力するかを切り替える。
入替回路713は、PWM信号調整回路712の複数の出力端子から組み合わせの変更がなされた状態で出力された複数のPWM信号が、組み合わせの変更がなされる前の組み合わせで、制御回路910R,910G,910Bに入力されるように、PWM信号調整回路712の複数の出力端子から出力された複数のPWM信号の組み合わせをさらに変更する第2組み合わせ変更回路として機能する。
具体的には、入替回路713には、PWM信号調整回路712から出力されたPWM_1B,PWM_2B,PWM_3Bがそれぞれ入力される。入替回路713は、スイッチSW11〜SW19を備えており、これら複数のスイッチを切り替えることにより、入力されたPWM_1B,PWM_2B,PWM_3Bのそれぞれが、PWM_Rout,PWM_Gout,PWM_Boutのうちの対応する端子から出力されるようにする。
例えば、PWM信号調整回路712のPWM_1Aに対してPWM_Rが入力され、PWM信号調整回路712のPWM_1BからPWM_Rが出力された場合、入替回路713は、これがPWM_Routに出力されるようにスイッチを切り替える。同様に、入替回路713は、PWM_GがPWM_Goutに、PWM_BがPWM_Boutに出力されるようにスイッチを切り替える。
入替回路711が備えるスイッチSW01〜SW09、および入替回路713が備えるスイッチSW11〜SW19の制御は、制御回路714によって行われる。
制御回路714は、PWM信号調整回路712のPWM_1A,PWM_2A,PWM_3Aに入力されるPWM信号の組み合わせが6通りであるのに応じて、0〜5までの6通りの値を示す、3ビットの設定値D2,D1,D0が入力され、この設定値に応じて、PWM信号の組み合わせを決定し、これに応じて、入替回路711が備えるスイッチSW01〜SW09、および入替回路713が備えるスイッチSW11〜SW19の制御を行う。上記設定値は、制御回路714の外部あるいは内部に設けられた設定スイッチやカウンタ回路で発生され、0〜5までの6通りの値を2進数で示すものである。
ここで、制御回路714による制御の具体例を説明する。図10は、実施の形態3に係る制御回路714による制御の具体例を示す図である。
図10に示すように、制御回路714は、設定値D2,D1,D0に応じて、入替回路711が備えるスイッチSW01〜SW09、および入替回路713が備えるスイッチSW11〜SW19のオン/オフの制御を行う。図10において、“○”が設定されているスイッチは、当該スイッチをオンにすることを示すものであり、“○”が設定されていないスイッチは、当該スイッチをオフにすることを示すものである。
例えば、図10に示す例では、(D2,D1,D0)=(0,0,0)の場合、制御回路714は、入替回路711のスイッチSW01,SW05,SW09、および入替回路713のスイッチSW11,SW15,SW19をオンにして、その他のスイッチをオフにする。
この場合、入替回路711のPWM_1Aからは、PWM_Rが出力され、PWM_2Aからは、PWM_Gが出力され、PWM_3Aからは、PWM_Bが出力される。
PWM信号調整回路712において、タイミングが変更されるのは、PWM_1Aから入力されたPWM信号と、PWM_2Aから入力されたPWM信号である。
したがって、PWM信号調整回路712では、実施の形態2と同様に、PWM_RおよびPWM_Gのタイミングが変更される。
そして、入替回路713のPWM_Routからは、PWM_1Bが出力され、PWM_Goutからは、PWM_2Bが出力され、PWM_Boutからは、PWM_3Bが出力される。
また、(D2,D1,D0)=(0,0,1)の場合、制御回路714は、入替回路711のスイッチSW01,SW06,SW08、および入替回路713のスイッチSW11,SW16,SW18をオンにして、その他のスイッチをオフにする。
この場合、入替回路711のPWM_1Aからは、PWM_Rが出力され、PWM_2Aからは、PWM_Bが出力され、PWM_3Aからは、PWM_Gが出力される。
このようにして、入替回路711は、PWM_GとPWM_Bとを入れ替えるのである。
PWM信号調整回路712において、タイミングが変更されるのは、PWM_1Aから入力されたPWM信号と、PWM_2Aから入力されたPWM信号である。
したがって、PWM信号調整回路712では、PWM_GとPWM_Bとが入れ替わり、PWM_RおよびPWM_Bのタイミングが変更される。
そして、入替回路713のPWM_Routからは、PWM_1Bが出力され、PWM_Goutからは、PWM_3Bが出力され、PWM_Boutからは、PWM_2Bが出力される。このようにして、入替回路713は、PWM_GとPWM_Bとの入れ替わりを、元に戻すのである。
このように、本実施の形態3の発光ダイオード点灯装置700は、制御回路714に入力された設定値によって、タイミングの変更を行う/行わないPWM信号を切り替えることができる。これにより、例えば、任意の設定値を制御回路714に入力することで、タイミングの変更を行う/行わないPWM信号を任意に設定できるよう構成することができる。また、また、カウンタ回路などを用いて設定値を周期的に変更することで、タイミングの変更を行う/行わないPWM信号を周期的に変更するよう構成することもできる。
ここで、あるPWM信号のタイミングを変更するということは、対応するLEDアレイの点灯タイミングが変更されるということである。これにより、PWM信号のタイミングを変更する前後では、複数のLEDアレイの点灯が重なる期間が異なるため、複数のLEDアレイによって発せられる照明の色合い(色の見え方)にずれが生じる。
実施の形態2の発光ダイオード点灯装置100のように、タイミングを変更するPWM信号があるPWM信号に固定されている場合は、点灯タイミングが変更されるLEDアレイが決まったものとなるから、複数のLEDアレイによって発せられる照明の色合いの種類は僅かなものとなる。
一方、実施の形態3の発光ダイオード点灯装置700のように、タイミングを変更するPWM信号を変更できる場合は、点灯タイミングが変更されるLEDアレイを変更することができるから、複数のLEDアレイによって発せられる照明の色合いの種類はより多様なものとなる。
そこで、例えば、実施の形態3の発光ダイオード点灯装置700において、タイミングの変更を行う/行わないPWM信号が周期的に変更されるよう構成することで、複数のLEDアレイによって発せられる照明の色合いを多様なものへと周期的に変更することができる。これにより、PWM信号のタイミングを変更したことによって生じる色合いのずれ具合も多様なものへと分散されるから、ずれ具合を時間的に平均した場合、タイミングを変更するPWM信号が固定されている場合よりも、このずれ具合を軽減することができる。
以上、実施の形態1、2、および3について説明したが、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
すなわち、発光ダイオード点灯制御回路の構成は、少なくとも、「複数のPWM信号の変化タイミング同士の重なりを検出し、検出された重なりが解消するように、複数のPWM信号のうちの少なくともいずれか一つのPWM信号の変化タイミングを変更し、変更後のPWM信号を含む複数のPWM信号に基づいて、複数の発光ダイオードの駆動を制御する」という機能を実現することができるものであれば、各実施の形態で説明したものに限らず、実施の形態で説明した回路構成に多様な変更を加えて実施するようにしても良い。この場合、各実施の形態で説明した機能を、他の回路構成で実現するようにしても良い。
例えば、「複数のPWM信号の変化タイミング同士の重なりを検出する検出回路」としての機能を実現するための回路構成としては、図3等に示した複数のAND回路および複数のインバータ回路によるものに限らず、その他の回路構成によるものであっても良い。
また、「変化タイミング同士の重なりが解消するように、複数のPWM信号のうちの少なくともいずれか一つのPWM信号の変化タイミングを変更する変更回路」としての機能を実現するための回路構成としては、図3等に示した各種回路(DFF、AND回路、OR回路、インバータ回路)によるものに限らず、その他の回路構成によるものであっても良い。
また、「複数のPWM信号の各々について、当該PWM信号から、当該PWM信号の遅延信号を複数生成する生成回路」としての機能を実現するための回路構成としては、図3等に示した複数のDFFによるものに限らず、その他の回路構成によるものであっても良い。
また、「複数のPWM信号の組み合わせを変更することにより、変化タイミングが変更されるPWM信号を変更する第1組み合わせ変更回路」としての機能を実現するための回路構成としては、図8に示した入替回路711によるものに限らず、その他の回路構成によるものであっても良い。
また、「変更回路の複数の出力端子から組み合わせの変更がなされた状態で出力された複数のPWM信号が、組み合わせの変更がなされる前の組み合わせで、制御回路の複数の入力端子に入力されるように、変更回路の複数の出力端子から出力された複数のPWM信号の組み合わせをさらに変更する第2組み合わせ変更回路」としての機能を実現するための回路構成としては、図8に示した入替回路713によるものに限らず、その他の回路構成によるものであっても良い。
また、各実施の形態で説明した機能に変更を加え、これを他の回路構成で実現するようにしても良い。
例えば、各実施の形態では、変化タイミングの重なりが検出されたPWM信号の一部期間のタイミングを変更する回路構成としたが、これに限らない。例えば、変化タイミングの重なりが検出されたPWM信号の全期間のタイミングを変更する回路構成としても良い。
また、各実施の形態では、変化タイミングの重なりが検出されたPWM信号のうち、重なりが検出された変化タイミングを含む一部の期間の信号を、予め生成された遅延信号と入れ替えることにより、重なりを解消する回路構成としたが、これに限らない。例えば、変化タイミングの重なりが検出されたPWM信号のうち、重なりが検出された変化タイミングを含む一部の期間の信号を遅延させる等して、重なりを解消する回路構成としても良い。
また、実施の形態1では、2つのPWM信号のうちの、一方のPWM信号のタイミングを変更することで、変化タイミングの重なりを解消する回路構成としたが、これに限らない。例えば、2つのPWM信号の双方のタイミングを変更する回路構成としても良い。
また、実施の形態2および3では、3つのPWM信号のうちのいずれか1つのPWM信号を基準として、他のPWM信号の変化タイミングを変更することで、変化タイミングの重なりを解消する回路構成としたが、これに限らない。例えば、3つのPWM信号の全てのタイミングを変更することで、変化タイミングの重なりを解消する回路構成としても良い。
また、各実施の形態では、複数のPWM信号をDFFでサンプリングし、当該サンプリングがなされた複数のPWM信号を参照することにより、複数のPWM信号の各々の変化タイミングを特定する回路構成としたが、これに限らない。例えば、これ以外の他の方法によって、複数のPWM信号の各々の変化タイミングを特定する回路構成としても良い。
また、各実施の形態では、通常は遅延信号を出力し、変化タイミングの重なりが検出された場合には、さらなる遅延信号を出力する回路構成としたが、これに限らない。例えば、通常は遅延していないPWM信号を出力し、変化タイミングの重なりが検出された場合には、遅延信号を出力する回路構成としてもよい。
また、各実施の形態では、複数のPWM信号の各々について、生成された複数の遅延信号同士を比較することにより、当該PWM信号の変化タイミングを特定する回路構成としたが、これに限らない。例えば、これ以外の他の方法によって、複数のPWM信号の各々の変化タイミングを特定する回路構成としても良い。
なお、各実施の形態では、発光ダイオード点灯装置が備える3つのLEDアレイの点灯を制御する例を説明したが、各実施の形態と同様の構成を採用し、これに適宜修正を加えることにより、発光ダイオード点灯装置が備える2つのLEDアレイの点灯を制御したり、発光ダイオード点灯装置が備える4つ以上のLEDアレイの点灯を制御するように構成することもできる。また、発光ダイオード点灯装置が備える2つの単一のLEDの点灯を制御したり、発光ダイオード点灯装置が備える4つ以上の単一のLEDの点灯を制御するように構成することもできる。