JP2012145018A - 燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】噴射制御の安定性向上、及び経年劣化を加味した制御の実現を可能にした燃料噴射状態検出装置を提供する。
【解決手段】降下近似直線Lα、及び上昇近似直線Lβの交点圧力Pαβを算出し、その交点圧力Pαβと基準圧力Pbaseとの圧力差ΔPγに基づき最大噴射率Rmaxを算出する最大噴射率算出手段S21,S22と、噴射率上昇に伴い生じた圧力降下量ΔPを検出する圧力降下量検出手段とを備える。そして、検出された圧力降下量ΔPの経年変化度合いを表した経年劣化率K(経年変化指数)を算出し、その経年劣化率Kから算出される補正比Kaに基づき、最大噴射率算出手段S22により算出される最大噴射率Rmaxを補正する補正手段S23を備える。
【選択図】 図4

Description

本発明は、燃料噴射弁へ供給される燃料の圧力を検出する燃圧センサを備えた燃料噴射システムに適用される、内燃機関の燃料噴射制御装置に関するものである。
特許文献1,2等には、燃料噴射に伴い生じた供給燃料の圧力変化(圧力波形)を検出する燃圧センサを備え、検出した圧力波形から噴射率の変化(噴射率波形)を解析する技術が開示されている。具体的には、噴射率上昇に伴い生じた圧力降下量ΔP(図2参照)と最大噴射率Rmax(噴射率波形の高さ)とは相関が高いことに着目し、圧力波形から検出されるΔPに相関係数Gを掛けてRmaxを算出する。そして、算出したRmaxに基づき、噴射開始時期や噴射終了時期等を指令する噴射指令信号を設定する。つまり、検出したΔPに基づいて算出されたRmaxに基づき燃料噴射弁の作動をフィードバック制御する。
しかしこの手法では、多段噴射における噴射間のインターバルや噴射時の筒内圧等、その時の環境条件に応じて、ΔPは噴射毎に逐次異なる値になる。そのため、フィードバック制御に用いるRmaxの算出値が環境条件に応じて逐次変動するので、目標噴射状態(例えば目標噴射開始時期、目標噴射量)に対して実噴射状態が大きくハンチングする等、フィードバック制御の安定性が損なわれる。
この問題の解消を図ったのが特許文献3記載の発明であり、以下、その概要について図2を用いて説明する。
検出した圧力波形のうち、噴射率上昇に伴い圧力降下する期間の波形を降下波形、噴射率降下に伴い圧力上昇する期間の波形を上昇波形とした場合において、先ず、前記降下波形を直線に近似した降下近似直線Lα、及び前記上昇波形を直線に近似した上昇近似直線Lβを算出する。次に、圧力波形のうち降下波形が現れる直前の特定期間における波形に基づき、基準圧力Pbaseを算出する。次に、降下近似直線Lαと上昇近似直線Lβとの交点に対応した圧力である交点圧力Pαβと、基準圧力Pbaseとの圧力差ΔPγを算出する。次に、算出した圧力差ΔPγに相関係数Gaを掛けて最大噴射率Rmaxを算出する。
前記圧力差ΔPγは最大噴射率Rmaxと相関が高い。しかも、圧力差ΔPγの算出に用いる降下波形及び上昇波形は、上記インターバルや筒内圧等の環境条件に応じて若干の影響を受けるものの、これらの波形の変化は、圧力降下量ΔPの逐次変動の影響に比べれば僅かである。噴射開始から最大噴射率に到達するまでの燃料噴射に伴う燃料圧力の下降、及び最大噴射率から噴射終了となるまでの燃料圧力の上昇は、極めて短時間で行われるためである。したがって、圧力降下量ΔPの逐次変動の影響を大きく受けることなく最大噴射率Rmaxを算出できるようになるので、フィードバック制御の安定性が損なわれるといった先述の問題を解消できる。
特開2009−103063号公報 特開2010−3004号公報 特開2010−223184号公報
ここで、燃料噴射弁が経年劣化することに伴い先述した相関係数Gaは変化していく。例えば、燃料噴射弁の噴孔が磨耗する経年劣化が進行すると、同じ圧力差ΔPγであっても最大噴射率Rmaxは高くなり相関係数Gaは大きくなる。また、噴孔に異物が堆積する経年劣化が進行すると、同じ圧力差ΔPγであっても最大噴射率Rmaxは低くなり相関係数Gaは小さくなる。
しかしながら、圧力差ΔPγの算出に用いる降下波形及び上昇波形は、噴孔がたとえ磨耗して経年劣化したとしても、これらの波形の変化は、ΔPの変化に比べれば僅かである。上述したように、噴射開始から最大噴射率に到達するまでの燃焼噴射に伴う燃料圧力の下降、及び最大噴射率から噴射終了となるまでの燃料圧力の上昇は、極めて短時間で行われるためである。従って、このような圧力差ΔPγの算出に用いる降下波形及び上昇波形は、燃料噴射弁の経年劣化の影響を殆ど受けないので、特許文献3記載の発明では、経年劣化を加味した最大噴射率Rmaxを算出することができない。よって、実噴射状態を目標噴射状態に一致させるよう高精度で制御できなくなる。
ちなみに、上述した特許文献3に係る手法は、燃料噴射弁の開度が全開になる前に閉弁作動を開始するような小噴射時の場合であり、圧力差ΔPγが所定値以上となる大噴射時には、予め設定しておいた値をRmaxとみなす。よって、この場合においても、圧力降下量ΔPの逐次変動の影響を受けることなく最大噴射率Rmaxを算出できる反面、経年劣化を加味した最大噴射率Rmaxを算出することができない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、噴射制御の安定性向上、及び経年劣化を加味した噴射制御の実現を図った燃料噴射制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明では、燃料噴射弁へ供給される燃料の圧力を検出する燃圧センサを備えた燃料噴射システムに適用されることを前提とする。
そして、前記燃圧センサにより検出された圧力波形のうち、燃料の噴射率上昇に伴い圧力降下する期間の波形を降下波形、燃料の噴射率降下に伴い圧力上昇する期間の波形を上昇波形とした場合に、前記降下波形を直線に近似した降下近似直線、及び前記上昇波形を直線に近似した上昇近似直線を算出する直線近似手段と、前記燃圧センサにより検出された圧力波形のうち前記降下波形が現れる直前の特定期間における波形に基づき、基準圧力を算出する基準圧力算出手段と、前記降下近似直線及び前記上昇近似直線の交点に対応した圧力である交点圧力を算出し、その交点圧力と前記基準圧力との圧力差に基づき最大噴射率を算出する最大噴射率算出手段と、噴射率上昇に伴い生じた圧力降下量を検出する圧力降下量検出手段と、前記圧力降下量検出手段により検出された圧力降下量が前記燃料噴射弁の経年変化に伴い変化する度合いを表した、経年変化指数を算出する経年変化指数算出手段と、前記経年変化指数に基づき、前記最大噴射率算出手段により算出される最大噴射率を補正する補正手段と、を備えることを特徴とする。
ここで、前記降下近似直線及び前記上昇近似直線に基づき算出される交点圧力と基準圧力との圧力差は、最大噴射率との相関が高い。しかも、これらの降下波形及び上昇波形は、インターバルや筒内圧等の環境条件に応じて生じる圧力降下量ΔPの逐次変動の影響を殆ど受けない。この点に着目した本発明では、前記圧力差に基づき最大噴射率を算出するので、本発明により算出した最大噴射率に基づき燃料噴射弁の作動をフィードバック制御しても、目標噴射状態に対して実噴射状態が大きくハンチングすることが抑制され、噴射制御の安定性を向上できる。
さらに本発明では、噴射率上昇に伴い生じた圧力降下量と最大噴射率との相関が高いことにも着目して、燃料噴射弁の経年変化に伴い生じた圧力降下量の変化度合い(経年変化指数)を算出し、その経年変化指数に基づき、最大噴射率算出手段により算出した最大噴射率を補正する。そのため、経年劣化を加味した最大噴射率に補正することができる。
要するに本発明は、環境条件に応じて逐次変動する圧力降下量ΔPの影響を殆ど受けない降下近似直線及び上昇近似直線を用いて最大噴射率を算出することで、噴射制御の安定性向上を図り、その一方で、経年変化の影響が顕著に現れる圧力降下量ΔPを用いて最大噴射率を補正することで、経年変化を加味した制御を実現可能にするものである。
ちなみに、本発明にかかる補正手段は、最大噴射率算出手段により算出される最大噴射率を直接補正してもよいし、交点圧力と基準圧力との圧力差に相関係数を掛けて最大噴射率を算出する場合には、前記相関係数を補正することで最大噴射率を補正してもよい。
請求項2及び請求項3記載の発明では、前記圧力差が所定値以上である場合には、予め設定しておいた値を最大噴射率として算出することを特徴とする。
ここで、燃料噴射弁の開度が全開になる前に閉弁作動を開始するような小噴射時の場合には、交点圧力と基準圧力との圧力差に基づき最大噴射率を算出すればよいが、前記圧力差が所定値以上となる大噴射時には、上記発明の如く、予め設定しておいた値を最大噴射率として算出した方が、最大噴射率を正確に算出できる。そして、このように算出した大噴射時の最大噴射率についても、環境条件に応じて生じる圧力降下量ΔPの逐次変動の影響を受けないので、噴射制御の安定性を向上できる。また、大噴射時の最大噴射率(つまり、予め設定しておいた値)を、経年変化指数に基づき補正するため、大噴射時においても経年劣化を加味した最大噴射率に補正することができる。
請求項4記載の発明では、前記経年変化指数算出手段は、所定期間に検出した複数の前記圧力降下量の平均値を算出し、その平均値が変化する度合いを前記経年変化指数として算出することを特徴とする。
ここで、上記発明に反して、圧力降下量を検出する毎に平均化することなく経年変化指数を逐次算出する場合には、算出した経年変化指数が環境条件に応じて頻繁に変動し、その結果、経年変化が生じていないにも拘わらず補正後の最大噴射率が頻繁に変動して、噴射制御の安定性向上の妨げになることが懸念される。これに対し上記発明によれば、所定期間に検出した圧力降下量の平均値の変化量を経年変化指数として算出するので、補正後の最大噴射率が環境条件に応じて頻繁に変動するといった上記懸念が解消される。
なお、前記「所定期間」の具体例としては、運転者が内燃機関を始動操作してから停止操作するまでの期間(1トリップ期間)、車両が所定の距離だけ走行する期間、内燃機関の運転時間が所定時間経過する期間、等が挙げられる。
請求項5記載の発明では、前記圧力降下量検出手段は、前記基準圧力と関連付けて前記圧力降下量を検出し、前記基準圧力は複数の領域に分割して設定されており、前記経年変化指数算出手段は、前記領域毎の前記圧力降下量の検出数に応じて、前記圧力降下量の値に重み付けをして前記平均値を算出することを特徴とする。
ここで、噴射指令信号が同じであっても、基準圧力が異なれば検出される圧力降下量は異なる値になる。また、内燃機関のユーザーによっては基準圧力の使用領域が偏る場合がある。例えば、高負荷運転の機会が多いユーザーの場合には、基準圧力が高い領域で燃料噴射する機会が多い。したがって、ユーザーの使用頻度が高い基準圧力に応じた圧力降下量に基づき経年変化指数を算出することが、最大噴射率を精度良く補正する上で望ましい。この点を鑑みた上記発明では、検出数が多い領域であるほど圧力降下量の重み付けを大きくして経年変化指数を算出できるので、最大噴射率を精度良く補正できる。
請求項6記載の発明では、前記経年変化指数算出手段は、燃料噴射時の環境条件が所定範囲内である時に検出した前記圧力降下量に基づき、前記経年変化指数を算出することを特徴とする。
先述した通り、前記インターバルや筒内圧、基準圧力等の環境条件が異なれば検出される圧力降下量が異なる値になる。そのため、過去に検出した圧力降下量と現在の圧力降下量とを比較して経年変化指数を算出するにあたり、比較する圧力降下量の検出時の環境条件が大きく異なっていると、経年変化指数を高精度で算出できない。この点を鑑みた上記発明では、環境条件が所定範囲内である時に検出した圧力降下量に基づき経年変化指数を算出するので、略同一の環境条件で検出した圧力降下量に基づき経年変化指数を算出でき、経年変化指数の算出精度を向上できる。
請求項7記載の発明では、前記経年変化指数算出手段は、前記基準圧力が所定圧力以上である高圧時に検出した前記圧力降下量に基づき、前記経年変化指数を算出することを特徴とする。
ここで、基準圧力が高圧であるほど圧力降下量の絶対値が大きくなるので、高圧時の圧力降下量に基づき経年変化指数を算出すれば、低圧時の圧力降下量に基づき算出する場合に比べて経年変化指数を高精度で算出できる。よって、上記発明によれば、経年変化指数を高精度で算出でき、最大噴射率を精度良く補正できる。
本発明の第1実施形態にかかる内燃機関制御装置が適用される、燃料噴射システムの概略を示す図である。 噴射指令信号に対応する噴射率および燃圧の変化を示す図である。 噴射率パラメータの学習及び噴射指令信号の設定等の概要を示すブロック図である。 噴射率パラメータの算出手順を示すフローチャートである。 噴射時燃圧波形Wa、非噴射時燃圧波形Wu、噴射波形Wbを示す図である。 経年劣化の進行に伴い、圧力降下量ΔP及び最大噴射率Rmaxが低下していく態様を示す図である。 指令噴射量及び基準圧力Pbaseの変化に対する、圧力降下量ΔP及び最大噴射率Rmaxの変化を示す図である。 平均値Rmax(ΔP)aveの算出に用いる、複数の最大噴射率Rmax(ΔP)の値を示す図である。 図4の処理で用いる補正比Kaの算出手順を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態において、平均値Rmax(ΔP)aveの算出に用いる、複数の最大噴射率Rmax(ΔP)の値を示す図である。 本発明の第3実施形態において、平均値Rmax(ΔP)aveの算出に用いる、複数の最大噴射率Rmax(ΔP)の値を示す図である。
以下、本発明に係る制御装置を具体化した各実施形態を図面に基づいて説明する。以下に説明する制御装置は、車両用のエンジン(内燃機関)に搭載されたものであり、当該エンジンには、複数の気筒#1〜#4について高圧燃料を噴射して圧縮自着火燃焼させるディーゼルエンジンを想定している。
(第1実施形態)
図1は、上記エンジンの各気筒に搭載された燃料噴射弁10、各々の燃料噴射弁10に搭載された燃圧センサ20、及び車両に搭載された電子制御装置であるECU30等を示す模式図である。
先ず、燃料噴射弁10を含むエンジンの燃料噴射システムについて説明する。燃料タンク40内の燃料は、燃料ポンプ41によりコモンレール42(蓄圧容器)に圧送されて蓄圧され、各気筒の燃料噴射弁10(#1〜#4)へ分配供給される。複数の燃料噴射弁10(#1〜#4)は、予め設定された順番で燃料の噴射を順次行う。なお、燃料ポンプ41にはプランジャポンプが用いられているため、プランジャの往復動に同期して燃料は圧送される。
燃料噴射弁10は、以下に説明するボデー11、ニードル形状の弁体12及びアクチュエータ13等を備えて構成されている。ボデー11は、内部に高圧通路11aを形成するとともに、燃料を噴射する噴孔11bを形成する。弁体12は、ボデー11内に収容されて噴孔11bを開閉する。
ボデー11内には弁体12に背圧を付与する背圧室11cが形成されており、高圧通路11a及び低圧通路11dは背圧室11cと接続されている。高圧通路11a及び低圧通路11dと背圧室11cとの連通状態は制御弁14により切り替えられており、電磁コイルやピエゾ素子等のアクチュエータ13へ通電して制御弁14を図1の下方へ押し下げ作動させると、背圧室11cは低圧通路11dと連通して背圧室11c内の燃料圧力は低下する。その結果、弁体12へ付与される背圧力が低下して弁体12はリフトアップ(開弁作動)する。これにより、弁体12のシート面12aがボデー11のシート面11eから離座して、噴孔11bから燃料が噴射される。
一方、アクチュエータ13への通電をオフして制御弁14を図1の上方へ作動させると、背圧室11cは高圧通路11aと連通して背圧室11c内の燃料圧力は上昇する。その結果、弁体12へ付与される背圧力が上昇して弁体12はリフトダウン(閉弁作動)する。これにより、弁体12のシート面12aがボデー11のシート面11eに着座して、噴孔11bからの燃料噴射が停止される。
したがって、ECU30がアクチュエータ13への通電を制御することで、弁体12の開閉作動が制御される。これにより、コモンレール42から高圧通路11aへ供給された高圧燃料は、弁体12の開閉作動に応じて噴孔11bから噴射される。
燃圧センサ20は、各々の燃料噴射弁10に搭載されており、以下に説明するステム21(起歪体)及び圧力センサ素子22等を備えて構成されている。ステム21はボデー11に取り付けられており、ステム21に形成されたダイヤフラム部21aが高圧通路11aを流通する高圧燃料の圧力を受けて弾性変形する。圧力センサ素子22はダイヤフラム部21aに取り付けられており、ダイヤフラム部21aで生じた弾性変形量に応じて圧力検出信号をECU30へ出力する。
ECU30は、アクセルペダルの操作量やエンジン負荷、エンジン回転速度NE等に基づき目標噴射状態(例えば噴射段数、噴射開始時期、噴射終了時期、噴射量等)を算出する。例えば、エンジン負荷及びエンジン回転速度に対応する最適噴射状態を噴射状態マップにして記憶させておく。そして、現状のエンジン負荷及びエンジン回転速度に基づき、噴射状態マップを参照して目標噴射状態を算出する。そして、算出した目標噴射状態に対応する噴射指令信号t1、t2、Tq(図2(a)参照)を、後に詳述する噴射率パラメータtd,te,Rα,Rβ,Rmaxに基づき設定し、燃料噴射弁10へ出力することで燃料噴射弁10の作動を制御する。
また、燃圧センサ20の検出値に基づき、噴射に伴い生じた燃料圧力の変化を燃圧波形(図2(c)参照)として検出し、検出した燃圧波形に基づき燃料の噴射率変化を表した噴射率波形(図2(b)参照)を演算して噴射状態を検出する。そして、検出した噴射率波形(噴射状態)を特定する噴射率パラメータRα,Rβ,Rmaxを学習するとともに、噴射指令信号(パルスオン時期t1、パルスオフ時期t2及びパルスオン期間Tq)と噴射状態との相関関係を特定する噴射率パラメータtd,teを学習する。
具体的には、燃圧波形のうち、噴射開始に伴い燃圧降下を開始する変曲点P1から降下が終了する変曲点P2までの降下波形を、最小二乗法等により直線に近似した降下近似直線Lαを算出する。そして、降下近似直線Lαのうち基準値Bαとなる時期(LαとBαの交点時期LBα)を算出する。この交点時期LBαと噴射開始時期R1とは相関が高いことに着目し、交点時期LBαに基づき噴射開始時期R1を算出する。例えば、交点時期LBαよりも所定の遅れ時間Cαだけ前の時期を噴射開始時期R1として算出すればよい。
また、燃圧波形のうち、噴射終了に伴い燃圧上昇を開始する変曲点P3から降下が終了する変曲点P5までの上昇波形を、最小二乗法等により直線に近似した上昇近似直線Lβを算出する。そして、上昇近似直線Lβのうち基準値Bβとなる時期(LβとBβの交点時期LBβ)を算出する。この交点時期LBβと噴射終了時期R4とは相関が高いことに着目し、交点時期LBβに基づき噴射終了時期R4を算出する。例えば、交点時期LBβよりも所定の遅れ時間Cβだけ前の時期を噴射終了時期R4として算出すればよい。
次に、降下近似直線Lαの傾きと噴射率増加の傾きとは相関が高いことに着目し、図2(b)に示す噴射率波形のうち噴射増加を示す直線Rαの傾きを、降下近似直線Lαの傾きに基づき算出する。例えば、Lαの傾きに所定の係数を掛けてRαの傾きを算出すればよい。同様にして、上昇近似直線Lβの傾きと噴射率減少の傾きとは相関が高いので、噴射率波形のうち噴射減少を示す直線Rβの傾きを、上昇近似直線Lβの傾きに基づき算出する。
次に、噴射率波形の直線Rα,Rβに基づき、噴射終了を指令したことに伴い弁体12がリフトダウンを開始する時期(閉弁作動開始時期R23)を算出する。具体的には、両直線Rα,Rβの交点を算出し、その交点時期を閉弁作動開始時期R23として算出する。また、噴射開始時期R1の噴射開始指令時期t1に対する遅れ時間(噴射開始遅れ時間td)を算出する。また、閉弁作動開始時期R23の噴射終了指令時期t2に対する遅れ時間(噴射終了遅れ時間te)を算出する。
また、降下近似直線Lα及び上昇近似直線Lβの交点に対応した圧力を交点圧力Pαβとして算出し、後に詳述する基準圧力Pbaseと交点圧力Pαβとの圧力差ΔPγを算出し、この圧力差ΔPγと最大噴射率Rmaxとは相関が高いことに着目し、圧力差ΔPγに基づき最大噴射率Rmaxを算出する。具体的には、圧力差ΔPγに相関係数Cγを掛けることで最大噴射率Rmaxを算出する。但し、圧力差ΔPγが所定値ΔPγth未満である小噴射の場合には、上述の如くRmax=ΔPγ×Cγとする一方で、ΔPγ≧ΔPγthである大噴射の場合には、予め設定しておいた値(設定値Rγ)を最大噴射率Rmaxとして算出する。
なお、上記「小噴射」とは、噴射率がRγに達する前に弁体12がリフトダウンを開始する態様の噴射を想定しており、シート面11e,12aで燃料が絞られて噴射量が制限されている時の噴射率が最大噴射率Rmaxとなる。一方、上記「大噴射」とは、噴射率がRγに達した後に弁体12がリフトダウンを開始する態様の噴射を想定しており、噴孔11bで燃料が絞られて噴射量が制限されている時の噴射率が最大噴射率Rmaxとなる。要するに、噴射指令期間Tqが十分に長く、最大噴射率に達した以降も開弁状態を継続させる場合においては、図2(b)に示す噴射率波形は台形となる。一方、最大噴射率に達する前に閉弁作動を開始させるような小噴射の場合には、噴射率波形は三角形となる。
以上により、燃圧波形から噴射率パラメータtd,te,Rα,Rβ,Rmaxを算出することができる。そして、これらの噴射率パラメータtd,te,Rα,Rβ,Rmaxの学習値に基づき、噴射指令信号(図2(a)参照)に対応した噴射率波形(図2(b)参照)を算出することができる。なお、このように算出した噴射率波形の面積(図2(b)中の網点ハッチ参照)は噴射量に相当するので、噴射率パラメータに基づき噴射量を算出することもできる。
図3は、これら噴射率パラメータの学習及び噴射指令信号の設定等の概要を示すブロック図であり、ECU30により機能する各手段31,32,33について以下に説明する。噴射率パラメータ算出手段31は、燃圧センサ20により検出された燃圧波形に基づき噴射率パラメータtd,te,Rα,Rβ,Rmaxを算出する。
学習手段32は、算出した噴射率パラメータをECU30のメモリに記憶更新して学習する。なお、噴射率パラメータは、その時の供給燃圧(コモンレール42内の圧力)に応じて異なる値となるため、供給燃圧又は後述する基準圧力Pbase(図2(c)参照)と関連付けて学習させることが望ましい。図3の例では、燃圧に対応する噴射率パラメータの値を噴射率パラメータマップMに記憶させている。
設定手段33(制御手段)は、現状の燃圧に対応する噴射率パラメータ(学習値)を、噴射率パラメータマップMから取得する。そして、取得した噴射率パラメータに基づき、目標噴射状態に対応する噴射指令信号t1、t2、Tqを設定する。そして、このように設定した噴射指令信号にしたがって燃料噴射弁10を作動させた時の燃圧波形を燃圧センサ20で検出し、検出した燃圧波形に基づき噴射率パラメータ算出手段31は噴射率パラメータtd,te,Rα,Rβ,Rmaxを算出する。
要するに、噴射指令信号に対する実際の噴射状態(つまり噴射率パラメータtd,te,Rα,Rβ,Rmax)を検出して学習し、その学習値に基づき、目標噴射状態に対応する噴射指令信号を設定する。そのため、実際の噴射状態に基づき噴射指令信号がフィードバック制御されることとなり、先述した経年劣化が進行しても、実噴射状態が目標噴射状態に一致するよう燃料噴射状態を高精度で制御できる。
次に、検出した燃圧波形(図2(c)参照)から噴射率パラメータtd,te,Rα,Rβ,Rmax(図2(b)参照)を算出する手順について、図4のフローチャートを用いて説明する。なお、図4に示す処理は、ECU30が有するマイクロコンピュータにより、燃料の噴射を1回実施する毎に実行される。なお、前記燃圧波形とは、所定のサンプリング周期で取得した、燃圧センサ20による複数の検出値の集合である。
先ず、図4に示すステップS10において、噴射率パラメータの算出に用いる燃圧波形であって、以下に説明する噴射波形Wb(補正後燃圧波形)を算出する。なお、以下の説明では、燃料噴射弁10から燃料を噴射させている気筒を噴射気筒(表気筒)、この噴射気筒が燃料を噴射しているときに燃料噴射させていない気筒を非噴射気筒(裏気筒)とし、かつ、噴射気筒に対応する燃圧センサ20を噴射時燃圧センサ、非噴射気筒に対応する燃圧センサ20を非噴射時燃圧センサと呼ぶ。
噴射時燃圧センサにより検出された燃圧波形である噴射時燃圧波形Wa(図5(a)参照)は、噴射による影響のみを表しているわけではなく、以下に例示する噴射以外の影響で生じた波形成分をも含んでいる。すなわち、燃料タンク40の燃料をコモンレール42へ圧送する燃料ポンプ41がプランジャポンプの如く間欠的に燃料を圧送するものである場合には、燃料噴射中にポンプ圧送が行われると、そのポンプ圧送期間中における噴射時燃圧波形Waは全体的に圧力が高くなった波形となる。つまり、噴射時燃圧波形Wa(図5(a)参照)には、噴射による燃圧変化を表した燃圧波形である噴射波形Wb(図5(c)参照)と、ポンプ圧送による燃圧上昇を表した燃圧波形(図5(b)中の実線Wu参照)とが含まれていると言える。
また、このようなポンプ圧送が燃料噴射中に行われなかった場合であっても、燃料を噴射した直後は、その噴射分だけ噴射システム内全体の燃圧が低下する。そのため、噴射時燃圧波形Waは全体的に圧力が低くなった波形となる。つまり、噴射時燃圧波形Waには、噴射による燃圧変化を表した噴射波形Wbの成分と、噴射システム内全体の燃圧低下を表した燃圧波形(図5(b)中の点線Wu’参照)の成分とが含まれていると言える。
そこで図4のステップS10では、非噴射気筒センサにより検出される非噴射時燃圧波形Wu(Wu’)はコモンレール内の燃圧(噴射システム内全体の燃圧)の変化を表していることに着目し、噴射気筒センサにより検出された噴射時燃圧波形Waから、非噴射気筒センサによる非噴射時燃圧波形Wu(Wu’)を差し引いて噴射波形Wbを演算している。なお、図2(c)に示す燃圧波形は噴射波形Wbである。
また、多段噴射を実施する場合には、前段噴射にかかる燃圧波形の脈動Wc(図2(c)参照)が燃圧波形Waに重畳する。特に、前段噴射とのインターバルが短い場合には、燃圧波形Waは脈動Wcの影響を大きく受ける。そこで、非噴射時燃圧波形Wu(Wu’)に加えて脈動Wcを燃圧波形Waから差し引く処理を実施して、噴射波形Wbを算出することが望ましい。
続くステップS11(基準圧力算出手段)では、噴射波形Wbのうち、噴射開始に伴い燃圧が降下を開始するまでの期間に対応する部分の波形である基準波形に基づき、その基準波形の平均燃圧を基準圧力Pbaseとして算出する。例えば、噴射開始指令時期t1から所定時間が経過するまでの期間TAに対応する部分を、基準波形として設定すればよい。或いは、降下波形の微分値に基づき変曲点P1を算出し、噴射開始指令時期t1から変曲点P1より所定時間前までの期間に相当する部分を基準波形として設定すればよい。
続くステップS12(直線近似手段)では、噴射波形Wbのうち、噴射率増大に伴い燃圧が降下していく期間に対応する部分の波形である降下波形に基づき、その降下波形の近似直線Lαを算出する。例えば、噴射開始指令時期t1から所定時間が経過した時点からの所定期間TBに対応する部分を、降下波形として設定すればよい。或いは、降下波形の微分値に基づき変曲点P1,P2を算出し、これら変曲点P1,P2の間に相当する部分を降下波形として設定すればよい。そして、降下波形を構成する複数の燃圧検出値(サンプリング値)から、最小二乗法により近似直線Lαを算出すればよい。或いは、降下波形のうち微分値が最小となる時点における接線を、近似直線Lαとして算出すればよい。
続くステップS13(直線近似手段)では、噴射波形Wbのうち、噴射率減少に伴い燃圧が上昇していく期間に対応する部分の波形である上昇波形に基づき、その上昇波形の近似直線Lβを算出する。例えば、噴射終了指令時期t2から所定時間が経過した時点からの所定期間TCに対応する部分を、上昇波形として設定すればよい。或いは、上昇波形の微分値に基づき変曲点P3,P5を算出し、これら変曲点P3,P5の間に相当する部分を上昇波形として設定すればよい。そして、上昇波形を構成する複数の燃圧検出値(サンプリング値)から、最小二乗法により近似直線Lβを算出すればよい。或いは、上昇波形のうち微分値が最大となる時点における接線を、近似直線Lβとして算出すればよい。
続くステップS14では、基準圧力Pbaseに基づき基準値Bα,Bβを算出する。例えば、基準圧力Pbaseより所定量だけ低い値を基準値Bα,Bβとして算出すればよい。なお、両基準値Bα,Bβを同じ値に設定する必要はない。また、前記所定量は基準圧力Pbaseの値や燃料温度等に応じて可変設定してもよい。
続くステップS15では、近似直線Lαのうち基準値Bαとなる時期(LαとBαの交点時期LBα)を算出する。この交点時期LBαと噴射開始時期R1とは相関が高いことに着目し、交点時期LBαに基づき噴射開始時期R1を算出する。例えば、交点時期LBαよりも所定の遅れ時間Cαだけ前の時期を噴射開始時期R1として算出すればよい。
続くステップS16では、近似直線Lβのうち基準値Bβとなる時期(LβとBβの交点時期LBβ)を算出する。この交点時期LBβと噴射終了時期R4とは相関が高いことに着目し、交点時期LBβに基づき噴射終了時期R4を算出する。例えば、交点時期LBβよりも所定の遅れ時間Cβだけ前の時期を噴射終了時期R4として算出すればよい。なお、上記遅れ時間Cα,Cβは、基準圧力Pbaseの値や燃料温度等に応じて可変設定してもよい。
続くステップS17では、近似直線Lαの傾きと噴射率増加の傾きとは相関が高いことに着目し、図2(b)に示す噴射率波形のうち噴射増加を示す直線Rαの傾きを、近似直線Lαの傾きに基づき算出する。例えば、Lαの傾きに所定の係数を掛けてRαの傾きを算出すればよい。なお、ステップS15で算出した噴射開始時期R1と当該ステップS17で算出したRαの傾きに基づき、噴射指令信号に対する噴射率波形の上昇部分を表した直線Rαを特定することができる。
さらにステップS17では、近似直線Lβの傾きと噴射率減少の傾きとは相関が高いことに着目し、噴射率波形のうち噴射減少を示す直線Rβの傾きを、近似直線Lβの傾きに基づき算出する。例えば、Lβの傾きに所定の係数を掛けてRβの傾きを算出すればよい。なお、ステップS16で算出した噴射終了時期R4と当該ステップS17で算出したRβの傾きに基づき、噴射指令信号に対する噴射率波形の降下部分を表した直線Rβを特定することができる。なお、上記所定の係数は、基準圧力Pbaseの値や燃料温度等に応じて可変設定してもよい。
続くステップS18では、ステップS17で算出した噴射率波形の直線Rα,Rβに基づき、噴射終了を指令したことに伴い弁体12がリフトダウンを開始する時期(閉弁作動開始時期R23)を算出する。具体的には、両直線Rα,Rβの交点を算出し、その交点時期を閉弁作動開始時期R23として算出する。
続くステップS19では、ステップS15で算出した噴射開始時期R1の噴射開始指令時期t1に対する遅れ時間(噴射開始遅れ時間td)を算出する。また、ステップS18で算出した閉弁作動開始時期R23の噴射終了指令時期t2に対する遅れ時間(噴射終了遅れ時間te)を算出する。なお、噴射終了遅れ時間teとは、噴射終了を指令した時期t2から、制御弁14の作動を開始する時期までの遅れ時間のことである。要するにこれらの遅れ時間td,teは、噴射指令信号に対する噴射率変化の応答遅れを表すパラメータであり、他にも、噴射開始指令時期t1から最大噴射率到達時期R2までの遅れ時間、噴射終了指令時期t2から噴射率低下開始R3までの遅れ時間、噴射終了指令時期t2から噴射終了時期R4までの遅れ時間等が挙げられる。
続くステップS20では、基準圧力Pbaseと交点圧力Pαβとの圧力差ΔPγが所定値ΔPγth未満であるか否かを判定する。ΔPγ<ΔPγthと判定された場合(S20:YES)には、次のステップS21(最大噴射率算出手段)において、先述した小噴射であるとみなして、圧力差ΔPγに基づき最大噴射率Rmaxを算出する(Rmax=ΔPγ×Cγ)。一方、ΔPγ≧ΔPγthと判定された場合(S20:NO)には、次のステップS22(最大噴射率算出手段)において、予め設定しておいた値(設定値Rγ)を最大噴射率Rmaxとして算出する。続くステップS23(補正手段)では、ステップS21又はS22で算出した最大噴射率Rmaxに後述する補正比Ka(経年変化指数)を掛けることで、最大噴射率Rmaxを補正する。
次に、上記ステップS23による補正の技術的意義を説明する。
図6(a)は、噴射指令信号が同じであり、かつ、インターバルや筒内圧、基準圧力Pbase等の環境条件が同じである場合における、車両走行距離に対する噴射量の経年変化を示す。図6(a)の例では、噴孔11bにデポジット等の異物が堆積して噴射量が低下していく態様の経年劣化を示しており、走行距離の増大に伴い初期値から(2)(3)へと噴射量は低下していく。
図6(b)(c)は、噴射指令信号が同じであり、かつ、前記環境条件が同じである場合における、車両走行距離に対する噴射率波形及び燃圧波形の経年変化を示す。図6(a)に示す如く噴射量が低下していく場合には、図6(b)(c)中の(1)に示す初期状態から、(2)(3)へと、最大噴射率Rmax及び圧力降下量ΔPは低下していく。なお、圧力降下量ΔPとは、噴射率上昇に伴い生じた検出圧力の降下量のことであり、例えば、基準圧力Pbaseから変曲点P2までの圧力降下量、又は、変曲点P1から変曲点P2までの圧力降下量のことである。
なお、図6(d)は、基準圧力Pbaseに応じた最大噴射率Rmaxの変化を示しており、基準圧力Pbaseが高いほど最大噴射率Rmaxは高くなることを示す。そして、経年劣化が(1)→(2)→(3)へと進行するにしたがって、基準圧力Pbaseの全領域において最大噴射率Rmaxの値は低下する。
要するに、経年劣化により噴孔面積が縮小していくことに伴い、図6(b)に示す如く最大噴射率Rmaxが低下して、図6(a)に示す如く噴射量が低下していく。そして、このように最大噴射率Rmaxが低下することに伴い圧力降下量ΔPも低下していく。
ちなみに、図7の上段は指令噴射量に対する圧力降下量ΔPの変化を、基準圧力Pbaseを(a)〜(f)に異ならせた上で試験した結果を示す。また、図7の上段は指令噴射量に対する実際の最大噴射率Rmaxの変化を、基準圧力Pbaseを(a)〜(f)に異ならせた上で試験した結果を示す。図7に示すように、小噴射を指令する場合には指令噴射量の上昇に伴い実際の圧力降下量ΔP及び最大噴射率Rmaxは上昇するが、大噴射を指令する場合には実際の圧力降下量ΔP及び最大噴射率Rmaxは一定の値(設定値Rγ)となる。そして、図6に例示するように経年劣化が進行すると、図7の特性線は全体的に低下することとなる。
ここで、図4のステップS20〜S22による最大噴射率Rmaxの算出手法では、インターバルや筒内圧等の環境条件に応じて圧力降下量ΔPが逐次変動することの影響を受けないように、降下近似直線Lα及び上昇近似直線Lβに基づき最大噴射率Rmaxを算出している。そして、図6(c)の如く圧力降下量ΔPが低くなるように燃圧波形が経年変化していっても、近似直線Lα,Lβは大きくは変化しない。そのため、最大噴射率Rmaxが経年変化しても、ステップS21,S22で算出される最大噴射率Rmaxには前記経年変化が加味されず、経年変化の進行に伴い最大噴射率Rmaxの算出精度が悪化することとなる。
そこで本実施形態では、図6(b)(c)に示すように実最大噴射率Rmaxの経年変化と圧力降下量ΔPの経年変化とは相関が高いことに着目し、圧力降下量ΔPの検出結果から実最大噴射率Rmaxの経年変化指数を推定し、推定した経年変化指数に基づき、図4のステップS21,S22で算出した最大噴射率Rmaxを補正している。
具体的には、噴射毎に圧力降下量ΔPを検出し、検出したΔPに所定の相関係数を掛けて最大噴射率を噴射毎に算出する。以下の説明では、このように圧力降下量ΔPに基づき算出した最大噴射率をRmax(ΔP)と記載し、ステップS21,S22で算出した最大噴射率Rmaxとは区別する。そして、所定期間(例えば1トリップ)で検出した複数の最大噴射率Rmax(ΔP)の平均値Rmax(ΔP)aveに基づき補正比Ka(経年変化指数)を算出し、当該補正比Kaを最大噴射率Rmaxに掛けることで補正する。
図8中の一点鎖線に囲まれた複数のドットは、運転者がエンジンを始動操作してから停止操作するまでの期間(1トリップ期間)において、噴射毎に算出された最大噴射率Rmaxの値を示す。そして、これらの最大噴射率Rmax(ΔP)の平均値Rmax(ΔP)aveが1トリップ毎に変化していく量を経年変化指数として算出し、その経年変化指数に基づき図4のステップS23の補正で用いる補正比Kaを算出する。
図9は、補正比Kaの算出手順を示すフローチャートであり、ECU30が有するマイクロコンピュータにより、エンジンを始動操作する毎、或いはエンジンを停止操作する毎に繰り返し実行される。
先ず、図9に示すステップS30(圧力降下量検出手段)において、圧力降下量ΔPに基づき算出した最大噴射率Rmax(ΔP)の、1トリップ分の平均値Rmax(ΔP)aveを算出する。続くステップS31(経年変化指数算出手段)では、最大噴射率Rmax(ΔP)の学習値に対する平均値Rmax(ΔP)ave割合である経年劣化率Kを算出する(K=Rmax(ΔP)ave/Rmax(ΔP)学習値)。つまり、算出した経年劣化率Kが1より小さければ、噴孔11bが閉塞して噴射量が少なくなる劣化が進行していると言える。一方、算出した経年劣化率Kが1より大きければ、噴孔11bの磨耗やシート面11e,12aの損傷等により噴射量が多くなる劣化が進行していると言える。
続くステップS32では、ステップS31で算出した経年劣化率Kが、2トリップ連続で閾値Ku以上又は閾値Kd以下になったか否かを判定する。そして、図6(e)中の黒丸に示すように、経年劣化率Kが2トリップ連続で閾値Ku,Kdを超えたと判定された場合(S32:YES)には、次のステップS33(経年変化指数算出手段)に進み、補正比Kaの前回値に経年劣化率Kを掛けて算出した値を、補正比Kaの更新値(経年変化指数)として学習する。また、次のステップS34において、最大噴射率Rmax(ΔP)の学習値を、ステップS30で算出したRmax(ΔP)aveに更新する。
以上により、本実施形態によれば、降下近似直線Lα及び上昇近似直線Lβの交点圧力Pαβと基準圧力Pbaseとの圧力差ΔPγは、インターバルや筒内圧等の環境条件の影響を殆ど受けず、しかも実最大噴射率Rmaxとの相関が高いことに着目し、この圧力差ΔPγに基づき最大噴射率Rmaxを算出する。そのため、算出した最大噴射率Rmaxが環境条件の影響により逐次変動することを回避しつつ、最大噴射率Rmaxを高精度で算出できる。よって、このように算出された最大噴射率Rmaxの学習値(噴射率パラメータ)に基づき噴射指令信号t1、t2、Tqを設定して、燃料噴射弁10をフィードバック制御する本実施形態によれば、目標噴射状態に対して実噴射状態が大きくハンチングすることを抑制しつつ、フィードバック制御の安定性を向上できる。
さらに本実施形態では、圧力降下量ΔPと最大噴射率Rmaxとの相関が高いことにも着目して、所定期間(1トリップ期間)に検出した複数の圧力降下量ΔPに対して最大噴射率Rmax(ΔP)を算出し、その最大噴射率Rmax(ΔP)の平均値Rmax(ΔP)aveに基づき補正比Kaを算出する。そして、上述した圧力差ΔPγから算出した最大噴射率Rmaxを、補正比Kaを用いて補正するので、経年劣化を加味した最大噴射率Rmaxに補正できる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、1トリップ期間に蓄積した全ての最大噴射率Rmax(ΔP)の平均値を、経年劣化率Kの算出に用いる平均値Rmax(ΔP)aveとして算出している。これに対し本実施形態では、経年劣化率Kの算出に用いる平均値Rmax(ΔP)aveを次のように算出する。
先ず、基準圧力Pbaseと関連付けて圧力降下量ΔPを検出して最大噴射率Rmax(ΔP)を算出する。次に、1トリップ期間で蓄積した全ての最大噴射率Rmax(ΔP)のうち、基準圧力Pbaseが所定圧力以上である高圧領域の最大噴射率Rmax(ΔP)の平均値avehighと、基準圧力Pbaseが所定圧力未満である低圧領域の最大噴射率Rmax(ΔP)の平均値avelowを算出する。次に、高圧領域のデータ点数と、低圧領域のデータ点数とに応じて、各々の値avehigh,avelowに重み付けをする。次に、重み付けされたavehigh及びavelowの平均値を、経年劣化率Kの算出に用いる平均値Rmax(ΔP)aveとして算出する。
例えば、図10に例示するように、高圧領域のデータ点数が低圧領域よりも多い場合には、高圧領域の平均値avehighの重み付けを、低圧領域の平均値avelowの重み付けよりも大きく設定して、両値avehigh,avelowの平均値を平均値Rmax(ΔP)aveとして算出する。
これによれば、エンジンを高負荷で運転する機会の多いユーザーの場合、図10に例示するようにデータ分布が偏ることになり、実際に運転する機会の多いエンジン運転状態の時に検出した最大噴射率Rmax(ΔP)に重み付けを大きく設定して補正比Kaを算出するので、実際の運転状態に適した補正を施すことができ、ステップS23による補正の精度を向上できる。
(第3実施形態)
上記第2実施形態では、基準圧力Pbaseを低圧領域と高圧領域の2つに区分けしているが、本実施形態では、図11に示すように、離散的に配置された複数の領域w1〜w7を設定し、各々の領域w1〜w7に対応する最大噴射率Rmax(ΔP)の値から、経年劣化率Kの算出に用いる平均値Rmax(ΔP)aveを算出し、これらの領域w1〜w7のいずれにも含まれない最大噴射率Rmax(ΔP)の値は、経年劣化率Kの算出には用いない。
具体的には、各々の領域w1〜w7で最大噴射率Rmax(ΔP)の平均値avew1〜avew7を算出し、それらの値avew1〜avew7の平均値を平均値Rmax(ΔP)aveとして算出する。この時、上記第2実施形態と同様にして、各領域w1〜w7のデータ点数に応じてavew1〜avew7に重み付けを行って平均値Rmax(ΔP)aveを算出してもよい。
ここで、最大噴射率Rmax(ΔP)の値は、基準圧力Pbaseが変化することに伴い変動するが、本実施形態の如く、過去の1トリップ分の平均値Rmax(ΔP)aveと、現在の1トリップ分の平均値Rmax(ΔP)aveとを比較するにあたり、同じ基準圧力Pbase領域の最大噴射率Rmax(ΔP)を比較して経年劣化率Kを算出するので、補正比Kaの算出精度を向上できる。
(第3実施形態の変形例)
上記第3実施形態では、基準圧力Pbaseが所定範囲(avew1〜avew7)内となっている時の圧力降下量ΔPから算出した最大噴射率Rmax(ΔP)の値を用いて、平均値Rmax(ΔP)aveを算出しているが、例えば、インターバルと関連付けて圧力降下量ΔPを検出し、インターバルが所定範囲内となっている時の圧力降下量ΔPから算出した最大噴射率Rmax(ΔP)の値を用いて、平均値Rmax(ΔP)aveを算出してもよい。
或いは、筒内圧と関連付けて圧力降下量ΔPを検出し、筒内圧が所定範囲内となっている時の圧力降下量ΔPから算出した最大噴射率Rmax(ΔP)の値を用いて、平均値Rmax(ΔP)aveを算出してもよい。
これらによっても、過去の1トリップ分の平均値Rmax(ΔP)aveと、現在の1トリップ分の平均値Rmax(ΔP)aveとを比較するにあたり、同じ環境条件(インターバル又は筒内圧)の最大噴射率Rmax(ΔP)を比較して経年劣化率Kを算出するので、補正比Kaの算出精度を向上できる。
(第4実施形態)
上記第1実施形態では、算出した全ての圧力降下量ΔP(つまり最大噴射率Rmax(ΔP))を平均値Rmax(ΔP)aveの算出に用いているが、本実施形態では、基準圧力Pbaseが所定圧力Punder(図8参照)以上である高圧時に検出した圧力降下量ΔPから算出した最大噴射率Rmax(ΔP)を、平均値Rmax(ΔP)aveの算出対象としている。
ここで、基準圧力Pbaseが高圧であるほど圧力降下量ΔPの絶対値が大きくなるので、高圧時の圧力降下量ΔPに基づき算出した平均値Rmax(ΔP)aveの方が、過去の平均値Rmax(ΔP)aveと現在の平均値Rmax(ΔP)aveとを比較する際に、経年劣化による平均値Rmax(ΔP)aveの変化量(経年劣化量)が大きく現れる。よって、経年劣化率Kを高精度で算出できる。
この点を鑑みた本実施形態では、高圧時に検出した圧力降下量ΔPによる最大噴射率Rmax(ΔP)を用いて平均値Rmax(ΔP)aveを算出しており、所定圧力Punder未満の低圧時に検出した圧力降下量ΔPによる最大噴射率Rmax(ΔP)は、平均値Rmax(ΔP)aveの算出には用いない。そのため、経年変化指数に相当する経年劣化率Kを高精度で算出できる。
(第4実施形態の変形例)
上記第4実施形態では、基準圧力Pbaseが所定圧力Punder以上となっている時の圧力降下量ΔPから算出した最大噴射率Rmax(ΔP)の値を用いて、平均値Rmax(ΔP)aveを算出しているが、例えば、インターバルと関連付けて圧力降下量ΔPを検出し、インターバルが所定量以上(又は前段噴射なし)の時の圧力降下量ΔPから算出した最大噴射率Rmax(ΔP)の値を用いて、平均値Rmax(ΔP)aveを算出してもよい。
或いは、筒内圧と関連付けて圧力降下量ΔPを検出し、筒内圧が所定範囲内となっている時の圧力降下量ΔPから算出した最大噴射率Rmax(ΔP)の値を用いて、平均値Rmax(ΔP)aveを算出してもよい。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、以下のように変更して実施してもよい。また、各実施形態の特徴的構成をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
・上記各実施形態では、1トリップ期間で検出した複数の圧力降下量ΔPを用いて、補正比Kaの算出に用いる平均値Rmax(ΔP)aveを算出しているが、車両が所定の距離だけ走行する期間で検出した複数の圧力降下量ΔPを用いるように変更してもよいし、エンジンの運転時間が所定時間経過する期間で検出した複数の圧力降下量ΔPを用いるように変更してもよい。
・上記各実施形態では、燃料噴射弁10の経年変化に伴い圧力降下量ΔPが変化する度合いを表した「経年変化指数」を、最大噴射率Rmax(ΔP)の学習値に対する平均値Rmax(ΔP)aveの割合(経年劣化率K又は補正比Ka)としている。これに対し、最大噴射率Rmax(ΔP)の学習値と平均値Rmax(ΔP)aveとの差分である経年変化量を、前記「経年変化指数」としてもよい。
・上記実施形態では、補正比Ka(経年変化指数)に基づき最大噴射率Rmaxを補正しているが、経年劣化率Kに基づき最大噴射率Rmaxを補正してもよい。この場合、経年劣化率Kが経年変化指数に相当する。また、圧力降下量ΔPの経年変化量や、最大噴射率Rmax(ΔP)の経年変化量に基づき最大噴射率Rmaxを補正してもよい。この場合、これらの経年変化量が経年変化指数に相当する。
・図1に示す上記実施形態では、燃圧センサ20を燃料噴射弁10に搭載しているが、コモンレール42の吐出口42aから噴孔11bに至るまでの燃料供給経路内に燃圧センサを配置してもよい。よって、例えばコモンレール42と燃料噴射弁10とを接続する高圧配管42bに燃圧センサを搭載してもよい。また、コモンレール42に燃圧センサ20を配置してもよいし、燃料ポンプ41の吐出口からコモンレール42にいたるまでの燃料供給経路内に燃圧センサを配置してもよい。
10…燃料噴射弁、20…燃圧センサ、42…コモンレール(蓄圧容器)、Ka…補正比(経年変化指数)、Lα…降下近似直線、Lβ…上昇近似直線、Pbase…基準圧力、Pαβ…交点圧力、ΔPγ…圧力差、ΔP…圧力降下量、Rmax…最大噴射率、S11…基準圧力算出手段、S12,S13…直線近似手段、S21,S22…最大噴射率算出手段、S23…補正手段、S30…圧力降下量検出手段、S33…経年変化指数算出手段。

Claims (7)

  1. 燃料噴射弁へ供給される燃料の圧力を検出する燃圧センサを備えた燃料噴射システムに適用され、
    前記燃圧センサにより検出された圧力波形のうち、燃料の噴射率上昇に伴い圧力降下する期間の波形を降下波形、燃料の噴射率降下に伴い圧力上昇する期間の波形を上昇波形とした場合に、前記降下波形を直線に近似した降下近似直線、及び前記上昇波形を直線に近似した上昇近似直線を算出する直線近似手段と、
    前記燃圧センサにより検出された圧力波形のうち前記降下波形が現れる直前の特定期間における波形に基づき、基準圧力を算出する基準圧力算出手段と、
    前記降下近似直線及び前記上昇近似直線の交点に対応した圧力である交点圧力を算出し、その交点圧力と前記基準圧力との圧力差に基づき最大噴射率を算出する最大噴射率算出手段と、
    噴射率上昇に伴い生じた圧力降下量を検出する圧力降下量検出手段と、
    前記圧力降下量検出手段により検出された圧力降下量が前記燃料噴射弁の経年変化に伴い変化する度合いを表した、経年変化指数を算出する経年変化指数算出手段と、
    前記経年変化指数に基づき、前記最大噴射率算出手段により算出される最大噴射率を補正する補正手段と、
    を備えることを特徴とする燃料噴射制御装置。
  2. 前記最大噴射率算出手段は、前記圧力差が所定値未満である場合には前記圧力差に基づき最大噴射率を算出し、前記圧力差が所定値以上である場合には予め設定しておいた値を最大噴射率として算出することを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射制御装置。
  3. 燃料噴射弁へ供給される燃料の圧力を検出する燃圧センサを備えた燃料噴射システムに適用され、
    前記燃圧センサにより検出された圧力波形のうち、燃料の噴射率上昇に伴い圧力降下する期間の波形を降下波形、燃料の噴射率降下に伴い圧力上昇する期間の波形を上昇波形とした場合に、前記降下波形を直線に近似した降下近似直線、及び前記上昇波形を直線に近似した上昇近似直線を算出する直線近似手段と、
    前記燃圧センサにより検出された圧力波形のうち前記降下波形が現れる直前の特定期間における波形に基づき、基準圧力を算出する基準圧力算出手段と、
    前記降下近似直線及び前記上昇近似直線の交点に対応した圧力である交点圧力を算出し、その交点圧力と前記基準圧力との圧力差を算出し、その圧力差が所定値以上で有る場合には予め設定しておいた値を最大噴射率として算出する最大噴射率算出手段と、
    噴射率上昇に伴い生じた圧力降下量を検出する圧力降下量検出手段と、
    前記圧力降下量検出手段により検出された圧力降下量が前記燃料噴射弁の経年変化に伴い変化する度合いを表した、経年変化指数を算出する経年変化指数算出手段と、
    前記経年変化指数に基づき、前記最大噴射率算出手段により算出される最大噴射率を補正する補正手段と、
    を備えることを特徴とする燃料噴射制御装置。
  4. 前記経年変化指数算出手段は、所定期間に検出した複数の前記圧力降下量の平均値を算出し、その平均値が変化する度合いを前記経年変化指数として算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の燃料噴射制御装置。
  5. 前記圧力降下量検出手段は、前記基準圧力と関連付けて前記圧力降下量を検出し、
    前記基準圧力は複数の領域に分割して設定されており、
    前記経年変化指数算出手段は、前記領域毎の前記圧力降下量の検出数に応じて、前記圧力降下量の値に重み付けをして前記平均値を算出することを特徴とする請求項4に記載の燃料噴射制御装置。
  6. 前記経年変化指数算出手段は、燃料噴射時の環境条件が所定範囲内である時に検出した前記圧力降下量に基づき、前記経年変化指数を算出することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の燃料噴射制御装置。
  7. 前記経年変化指数算出手段は、前記基準圧力が所定圧力以上である高圧時に検出した前記圧力降下量に基づき、前記経年変化指数を算出することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の燃料噴射制御装置。
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