JP2012148930A - 炭素材、炭素材の製造方法及び蓄電装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】炭素を主成分とする球状炭素粒子と、炭素を主成分とする複数の球状炭素粒子が凝集してなる凝集炭素粒子との混合物よりなる炭素材であり、上記球状炭素粒子及び凝集炭素粒子各々は、その炭素骨格中に窒素を含む。
【選択図】図2
Description
例えば、特許文献1には、粗ガス中の触媒毒の存在下であっても、アンモニア存在下で窒素酸化物を窒素に変換するための十分な活性を有する活性炭触媒について記載されている。その特徴は、炭素骨格中の窒素含有量が0.4重量%より大きく、1nm未満のミクロ孔の細孔容積が0.47cm3/g未満であり、及び1nmを超えるマクロ孔の細孔容積が0.72cm3/g未満としたことにある。
尿素と、フェノール類と、アルデヒド類と、界面活性剤と、硬化剤と、酸触媒との混合溶液を調製する工程と、
上記混合溶液を75℃以上110℃以下の熱処理温度で反応させることにより、炭素材前駆体である球状フェノール樹脂を調製する工程と、
上記炭素材前駆体を110℃以上300℃以下の温度雰囲気で硬化させる工程と、
得られた硬化物を600℃以上800℃以下の温度雰囲気で炭素化する工程とを備えていることを特徴とする。
尿素基を含有するフェノール類と、アルデヒド類と、界面活性剤と、硬化剤と、酸触媒との混合溶液を調製する工程と、
上記混合溶液を75℃以上110℃以下の熱処理温度で反応させることにより、炭素材前駆体である球状フェノール樹脂を調製する工程と、
上記炭素材前駆体を110℃以上300℃以下の温度雰囲気で硬化させる工程と、
得られた硬化物を600℃以上800℃以下の温度雰囲気で炭素化する工程とを備えていることを特徴とする。
−球状フェノール樹脂の調製−
界面活性剤としてのCTAB(臭化セチルトリメチルアンモニウム)0.029molと、硬化剤としてのヘキサメチレンテトラミン0.0032molと、尿素基含有フェノールとしての3ヒドロキシフェニル尿素0.1molとを水中(17.7mol)で混合し、65℃に加熱した。これに、ホルムアルデヒド0.21mol及び酸触媒としての塩酸0.0031molを加えて混合した。この混合溶液を95℃の温度になるように加熱しながら24時間攪拌した(重合反応)。その後、反応溶液を遠心分離し、得られた生成物を水及びメタノールで洗浄することにより、炭素材の前駆体である球状フェノール樹脂を得た。この球状フェノール樹脂をアルゴンガス雰囲気下で加熱して120℃の温度に2時間保持することによって硬化させた。
実施例1に係る炭素材
上述の硬化させた球状フェノール樹脂を、加温した塩基性水溶液中(pH12,温度70℃)で一晩攪拌する攪拌処理を行なった。しかる後、その球状フェノール樹脂をアルゴンガス雰囲気下で加熱して600℃の温度に1時間保持した(炭素化処理)。これにより、実施例1に係る炭素材(賦活処理なし)を得た。
上述の硬化させた球状フェノール樹脂を、加温した塩基性水溶液中(pH12,温度70℃)で一晩攪拌する攪拌処理を行なった。しかる後、その球状フェノール樹脂をアルゴンガス雰囲気下で加熱して800℃の温度に1時間保持した(炭素化処理)。得られた炭素化物に、飽和水蒸気を含む窒素ガス雰囲気下で加熱する水蒸気賦活処理を施して、実施例2,3に係る炭素材(活性炭)を得た。実施例2の水蒸気賦活処理は、加熱温度800℃、保持時間30分とし、実施例3の水蒸気賦活処理は、加熱温度800℃、保持時間60分とした。
−球状フェノール樹脂の調製−
界面活性剤としてのCTAB(臭化セチルトリメチルアンモニウム)0.029molと、硬化剤としてのヘキサメチレンテトラミン0.0032molとを水中(17.7mol)で混合し、45℃に加熱した。これに、尿素0.1mol、フェノール0.1mol、ホルムアルデヒド0.21mol及び酸触媒としての塩酸0.0031molを加えて混合した。この混合溶液を95℃の温度になるように加熱しながら24時間攪拌した(重合反応)。その後、反応溶液を遠心分離し、得られた生成物を水及びメタノールで洗浄することにより、炭素材の前駆体である球状フェノール樹脂を得た。この球状フェノール樹脂をアルゴンガス雰囲気下で加熱して270℃の温度に2時間保持することによって硬化させた。
実施例4に係る炭素材
上述の硬化させた球状フェノール樹脂を、加温した塩基性水溶液中(pH12,温度70℃)で一晩攪拌する攪拌処理を行なった。しかる後、その球状フェノール樹脂をアルゴンガス雰囲気下で加熱して600℃の温度に1時間保持した(炭素化処理)。これにより、実施例4に係る炭素材(賦活処理なし)を得た。
上述の硬化させた球状フェノール樹脂を、加温した塩基性水溶液中(pH12,温度70℃)で一晩攪拌する攪拌処理を行なった。しかる後、その球状フェノール樹脂をアルゴンガス雰囲気下で加熱して800℃の温度に1時間保持した(炭素化処理)。得られた炭素化物に、飽和水蒸気を含む窒素ガス雰囲気下で加熱して800℃の温度に3時間保持した(水蒸気賦活処理)。これにより、実施例5に係る炭素材(活性炭)を得た。
臭化セチルトリメチルアンモニウム0.029molと、ヘキサメチレンテトラミン0.0032molとを水中(17.7mol)で混合し、45℃に加熱した。これに、フェノール0.21mol、ホルムアルデヒド0.21mol及び酸触媒としての塩酸0.0031molを加えて混合した。この混合溶液を95℃の温度になるように加熱しながら24時間攪拌した(重合反応)。その後、反応溶液を遠心分離し、得られた生成物を水及びメタノールで洗浄することにより、炭素材の前駆体である球状フェノール樹脂を得た。この球状フェノール樹脂をアルゴンガス雰囲気下で加熱して270℃の温度に2時間保持することによって硬化させた。
実施例1〜5及び比較例1,2の各炭素材のBET比表面積及び全細孔容積を調べるとともに、それら炭素材各々を負極活物質とするLiイオン型コイン電池(蓄電装置)を作成し、特性を比較した。すなわち、正極はリチウム金属とし、負極は、炭素材とアセチレンブラック(AB)とバインダとを90:5:5の質量比で混合した負極材を白金製集電体に塗布して構成した。電解液には、EC(エチレンカーボーネート)とDMC(ジメチルカーボネート)との混合溶媒(EC:DMC=1:2(質量比))に1M−LiPF6を溶かしたものを採用した。そして、1mAの定電流、0.01〜3.0Vの電圧範囲で充放電サイクル試験(室温25℃)を行ない、初期充電容量、初期放電容量及び初期充放電効率(=(放電容量/充電容量)×100)を測定した。また、実施例2,3及び比較例1の各炭素材の電気伝導率を測定した。結果を表1に示す。
実施例3及び比較例2の各炭素材表面部における窒素の結合状態をXPS(X線光電子分光法)によって調べた。測定装置には、アルバック・ファイのESCA5600Ciを用い、X線源はMgKα(300W)とした。
Claims (7)
- 炭素を主成分とする球状炭素粒子と、炭素を主成分とする複数の球状炭素粒子が凝集してなる凝集炭素粒子との混合物よりなる炭素材であって、
上記球状炭素粒子及び凝集炭素粒子各々は、その炭素骨格中に窒素を含むことを特徴とする炭素材。 - 請求項1において、
平均粒子径が2μm以下であることを特徴とする炭素材。 - 請求項1又は請求項2において、
上記窒素の含有量が0.5質量%以上10.5質量%以下であることを特徴とする炭素材。 - 請求項1に記載された炭素材の製造方法であって、
尿素と、フェノール類と、アルデヒド類と、界面活性剤と、硬化剤と、酸触媒との混合溶液を調製する工程と、
上記混合溶液を75℃以上110℃以下の熱処理温度で反応させることにより、炭素材前駆体である球状フェノール樹脂を調製する工程と、
上記炭素材前駆体を110℃以上300℃以下の温度雰囲気で硬化させる工程と、
得られた硬化物を600℃以上800℃以下の温度雰囲気で炭素化する工程とを備えていることを特徴とする炭素材の製造方法。 - 請求項1に記載された炭素材の製造方法であって、
尿素基を含有するフェノール類と、アルデヒド類と、界面活性剤と、硬化剤と、酸触媒との混合溶液を調製する工程と、
上記混合溶液を75℃以上110℃以下の熱処理温度で反応させることにより、炭素材前駆体である球状フェノール樹脂を調製する工程と、
上記炭素材前駆体を110℃以上300℃以下の温度雰囲気で硬化させる工程と、
得られた硬化物を600℃以上800℃以下の温度雰囲気で炭素化する工程とを備えていることを特徴とする炭素材の製造方法。 - 請求項5において、
上記尿素基を含有するフェノール類として、3−ヒドロキシルフェニル尿素を用いることを特徴とする炭素材の製造方法。 - 請求項4乃至請求項6のいずれか一において、
上記炭素化する工程で得られた炭素化物を水蒸気賦活する工程をさらに備えていることを特徴とする炭素材の製造方法。
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