JP2012141394A - 液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】方位角に応じた表示面の色むらを抑制し、且つ、輝度が高い液晶表示装置を提供する。
【解決手段】光源1、液晶パネル3、光源1と液晶パネル3との間に設けられた拡散板4、拡散板4と液晶パネル3との間に設けられコレステリック規則性を有する樹脂層51及び1/4波長板52を備える輝度向上フィルム5、並びに液晶パネル3と輝度向上フィルム5との間に設けられた光学素子6を備える液晶表示装置において、光学素子6の少なくとも一方の面6Uの少なくとも一部に、輝度向上フィルム5から異なる方位角で出射し光学素子6に入射した少なくとも3つの光束が同一の方向に出射するよう、異なる法線を有する斜面を複数有する形状の微小領域61を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、通常、光源及び液晶パネルを含み、光源からの光を液晶パネルを介して出光させることにより、画像を表示する。かかる液晶表示装置においては、液晶パネルへ入光する光の輝度が高いことに加え、表示面全体において輝度が均斉であることが求められる。そのため、液晶表示装置において、光源と液晶パネルとの間にさらに拡散板及び輝度向上フィルム等の各種の光学部材を設け、光源からの光をこれらの光学部材を介して液晶パネルに入光させることが知られている(例えば特許文献1)。
特表2008−517326号公報
前記の輝度向上フィルムのひとつとして、コレステリック規則性を有する樹脂層(以下、「コレステリック樹脂層」と略称することがある。)と1/4波長板とを組み合わせた輝度向上フィルムが挙げられる。このコレステリック樹脂層と1/4波長板とを組み合わせた輝度向上フィルムは構造がシンプルであり製造が容易であるという利点を有するが、輝度向上フィルムから出射される光束の色度が方位角方向で異なるという課題を有する。その結果、この輝度向上フィルムを備えた液晶表示装置の表示面を観察者が斜め方向から見た場合、観察者が表示面を見る方位角に応じて表示面が異なる色に色づいて見える現象(即ち、方位角方向で色が異なる現象。以下、これを「色むら」ということがある。)が生じることがあった。また、このような方位角に応じた表示面の色むらを抑制しようとすれば多くの光学素子を液晶表示装置に組み込むことになり、光学素子の多層化による輝度の低下や構造の複雑化を招いていた。
本発明の目的は、方位角に応じた表示面の色むらを抑制しながらも輝度が高い液晶表示装置を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決するため検討した結果、液晶表示装置の輝度向上フィルムと液晶パネルとの間に、輝度向上フィルムから異なる方位角で出射した少なくとも3つの光束が同一の方向に出射するような所定の形状の微小領域を有する光学素子を備えることにより、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明によれば、下記〔1〕〜〔10〕が提供される。
〔1〕 光源、液晶パネル、前記光源と前記液晶パネルとの間に設けられた拡散板、前記拡散板と前記液晶パネルとの間に設けられコレステリック規則性を有する樹脂層及び1/4波長板を備える輝度向上フィルム、並びに前記液晶パネルと前記輝度向上フィルムとの間に設けられた光学素子を備える液晶表示装置であって、
前記光学素子は、その少なくとも一方の面の少なくとも一部に、前記輝度向上フィルムから異なる方位角で出射し前記光学素子に入射した少なくとも3つの光束が同一の方向に出射するよう、異なる法線を有する斜面を複数有する形状の微小領域を備える、液晶表示装置。
〔2〕 前記輝度向上フィルムは、少なくとも1つの極角に関して、前記輝度向上フィルムに入射した光束が方位角に応じて異なる色度の光束として出射するようになっている、〔1〕に記載の液晶表示装置。
〔3〕 前記微小領域を備える前記面における前記微小領域の充填率が40%以上である、〔1〕又は〔2〕に記載の液晶表示装置。
〔4〕 前記輝度向上フィルムは、正面方向に出射する光束の色度を基準にした場合、その極角において出射する光束の色度座標の差Δx及びΔyの少なくとも一方の符号が方位角によって逆符号となる極角を有する、〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
〔5〕 前記微小領域の形状が、球の一部、楕円体の一部、円錐、円錐の一部、角錐、及び角錐の一部からなる群より選ばれるいずれかである、〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
〔6〕 前記微小領域が、入射した光束の一部を複数回の全反射によって再帰反射するようになっている、〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
〔7〕 前記光学素子が、前記輝度向上フィルムと一体化している、〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
〔8〕 前記光学素子が、前記輝度向上フィルムと空気層を含んで一体化している、〔7〕に記載の液晶表示装置。
〔9〕 前記輝度向上フィルムが、前記拡散板と一体化している、〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
〔10〕 前記輝度向上フィルムが、前記拡散板と空気層を含んで一体化している、〔9〕に記載の液晶表示装置。
本発明の液晶表示装置は、方位角に応じた表示面の色むらを抑制しながらも輝度を向上させることができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る液晶表示装置の、線状光源の長手方向に垂直な断面を概略的に示す縦断面図である。 図2は、輝度向上フィルムから出射する光束の出射方向について説明するため、輝度向上フィルムの上面の一部を模式的に示す斜視図である。 図3は、輝度向上フィルムから出射する光束の出射方向について説明するため、輝度向上フィルムの上面の一部を模式的に示す斜視図である。 図4は、図1に示した本発明の第1実施形態に係る液晶表示装置における光学素子の一部を概略的に示す斜視図である。 図5は、図1及び図4に示した液晶表示装置における光学素子を、図1の断面と平行な断面において拡大して示す縦断面図である。 図6は、図1及び図4に示した液晶表示装置における光学素子を、図1の断面と平行な断面において拡大して示す縦断面図である。 図7は、本発明の第2の実施形態に係る液晶表示装置における光学素子の一部を概略的に示す斜視図である。 図8は、本発明の第3の実施形態に係る液晶表示装置における光学素子の一部を概略的に示す斜視図である。 図9は、本発明の第4の実施形態に係る液晶表示装置の、線状光源の長手方向に垂直な断面を概略的に示す縦断面図である。 図10は、本発明の第5の実施形態に係る液晶表示装置の、線状光源の長手方向に垂直な断面を概略的に示す縦断面図である。 図11は、本発明の第6の実施形態に係る液晶表示装置の、線状光源の長手方向に垂直な断面を概略的に示す縦断面図である。 図12は、図11に示す液晶表示装置における粘着層の一態様をより具体的に示す斜視図である。 図13は、図11に示す液晶表示装置における粘着層の一態様をより具体的に示す斜視図である。 図14は、実施例において実施した微小領域を有する光学素子の光束評価方法を説明する図である。 図15は、比較例1において用意した光学素子の一部を概略的に示す斜視図である。 図16は、比較例2において用意した光学素子の一部を概略的に示す斜視図である。
以下、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。
本発明の液晶表示装置は、光源、液晶パネル、前記光源と前記液晶パネルとの間に設けられた拡散板、前記拡散板と前記液晶パネルとの間に設けられコレステリック規則性を有する樹脂層(即ち、コレステリック樹脂層。)及び1/4波長板を備える輝度向上フィルム、並びに、前記液晶パネルと前記輝度向上フィルムとの間に設けられた光学素子を備える。前記光学素子は、その少なくとも一方の面の少なくとも一部に、所定の形状の微小領域を備える。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係る液晶表示装置の、線状光源の長手方向に垂直な断面を概略的に示す縦断面図である。
図1に示すように、液晶表示装置100は、線状光源である光源1、光源1からの光を反射する反射板2、及び液晶パネル3を備える。また、光源1と液晶パネル3との間には拡散板4が設けられ、拡散板4と液晶パネル3との間には輝度向上フィルム5が設けられ、輝度向上フィルム5と液晶パネル3との間には光学素子6が設けられている。輝度向上フィルム5は、光源側に位置するコレステリック樹脂層51と、コレステリック樹脂層51よりも液晶パネル側に位置する1/4波長板52とを備えている。光学素子6は、その最外層に位置する主面(即ち、光学素子主面。)として光学素子下面6L及び光学素子上面6Uを有する。光学素子下面6Lは光源側に面し、光学素子上面6Uは液晶パネル側に面している。したがって、光学素子6の光学素子下面6L及び光学素子上面6Uはそれぞれ、光学素子6の光入射面及び光出射面として機能するようになっている。
なお、本明細書では、縦断面図及び斜視図において、液晶表示装置100を、その表示面を水平に上向けに置いた状態で説明する。したがって、各層の「上」側は、より表示面に近い側を、「下」側は、より表示面に遠い側を、また「水平」方向は表示面に平行な方向をそれぞれ表す。また、本発明において、構成要素の方向が「平行」とは、本発明の効果を損ねない範囲内、例えば±5°の範囲内での誤差を含んでいてもよい。さらに、本明細書において「正面方向」とは、別に断らない限り、液晶表示装置100の表示面の法線方向を表す。
図1に示す本発明の第1実施形態において、光源1は、細長い形状を有する線状光源である。光源1は適切な支持部材(不図示)で支持されることにより、反射板2及び拡散板4等の他の部材とは離隔して設けられている。また、本実施形態では光源1は複数個設けられていて、これらは互いに平行に整列している。かかる線状光源としては、例えば冷陰極管、熱陰極管等の陰極管を用いることができるが、冷陰極管であることが好ましい。
反射板2としては、例えば既知の白色の反射シート等の、入射した光を反射及び拡散することができる部材を用いることができる。
液晶パネル3は適切な枠部材(不図示)で光源1から離隔した位置に支持される。
拡散板4は、入射した光を拡散させる光学部材である。本実施形態では光源1から出射した光は拡散板下面4Lに入射し、拡散板4で拡散されて、拡散板上面4Uから出射するようになっている。光源1と液晶パネル3との間に拡散板4を備えることにより、液晶パネル3の表示面での輝度均斉度を向上させることが可能になっている。
輝度向上フィルム5は、コレステリック樹脂層51及び1/4波長板52を備える光学部材である。この輝度向上フィルム5は、入射した光のうち所定の偏光を透過しその他の偏光を反射する機能を有する。かかる輝度向上フィルム5は、入射面である下面5Lから入射した光のうち一部を液晶パネル3に必要な偏光として出射面である上面5Uより出射し、それ以外の光は出射せずに反射するようになっている。輝度向上フィルム5において反射した偏光は、反射板2などの他の部材において再び拡散及び反射し、そのうちの少なくとも一部は偏光状態を変化させてから再び輝度向上フィルム5の下面5Lに入射する。したがって、液晶パネル3と拡散板4との間に輝度向上フィルム5を備えることにより、液晶パネル3に必要な偏光を多く供給することができ、その結果、液晶表示装置100の輝度をさらに向上させることが可能になっている。
本実施形態では、輝度向上フィルム5としてコレステリック樹脂層51と1/4波長板52とを備えた偏光積層体を用いる。コレステリック樹脂層51は円偏光分離素子として機能するため、輝度向上フィルム5ではコレステリック樹脂層51において所定の円偏光のみを選択的に透過させそれ以外の偏光を反射させるようになっている。またコレステリック樹脂層51を透過した円偏光は1/4波長板52において直線偏光に変換することができ、これにより、液晶パネル3に、液晶パネル3に必要な直線偏光を多く供給することができる。
通常、コレステリック樹脂層51を備える輝度向上フィルム5では、少なくとも1つの極角に関しては、輝度向上フィルム5の下面5Lに入射した光束は方位角に応じて異なる色度の光束として上面5Uから出射することになる。この点について図面を用いて説明する。
図2は輝度向上フィルム5から出射する光束の出射方向について説明するため、輝度向上フィルム5の上面5Uの一部を模式的に示す斜視図である。なお、図2においては上面5Uに平行で互いに直交する2方向をX方向及びY方向とし、上面5Uに垂直な方向をZ方向とする。
上面5Uから出射する光束L1及び光束L2は、光束L1の極角θと光束L2の極角θとは同じであるが、その方位角はΔφだけ異なる。この場合、光束L1の色度と光束L2の色度とは異なる。本実施形態の輝度向上フィルム5は、このような関係を満たす極角を、通常は少なくとも1つ、好ましくは多数有する。通常、前記の極角が20°〜70°の範囲においては、前記のような方位角に応じた色度の違いが生じる。
また通常、本実施形態の輝度向上フィルム5では、方位角の差Δφが180°である光束は色度が同じになる。即ち、輝度向上フィルム5の上面5Uから出射される光束は、通常、方位角が180°違う光束同士は同じ色度となるようになっている。
極角が同じでも方位角が異なれば色度が異なる前記の現象は、輝度向上フィルム5が有するコレステリック樹脂層51のコレステリック規則性により生じているものと推察される。
さらに輝度向上フィルム5は、通常は、正面方向に出射する光束の色度を基準にした場合、その極角において上面5Uから出射する光束の色度座標の差Δx及びΔyの少なくとも一方の符号が方位角φによって逆符号となる(即ち、正が負に反転し、負が正に反転する)極角を有する。この点について図面を用いて説明する。
図3は輝度向上フィルム5から出射する光束の出射方向について説明するため、輝度向上フィルム5の上面5Uの一部を模式的に示す斜視図である。
図3において、正面方向に出射する光束L0を取り上げ、その光束L0の色度を基準とする。また、極角が同じであるが、方位角方向に角度φだけ異なる光束Lrと光束Llとに着目する。図3では、光束Lrは光束Llよりも図中右側の位置(即ち、方位角方向では反時計回りの位置)に出射し、光束Llは光束Lrよりも図中左側の位置(即ち、方位角方向では時計回りの位置)に出射しているものとする。
光束L0の色度座標を(x,y)、光束Lrの色度座標を(x,y)、光束Llの色度座標を(x,y)とすると、光束L0に対する光束Lr,Llの色度座標の差(Δx,Δy)は、光束L0と光束Lrとの差では(Δx=x−x,Δy=y−y)になり、光束L0と光束Llとの差では(Δx=x−x,Δy=y−y)になる。本実施形態の輝度向上フィルム5では、これらの差Δx及びΔyについて、下記の(i)から(iii)のいずれかが成立する光束Lr及びLlを持つ極角を、少なくとも1つ有する。このような関係となる光束Lr及びLlを持つということは、光学素子6によってこの2つの光束Lr及びLlが正面方向に出射した場合、混色の結果がL0に近い色となり、色むらが抑制できることになる。下記の(i)〜(iii)のいずれかの関係が成立する極角の範囲は広いことが好ましく、具体的には10°以上、好ましくは30°以上の角度範囲において成立することが好ましい。
(i)光束Lrと光束Llとの間で、Δxが逆符号となる。すなわち、「x−x」の符号と「x−x」の符号とが逆符号になる。なお、Δyは同符号又はゼロになる。
(ii)光束Lrと光束Llとの間で、Δyが逆符号となる。すなわち、「y−y」の符号と「y−y」の符号とが逆符号になる。なお、Δxは同符号又はゼロになる。
(iii)光束Lrと光束Llとの間で、Δxが逆符号となり、Δyが逆符号となる。すなわち、「x−x」の符号と「x−x」の符号とが逆符号になり、「y−y」の符号と「y−y」の符号とが逆符号になる。
前記のΔx及び/又はΔyが正符号となる方位角の範囲と負符号となる方位角の範囲との割合は、1:9〜9:1の範囲であることが好ましく、3:7〜7:3の範囲であることが、より好ましい。比率が均等であればあるほど、混色の結果はL0に近づくことになる。
極角が同じでも方位角方向の向きが逆であれば色度座標の差Δx,Δyが逆符合となる前記の現象は、輝度向上フィルム5が有する1/4波長板52により生じているものと推察される。
なお、本明細書において色度座標とはCIE(国際照明委員会)1931年制定のXYZ表色系(JIS Z 8701)に基づく色度座標を指す。
また、光の色度座標は、視野角測定装置(Autronic Melchers社製 ERGOSCOPE)により測定できる。
輝度向上フィルム5と液晶パネル3との間には光学素子6が設けられていて、輝度向上フィルム5の上面5Uから出射した光は光学素子6の下面6Lに入射するようになっている。この際、上述したように、輝度向上フィルム5から出射した光束はその方位角に応じて色度が異なっている。そのため、従来の構成ではこれらの光束が直接液晶パネル3に入射すれば表示面でも方位角に応じた色むらが生じていた。しかし、本実施形態の液晶表示装置100においては、後に説明するように、光学素子6により前記の色むらを抑制できる。
図4は、図1に示した本発明の第1実施形態に係る液晶表示装置100における光学素子6の一部を概略的に示す斜視図である。また図5は、図1及び図4に示した液晶表示装置100における光学素子6を、図1の断面と平行な断面において拡大して示す縦断面図である。なお、図5の図示においては、光学素子6の下面6Lより上側の部分は光学素子6の内部であり、下面6Lより下側の部分は光学素子6の下の空気層である。また、光学素子6の上面6Uより下側の部分は光学素子6の内部であり、上面6Uより上側の部分は光学素子6の上の空気層である。
図4に示すように、光学素子6の上面6Uには球の一部の形状を有するレンズ状の微小領域61が複数形成されている。光学素子6の上面6Uのうち微小領域61の表面に当たる面部(以下、「領域表面部」と略称することがある。)61Uは滑らかな曲面で形成され、いわば異なる法線を有する極めて小さい斜面の集合体として形成されている。すなわち、領域表面部61Uは異なる角度で傾斜した斜面の集合となっており、これを有する微小領域61は本発明に係る微小領域に該当する。
ここで、前記の微小領域61が有する斜面とは、光学素子主面に対して平行でない面を言い、具体的には光学素子下面6L又は光学素子上面6Uに対して平行でない面をいう。なお、光学素子主面は微小領域61を形成するため斜面を有することから、厳密には平面で無い場合もありえる。この場合、光学素子主面は通常は液晶パネル3の表示面に平行に形成されることから、液晶パネル3の表示面に対して平行でなければ斜面として取り扱うことができる。また、光学素子主面に対して垂直な面も、前記の斜面に含めるものとする。
図5に示すように、輝度向上フィルム5の上面5Uから異なる方位角で出射した光束Lin3〜Lin6は、光学素子6の下面6Lに入射して、光学素子6内を通って上面6Uに入射することになる。光学素子6の上面6Uには前記のように異なる角度で傾斜した斜面の集合として領域表面部61Uを備えるため、領域表面部61Uに入射した光束Lin3〜Lin6は領域表面部61Uで斜面毎に斜面の傾斜角度に応じた屈折角で屈折し、光束Lout3〜Lout6となって同一の進行方向に出射するようになっている。ここで傾斜角度とは、光学素子主面に対して斜面がなす角度のことをいう。
このような構成により、領域表面部61Uから光束Lout3〜Lout6が同一の進行方向に出射するため、輝度向上フィルム5の上面5Uから異なる方位角で出射した光束Lin3〜Lin6であっても、領域表面部61Uからの出射後は混色することになる。前述のように、本実施形態に係る輝度向上フィルム5から出射される光束は出射する方位角に応じて異なる色度になっていたが、前記のように光学素子上面6Uから出射する光束Lout3〜Lout6が混色することにより、上面6Uから出射される光(光束Lout3〜Lout6を含む光)は混色した分だけ均一な色の光となる。このように均一な色になった光が液晶パネル3に入射するので、従来のように液晶表示装置の表示面が方位角に応じて色むらを生じることを抑制できる。また、前記の色むらを抑制するために他の光学素子を液晶表示装置に組み込む必要が無いため、構成部材の点数を減らして輝度の低下や構造の簡素化を実現できる。
なお、図5の例においては領域表面部61Uから光学素子主面の法線方向に沿って上方向に出射する光束Lout3〜Lout6を例に挙げて説明したが、同様の光束の混色は領域表面部61Uからどの方向へ出射する光束においても生じる。したがって、液晶パネル3の表示面を観察者が正面方向から見た場合だけでなく、斜め方向のどの位置から見た場合でも表示面での色づきに差は生じず色むらは抑制されるようになっている。
領域表面部61Uでは、輝度向上フィルム5の上面5Uから異なる方位角で出射した光束のうち、少なくとも3つの光束が同一の方向に出射するようになっていれば、輝度向上フィルム5の上面5Uから出射した光束の全てが同一の進行方向に出射されるようになっていなくてもよい。輝度向上フィルム5から出射する際に方位角が異なっていた少なくとも3つの光束が領域表面部61Uから同一の進行方向に出射されれば、光束の混色が生じ、上述した方位角に応じた色むらの程度を低減できるからである。ただし、前記の方位角に応じた色むらをより効果的に抑制する観点からは、輝度向上フィルム5の上面5Uから異なる方位角で出射した光束のうちのより多くの光束が同一の進行方向に出射されるようにすることが好ましい。
ここで、同一の進行方向に出射する光束の数を少なくとも3つとし、2つを除く理由は、以下の通りである。すなわち、仮に輝度向上フィルム5の上面5Uから異なる方位角で出射した光束のうち2つの光束が同一の進行方向に出射するように微小領域を形成した場合、その微小領域の形状は、例えば2つの斜面を有する面対称な形状等、方位角が180°異なる光束を同一の進行方向に出射する形状になるものと考えられる。しかし、コレステリック樹脂層51を有する輝度向上フィルム5では、光束が出射する方位角が180°違うと前記のように色度は同じになる。したがって、色度が同じである2つの光束を同一の進行方向に出射することになるため、出射される光の色は変化せず、混色による方位角方向での色の均等化という作用は見込めない。これに対し、3つ以上の光束であれば異なる色度の光束の混色が生じて色の均等化の作用が発揮され、少なくとも混色が生じた分だけは方位角に応じた色むらの程度を低減できる。
微小領域61は、光学素子6の上面6Uの少なくとも一部に形成すればよい。本実施形態では微小領域61の底面は円形であるため微小領域61同士の間には空隙が生じざるを得ず、このため微小領域61は上面6Uの一部のみに形成されることになる。しかし、液晶表示装置の表示面の方位角に応じた色むらをより効果的に抑制するためには、上面6Uのより広い範囲に微小領域を形成することが好ましく、上面6Uの全面に微小領域を形成することが特に好ましい。この観点から、本実施形態では図4に示すように、隣り合う微小領域61同士を可能な限り近づけるようにして密に充填させるようにしている。
微小領域61を光学素子6の上面6Uに密に充填させる場合、上面6Uにおける具体的な充填率は液晶表示装置100に求められる性能に応じて一様ではないが、その下限値としては40%が好ましく、60%が特に好ましい。このように微小領域61の充填率を上記下限値以上とすることで、微小領域61の占有面積を高め、微小領域61の集光等の光学的機能が格段に向上される。なお「充填率」とは、表面投影形状における単位面積当たりの微小領域61の面積比を意味する。
さらに、微小領域61は、微小領域61に入射した光束の一部を複数回の全反射によって再帰反射するようになっていることが好ましい。ここで再帰反射とは、図6に示すように、微小領域61に入射した光束L7が反射して入射してきた方向へと出射することを言う。光学素子6の上面6Uは光学素子6と空気層との境界面であり、また微小領域61においてはその境界面(即ち、領域表面部61U。)は異なる法線を有する複数の斜面を有しているため、下面6Lに入射して上面6Uに到達した光束のうちの一部の光束L7は微小領域61の領域表面部61Uで複数回の反射をし、下面6Lから下方へと出射する。出射された光束L7は反射板2等で反射されて再度光学素子6の下面6Lに入射する。したがって、前記の再帰反射を可能にすることにより、画像表示装置100の輝度を高めることができる。この際、画像表示装置100の輝度をより高める観点からは、前記の微小領域61での反射は全反射であることが好ましい。また、再帰反射される光束L7は、上面6Uから液晶パネル3に向けて出射されなかった光束のうちの一部であればよいが、画像表示装置100の輝度をより高める観点からは、前記の液晶パネル3に向けて出射されなかった光束の全てを再帰反射することが好ましい。なお本実施形態では微小領域61が球の一部の形状を有するレンズ状の部分として形成されているため、前記の再帰反射が可能となっている。
ここで図4を参照して微小領域61の寸法の具体的な範囲を説明すると、微小領域61の幅W61は、好ましくは10μm以上、より好ましくは50μm以上であり、好ましくは1000μm以下、より好ましくは700μm以下である。また、微小領域61の形成間隔(図4の例では、隣り合う微小領域61の最も突出した部分間の距離)P61は、好ましくは10μm以上、より好ましくは30μm以上であり、好ましくは1000μm以下、より好ましくは400μm以下である。このような寸法にすることにより、微小領域61を容易に形成することができ、また、液晶表示装置100の表示面の方位角に応じた色むらをより効果的に抑制できる。
光学素子6全体の厚さは、微小領域61の突出している部分も含めて、好ましくは0.05〜10mmであり、より好ましくは0.1〜5mmである。なお、光学素子6がシート状の基材を含む場合の光学素子6の厚さとは、基材の厚さと微小領域61の突出した高さを平均した高さの合計をいう。この範囲の厚さとすることにより、光学素子6の光学的性能及び自己支持能などの機械的性能の両方を良好にすることができる。
〔第2、第3実施形態〕
本発明の第1実施形態では微小領域61の表面(領域表面部)61Uを滑らかな曲面とし、いわば異なる法線を有する極めて小さい斜面の集合体としたため、この領域表面部61Uから同一の進行方向に出射される光束は非常に多く存在する。しかし本発明に係る光学素子では、前記のように少なくとも3つの光束が同一の進行方向に出射されるのであれば、微小領域の形状は第1実施形態の形状に限られるものではない。
微小領域の具体的な形状としては、例えば以下の第2及び第3の実施形態に示すような異なる法線を有する斜面を複数有する形状が挙げられる。本発明の第2及び第3の実施形態に係る液晶表示装置は、それぞれ、光学素子6の微小領域の形状がそれぞれ図7及び図8に示す通り変更されたほかは、第1の実施形態と同様である。
図7は本発明の第2の実施形態に係る液晶表示装置における光学素子6の一部を概略的に示す斜視図である。図7に示すように、本発明の第2の実施形態に係る光学素子6は、上面6Uに、光源側を底面として液晶パネル側を頂点とした四角錘形状の微小領域62を有している。したがって、光学素子上面6Uのうち微小領域62の表面に当たる領域表面部62Uは異なる法線を有する斜面として平面を4つ有する。この領域表面部62Uのように平面のみで形成された斜面を有する微小領域62であっても、輝度向上フィルム5の上面5U(図1参照。)から異なる方位角で出射した光束のうち、少なくとも3つの光束が同一の方向に出射するようになっていることにより、本発明の効果を得ることができる。
図8は本発明の第3の実施形態に係る液晶表示装置における光学素子6の一部を概略的に示す斜視図である。図8に示すように、本発明の第3の実施形態に係る光学素子6は、上面6Uに、四角錘の頂部が欠けた形状の微小領域63を有している。したがって、光学素子上面6Uのうち微小領域63の表面に当たる領域表面部63Uは異なる法線を有する斜面を4つ有し、光学素子主面に対して平行な平面を1つ有する。この領域表面部63Uのように一部が光学素子主面に対して平行に形成された面を有する微小領域であっても、輝度向上フィルム5の上面5U(図1参照。)から異なる方位角で出射した光束のうち、少なくとも3つの光束が同一の方向に出射するようになっていることにより、本発明の効果を得ることができる。
微小領域の形状の例をさらに挙げると、多角柱、円柱、多角錐、多角錐の頂部が欠けた形状、円錐、円錐の頂部が欠けた形状、楕円錐、楕円錐の頂部が欠けた形状、又は楕円回転体の一部などが挙げられる。微小領域をこれらの形状に形成した場合も、前記の第1〜第3実施形態と同様の効果を奏することができる。これらの中でも、微小領域の形状は、球の一部、楕円体の一部、円錐、円錐の一部、角錐、及び角錐の一部からなる群より選ばれるいずれかであることが好ましい。効果を顕著に発揮させるためである。
なお、1つの光学素子が2種類以上の異なる形状の微小領域を有していても良い。
〔第4、第5実施形態〕
上に述べた本発明の実施形態においては光学素子6が微小領域を上面6Uに備える例を示したが、光学素子6は微小領域を上面6U及び下面6Lの少なくとも一方の面に備えればよいため、下面6Lに微小領域を備えるようにしてもよく、上面6U及び下面6Lの両方に備えるようにしてもよい。以下において、その例として本発明の第4及び第5の実施形態について説明する。
図9は、本発明の第4の実施形態に係る液晶表示装置の、線状光源の長手方向に垂直な断面を概略的に示す縦断面図である。図9に示すように、本発明の第4実施形態において、液晶表示装置200は、光学素子6として微小領域61と同様の形状の微小領域64を光学素子下面6Lに形成したものを備えるほかは、第1の実施形態と同様である。
このような構成により、輝度向上フィルム5の上面5Uから異なる方位角で出射した光束は、光学素子6の下面6Lに入射して、光学素子6内を通って上面6Uに入射することになる。本実施形態では第1実施形態とは異なり光学素子下面6Lに微小領域64が形成されているため、下面6Lに入射した光束は微小領域64の表面の面部である領域表面部64Lで斜面毎に斜面の傾斜角度に応じた屈折角に屈折し、光学素子6の内部を通り、光学素子上面6Uから同一の進行方向に出射するようになっている。したがって、本実施形態の液晶表示装置200においても、第1実施形態の液晶表示装置100と同様に、液晶表示装置の表示面の方位角に応じた色むらを抑制できる。
図10は、本発明の第5の実施形態に係る液晶表示装置の、線状光源の長手方向に垂直な断面を概略的に示す縦断面図である。図10に示すように、本発明の第5実施形態において、液晶表示装置300は、光学素子6として微小領域61を光学素子上面6Uに形成し、且つ、微小領域64を光学素子下面6Lに形成したものを備えるほかは、第1の実施形態と同様である。
このような構成により、輝度向上フィルム5の上面5Uから異なる方位角で出射した光束は、光学素子6の下面6Lに入射して、光学素子6内を通って上面6Uに入射することになる。本実施形態では輝度向上フィルム5の上面5Uから異なる方位角で出射した光束は、微小領域64の表面の面部である領域表面部64Lと微小領域61の表面の面部である領域表面部61Uとの両方で斜面毎に斜面の傾斜角度に応じた屈折角に屈折し、領域表面部61Uから同一の進行方向に出射するようになっている。したがって、本実施形態の液晶表示装置300においても、第1実施形態の液晶表示装置100と同様に、液晶表示装置の表示面の方位角に応じた色むらを抑制できる。
〔第6実施形態〕
拡散板、輝度向上フィルム及び光学素子等の光学部材は、以下に説明する本発明の第6の実施形態に示すように、一体化することが好ましい。
図11は、本発明の第6の実施形態に係る液晶表示装置の、線状光源の長手方向に垂直な断面を概略的に示す縦断面図である。図11に示すように、本発明の第6実施形態に係る液晶表示装置400では、拡散板4と輝度向上フィルム5とが一体化し、輝度向上フィルム5と光学素子6とが一体化しているほかは、第1実施形態と同様である。このように拡散板4、輝度向上フィルム5及び光学素子6を一体化した場合でも、第1実施形態と同様に、液晶表示装置の表示面の方位角に応じた色むらを抑制できる。さらに、一体化により拡散板4、輝度向上フィルム5及び光学素子6の取り扱い性を向上させることもできる。
一体化の態様としては、例えば、拡散板4、輝度向上フィルム5及び光学素子6を接着する態様が挙げられる。接着の際には適切な粘着層7,8を介して拡散板4、輝度向上フィルム5及び光学素子6を接着させるようにすればよいが、具体的には下記の態様(1)〜(2)等を挙げることができる:
態様(1):接着される面(即ち、拡散板上面4Uと輝度向上フィルム下面5L、並びに、輝度向上フィルム上面5Uと光学素子下面6L)の界面全面を、粘着層を介して接着させる態様。
態様(2):図11に示す通り、接着される面と面との間(即ち、拡散板上面4Uと輝度向上フィルム下面5Lとの間、並びに、輝度向上フィルム上面5Uと光学素子下面6Lとの間)の一部の領域のみに粘着層7,8を設けて接着し、その他の領域は空気を介する態様。
拡散板4と輝度向上フィルム5との一体化に関しては、前記の態様(2)が、拡散板4と輝度向上フィルム5との間に空気層を含んで一体化させることができるため、好ましい。輝度向上フィルム5の光学機能の発現のためには、その入射面(本実施形態では輝度向上フィルム下面5L)は空気層との界面であることが好ましいためである。
また、輝度向上フィルム5と光学素子6との一体化に関しても、前記の態様(2)が、輝度向上フィルム5と光学素子6との間に空気層を含んで一体化させることができるため、好ましい。光学素子下面6Lに微小領域を備える光学素子6が光学素子下面6Lにおいて空気層との界面として屈折を生じさせるようにし、液晶表示装置400の表示面の方位角に応じた色むらをより確実に抑制するためである。
上記態様(2)は、さらに具体的には、例えば、下記の態様(2−1)及び(2−2)とすることができる:
態様(2−1):粘着層7,8を設ける領域を線状に設け、面4U,5U内に分布した複数の線状の接合点で拡散板4、輝度向上フィルム5及び光学素子6を一体化する態様。
態様(2−2):粘着層7,8を設ける領域を点状に設け、面4U,5U内に分布した複数の点状の接合点で拡散板4、輝度向上フィルム5及び光学素子6を一体化する態様。
上記態様(2−1)は、例えば、図12に示す通り、拡散板4及び輝度向上フィルム5の上面4U,5Uに、平行な線状に粘着層7,8を設け、これを介して輝度向上フィルム5及び光学素子6のそれぞれを接着する態様とすることができる。
上記態様(2−2)は、例えば、図13に示す通り、拡散板4及び輝度向上フィルム5の上面4U,5Uに、縦横に整列した複数の点において点状の粘着層7,8を設け、これを介して輝度向上フィルム5及び光学素子6をそれぞれ接着する態様とすることができる。
〔その他の実施形態〕
本発明の液晶表示装置では、上記第1〜第6の実施形態のそれぞれで示した特徴を、さらに互いに組み合わせたものとすることもできる。
例えば、第2〜第5の実施形態において、第6の実施形態において行ったように拡散板4、輝度向上フィルム5及び光学素子6を一体化してもよい。
また、例えば、第2及び第3の実施形態において、光源1として線状光源の代わりにLED等の点状光源を設けてもよい。
さらに、上述した実施形態において1/4波長板52と光学素子6とを同一の光学部材として構成し、光学素子6が1/4波長板52を兼ねるようにしてもよい。
〔各構成要素〕
次に、本発明の液晶表示装置における各構成要素の好ましい例をより具体的に説明する。
(1.拡散板)
拡散板は、当該層の一面に入射した光の経路を拡散させ、他の一面から拡散させた態様で出射させる機能を有する層である。具体的には、ヘイズが好ましくは70%〜100%、より好ましくは80%〜95%の層とすることができる。
拡散板の全光線透過率は、好ましくは30%〜80%、より好ましくは40%〜70%とすることができる。
拡散板の形状は、平板状の形状とすることができる他、必要に応じて、その表面に凹凸を有するものであってもよい。
拡散板の厚さは、特に限定されないが0.5mm〜5mmとすることができる。
拡散板の材質は、拡散の機能を発現する任意の材質とすることができるが、好ましくは透明樹脂及び拡散剤を含む層とすることができる。
本発明において透明樹脂としてはJIS K7361−1により両面平滑な2mm厚み板で測定した全光線透過率が70%以上の樹脂を用いることができ、例えば、ポリエチレン、プロピレン−エチレン共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、芳香族ビニル系単量体と低級アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体、ポリエチレンテレフタレート、テレフタル酸−エチレングリコール−シクロヘキサンジメタノール共重合体、ポリカーボネート、アクリル樹脂、脂環式構造を有する樹脂などを挙げることができる。なお、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸およびメタクリル酸のことを表す。これらの中で、ポリカーボネート、ポリスチレン、芳香族ビニル系単量体を10%以上含有する芳香族ビニル系単量体と低級アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体または脂環式構造を有する樹脂等の吸水率が0.25%以下、即ち0〜0.25%である樹脂が、吸湿による変形が少ないので、反りの少ない大型の拡散板を得ることができる点で好ましい。脂環式構造を有する樹脂は、流動性が良好であり、大型の拡散板を効率よく製造し得る点でさらに好ましい。脂環式構造を有する樹脂と拡散剤とを混合した組成物は、拡散板に必要な高透過性と高拡散性とを兼ね備え、色度が良好なので、好適に用いることができる。
脂環式構造を有する樹脂は、主鎖及び/又は側鎖に脂環式構造を有する樹脂である。機械的強度、耐熱性などの観点から、主鎖に脂環式構造を含有する樹脂が特に好ましい。脂環式構造としては、飽和環状炭化水素(シクロアルカン)構造、不飽和環状炭化水素(シクロアルケン、シクロアルキン)構造などを挙げることができる。機械的強度、耐熱性などの観点から、シクロアルカン構造やシクロアルケン構造が好ましく、中でもシクロアルカン構造が特に好ましい。脂環式構造を構成する炭素原子数は、格別な制限はないが、一つの脂環式構造あたり通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲であるときに、機械的強度、耐熱性及び光拡散板の成形性の特性が高度にバランスされ、好適である。脂環式構造を有する樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択すればよいが、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。脂環式構造を有する繰り返し単位の割合が過度に少ないと、耐熱性が低下する傾向がある。なお、脂環式構造を有する樹脂中における脂環式構造を有する繰り返し単位以外の繰り返し単位は、使用目的に応じて適宜選択される。
脂環式構造を有する樹脂の具体例としては、(1)ノルボルネン系単量体の開環重合体及びノルボルネン系単量体とこれと開環共重合可能なその他の単量体との開環共重合体、並びにこれらの水素添加物、ノルボルネン系単量体の付加重合体及びノルボルネン系単量体とこれと共重合可能なその他の単量体との付加共重合体などのノルボルネン系重合体;(2)単環の環状オレフィン系重合体及びその水素添加物;(3)環状共役ジエン系重合体及びその水素添加物;(4)ビニル脂環式炭化水素系単量体の重合体及びビニル脂環式炭化水素系単量体とこれと共重合可能なその他の単量体との共重合体、並びにこれらの水素添加物、ビニル芳香族系単量体の重合体の芳香環の水素添加物及びビニル芳香族単量体とこれと共重合可能なその他の単量体との共重合体の芳香環の水素添加物などのビニル脂環式炭化水素系重合体;などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性、機械的強度等の観点から、ノルボルネン系重合体及びビニル脂環式炭化水素系重合体が好ましく、ノルボルネン系単量体の開環重合体水素添加物、ノルボルネン系単量体とこれと開環共重合可能なその他の単量体との開環共重合体水素添加物、ビニル芳香族系単量体の重合体の芳香環の水素添加物及びビニル芳香族単量体とこれと共重合可能なその他の単量体との共重合体の芳香環の水素添加物がさらに好ましい。
拡散板に用いられる拡散剤は、光線を拡散させる性質を有する粒子であり、無機フィラーと有機フィラーに大別される。無機フィラーとしては、具体的には、シリカ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、マグネシウムシリケート、又はこれらの混合物等を用いることができる。有機フィラーの具体的な材料としては、アクリル系樹脂、アクリロニトリル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリシロキサン系樹脂、メラミン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂等を用いることができる。これらの中で、ポリスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂若しくはこれらの架橋物からなる微粒子は、高分散性、高耐熱性、成形時の着色(黄変)がないので、特に好適に用いることができる。ポリシロキサン系樹脂の架橋物からなる微粒子は、耐熱性により優れるので、さらに好適に用いることができる。
拡散板に用いられる拡散剤の形状は、特に限定されないが、例えば球状、立方状、針状、棒状、紡錘形状、板状、鱗片状、繊維状などが挙げられ、中でも光の拡散方向を等方的にすることのできる球状のビーズが好ましい。
拡散板における拡散剤の含有割合は、特に限定されず、上記の好ましいヘイズなどの値が得られる任意の割合とすることができるが、上記透明樹脂及び拡散剤の合計に対する拡散剤の割合として、好ましくは0.1重量%〜10重量%、より好ましくは0.2重量%〜5重量%とすることができる。
(2.輝度向上フィルム)
輝度向上フィルムは、コレステリック樹脂層及び1/4波長板を有する偏光積層体である。
(2.1.1/4波長板)
円偏光を直線偏光に変換するための1/4波長板においては、その正面方向のリターデーションRe(以下、「Re」と略記することがある。)を透過光の波長の略1/4とすることができる。ここで、透過光の波長範囲は、輝度向上フィルムに求められる所望の範囲とすることができ、具体的には例えば400nm〜700nmである。また、正面方向のリターデーションReが透過光の略1/4波長であるとは、Re値が、透過光の波長範囲の中心値において、中心値の1/4の値から±65nm、好ましくは±30nm、より好ましくは±10nmの範囲であることをいう。このようなリターデーション値を有することにより、偏光変換機能、即ち円偏光を直線偏光に変換する機能を発現することができる。
また、1/4波長板は、厚み方向のリターデーションRth(以下、「Rth」と略記することがある。)が0nm未満であることが望ましい。厚み方向のリターデーションRthの値は、透過光の波長範囲の中心値において、好ましくは−30nm〜−1000nm、より好ましくは−50nm〜−300nmとすることができる。このようなRe値及びRthを有する光学異方性素子を採用することにより、輝度を向上させ輝度ムラを低減させながら、出射光の色ムラをも低減させることができる。
ここで、前記正面方向のリターデーションReは、式I:Re=(nx−ny)×d(式中、nxは厚み方向に垂直な方向(面内方向)であって最大の屈折率を与える方向の屈折率を表し、nyは厚み方向に垂直な方向(面内方向)であってnxに直交する方向の屈折率を表し、dは膜厚を表す。)で表される値であり、厚み方向のリターデーションRthは、式II:Rth={(nx+ny)/2−nz}×d(式中、nxは厚み方向に垂直な方向(面内方向)であって最大の屈折率を与える方向の屈折率を表し、nyは厚み方向に垂直な方向(面内方向)であってnxに直交する方向の屈折率であり、nzは厚み方向の屈折率を表し、dは膜厚を表す。)で表される値である。
なお、前記正面方向のリターデーションRe及び厚み方向のリターデーションRthは、市販の位相差測定装置を用いて、光学異方性素子を長手方向及び幅方向に100mm間隔(長手方向又は横方向の長さが200mmに満たない場合は、その方向へは等間隔に3点指定する)で、全面にわたり、格子点状に測定を行い、その平均値とする。
本発明に用いる1/4波長板としては、フィルム状のポリマーを延伸してなる延伸フィルムを用いることができる。好ましい例として、スチレン系樹脂層を含む樹脂フィルムを延伸してなる1/4波長板を挙げることができ、より好ましくは、以下に述べる光学異方性素子を挙げることができる。
1/4波長板を構成する光学異方性素子の材質は、特に限定されないが、スチレン系樹脂からなる層を有するものを好ましく用いることができる。ここでスチレン系樹脂とは、スチレン構造を繰り返し単位の一部又は全部として有するポリマー樹脂であり、ポリスチレン、又は、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−ニトロスチレン、p−アミノスチレン、p−カルボキシスチレン、p−フェニルスチレンなどのスチレン系単量体と、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、酢酸ビニルなどのその他の単量体との共重合体などを挙げることができる。これらの中で、ポリスチレン又はスチレンと無水マレイン酸との共重合体を好適に用いることができる。
光学異方性素子に用いるスチレン系樹脂の分子量は使用目的に応じて適宜選定されるが、溶媒としてシクロヘキサンを用いたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーで測定したポリイソプレンの重量平均分子量(Mw)で、通常10,000〜300,000、好ましくは15,000〜250,000、より好ましくは20,000〜200,000である。
前記光学異方性素子は、好ましくは、前記スチレン系樹脂からなる層と、他の熱可塑性樹脂を含む層との積層構造を有する。当該積層構造を有することにより、スチレン系樹脂による光学的特性と、他の熱可塑性樹脂による機械的強度とを兼ね備えた素子とすることができる。他の熱可塑性樹脂としては、脂環式オレフィンポリマー、メタクリル樹脂、ポリカーボネート、アクリル酸エステル−ビニル芳香族化合物共重合体樹脂、メタクリル酸エステル−ビニル芳香族化合物共重合体樹脂、ポリエーテルスルホンなどを挙げることができる。これらの中で、脂環式オレフィンポリマーやメタクリル樹脂を好適に用いることができる。
脂環式オレフィンポリマーは、主鎖及び/または側鎖にシクロアルカン構造又はシクロアルケン構造を有する非晶性のオレフィンポリマーである。具体的には、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単環の環状オレフィン系重合体、(3)環状共役ジエン系重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素重合体、及びこれらの水素化物などが挙げられる。これらの中でも、透明性や成形性の観点から、ノルボルネン系重合体がより好ましい。これらの脂環式構造を有する樹脂は、特開平05−310845号公報、特開平05−097978号公報、米国特許第6,511,756号公報に記載されているものが挙げられる。
ノルボルネン系重合体としては、具体的にはノルボルネン系モノマーの開環重合体、ノルボルネン系モノマーと開環共重合可能なその他のモノマーとの開環共重合体、及びそれらの水素化物、ノルボルネン系モノマーの付加重合体、ノルボルネン系モノマーと共重合可能なその他のモノマーとの付加共重合体などが挙げられる。
メタクリル樹脂は、メタクリル酸エステルを主成分とする重合体であり、メタクリル酸エステルの単独重合体や、メタクリル酸エステルとその他の単量体との共重合体が挙げられる。メタクリル酸エステルとしては、通常、メタクリル酸アルキルが用いられる。共重合体とする場合は、メタクリル酸エステルと共重合するその他の単量体としては、アクリル酸エステルや、芳香族ビニル化合物、ビニルシアン化合物などが用いられる。
本発明に用いる光学異方性素子の好ましい具体的態様として、ポリスチレン樹脂からなるフィルム(a層)の両面に、他の熱可塑性樹脂からなるフィルム(b層)を積層してなる複層フィルムを延伸してなる延伸複層フィルムを挙げることができる。以下、この具体的態様について説明する。
前記a層を構成するポリスチレン樹脂しては、上記「スチレン系樹脂」と同様のものを用いることができる。
a層を構成するポリスチレン樹脂は、ガラス転移温度が120℃以上であることが好ましく、120〜200℃であることがより好ましく、120〜140℃であることがさらに好ましい。
本発明において、前記ポリスチレン樹脂及び前記他の熱可塑性樹脂は、それらのガラス転移温度をそれぞれTg(a)(℃)及びTg(b)(℃)としたとき、Tg(a)>Tg(b)+20℃の関係を満たすことが好ましい。このような関係を満たすことにより、延伸した際にポリスチレン樹脂からなるa層に有効に光学的異方性を与え、良好な光学異方性素子を得ることができる。
a層の材料である前記ポリスチレン樹脂及びb層の材料である前記他の熱可塑性樹脂を積層して、複層フィルムに成形する方法は、特に限定されないが、共押出Tダイ法、共押出インフレーション法、共押出ラミネーション法等の共押出による成形方法、ドライラミネーション等のフィルムラミネーション成形方法、及びコーティング成形方法などの公知の方法が適宜利用され得る。中でも、製造効率や、フィルム中に溶剤などの揮発性成分を残留させないという観点から、共押出による成形方法が好ましい。押出し温度は、使用する前記ポリスチレン樹脂、及び前記他の熱可塑性樹脂の種類に応じて適宜選択され得る。
複層フィルムは、前記a層の両面に、前記b層を積層してなる。a層とb層の間には、接着層や粘着層を設けることができるが、a層とb層とを直接に積層させる(つまり、b層/a層/b層の3層構成の積層体とする)ことが好ましい。また、複層フィルムにおいて、前記a層及びその両面に積層されたb層の厚みは特に制限はないが、好ましくはそれぞれ10〜300μm及び10〜400μmとすることができる。
前記延伸複層フィルムは、前記複層フィルムを延伸してなる。前記延伸複層フィルムは、a層の延伸により設けられたA層、及びb層の延伸により設けられたB層を含むことができる。前記延伸複層フィルムは、前記複層フィルムのb層/a層/b層の3層構造の積層体を延伸してなり、B層/A層/B層の3層構造の延伸フィルムであることが好ましい。
当該延伸は、好ましくは一軸延伸又は斜め延伸により行うことができ、さらに好ましくはテンターによる一軸延伸又は斜め延伸により行うことができる。
光学異方性素子の正面方向リターデーションReや厚み方向のリターデーションRthは、延伸温度や延伸倍率等の延伸条件を適宜調整することにより制御できる。延伸温度は、前記Tg(a)−10℃〜前記Tg(a)+20℃が好ましく、前記Tg(a)−5℃〜前記Tg(a)+15℃の範囲であることがより好ましい。延伸倍率は、1.05〜30倍が好ましく、1.1〜10倍であることがより好ましい。延伸温度や延伸倍率が、上記範囲を外れると、配向が不十分で屈折率異方性、ひいてはリターデーションの発現が不十分になったり、積層体が破断したりするおそれがある。
光学異方性素子の厚みは、好ましくは50〜1000μm、より好ましくは50〜600μmである。
(2.2.コレステリック樹脂層)
本発明において、コレステリック樹脂層は、樹脂層形成用の適切な基材上にコレステリック液晶組成物の塗膜を設け、前記塗膜を硬化してなる層である。
本発明において、コレステリック樹脂層の屈折率異方性Δnは、好ましくは0.2以上であり、より好ましくは0.22以上である。このような高いΔn値を有することにより、高い輝度向上効果を得ながら、斜め方向から観察した際の色相変化(即ち、前記の色むら)を小さくすることができる。このような高いΔn値を有するコレステリック樹脂層は、後述するコレステリック液晶組成物(X)のような液晶組成物を用いることにより形成することができる。
本発明において用いるコレステリック液晶組成物とは、液晶性化合物を含有し、コレステリック液晶相を呈しうるものである。
本発明において、コレステリック樹脂層が有するコレステリック規則性とは、一平面上では分子軸が一定の方向に並んでいるが、次の平面では分子軸の方向が少し角度をなしてずれ、さらに次の平面ではさらに角度がずれるという具合に、分子が一定方向に配列している平面を進むに従って分子軸の角度がずれて(ねじれて)いく構造である。このように分子軸の方向がねじれてゆく構造は光学的にカイラルな構造となる。
コレステリック樹脂層は、円偏光分離機能を有する。すなわち、ある特定波長域の左回転若しくは右回転の円偏光を透過し、それ以外の円偏光を反射する機能を有する。本発明においては、この円偏光分離機能を可視光の全波長領域にわたって発揮するコレステリック樹脂層を備えることが好ましい。例えば、青色(波長410〜470nm)、緑色(波長520〜580nm)、赤色(波長600〜660nm)のいずれの波長域の光についても円偏光分離機能を有するコレステリック樹脂層であることが好ましい。
円偏光分離機能を発揮する波長は、コレステリック樹脂におけるらせん構造のピッチに依存する。らせん構造のピッチとは、らせん構造において分子軸の方向が平面を進むに従って少しずつ角度がずれていき、そして再びもとの分子軸方向に戻るまでの平面法線方向の距離のことである。このらせん構造のピッチの大きさを変えることによって、円偏光分離機能を発揮する波長を変えることができる。
本発明に用いるコレステリック樹脂層は、重合性液晶性化合物を含むコレステリック液晶組成物を、後述する硬化の処理において重合して得ることができる。かかる層は、液晶性化合物の分子配向を呈したまま硬化した非液晶性の樹脂層となる。なお、ここで便宜上液晶組成物と称する材料は、2以上の物質の混合物のみならず、単一の物質からなる材料をも包含する。
本発明に用いるコレステリック樹脂層としては、例えば、(i)らせん構造のピッチの大きさを段階的に変化させたコレステリック樹脂層、(ii)らせん構造のピッチの大きさを連続的に変化させたコレステリック樹脂層等が挙げられる。
(i)らせん構造のピッチを段階的に変化させたコレステリック樹脂層は、例えば、青色の波長域の光で円偏光分離機能を発揮するらせん構造のピッチを有するコレステリック樹脂層、緑色の波長域の光で円偏光分離機能を発揮するらせん構造のピッチを有するコレステリック樹脂層及び赤色の波長域の光で円偏光分離機能を発揮するらせん構造のピッチを有するコレステリック樹脂層を積層することによって得ることができる。また、反射される円偏光の中心波長が470nm、550nm、640nm、及び770nmであるコレステリック樹脂層をそれぞれ作製し、これらのコレステリック樹脂層を任意に選択し、反射光の中心波長の順序で3〜7層積層することによって得ることができる。らせん構造のピッチの大きさが異なるコレステリック樹脂層を積層する場合には、各コレステリック樹脂層で反射する円偏光の回転方向が同じであることが好ましい。また、らせん構造のピッチの大きさが異なるコレステリック樹脂層の積層順序は、らせん構造のピッチの大きさで、昇順又は降順になるようにすることが、視野角の広い液晶表示装置を得るために好ましい。これらコレステリック樹脂層の積層は、単に重ね置いただけでもよいし、粘着剤や接着剤を介して固着させてもよい。
(ii)らせん構造のピッチの大きさを連続的に変化させたコレステリック樹脂層は、その製法によって特に制限されないが、このようなコレステリック樹脂層の製法の好ましい例としては、コレステリック樹脂層を形成するための重合性液晶性化合物を含有するコレステリック液晶組成物を、好ましくは配向膜等の他の層上に塗布して液晶組成物の層を得、次いで1回以上の、光照射及び/又は加温処理により当該層を硬化する方法が挙げられる。当該コレステリック液晶組成物の好ましい態様としては、下記に詳述するコレステリック液晶組成物(X)を挙げることが出来る。
前記コレステリック液晶組成物(X)は、好ましくは、1分子中に少なくとも2つ以上の反応性基を有する棒状液晶性化合物を含有する。
前記棒状液晶性化合物としては、式(1)で表される化合物を挙げることができる。
3X−C3X−D3X−C5X−M−C6X−D4X−C4X−R4X 式(1)
(式(1)中、R3X及びR4Xは反応性基であり、それぞれ独立して(メタ)アクリル基、(チオ)エポキシ基、オキセタン基、チエタニル基、アジリジニル基、ピロール基、ビニル基、アリル基、フマレート基、シンナモイル基、オキサゾリン基、メルカプト基、イソ(チオ)シアネート基、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、及びアルコキシシリル基からなる群より選択される基を表す。D3X及びD4Xは単結合、炭素原子数1〜20個の直鎖状又は分岐鎖状のメチレン基及びアルキレン基等の二価の飽和炭化水素基、並びに炭素原子数1〜20個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレンオキサイド基からなる群より選択される基を表す。C3X〜C6Xは単結合、−O−、−S−、−S−S−、−CO−、−CS−、−OCO−、−CH2−、−OCH2−、−CH=N−N=CH−、−NHCO−、−OCOO−、−CH2COO−、及び−CH2OCO−からなる群より選択される基を表す。Mはメソゲン基を表し、具体的には、非置換又は置換基を有していてもよい、アゾメチン類、アゾキシ類、フェニル類、ビフェニル類、ターフェニル類、ナフタレン類、アントラセン類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類の群から選択された2〜4個の骨格を、−O−、−S−、−S−S−、−CO−、−CS−、−OCO−、−CH2−、−OCH2−、−CH=N−N=CH−、−NHCO−、−OCOO−、−CH2COO−、及び−CH2OCO−等の結合基によって結合されて形成される。)
前記、メソゲン基Mが有しうる置換基としては、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、−O−R5X、−O−C(=O)−R5X、−C(=O)−O−R5X、−O−C(=O)−O−R5X、−NR5X−C(=O)−R5X、−C(=O)−NR5X7X、または−O−C(=O)−NR5X7Xを表す。ここで、R5X及びR7Xは、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、アルキル基である場合、当該アルキル基には、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR6X−C(=O)−、−C(=O)−NR6X−、−NR6X−、または−C(=O)−が介在していてもよい(ただし、−O−および−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く。)。ここで、R6Xは、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。前記「置換基を有してもよい炭素数1〜10個のアルキル基」における置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、炭素原子数1〜6個のアルコキシ基、炭素原子数2〜8個のアルコキシアルコキシ基、炭素原子数3〜15個のアルコキシアルコキシアルコキシ基、炭素原子数2〜7個のアルコキシカルボニル基、炭素原子数2〜7個のアルキルカルボニルオキシ基、炭素原子数2〜7個のアルコキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
本発明において、該棒状液晶性化合物は非対称構造であることが好ましい。ここで非対称構造とは、式(1)において、メソゲン基Mを中心として、R3X−C3X−D3X−C5X−と−C6X−D4X−C4X−R4Xとが異なる構造のことをいう。該棒状液晶性化合物として、非対称構造のものを用いることにより、配向均一性をより高めることができる。
重合性液晶化合物の好ましい具体例としては、以下の化合物(B1)〜(B9)が挙げられるが、本発明における重合性液晶化合物は下記の化合物に限定されるものではない。
Figure 2012141394
本発明において、前記コレステリック液晶組成物(X)等のコレステリック液晶組成物は、必要に応じて任意に配向性向上のための化合物、架橋剤、光重合開始剤、界面活性剤、カイラル剤、溶媒、ポットライフ向上のための重合禁止剤、耐久性向上のための酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤等を含有することができる。
前記透明樹脂等のフィルムからなる基材の表面上に、必要に応じて配向膜を設け、さらに必要に応じてコロナ放電処理ラビング処理等の処理を施し、この面上にコレステリック樹脂組成物の塗膜を設け、さらに必要に応じて配向処理及び/又は硬化の処理を行うことにより、コレステリック樹脂層を得ることができる。
前記配向処理は、例えば塗膜を50〜150℃で0.5〜10分間加温することにより行うことができる。当該配向処理を施すことにより、塗膜中のコレステリック液晶組成物を良好に配向させることができる。
前記硬化の処理は、1回以上の光照射と加温処理との組み合わせにより行うことができる。加温条件は、具体的には例えば、温度は通常40〜200℃、好ましくは50〜200℃、さらに好ましくは50〜140℃、時間は通常1秒〜3分、好ましくは5〜120秒とすることができる。本発明において光照射に用いる光とは、可視光のみならず紫外線及びその他の電磁波をも含む。光照射は、具体的には例えば波長200〜500nmの光を0.01秒〜3分照射することにより行うことができる。また、例えば0.01〜50mJ/cm2の微弱な紫外線照射と加温とを複数回交互に繰り返し、反射帯域の広い円偏光分離素子とすることもできる。光照射は塗布面側から行ってもよいし、基材側から行ってもよい。上記の微弱な紫外線照射等による反射帯域の拡張を行った後に、例えば50〜10,000mJ/cm2といった比較的強い紫外線を照射し、液晶性化合物を完全に重合させ、コレステリック樹脂層とすることができる。上記の反射帯域の拡張及び強い紫外線の照射は、空気下で行ってもよく、又はその工程の一部又は全部を、酸素濃度を制御した雰囲気(例えば、窒素雰囲気下)中で行うこともできる。
本発明において、コレステリック樹脂層の乾燥膜厚は10μm以下であることが好ましく、より好ましくは2〜7μm、さらにより好ましくは3〜6μmとすることができる。膜厚を10μm以下とすることにより、斜め方向から観察した際の色相変化(色むら)を低減することができ、一方2μm以上とすることにより、十分な反射率を得ることができる。なお、前記乾燥膜厚は、コレステリック樹脂層が2以上の層である場合は各層の膜厚の合計を、コレステリック樹脂層が1層である場合にはその膜厚をさす。
(3.光学素子)
本発明において、光学素子を構成する材料は、光が当該材料を透過しやすく、且つ光を拡散しにくいものが好ましい。具体的には、厚さ2mmの平板としたときに、ヘイズが30%以下、全光線透過率が70%以上となる材料であることが好ましい。
光学素子は、屈折率異方性が小さい方が好ましく、その正面方向のリターデーションReが、好ましくは10nm以下、より好ましくは5nm以下、特に好ましくは3nm以下である。これにより偏光状態を維持したままの光を、液晶パネルに供給できる。
光学素子の形成材料は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、COP(シクロオレフィンポリマー)、アクリルニトリルスチレン共重合体、アクリロニトリルポリスチレン共重合体などが挙げられる。また、光学素子は、例えばシート状の基材(不図示)と微小領域とが一体に形成されていてもよいし、シート状の基材上に別途微小領域を付加したものであってもよい。
さらに光学素子を形成する材料の屈折率としては、通常1.4以上、好ましくは1.45以上であり、通常1.7以下、好ましくは1.6以下である。この範囲の中でも、光学素子を形成する材料の屈折率の範囲としては1.51から1.53が特に好ましい。光学素子を形成する材料の屈折率を上記範囲とすることで、光学素子における屈折作用が効果的に奏され、光学素子の集光等の光学的機能がさらに高められる。
光学素子の形状は通常はシート状である。また、上に説明したとおり、光学素子はその光源側の面及び液晶パネル側の面の少なくとも一方の面の少なくとも一部に微小領域を有する形状とすることができる。
微小領域を形成する方法としては、上記構造のものが形成できれば特に限定されるものではなく、種々の方法が採用される。具体的には、例えば、
(a)微小領域表面の反転形状を有する型(例えばシート型)に合成樹脂を積層し、その型を剥がすこと微小領域を形成する方法、
(b)微小領域表面の反転形状を有する型(例えば金型)に溶融樹脂を注入する射出成型法、
(c)シート化された樹脂を再加熱して前記と同様の型と金属板との間にはさんでプレスして形状を転写する方法、
(d)微小領域表面の反転形状を周面に有するロール型と他のロールとの間に挟み込むように溶融状態の樹脂を通し、上記形状を転写する押出しシート成形法、
(e)基材に紫外線硬化型樹脂を塗布し、上記と同様の反転形状を有するシート型、金型又はロール型に押さえ付けて未硬化の紫外線硬化型樹脂に形状を転写し、紫外線をあてて紫外線硬化型樹脂を硬化させる方法、
(f)上記と同様の反転形状を有する金型又はロール型に未硬化の紫外線硬化性樹脂を充填塗布し、基材で押さえ付けて均し、紫外線をあてて紫外線硬化型樹脂を硬化させる方法、
(g)前記の方法において紫外線硬化型樹脂の代わりに電子線硬化型樹脂を使用する方法
などがある。
微小領域の反転形状を有する型(モールド)の製造方法としては、例えば、基材上にフォトレジスト材料により斑点状の立体パターンを形成し、この立体パターンを加熱流動化により曲面化することで、微小領域模型を作製し、この微小領域模型の表面に電鋳法により金属層を積層し、この金属層を剥離することで型を得る製造方法が挙げられる。また、上記微小領域模型の作製方法としては、上記(e)、(f)及び(g)に記載の方法を採用することも可能である。
(4.液晶パネル)
本発明の液晶表示装置における液晶パネルとしては、既知の種々の表示モードの液晶パネルを用いることができる。例えばツイステッドネマチック(TN)モード、スーパーツイステッドネマチック(STN)モード、ハイブリッドアラインメントネマチック(HAN)モード、バーティカルアラインメント(VA)モード、マルチドメインバーティカルアラインメント(MVA)モード、インプレーンスイッチング(IPS)モード、オプティカリーコンペンセイテッドバイリフジエンス(OCB)モードなどの表示モードによるものとすることができる。
〔その他〕
本発明の液晶表示装置は、前記実施形態に限定されず、本願特許請求の範囲内及びその均等の範囲内での変更を施すことができる。また、他の任意の構成要素をさらに含むことができる。例えば、前記各実施形態に係る装置において、さらに別の光学部材を適宜配置してもよい。このような光学部材としては、例えば、輝度を向上させるためのプリズムシート等を挙げることができる。これらの光学部材は、例えば、光学素子と液晶パネルとの間などに設けることができる。また、液晶表示装置を構成するための筐体、通電装置等を適宜備えることができる。
以下、実施例に基づき、本発明についてさらに詳細に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。以下において、成分の量比に関する「部」及び「%」は、別に断らない限り重量部を表す。
<実施例1>
図1に概略的に示す構成を有する、拡散板4、輝度向上フィルム5、光学素子6及び液晶パネル3を備える液晶表示装置100を作製し、評価した。
(1−1:拡散板用ペレットAの製造)
脂環式構造を有する樹脂(日本ゼオン社製「ゼオノア1060R」、吸水率0.01%)99.2重量部と、平均粒径2μmのポリシロキサン重合体の架橋物からなる微粒子0.8重量部とを混合し、二軸押出機で混練してストランド状に押し出し、ペレタイザーで切断して拡散板用ペレットAを製造した。
この拡散板用ペレットAを原料として、射出成形機(型締め力1000kN)を用いて、両面が平滑な厚み2mmで100mm×50mmの試験板を成形した。この試験板の全光線透過率とヘイズを、JIS K7361−1とJIS K7136とに基づいて、積分球方式色差濁度計を用いて測定した。試験板は、全光線透過率は65%であり、ヘイズは99%であった。
(1−2:拡散板の成形)
所定形状の金型部品を射出成形機(型締め力4,410kN)に装着し、上記(1−1)で得られた拡散板用ペレットAを原料として、シリンダー温度280℃、金型温度85℃の条件下で射出成形を行い、拡散板4として拡散板を成形した。得られた拡散板は、厚み2mm、400mm×700mmの直方体形状であり、平滑な表面を有していた。
(2−1:輝度向上フィルムの作製)
(2−1−1:基材−コレステリック樹脂層積層体の作製)
基材(商品名「ゼオノアZF14−100」、日本ゼオン社製)の片面に、濡れ指数が56mN/mになるようにコロナ放電処理を施した。このコロナ放電処理面に、ポリビニールアルコール(商品名「ポバールPVA203」、クラレ社製)を#2ワイヤーバーにて塗布し、120℃で5分間乾燥し、膜厚0.2μmの乾膜を作製した。該乾膜を一方向にラビング処理することで、配向膜を有する基材を得た。
棒状液晶化合物(化合物B5)29.23部、下記化合物7.31部、光重合開始剤(チバスペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名「IRG907」)1.20部、カイラル剤(BASF社製、商品名「LC756」)2.22部、界面活性剤KH40(セイミケミカル製)0.04部、及び2−ブタノン(溶媒)60.00部を混合し、コレステリック液晶組成物を調製した。このコレステリック液晶組成物を、上記で調製した配向膜を有する透明樹脂基材の配向膜を有する面に♯10バーにて塗布した。塗膜を100℃で5分間配向処理し、当該塗膜に対して0.1〜45mJ/cmの微弱な紫外線を基材側から照射処理し、それに続く100℃で1分間の加温処理からなるプロセスを2回繰り返した後、窒素雰囲気下で800mJ/cmの紫外線を塗布面側から照射して、乾燥膜厚5.3μmのコレステリック樹脂層を形成し、基材−配向膜−コレステリック樹脂層の層構成を有する積層体を得た。電子顕微鏡でコレステリック樹脂層のピッチの大きさを観察した所、基材側から塗布面側に向かってピッチの大きさが連続的に小さくなっていた。
Figure 2012141394
(2−1−2:1/4波長板の作製)
メタクリル酸メチル97.8%とアクリル酸メチル2.2%とからなるモノマー組成物を、バルク重合法により重合させ、樹脂ペレットを得た。
特公昭55−27576号公報の実施例3に準じて、ゴム粒子を製造した。このゴム粒子は、球形3層構造を有し、芯内層が、メタクリル酸メチル及び少量のメタクリル酸アリルの架橋重合体であり、内層が、主成分としてのアクリル酸ブチルとスチレン及び少量のアクリル酸アリルとを架橋共重合させた軟質の弾性共重合体であり、外層が、メタクリル酸メチル及び少量のアクリル酸エチルの硬質重合体である。また、内層の平均粒子径は0.19μmであり、外層をも含めた粒径は0.22μmであった。
上記樹脂ペレット70部と、上記ゴム粒子30部とを混合し、二軸押出機で溶融混練して、メタクリル酸エステル重合体組成物A(ガラス転移温度105℃)を得た。
上記メタクリル酸エステル重合体組成物A(b層)、及びスチレン無水マレイン酸共重合体(ガラス転移温度130℃)(a層)を温度280℃で共押出成形することにより、b層−a層−b層の三層構造で、各層が45−70−45(μm)の平均厚みを有する複層フィルムを得た。この複層フィルムを、延伸温度128℃、延伸倍率1.4倍、延伸速度10m/分でテンター一軸延伸し、延伸複層フィルムである1/4波長板を得た。さらにこの1/4波長板の片面を、濡れ指数が56dyne/cmになるようにコロナ放電処理を施した。
得られた1/4波長板の波長550nmにおけるレターデーション値は、厚み方向のレターデーションRthは−118nm、面内方向のレターデーションReは140nmであった。
(2−1−3:拡散粘着層の作製)
ポリエチレンテレフタレートセパレータ(商品名「PET50AL」、リンテック社製)に、ベース樹脂(商品名「SKダイン2094」、綜研化学社製、アクリル酸エステル共重合体、固形分率25%、溶媒:酢酸エチル/2−ブタノン=93/7))400部、多官能エポキシ架橋剤(商品名「E−AX」、綜研化学社製)1.1部及び微粉体(商品名「ケミスノーMX300」、綜研化学社製)4.3部からなる組成を有する粘着性組成物を、ギャップ200μmのブレードを用いて塗布し、100℃にて2分乾燥し、膜厚20μmの粘着層を形成し、セパレータ−拡散粘着層の層構成を有する積層体を得た。
(2−1−4:偏光積層体)
上記(2−1−2)で得た1/4波長板のコロナ放電処理面と、上記(2−1−3)で得た積層体の拡散粘着層側の面とを貼り合わせ、1/4波長板−拡散粘着層−セパレータの層構成を有する偏光積層体を得た。
(2−1−5:輝度向上フィルム)
上記(2−1−1)で得た基材−配向膜−コレステリック樹脂層積層体のコレステリック樹脂層の表面に、濡れ指数60mN/mになるようにコロナ放電処理を施した。上記(2−1−4)で得た偏光積層体のセパレータを拡散粘着層から剥離し、露出した拡散粘着層と、上記基材−反射性偏光子積層体のコロナ放電処理面とを貼り合わせ、1/4波長板−拡散粘着層−コレステリック樹脂層−配向膜−基材の層構成を有する輝度向上フィルムを得た。
(3−1:微小領域を有する光学素子の作製)
光学用二軸延伸易接着PETフィルム(膜厚125μm)をシート状の基材として用い、このシート状の基材上に微小領域を形成した。
具体的には、まず、ウレタンアクリレートを主成分とする紫外線硬化型樹脂(日本化薬社製ウレタンアクリレート樹脂(屈折率1.51))を上記シート状の基材に塗布した。これに、図4に示すようなレンズ状の微小領域の反転形状の金型を使用して、微小領域の形状を転写した。そして、紫外線をシート状の基材側から露光することにより、紫外線硬化型樹脂を硬化させた。硬化後、金型を離型させて、微小領域の直径が65μm、高さが30μmの光学素子を得た。微小領域の充填率は78%であった。
(3−2:微小領域を有する光学素子の光束評価)
図14は、微小領域を有する光学素子の光束評価方法を説明する図である。図14に示すように、暗所で、微小領域111を有する光学素子110の微小領域側に、開口部121(直径20mm)を有するマスク120を10cmの距離を隔てて配置し、そのマスク120の前方よりスポットライト130にて光Lを照射する。光学素子110の後方1.5mの所に配置した白色スクリーン140に映し出される投影パターン部150を確認する。次に投影パターン部150から、マスク120の開口部121に光が入射するように、光を照射する。その結果、投影パターン部150から照射された光の少なくとも一部の光束が、光学素子110の正面に出射することを確認し、その光束の数を数える事で評価した。
上記にて製造した、図4に示すようなレンズ状の微小領域を有する光学素子を、図14に示すように配置し、評価を行った。その結果、円形の投影パターン部150が得られた。その円形内のある一部分から、マスク120の開口部121に光が入射するように光を照射したところ、得られた投影パターン部150内のどこからでも、光束が正面に出射することが確認できた。
(3−3:輝度向上フィルムと光学素子の一体化)
上記(3−1)で得た微小領域を有する光学素子のPETフィルムの全面に、ベース樹脂(商品名「SKダイン2094」)400部と架橋剤(商品名「E−AX」、綜研化学社製、多官能エポキシ架橋剤)1.1部との混合物を、ギャップ200μmのブレードを用いて塗布し、100℃にて2分乾燥し、膜厚20μmの粘着層を形成した。この粘着層に、上記(2−1−5)で得た輝度向上フィルムの1/4波長板側の面を合わせ、圧力を加えて貼り合わせ、輝度向上フィルムと一体化した光学素子を得た。得られた光学素子は、微小領域−PETフィルム−粘着層−1/4波長板−拡散粘着層−コレステリック樹脂層−配向膜−基材の層構成を有していた。
(3−4:液晶表示装置)
図1に示すように、上記(1−2)で得た拡散板4と、上記(3−3)で得たコレステリック樹脂層51及び1/4波長板52と一体化した光学素子6とを、光源である冷陰極管(ハリソン東芝ライティング社製、商品名MBVM16J)1及び反射板2(東レ社製、商品名 E6SV)を設置したケース(不図示)上に載置した。さらに、その上に、液晶パネル3(VAモード)を載置し、図1に概略的に示す構成を有する液晶表示装置100を作製した。得られた液晶表示装置100において、光学素子6の輝度向上フィルム側の面は光源1に、微小領域側の面は液晶パネル3に面するよう配置した。
得られた液晶表示装置100を駆動させ、表示面を観察し、色むらを下記の評価基準に従って目視評価した。また、正面方向から見た色度座標を視野角測定装置(Autronic Melchers社製「ERGOSCOPE」)で測定し、色度座標のx座標およびy座標における最大値と最小値の差を各々δx、δyとして求めた。結果を表1に示す。
(評価基準)
(表示装置の色むら)
液晶表示装置を、極角60°における方位角方向(0〜360°)の角度から目視観察し、以下の基準で評価した
良:方位角方向(0〜360°)の範囲で色むらが認められなかった。
不良:方位角方向(0〜360°)の範囲で色むらが認められた。
<実施例2、3>
上記(3−1)において、光学素子6の微小領域の形成パターンを変更した他は、実施例1と同様に操作し、輝度向上フィルムと一体化した光学素子を作製し、さらに液晶表示装置を作製し評価した。微小領域の形成パターンは、実施例2では図7に示すような四角錘形状とし、実施例3では図8に示すような四角錘の頂部が欠けた形状とした。評価結果を表1に示す。
<実施例4、5>
上記(3−1)において、微小領域の形成パターンの成形方法を変更した他は、実施例1〜3と同様に操作し、輝度向上フィルムと一体化した光学素子を作製し、さらに液晶表示装置を作製し評価した。微小領域の形成パターンは、図4に示すようなレンズ状とした。この微小領域の具体的な成形方法は、脂環式構造を有する樹脂(日本ゼオン社製「ゼオノア1060R」、吸水率0.01%、屈折率1.53)を原料として、図4に示すようなレンズ状の微小領域の反転形状の金型を準備し、射出成形機(型締め力1000kN)を用いて、シリンダー温度280℃、金型温度85℃で成形した。これにより、実施例4では光源側の面に球レンズ状の微小領域を有する光学素子を得、また、実施例5では両方の面に球レンズ状の構造を有した光学素子を得た。評価結果を表1に示す。
<実施例6>
輝度向上フィルムと拡散板とを粘着剤を用いて全面で貼り合せて一体化した他は、実施例1と同様に操作し、輝度向上フィルム及び拡散板と一体化した光学素子を作製し、さらに液晶表示装置を作製し評価した。拡散板との一体化に際しては、上記(3−3)で使用した粘着剤と同様な粘着剤を全面に使用した。評価結果を表1に示す。
<実施例7>
輝度向上フィルムと光学素子との一体化、さらに輝度向上フィルムと拡散板との一体化に際して、粘着層の形成パターンを変更した他は、実施例6と同様に操作し光学素子を作製し、さらに液晶表示装置を作製し評価した。粘着層の形成パターンは、図12に概略的に示す、複数の平行な線からなるパターンとした。線の方向は線状光源と平行な方向とし、線の幅は0.07mm、間隔は0.3mmとした。粘着剤は、上記(3−3)で使用した粘着剤と同様なものを使用した。評価結果を表1に示す。
<実施例8>
輝度向上フィルムと光学素子との一体化、さらに輝度向上フィルムと拡散板との一体化に際して、粘着層の形成パターンを変更した他は、実施例6と同様に操作し光学素子を作製し、さらに液晶表示装置を作製し評価した。粘着層の形成パターンは、図13に概略的に示す、縦横に整列する点からなるパターンとした。縦横の点の整列方向は線状光源の長手方向と平行又は垂直な方向とし、点の直径は0.05mm、間隔は0.3mmとした。粘着剤は、上記(3−3)で使用した粘着剤と同様なものを使用した。評価結果を表1に示す。
<実施例9>
上記(2−1−1)において、コレステリック樹脂層のピッチの大きさの変化を逆にして基材側から塗布面側に向かってピッチの大きさが連続的に大きくなるようにした他は、実施例1と同様に操作し、輝度向上フィルムと一体化した光学素子を作製し、さらに液晶表示装置を作製し評価した。コレステリック樹脂層のピッチの大きさの変化を逆にする方法は、上記(2−1−1)で製造したコレステリック樹脂層を別の基材に一旦転写してから、1/4波長板と拡散粘着層を介して積層した。評価結果を表1に示す。
<比較例1、2>
上記(3−1)において、光学素子6の微小領域の形成パターンを変更した他は、実施例1と同様に操作し、輝度向上フィルムと一体化した光学素子を作製し、さらに液晶表示装置を作製し評価した。比較例1及び2では、2つの面を有するプリズムが平行に並んだ微小領域を形成した。また、比較例1では図15に示すように、一方の面が主面に対して垂直で他方の面が主面に対して鋭角に傾斜した断面鋸刃状の微小領域とした。さらに、比較例2では図16に示すように、両方の面が主面に対して鋭角に傾斜した断面鋸刃状の微小領域とした。評価結果を表2に示す。
<比較例3>
上記(3−1)において、光学素子6の微小領域を形成しない他は、実施例1と同様に操作し、輝度向上フィルムと一体化した光学素子を作製し、さらに液晶表示装置を作製し評価した。評価結果を表2に示す。
<比較例4>
上記(2−1−1)において、コレステリック樹脂層のピッチの大きさの変化を逆にして基材側から塗布面側に向かってピッチの大きさが連続的に大きくなるようにした他は、比較例3と同様に操作し、輝度向上フィルムと一体化した光学素子を作製し、さらに液晶表示装置を作製し評価した。評価結果を表2に示す。
Figure 2012141394
Figure 2012141394
1 光源
2 反射板
3 液晶パネル
4 拡散板
4L 拡散板下面
4U 拡散板上面
5 輝度向上フィルム
5L 輝度向上フィルム下面
5U 輝度向上フィルム上面
51 コレステリック樹脂層
52 1/4波長板
6 光学素子
6L 光学素子下面
6U 光学素子上面
61,62,63 微小領域
61U,62U,63U 領域表面部
7,8 粘着層
100,200,300,400 液晶表示装置

Claims (10)

  1. 光源、液晶パネル、前記光源と前記液晶パネルとの間に設けられた拡散板、前記拡散板と前記液晶パネルとの間に設けられコレステリック規則性を有する樹脂層及び1/4波長板を備える輝度向上フィルム、並びに前記液晶パネルと前記輝度向上フィルムとの間に設けられた光学素子を備える液晶表示装置であって、
    前記光学素子は、その少なくとも一方の面の少なくとも一部に、前記輝度向上フィルムから異なる方位角で出射し前記光学素子に入射した少なくとも3つの光束が同一の方向に出射するよう、異なる法線を有する斜面を複数有する形状の微小領域を備える、液晶表示装置。
  2. 前記輝度向上フィルムは、少なくとも1つの極角に関して、前記輝度向上フィルムに入射した光束が方位角に応じて異なる色度の光束として出射するようになっている、請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記微小領域を備える前記面における前記微小領域の充填率が40%以上である、請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
  4. 前記輝度向上フィルムは、正面方向に出射する光束の色度を基準にした場合、その極角において出射する光束の色度座標の差Δx及びΔyの少なくとも一方の符号が方位角によって逆符号となる極角を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  5. 前記微小領域の形状が、球の一部、楕円体の一部、円錐、円錐の一部、角錐、及び角錐の一部からなる群より選ばれるいずれかである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  6. 前記微小領域が、入射した光束の一部を複数回の全反射によって再帰反射するようになっている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  7. 前記光学素子が、前記輝度向上フィルムと一体化している、請求項1〜6のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  8. 前記光学素子が、前記輝度向上フィルムと空気層を含んで一体化している、請求項7に記載の液晶表示装置。
  9. 前記輝度向上フィルムが、前記拡散板と一体化している、請求項1〜8のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  10. 前記輝度向上フィルムが、前記拡散板と空気層を含んで一体化している、請求項9に記載の液晶表示装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016085797A (ja) * 2014-10-23 2016-05-19 コニカミノルタ株式会社 面発光モジュール
WO2017098718A1 (ja) * 2015-12-07 2017-06-15 富士フイルム株式会社 バックライトユニット
JP2018133322A (ja) * 2017-02-17 2018-08-23 采資新技股▲ふん▼有限公司Tsaize Technology Co., Ltd. ランプカバーのオプティカルディバイス

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