JP2012145151A - 逆入力遮断クラッチ - Google Patents

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声一 高田
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Abstract

【課題】一方向の入力トルクのみを伝達する逆入力遮断クラッチにおいて、入力トルク伝達後の逆入力トルクに対して入力回転部材の共回りを防止する。
【解決手段】入力歯車1と固定軸2に回転自在に嵌め込まれた出力スリーブ3との間に、入力歯車1と出力回転部材5とを一定方向にトルク伝達可能に係合(ロック)させる駆動用一方向クラッチ7を組み込み、入力歯車1に押されて駆動されるフライホイール6と固定軸2との間に、フライホイール6を一定方向に空転させ、逆方向の回転に対しては固定軸2と係合させて停止させる逆転防止用一方向クラッチ8を組み込んで、一定方向の入力トルクの供給が停止したときに、フライホイール6が惰走して駆動用一方向クラッチ7による入力歯車1と出力回転部材5とのロック状態を解除した後、逆転することなく停止することにより、ロック解除状態が維持されるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、入力側に加えられる入力トルクを出力側に伝達し、出力側に加えられる逆入力トルクは入力側に伝達されないようにする逆入力遮断クラッチに関する。
逆入力遮断クラッチは、同一軸心のまわりに回転する入力回転部材と出力回転部材とをトルク伝達可能に連結し、その連結部に逆入力遮断機構、すなわち入力回転部材に加えられる入力トルクを出力回転部材に伝達し、出力回転部材に加えられる逆入力トルクは入力回転部材に伝達しない機構を設けたものである。
ところで、逆入力遮断クラッチの使用条件としては、入力回転部材の回転方向が一方向に限定されている場合があることから、本出願人は、このような条件のもとで使用するのに適したコンパクトな逆入力遮断クラッチとして、所定の一方向(一定方向)の入力トルクのみを伝達し、逆入力トルクに対しては出力回転部材が空転する構造のものを提案した(特許文献1参照。)。
上記特許文献1に記載された逆入力遮断クラッチの具体的な構造は、入力回転部材の径方向内側に入力回転部材と同心状態に出力回転部材を配し、その出力回転部材の外周面を円筒面とし、入力回転部材の内周面に所定の周方向間隔をおいて複数のポケットを設け、これらの各ポケットの底側に同一方向に傾斜するカム面を設けて、各ポケットに、ローラ(ころ)と、ローラをポケットの広大側へ向けて付勢する付勢ばねと、ローラを挟んで付勢ばねと対向する位置に配される押さえ板とを収容し、押さえ板に固定部材であるケーシングと摺動する摺動ばねを取り付けたものである。
このクラッチでは、入力回転部材に一定方向の入力トルクが加えられると、ローラがケーシングから摺動ばねを介して回転抵抗を受ける押さえ板に押され、付勢ばねの弾性力に抗してポケットの狭小側へ相対移動して入力回転部材および出力回転部材と係合することにより、出力回転部材にトルクが伝達される。一方、出力回転部材に逆入力トルクが加えられたときは、付勢ばねがローラおよび押さえ板をポケットの広大側へ押すことにより、ローラの入力回転部材および出力回転部材との係合が解除された状態となるので、出力回転部材が空転して入力回転部材にはトルクが伝達されないようになっている。
特開2005−351422号公報
ところが、上述した特許文献1に記載の逆入力遮断クラッチでは、入力回転部材に入力トルクが加えられて出力回転部材にトルクが伝達された後、入力トルクと逆方向の逆入力トルクが出力回転部材に加えられたときに、入力回転部材が出力回転部材と共回りしてしまうことがある。これは、トルク伝達直後には、ローラを介した入力回転部材と出力回転部材との係合(ロック)状態が保持されているからである。すなわち、トルク伝達後のロック状態において、入力トルクと同方向の逆入力トルクが加えられると、ローラが出力回転部材から受ける摩擦力と付勢ばねの弾性力によりポケットの広大側へ移動してロック状態が解除され、出力回転部材が空転するが、逆方向の逆入力トルクが加えられた場合は、ロック状態が解除されず、逆入力トルクが入力回転部材に伝達されてしまうのである。
そこで、本発明は、一方向の入力トルクのみを伝達する逆入力遮断クラッチにおいて、入力トルク伝達後の逆入力トルクに対して入力回転部材の共回りを防止することを課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明は、入力回転部材と出力回転部材とを同一軸心のまわりに回転自在に配し、前記入力回転部材に一定方向の入力トルクが加えられたときに出力回転部材にトルクが伝達され、前記出力回転部材に逆入力トルクが加えられたときには、出力回転部材が空転して入力回転部材にトルクが伝達されないようにした逆入力遮断クラッチにおいて、前記入力回転部材と出力回転部材とを一定方向にトルク伝達可能に係合(ロック)させる駆動用一方向クラッチと、前記入力回転部材に押されて駆動される慣性体を有し、前記一定方向の入力トルクの供給が停止したときに、前記慣性体を惰走させて前記駆動用一方向クラッチによる入力回転部材と出力回転部材との係合状態を解除し、その解除状態で前記慣性体を停止させるロック解除手段とを備えた構成を採用したのである。
上記の構成によれば、入力トルクの供給が停止したときに確実に入力回転部材と出力回転部材とのロック状態を解除し、ロック解除状態を維持することができるので、その後にいずれの方向の逆入力トルクが加えられても入力回転部材が共回りすることがない。
ここで、前記ロック解除手段は、前記慣性体として前記両回転部材と同心の固定軸のまわりに回転するフライホイールを用い、このフライホイールと固定軸との間に、フライホイールを一定方向に空転させ、逆方向の回転に対しては固定軸と係合させて停止させる逆転防止用一方向クラッチを組み込んだものを採用するとよい。
また、前記各部材の組込構造としては、前記出力回転部材を、前記固定軸の外周に回転自在に嵌め込まれる出力スリーブを備えたものとし、前記入力回転部材と前記出力スリーブとの間に前記駆動用一方向クラッチを組み込むようにするとよい。このようにすれば、入力回転部材および出力回転部材が固定軸のまわりに回転するため別途の軸受を必要とせず、また組込時には固定軸に各部材を組み付けていけばよいので、組込作業が容易に行える。
前記駆動用一方向クラッチとしては、前記出力スリーブの外周円筒面の径方向外側に前記入力回転部材と一体に回転する外輪を配し、この外輪の内周側に傾斜カム面を有するポケットを複数設け、各ポケットにローラと、ローラを出力スリーブの外周円筒面および外輪の傾斜カム面と係合する方向に(ポケットの狭小側へ向けて)付勢する付勢ばねを組み込んだ一方向ローラクラッチを採用し、前記ロック解除手段としては、前記フライホイールに前記駆動用一方向クラッチのポケット内へ挿入される柱部を設け、この柱部を前記ポケット内でローラを挟んで付勢ばねと対向する位置に配し、前記フライホイールが惰走するときにその柱部でローラを押して付勢ばねを圧縮することにより、前記ローラと出力スリーブの外周円筒面および外輪の傾斜カム面との係合を解除するものを採用することができる。
上記構成の駆動用一方向クラッチを採用した場合は、前記付勢ばねの一部を外輪のポケットに設けたばね収納部に収納するとともに、前記ローラと出力スリーブの外周円筒面および外輪の傾斜カム面との係合が解除されるときに、前記付勢ばねが自然長の10〜50%の範囲で圧縮されるようにして、付勢ばねのつぶれを防止することが望ましい。
あるいは、前記駆動用一方向クラッチは、前記出力スリーブの外周円筒面の径方向外側に前記入力回転部材と一体に回転する外輪を配し、この外輪の内周側に傾斜カム面を有するポケットを複数設け、各ポケットに挿入されるローラ保持部でローラを転動自在に保持する保持器を設けた一方向ローラクラッチとし、前記ロック解除手段は、前記保持器を前記フライホイールと一体化したものとすることもできる。
上記構成の駆動用一方向クラッチを採用した場合、前記保持器のローラ保持部は、その内周側の開口幅を前記ローラの直径よりも小さくするとよい。このようにすれば、駆動用一方向クラッチの組込時には、外輪と保持器とでローラをローラ保持部から内周側へ脱落しないように保持できるので、組込作業を効率よく行える。
前記駆動用一方向クラッチの外輪や前記入力回転部材は、前記出力スリーブの外周に回転自在に嵌め込んでラジアル軸受部を形成するようにするとよい。
前記駆動用一方向クラッチの外輪と前記出力スリーブの少なくとも一方を含油焼結材で形成し、その含油焼結材で形成した部材から滲み出す油で駆動用一方向クラッチの内部を潤滑することにより、増ちょう剤を加えたグリースで潤滑する場合よりも安定した係合解除動作を得ることができる。
また、前記ロック解除手段は、上記とは別の構成として、前記慣性体として前記両回転部材の軸心と平行に配した支軸のまわりに回転するフライホイールを用い、前記駆動用一方向クラッチによる入力回転部材と出力回転部材との係合状態を解除するロック解除部材を、前記両回転部材と同心の固定軸のまわりに回転自在に配し、前記フライホイールと回転伝達可能に連結するとともに、前記ロック解除部材と固定軸との間に、ロック解除部材を一定方向に空転させ、逆方向の回転に対しては固定軸と係合させて停止させる逆転防止用一方向クラッチを組み込んだものを採用してもよい。
本発明の逆入力遮断クラッチは、上述したように、一定方向の入力トルクの供給が停止したときに、それまで入力回転部材に押されていた慣性体を惰走させて入力回転部材と出力回転部材とのロック状態を解除し、ロック解除状態で慣性体を停止させることにより、ロック解除状態を維持できるようにしたものであるから、その後にいずれの方向の逆入力トルクが加えられても入力回転部材が共回りすることがなく、安定した逆入力遮断動作が得られる。
第1実施形態の逆入力遮断クラッチの縦断正面図 図1の逆入力遮断クラッチの分解斜視図 a、bは、それぞれ図1のIIIa−IIIa線、IIIb−IIIb線に沿った断面図 a〜dは、それぞれ図1の逆入力遮断クラッチの動作の説明図 図1の入力回転部材の組込構造の変形例を示す縦断正面図 第2実施形態の逆入力遮断クラッチのフライホイールの斜視図 a、bは、それぞれ図6の逆入力遮断クラッチの動作の説明図 第3実施形態の逆入力遮断クラッチの縦断正面図
以下、図面に基づき本発明の実施形態を説明する。図1乃至図4は第1の実施形態を示す。この逆入力遮断クラッチは、図1および図2に示すように、入力歯車(入力回転部材)1と、入力歯車1に通され図示省略したハウジングに固定される固定軸2と、固定軸2の外周に回転自在に嵌め込まれる出力スリーブ3に出力歯車4を取り付けた出力回転部材5と、出力スリーブ3と隣接するように固定軸2の外周に回転自在に嵌め込まれるフライホイール(慣性体)6と、入力歯車1と出力スリーブ3との間に組み込まれる駆動用一方向クラッチ7と、フライホイール6と固定軸2との間に組み込まれる逆転防止用一方向クラッチ8とで基本的に構成されている。その入力歯車1は、図示省略したモータから駆動歯車9を介して一定方向の入力トルクが加えられるようになっている。
前記フライホイール6は、その一端面に後述するように駆動用一方向クラッチ7の係合状態を解除するための柱部6aが複数立設されている。そして、他端側の凹部に逆転防止用一方向クラッチ8が収納され、その抜け出しを防止する蓋10が嵌め込まれている。
前記駆動用一方向クラッチ7は、図3(a)に示すように、入力歯車1と一体に回転する外輪11の内周側に傾斜カム面12aを有するポケット12を複数設けて、各ポケット12にローラ13と、ローラ13を出力スリーブ3の外周円筒面および外輪11の傾斜カム面12aと係合する方向に(ポケット12の狭小側へ向けて)付勢する板ばね(付勢ばね)14を1つずつ組み込んだ一方向ローラクラッチであり、入力歯車1と出力回転部材5とを一定方向にトルク伝達可能に係合(ロック)させるようになっている。板ばね14は、その一部が外輪11のポケット12の一側に設けたばね収納部12bに収納されている。
この駆動用一方向クラッチ7の外輪11は、出力スリーブ3の外周に回転自在に嵌め込まれてラジアル軸受部を形成している。また、この外輪11と出力スリーブ3は、いずれも含油焼結材で形成されており、両部材から滲み出す油で駆動用一方向クラッチ7の内部を潤滑するようになっている。これにより、増ちょう剤を加えたグリースで潤滑する場合よりも、後述する駆動用一方向クラッチ7の係合解除動作を安定させることができる。なお、外輪11と出力スリーブ3のいずれか一方のみを含油焼結材で形成するようにしてもよい。
また、この外輪11のポケット12には、ローラ13を挟んで板ばね14と対向する位置にフライホイール6の柱部6aが挿入され、外輪11が入力歯車1と一体に回転するときに、フライホイール6の柱部6aを押してフライホイール6を回転させるようになっている。すなわち、フライホイール6は、外輪11を介して入力歯車1に押されて駆動されるものとなっている。
前記逆転防止用一方向クラッチ8は、駆動用一方向クラッチ7と同様の一方向ローラクラッチであり、図3(b)に示すように、フライホイール6と一体回転する外輪15の内周側に傾斜カム面16aを有するポケット16を複数設けて、各ポケット16にローラ17と、ローラ17を固定軸2の外周円筒面および外輪15の傾斜カム面16aと係合する方向に(ポケット16の狭小側へ向けて)付勢する板ばね18を1つずつ組み込んだものである。ただし、外輪15の傾斜カム面16aの傾斜方向および外輪15のポケット16内での板ばね18の位置は、駆動用一方向クラッチ7と逆になっている。
次に、この逆入力遮断クラッチの動作について説明する。まず、図4(a)に示すように、入力歯車1に一定方向(図中の矢印方向)の入力トルクが加えられると、駆動用一方向クラッチ7の外輪11が入力歯車1と一体に回転し、ローラ13が出力スリーブ3の外周円筒面および外輪11の傾斜カム面12aと係合することにより、出力スリーブ3が回転駆動される(出力回転部材5にトルクが伝達される)。同時に、駆動用一方向クラッチ7の外輪11がフライホイール6の柱部6aを押すことにより、フライホイール6も回転駆動される。
このとき、図4(b)に示すように、逆転防止用一方向クラッチ8は、その外輪15がフライホイール6と一体に回転し、ローラ17が外輪15のポケット16の広大側へ相対移動してフリー状態となるので、フライホイール6が一定方向に空転し続ける。
上記の入力トルクの供給が停止すると、図4(c)に示すように、出力スリーブ3(出力回転部材5)も停止するが、逆転防止用一方向クラッチ8は引き続きフライホイール6を空転させる状態にあるため(図4(b)参照)、それまで駆動用一方向クラッチ7の外輪11を介して入力歯車1に押されていたフライホイール6が慣性力により惰走し、その柱部6aで駆動用一方向クラッチ7のローラ13をポケット12の広大側へ押して板ばね14を圧縮する。これにより、ローラ13と出力スリーブ3の外周円筒面および外輪11の傾斜カム面12aとの係合が解除されてローラ13がフリー状態となり、駆動用一方向クラッチ7による入力歯車1と出力回転部材5とのロック状態が解除される。
このとき、駆動用一方向クラッチ7の板ばね14は、自然長の10〜50%の範囲で圧縮されて、全体が外輪11のポケット12のばね収納部12bに入り込み、つぶれが生じないようになっている。
そして、フライホイール6が駆動用一方向クラッチ7のローラ13から受ける抵抗により停止すると、図4(d)に示すように、逆転防止用一方向クラッチ8は、板ばね18がローラ17をポケット16の狭小側へ押して固定軸2の外周円筒面および外輪15の傾斜カム面16aと係合させる。これにより、フライホイール6は、固定軸2と係合し、その柱部6aが駆動用一方向クラッチ7のローラ13を介して圧縮した板ばね14の弾性力を受けても逆方向には回転せず、ロック解除状態を維持することができる。従って、この後に出力歯車4に逆入力トルクが加えられても、出力回転部材5は逆入力トルクの方向によらず空転し、入力歯車1が共回りすることはない。
この逆入力遮断クラッチは、上述したように、入力歯車1への一定方向の入力トルクの供給が停止したときに、入力歯車1に押されていたフライホイール6を惰走させて、駆動用一方向クラッチ7によるロック状態を解除し、ロック解除状態でフライホイール6を停止させるロック解除手段を設けて、ロック解除状態を維持できるようにしたので、入力トルク供給停止後にいずれの方向の逆入力トルクを加えられても入力歯車1が共回りせず、安定した逆入力遮断動作が得られる。
また、入力歯車1および出力回転部材5が固定軸2のまわりに回転する構造となっているので、別途の軸受を必要とせず、また組込時には先に固定した固定軸2に各部材を組み付けていけばよく、組込作業が容易に行える。
さらに、前述した従来の逆入力遮断クラッチでは、トルク伝達中は摺動ばねがケーシングと摺動し続けるので、ケーシングの材質によっては、ケーシングの摩耗により摺動ばねがその役割を十分に果たせなくなり、トルク伝達ができなくなるおそれがあるが、この逆入力遮断クラッチは、摺動ばねのない構造としたので、摺動部の摩耗によるトラブルのおそれがなく、高い回転数でも安定して使用することができる。
なお、上述した第1の実施形態では、駆動用一方向クラッチ7の外輪11を出力スリーブ3の外周に回転自在に嵌め込んでラジアル軸受部を形成したが、図5に示すように、入力歯車1とその内周に取り付けられる蓋19とで入力回転部材を構成し、この蓋19を出力スリーブ3の外周に回転自在に嵌め込んで、ラジアル軸受部を形成してもよい。また、駆動用一方向クラッチとしては、ローラクラッチに代えてスプラグクラッチを使用することもできる。
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、第1実施形態のフライホイール6に代えて図6に示すフライホイール20を用い、駆動用一方向クラッチ7の板ばね14とその一部を収納する外輪11のばね収納部12bをなくしたものである。
前記フライホイール20は、その一端面に後述するように駆動用一方向クラッチ7の係合およびその解除を行うための保持器21が一体に形成されている。その保持器21は、複数のローラ保持部21aからなり、各ローラ保持部21aが図7(a)、(b)に示すように、駆動用一方向クラッチ7の外輪11のポケット12に挿入され、ローラ13を転動自在に保持している。
前記保持器21のローラ保持部21aは、その内周側の開口幅がローラ13の直径よりも小さく形成されている。これにより、駆動用一方向クラッチ7の組込時には、外輪11と保持器21とでローラ13をローラ保持部21aから内周側へ脱落しないように保持できるので、組込作業を効率よく行える。
この実施形態では、入力歯車1に一定方向の入力トルクが加えられると、図7(a)に示すように、入力歯車1と一体に回転する駆動用一方向クラッチ7の外輪11が、その傾斜カム面12aでローラ13を押してローラ13とともに保持器21を回転させようとするが、慣性の大きいフライホイール20と一体に形成された保持器21はその場に留まろうとするため、保持器21のローラ保持部21aに回転を阻止されたローラ13が、相対的にポケット12の狭小側へ移動して出力スリーブ3の外周円筒面および外輪11の傾斜カム面12aと係合し、出力スリーブ3が回転駆動される。同時に、ローラ13が保持器21のローラ保持部21aを押すことにより、保持器21と一体のフライホイール20も回転駆動される。このとき、フライホイール20が逆転防止用一方向クラッチ8の作用により空転することは、第1実施形態と同じである。
そして、上記の入力トルクの供給が停止すると、図7(b)に示すように、フライホイール20と保持器21は惰走し、保持器21のローラ保持部21aがローラ13をポケット12の広大側へ押すことにより、ローラ13がフリー状態となり、駆動用一方向クラッチ7によるロック状態が解除される。その後、フライホイール20が停止して逆転防止用一方向クラッチ8の作用により固定軸2と係合し、ロック解除状態が維持される点は、第1実施形態と同じである。
従って、この実施形態でも、入力トルク供給停止後にいずれの方向の逆入力トルクを加えられても入力歯車1が共回りせず、安定した逆入力遮断動作が得られる。また、第1実施形態に比べると、駆動用一方向クラッチ7の板ばね14が不要となる分、部品点数を減らすことができ、組込性も向上する。
図8に示す第3の実施形態は、第1実施形態のフライホイール6を、入力歯車1や出力回転部材5の軸心と平行に配した支軸22のまわりに回転するフライホイール23と、固定軸2のまわりに回転自在に配されるロック解除部材24とに分割し、そのロック解除部材24と固定軸2との間に逆転防止用一方向クラッチ8を組み込み、フライホイール23とロック解除部材24に無端ベルト25を巻き掛けて、フライホイール23とロック解除部材24との間で回転が伝達されるようにしたものである。そのロック解除部材24は、第1実施形態のフライホイール6と同様、駆動用一方向クラッチ7の外輪11のポケット12に挿入される柱部24aを有している。その他の部分の構成および動作は、第1実施形態と同じである。なお、ロック解除部材とフライホイールとは、それぞれの外周に形成した歯車どうしを噛み合せて回転伝達可能に連結するようにしてもよい。
この実施形態では、フライホイール23を入力歯車1や出力回転部材5の軸心と離れた位置で回転させるようにしたので、第1実施形態に比べてフライホイール23の設置位置の自由度が高く、フライホイール23が大きくなる場合にも対応しやすい。
1 入力歯車
2 固定軸
3 出力スリーブ
4 出力歯車
5 出力回転部材
6 フライホイール
6a 柱部
7 駆動用一方向クラッチ
8 逆転防止用一方向クラッチ
11 外輪
12 ポケット
12a 傾斜カム面
12b ばね収納部
13 ローラ
14 板ばね
20 フライホイール
21 保持器
21a ローラ保持部
22 支軸
23 フライホイール
24 ロック解除部材
24a 柱部
25 無端ベルト

Claims (11)

  1. 入力回転部材と出力回転部材とを同一軸心のまわりに回転自在に配し、前記入力回転部材に一定方向の入力トルクが加えられたときに出力回転部材にトルクが伝達され、前記出力回転部材に逆入力トルクが加えられたときには、出力回転部材が空転して入力回転部材にトルクが伝達されないようにした逆入力遮断クラッチにおいて、
    前記入力回転部材と出力回転部材とを一定方向にトルク伝達可能に係合させる駆動用一方向クラッチと、
    前記入力回転部材に押されて駆動される慣性体を有し、前記一定方向の入力トルクの供給が停止したときに、前記慣性体を惰走させて前記駆動用一方向クラッチによる入力回転部材と出力回転部材との係合状態を解除し、その解除状態で前記慣性体を停止させるロック解除手段とを備えていることを特徴とする逆入力遮断クラッチ。
  2. 前記ロック解除手段が、前記慣性体として前記両回転部材と同心の固定軸のまわりに回転するフライホイールを用い、このフライホイールと固定軸との間に、フライホイールを一定方向に空転させ、逆方向の回転に対しては固定軸と係合させて停止させる逆転防止用一方向クラッチを組み込んだものであることを特徴とする請求項1に記載の逆入力遮断クラッチ。
  3. 前記出力回転部材が、前記固定軸の外周に回転自在に嵌め込まれる出力スリーブを備えており、前記入力回転部材と前記出力スリーブとの間に前記駆動用一方向クラッチを組み込んだことを特徴とする請求項2に記載の逆入力遮断クラッチ。
  4. 前記駆動用一方向クラッチが、前記出力スリーブの外周円筒面の径方向外側に前記入力回転部材と一体に回転する外輪を配し、この外輪の内周側に傾斜カム面を有するポケットを複数設け、各ポケットにローラと、ローラを出力スリーブの外周円筒面および外輪の傾斜カム面と係合する方向に付勢する付勢ばねを組み込んだ一方向ローラクラッチであり、
    前記ロック解除手段が、前記フライホイールに前記駆動用一方向クラッチのポケット内へ挿入される柱部を設け、この柱部を前記ポケット内でローラを挟んで付勢ばねと対向する位置に配し、前記フライホイールが惰走するときにその柱部でローラを押して付勢ばねを圧縮することにより、前記ローラと出力スリーブの外周円筒面および外輪の傾斜カム面との係合を解除するものであることを特徴とする請求項3に記載の逆入力遮断クラッチ。
  5. 前記駆動用一方向クラッチの付勢ばねの一部を外輪のポケットに設けたばね収納部に収納するとともに、前記ローラと出力スリーブの外周円筒面および外輪の傾斜カム面との係合が解除されるときに、前記付勢ばねが自然長の10〜50%の範囲で圧縮されるようにしたことを特徴とする請求項4に記載の逆入力遮断クラッチ。
  6. 前記駆動用一方向クラッチが、前記出力スリーブの外周円筒面の径方向外側に前記入力回転部材と一体に回転する外輪を配し、この外輪の内周側に傾斜カム面を有するポケットを複数設け、各ポケットに挿入されるローラ保持部でローラを転動自在に保持する保持器を設けた一方向ローラクラッチであり、
    前記ロック解除手段が、前記保持器を前記フライホイールと一体化したものであることを特徴とする請求項3に記載の逆入力遮断クラッチ。
  7. 前記保持器のローラ保持部は、その内周側の開口幅を前記ローラの直径よりも小さくしたことを特徴とする請求項6に記載の逆入力遮断クラッチ。
  8. 前記駆動用一方向クラッチの外輪を、前記出力スリーブの外周に回転自在に嵌め込んだことを特徴とする請求項4乃至7のいずれかに記載の逆入力遮断クラッチ。
  9. 前記入力回転部材を、前記出力スリーブの外周に回転自在に嵌め込んだことを特徴とする請求項4乃至7のいずれかに記載の逆入力遮断クラッチ。
  10. 前記駆動用一方向クラッチの外輪と前記出力スリーブの少なくとも一方を含油焼結材で形成したことを特徴とする請求項4乃至9のいずれかに記載の逆入力遮断クラッチ。
  11. 前記ロック解除手段が、前記慣性体として前記両回転部材の軸心と平行に配した支軸のまわりに回転するフライホイールを用い、前記駆動用一方向クラッチによる入力回転部材と出力回転部材との係合状態を解除するロック解除部材を、前記両回転部材と同心の固定軸のまわりに回転自在に配し、前記フライホイールと回転伝達可能に連結するとともに、前記ロック解除部材と固定軸との間に、ロック解除部材を一定方向に空転させ、逆方向の回転に対しては固定軸と係合させて停止させる逆転防止用一方向クラッチを組み込んだものであることを特徴とする請求項1に記載の逆入力遮断クラッチ。
JP2011002814A 2011-01-11 2011-01-11 逆入力遮断クラッチ Pending JP2012145151A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6134425B1 (ja) * 2016-06-27 2017-05-24 株式会社内藤ハウス 駆動装置

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JP6134425B1 (ja) * 2016-06-27 2017-05-24 株式会社内藤ハウス 駆動装置

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