JP2012140343A - 油中水型乳化化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】皮膚に塗布する前後にわたって、粉体の分散性を向上させる。
【解決手段】本発明は、(A)フッ素化合物を含む表面処理剤により表面処理された粉体と、(B)多価アルコール変性シリコーンと、(C)揮発性シリコーン油と、(D)フッ素系油剤と、(E)皮膜形成剤とを含有する油中水型乳化化粧料である。
【選択図】なし

Description

本発明は、油中水型乳化化粧料に関する。
汗や水分による化粧くずれを抑制するためには、シリコーン油、シリコーン樹脂、シリコーン系処理粉体などの撥水性成分や、パーフルオロポリエーテル等のフッ素化合物やフッ素処理粉体などの撥水撥油成分が用いられている。しかし、これらシリコーン系やフッ素系化合物およびそれらの表面処理粉体は、化粧料中の他の成分との親和性が悪く安定性に劣る。特に、フッ素系化合物は撥水撥油性を有するために汗や皮脂のいずれに対しても効果がある反面、肌なじみ(付着性)に劣るとの問題があり、各種検討が行われている。
例えば、特許文献1には、フッ素系油剤と、親水性セグメント及びオルガノポリシロキサンセグメントとを含み、水又は低級アルコールに溶解又は分散する共重合体を含有する化粧料が記載されている。これにより、撥水性、撥油性を有し、耐汗性、耐皮脂性に優れ、かつ、皮膚への付着性が高く、他の箇所へ再付着のしにくい化粧料を提供できるとされている。
特許文献2には、化粧料に用いられる顔料として特定のパーフルオロアルキルアルコキシシランと特定のポリエーテル基を有するアルコキシシランとを表面処理してなる化粧料用顔料が記載されている。これにより、一般的に用いられている油分および界面活性剤等を使用することができるとともに、肌への広がりが良くてしっとりとした感触を与えることができ、しかも撥水撥油性に優れた化粧料用顔料とその顔料を含有する化粧料を提供することができるとされている。
また、分散性を高める技術として、特許文献3には、シリコーン分岐型ポリグリセリン変性シリコーンと粉体及び/又は着色剤と分散媒体とからなる油中粉体組成物を含有する化粧料が記載されている。シリコーン鎖が分岐したポリグリセリン変性シリコーンは、シリコーン構造が分岐しているため油剤への分散安定性が良好であること、また、構造的にアルコール性OH基が局在化していることで粉体及び/又は着色剤への吸着が良好で油剤中、粉体及び/又は着色剤と分離することなく、経時安定性が良好であること、特にシリコーン分岐型ポリグリセリン変性シリコーンを粉体処理剤とし、該処理剤で粉体の表面処理を行うことにより、粉体の表面活性を封鎖させることができ、さらに化粧料に使用した場合、サラサラとした使用感を有すると共に、油剤への分散性も良く、耐水性、耐皮脂性を有し化粧持ちを向上させ、良好な経時安定性を有する事ができるとされている。
さらに、特許文献4には、特定の多価アルコール変性シリコーンと特定のシリコーン系ポリマーを組み合わせて用いることで、塗布直後だけでなく経時において高い保湿効果が持続し、その高い効果は乾燥を引き起こしやすい環境下でも発揮され、また耐水面でも優れた皮膚化粧料が得られることが記載されている。
特開平10−139623号公報 特開2006−348009号公報 特開2004−169015号公報 特開2008−143823号公報
しかしながら、よりいっそうナチュラルな仕上がりを希望するユーザの要望を満足させるため、油中水型乳化化粧料の技術分野では、皮膚上での粉体の凝集をさらに抑制できる技術が求められていた。本発明者の知見によれば、特許文献3に記載されるような従来の油中水型乳化化粧料では、皮膚に塗布する前の化粧料中では、ある程度、粉体の凝集を抑制できる一方で、皮膚に塗布した後の乾燥過程において、粉体が凝集してしまうことが明らかとなった。
そこで、皮膚に塗布する前の化粧料中における粉体の凝集を抑制でき、かつ、皮膚に塗布した後に皮膚上で粉体の分散性を維持できる技術が求められた。
本発明によれば、
次の(A)、(B)、(C)、(D)及び(E);
(A)フッ素化合物を含む表面処理剤により表面処理された粉体、
(B)次の一般式(1)
SiO(4―a―b―c)/2 (1)
〔一般式(1)中、
は、炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基、フッ素置換アルキル基、アミノ置換アルキル基、カルボキシル置換アルキル基又は一般式(2)
−C2d−O−(CO)(CO) (2)
(一般式(2)中、
は、炭素数4〜30の炭化水素基又はR−(CO)−で表される有機基(Rは、炭素数1〜30の炭化水素基を示す)を示し、
d、e及びfは、それぞれ0≦d≦15、0≦e≦50、0≦f≦50の数を示す)
で表される有機基を示し、
は、一般式(3)
−Q−O−X (3)
(一般式(3)中、
Qは、エーテル結合及び/又はエステル結合を有していてもよい炭素数3〜20の二価炭化水素基を示し、
Xは、ヒドロキシ基を少なくとも2個有する多価アルコール置換炭化水素基を示す)
を示し、
は、下記一般式(4)
Figure 2012140343
(一般式(4)中、
は、同一又は異なって、前記と同じ意味を示し、
g及びhは、それぞれ、1≦g≦5、0≦h≦500の数を示す)
で表されるオルガノシロキサン残基を示し、
a、b及びcは、それぞれ、1.0≦a≦2.5、0.001≦b≦1.5、0.001≦c≦1.5の数を示す〕
で示される多価アルコール変性シリコーン、
(C)揮発性シリコーン油、
(D)フッ素系油剤、
(E)皮膜形成剤
を含有する油中水型乳化化粧料が提供される。
本発明によれば、フッ素化合物で表面処理された粉体とフッ素系油剤と皮膜形成剤に、特定の多価アルコール変性シリコーンを組み合わせて用いるため、皮膚に塗布する前の化粧料中における粉体の凝集を抑制でき、かつ、皮膚へ塗布した後でも皮膚上で粉体の分散性を維持することができ、ナチュラルな仕上がりを得ることが可能になる。
本発明によれば、皮膚に塗布する前後にわたって、化粧料中の粉体の分散状態を向上できるため、ナチュラルな仕上がりを得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、説明する。
まず、本発明に用いられる(A)フッ素化合物を含む表面処理剤により表面処理された粉体(以下、「処理粉体」ともいう)について説明する。
この処理粉体に用いられる基材としては、無機粉体、天然繊維の粉体、スターチの粉体、真珠光沢顔料、有機色素等が含まれる。
無機粉体としては、例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、金雲母、ケイ酸アルミニウム・マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、エポキシ処理アルミニウム、アルミニウム末、リン酸カルシウム、無水ケイ酸、無水ケイ酸アルミニウム、パイロフェライト質クレー、ベントナイト、スメクタイト、モンモリロナイト、バーミキュライト、ヘクトライト、ゼオライト、ハイジライト、シリカ、酸化鉄(赤酸化鉄、黄酸化鉄、黒酸化鉄、γ−酸化鉄)、黄土、ベンガラ、黒酸化チタン、低次酸化チタン、チタン酸鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化アルミニウムコバルト、酸化クロム、酸化ジルコニウム、二酸化チタン、酸化チタンゾル、酸化鉄・二酸化チタン焼結物、酸化セリウム、酸化マグネシウム、水酸化クロム、チタン・二酸化チタン焼結物、チタン酸コバルト、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タングステン酸金属塩、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、オキシ塩化ビスマス、カラミン、ロジン酸ナトリウム処理酸化マグネシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウムなど)、窒化ホウ素等が挙げられ、またこれらの2種以上の複合化粉体が挙げられる。さらに、アクリル樹脂被覆アルミニウム末、酸化チタン被覆ナイロン末等の有機−無機複合化粉体などが挙げられる。
天然繊維の粉体としては、シルクパウダー、ウールパウダー、セルロースパウダー等が挙げられる。
スターチの粉体としては、米、コーン、馬鈴薯等が挙げられる。
真珠光沢顔料としては、雲母(マイカ)、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母チタン、酸化チタン被覆マイカ、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、酸化チタン被覆ガラスフレーク、魚鱗箔等が挙げられる。
この他、カーボンブラック、群青、紺青、グンジョウバイオレット、タール系色素、レーキ等が挙げられる。
これら粉体の表面処理は、フッ素化合物を含む表面処理剤を用いて行われる。フッ素化合物としては、パーフルオロリン酸エステルやパーフルオロアルキルアルコキシシランが挙げられるが、パーフルオロアルキルアルコキシシランを用いるとより好ましい。また、下記一般式(7)にて示されるパーフルオロアルキルアルコキシシランを用いるとより好ましい。
(Rf1m2mjSi(OCn2n+1k(7)
〔上記一般式(7)中、Rf1は、炭素数3〜21のパーフルオロアルキル基を示し、直鎖状あるいは分岐状であって、単一鎖長のものであっても複合鎖長のものであってもよい。
m及びnは、それぞれ、1≦m≦12、1≦n≦3の整数を示す。
j及びkは、それぞれ、1≦j≦3、1≦k≦3の整数を示し、j+k=4である。〕
一般式(7)にて示されるパーフルオロアルキルアルコキシシランとしては、例えばトリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン等が挙げられる。
フッ素化合物の使用量は、処理前の基材の質量に対して通常0.5〜70質量%、特に1〜40質量%であるのが好ましい。
表面処理剤には、フッ素化合物のほか、シラン化合物を含んでいてもよく、例えば、一般式(11)にて示されるポリエーテル基を有するアルコキシシランを含んでいてもよい。
Figure 2012140343
〔上記一般式(11)中、
α及びβは、いずれも、1以上の整数、
γは、1≦γ≦3の整数を示す。
δ及びεは、それぞれ、1≦δ≦3、1≦ε≦3の整数を示し、δ+ε=4である。
また、R11、R12は、水素原子、又は炭素数が1〜10の炭化水素基である。〕
一般式(11)で示されるポリエーテル基を有するアルコキシシランとしては、例えば、DYNASYLAN4140(デグサ社製)、KBM−641(信越化学工業社製)が挙げられる。
表面処理剤により基材の表面に被覆する方法としては、例えば次のような方法がある。
まず、作製する処理粉体のフッ素化合物と他の表面処理剤とを混合して混合液を作製し、この混合液を撹拌中の基材に滴下する。適当な溶剤(例えば、イソプロピルアルコール、アセトン等の極性をもつ有機溶剤)に溶解もしくは分散エマルジョン化しておき、加熱撹拌しながら、基材を加え、一定時間撹拌してもよい。この後、溶剤を使用した場合は加熱(必要な場合には減圧にて)して溶剤を除去する。そして、加熱して乾燥させ、粉砕して処理粉体を得る。
より具体的な本発明の処理粉体の製造方法の一例を以下に説明する。化粧用酸化チタン1kgに対して5重量%のデグサ社製DYNASYLAN F8261(トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン)のイソプロピルアルコール溶液を作製し、攪拌層で攪拌されている酸化チタンと混合し、イソプロピルアルコールを加熱除して攪拌層から粉体を取り出す。この後、100℃にて6時間加熱処理を行い、粉砕して表面処理された酸化チタンを得る。
処理粉体の形状や粒径は特に制限されないが、平均粒径が10μm以下であるのが、粉っぽさが低減され、かさつき感のない使用感が得られるので好ましい。また、基材を酸化チタンや酸化亜鉛とする場合、これらの平均粒子径は0.001〜1μm、その形状としては、例えば粒状、球状、紡錘状、樹枝状、バルーン状、毬栗状等が好ましい。表面処理を行なう前に、酸化チタン及び酸化亜鉛の粉体表面に、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム等で前処理を行い、粉体表面の活性を抑制することもできる。
成分(A)の処理粉体は、1種又は2種以上を用いることができる。成分(A)の処理粉体は、油中水型化粧料全体に対して、1〜20質量%含むことが好ましく、特に、撥水撥油性と、粉体の分散性との観点から5〜15質量%であることが好ましい。
本発明で用いられる成分(B)の多価アルコール変性シリコーンは、上記一般式(1)で表されるものである。
式中、R1としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;トリフロロプロピル基、ヘプタデカフロロデシル基等のフッ素置換アルキル基などを挙げることができる。さらに、3−アミノプロピル基、3−[(2−アミノエチル)アミノ]プロピル基等のアミノ置換アルキル基、3−カルボキシプロピル基等のカルボキシル置換アルキル基などが挙げられる。
また、R1は上記一般式(2)で表される有機基であってもよい。このR1の一部はアルコール残基又はアルケニルエーテル付加物残基であり、具体例としては、d=0の時:−O−(C24O)e(C36O)f4が挙げられる。この場合、e=0、f=0であれば炭素数4〜30のアルコキシ基、例えばブトキシ基等の低級アルコキシ基からオレイロキシ基、ステアロキシ基等の高級アルコキシ基が挙げられ、あるいは酢酸、乳酸、酪酸、オレイン酸、ステアリン酸、ベヘニル酸等の脂肪酸残基が挙げられる。また、e、f>0であれば、高級アルコールのアルキレンオキサイド付加物(末端は水酸基)のアルコール残基となる。
dが1以上、e=0、f=0の場合は、特にdが3、5又は11が好ましく、この場合はアリルエーテル、ペンテニルエーテル、ウンデセニルエーテル残基であり、R4の置換基によって、例えばアリルステアリルエーテル残基、ペンテニルベヘニルエーテル残基、ウンデセニルオレイルエーテル残基等が挙げられる。e又はfが0でない場合は、ポリオキシアルキレンを介してアルコキシ基やエステル基が存在することとなる。ここで、e、fが何であれ、dが0のときは耐加水分解性に劣る場合があり、dが15以上であると油臭が強いため、3〜5であることが好ましい。特に、R1全体の50%以上がメチル基であることが好ましく、さらに好ましくは70%以上がメチル基であり、100%ということもあり得る。
また、R2は上記一般式(3)を示す。
ここで、Qはエーテル結合及び/又はエステル結合を有していてもよい炭素数3〜20の二価炭化水素基を示し、−(CH22−、−(CH23−、−CH2CH(CH3)CH2−、−(CH24−、−(CH25−、−(CH26−、−(CH27−、−(CH28−、−(CH22−CH(CH2CH2CH3)−、−CH2−CH(CH2CH3)−、−(CH23−O−(CH22−、−(CH23−O−(CH22−O−(CH22−、−(CH23−O−CH2CH(CH3)−、−CH2−CH(CH3)−COO(CH22−等を例示することができる。
Xは、好ましくは、グリセリン、ポリグリセリン又は糖誘導体が置換した炭化水素基である。
より好ましくは、一般式(1)中Rは、下記一般式(5)及び/又は(6)で示されるポリグリセリン誘導体とすることができる。
Figure 2012140343
〔一般式(5)及び(6)中、R6は、水素原子あるいは炭素数1〜30のアルキル基、又は、R7−(CO)−で示される有機基、R7は、炭素数1〜30の炭化水素基である。Yは、エーテル結合又はエステル結合を含有しても良い炭素数3〜20の二価炭化水素基を示す。p及びqは、それぞれ、2≦p≦20、1≦q≦20の整数である。〕
単糖、オリゴ糖又は多糖から誘導される糖残基としては、例えばグリコシル基、マンノシル基、ガラクトシル基、リボシル基、アラビノシル基、キシロシル基、フルクトシル基等の単糖基;マルトシル基、セロビオシル基、ラクトシル基、マルトトリオシル基等のオリゴ糖基;セルロース、澱粉等の多糖基が例示され、単糖基及びオリゴ糖基が好ましい。
3は上記一般式(4)で表されるオルガノポリシロキサン残基である。
ここで、一般式(4)中のgは1以上5以下の整数であって、特にビニルシロキシ基とSiH基との反応から合成する場合、gは2である。
hは0以上500以下であり、好ましくは1以上50以下である。こうすることで、主鎖との反応性を良好にすることができる。
上記一般式(4)のオルガノポリシロキサン残基は、公知の方法によりジビニルテトラメチルジシロキサンとヘキサメチルジシロキサンおよびオクタメチルシクロテトラシロキサンとの平衡化反応によって片末端ビニルシロキサンを合成することが可能であり、さらに5配位ケイ素錯体触媒やアニオン重合触媒によるヘキサメチルシクロトリシロキサンの開環重合法によって片末端封鎖率を向上させたシリコーン化合物を合成することができる。
上記一般式(1)中、aは、1.0以上2.5以下であり、好ましくは1.2以上2.3以下である。この範囲内であれば、油剤との相溶性や、親水性の点から、安定な組成物を得ることができる。
bは、0.001以上1.5以下であり、好ましくは0.05以上1.0以下である。この範囲内であれば、親水性などの点から、安定な組成物を得ることができる。
cは、0.001以上1.5以下であり、好ましくは0.05以上1.0以下である。この範囲内であれば、シリコーン油との相溶性や、親水性の点から安定な組成物を得ることができる。
本発明で用いる多価アルコール変性シリコーンは、例えば、特開2002−179798号公報、特開2004−169015号公報に記載の方法に従って、製造することができる。多価アルコール変性シリコーンの重量平均分子量は特に制限されないが、500〜200000、特に1000〜100000が好ましい。成分(B)としては、特に、シリコーン分岐型ポリグリセリン変性シリコーンが好ましい。
シリコーン分岐型ポリグリセリン変性シリコーンとしては、例えば、ポリグリセリル−3−ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(例:KF−6104、信越化学工業社製)、ラウリルポリグリセリル−3−ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(例:KF−6105、信越化学工業社製)、ポリグリセリル−3−ジシロキサンジメチコン(例:KF−6100、信越化学工業社製)等の市販品を使用することができる。
成分(B)の多価アルコール変性シリコーンは、1種又は2種以上を用いることができる。また、成分(B)の多価アルコール変性シリコーンは、油中水型化粧料全体に対して、0.1〜5質量%含むことが好ましい。特に、粉体分散性の観点から、0.5〜3質量%含むことが好ましい。
本発明の成分(C)揮発性シリコーン油は、大気圧下における沸点が250℃以下であって、直鎖状ポリオルガノシロキサン、環状ポリシロキサン等が挙げられる。また、揮発性シリコーンとしては、下記一般式(12)及び(13)の直鎖又は環状シリコーンが挙げられる。
Figure 2012140343
〔一般式(12)中、sは0〜3の整数を表す。〕
Figure 2012140343
〔一般式(13)中、tは3〜7の整数を表す。〕
揮発性の直鎖状ポリオルガノシロキサンとしては、例えば、トリシロキサン、粘度1.5csや2csのジメチコンが挙げられる。また、揮発性のある環状ポリシロキサンとしては、例えば、デカメチルシクロペンタシロキサンが挙げられる。成分(C)揮発性シリコーン油は、これら1種又は2種以上を用いることができ、5〜70質量%含むことが好ましく、特に粉体分散性および安定性の点で15〜50質量%、さらに20〜40質量%が好ましい。
本発明で用いられる成分(D)のフッ素系油剤としては、特に、25℃で液体のパーフルオロ有機化合物が、使用感の点で好ましい。パーフルオロ有機化合物の具体例としては、例えば、パーフルオロデカリン、パーフルオロアダマンタン、パーフルオロブチルテトラハイドロフラン、パーフルオロオクタン、パーフルオロノナン、パーフルオロペンタン、パーフルオロデカン、パーフルオロドデカン、パーフルオロアルキル変性シリコーン(以下、「フッ素変性シリコーン」ともいう)、及び、例えば、次の一般式(14)で表わされるパーフルオロポリエーテル等が挙げられる。中でも、フッ素変性シリコーン又はパーフルオロポリエーテルを用いることが好ましい。
Figure 2012140343
〔一般式(14)中、R13、R15、R16及びR17は同一又は異なって、フッ素原子、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルキルオキシ基を示し、R14はフッ素原子又はパーフルオロアルキル基を示し、u、v及びwは分子量が500〜100,000となる0以上の数を示す。ただし、u=v=w=0となることはない。また、ここでかっこ内に示される各パーフルオロ基はこの順に並んでいる必要はなく、またランダム重合でもブロック重合でもかまわない。〕
フッ素変性シリコーンとしては、例えば下記一般式(15)〜(18)で表わされる構造単位の1以上と、下記一般式(19)で表わされる構造単位とを有するものを挙げることができる。
Figure 2012140343
〔一般式(15)〜(18)中、Rf2及びRf3は、同一又は異なっていてもよく、炭素数10〜20の直鎖若しくは分岐鎖のパーフルオロアルキル基又は次式:H(CF2x−(xは10〜20の整数を示す)で表されるω−H−パーフルオロアルキル基を示す。
18は、同一又は異なっていてもよく、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基又は炭素数5〜10の脂環式若しくは芳香族炭化水素基を示す。
19は、水素原子、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜10の脂環式若しくは芳香族炭化水素基、炭素数10〜20のパーフルオロアルキル基又は次式:H(CF2−(xは10〜20の整数を示す)で表されるω−H−パーフルオロアルキル基を示す。
20は、炭素数2〜6の2価の炭化水素基を示す。
A及びBは、単結合、−CO−又は炭素数1〜6の2価の炭化水素基を示す。
ζ、η及びθは、それぞれ、2≦ζ≦16、1≦η≦16、1≦θ≦16の数を示す。
ι、κは、それぞれ、1≦ι≦200、0≦κ≦5の数を示す。〕
Figure 2012140343
〔一般式(19)中、R21及びR22は、上記R18と同じ、λは1〜200の数を示す。〕
フッ素変性シリコーンの好ましい例としては、一般式(17)及び(19)で表わされる構造単位を有する特開平6−184312号公報に記載された重合度2〜200のフッ素変性シリコーン、一般式(16)及び(19)で表される構造単位を有する特開平5−247214号公報に記載された重合度2〜200のフッ素変性シリコーンが挙げられる。特に、撥水撥油性の観点から、式(20)で示されるフッ素変性シリコーンが好ましい。なお、式(20)で示される化合物の製造方法は、特開平8−295612号公報の製造例6に記載されている。
Figure 2012140343
また、パーフルオロポリエーテルの好ましい例としては、フォンブリンHC−03、同HC−04、同HC−25、同HC−R、同HC/K(HC/03とHC/04との混合フッ素オイル(20/80質量比)、以下同じ)(以上、ソルベイソルクシス社製)、デムナムS−20、同S−65、同S−100及び同S−200(以上、ダイキン工業社製)などの市販品が挙げられる。
成分(D)のフッ素系油剤としては、フッ素変性シリコーンが、撥水撥油性が高く、化粧崩れが起きにくい点及び皮膚に塗布するときの使用感に優れる点で特に好ましい。成分(D)のフッ素系油剤は、1種又は2種以上を用いることができ、油中水型乳化化粧料全体に対して、0.1〜10質量%含有させるのが好ましく、撥水撥油性の点から3〜10質量%がより好ましい。
本発明で用いられる成分(E)の皮膜形成剤は、化粧料を塗布した後に皮膚上での粉体の分散性を維持する観点から、シリコーン系ポリマーであることが好ましい。シリコーン系ポリマーとしては、(N−アシルアルキレンイミン)変性シリコーン、架橋型オルガノポリシロキサンカルボシロキサンデンドリマー構造を有するビニル系重合体、アクリルシリコーン、アルキルシリコーン、及びトリメチルシロキシケイ酸などを挙げることができる。
(N−アシルアルキレンイミン)変性シリコーンは、分子内に下記一般式(16)で表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)のセグメントと、オルガノポリシロキサンのセグメントとを有し、オルガノポリシロキサンのセグメントの末端又は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個にヘテロ原子を含むアルキレン基を介して、下記一般式(21)で表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)のセグメントが結合してなるものである。
Figure 2012140343
〔上記一般式(21)中、R21は水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基のいずれかを示し、yは2又は3である。〕
かかるポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性シリコーンの好ましい例としては、ポリ(N−ホルミルエチレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−アセチルエチレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−n−オクタノイルエチレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−n−ドデカノイルエチレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−ホルミルプロピレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−アセチルプロピレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−プロピオニルプロピレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−n−オクタノイルプロピレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−n−ドデカノイルプロピレンイミン)変性シリコーン等が挙げられる。
上記ポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性シリコーンは、公知の方法(例えば、特開平10−95705号公報等)により得ることができる。
架橋型オルガノポリシロキサンは、オルガノポリシロキサンを架橋重合させて得られる重合物であり、一部に三次元架橋構造を有し、RSiO単位及びRSiO1.5単位よりなり、RSiO0.5単位及び/又はSiO単位を含んでいてもよい。ただし、各構成単位のRは水素原子、アルキル基、フェニル基、ビニル基などであり、同種又は異種であってもよい。また、その重合度や架橋度に関しても特に制限されることはないが、例えば、架橋型メチルポリシロキサン、架橋型メチルフェニルポリシロキサン、架橋型ポリエーテル変性シリコーン、架橋型アルキルポリエーテル変性シリコーン、架橋型アルキル変性シリコーンなどを使用することができる。
架橋型オルガノポリシロキサンは、市販されているものを使用することもできる。例えば、KSG−15、KSG−16、KSG−18、KSG−42、KSG−240、KSG−320などのKSGシリーズ(信越化学工業社製)、トレフィルE−506S、9040S.E.B、9045S.E.B、(東レ・ダウコーニング社製)、VELVESIL 125、VELVESIL DMなどのVELVESILシリーズ(モメンティブ・パフォーマンス・ジャパン社製)などが挙げられる。
カルボシロキサンデンドリマー構造を有するビニル系重合体は、化粧品原料としての配合のしやすさから、好ましくは、3,000〜2,000,000の数平均分子量を有するものであり、さらに好ましくは、5,000〜800,000である。また、その性状は、常温で液状、ガム状、ペースト状、固体状などのいずれでも良いが、得られる化粧皮膜の持続性の観点から、固体状のものが好ましい。また、配合性の観点からは、溶媒によって希釈された溶液や分散液であることが好ましい。
カルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するビニル系重合体としては、アクリルシリコーンデンドリマーが特に好ましく、FA4001CM(デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)、FA4002ID(イソドデカン溶液)(以上、東レ・ダウコーニング社製)等の市販品を用いることができる。
アクリルシリコーンは、例えば、KP−541、KP−543、KP−545、KP−549、KP−550、KP−575、KP−561P、KP−562P(信越化学工業社製)として市販されているものなどが挙げられる。
アルキルシリコーンは、例えば、AMS−30 Cosmetic Wax、2503 Cosmetic Wax(東レ・ダウコーニング社製)として市販されているものなどが挙げられる。
成分(E)の皮膜形成剤は、1種又は2種以上を用いることができ、好ましくは、ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)変性シリコーン、架橋型オルガノポリシロキサン、およびアクリルシリコーンデンドリマーのいずれかから選択することができる。特に、ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)変性シリコーン、(アクリレーツ/メタクリル酸ポリトリメチルシロキシ)コポリマー(FA4001CM)、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー(KSG−16)が、化粧皮膜の持続性の観点から好ましい。このとき、成分(D)のフッ素系油剤として、フッ素変性シリコーン、又は、パーフルオロポリエーテルを組み合わせて用いることがより好ましい。こうすることで、皮膚に塗布した後の粉体の凝集をよりいっそう抑制することができる。成分(E)の皮膜形成剤は、油中水型乳化化粧料全体に対して0.1〜5質量%含有させることが好ましく、粉体の凝集を抑制する観点から0.5〜3質量%がより好ましい。
本発明の油中水型乳化化粧料には、さらに、メチルポリシロキサン等の液状の不揮発性シリコーン油を含むことが好ましい。直鎖状ポリオルガノシロキサンとしては、炭素数が1〜5のアルキル基を有する直鎖状アルキルポリシロキサン、炭素数が1〜5のアルキル基及び炭素数が6〜10のアリール基を有する直鎖状アルキルアリールポリシロキサン等が挙げられ、具体的には、直鎖状ジメチルポリシロキサン、直鎖状メチルフェニルポリシロキサン等が挙げられる。これら直鎖状オルガノポリシロキサンのうち、20℃における粘度が5〜1000mPa・s、特に5〜30mPa・s、更に5〜10mPa・sのものが好ましい。ここで、粘度はB型粘度計にて、No.1ローター、60rpm(100mm/s未満)、No.2ローター、30rpm(100mm/s以上1,000mm/s未満)、No.3ローター、12rpm(1,000mm/s以上10,000mm/s未満)、または、No.4ローター、6rpm(10,000mm/s以上)の条件にて、1分間測定したときの粘度値(mPa・s)をそのまま動粘度(mm/s)と読みかえる。不揮発性シリコーン油の含有量は、油中水型乳化化粧料全体に対して0.1〜20質量%、特に0.5〜10質量%含有させることが好ましい。
本発明の油中水型乳化化粧料は、前記成分のほか、通常の化粧料に用いられる成分、例えば、成分(C)及び(D)以外の油性成分、保湿剤、紫外線吸収剤、色素、増粘剤、界面活性剤、抗酸化剤、防腐剤、ビタミン類、抗炎症剤、香料、その他の薬効成分等を、適宜含有することができる。また、その目的に応じて、アルコールや水を含ませてもよい。
本発明の油中水型乳化化粧料は、常法に従って調製することができるが、好ましくは、成分(A)の処理粉体と成分(B)の多価アルコール変性シリコーンとを成分(C)の揮発性シリコーン油中に分散させてスラリーを作製した後、(D)フッ素系油剤及び(E)皮膜形成剤に混合して調製する。すなわち、処理粉体の高濃度の分散液を調整することにより、その後に他の成分と混合しても、粉体の分散状態を維持できる。したがって、プロセス要因の分散性のばらつきが低減でき、皮膚に塗布する前の粉体の凝集をさらに抑制することができ、皮膚に塗布した後の粉体の凝集を確実に抑制することができる。成分(A)の処理粉体と、成分(B)の多価アルコール変性シリコーンと、成分(C)の揮発性シリコーン油とを含むスラリーを調整する場合には、当該スラリーを、油中水型乳化化粧料全体に対して1〜20質量%用いることが好ましい。処理粉体をスラリーとした場合の成分(D)フッ素系油剤の含有量は、前述のように、油中水型乳化化粧料全体に対して0.1〜10質量%とすることができ、より好ましくは、3〜10質量%とすることができる。また、処理粉体をスラリーとした場合の成分(E)皮膜形成剤の含有量は、前述のように、油中水型乳化化粧料全体に対して、0.1〜5質量%とすることができ、より好ましくは、0.5〜3質量%とすることができる。
処理粉体のスラリーは、成分(A)を40〜85質量%、特に50〜75質量%、成分(B)を1〜15質量%、成分(C)を10〜50質量%、特に10〜30質量%含むことが好ましい。成分(C)の揮発性シリコーン油は、一部をスラリー加工に用い、得られたスラリーに、残りの成分(C)の揮発性シリコーン油を成分(D)のフッ素系油剤及び成分(E)の皮膜形成剤とともに添加してもよい。
特に、成分(A)としてトリデカフルオロオクチルトリエトキシシランで表面処理した粉体を用いる場合、成分(B)としてシリコーン分岐型ポリグリセリン変性シリコーンを用い、これらを成分(C)の揮発性シリコーン油に分散させたスラリーを用いることが特に好ましい。これにより、スラリー状態の安定性がさらに向上するため、皮膚に塗布する前の粉体の凝集をよりいっそう抑制することができる。したがって、皮膚に塗布した後の粉体の凝集をより確実に抑制することができる。処理粉体のスラリーを調整するには、特に(C)揮発性シリコーン油としてデカメチルシクロペンタシロキサンを用いることが、安定性の点で好ましい。
スラリーの調製方法は限定されないが、例えば、成分(C)の揮発性シリコーン油に成分(A)の処理粉体、及び、成分(B)の多価アルコール変性シリコーンを添加し、湿式分散粉砕機(ビーズミル)等の分散装置を用いてスラリーに加工する方法が例示される。
本発明の化粧料の形態としては、乳液、クリーム等のスキンケア化粧料、メイクアップ下地化粧料、メイクアップ化粧料、日やけ止め乳液や日焼け止めクリームなどの紫外線防御化粧料などが挙げられる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
実施例1〜5、比較例1〜3
表1で示す組成の油中水型乳化化粧料を製造し、粉体の分散性、及び、撥水撥油性を評価した。結果を表1に併せて示す。
(製造方法)
実施例1〜5については、成分(C)揮発性シリコーン油のうち、デカメチルシクロペンタシロキサンの一部(油中水型乳化化粧料全体に対して、2.9質量%)と、成分(B)の多価アルコール変性シリコーン1.4質量%、及び、成分(A)の処理粉体10質量%とを混合し、ビーズミルで分散させて成分(A)〜(C)の高濃度粉体分散液(スラリー)を調整した。得られたスラリーに成分(C)揮発性シリコーン油の残り、成分(D)フッ素系油剤及び(E)皮膜形成剤、その他の成分を加え、混合攪拌し、油中水型乳化化粧料を得た。
比較例1については成分(B)、比較例2については成分(D)、比較例3については成分(E)を用いない以外は、実施例1〜5と同様に製造した。
(評価方法)
1.粉体の分散性評価(1)
塗膜のきれいさを視覚で確認することで、粉体の分散性を評価した。
具体的には、各実施例、又は、各比較例の油中水型乳化化粧料を人工皮革に25μmのコーターで塗布し、ホットプレートを用いて37℃で3時間乾燥した後の粉体の分散状態を下記の基準により評価した。
A:粉体の凝集がなく均一にムラなく塗布されている。
B:粉体の凝集が少なく均一にムラなく塗布されている。
C:粉体の凝集があり不均一に塗布されている。
D:明らかに粉体の凝集があり不均一に塗布されている。
2.粉体の分散性評価(2)
各実施例、又は、各比較例の油中水型乳化化粧料を人工皮革に25μmのコーターで塗布し、ホットプレートを用いて37℃で3時間乾燥した後の粉体の分散状態をデジタルカメラにて撮影し、Adobe Photoshop CS4を用いて塗膜の輝度及び標準偏差解析をすることにより分散状態を評価した。
3.撥水撥油性評価
各実施例、又は、各比較例の油中水型乳化化粧料を人工皮革に25μmのコーターで塗布し、ホットプレートを用いて37℃で3時間乾燥した後の粉体スクワランに対する接触角を測定し、撥水/撥油性を評価した。
Figure 2012140343
実施例6
表2で示す組成の油中水型乳化化粧料を製造した。具体的には、成分(5)のデカメチルシクロペンタシロキサンの一部(油中水型乳化化粧料全体に対して、2.9質量%)に、成分(1)、(2)、及び、(4)を添加し、ビーズミルで分散させて成分(1)、(2)、(4)、及び、(5)からなる組成物をスラリーに加工した。得られたスラリーに成分(3)、及び、(5)の残り、成分(6)〜(15)を加え、混合攪拌し、油中水型乳化化粧料を得た。
Figure 2012140343
以上のようにして得られた油中水型乳化化粧料をファンデーションとして用いると、化粧持続性に優れ、かつ、粉っぽさがなくナチュラルな仕上がりになることが分かった。

Claims (8)

  1. 次の(A)、(B)、(C)、(D)及び(E);
    (A)フッ素化合物を含む表面処理剤により表面処理された粉体、
    (B)次の一般式(1)
    SiO(4―a―b―c)/2 (1)
    〔一般式(1)中、
    は、炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基、フッ素置換アルキル基、アミノ置換アルキル基、カルボキシル置換アルキル基又は一般式(2)
    −C2d−O−(CO)(CO) (2)
    (一般式(2)中、
    は、炭素数4〜30の炭化水素基又はR−(CO)−で表される有機基(Rは、炭素数1〜30の炭化水素基を示す)を示し、
    d、e及びfは、それぞれ0≦d≦15、0≦e≦50、0≦f≦50の数を示す)
    で表される有機基を示し、
    は、一般式(3)
    −Q−O−X (3)
    (一般式(3)中、
    Qは、エーテル結合及び/又はエステル結合を有していてもよい炭素数3〜20の二価炭化水素基を示し、
    Xは、ヒドロキシ基を少なくとも2個有する多価アルコール置換炭化水素基を示す)
    を示し、
    は、下記一般式(4)
    Figure 2012140343
    (一般式(4)中、
    は、同一又は異なって、前記と同じ意味を示し、
    g及びhは、それぞれ、1≦g≦5、0≦h≦500の数を示す)
    で表されるオルガノシロキサン残基を示し、
    a、b及びcは、それぞれ、1.0≦a≦2.5、0.001≦b≦1.5、0.001≦c≦1.5の数を示す〕
    で示される多価アルコール変性シリコーン、
    (C)揮発性シリコーン油、
    (D)フッ素系油剤、
    (E)皮膜形成剤
    を含有する油中水型乳化化粧料。
  2. 前記(B)の多価アルコール変性シリコーンが、シリコーン分岐型ポリグリセリン変性シリコーンであり、前記一般式(1)中Rが下記一般式(5)及び/又は(6)で示されるポリグリセリン誘導体である、請求項1に記載の油中水型乳化化粧料。
    Figure 2012140343
    〔一般式(5)及び(6)中、
    は、水素原子あるいは炭素数1〜30のアルキル基、又は、R−(CO)−で示される有機基、Rは、炭素数1〜30の炭化水素基である。
    Yは、エーテル結合又はエステル結合を含有しても良い炭素数3〜20の二価炭化水素基を示し、
    p及びqは、それぞれ、2≦p≦20、1≦q≦20の整数である。〕
  3. 前記フッ素化合物が、下記一般式(7)にて示されるパーフルオロアルキルアルコキシシランである、請求項1又は2に記載の油中水型乳化化粧料。
    (Rf1m2mjSi(OCn2n+1k(7)
    〔一般式(7)中、
    f1は、炭素数3〜21のパーフルオロアルキル基を示し、直鎖状あるいは分岐状であって、単一鎖長のものであっても複合鎖長のものであってもよい。
    m及びnは、それぞれ、1≦m≦12、1≦n≦3の整数を示す。
    j及びkは、それぞれ、1≦j≦3、1≦k≦3の整数を示し、j+k=4である。〕
  4. 前記フッ素化合物がトリデカフルオロオクチルトリエトキシシランである、請求項3に記載の油中水型乳化化粧料。
  5. 前記(A)の表面処理された粉体と、前記(B)の多価アルコール変性シリコーンとを、前記(C)揮発性シリコーン油の一部又は全部に分散させて得られたスラリーを、前記(D)フッ素系油剤、及び、前記(E)皮膜形成剤に混合させて製造された、請求項1乃至4いずれか1項に記載の油中水型乳化化粧料。
  6. 前記油中水型乳化化粧料全体に対して、前記スラリーを1〜20質量%、前記(D)フッ素系油剤を0.1〜10質量%、前記(E)皮膜形成剤を0.1〜5質量%含有する、請求項5に記載の油中水型乳化化粧料。
  7. 前記(D)フッ素系油剤がフッ素変性シリコーン、又は、パーフルオロポリエーテルである、請求項1乃至6いずれか1項に記載の油中水型乳化化粧料。
  8. 前記(E)皮膚形成剤がポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)変性シリコーン、架橋型オルガノポリシロキサン及びアクリルシリコーンデンドリマーのいずれかから選択される、請求項1乃至7いずれか1項に記載の油中水型乳化化粧料。
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