JP2012146436A - 分散型el素子 - Google Patents

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達哉 神田
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恵美 橋本
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Abstract

【課題】 高い輝度と発光効率を両立させる。
【解決手段】 分散型EL素子10は、透明電極2、バインダー3A中に蛍光体微粉末3Bを分散してなる発光層3、バインダー4A中に誘電体微粉末4Bを分散してなる誘電体層4、および背面電極5を積層して構成される。本発明の分散型EL素子では、発光層3の膜厚は80〜100μmであり、背面電極5は誘電体層4上に圧着、蒸着もしくはスパッタリングにより形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、分散型エレクトロルミネセンス(以下、分散型ELという)素子に関する。
従来から面発光型光源として知られている分散型EL素子110は、図10に示すように、ポリエチレンテレフタレート等からなるベースフィルム101の片面に、ITO(酸化インジウム)等からなる透明電極102と、バインダー103A中に蛍光体微粉末103Bを分散してなる発光層103と、バインダー104A中に誘電体微粉末104Bを分散してなる誘電体層104と、アルミニウム、銀、カーボン等からなる背面電極105とを順次積層して構成される。
分散型EL素子110の発光層103および誘電体層104の膜厚は1〜100μm程度が製造上取り得る範囲とされているが、現実には発光層103は最大でも50μm前後、誘電体層104は30μm前後とするのが実用的な設計値とされている。なぜなら、発光層103や誘電体層104の膜厚を厚くすると駆動電圧が上昇し、また輝度が低下するので実用上は適さないと解されていたからである。
また、従来の有機EL素子の改良では、発光の輝度を高めることに主眼が置かれ、発光効率はあまり重視されてこなかった。事実、発光効率について具体的な数値目標、到達値を示している先行技術文献はほとんどない。これまでのところ、最も高い発光効率を報告した非特許文献1でも、輝度100cd/mで発光効率は約16lm/W、同600cd/mで発光効率は約11lm/Wである。この文献では発光層103の膜厚は40μm、誘導層104の膜厚は30μmとされている。
エネルギー有効利用の観点からすれば、発光効率は白熱電球のそれ(10〜12lm/W)を上回る15lm/W以上が望ましく、またそのときの輝度としては少なくとも500cd/m以上が必要とされるので、現状の分散型EL素子においては高い発光効率と輝度を両立させることが課題であった。
他にも発光効率に影響を与える因子として、背面電極105の形成方法がある。背面電極105の形成方法としては、透明電極102を形成したベースフィルム101上に発光層103、誘電体層104を形成し、その上に導電性ペーストを塗布することによって背面電極105を形成する方法が一般的である。ここで、誘電体層104は、チタン酸バリウム等の誘電体微粉104Bをバインダー104A中に分散した誘電体ペーストを、発光層103上に塗布、焼成して成膜されるが、このようにして形成した誘電体層104では、表面に微細なクラックや気泡(符号104C参照。)が存在することが多い。したがって、その上に導電性ペーストを塗布すると、一部の導体材料がクラックや気泡の内部へ侵入し、その部分の実効的な誘電体層104の膜厚を低下させてしまう。このため、実質的に、誘電体層104の膜厚を最適値より薄くしたのと同じことになり発光効率が低下する要因となっていた。
なお、特許文献1には、誘電体層104上に背面電極105を圧着により形成しても良いことが記載されているが、これは誘電体層104と背面電極105の密着性を高めることを主に狙ったものであり、デバイスとしての輝度や発光効率への影響については言及していない。事実、この文献には、発光層103や誘電体層104の膜厚や誘電体材料との関連で詳細に考察された箇所はない。
特開2004−241269号公報(図2、段落0027参照。)
FUJIFILM RESERCH AND DEVELOPMENT No.51, 31−36 頁(2006)
本発明は、上記の技術的課題を解決するためになされたものであり、高い輝度と発光効率を両立させることが可能な分散型EL素子を提供することを目的とする。
分散型EL素子は、透明電極、バインダー中に蛍光体微粉末を分散してなる発光層、バインダー中に誘電体微粉末を分散してなる誘電体層、および背面電極を積層して構成される。本発明に係る分散型EL素子では、前記発光層の膜厚は80〜100μmであり、前記背面電極は、前記誘電体層上に導体材料を圧着、蒸着あるいはスパッタリングすることにより形成される。
具体的には、金属薄膜(アルミニウム等)を片面に成膜したベースフィルムを、金属薄膜と誘電体層との間で圧着したり、ベースフィルムに導電性ペースト(銀、カーボン等)を片面に塗布、焼成したものを同様に圧着することにより形成される。
このような背面電極の形成方法によると、あらかじめ膜状に硬化させた導体材料を誘電体層上に圧着させるので、導体材料が誘電体層の表面上の微少な気泡やクラックを埋めることがない。したがって、誘電体層の実質的な膜厚が小さくなる不具合が解消される。
また背面電極は、あらかじめ金属薄膜を蒸着若しくはスパッタリングしたり、導電性ペーストを塗布、焼成したりして導体材料をその表面に形成したベースフィルムに、誘電体層の一部を塗布、焼成したものを、上記の誘電体層上に圧着してもよい。この場合は同じ材料である誘電体層どうしを圧着するので、より強固な積層構造を得ることができる。この場合もあらかじめ成膜された背面電極は誘電体層の気泡やクラックに入り込むことはない。
さらに誘電体層の全体を、導体材料を形成したベースフィルム上に塗布、焼成して形成したものを、発光層まで形成した透明電極側構造体に圧着しても同様の効果が得られる。
前記誘電体微粉末の材料としては、比較的安価に入手できるチタン酸バリウムやルチル型の二酸化チタンを好適に使用できる。本発明は、輝度を向上させるために前記発光層の膜厚を大きく設定しているので、発光効率の低下を抑制するために、前記誘電体層は膜厚を誘電体微粉末の材料に応じて適切に設定して発光層と組み合わせる必要がある。実験によると、チタン酸バリウムを用いた場合は、前記誘電体層の膜厚を30〜50μmとするのが適切であり、ルチル型の二酸化チタンを用いた場合は、前記誘電体層の膜厚を10〜25μmとするのが適切であることがわかった。
本発明によれば、高い輝度と発光効率を両立させることが可能である。
本発明の一実施形態に係る分散型EL素子の要部断面図である。 チタン酸バリウムを主成分とする誘電体層の静電容量に対する誘電損失の関係を検討した結果を示すグラフである。 チタン酸バリウムを主成分とする誘電体層を有する分散型EL素子において、輝度に対する発光効率の関係を、発光層と誘電体層の膜厚を種々組み合わせて検討した結果を示すグラフである。 チタン酸バリウムを主成分とする誘電体層を有する分散型EL素子において、誘電体層の膜厚に対する輝度の関係を検討した結果を示すグラフである。 二酸化チタンを主成分とする誘電体層の静電容量に対する誘電損失の関係を検討した結果を示すグラフである。 二酸化チタンを主成分とする誘電体層を有する分散型EL素子において、輝度に対する発光効率の関係を、チタン酸バリウムを主成分とする誘電体層を有する分散型EL素子と比較した結果を示すグラフである。 二酸化チタンを主成分とする誘電体層を有する分散型EL素子において、誘電体層の膜厚に対する輝度の関係を検討した結果を示すグラフである。 二酸化チタンを主成分とする誘電体層を有する分散型EL素子において、入力電圧に対する輝度の関係を、ルチル型とアナターゼ型の二酸化チタンで比較して検討した結果を示すグラフである。 背面電極を圧着によって形成する工程を示す断面図である。 従来例に係る分散型EL素子の要部断面図である。
図1を用いて、本発明の実施形態に係る分散型EL素子の概略構成を説明する。図1に示す分散型EL素子10は、ベースフィルム1、透明電極2、発光層3、誘電体層4、背面電極、ベースフィルム6を積層した構成を有する。なお、ベースフィルム1,6は、分散型EL素子10の製造上必要となるものではあるが、機能上は必須の構成ではない。
ベースフィルム1、6としては、透湿性、吸湿性が低い任意の樹脂フィルムを用いることができるが、耐熱性が良好であることから、ポリエチレンテレフタレートなどの耐熱性樹脂フィルムが特に好適である。また膜厚に関しては、面状発光体のフレキシビリティを改善するため、0.30mm以下のものが特に好ましい。
透明電極2は、ITO等の透明導電体を前記ベースフィルム1の片面に、例えば、スパッタ成膜等することによって形成される。
発光層3は、熱可塑性樹脂からなるバインダー3A中に、蛍光体微粉末3Bを均一分散したものからなる。
バインダー3Aを構成する材料としては、熱可塑性の樹脂、例えばフッ素ゴム系樹脂、フッ素樹脂、アクリル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニルなど、熱によって軟化する樹脂材料が用いられる。
また、蛍光体微粉末3Bとしては、公知に属する任意の蛍光体の微粉末を用いることができるが、強い発光強度が得られることなどから、硫化亜鉛中に銅と塩素とを添加したものなどが特に好適である。
発光層3の膜厚は、80〜100μmである。このような発光層3の膜厚領域は、一般的な有機EL素子に比べてかなり厚いものである。従来は、前述したように、発光層3の膜厚を厚くすると駆動電圧が上昇し、また輝度が低下するので実用上は適さないとされていた。しかし、本願発明者等の検討の結果、発光層3の膜厚を厚くしても、後述する誘電体層4の膜厚を適切な範囲にして組み合わせば、従来は適当でないとされていた膜厚領域でも十分な輝度が得られ、かつ従来報告されていない高い発光効率が得られることがわかった。
発光層3の膜厚が厚い場合には、蛍光体微粉末3Bのバインダー3Aに対する混合比はあまり高くないことが好ましく、重量比で1:1〜6:1、より好ましくは1:1〜4:1の範囲が良い。この比率が低いほど高価な蛍光体材料の使用量を低減出来、コスト的に有利である。
発光層3は、蛍光体微粉末3Bをバインダー3A中に混合した蛍光体ペーストを、ベースフィルム1上に形成された透明電極2上に、例えばスクリーン印刷等により均一な厚さで塗布した後、焼成することにより形成される。
誘電体層4は、バインダー4A中に誘電体微粉末4Bを均一に分散したものからなる。
バインダー4Aの材料としては、上述の発光層3のバインダー3Aの材料と同種のものを用いることができる。
誘電体層4は、バインダー4Aを溶剤に溶かしたものに、誘電体微粉末4Bを分散混合して得られる誘電体ペーストを、発光層3上に、例えばスクリーン印刷等により均一な厚さに塗布した後、焼成することによって形成される。
また、誘電体微粉末4Bとしては、チタン酸バリウム(BaTiO)またはルチル型の二酸化チタン(TiO)の微粉末を好適に用いることができる。誘電体微粉末に用いる材料としては比誘電率が高く微粉末に加工したときに静電容量が高くなる材料が好適で、特にチタン酸バリウムが好んで用いられる。しかし、本願発明者等の検討によると、図2に示すように、チタン酸バリウムの微粉末をバインダー中に分散して成膜した誘電体層は、膜厚を薄くするほど静電容量が上昇するものの、いわゆる誘電損失(tanδ)も増加し、電力ロスが大きくなることがわかった。実際に分散型EL素子を試作すると、図3に示すように、チタン酸バリウムを用いた誘電体層4を膜厚80〜100μmの発光層3と組み合わせる場合、従来から好んで採用されてきた膜厚30μm以下では発光効率が高くならず、膜厚50μmで発光効率が最大となることがわかった。
図3に基づいて考察すると、発光層3の膜厚が80μm前後のときは発光効率は最大となり、110μmでは低下し始める。したがって、発光層3の膜厚としては上記のように80〜100μmが適当である。そこで、分散型EL素子10において発光層3の膜厚を80μmに設定し、チタン酸バリウムを主成分とする誘電体層4の膜厚に対する輝度の関係を検討すると、図4に示すように、誘電体層4の膜厚は厚いほど発光効率が上昇する傾向にあるが、図4に示すように、あまり厚くしすぎると輝度が低下してしまうので、適当なところで30〜50μmの範囲が望ましい。チタン酸バリウムのバインダー樹脂に対する混合比は、重量比で2:1〜4:1の範囲が良い。これ以上の比率になると誘電損失が増大するので不都合である。
文献などによると、二酸化チタンも比誘電率が高い材料として分散型EL素子の誘電体層に用いることのできる誘電体材料として挙げられているが、その比誘電率はチタン酸バリウムの1,000以上に対して100程度と小さく、実用に適さない材料との認識が一般的であった。これに対して、誘電損失に関しては、図5に示すように、二酸化チタンを誘電体材料に用いた誘電体層では、膜厚あるいは静電容量が変化してもほぼ一定の低い値に留まることがわかった。したがって、発光効率を重視した場合、同じ静電容量でも電力損失が少ない二酸化チタンを誘電体層として利用することのメリットがあると考えられる。図6に示すように、二酸化チタンを誘電体材料に用いた誘電体層を有する分散型EL素子(発光層、誘電体層の膜厚はそれぞれ85μm、20μm。)でも発光特性は、チタン酸バリウムの場合に比較して遜色のないことがわかった。また、二酸化チタンは比誘電率が小さいため、図7に示すように、チタン酸バリウムの場合(図3参照。)よりも膜厚は薄い方が良く、10〜25μmが適当である。誘電体層の膜厚を薄くしても、二酸化チタンでは誘電損失が小さいため、チタン酸バリウムの場合と同等の発光効率が得られる。
二酸化チタンの結晶構造には、ルチル型とアナターゼ(アナタース)型の2種類が知られているが、誘電体材料としての適否を、分散型EL素子(発光層、誘電体層の膜厚はそれぞれ120μm、50μm。)を試作して比較したところ、図8に示すように、ルチル型の方が有利であることがわかった。この理由として、比誘電率がルチル型が110、アナターゼ型が30程度であるため、その差が輝度の違いとなって現れたものと解される。なお、発光効率は同一輝度で比較するとほぼ同じという結果が得られた。別の実験によってルチル型二酸化チタン微粉末のバインダー3Aに対する混合比は、重量比で2:1〜6:1が良いことがわかった。さらに、二酸化チタンはチタン酸バリウムよりも安価であり、それを薄く形成しても高い発光効率が得られるので、コスト面でも有利である。
背面電極5は、図9に示すように、金属薄膜(アルミニウム等)を片面に成膜したベースフィルム6を、金属薄膜と上記の誘電体層4との間で圧着したり、ベースフィルム6の片面に導電性ペースト(銀、カーボン等)を片面に塗布、焼成したものを同様に圧着することにより形成される。ベースフィルム6を連続体のまま取り扱うロール・ツー・ロール方式であれば、ベールフィルム6上に導体材料を膜状に形成したものを連続生産することが可能となる。
このような背面電極の形成方法によると、あらかじめ膜状に硬化させた導体材料を誘電体層4上に圧着させるので、導体材料が誘電体層4の表面上の微少なクラックや気泡を埋めることがない。したがって、誘電体層4の実質的な膜厚が小さくなる不具合が解消される。そのような目的が達成される限り、背面電極5の形成方法は上記のものには限定されない。例えば、金属箔もしくは金属板を誘電体層4上に直接圧着することも可能である。他にも、誘電体層4上にアルミニウムなどを蒸着若しくはスパッタリングして成膜しても良い。ただし、その膜厚は上記のクラックや気泡が埋まってしまわないように、約1μm以下とするのが良い。
また背面電極は、あらかじめ金属薄膜を蒸着若しくはスパッタリングしたり、導電性ペーストを塗布、焼成したりして導体材料をその表面に形成したベースフィルム6に、誘電体層の一部を塗布、焼成したものを、上記の誘電体層4上に圧着してもよい。この場合は同じ材料である誘電体層どうしを圧着するので、より強固な積層構造を得ることができる。この場合もあらかじめ成膜された背面電極は誘電体層4の気泡やクラックに入り込むことはない。
さらに誘電体層4の全体を、導体材料を形成したベースフィルム6上に塗布、焼成して形成したものを、発光層3まで形成した透明電極側構造体に圧着しても同様の効果が得られる。
本実施の形態では、誘電体層4の膜厚を、従来よりも厚め(80〜100μm)に成膜した発光層3と組み合わせるために最適化しているので、このような圧着による背面電極5の形成方法が特に有効である。 実験によると、圧着条件は、温度は誘電体層4の焼成温度の±10℃以内、圧力は0.5〜1.3MPaとし、冷却は圧力を掛けたままほぼ室温まで自然冷却するものとするのが望ましいことがわかった。
以上説明したように、本発明によると、発光層3の膜厚を従来に比べて飛躍的に厚くすることが出来、分散型EL素子10としたときの輝度の向上に寄与する。従来は発光層3の膜厚を厚くするとその分発光効率が犠牲になると考えられてきたが、誘電体層4に用いる誘電体材料および誘電体層4の膜厚を最適化して発光層3と組み合わせることにより、発光効率の低下が抑制される。この結果、高い輝度と発光効率の両立が可能となった。
以下に、本実施の形態に係る分散型EL素子の実施例を掲げ、本発明の効果を明らかにする。
<実施例1>
蛍光体微粉末(オスラムシルバニア社製GG45)を、バインダーに対する重量比が4:1となるようにフッ素系のバインダー樹脂、溶剤と混合した蛍光体ペースト((有)イメージテック製)を作成した。チタン酸バリウム微粉末を、バインダーに対する重量比が3:1となるようにフッ素系のバインダー樹脂、溶剤と混合した蛍光体ペースト((有)イメージテック製)を作成した。そして、片面にITO(酸化インジウムスズ)の透明導電膜(透明電極2)を形成したPETフィルム(ベースフィルム1)のITO透明導電膜側に上記の蛍光体ペーストを塗布、焼成して発光層3を成膜した。焼成後の発光層3の膜厚は約95μmとした。さらに、発光層3上に上記の誘電体ペーストを塗布、焼成して誘電体層4を成膜した。焼成後の誘電体層4の膜厚は約40μmであった。蛍光体ペーストおよび誘電体ペーストの焼成温度は、共に120℃とした。別途、片面にアルミニウム薄膜を蒸着により形成したPETフィルム(ベースフィルム6)を用意し、アルミニウム薄膜と上記の誘電体層4とが向かい合うように、2枚のPETフィルム(ベースフィルム1および6)を貼り合せ、約120℃に加熱しながら、0.5MPaの圧力を加えて密着させ、圧力を加えたまま室温まで冷却することにより、誘電体層4上に背面電極5が形成された、図1に示すような分散型EL素子10を作製した。
<実施例2>
実施例1において、誘電体ペーストとして、ルチル型の二酸化チタン微粉末をバインダー樹脂、溶剤と混合したものを用いた以外は、実施例1と同様の方法で図1に示すような分散型EL素子10を作製した。焼成後の発光層3、誘電体層4の膜厚はそれぞれ約90μm、約20μmとした。
<比較例1>
焼成後の発光層3、誘電体層4の膜厚をそれぞれ約60μm、約10μmとした以外は実施例1と同様の方法で図1に示すような分散型EL素子を作成した。
<比較例2>
蛍光体ペースト、誘電体ペーストは実施例1と同じものを用いた。片面にITO(酸化インジウムスズ)の透明導電膜(透明電極2)を形成したPETフィルム(ベースフィルム1)のITO透明導電膜側に上記の蛍光体ペーストを塗布、焼成して発光層を成膜した。焼成後の発光層の膜厚は約100μmとした。さらに、発光層上に上記の誘電体ペーストを塗布、焼成して誘電体層を成膜した。焼成後の誘電体層4の膜厚は約40μmであった。蛍光体ペーストおよび誘電体ペーストの焼成温度は、共に120℃とした。さらに、誘電体層の上に、カーボンペーストを塗布によって成膜することにより背面電極を形成し、図10に示すような分散型EL素子を作成した。
表1に、実施例と比較例の分散型EL素子について実測した輝度、発光効率およびその時の駆動電圧を示す。
Figure 2012146436
実施例1の分散型EL素子では、発光層の膜厚が薄い比較例1の素子と比べると、同じ輝度を達成するための駆動電圧はやや高くなるものの、2倍近い発光効率が得られている。背面電極としてカーボンペーストを塗布した比較例2の素子と比べても発光効率が高い。そして、駆動電圧は比較例2の素子よりも20%程度低い。輝度1000cd/mにおいて15lm/W近くの発光効率が得られ、これは白熱電球(約12lm/W)と同等以上の発光効率である。白熱電球と拡散板などを組み合わせて面的な照明光を得るような場合は拡散板による損失があるが、分散型EL素子の場合は面発光デバイスなので損失なく面光源を得ることができ、実用上、白熱電球を上回る電力利用効率を実現できる。
従来は実用に不向きとされていた二酸化チタンを用いた実施例2の分散型EL素子では、チタン酸バリウムを用いた実施例1の素子よりも発光効率はやや低いが実用上、十分な値が得られている。同じく、チタン酸バリウムを用いた比較例1、2の素子と比べても発光効率は高く、駆動電圧は比較例2の素子よりも低い。輝度、発光効率は実施例1と同様、白熱電球に優るものである上、チタン酸バリウムよりも安価な二酸化チタンの誘電体層を半分の厚みで形成すれば良いので、コスト的に非常に有利である。
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,6−ベースフィルム
2−透明電極
3−発光層
3A−バインダー
3B−蛍光体微粉末
4A−バインダー
4B−誘電体微粉末
4−誘電体層
5−背面電極
10−分散型EL素子

Claims (3)

  1. 透明電極と、バインダー中に蛍光体微粉末を分散してなる発光層と、バインダー中に誘電体微粉末を分散してなる誘電体層と、背面電極とを積層して構成される分散型EL素子において、
    前記発光層の膜厚は80〜100μmであり、前記背面電極は前記誘電体層上に導体材料を圧着、蒸着もしくはスパッタリングにより形成されるか、またはあらかじめ成膜された導体材料を少なくとも含む積層体を前記誘電体層または前記蛍光体層に圧着することにより形成される分散型EL素子。
  2. 前記誘電体微粉末の材料が、チタン酸バリウムであり、前記誘電体層の膜厚が30〜50μmである請求項1に記載の分散型EL素子。
  3. 前記誘電体微粉末の材料が、ルチル型の二酸化チタンであり、前記誘電体層の膜厚が10〜25μmである請求項1に記載の分散型EL素子。
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