JP2012008280A - 液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】輝度及び輝度均斉度が高く、軽量で、且つ低コストな液晶表示装置を提供する。
【解決手段】光源、液晶パネル、及び前記光源と前記液晶パネルとの間に設けられた光学素子を備える液晶表示装置であって、前記光学素子は、光源側に面する透明層と、前記透明層より液晶パネル側に位置する拡散層とからなる積層体を含み、前記光学素子はさらに、前記透明層の内部等位置し、前記光学素子主面の法線方向における光源からの距離が異なる複数の遮光層を含み、前記複数の遮光層のそれぞれは開口を有し、前記複数の遮光層は、前記光学素子主面の法線方向から観察した場合における前記複数の遮光層の開口が重なる部分の面積が、前記光学素子主面の法線方向から傾いた少なくとも1の方向から観察した場合における前記複数の遮光層の開口が重なる部分の面積より狭いよう配置された液晶表示装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、通常、光源及び液晶パネルを含み、光源からの光を液晶パネルを介して出光させることにより、画像を表示する。かかる液晶表示装置においては、液晶パネルへ入光する光の輝度が高いことに加え、表示面全体において輝度が均斉であることが求められる。そのため、液晶表示装置において、光源と液晶パネルとの間にさらに拡散板及び輝度向上フィルム等の各種の光学部材を設け、光源からの光をこれらの光学部材を介して液晶パネルに入光させることが知られている(例えば特許文献1)。
前記各種の光学部材を多数重ねて設けることにより、輝度均斉度を高めることができる。しかしながらそのように多数の光学部材を光源と液晶パネルとの間に設けると輝度が低下するおそれがあり、液晶表示装置の組み立て工程が複雑になり、さらにかかる光学部材自体が重く厚くなり且つそれを保持する液晶表示装置の他の部材が複雑になることにより液晶表示装置の寸法及び重量が増加する。特に、可撓性のフィルム等の、形態を保持することが困難な部材は、液晶表示装置への設置が困難であり、且つ装置内でその形態を保持させるための支持部材を複雑なものとする。
特表2008−517326号公報
本発明の目的は、輝度及び輝度均斉度が高く、軽量で、且つ低コストな液晶表示装置を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決するため検討した結果、液晶表示装置の光源と液晶パネルとの間に、複数の光学部材を特定の態様で組み合わせてなる光学素子を採用することにより、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明によれば、下記〔1〕〜〔7〕が提供される。
〔1〕 光源、液晶パネル、及び前記光源と前記液晶パネルとの間に設けられた光学素子を備える液晶表示装置であって、
前記光学素子は、光源側に面する透明層と、前記透明層より液晶パネル側に位置する拡散層とからなる積層体を含み、
前記光学素子はさらに、
前記透明層の光源側の面上、前記透明層の内部又は前記透明層の拡散層側の面上のいずれかに位置し、前記光学素子主面の法線方向における光源からの距離が異なる複数の遮光層を含み、
前記複数の遮光層のそれぞれは開口を有し、
前記複数の遮光層は、
前記光学素子主面の法線方向から観察した場合における前記複数の遮光層の開口が重なる部分の面積が、
前記光学素子主面の法線方向から傾いた少なくとも1の方向から観察した場合における前記複数の遮光層の開口が重なる部分の面積より狭いよう配置された、液晶表示装置。
〔2〕 前記複数の遮光層のそれぞれが、複数の開口を有し、
前記開口が、互いに平行に整列する細長い開口である〔1〕に記載の液晶表示装置。
〔3〕 前記光源が、互いに平行に整列する線状光源であり、
前記光源の長手方向が、前記開口の長手方向と平行である〔2〕に記載の液晶表示装置。
〔4〕 前記液晶パネルの表示面が矩形であり、
前記開口の長手方向が、前記矩形の長辺方向と平行である、〔2〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
〔5〕 前記複数の遮光層のうちの少なくとも1の遮光層が、その面内の2方向以上の方向に整列して配置される複数の孔を開口として有する第1の遮光層であり、
前記複数の遮光層のうちの少なくとも他の1の遮光層が、前記光学素子主面の法線方向から観察した場合において前記第1の遮光層の前記孔の少なくとも一部に重なるよう配置される複数の蓋状の遮光部材からなる第2の遮光層である、〔1〕に記載の液晶表示装置。
〔6〕 前記孔及び前記蓋状の遮光部材が、矩形又は円形である、〔5〕に記載の液晶表示装置。
〔7〕 前記光学素子と前記液晶パネルとの間に、輝度向上フィルムをさらに備える、〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
本発明の液晶表示装置は、輝度及び輝度均斉度を良好に向上させることができ、軽量で、且つ低コストな装置とすることができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る液晶表示装置を概略的に示す縦断面図である。 図2は、図1に示した本発明の第1実施形態に係る液晶表示装置における光学素子10を概略的に示す斜視図である。 図3は、図1及び図2に示した光学素子10における第1の遮光層4A及び第2の遮光層4Bを、図1の断面と平行な断面において拡大して示す縦断面図である。 図4は、図3に示す遮光層の例における、θxの変化と繰り返し単位の開口率の変化を縦断面図である。 図5は、本発明の第2の実施形態に係る液晶表示装置における遮光層の配置を概略的に示す縦断面図である。 図6は、本発明の第3の実施形態に係る液晶表示装置における遮光層の配置を概略的に示す縦断面図である。 図7は、本発明の第4の実施形態に係る液晶表示装置における遮光層の配置を概略的に示す縦断面図である。 図8は、本発明の第5の実施形態に係る液晶表示装置における光拡散板中の透明層及び遮光層の配置を概略的に示す斜視図である。 図9は、本発明の第6の実施形態に係る液晶表示装置における光拡散板中の透明層及び遮光層の配置を概略的に示す斜視図である。 図10は、本発明の第7の実施形態に係る液晶表示装置を概略的に示す縦断面図である。 図11は、本発明の第8の実施形態に係る液晶表示装置を概略的に示す縦断面図である。 図12は、図11に示す液晶表示装置における粘着層の一態様をより具体的に示す斜視図である。 図13は、図11に示す液晶表示装置における粘着層の別の一態様をより具体的に示す斜視図である。 図14は、本発明の第9の実施形態に係る液晶表示装置を概略的に示す縦断面図である。 図15は、図14に示す液晶表示装置における光源の配置を示す斜視図である。 図16は、本発明の別の実施形態における、点状光源の配列方法の一例を示す斜視図である。
以下、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。
本発明の液晶表示装置は、光源、液晶パネル、及び前記光源と前記液晶パネルとの間に設けられた光学素子を備える。前記光学素子はさらに、前記透明層の光源側の面上、前記透明層の内部又は前記透明層の拡散層側の面上のいずれかに位置し、光学素子主面の法線方向における光源からの距離が異なる複数の遮光層を含む。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る液晶表示装置の、光源9の長手方向に垂直な断面を概略的に示す縦断面図である。
図1において、液晶表示装置100は、光源9、光源9からの光を反射する反射板8、及び液晶パネル11を備え、さらに、光源9と液晶パネル11との間に、光学素子10を備えている。光学素子10は、光源側に面する透明層3と、透明層3より液晶パネル側に位置する拡散層2とを有している。光学素子10は、その最外層に位置する水平な主面として、透明層下面3L及び拡散層上面2Uとを有し、透明層下面3Lは光源側に面し、拡散層上面2Uは液晶パネル側に面している。したがって、光学素子10の透明層下面3L及び拡散層上面2Uはそれぞれ、光学素子10の光入射面及び光出射面として機能する。
なお、本明細書では、縦断面図及び斜視図において、液晶表示装置を、その表示面を水平に上向けに置いた状態で説明する。従って、各層の「上」側は、より表示面に近い側を、「下」側は、より表示面に遠い側を、また「水平」方向は表示面に平行な方向をそれぞれ表す。また、本発明において、構成要素の方向が「平行」とは、本発明の効果を損ねない範囲内、例えば±5°の範囲内での誤差を含んでいてもよい。
図1に示す本発明の第1実施形態において、光源9は、細長い形状を有する線状光源であり、適切な支持部材(不図示)により、反射板8及び光学部材10等の他の部材とは離隔して設けられている。かかる線状光源としては、冷陰極管、熱陰極管等の陰極管を用いることができるが、冷陰極管であることが好ましい。また反射板としては、既知の白色の反射シート等の、入射した光を反射及び拡散することができる部材を用いることができる。
透明層下面3Lにおいて、光源9の直上の位置90では、矢印A1で示すように、光学素子の主面の法線方向に沿って、直近の光源9からの光が到達する。透明層下面3Lにおいて、位置90から離れると、直近の光源9からの距離は大きくなり、直近の光源9からの光の入射角度は光学素子の主面の法線方向から傾き、その角度は、透明層下面3Lの中で直近の光源9からの距離が最も遠い位置91(即ち、隣接する光源9間の中間の位置93の直上の位置)において、最大の角度θzとなる。このような入射角の違いにより、透明層下面3Lにおいては入射する光の量のムラが生じるが、本発明の液晶表示装置においては、後に説明する通り、光学素子10により輝度ムラが改善される。
図2は、図1に示した本発明の第1実施形態に係る液晶表示装置100における光学素子10を概略的に示す斜視図である。光学素子10は、矩形の主面を有しており、これは液晶パネル11の表示面に対応している。光学素子10は、拡散層2(点線で図示)と、透明層3とを有している。透明層3は、その上側の面3Uにおいて拡散層と接している。
透明層3の内部には、多数の、互いに平行に整列した細長い第1の遮光層4Aが設けられている。一方、透明層3の上側の面3U上には、多数の、互いに平行に整列した細長い第2の遮光層4Bが設けられている。設けられている位置の相違により、第1の遮光層4A及び第2の遮光層4Bは、上下方向(即ち光学素子主面の法線方向)における光源9からの距離が異なっている。
ここに例示するように、本発明でいう複数の遮光層のそれぞれは、一枚の層でなくてもよい。即ち、複数の遮光層を構成する第1の遮光層及び第2の遮光層のそれぞれが、水平方向に整列する複数枚の層であってもよく、この場合、かかる複数枚の層の間の空隙が、それぞれの遮光層の開口として作用しうる。
第1の遮光層4A及び第2の遮光層4Bのそれぞれは、細長い層が互いに平行に水平方向において整列しているので、細長い層間の隙間が、遮光層の開口となる。遮光層の長手方向が液晶パネル11の表示面の矩形の長手方向及び線状光源9の長手方向と平行であるので、開口の長手方向も、表示面の矩形の長手方向及び線状光源9の長手方向と平行となる。
図3は、図1及び図2に示した光学素子10における第1の遮光層4A及び第2の遮光層4Bを、図1の断面と平行な断面において拡大して示す縦断面図である。
図3の図示においては、透明層下面3Lより上側の部分は透明層3の内部であり、3Lより下側の部分は透明層3の下の空気層である。図3において、第1の遮光層4Aの幅はP2Aで示され、第1の遮光層4Aが有する開口の幅はP3Aで示される。第2の遮光層4Bの幅はP2Bで示され、第2の遮光層4Bが有する開口の幅はP3Bで示される。この例においては、遮光層4Bは、遮光層4Aの開口の上に位置し、光学素子10主面の法線方向から観察した際にちょうど遮光層4Aの開口を覆う。一方、遮光層4Aは遮光層4Bの開口の下に位置し、光学素子10主面の法線方向から観察した際にちょうど遮光層4Bの開口を覆う。これらの幅は全て等しい(P2A=P3A=P2B=P3B)。
第1の遮光層4Aの下面4ALと、第2の遮光層4Bの下面4BLとの高さの差(即ち光源9からの距離の差)は、図3において矢印P1で示される。この例においては、距離P1は、P2A、P3A、P2B、及びP3Bと等しい。なお、遮光層は、一定の厚みを持っているが、幅に比べて無視できる程度に薄いので、以下においては、別に断らない限り遮光層の厚みは無いものとして説明する。
図3において、矢印A8は図1における矢印A1及びA2と同様に、直近の光源9から面3Lへの光の経路を示し、矢印A9は矢印A8の経路で面3Lに入射した光が透明層3内で進行する方向を示す。ここではA8及びA9は、断面図である図1及び図3の断面と平行な経路とする。θx及びθyは、かかる光の経路A8及びA9と光学素子10主面の法線方向とがなす角を示す。
θyは、空気と透明層3との界面である透明層下面3Lへの光の入射角である。直近の光源からの入射角は最大でθz(図1参照)の値をとるため、θyは0≦θy≦θzの範囲で変動する。ただし、実際の装置では、直近の光源以外から入射する光も存在しているので、θzより大きい角度で面3Lに入射する光も存在する。
θxは、θy及び透明層3の屈折率nによって定まり、これらの値はθx=sin−1((sinθy)/n)の関係を有する。θxを変動させると、A9方向から観察した場合において、第1の遮光層4Aの開口及び第2の遮光層4Bの開口が重なる部分の面積は様々に変化する。
光学素子の、かかる遮光層による構造が設けられた領域を、ある方向から観察した場合において、その視野において開口が重なる部分が占める割合を、以下において「開口率」と称する。開口率が高い程、遮光層に妨げられず透過する光の量が多くなる。したがって、開口率が高い程、透過する光の量は、遮光層が存在しない場合の透過光の量に近づくことになる。
図3に示す例では、遮光層は、繰り返し単位RUが、水平方向に多数並んで設けられた構造となっている。このように、遮光層が、ある繰り返し単位が規則的に多数並んで設けられた構造となっている場合、一つの繰り返し単位における開口率が、光学素子全体の開口率に一致する。
図3に示す遮光層の例における、θxの変化と繰り返し単位の開口率の変化を、図4を参照して説明する。図4において、P5は、ある角度から観察した一つの繰り返し単位であり、P6は、かかる繰り返し単位中の開口が重なった部分である。開口率(%)は、(P6/P5)×100で求められる。
θxが0°の場合、一方の遮光層の開口は、その全域が他の遮光層で覆われるので、P6は存在せず、開口率は0%となる。θxが0°より大きくなるにしたがって、開口は大きくなる。ここに例示するように、本発明の液晶表示装置においては、光学素子主面の法線方向から観察した場合における開口が重なる部分の面積が、光学素子主面の法線方向から傾いた少なくとも1の方向から観察した場合における開口が重なる部分の面積より狭いよう、遮光層が配置される。これにより、法線方向から傾いた方向から入射した光の透過率が相対的に高くなり、輝度均斉度が向上する。
図4に示す例では、開口率が最大となる角θxmaxは45°であり、この時の開口率は50%となる。θxmax及び図1に示す角度θzが、θxmax≧sin−1((sinθz)/n)の関係を有する場合、少なくとも直近の光源からの光の経路に関して、θxが大きくなるほど開口率を高くすることができ、特に好ましく輝度ムラを低減することができる。
本発明において、遮光層は、光を吸収する材料であってもできるが、光を拡散し反射することができ、光を吸収する割合が低い材料であることがより好ましい。遮光層を、光を拡散し反射することができる材料で形成することによって、開口を透過しなかった光は下向きに反射し、反射板8などでさらに反射され再び上向きに進み、その少なくとも一部は開口を通過する。これにより、光の進行方向が大きく拡散され、これによって輝度均斉度がさらに向上する。また、光を吸収する割合が低く反射する割合が高いことにより、光の損失を低く抑えることができ、その結果高い輝度を得ることができる。
本発明においては、上記の作用により、遮光層に到達した光のうち、遮光層に到達する際の角度が光学素子の主面に垂直な方向に近い光ほど遮光層において遮られ、遮光層に到達する際の角度が光学素子の主面に垂直な方向から遠い光ほど遮光層を透過することとなる。従って、本発明においては、光源から出射した光が遮光層に到達するまでの過程において、光源から近い光ほど光学素子の主面に垂直な方向に近い角度で遮光層に到達し(図1の光の経路を示す矢印A1参照)、光源から遠い光ほど光学素子の主面に垂直な方向から遠い角度で傾斜面に到達する(図1の光の経路を示す矢印A2参照)という角度関係が、できるだけ維持されることが好ましい。
そのため、本発明においては、光源と、光源から最も遠い遮光層との間に、光を拡散させるものがなるべく少ないことが好ましい。具体的には、透明層は、そのヘイズが低いほうが好ましい。また、光源と透明層との間には光を拡散させる部材がなるべく少ないことが好ましく、光源と透明層との間には空間のみがあり、光源から光学素子方向へ出射した光は空気以外のものを介さずに直接透明層に入射することがより好ましい。
一方、透明層より出射面側においては、光の拡散を低減する必要はなくむしろ所望の輝度均斉度を得るためにある程度以上の光の拡散を発生させることが好ましい。そのため、拡散層を厚くすることについては制限は無く、そのため拡散層を、光学素子の自重を支えることができる程度に厚くしても光学的機能が損なわれない。したがって本発明において光学素子はその自重を支えることができる程度の自己保持性を有することができ、したがって、光学素子を支える、液晶表示装置周辺部の支持部材の構造を軽量且つ簡略なものとすることができ、結果として装置の軽量化を図ることができる。
本実施形態では、遮光層の開口の長手方向と、線状光源9の長手方向とが平行である。このように細長い開口の長手方向と線状光源の長手方向とが平行であることにより、輝度ムラが最も大きい方向である、線状光源の延長方向と垂直な方向(図1〜図4における図中の左右方向)における輝度ムラを、光学素子が効果的に低減することができる。
本発明における遮光層の開口の幅(図3においてはP3A及びP3Bの長さ)は、0.01mm〜1mmであることが好ましく、0.05mm〜0.5mmであることがより好ましい。また、遮光層が、遮光部分と開口の繰り返し単位(図3においては単位RU)を有する場合において、その幅は、0.02mm〜2mmであることが好ましく、0.1mm〜1mmであることがより好ましい。かかる所定以上の幅とすることにより、遮光層を容易に形成することができ、またかかる所定以下の幅とすることにより、目視で観察した際の輝度均斉度を効果的に改善することができる。
本発明において、光学素子全体の厚さは、好ましくは0.1〜10mmであり、より好ましくは1〜5mmである。この範囲の厚さとすることにより、光学的性能及び自己支持能などの機械的性能の両方に優れた光学素子とすることができる。
本発明に用いる、透明層及び拡散層を有する光学素子の製造方法としては、例えば下記製造方法(1)〜(3)の方法を採用することができる:
製造方法(1):所望の断面を有する形状に、拡散層を形成する樹脂、透明層を形成する樹脂及び遮光層を形成する材料を共押出する。
製造方法(2):遮光層を備える透明層、及び拡散層を別々に成形し、これらを熱融着させる。
製造方法(3):遮光層を備える透明層、及び拡散層を別々に成形し、これらを粘着層を介して接着する。
上記製造方法(1)は、例えば図1に示す断面が得られるような押出成形用ダイスを調製し、それを用いて共押出を行なうことにより行なうことができる。
上記製造方法(2)及び製造方法(3)において、遮光層を備える透明層を得る方法としては、例えば下記方法(4)〜(7)を採用することができる:
方法(4):所望の断面を有する形状に、透明層を形成する樹脂及び遮光層を形成する材料を共押出する。
方法(5):透明層を成形した後、その表面に遮光層を形成する材料の層を貼付、塗布、印刷などにより設け、必要に応じて当該層を硬化させる。
方法(6):透明層の一部を構成する樹脂成形体を成形し、その表面に遮光層を形成する材料の層を貼付、塗布、印刷などにより設け、必要に応じて当該層を硬化させ、さらにその上に透明層の残りの一部を構成する樹脂成形体を設ける。
方法(7):方法(4)〜(6)を組み合わせて行なう。
第1実施形態における遮光層4Aのように、透明層の内部に存在する遮光層は、上記方法(4)又は(6)により得ることができる。
(第2実施形態)
上に述べた本発明の実施形態においては、θxが0°の場合、即ち光学素子を法線方向から観察した際の開口率が0%であったが、本発明はこれに限られず、θxが0°の場合において開口率が0%より大きくてもよい。以下において、そのような例として本発明の第2の実施形態について説明する。本発明の第2の実施形態は、遮光層の配置が図5に示す通り変更されたほかは、第1の実施形態と同一である。
図5において、第1の遮光層4Aの幅及び第2の遮光層4Bの幅は第1実施形態と同一であるが、第1の遮光層4A及び第2の遮光層4Bの開口の幅は、第1実施形態におけるものの2倍に変更されている。また第1の遮光層と第2の遮光層との距離も、第1実施形態におけるものの1.5倍に変更されている。このため、θxが0°〜約18°の間において、開口率は約33%となる。θxが約18°を超えて大きくなるにしたがって、開口は大きくなり、θxが約45°のとき開口率は最大となり、約67%となる。このような態様においても、法線方向から傾いた方向から入射した光の透過率が相対的に高くなり、輝度均斉度が向上する。
(第3実施形態)
上に述べた本発明の実施形態においては、第1の遮光層と第2の遮光層の幅が同一であったが、本発明はこれに限られず、第1の遮光層の幅と第2の遮光層の幅が異なっていてもよい。以下において、そのような例として本発明の第3の実施形態について説明する。本発明の第3の実施形態は、遮光層の寸法及び配置が図6に示す通り変更されたほかは、第1の実施形態と同一である。
図6において、第2の遮光層4Bの幅及びそれに対応する第1の遮光層4Aの開口の幅、並びに第1の遮光層と第2の遮光層との距離は第1実施形態と同一であるが、第1の遮光層4Aの幅及びそれに対応する第2の遮光層4Bの開口の幅は、第1実施形態におけるものの半分に変更されている。θxが0°の場合の開口率が0%でありθxが0より大きくなるにしたがって開口率が大きくなることは第1実施形態と同様であるが、θxが約27°から45°の場合において開口率は最大となり、約33%となる。このような態様においても、法線方向から傾いた方向から入射した光の透過率が相対的に高くなり、輝度均斉度が向上する。
(第4実施形態)
上に述べた本発明の実施形態においては、光学素子の主面の法線方向から観察した場合において、第1の遮光層と第2の遮光層との重なりが存在しなかったが、本発明はこれに限られず、かかる方向から観察した場合において第1の遮光層と第2の遮光層とが重なっていてもよい。以下において、そのような例として本発明の第4の実施形態について説明する。本発明の第4の実施形態は、遮光層の寸法及び配置が図7に示す通り変更されたほかは、第1の実施形態と同一である。
図7において、第1の遮光層の幅及び第2の遮光層の幅は、第1実施形態におけるそれらの幅よりも広く、その分開口の幅は狭くなっている。θxが0°〜約14°の場合の開口率が0%であり、θxが約14°を超えて大きくなるにしたがって開口率が大きくなり、θxが45°の場合において開口率は最大となり、約33%となる。このような態様においても、法線方向から傾いた方向から入射した光の透過率が相対的に高くなり、輝度均斉度が向上する。
(第5実施形態及び第6実施形態)
上に述べた本発明の実施形態においては、第1及び第2の遮光層がいずれも互いに水平方向に平行に整列した細長い層で構成され、細長い開口を有していたが、本発明はこれに限られず、開口の形状を任意のものとすることができる。以下において、そのような例として本発明の第5及び第6の実施形態について説明する。本発明の第5及び第6の実施形態は、遮光層の形状がそれぞれ図8及び図9に示す通り変更されたほかは、第1の実施形態と同一である。
図8に示す第5実施形態において、透明層3は、その内部に、透明層3の上面3U及び下面3Lと平行に延長する第1の遮光層84Aを有する。遮光層84Aは、その面内の長手方向及び短手方向に整列して配置される複数の円形の孔84Hを開口として有している。透明層3はさらに、その上面3U上に、第2の遮光層として孔84Hと同じ形状及び寸法を有する蓋状の遮光部材84Bを有している。蓋状の遮光部材84Bは、光学素子主面の法線方向から観察した場合において第1の遮光層84Aの孔84Hに重なるよう配置され、これにより、第1〜第4実施形態と同様に、θx(図3参照)が大きくなるに従って開口率が大きくなる遮光層を構成することができ、輝度均斉度を向上させることができる。
図9に示す第6実施形態において、透明層3は、その内部に、透明層3の上面3U及び下面3Lと平行に延長する第1の遮光層94Aを有する。遮光層94Aは、その面内の長手方向及び短手方向に整列して配置される複数の矩形の孔94Hを開口として有している。透明層3はさらに、その上面3U上に、第2の遮光層として孔94Hと同じ形状及び寸法を有する蓋状の遮光部材94Bを有している。蓋状の遮光部材94Bは、光学素子主面の法線方向から観察した場合において第1の遮光層94Aの孔94Hに重なるよう配置され、これにより、第1〜第4実施形態と同様に、θx(図3参照)が大きくなるに従って開口率が大きくなる遮光層を構成することができ、輝度均斉度を向上させることができる。
(第7実施形態)
上に述べた本発明の実施形態においては、第1の遮光層及び第2の遮光層のうち第1の遮光層のみを透明層3の内部に設けたが、本発明はこれに限られず、第1の遮光層を透明層の表面に設けることもでき、また第2の遮光層を透明層の内部に設けることもできる。以下において、そのような例として本発明の第7の実施形態について説明する。図10に示す通り、本発明の第7実施形態において、液晶表示装置200は、第2の遮光層として、第1実施形態において透明層上面3U上に位置していた遮光層4Bに代えて、透明層3の内部に位置する遮光層24Bを有するほかは、第1の実施形態と同一である。
第2の遮光層24Bは、透明層3の内部に位置するが、第1の遮光層4Aより上側に位置するので、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、θx(図3参照)が大きくなるに従って開口率が大きくなる遮光層を構成することができ、輝度均斉度を向上させることができる。
(第8実施形態)
次に、本発明の第8の実施形態について説明する。図11は、本発明の液晶表示装置の第8の実施形態を概略的に示す縦断面図である。図11において、液晶表示装置400は、光学素子として図1〜図2に示す光学素子10に代えて、光学素子40を有するほかは、第1の実施形態と同一である。光学素子40は、拡散層2の上面2U上に、粘着層7Aを介して輝度向上フィルム7を有する点で、光学素子10と異なっている。
輝度向上フィルム7は、入射した光のうち所定の偏光を透過しその他の偏光を反射する機能を有する。かかる輝度向上フィルム7としては、入射面である下面7Lから入射した光のうち一部を液晶パネル11に必要な偏光として出射面である上面7Uより出射し、それ以外の光は出射せずに反射するものを適宜選択することができる。輝度向上フィルム7において反射した偏光は、反射板8などの他の部材において再び拡散及び反射し、そのうちの少なくとも一部は偏光状態を変化させてから再び輝度向上フィルム7の下面7Lに入射する。したがって、液晶パネル11と拡散層2との間に輝度向上フィルム7を有することにより、液晶パネルに必要な偏光を多く供給することができ、その結果液晶表示装置の輝度をさらに向上させることができる。
かかる輝度向上フィルムとしては、既知の種々の輝度向上フィルムを用いることができるが、好ましい例として、円偏光分離素子と1/4波長板とを有する偏光積層体を用いることができる。かかる偏光積層体は、円偏光分離素子において所定の円偏光のみを選択的に透過させそれ以外の偏光を反射させる。円偏光分離素子を透過した円偏光は1/4波長板において直線偏光に変換することができ、これにより、液晶パネルに、液晶パネルに必要な直線偏光を多く供給することができる。
輝度向上フィルム7を拡散層2上に設ける態様としては、下記の態様(1)〜(2)を挙げることができる:
態様(1):拡散層上面2Uと輝度向上フィルム下面7Lの界面全面とを粘着層を介して粘着させる態様。
態様(2):図11に示す通り、拡散層上面2Uと輝度向上フィルム下面7Lとの間の一部の領域のみに粘着層を設けその他の領域は空気を介する態様。
輝度向上フィルムの光学機能の発現のためには、その入射面は空気層との界面であることが好ましいため、上記態様(2)が特に好ましい。上記態様(2)は、さらに具体的には例えば、下記の態様(2−1)及び(2−2)とすることができる:
態様(2−1):粘着層を設ける領域を、線状に設ける態様。
態様(2−2):粘着層を設ける領域を、点状に設ける態様。
上記態様(2−1)は、例えば、図12に示す通り、拡散層2の上面2U上に、平行な線状に粘着層7A1を設け、これを介して輝度向上フィルム7を貼付する態様とすることができる。上記態様(2−2)は、例えば、図13に示す通り、拡散層2の上面2U上に、縦横に整列した複数の点において点状の粘着層7A2を設け、これを介して輝度向上フィルム7を貼付する態様とすることができる。
(第9実施形態)
次に、本発明の第9の実施形態について説明する。図14は、本発明の液晶表示装置の第9の実施形態を概略的に示す縦断面図である。図14において、液晶表示装置600は、光源として図1に示す線状光源9に代えて、点状光源69を有するほかは、第6実施形態と同一である。光学素子60の詳細は、図9を参照して第6実施形態の説明において述べた通りである。
本実施形態において、点状光源69はLED等の点状の発光体から出光する光源であり、反射板8上に設置されている。反射板の面上において点状光源69を配置する態様は特に限定されないが、本実施形態においては、図15に示す通り、点状光源69は反射板8上の反射面8U上に縦横方向(即ち、それぞれ矩形表示面の長手方向及び短手方向に平行な方向)に離隔して整列した配置されている。
図14に示す通り、このような点状光源を用いた場合においても、線状光源を用いた場合と同様に、透明層下面3Lのうち光源69に近い領域においては矢印A1で示すように、垂直または垂直に近い方向から光が入射し、比較的入射光の量が多く、一方透明層下面3Lのうち光源69から遠い領域においては、矢印A2で示すように垂直方向から大きく傾いた方向から光が入射し、比較的入射光の量が少なくなる。さらに、線状光源を用いた場合では線状光源の長手方向に沿った方向では入射光のムラは少なくなるが、点状光源を図15に示すような態様で離隔して整列させた場合、表示面内の長手方向及び短手方向において入射光のムラが生じることになる。従って、このような複数方向のムラを解消する観点から、点状光源を用いる場合、図9に示すもの、あるいは図8に示すもののように、複数方向においてθxに応じて開口率が変化する光学素子を併せて用いることが特に好ましい。
(その他の実施形態)
本発明の液晶表示装置では、上記第1〜第9の実施形態のそれぞれで示した特徴を、さらに互いに組み合わせたものとすることもできる。例えば、第2〜第7及び第9の実施形態において、第8の実施形態において設けたものと同様の輝度向上フィルムを設けた構造とし、輝度をさらに向上させることができる。
また、上に述べた本発明の実施形態においては、光学素子主面の法線方向における光源からの距離が異なる2種類の遮光層のみを有していたが、本発明の液晶表示装置はこれには限られず、光源からの距離が異なる3種類以上の遮光層を有していてもよい。
また、上記各実施形態において、冷陰極管を設ける代わりに、図16に示すように、反射板8の反射面8U上に、LED等の点状光源69を一方向に密に整列した列を複数列設けることもできる。この場合、点状光源が密に整列した列の延長方向を、冷陰極管の長手方向に相当するものとして、上記各実施形態と同様の液晶表示装置を構成することができる。
(各構成要素)
次に、本発明の液晶表示装置における各構成要素の好ましい例をより具体的に説明する。
(拡散層)
拡散層は、当該層の一面に入射した光の経路を拡散させ、他の一面から拡散させた態様で出射させる機能を有する層である。具体的には、ヘイズが好ましくは70%〜100%、より好ましくは80%〜95%の層とすることができる。
拡散層の全光線透過率は、好ましくは30%〜80%、より好ましくは40%〜70%とすることができる。
拡散層の形状は、平板状の形状とすることができる他、必要に応じて、その表面に凹凸を有するものであってもよい。拡散層の厚さは、特に限定されないが0.5mm〜5mmとすることができる。
拡散層の材質は、拡散の機能を発現する任意の材質とすることができるが、好ましくは透明樹脂及び拡散剤を含む層とすることができる。
本発明において透明樹脂としてはJIS K7361−1により両面平滑な2mm厚み板で測定した全光線透過率が70%以上の樹脂を用いることができ、例えば、ポリエチレン、プロピレン−エチレン共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、芳香族ビニル系単量体と低級アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体、ポリエチレンテレフタレート、テレフタル酸−エチレングリコール−シクロヘキサンジメタノール共重合体、ポリカーボネート、アクリル樹脂、脂環式構造を有する樹脂などを挙げることができる。これらの中で、ポリカーボネート、ポリスチレン、芳香族ビニル系単量体を10%以上含有する芳香族ビニル系単量体と低級アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体または脂環式構造を有する樹脂等の吸水率が0.25%以下、即ち0〜0.25%である樹脂が、吸湿による変形が少ないので、反りの少ない大型の光拡散板を得ることができる点で好ましい。脂環式構造を有する樹脂は、流動性が良好であり、大型の光拡散板を効率よく製造し得る点でさらに好ましい。脂環式構造を有する樹脂と光拡散剤を混合した組成物は、光拡散板に必要な高透過性と高拡散性とを兼ね備え、色度が良好なので、好適に用いることができる。
脂環式構造を有する樹脂は、主鎖及び/又は側鎖に脂環式構造を有する樹脂である。機械的強度、耐熱性などの観点から、主鎖に脂環式構造を含有する樹脂が特に好ましい。脂環式構造としては、飽和環状炭化水素(シクロアルカン)構造、不飽和環状炭化水素(シクロアルケン、シクロアルキン)構造などを挙げることができる。機械的強度、耐熱性などの観点から、シクロアルカン構造やシクロアルケン構造が好ましく、中でもシクロアルカン構造が最も好ましい。脂環式構造を構成する炭素原子数は、格別な制限はないが、一つの脂環式構造あたり通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲であるときに、機械的強度、耐熱性及び光拡散板の成形性の特性が高度にバランスされ、好適である。脂環式構造を有する樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択すればよいが、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。脂環式構造を有する繰り返し単位の割合が過度に少ないと、耐熱性が低下し好ましくない。なお、脂環式構造を有する樹脂中における脂環式構造を有する繰り返し単位以外の繰り返し単位は、使用目的に応じて適宜選択される。
脂環式構造を有する樹脂の具体例としては、(1)ノルボルネン系単量体の開環重合体及びノルボルネン系単量体とこれと開環共重合可能なその他の単量体との開環共重合体、並びにこれらの水素添加物、ノルボルネン系単量体の付加重合体及びノルボルネン系単量体とこれと共重合可能なその他の単量体との付加共重合体などのノルボルネン系重合体;(2)単環の環状オレフィン系重合体及びその水素添加物;(3)環状共役ジエン系重合体及びその水素添加物;(4)ビニル脂環式炭化水素系単量体の重合体及びビニル脂環式炭化水素系単量体とこれと共重合可能なその他の単量体との共重合体、並びにこれらの水素添加物、ビニル芳香族系単量体の重合体の芳香環の水素添加物及びビニル芳香族単量体とこれと共重合可能なその他の単量体との共重合体の芳香環の水素添加物などのビニル脂環式炭化水素系重合体;などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性、機械的強度等の観点から、ノルボルネン系重合体及びビニル脂環式炭化水素系重合体が好ましく、ノルボルネン系単量体の開環重合体水素添加物、ノルボルネン系単量体とこれと開環共重合可能なその他の単量体との開環共重合体水素添加物、ビニル芳香族系単量体の重合体の芳香環の水素添加物及びビニル芳香族単量体とこれと共重合可能なその他の単量体との共重合体の芳香環の水素添加物がさらに好ましい。
拡散層に用いられる拡散剤は、光線を拡散させる性質を有する粒子であり、無機フィラーと有機フィラーに大別される。無機フィラーとしては、具体的には、シリカ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、マグネシウムシリケート、又はこれらの混合物を用いることができる。有機フィラーの具体的な材料としては、アクリル系樹脂、アクリロニトリル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリシロキサン系樹脂、メラミン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂等を用いることができる。これらの中で、ポリスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂若しくはこれらの架橋物からなる微粒子は、高分散性、高耐熱性、成形時の着色(黄変)がないので、特に好適に用いることができる。ポリシロキサン系樹脂の架橋物からなる微粒子は、耐熱性により優れるので、さらに好適に用いることができる。
拡散層に用いられる拡散剤の形状は、特に限定されないが、例えば球状、立方状、針状、棒状、紡錘形状、板状、鱗片状、繊維状などが挙げられ、中でも光の拡散方向を等方的にすることのできる球状のビーズが好ましい。
拡散層における拡散剤の含有割合は、特に限定されず、上記の好ましいヘイズなどの値が得られる任意の割合とすることができるが、上記透明樹脂及び拡散剤の合計に対する拡散剤の割合として、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.2〜5重量%とすることができる。
(透明層)
本発明において、透明層を構成する材料は、光が当該材料を透過しやすく、且つ光を拡散しにくいものが好ましい。具体的には、厚さ2mmの平板としたときに、ヘイズが30%以下、全光線透過率が70%以上となる材料であることが好ましい。
透明層の形状は、平板状の形状とすることができる。また、必要に応じて、光源に面する側の表面にも凹凸を有してもよいが、上に説明した通り本発明においては光源から近い光ほど光学素子の主面に垂直な方向に近い角度で傾斜面に到達し、光源から遠い光ほど光学素子の主面に垂直な方向から遠い角度で傾斜面に到達するという角度関係ができるだけ維持されることが好ましいので、透明層の光源に面する側の表面は凹凸を有さない平坦な面であることが好ましい。
透明層の厚さは、特に限定されないが、0.1mm〜3mmとすることができる。透明層の材質は、透明層としての機能を発現する任意の材質とすることができるが、好ましくは前述の透明樹脂を含む層とすることができる。
(遮光層)
本発明において、遮光層は、入射した光の少なくとも一部を遮光(即ち吸収又は反射)しうる層とすることができる。即ち、遮光層は、入射する全ての光を遮光するものでなくてもよく、必要に応じて、遮光層の一部又は全部を、入射する光の一部のみを遮光する層とすることもできる。
遮光層の遮光の態様は、入射した光の少なくとも一部を反射する態様であることが好ましい。反射された光は、反射板等により反射されて再び光学素子に到達し、その一部は遮光層の開口を透過し得るので、吸収の割合が少なく反射の割合が多いことにより、輝度を向上させることができる。反射は、鏡面反射でもよく、拡散を伴う反射であってもよいが、輝度均斉度を向上させる観点からは、拡散を伴う反射であることが好ましい。
遮光層を構成する材料としては、透明樹脂に遮光性粒子が分散したものが挙げられる。透明樹脂としては、特に限定されないが、熱可塑性樹脂が好ましい。遮光性粒子は、例えばチタニア、シリカ、アルミナ、ジルコニアなどの金属酸化物微粒子、カーボン粒子、着色顔料、樹脂微粒子、ガラス微粒子等を使用することができる。遮光層を形成するには、透明樹脂に対して5重量%〜30重量%の遮光性粒子を含有すればよい。
遮光層の厚さは、0.1μm〜1mmとすることが好ましく、1μm〜0.1mmであることがより好ましい。
(輝度向上フィルム)
上に述べた通り、好ましい例において、輝度向上フィルムは円偏光分離素子及び1/4波長板を有する偏光積層体である。
(1/4波長板)
円偏光を直線偏光に変換するための1/4波長板においては、その正面方向のリターデーションRe(以下、「Re」と略記することがある。)を透過光の波長の略1/4とすることができる。ここで、透過光の波長範囲は、輝度向上フィルムに求められる所望の範囲とすることができ、具体的には例えば400nm〜700nmである。また、正面方向のリターデーションReが透過光の略1/4波長であるとは、Re値が、透過光の波長範囲の中心値において、中心値の1/4の値から±65nm、好ましくは±30nm、より好ましくは±10nmの範囲であることをいう。このようなリターデーション値を有することにより、偏光変換機能、即ち円偏光を直線偏光に変換する機能を発現することができる。
また、1/4波長板は、厚み方向のリターデーションRth(以下、「Rth」と略記することがある。)が0nm未満であることが望ましい。厚み方向のリターデーションRthの値は、透過光の波長範囲の中心値において、好ましくは−30nm〜−1000nm、より好ましくは−50nm〜−300nmとすることができる。このようなRe値及びRthを有する光学異方性素子を採用することにより、輝度を向上させ輝度ムラを低減させながら、出射光の色ムラをも低減させることができる。
ここで、前記正面方向のリターデーションReは、式I:Re=(nx−ny)×d(式中、nxは厚み方向に垂直な方向(面内方向)であって最大の屈折率を与える方向の屈折率を表し、nyは厚み方向に垂直な方向(面内方向)であってnxに直交する方向の屈折率を表し、dは膜厚を表す。)で表される値であり、厚み方向のリターデーションRthは、式II:Rth={(nx+ny)/2−nz}×d(式中、nxは厚み方向に垂直な方向(面内方向)であって最大の屈折率を与える方向の屈折率を表し、nyは厚み方向に垂直な方向(面内方向)であってnxに直交する方向の屈折率であり、nzは厚み方向の屈折率を表し、dは膜厚を表す。)で表される値である。
なお、前記正面方向のリターデーションRe及び厚み方向のリターデーションRthは、市販の位相差測定装置を用いて、光学異方性素子を長手方向及び幅方向に100mm間隔(長手方向又は横方向の長さが200mmに満たない場合は、その方向へは等間隔に3点指定する)で、全面にわたり、格子点状に測定を行い、その平均値とする。
本発明に用いる1/4波長板としては、フィルム状のポリマーを延伸してなる延伸フィルムを用いることができる。好ましい例として、スチレン系樹脂層を含む樹脂フィルムを延伸してなる1/4波長板を挙げることができ、より好ましくは、以下に述べる光学異方性素子を挙げることができる。
1/4波長板を構成する光学異方性素子の材質は、特に限定されないが、スチレン系樹脂からなる層を有するものを好ましく用いることができる。ここでスチレン系樹脂とは、スチレン構造を繰り返し単位の一部又は全部として有するポリマー樹脂であり、ポリスチレン、又は、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−ニトロスチレン、p−アミノスチレン、p−カルボキシスチレン、p−フェニルスチレンなどのスチレン系単量体と、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、酢酸ビニルなどのその他の単量体との共重合体などを挙げることができる。これらの中で、ポリスチレン又はスチレンと無水マレイン酸との共重合体を好適に用いることができる。
光学異方性素子に用いるスチレン系樹脂の分子量は使用目的に応じて適宜選定されるが、溶媒としてシクロヘキサンを用いたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーで測定したポリイソプレンの重量平均分子量(Mw)で、通常10,000〜300,000、好ましくは15,000〜250,000、より好ましくは20,000〜200,000である。
前記光学異方性素子は、好ましくは、前記スチレン系樹脂からなる層と、他の熱可塑性樹脂を含む層との積層構造を有する。当該積層構造を有することにより、スチレン系樹脂による光学的特性と、他の熱可塑性樹脂による機械的強度とを兼ね備えた素子とすることができる。他の熱可塑性樹脂としては、脂環式オレフィンポリマー、メタクリル樹脂、ポリカーボネート、アクリル酸エステル−ビニル芳香族化合物共重合体樹脂、メタクリル酸エステル−ビニル芳香族化合物共重合体樹脂、ポリエーテルスルホンなどを挙げることができる。これらの中で、脂環式オレフィンポリマーやメタクリル樹脂を好適に用いることができる。
脂環式オレフィンポリマーは、主鎖及び/または側鎖にシクロアルカン構造又はシクロアルケン構造を有する非晶性のオレフィンポリマーである。具体的には、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単環の環状オレフィン系重合体、(3)環状共役ジエン系重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素重合体、及びこれらの水素化物などが挙げられる。これらの中でも、透明性や成形性の観点から、ノルボルネン系重合体がより好ましい。これらの脂環式構造を有する樹脂は、特開平05−310845号公報、特開平05−097978号公報、米国特許第6,511,756号公報に記載されているものが挙げられる。
ノルボルネン系重合体としては、具体的にはノルボルネン系モノマーの開環重合体、ノルボルネン系モノマーと開環共重合可能なその他のモノマーとの開環共重合体、及びそれらの水素化物、ノルボルネン系モノマーの付加重合体、ノルボルネン系モノマーと共重合可能なその他のモノマーとの付加共重合体などが挙げられる。
メタクリル樹脂は、メタクリル酸エステルを主成分とする重合体であり、メタクリル酸エステルの単独重合体や、メタクリル酸エステルとその他の単量体との共重合体が挙げられる、メタクリル酸エステルとしては、通常、メタクリル酸アルキルが用いられる。共重合体とする場合は、メタクリル酸エステルと共重合するその他の単量体としては、アクリル酸エステルや、芳香族ビニル化合物、ビニルシアン化合物などが用いられる。
本発明に用いる光学異方性素子の好ましい具体的態様として、ポリスチレン樹脂からなるフィルム(a層)の両面に、他の熱可塑性樹脂からなるフィルム(b層)を積層してなる複層フィルムを延伸してなる延伸複層フィルムを挙げることができる。以下、この具体的態様について説明する。
前記a層を構成するポリスチレン樹脂しては、上記「スチレン系樹脂」と同様のものを用いることができる。
a層を構成するポリスチレン樹脂は、ガラス転移温度が120℃以上であることが好ましく、120〜200℃であることがより好ましく、120〜140℃であることがさらに好ましい。
本発明において、前記ポリスチレン樹脂及び前記他の熱可塑性樹脂は、それらのガラス転移温度をそれぞれTg(a)(℃)及びTg(b)(℃)としたとき、Tg(a)>Tg(b)+20℃の関係を満たすことが好ましい。このような関係を満たすことにより、延伸した際にポリスチレン樹脂からなるa層に有効に光学的異方性を与え、良好な光学異方性素子を得ることができる。
a層の材料である前記ポリスチレン樹脂及びb層の材料である前記他の熱可塑性樹脂を積層して、複層フィルムに成形する方法は、特に限定されないが、共押出Tダイ法、共押出インフレーション法、共押出ラミネーション法等の共押出による成形方法、ドライラミネーション等のフィルムラミネーション成形方法、及びコーティング成形方法などの公知の方法が適宜利用され得る。中でも、製造効率や、フィルム中に溶剤などの揮発性成分を残留させないという観点から、共押出による成形方法が好ましい。押出し温度は、使用する前記ポリスチレン樹脂、及び前記他の熱可塑性樹脂の種類に応じて適宜選択され得る。
複層フィルムは、前記a層の両面に、前記b層を積層してなる。a層とb層の間には、接着層や粘着層を設けることができるが、a層とb層とを直接に積層させる(つまり、b層/a層/b層の3層構成の積層体とする)ことが好ましい。また、複層フィルムにおいて、前記a層及びその両面に積層されたb層の厚みは特に制限はないが、好ましくはそれぞれ10〜300μm及び10〜400μmとすることができる。
前記延伸複層フィルムは、前記複層フィルムを延伸してなる。前記延伸複層フィルムは、a層の延伸により設けられたA層、及びb層の延伸により設けられたB層を含むことができる。前記延伸複層フィルムは、前記複層フィルムのb層/a層/b層の3層構造の積層体を延伸してなり、B層/A層/B層の3層構造の延伸フィルムであることが好ましい。
当該延伸は、好ましくは一軸延伸又は斜め延伸により行うことができ、さらに好ましくはテンターによる一軸延伸又は斜め延伸により行うことができる。
光学異方性素子の正面方向リターデーションReや厚み方向のリターデーションRthは、延伸温度や延伸倍率等の延伸条件を適宜調整することにより製造することができる。延伸温度は、前記Tg(a)−10℃〜前記Tg(a)+20℃が好ましく、前記Tg(a)−5℃〜前記Tg(a)+15℃の範囲であることがより好ましい。延伸倍率は、1.05〜30倍が好ましく、1.1〜10倍であることがより好ましい。延伸温度や延伸倍率が、上記範囲を外れると、配向が不十分で屈折率異方性、ひいてはリターデーションの発現が不十分になったり、積層体が破断したりするおそれがある。
光学異方性素子の厚みは、好ましくは50〜1000μm、より好ましくは50〜600μmである。
(円偏光分離素子)
本発明において、円偏光分離素子としては、以下に述べるコレステリック樹脂層を好ましく用いることができる。
本発明において、コレステリック樹脂層は、樹脂層形成用の適切な基材上にコレステリック液晶組成物の塗膜を設け、前記塗膜を硬化してなる層である。
本発明において、コレステリック樹脂層は、屈折率異方性Δnが、好ましくは0.2以上であり、より好ましくは0.22以上である液晶性化合物を含む液晶組成物を硬化してなる樹脂層である。このような高いΔn値を有することにより、高い輝度向上効果を得ながら、斜め方向から観察した際の色相変化を小さくすることができる。このような高いΔn値を有するコレステリック樹脂層は、後述するコレステリック液晶組成物(X)のような液晶組成物を用いることにより形成することができる。
本発明において用いるコレステリック液晶組成物とは、液晶性化合物を含有し、コレステリック液晶相を呈しうるものである。
本発明において、コレステリック樹脂層が有するコレステリック規則性とは、一平面上では分子軸が一定の方向に並んでいるが、次の平面では分子軸の方向が少し角度をなしてずれ、さらに次の平面ではさらに角度がずれるという具合に、分子が一定方向に配列している平面を進むに従って分子軸の角度がずれて(ねじれて)いく構造である。このように分子軸の方向がねじれてゆく構造は光学的にカイラルな構造となる。
コレステリック樹脂層は、円偏光分離機能を有する。すなわち、ある特定波長域の左回転若しくは右回転の円偏光を透過し、それ以外の円偏光を反射する機能を有する。本発明においては、この円偏光分離機能を可視光の全波長領域にわたって発揮するコレステリック樹脂層を備えることが好ましい。例えば、青色(波長410〜470nm)、緑色(波長520〜580nm)、赤色(波長600〜660)nmのいずれの波長域の光についても円偏光分離機能を有するコレステリック樹脂層であることが好ましい。
円偏光分離機能を発揮する波長は、コレステリック樹脂におけるらせん構造のピッチに依存する。らせん構造のピッチとは、らせん構造において分子軸の方向が平面を進むに従って少しずつ角度がずれていき、そして一回転して再びもとの分子軸方向に戻るまでの平面法線方向の距離のことである。このらせん構造のピッチの大きさを変えることによって、円偏光分離機能を発揮する波長を変えることができる。
本発明に用いるコレステリック樹脂層は、重合性液晶性化合物を含むコレステリック液晶組成物を、後述する硬化の処理において重合して得ることができる。かかる層は、液晶性化合物の分子配向を呈したまま硬化した非液晶性の樹脂層となる。なお、ここで便宜上液晶組成物と称する材料は、2以上の物質の混合物のみならず、単一の物質からなる材料をも包含する。
本発明に用いるコレステリック樹脂層としては、例えば、(i)らせん構造のピッチの大きさを段階的に変化させたコレステリック樹脂層、(ii)らせん構造のピッチの大きさを連続的に変化させたコレステリック樹脂層等が挙げられる。
(i)らせん構造のピッチを段階的に変化させたコレステリック樹脂層は、例えば、青色の波長域の光で円偏光分離機能を発揮するらせん構造のピッチを有するコレステリック樹脂層、緑色の波長域の光で円偏光分離機能を発揮するらせん構造のピッチを有するコレステリック樹脂層及び赤色の波長域の光で円偏光分離機能を発揮するらせん構造のピッチを有するコレステリック樹脂層を積層することによって得ることができる。また、反射される円偏光の中心波長が470nm、550nm、640nm、及び770nmであるコレステリック樹脂層をそれぞれ作製し、これらのコレステリック樹脂層を任意に選択し、反射光の中心波長の順序で積層することによって得ることができる。らせん構造のピッチの大きさが異なるコレステリック樹脂層を積層する場合には、各コレステリック樹脂層で反射する円偏光の回転方向が同じであることが好ましい。また、らせん構造のピッチの大きさが異なるコレステリック樹脂層の積層順序は、らせん構造のピッチの大きさで、昇順又は降順になるようにすることが、視野角の広い液晶表示装置を得るために好ましい。これらコレステリック樹脂層の積層は、単に重ね置いただけでもよいし、粘着剤や接着剤を介して固着させてもよい。
(ii)らせん構造のピッチの大きさを連続的に変化させたコレステリック樹脂層は、その製法によって特に制限されないが、このようなコレステリック樹脂層の製法の好ましい例としては、コレステリック樹脂層を形成するための重合性液晶性化合物を含有するコレステリック液晶組成物を、好ましくは配向膜等の他の層上に塗布して液晶組成物の層を得、次いで1回以上の、光照射及び/又は加温処理により当該層を硬化する方法が挙げられる。当該コレステリック液晶組成物の好ましい態様としては、下記に詳述するコレステリック液晶組成物(X)を挙げることが出来る。
前記コレステリック液晶組成物(X)は、好ましくは、1分子中に少なくとも2つ以上の反応性基を有する棒状液晶性化合物を含有する。
前記棒状液晶性化合物としては、式(1)で表される化合物を挙げることができる。
3X−C3X−D3X−C5X−M−C6X−D4X−C4X−R4X 式(1)
(式中、R3X及びR4Xは反応性基であり、それぞれ独立して(メタ)アクリル基、(チオ)エポキシ基、オキセタン基、チエタニル基、アジリジニル基、ピロール基、ビニル基、アリル基、フマレート基、シンナモイル基、オキサゾリン基、メルカプト基、イソ(チオ)シアネート基、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、及びアルコキシシリル基からなる群より選択される基を表す。D3X及びD4Xは単結合、炭素原子数1〜20個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、及び炭素原子数1〜20個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレンオキサイド基からなる群より選択される基を表す。C3X〜C6Xは単結合、−O−、−S−、−S−S−、−CO−、−CS−、−OCO−、−CH2−、−OCH2−、−CH=N−N=CH−、−NHCO−、−OCOO−、−CH2COO−、及び−CH2OCO−からなる群より選択される基を表す。Mはメソゲン基を表し、具体的には、非置換又は置換基を有していてもよい、アゾメチン類、アゾキシ類、フェニル類、ビフェニル類、ターフェニル類、ナフタレン類、アントラセン類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類の群から選択された2〜4個の骨格を、−O−、−S−、−S−S−、−CO−、−CS−、−OCO−、−CH2−、−OCH2−、−CH=N−N=CH−、−NHCO−、−OCOO−、−CH2COO−、及び−CH2OCO−等の結合基によって結合されて形成される。)
前記、メソゲン基Mが有しうる置換基としては、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、−O−R5X、−O−C(=O)−R5X、−C(=O)−O−R5X、−O−C(=O)−O−R5X、−NR5X−C(=O)−R5X、−C(=O)−NR5X7X、または−O−C(=O)−NR5X7Xを表す。ここで、R5X及びR7Xは、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、アルキル基である場合、当該アルキル基には、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR6X−C(=O)−、−C(=O)−NR6X−、−NR6X−、または−C(=O)−が介在していてもよい(ただし、−O−および−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く。)。ここで、R6Xは、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。前記「置換基を有してもよい炭素数1〜10個のアルキル基」における置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、炭素原子数1〜6個のアルコキシ基、炭素原子数2〜8個のアルコキシアルコキシ基、炭素原子数3〜15個のアルコキシアルコキシアルコキシ基、炭素原子数2〜7個のアルコキシカルボニル基、炭素原子数2〜7個のアルキルカルボニルオキシ基、炭素原子数2〜7個のアルコキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
本発明において、該棒状液晶性化合物は非対称構造であることが好ましい。ここで非対称構造とは、一般式(1)において、メソゲン基Mを中心として、R3X−C3X−D3X−C5X−と−C6X−D4X−C4X−R4Xが異なる構造のことをいう。該棒状液晶性化合物として、非対称構造のものを用いることにより、配向均一性をより高めることができる。
重合性液晶化合物の好ましい具体例としては、以下の化合物(B1)〜(B9)が挙げられるが、本発明における重合性液晶化合物は下記の化合物に限定されるものではない。
Figure 2012008280
本発明において、前記コレステリック液晶組成物(X)等のコレステリック液晶組成物は、必要に応じて任意に架橋剤、光重合開始剤、界面活性剤、カイラル剤、溶媒、ポットライフ向上のための重合禁止剤、耐久性向上のための酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤等を含有することができる。
前記透明樹脂等のフィルムからなる基材の表面上に、必要に応じて配向膜を設け、さらに必要に応じてコロナ放電処理ラビング処理等の処理を施し、この面上にコレステリック樹脂組成物の塗膜を設け、さらに必要に応じて配向処理及び/又は硬化の処理を行うことにより、コレステリック樹脂層を得ることができる。
前記配向処理は、例えば塗膜を50〜150℃で0.5〜10分間加温することにより行うことができる。当該配向処理を施すことにより、塗膜中のコレステリック液晶組成物を良好に配向させることができる。
前記硬化の処理は、1回以上の光照射と加温処理との組み合わせにより行うことができる。加温条件は、具体的には例えば、温度40〜200℃、好ましくは50〜200℃、さらに好ましくは50〜140℃、時間は1秒〜3分、好ましくは5〜120秒とすることができる。本発明において光照射に用いる光とは、可視光のみならず紫外線及びその他の電磁波をも含む。光照射は、具体的には例えば波長200〜500nmの光を0.01秒〜3分照射することにより行うことができる。また、例えば0.01〜50mJ/cm2の微弱な紫外線照射と加温とを複数回交互に繰り返し、反射帯域の広い円偏光分離素子とすることもできる。上記の微弱な紫外線照射等による反射帯域の拡張を行った後に、50〜10,000mJ/cm2といった比較的強い紫外線を照射し、液晶性化合物を完全に重合させ、コレステリック樹脂層とすることができる。上記の反射帯域の拡張及び強い紫外線の照射は、空気下で行ってもよく、又はその工程の一部又は全部を、酸素濃度を制御した雰囲気(例えば、窒素雰囲気下)中で行うこともできる。
本発明において、コレステリック樹脂層の乾燥膜厚は10μm以下であることが好ましく、より好ましくは2〜7μm、さらにより好ましくは3〜6μmとすることができる。膜厚を10μm以下とすることにより、斜め方向から観察した際の色相の変化を低減することができ、一方2μm以上とすることにより、十分な反射率を得ることができる。なお、前記乾燥膜厚は、コレステリック樹脂層が2以上の層である場合は、各層の膜厚の合計を、コレステリック樹脂層が1層である場合にはその膜厚をさす。
(液晶パネル)
本発明の液晶表示装置における液晶パネルとしては、既知の種々の表示モードの液晶パネルを用いることができる。例えばツイステッドネマチック(TN)モード、スーパーツイステッドネマチック(STN)モード、ハイブリッドアラインメントネマチック(HAN)モード、バーティカルアラインメント(VA)モード、マルチドメインバーティカルアラインメント(MVA)モード、インプレーンスイッチング(IPS)モード、オプティカリーコンペンセイテッドバイリフジエンス(OCB)モードなどの表示モードによるものとすることができる。
本発明の液晶表示装置は、前記実施形態に限定されず、本願特許請求の範囲内及びその均等の範囲内での変更を施すことができる。また、他の任意の構成要素をさらに含むことができる。例えば、前記各実施形態に係る装置において、さらに輝度および輝度均斉度を向上させるための光学部材を適宜配置してもよい。このような光学部材としては、例えば拡散シートおよびプリズムシートを挙げることができる。これらの光学部材は、例えば、光学素子と液晶パネルとの間などに設けることができる。また、液晶表示装置を構成するための筐体、通電装置等を適宜備えることができる。
以下、実施例に基づき、本発明についてさらに詳細に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。以下において、成分の量比に関する「部」及び「%」は、別に断らない限り重量部を表す。
<実施例1>
図1に概略的に示す構成を有する、拡散層2及び透明層3を含む光学素子10を備える液晶表示装置100を作製し評価した。
(1−1:拡散板用ペレットA)
脂環式構造を有する樹脂(日本ゼオン社製、ゼオノア1060R、吸水率0.01%)99.2部と、平均粒径2μmのポリシロキサン重合体の架橋物からなる微粒子0.8部とを混合し、二軸押出機で混練してストランド状に押し出し、ペレタイザーで切断して拡散板用ペレットAを製造した。この拡散板用ペレットAを原料として、射出成形機(型締め力1000kN)を用いて、両面が平滑な厚み2mmで100mm×50mmの試験板を成形した。この試験板の全光線透過率とヘーズを、JIS K7361−1とJIS K7136とに基づいて、積分球方式色差濁度計を用いて測定した。試験板は、全光線透過率は65%であり、ヘーズは99%であった。
(1−2:拡散板の成形)
所定形状の金型部品を射出成形機(型締め力4,410kN)に装着し、上記(1−1)で得られた拡散板用ペレットAを原料として、シリンダー温度280℃、金型温度85℃の条件下で射出成形を行い、拡散板を成形した。得られた拡散板は、厚み2mm、400mm×700mmの長方形状であり、平滑な表面を有していた。
(1−3:透明板の成形)
脂環式構造を有する樹脂(日本ゼオン社製、ゼオノア1060R)のペレットを用意し、透明板用ペレットBとした。
一方、上記と同一の脂環式構造を有する樹脂100部と二酸化チタン15部とを混合し、二軸押出機で混練してストランド状に押し出し、ペレタイザーで切断して遮光層用ペレットCとした。
所定形状のダイスを有する押出成形機(シリンダー内径が50mm、スクリューL/Dが28(日本製鋼所製))から、バレル温度260℃、ダイス温度260℃の条件でペレットB及びペレットCを共押出して、第1の遮光層4Aを内部に有する透明板3(図1〜図3参照)を成形した。得られた透明板3は、厚み1mm、400mm×700mmの長方形状であり、その内部の第1の遮光層4Aは、図2に示すように細長い長方形の層が複数平行に並んだ形状であった。透明板3の一方の表面3Lから、第1の遮光層4Aの一方の面4ALまでの距離は0.5mmであった。遮光層4Aの幅P2A(図3参照)は0.25mmであり、一方遮光層4Aの開口の幅、即ち隣接する遮光層4A間の間隔P3Aは0.25mmであった。
さらに、透明板3の他方の面3U上に、ペレットCに添加したものと同一の二酸化チタンを含有するインキを塗布して塗膜を得、塗膜を乾燥させることにより、遮光層4Bを形成した。遮光層4Bは、図2に示すように細長い長方形の層が複数平行に並んだ形状であった。遮光層4Bは透明板3の面3U上に形成されており、透明板3の厚みは0.5mmであり、且つ透明板の面3Lから第1の遮光層4Aの面4ALまでの距離が0.5mmであることから、遮光層4Aの面4ALから遮光層4Bの面4BLまでの距離P1(図3参照)は0.5mmであった。遮光層4Bの幅P2Bは0.25mmであり、一方遮光層4Bの開口の幅、即ち隣接する遮光層4B間の間隔P3Bは0.25mmであった。光学素子の主面の法線方向となす角θxが0°である方向から観察した際の開口率は0%であり、θxが45°である方向から観察した際に開口率は最大となり、50%となった。
(1−4:光学素子の作製)
(1−2)で得た拡散板の片面と、(1−3)で得た遮光層を有する透明板の、遮光層4Bが形成された面とを、250℃に加熱した状態で貼り合わせ、熱融着を行ない、図1〜図4に概略的に示す構成を有する光学素子10を得た。
(1−5:液晶表示装置)
(1−4)で得た光学素子10を、冷陰極管9(直径4mm)及び反射板8(東レ製、「E6SV」)を設置したケース(不図示)上に載置した。さらに、その上に、液晶パネル11(VAモード)を載置し、図1に示す概略的に示す構成を有する液晶表示装置100を作製した。得られた液晶表示装置100において、光学素子10の透明層側の面は光源に、拡散層側の面は液晶パネルに面するよう配置し、且つ遮光層4A及び4Bの延長方向と冷陰極管9の延長方向とは平行とした。冷陰極管9の間隔は25mm、冷陰極管9と反射板8との距離は3mm、冷陰極管9と光学素子透明層下面3Lとの距離は19mmとした。
得られた液晶表示装置100を駆動させ、表示面の輝度ムラを、下記の評価基準に従って評価した。また、正面輝度を色彩輝度計(トプコンハウステクノ社製、「BM7−A」)により測定した。結果を表1に示す。
(評価基準)
1:ランプの位置が明らかに分かる。
2:ランプの位置が分かる。
3:注視すると、ランプの位置が分かる。
4:注視しても、ランプの位置がほとんど分からない。
5:注視しても、ランプの位置が分からない。
<実施例2>
透明板の成形において、第1の遮光層4A及び第2の遮光層4Bの両方を押出成形で形成し、図10に示す断面を有する配置とした他は実施例1と同様に、液晶表示装置を得た。第1の遮光層の下面から第2の遮光層の下面までの距離は0.5mmであった。光学素子の主面の法線方向となす角θxが0°である方向から観察した際の開口率は0%であり、θxが43°である方向から観察した際に開口率は最大となり、50%となった。
得られた液晶表示装置を駆動させ、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
<実施例3>
透明板の成形を、下記の通り変更した他は実施例1と同様に、液晶表示装置を得た。
透明板用ペレットBで、厚み0.5mm、400mm×700mmの長方形状の平板を作製し、その一方の面上に、図9に概略的に示す遮光層94Aを設けた。遮光層の形成は、実施例1の(1−3)における遮光層4Bの形成と同様のインキの塗布及び乾燥により行なった。遮光層94Aの孔94Hの寸法は0.25mm×0.25mmとし、隣接する孔間の距離は、縦横とも0.25mmとした。
次に、遮光層94Aを設けた面にさらに、ペレットBの溶融物を流延し、冷却することにより、内部に遮光層94Aが設けられた構造の積層体を得た。
さらに、上記積層体の一方の面に、蓋状の遮光部材94Bを、94Aの形成と同様のインキの塗布及び乾燥により形成した。遮光部材94Bの寸法は孔94Hと同一とし、遮光部材94Bを設けた位置は、光学素子主面の法線方向から観察した場合において遮光層94Aの孔94Hに重なる位置とした。
第1の遮光層の下面から第2の遮光層の下面までの距離は0.5mmであった。光学素子の主面の法線方向となす角θxが0°である方向から観察した際の開口率は0%であり、観察方向を表示面の長手方向に傾けた場合と短手方向に傾けた場合の両方において、θxが43°である方向から観察した際に開口率は最大となり、25%となった。
得られた液晶表示装置を駆動させ、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
<実施例4>
(4−1:偏光積層体の作製)
(4−1−1:基材−コレステリック樹脂層積層体の作製)
シート状基材(商品名「ゼオノアZF14−100」、日本ゼオン株式会社製)の片面に、濡れ指数が56mN/mになるようにコロナ放電処理を施した。このコロナ放電処理面に、ポリビニールアルコール(商品名「ポバールPVA203」、株式会社クラレ製)を#2ワイヤーバーにて塗布し、120℃で5分間乾燥し、膜厚0.2μmの乾膜を作製した。該乾膜を一方向にラビング処理することで、配向膜を有する基材を得た。
棒状液晶化合物(下記式(C3)で表される化合物)29.23部、非液晶性化合物(下記式(C4)で表される化合物)7.31部、光重合開始剤(チバスペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名「IRG907」)1.20部、カイラル剤(BASF社製、商品名「LC756」)2.22部、界面活性剤KH40(セイミケミカル製)0.04部、及び2−ブタノン(溶媒)60.00部を混合し、コレステリック液晶組成物を調製した。このコレステリック液晶組成物を、上記で調製した配向膜を有する透明樹脂基材の配向膜を有する面に♯10バーにて塗布した。塗膜を100℃で5分間配向処理し、当該塗膜に対して0.1〜45mJ/cmの微弱な紫外線の照射処理と、それに続く100℃で1分間の加温処理からなるプロセスを2回繰り返した後、窒素雰囲気下で800mJ/cmの紫外線を照射して、乾燥膜厚5.3μmのコレステリック樹脂層を形成し、基材−配向膜−コレステリック樹脂層の層構成を有する積層体を得た。
Figure 2012008280
Figure 2012008280
(4−1−2:1/4波長板の作製)
メタクリル酸メチル97.8%とアクリル酸メチル2.2%とからなるモノマー組成物を、バルク重合法により重合させ、樹脂ペレットを得た。
特公昭55−27576号公報の実施例3に準じて、ゴム粒子を製造した。このゴム粒子は、球形3層構造を有し、芯内層が、メタクリル酸メチル及び少量のメタクリル酸アリルの架橋重合体であり、内層が、主成分としてのアクリル酸ブチルとスチレン及び少量のアクリル酸アリルとを架橋共重合させた軟質の弾性共重合体であり、外層が、メタクリル酸メチル及び少量のアクリル酸エチルの硬質重合体である。また、内層の平均粒子径は0.19μmであり、外層をも含めた粒径は0.22μmであった。
上記樹脂ペレット70部と、上記ゴム粒子30部とを混合し、二軸押出機で溶融混練して、メタクリル酸エステル重合体組成物A(ガラス転移温度105℃)を得た。
上記メタクリル酸エステル重合体組成物A(b層)、及びスチレン無水マレイン酸共重合体(ガラス転移温度130℃)(a層)を温度280℃で共押出成形することにより、b層−a層−b層の三層構造で、各層が45−70−45(μm)の平均厚みを有する複層フィルムを得た。この複層フィルムを、延伸温度128℃、延伸倍率1.4倍、延伸速度10m/分でテンター一軸延伸し、延伸複層フィルムである1/4波長板を得た。さらにこの1/4波長板の片面を、濡れ指数が56dyne/cmになるようにコロナ放電処理を施した。
得られた1/4波長板の波長550nmにおけるレターデーション値は、厚み方向のレターデーションRthは−118nm、面内方向のレターデーションReは140nmであった。
(4−1−3:拡散粘着層の作製)
ポリエチレンテレフタレートセパレータ(商品名「PET50AL」、リンテック(株)社製)に、ベース樹脂(商品名「SKダイン2094」、綜研化学株式会社製、アクリル酸エステル共重合体、固形分率25%、溶媒:酢酸エチル/2−ブタノン=93/7))400部、多官能エポキシ架橋剤(商品名「E−AX」、綜研化学株式会社製)1.1部及び微粉体(商品名「ケミスノーMX300」、綜研化学株式会社製)4.3部からなる組成を有する粘着性組成物を、ギャップ200μmのブレードを用いて塗布し、100℃にて2分乾燥し、膜厚20μmの粘着層を形成し、セパレータ−拡散粘着層の層構成を有する積層体(L3)を得た。
(4−1−4:偏光積層体)
上記(4−1−2)で得た1/4波長板のコロナ放電処理面と、上記(4−1−3)で得た積層体(L3)の拡散粘着層側の面とを貼り合わせ、1/4波長板−拡散粘着層−セパレータの層構成を有する積層体(L51)を得た。
上記(4−1−1)で得た基材−コレステリック樹脂層積層体のコレステリック樹脂層の表面に、濡れ指数60mN/mになるようにコロナ放電処理を施した。積層体(L51)のセパレータを拡散粘着層から剥離し、露出した拡散粘着層と、上記基材−反射性偏光子積層体のコロナ放電処理面とを貼り合わせ、1/4波長板−拡散粘着層−コレステリック樹脂層−配向膜−基材の層構成を有する偏光積層体を得た。
(4−2:偏光積層体を有する光学素子の作製)
実施例1の(1−4)で得た光学素子10の拡散層2側の全面に、ベース樹脂(商品名「SKダイン2094」)400部と架橋剤(商品名「E−AX」、綜研化学株式会社製、多官能エポキシ架橋剤)1.1部との混合物を、ギャップ200μmのブレードを用いて塗布し、100℃にて2分乾燥し、膜厚20μmの粘着層を形成した。この粘着層に、上記(4−1−4)で得た偏光積層体の基材側の面を合わせ、圧力を加えて貼り合わせ、図11に示す、偏光積層体を有する光学素子40を得た。得られた光学素子40は、1/4波長板−拡散粘着層−コレステリック樹脂層−配向膜−基材−粘着層7A−拡散層2−透明層3の層構成を有していた。
(4−3:液晶表示装置)
(1−4)で得た光学素子10に代えて上記(4−2)で得た光学素子40を用いた他は、実施例1の(1−5)と同様に操作し、液晶表示装置を作製し評価した。結果を表1に示す。
<実施例5>
(4−2)において、拡散層2表面への粘着層の形成パターンを変更した他は、実施例4と同様に操作し、偏光積層体を有する光学素子を作製し、さらに液晶表示装置を作製し評価した。粘着層の形成パターンは、図12に概略的に示す、複数の平行な線からなるパターンとした。線の方向は線状光源及び凸部の長手方向と平行な方向とし、線の間隔は0.3mmとした。評価結果を表1に示す。
<実施例6>
(4−2)において、拡散層2表面への粘着層の形成パターンを変更した他は、実施例4と同様に操作し、偏光積層体を有する光学素子を作製し、さらに液晶表示装置を作製し評価した。粘着層の形成パターンは、図13に概略的に示す、縦横に整列する点からなるパターンとした。縦横の点の整列方向は線状光源及び凸部の長手方向と平行又は垂直な方向とし、点の間隔は0.3mmとした。評価結果を表1に示す。
<比較例1>
光学素子10に代えて、(1−2)で得た拡散板をそのまま液晶表示装置に組み込んだ他は、実施例1の(1−5)と同様に操作し、液晶表示装置を作製し評価した。結果を表1に示す。
<比較例2>
工程(1−3)において、押出成形において遮光層4Aを形成せずに透明板用ペレットBのみを押出成形し、さらに遮光層4Bも形成しなかった他は、実施例1と同様に操作し、液晶表示装置を作製し評価した。結果を表1に示す。
<比較例3>
光学素子の拡散層側に偏光積層体を貼付した他は、比較例2と同様に操作し、偏光積層体を有する光学素子を作製し、さらに液晶表示装置を作製し評価した。結果を表1に示す。
Figure 2012008280
比較例1及び比較例2において、正面輝度は、輝度ムラが大きすぎて評価することができなかった。
表1の結果から、本発明の光学素子を備える本発明の液晶表示装置は、輝度が高く且つ輝度ムラが少なく輝度均斉度が高いことが分かる。
2 拡散層
2U 拡散層上面
2L 拡散層下面
3 透明層
3L 透明層下面
4A、4B、24B、84A、84B、94A、94B 遮光層
7 輝度向上フィルム
7A、7A1、7A2 粘着層
8 反射板
9 線状光源
10、40、60 光学素子
11 液晶パネル
69 点状光源
100、200、400、600 液晶表示装置

Claims (7)

  1. 光源、液晶パネル、及び前記光源と前記液晶パネルとの間に設けられた光学素子を備える液晶表示装置であって、
    前記光学素子は、光源側に面する透明層と、前記透明層より液晶パネル側に位置する拡散層とからなる積層体を含み、
    前記光学素子はさらに、
    前記透明層の光源側の面上、前記透明層の内部又は前記透明層の拡散層側の面上のいずれかに位置し、前記光学素子主面の法線方向における光源からの距離が異なる複数の遮光層を含み、
    前記複数の遮光層のそれぞれは開口を有し、
    前記複数の遮光層は、
    前記光学素子主面の法線方向から観察した場合における前記複数の遮光層の開口が重なる部分の面積が、
    前記光学素子主面の法線方向から傾いた少なくとも1の方向から観察した場合における前記複数の遮光層の開口が重なる部分の面積より狭いよう配置された、液晶表示装置。
  2. 前記複数の遮光層のそれぞれが、複数の開口を有し、
    前記開口が、互いに平行に整列する細長い開口である請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記光源が、互いに平行に整列する線状光源であり、
    前記光源の長手方向が、前記開口の長手方向と平行である請求項2に記載の液晶表示装置。
  4. 前記液晶パネルの表示面が矩形であり、
    前記開口の長手方向が、前記矩形の長辺方向と平行である、請求項2または3に記載の液晶表示装置。
  5. 前記複数の遮光層のうちの少なくとも1の遮光層が、その面内の2方向以上の方向に整列して配置される複数の孔を開口として有する第1の遮光層であり、
    前記複数の遮光層のうちの少なくとも他の1の遮光層が、前記光学素子主面の法線方向から観察した場合において前記第1の遮光層の前記孔の少なくとも一部に重なるよう配置される複数の蓋状の遮光部材からなる第2の遮光層である、請求項1に記載の液晶表示装置。
  6. 前記孔及び前記蓋状の遮光部材が、矩形又は円形である、請求項5に記載の液晶表示装置。
  7. 前記光学素子と前記液晶パネルとの間に、輝度向上フィルムをさらに備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
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