JP2012138437A - 電子部品収納用パッケージ - Google Patents
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Abstract
【課題】電子部品からの発熱を効率的に放熱させることができる安価な電子部品収納用パッケージを提供する。
【解決手段】上面に光通信用の電子部品を搭載する長方形板状の基体11と、その上面に対して垂直に立設させ電子部品を収納するためのキャビティ部12を設ける枠体13を有する電子部品収納用パッケージ10において、基体11がFe−Ni−Co系合金金属板の枠体13を配設させる側となる一方の主面に第1のCu板15と、他方の主面に第1のCu板15の厚みより薄い第2のCu板15aを貼り合わせるクラッド材からなり、枠体13がFe−Ni−Co系合金、又はFe−Ni系合金からなる長方形筒状の金属製側壁体16と、その上方の一部を削除した切り欠き部17に設けるセラミックフィードスルー基板からなるセラミック製側壁体18の接合体からなる。
【選択図】図1
【解決手段】上面に光通信用の電子部品を搭載する長方形板状の基体11と、その上面に対して垂直に立設させ電子部品を収納するためのキャビティ部12を設ける枠体13を有する電子部品収納用パッケージ10において、基体11がFe−Ni−Co系合金金属板の枠体13を配設させる側となる一方の主面に第1のCu板15と、他方の主面に第1のCu板15の厚みより薄い第2のCu板15aを貼り合わせるクラッド材からなり、枠体13がFe−Ni−Co系合金、又はFe−Ni系合金からなる長方形筒状の金属製側壁体16と、その上方の一部を削除した切り欠き部17に設けるセラミックフィードスルー基板からなるセラミック製側壁体18の接合体からなる。
【選択図】図1
Description
本発明は、光通信用の電子部品を収納するための電子部品収納用パッケージに関し、より詳細には励起光源用のレーザー光を高出力で発することができる電子部品を収納するための電子部品収納用パッケージに関する。
従来から、レーザーダイオード等の光通信用の電子部品を収容するための電子部品収納用パッケージには、底板体となる金属製の基体と、セラミックと金属を組み合わせて形成した枠体を接合させたものがある。例えば、図3(A)、(B)に示すように、従来の電子部品収納用パッケージ50には、金属製からなる基体51に、熱伝導性が高く放熱性に優れたCu−W(銅−タングステン)複合体や、Cu−Mo(銅−モリブデン)複合体といった材料からなる金属板が用いられている。また、この電子部品収納用パッケージ50は、基体51に立設される長方形筒状の枠体52が、セラミックと熱膨張係数が近似するFe−Ni−Co系合金や、Fe−Ni系合金からなる金属板が用いられると共に、この金属板の上方の一部を削除して設ける切り欠き部53にAl2O3(アルミナ)等からなるセラミックフィードスルー基板54がろう付け接合されるようになっている。また、このセラミックフィードスルー基板54には、外部と電気的導通状態を形成するためのリードフレーム55がろう付け接合されるようになっている。更に、枠体52には、レーザー光からなる光信号を通すための貫通孔56を穿孔して有し、この貫通孔56に金属製固定部材57が接合されるようになっている。また、上記の電子部品収納用パッケージ50は、セラミックフィードスルー基板54が接合された枠体52の上面に、セラミックフィードスルー基板54の上面も含めて、シールリング58が接合されるようになっている。
この電子部品収納用パッケージ50は、基体51と枠体52で形成されるキャビティ部59に設けるペルチェ等の放熱構造体(図示せず)の上面に励起光源用のレーザーダイオードが接着されるようになっている。そして、この電子部品収納用パッケージ50は、レーザーダイオード等の電子部品(図示せず)と、セラミックフィードスルー基板54に設けるメタライズパターンの接続用パッド60とをボンディングワイヤ(図示せず)等で接続するようになっている。これにより、この電子部品収納用パッケージ50は、リードフレーム55を連結させて支持しているタイバー部55aを取り除いた端子部55bと、レーザーダイオードが電気的に接続した状態となるようにしている。更に、この電子部品収納用パッケージ50は、金属製固定部材57に光ファイバー部材(図示せず)がAu−Sn等の低温ろう材や、YAG等のレーザーを使用して溶接して接合されるようになっている。そして、電子部品収納用パッケージ50は、シールリング58の上面に、金属製の蓋体(図示せず)がシーム溶接や、ろう材等を用いて接合され、キャビティ部59に電子部品を気密に封止する半導体モジュールに形成し、固定用孔61を介してボード等にねじ止め固定されるようになっている。
このようにして作製された半導体モジュールは、光通信用として広く用いられるようになっている。そして、近年の光通信業界は、インターネットに代表される大容量通信が全世界に普及し、益々往来への負荷が増えると同時に、基幹設備構築への投資が盛んになってきている。また、この基幹設備構築への投資は、先進国から発展途上国へと広がり、通信設備の低コスト化が急速に進んできている。このような中で、上記のような半導体モジュールに用いる従来の電子部品収納用パッケージは、パッケージとしての放熱性や、反り精度の性能を維持しながらコストダウンの要求があって、年々単価が下がってきている。しかしながら、従来の電子部品収納用パッケージは、金属製からなる基体にCu−W複合体や、Cu−Mo複合体といった材料からなる金属板を用いているので、熱伝導率が170〜240W/mK程度と高く、電子部品からの発熱の放熱性に優れるものの、Cu−W複合体や、Cu−Mo複合体からなる金属板が非常に高価なものであり、電子部品収納用パッケージのコストアップとなっている。このような従来の電子部品収納用パッケージでは、金属製部材の調達コストダウン、製造合理化では限界になってきている。
従来の電子部品収納用パッケージには、セラミック製容器の外表面からの放熱性を向上させるために、半導体素子を搭載させる基体部分を、セラミック製容器の外表面の金属層上にコバール金属板(Fe−Ni−Co系合金金属板)の両主面に銅板(Cu板)を接合させた複合金属体をろう付けしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。これによれば、電子部品収納用パッケージは、Cu−W複合体や、Cu−Mo複合体といった材料からなる金属板を貼り付けるより安価にすることができる。
また、従来の電子部品収納用パッケージには、発生する反りの方向を制御できるパッケージとして、基体となるヒートシンクと、枠体となるセラミックパッケージを備え、ヒートシンクがCu−Mo複合体を一対のCu板で挟んだ接合構造を有し、Cu−Mo複合体の厚さがそれぞれのCu板の厚さを足した厚さよりも大であり、セラミックパッケージが位置する側のCu板の厚さが反対側のCu板の厚さよりも大であるものが提案されている。そして、このCu−Mo複合体を一対のCu板で挟んだ接合構造のヒートシンクは、一方のCuの厚さを圧延後に研磨、研削、又はエッチングで減厚して、又は一方のCuの厚さを圧延後にめっき、蒸着、スパッタ等で増厚して形成する電子部品収納用パッケージが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、前述したような従来の電子部品収納用パッケージは、次のような問題がある。
(1)実開平2−47054号公報で開示されるような電子部品収納用パッケージは、基体となる部分が、セラミック製容器の外表面の金属層上にコバール金属板、すなわちFe−Ni−Co系合金金属板の両主面にCu板を接合させた複合金属体をろう付けしたものとしているが、電子部品からの発熱がセラミック製容器である熱伝導率が低い絶縁体を介して放熱させる構造であるので、放熱効率の低いパッケージとなっている。また、電子部品収納用パッケージの基体に実開平2−47054号公報で開示されるようなFe−Ni−Co系合金金属板の両主面にCu板を接合させた複合金属体を用いる場合には、基体が安価に作製することができるものの、接合ろう材がAgCuろうであるため、800℃程度の温度帯で接合されることとなり、熱膨張率がFe−Ni−Co系合金自体の熱膨張率より大きくなっている。そのため、電子部品収納用パッケージは、接合される部材、例えば、セラミックや、Fe−Ni−Co系合金との熱膨張率差によって大きな歪みが発生し、反りが大きくなる構造となっている。
(2)特開2005−243819号公報で開示されるような電子部品収納用パッケージは、基体の枠体とのろう付け接合面側のCu板の厚みを、反対側より厚くして接合させているので、反りの発生を抑制させることができるものの、基体が圧延後に一方のCu板の厚みを研磨、研削、又はエッチングで減厚したり、あるいは、他方のCu板の厚みをめっき、蒸着、スパッタ等で増厚しているので、これらの作業に歩留と、工数が掛かり、電子部品収納用パッケージのコストアップとなっている。
(1)実開平2−47054号公報で開示されるような電子部品収納用パッケージは、基体となる部分が、セラミック製容器の外表面の金属層上にコバール金属板、すなわちFe−Ni−Co系合金金属板の両主面にCu板を接合させた複合金属体をろう付けしたものとしているが、電子部品からの発熱がセラミック製容器である熱伝導率が低い絶縁体を介して放熱させる構造であるので、放熱効率の低いパッケージとなっている。また、電子部品収納用パッケージの基体に実開平2−47054号公報で開示されるようなFe−Ni−Co系合金金属板の両主面にCu板を接合させた複合金属体を用いる場合には、基体が安価に作製することができるものの、接合ろう材がAgCuろうであるため、800℃程度の温度帯で接合されることとなり、熱膨張率がFe−Ni−Co系合金自体の熱膨張率より大きくなっている。そのため、電子部品収納用パッケージは、接合される部材、例えば、セラミックや、Fe−Ni−Co系合金との熱膨張率差によって大きな歪みが発生し、反りが大きくなる構造となっている。
(2)特開2005−243819号公報で開示されるような電子部品収納用パッケージは、基体の枠体とのろう付け接合面側のCu板の厚みを、反対側より厚くして接合させているので、反りの発生を抑制させることができるものの、基体が圧延後に一方のCu板の厚みを研磨、研削、又はエッチングで減厚したり、あるいは、他方のCu板の厚みをめっき、蒸着、スパッタ等で増厚しているので、これらの作業に歩留と、工数が掛かり、電子部品収納用パッケージのコストアップとなっている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、電子部品からの発熱を効率的に放熱させることができる安価な電子部品収納用パッケージを提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係る電子部品収納用パッケージは、上面に光通信用の電子部品を搭載する長方形板状の基体と、基体の上面に対して垂直に立設させ電子部品を収納するためのキャビティ部を設ける枠体を有する電子部品収納用パッケージにおいて、基体がFe−Ni−Co系合金金属板の枠体を配設させる側となる一方の主面に第1のCu板と、他方の主面に第1のCu板の厚みより薄い第2のCu板を貼り合わせるクラッド材からなり、枠体がFe−Ni−Co系合金、又はFe−Ni系合金からなる長方形筒状の金属製側壁体と、金属製側壁体の上方の一部を削除した切り欠き部に設けるセラミックフィードスルー基板からなるセラミック製側壁体の接合体からなる。
前記目的に沿う本発明に係る他の電子部品収納用パッケージは、上面に光通信用の電子部品を搭載する長方形板状の基体と、基体の上面に対して垂直に立設させ電子部品を収納するためのキャビティ部を設ける枠体を有する電子部品収納用パッケージにおいて、基体がFe−Ni−Co系合金金属板の枠体を配設させる側となる一方の主面に第1のCu板と、他方の主面に第1のCu板の厚みより薄い第2のCu板を貼り合わせるクラッド材からなり、枠体が長方形長手方向に対して垂直に対向する1対のFe−Ni−Co系合金、又はFe−Ni系合金からなる板状の金属製側壁体と、長方形短手方向に対して垂直に対向する1対のセラミックフィードスルー基板からなるセラミック製側壁体の接合体からなる。
上記の電子部品収納用パッケージは、基体がFe−Ni−Co系合金金属板の枠体を配設させる側となる一方の主面に第1のCu板と、他方の主面に第1のCu板の厚みより薄い第2のCu板を貼り合わせるクラッド材からなり、枠体がFe−Ni−Co系合金、又はFe−Ni系合金からなる長方形筒状の金属製側壁体と、金属製側壁体の上方の一部を削除した切り欠き部に設けるセラミックフィードスルー基板からなるセラミック製側壁体の接合体からなるので、Cuの高い熱伝導率によって基体としての熱伝導率が高く、電子部品からの発熱を効率的に放熱させることができる。また、この電子部品収納用パッケージは、基体にFe−Ni−Co系合金金属板の両面のそれぞれに予め厚みの異なるCu板を貼り合わせ、Cu板を減厚したり、Cu板を増厚したりする後加工の必要がないクラッド材からなる安価な基体を用いているので、パッケージを安価にすることができる。更に、この電子部品収納用パッケージは、枠体を配設させる側の基体の第1のCu板の厚みが第2のCu板の厚みより厚いので、基体と熱膨張率の異なる枠体をろう付け接合させたとしても枠体が接合される側の基体の第1のCu板が反対面側の第2のCu板より厚く形成されているので、基体の反りの発生を抑制させることができる。
上記の他の電子部品収納用パッケージは、基体がFe−Ni−Co系合金金属板の枠体を配設させる側となる一方の主面に第1のCu板と、他方の主面に第1のCu板の厚みより薄い第2のCu板を貼り合わせるクラッド材からなり、枠体が長方形長手方向に対して垂直に対向する1対のFe−Ni−Co系合金、又はFe−Ni系合金からなる板状の金属製側壁体と、長方形短手方向に対して垂直に対向する1対のセラミックフィードスルー基板からなるセラミック製側壁体の接合体からなるので、Cuの高い熱伝導率によって基体としての熱伝導率が高く、電子部品からの発熱を効率的に放熱させることができる。また、この電子部品収納用パッケージは、基体にFe−Ni−Co系合金金属板の両面のそれぞれに予め厚みの異なるCu板を貼り合わせ、Cu板を減厚したり、Cu板を増厚したりする後加工の必要がないクラッド材からなる安価な基体を用いているので、パッケージを安価にすることができる。更に、この電子部品収納用パッケージは、枠体を配設させる側の基体の第1のCu板の厚みが第2のCu板の厚みより厚いので、基体と熱膨張率の異なる枠体をろう付け接合させたとしても枠体が接合される側の基体の第1のCu板が反対面側の第2のCu板より厚く形成されているので、基体の反りの発生を抑制させることができる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。
図1(A)、(B)に示すように、本発明の一実施の形態に係る電子部品収納用パッケージ10は、上面にレーザーダイオード等の光通信用の電子部品を搭載するための長方形板状の基体11と、この上面に対して垂直に立設させ、電子部品を収納するためのキャビティ部12を形成する長方形筒状の枠体13を接合させて有している。この電子部品収納用パッケージ10は、基体11が、Fe−Ni−Co系合金(通称:KV、商品名「Kovar(コバール)」)金属板14の枠体13を配設する側となる一方の主面に第1のCu板15と、反対面である他方の主面に第1のCu板15と予め厚み比率の異なる第2のCu板15aを圧延や、ホットプレス等の方法で圧着して貼り合わせたクラッド材からなっている。更に、基体11は、クラッド材から所定の大きさの長方形状に加工して形成している。そして、電子部品収納用パッケージ10は、枠体13を配設させる側の第1のCu板15を、第2のCu板15aの厚みより厚くなるようにして後加工の必要がない基体11としている。
図1(A)、(B)に示すように、本発明の一実施の形態に係る電子部品収納用パッケージ10は、上面にレーザーダイオード等の光通信用の電子部品を搭載するための長方形板状の基体11と、この上面に対して垂直に立設させ、電子部品を収納するためのキャビティ部12を形成する長方形筒状の枠体13を接合させて有している。この電子部品収納用パッケージ10は、基体11が、Fe−Ni−Co系合金(通称:KV、商品名「Kovar(コバール)」)金属板14の枠体13を配設する側となる一方の主面に第1のCu板15と、反対面である他方の主面に第1のCu板15と予め厚み比率の異なる第2のCu板15aを圧延や、ホットプレス等の方法で圧着して貼り合わせたクラッド材からなっている。更に、基体11は、クラッド材から所定の大きさの長方形状に加工して形成している。そして、電子部品収納用パッケージ10は、枠体13を配設させる側の第1のCu板15を、第2のCu板15aの厚みより厚くなるようにして後加工の必要がない基体11としている。
また、この電子部品収納用パッケージ10は、基体11の第1のCu板15上に立設される枠体13が、セラミックと熱膨張係数が近似するFe−Ni−Co系合金や、Fe−Ni系合金からなる長方形筒状の金属製側壁体16と、この金属製側壁体16の上方の一部を削除して設ける切り欠き部17にAl2O3(アルミナ)等に導体配線を設けたセラミックフィードスルー基板からなるセラミック製側壁体18をAgCuろう材等でろう付け接合した接合体からなっている。従って、この電子部品収納用パッケージ10は、基体11の第1のCu板15上に直接接合される部分の枠体13が金属製側壁体16となっている。
図2(A)、(B)に示すように、本発明の一実施の形態に係る他の電子部品収納用パッケージ10aは、上面にレーザーダイオード等の光通信用の電子部品を搭載するための長方形板状の基体11と、この上面に対して垂直に立設させ、電子部品を収納するためのキャビティ部12を形成する長方形筒状の枠体13aをAgCuろう材等でろう付け接合させて有している。この電子部品収納用パッケージ10aは、基体11が、上記の電子部品収納用パッケージ10の場合と同様に、Fe−Ni−Co系合金金属板14の一方の主面に第1のCu板15と、他方の主面に第1のCu板15と予め厚み比率の異なる第2のCu板15aを圧着して貼り合わせたクラッド材からなっている。更に、基体11は、クラッド材から所定の大きさの長方形状に加工して形成している。そして、電子部品収納用パッケージ10aは、枠体13aを配設させる側の第1のCu板15を、第2のCu板15aの厚みより厚くなるようにして後加工の必要がない基体11としている。
また、この電子部品収納用パッケージ10aは、基体11の上面に対して垂直に立設される枠体13aが、長方形長手方向に対して垂直に相対向する1対のFe−Ni−Co系合金、又はFe−Ni系合金からなる板状の金属製側壁体16aと、長方形短手方向に対して垂直に相対向する1対のセラミックフィードスルー基板からなるセラミック製側壁体18aをろう付け接合した接合体からなっている。従って、この電子部品収納用パッケージ10aは、基体11の第1のCu板15上に直接接合される部分の枠体13aが金属製側壁体16aと、セラミック製側壁体18aの両方となっている。
上記の電子部品収納用パッケージ10、10aは、セラミック製側壁体18、18aであるセラミックフィードスルー基板がAl2O3(アルミナ)等のセラミックからなり、断面視して凸状の段差部分にパッケージの内側と外側を連通するW(タングステン)や、Mo(モリブデン)等の高融点金属からなる入出力用メタライズパターン19がセラミックグリーンシートと同時焼成されて設けられている。そして、パッケージの外側となる部分の入出力用メタライズパターン19は、パッケージの外側となる部分の上表面に延設させてリードフレーム20のリード端子部20aの先端部を接合してタイバー部20b側を水平に大気中に延設するバタフライ型にろう付け接合するための接合用パッドとして設けられている。このリードフレーム20は、セラミックフィードスルー基板にろう付け接合した後、複数本が連立するリード端子部20aを連結させて支持しているタイバー部20bを切断して除去させることで、それぞれが電気的に独立状態にされるようになっている。また、セラミックフィードスルー基板の入出力用メタライズパターン19は、パッケージの内側となる部分の上表面に延設させて電子部品を搭載させた後に電子部品とボンディングワイヤを介して接続し、電気的に導通状態とするために接続用パッドとして設けられている。更に、セラミックフィードスルー基板には、金属製側壁体16、16aや、後述するシールリング23と当接する部分にメタライズ膜が設けられている。このメタライズ膜は、通常、入出力用メタライズパターン19となる部分を、セラミックグリーンシートにWや、Mo等の高融点金属ペーストでパターンを形成してからセラミックグリーンシートと同時焼成して設け、金属製側壁体16、16a及びシールリング23と当接する部分を、焼成済のセラミックにMo−Mn(モリブデン−マンガン)ペーストでパターンを形成して再度焼成して設けている。
なお、上記のセラミックグリーンシートは、例えば、アルミナ粉末にマグネシア、シリカ、カルシア等の焼結助剤を適当量加えた粉末に、ジオクチルフタレート等の可塑剤と、アクリル樹脂等のバインダー、及びトルエン、キシレン、アルコール類等の溶剤を加え、十分に混練し、脱泡して粘度2000〜40000cpsのスラリーを作製した後、ドクターブレード法等によって、例えば、厚み0.25mmのシートを形成し、適当な寸法に切断して作製している。そして、複数枚のセラミックグリーンシートには、Wや、Mo等の高融点金属ペーストを用いて入出力用メタライズパターン19用等のメタライズ印刷パターンをスクリーン印刷で形成し、各セラミックグリーンシートを積層し、所定の形状に切断形成した後、焼成して焼成体を形成している。更に、焼成体には、Mo−Mnペーストを用いて所定箇所にメタライズ印刷パターンをスクリーン印刷で形成した後、焼成することでセラミックフィードスルー基板を作製している。また、セラミックフィードスルー基板に形成された入出力用メタライズパターン19や、Mo−Mnメタライズパターンにろう付け接合する場合には、メタライズ膜上にNiや、NiCoからなるNiめっき被膜を形成することが必要となっている。
また、上記の電子部品収納用パッケージ10、10aは、金属製側壁体16、16aの1側壁に、レーザー光からなる光信号を通すための貫通孔21が穿孔して設けられ、この貫通孔21に金属製固定部材22がAgCuろう材等でろう付け接合されるようになっている。また、更に、電子部品収納用パッケージ10、10aは、セラミックフィードスルー基板の上面も含めて枠体13、13aの上面に、Fe−Ni−Co系合金からなり所定の大きさの長方形窓枠状に加工したシールリング23がAgCuろう材等でろう付け接合されるようになっている。
上記の電子部品収納用パッケージ10、10aは、基体11と枠体13、13aで形成されるキャビティ部12に設けるペルチェ等の放熱構造体(図示せず)の上面に励起光源用のレーザーダイオード等の電子部品(図示せず)が接着されるようになっている。そして、この電子部品収納用パッケージ10、10aは、電子部品と、セラミック製側壁体18、18aであるにセラミックフィードスルー基板に設ける入手力用メタライズパターン19の接続用パッドとをボンディングワイヤ(図示せず)等で接続するようになっている。これにより、この電子部品収納用パッケージ10、10aは、リードフレーム20のタイバー部20bを取り除いたリード端子部20aのそれぞれと、電子部品が電気的に接続した状態となるようにしている。更に、この電子部品収納用パッケージ10、10aは、金属製固定部材22に光ファイバー部材がAu−Sn等の低温ろう材や、YAG等のレーザーを使用して溶接して接合されるようになっている。そして、電子部品収納用パッケージ10、10aは、シールリング23の上面に、金属製の蓋体(図示せず)がシーム溶接での接合や、AuSnろう材等を用いてろう付け接合され、キャビティ部12に電子部品を気密に封止する半導体モジュールに形成し、基体11に設ける固定用孔24を介してボード等にねじ止め固定されるようになっている。
上記の電子部品収納用パッケージ10、10aには、電子部品からの発熱を速やかに放熱させるために基体11には高い熱伝導率が求められている。そこで、電子部品収納用パッケージ10、10aは、基体11の熱伝導率をCu−WのCu:W=10:90の場合の170W/mK程度、あるいはCu:W=20:80の場合の190W/mK程度と同等程度を達成させるために、(第1のCu板15+第2のCu板15a):Fe−Ni−Co系合金金属板14の厚み比率を2:2〜2:4程度のものを用いるのが好ましい。また、この基体11は、(第1のCu板15+第2のCu板15a):Fe−Ni−Co系合金金属板14の厚み比率の(第1のCu板15+第2のCu板15a)の比率が大きくなればなる程、熱膨張率が大きくなるが、この比率が2:1より(第1のCu板15+第2のCu板15a)の厚み比率を大きくする場合には、熱膨張率が10×10−6/℃を超えるようになり、Cu:W=10:90のCu−Wの熱膨張率である、6.5×10−6/℃や、Cu:W=20:80のCu−Wの熱膨張率である、8.3×10−6/℃より大きくなる。このような大きな熱膨張率を有する基体11に、枠体13、13aをろう付け接合場合には、Fe−Ni−Co系合金からなる金属板の熱膨張率である、5.0×10−6/℃や、Fe−Ni系合金からなる金属板の熱膨張率である、7.5×10−6/℃や、Al2O3からなるセラミック製側壁体23の熱膨張率である、7.2×10−6/℃ より大きな熱膨張率の基体11に直接ろう付け接合されるので、接合部に大きな歪みを残すこととなる。しかしながら、上記の電子部品収納用パッケージ10、10aは、上記のような(第1のCu板15+第2のCu板15a):Fe−Ni−Co系合金金属板14の厚み比率の中で、第1のCu板15の厚みを第2のCu板15aの厚みより厚くしているので、接合部に発生する大きな歪みを吸収して基体11の反りの少なく、電子部品からの発熱を効率的に放熱させることができる安価なパッケージを提供できるようになっている。
ここで、本発明者は、実施例のとして、基体に3層構造である第1のCu板:Fe−Ni−Co系合金金属板:第2のCu板の厚み比率が1.125:3:0.875で総厚が1mmからなる基体を用いた実施例1と、第1のCu板:Fe−Ni−Co系合金金属板:第2のCu板の厚み比率が1.25:3:0.75で総厚が1mmからなる基体を用いた実施例2の電子部品収納用パッケージ10形態のサンプルを準備した。また、この実施例に併せて、従来例として、Cu:W=10:90の場合の1mm厚のCu−Wからなる基体を用いた従来例1と、Cu:W=20:80の場合の1mm厚のCu−Wからなる基体を用いた従来例2の電子部品収納用パッケージ10形態のサンプルを準備した。更に、比較例として、第1のCu板:Fe−Ni−Co系合金金属板:第2のCu板の厚み比率が1:2:1で総厚が1mmからなる基体を用いた比較例1と、第1のCu板:Fe−Ni−Co系合金金属板:第2のCu板の厚み比率が1:3:1で総厚が1mmからなる基体を用いた比較例2と、第1のCu板:Fe−Ni−Co系合金金属板:第2のCu板の厚み比率が1:4:1で総厚が1mmからなる基体を用いた比較例3の電子部品収納用パッケージ10形態のサンプルを準備した。そして、それぞれのサンプルの基体底面長辺側反りを測定した。その結果を、表1に従来例1であるCu:W=10:90の場合の1mm厚のCu−Wからなる基体を用いたパッケージの基体長辺側の反りを−100(マイナスはキャビティ部上面の反りモードが凹状に反っていることを示している)%の反り量としてその相対値をグラフで示す。
表1に示すように、Cu:W=20:80の場合の1mm厚のCu−Wからなる基体を用いた従来例2は、反り量が+126.5%で、従来例1の反り量と略同じ程度であるが、反りモードが従来例1と反対の凸状となっている。このキャビティ部上面の反りモードが凸状のパッケージは、電子部品を搭載したときの電子部品へのレーザー光の光軸のズレを抑える側に作用させることができるので、好ましい形態となっている。第1のCu板:Fe−Ni−Co系合金金属板:第2のCu板の厚み比率が1:2:1で総厚が1mmからなる基体を用いた比較例1は、従来例2と同様の反りモードを示すものの、従来例2より5倍程度の非常に大きい反り量を示し、パッケージとして使用するのが難しくなっている。また、第1のCu板:Fe−Ni−Co系合金金属板:第2のCu板の厚み比率が1:3:1や、1:4:1で総厚が1mmのようなCuの比率が小さくなった比較例2、3であっても、従来例2よりそれぞれ4倍程度や、3倍程度の大きい反り量を示し、パッケージとして使用するのが難しくなっている。第1のCu板:Fe−Ni−Co系合金金属板:第2のCu板の厚み比率が1.125:3:0.875で総厚が1mmからなる基体を用いた実施例1、第1のCu板:Fe−Ni−Co系合金金属板:第2のCu板の厚み比率が1.25:3:0.75で総厚が1mmからなる基体を用いた実施例2は、それぞれ反り量が232.5%、155.6%を示し、特に、実施例2のような第1のCu板と第2のCu板の厚み差にすることで従来例2に近い反り量とすることができる。また、物性値は、第1のCu板:Fe−Ni−Co系合金金属板:第2のCu板の厚み比率が1:3:1、1.125:3:0.875、及び1.25:3:0.75とも、熱膨張率が8.9×10−6/℃程度、熱伝導率が170W/mK程度と同等である。
本発明の電子部品収納用パッケージは、内部に光通信用のレーザーダイオード、フォトダイオード等の電子部品を搭載して、励起光源用のレーザー光を高出力で発することができる電子部品収納用パッケージに用いることができる。
10、10a:電子部品収納用パッケージ、11:基体、12:キャビティ部、13、13a:枠体、14:Fe−Ni−Co系合金金属板、15:第1のCu板、15a:第2のCu板、16、16a:金属製側壁体、17:切り欠き部、18、18a:セラミック製側壁体、19:入出力用メタライズパターン、20:リードフレーム、20a:リード端子部、20b:タイバー部、21:貫通孔、22:金属製固定部材、23:シールリング、24:固定用孔
Claims (2)
- 上面に光通信用の電子部品を搭載する長方形板状の基体と、該基体の上面に対して垂直に立設させ前記電子部品を収納するためのキャビティ部を設ける枠体を有する電子部品収納用パッケージにおいて、
前記基体がFe−Ni−Co系合金金属板の前記枠体を配設させる側となる一方の主面に第1のCu板と、他方の主面に前記第1のCu板の厚みより薄い第2のCu板を貼り合わせるクラッド材からなり、前記枠体がFe−Ni−Co系合金、又はFe−Ni系合金からなる長方形筒状の金属製側壁体と、該金属製側壁体の上方の一部を削除した切り欠き部に設けるセラミックフィードスルー基板からなるセラミック製側壁体の接合体からなることを特徴とする電子部品収納用パッケージ。 - 上面に光通信用の電子部品を搭載する長方形板状の基体と、該基体の上面に対して垂直に立設させ前記電子部品を収納するためのキャビティ部を設ける枠体を有する電子部品収納用パッケージにおいて、
前記基体がFe−Ni−Co系合金金属板の前記枠体を配設させる側となる一方の主面に第1のCu板と、他方の主面に前記第1のCu板の厚みより薄い第2のCu板を貼り合わせるクラッド材からなり、前記枠体が長方形長手方向に対して垂直に対向する1対のFe−Ni−Co系合金、又はFe−Ni系合金からなる板状の金属製側壁体と、長方形短手方向に対して垂直に対向する1対のセラミックフィードスルー基板からなるセラミック製側壁体の接合体からなることを特徴とする電子部品収納用パッケージ。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2013128728A1 (ja) * | 2012-03-02 | 2013-09-06 | 株式会社フジクラ | 光モジュール及びその製造方法 |
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- 2010-12-27 JP JP2010289079A patent/JP2012138437A/ja active Pending
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JP2013183074A (ja) * | 2012-03-02 | 2013-09-12 | Fujikura Ltd | 光モジュール |
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