以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、図面を用いて発明の構成を説明するにあたり、同じものを指す符号は異なる図面間でも共通して用いる。また、同様のものを指す際にはハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。なお、各図面において示す各構成の、大きさ、層の厚さ、または領域は、明瞭化のために誇張されて表記している場合がある。従って、必ずしもそのスケールに限定されない。
トランジスタに設けられる電極または膜の積み重なりを表現する際に、上層端部よりはみ出している下層端部を、便宜上、トランジスタの平面図には図示しない場合がある。
AとBとが接続されている、と記載する場合は、AとBとが電気的に接続されている場合と、AとBとが直接接続されている場合とを含むものとする。ここで、A、Bは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層、など)であるとする。
「ソース」や「ドレイン」の機能は、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため、本明細書においては、「ソース」や「ドレイン」の用語は、入れ替えて用いることができるものとする。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様である表示装置100について説明する。図1は、表示装置100の全体構成を示したブロック図である。表示装置100は、アクティブマトリクス型の表示装置であり、表示部102、駆動部104、受光部106、および情報処理部108を具備している。さらに、光ポインティング装置110は、表示装置100に別添されている。
表示部102は、スイッチング素子である薄膜トランジスタ(以下、TFTと記す。)を含む画素を複数有しており、画素は、該TFTが形成される基板(以下、素子基板と記す。)にマトリクス状に配列されている。また、表示部102は、液晶素子またはエレトロルミネセンス(以下、ELと記す。)素子を含み、それぞれの動作原理に基づき画像または映像を表示する。
駆動部104は、表示部102に画像情報を伝送する機能を有し、少なくとも信号線駆動回路および走査線駆動回路から構成されている。該信号線駆動回路は、表示部102の選択された画素に、ビデオ信号の入力を制御する回路である。また、該走査線駆動回路は、表示部102の選択された画素に含まれるTFTのゲート電極に接続された走査線を制御する回路である。
受光部106は、表示装置100の内部に設けられており、さらに光電変換素子、走査回路、リセット回路および読み出し回路が設けられている。受光部106は、情報処理部108と接続されており、受光部106の光電変換素子に光が照射されると、光電変換により電位変化が生じ、該電位変化に対応する電気信号が情報処理部108に伝送される。このように、受光部106は、光電変換素子に照射されるレーザ光を対象物とし、その対象物の位置(レーザ光の位置)を検出する。また、表示部102において、受光部106の光電変換素子を形成している配線の抵抗などにより、少なからず電気信号を伝送する速さが異なる領域がある場合、電気信号の伝送が速い領域に受光部106の光電変換素子を設けることで、受光部106の光電変換素子で生成された電気信号を情報処理部108に速く伝送させることができる。
情報処理部108は、受光部106で光の位置を検出することで生じる電気信号をもとに、表示部102に表示されている画像情報を操作する機能を実行する。そのため、情報処理部108は、RAM(Random Access Memory)、もしくはROM(Read Only Memory)などの記憶装置、または中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)、もしくはマイクロプロセッサなどで構成されている。そして、情報処理部108は、駆動部104に接続されており、情報処理部108で生成された画像情報を操作する情報が、駆動部104から表示部102に伝送される。
受光部106の光電変換素子で検出されるレーザ光の位置は、光ポインティング装置110から射出されるレーザ光の指示点の位置である。つまり、本発明の一態様である表示装置100は、光ポインティング装置110から射出されるレーザ光で表示部(詳細には、表示画面)の一部を指示することで遠隔操作することができる。また、受光部106は、静止したレーザ光の指示点の位置だけではなく、指示点の位置の連続的な変化も検出することができる。
光ポインティング装置110のレーザ光源から射出されるレーザ光を可視光とすることで、表示部102上に示される光の指示点の視認性を高くすることができる。例えば、約650nmの波長(赤色)、または約532nmの波長(緑色)の可視光を、光ポインティング装置110から射出される光として用いることができる。
さらには、光ポインティング装置110から射出される可視光の波長を1つではなく、複数とすることができる。これにより、光電変換素子に対して検出感度が良好な可視光を検出される光(検出光)の指示点の位置を表す光とし、視認性のよい可視光を検出光の指示点の位置を選択する光(ガイド光)とすることができる。つまり、光ポインティング装置110の射出できる可視光の波長を複数とすることで、さまざまな色彩を含む表示画面でも、検出光の指示点の視認性を高くすることができる。なお、光ポインティング装置110には、射出する光の波長の他に、可視光レーザのエネルギー密度も変化させることができる構成が設けられていてもよい。光ポインティング装置110に射出する光のエネルギー密度を変化させることが可能な構成を有することで、検出に最適なエネルギー密度の可視光レーザに変調させることができる。
また、表示装置100は、上記駆動回路に加えて、電源回路および画像処理回路(画像エンジン)など表示装置を動作させるために必要な回路を含み、これらの回路は、適宜、駆動部104および情報処理部108に接続されている。さらに、表示装置100を、テレビジョン装置として機能させる場合には、放送局からの放送信号を受信する受信部を、表示装置100に含み、該受信部は、駆動部104および情報処理部108に接続されている。さらに、表示装置100は、該受信部に加え、駆動部104および情報処理部108に接続され、且つ有線または無線による通信ネットワーク(例えば、インターネット)に接続される通信接続部が設けられていてもよい。表示装置100は、該通信接続部を介して、一方向(送信者から受信者)または双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことができ、インターネットテレビジョン装置としても機能する。テレビジョン装置またはインターネットテレビジョン装置として機能する表示装置100は、光ポインティング装置110によって、遠隔操作される。
図2は、表示装置100の一例を示した斜視図である。図2(A)において、表示画面114には、駆動部104を介して図1の表示部102に表示された画像が表示される。光ポインティング装置110は、電源ボタン122および射出ボタン124を備えている。電源ボタン122を押下すると、ガイド光および検出光として可視光を射出できる状態となり、射出ボタン124を押下すると、ガイド光として機能する視認性の良い可視光(例えば、約532nmの緑色光)が射出され、表示画面114上にガイド光の位置が指示される。表示画面114には、例えば、音量を上げるまたは下げるなど、規定されている操作機能118が表示されており、該ガイド光の位置を所望の操作機能120に応じて射出ボタン124を強く押下することで、検出光として機能する、受光部106の光電変換素子に対して検出感度の良好な可視光(例えば、約650nmの赤色光)が射出され、検出光の指示点126の位置が決定される。検出光の指示点126の位置が検出されることで、光電変換により生じる電位変化に対応する電気信号が情報処理部108に伝送され、情報処理部108は、所望の操作機能120を実行する。
なお、特定の色の光だけを検出させるようにするには、受光部106の光電変換素子に、該特定の色のカラーフィルタを重畳して設ければよい。例えば、赤の光だけを検出させる場合は、受光部106の光電変換素子に赤のカラーフィルタを重畳して設ければよい。
図2(B)は、図2(A)に示した表示装置100に、パーソナルコンピュータなどの外部表示機器と、通信用ケーブルとを接続した形態である。図2(B)において、表示画面127には、通信ケーブル130を介してパーソナルコンピュータ128の画像、映像または操作機能などが表示される。このような形態の表示装置100においても、上記操作と同様の操作を行うことができる。例えば、表示画面127に示されているパーソナルコンピュータ128の操作機能に、光ポインティング装置110から射出された可視光の指示点を合わせると、受光部106の光電変換素子は、その指示点の位置を検出し、光電変換により生じる電気信号を情報処理部108に伝送し、情報処理部108はパーソナルコンピュータ128を操作する。
また、表示装置100における受光部106の光電変換素子は、可視光の静止した指示点だけではなく、連続的に変化する指示点の位置を検出することができる。従って、特定の連続的な変化に対応する操作機能をあらかじめ設定しておけば、光ポインティング装置110から射出された可視光を表示部102に照射させつつ、特定の連続的な変化を行わせることで、対応する操作機能を実行することができる。例えば、図2(B)に示したように、可視光の指示点の位置を左へ(白丸の位置から黒丸の位置へ)連続的に変化させると、受光部106の光電変換素子は、左へ連続的に変化する可視光の指示点の位置の変化を検出し、光電変換により生じる電気信号を情報処理部108に伝送し、情報処理部108は、指示点の位置が左へ連続的に変化することに対応する操作機能を実行する。
なお、光ポインティング装置110から射出される可視光をパルスパターンとして射出できる構成が設けられていても良い。上記では連続的に変化する可視光の指示点の位置を検出する形態であるが、該構成とすることで、受光部106の光電変換素子は、特定のパルスパターンを検出する形態とすることができる。例えば、特定のパルスパターンに対応する操作機能をあらかじめ設定し、光ポインティング装置110に特定のパルスパターンに対応したボタンを1つまたは複数設ければ、光ポインティング装置110に設けられたボタンを押下することで、特定のパルスパターンに対応する操作機能を実行することができる。
また、上記ガイド光のみを可視光とし、上記検出光を赤外光としてもよい。例えば、表示装置100を、上記ガイド光に追従してカーソルが表示部102の表示画面上を動くようにし、操作機能の決定は、従来の遠隔操作装置と同様に赤外光を検出することで行われるとすればよい。その際、表示装置100の筐体など表示部102の外部には赤外光を受光可能な素子が設けられ、光ポインティング装置110には赤外光を射出可能な発光ダイオードが設けられていればよい。また、赤外光は指向性が強いため、異なる角度に赤外光が射出されるように該発光ダイオードを複数設けることが好ましい。このようにすることで、赤外光を受光する素子は、効率よく、光ポインティング装置110の発光ダイオードから射出される赤外光を検出することができる。
以上より、本発明の一態様である表示装置は、受光部を該表示装置内部に有し、さらには受光部の光電変換素子は、表示部の素子基板に形成されるため、部材および作製コストを低減することができ、生産性に優れた表示装置である。そして、本発明の一態様である表示装置は、受光部を該表示装置とは別に設ける必要がなく、光ポインティング装置を用いて様々な遠隔操作が可能であるため、利便性にも優れた表示装置である。なお、本実施の形態は他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、表示部102に液晶素子またはEL素子を含む表示装置100について説明する。以下、表示部102に液晶素子を用いた表示装置100は、液晶表示装置200とし、表示部102にEL素子を用いた表示装置100は、EL表示装置300として説明する。
液晶表示装置200およびEL表示装置300は、共にアクティブマトリクス型の表示装置である。図3(A)は、液晶表示装置200およびEL表示装置300のブロック図である。なお、該ブロック図は、受光部106を含む表示部102、および駆動部104のみを図示し、情報処理部108および光ポインティング装置110は図示していない。
まず、液晶表示装置200について説明する。本明細書において、液晶素子とは、液晶の光学的変調作用によって光の透過または非透過を制御する素子であり、一対の電極および液晶により構成されている。なお、液晶の光学的変調作用は、液晶にかかる電界(横方向の電界、縦方向の電界または斜め方向の電界を含む)によって制御される。
駆動部104は、少なくとも信号線駆動回路105および走査線駆動回路107から構成されている。これらの駆動回路は、論理回路部と、スイッチ部またはバッファ部と、に大別される。また、本実施の形態では、信号線駆動回路105および走査線駆動回路107が、スイッチング素子のTFTを含む画素が配列される素子基板103上に設けられた形態であるが、信号線駆動回路105および走査線駆動回路107の一部または全部をICなどの半導体装置で形成し、素子基板103に実装してもよい。
そして、光電変換素子用リセット回路111と、光電変換素子用走査回路113と、光電変換素子用読み出し回路115と、を素子基板103に有する。これらは上記駆動回路と同様に、論理回路部と、スイッチ部またはバッファ部とに大別される。さらに、光電変換素子用リセット回路111、光電変換素子用走査回路113と、光電変換素子用読み出し回路115は、素子基板103上に形成されていなくてもよく、各々の回路の一部または全部をICなどの半導体装置で形成し、素子基板103上に実装してもよい。
液晶表示装置200は、外光を利用する反射型の表示装置、または、別途、バックライトなどの照明部(図3(A)に図示していない。)を設けて、照明部からの光を利用する透過型の表示装置とすることができる。さらに、外光および照明部からの光を適宜利用する半透過型の表示装置とすることもできる。以下、本明細書では、液晶表示装置200は、透過型の表示装置として説明する。
図3(B)は、図3(A)のA−Bにおける断面図である。
液晶表示装置200は、照明部140と、照明部140上に第1の偏光部材142と、第1の偏光部材142上に液晶パネル144と、液晶パネル144上に第2の偏光部材146と、を有する。
液晶パネル144には、素子基板103と、素子基板103上にスイッチング素子として複数のTFTが設けられたTFT素子部148と、TFT素子部148上に設けられた液晶素子部150と、対向基板152と、を有する。さらに、素子基板103および対向基板152は、シール材料153を介して接着されている。
液晶素子部150は、画素電極154と、液晶156と、共通画素電極158と、により構成されている。画素電極154は、表示部102に配列される画素の数と同数で設けられ、画素電極154それぞれがTFT素子部148のTFTのそれぞれに電気的に接続される。共通画素電極158は、対向基板152に設けられている。
また、図3(B)には図示していないが、液晶表示装置200には、画素電極154と共通画素電極158との間の距離(セルギャップ)を一定に制御するためにスペーサが設けられている。スペーサとしては、ビーズスペーサや、絶縁層を選択的にエッチングすることで得られるスペーサ(ポストスペーサ)を用いることができる。
照明部140は、冷陰極蛍光ランプ(Cold Cathode Fluorescent Lamp:CCFL)、LED(Light Emitting Diode:LED)などの汎用されている直下型またはサイドエッジ型のバックライトとすることができる。
第1の偏光部材142および第2の偏光部材146は、液晶パネル144に入射する光および射出する光を偏光できればどのようなものでもよく、例えば、ポリビニルアルコールなどの高分子で構成されている偏光板や偏光フィルムを用いることができる。また、本実施の形態では、第2の偏光部材146は対向基板152の外側に設けられているが、第2の偏光部材146は対向基板152の内側に設けられていてもよい。
図3(B)には図示していないが、液晶表示装置200には、液晶パネル144に入射させる光の効率や輝度などを向上させるため、照明部140と第1の偏光部材142との間に、反射部材および拡散部材などを適宜設けてもよい。
また、液晶表示装置200は、白黒表示のみではなく、少なくとも一色のカラーフィルタによりカラー表示が可能である。また、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)を呈する材料から複数色のカラーフィルタを形成することで、フルカラー表示が可能となる。カラーフィルタは、液晶パネル144の外側または内側に設ければよい。例えば、カラーフィルタが対向基板152と共通画素電極158の間に設けられていてもよい。
赤色(R)、緑色(G)、青色(B)を呈する材料としては、有彩色の透光性樹脂があり、感光性または非感光性の有機樹脂を用いることができる。感光性の有機樹脂層を用いると使用するレジストマスクの数を削減することができ、工程を簡略化することができるため好ましい。有彩色は、黒、灰、白などの無彩色を除く色であり、カラーフィルタは、その着色された有彩色の光のみを透過する材料で形成される。さらに、有彩色としては、シアン、マゼンダ、イエロー(黄)などを用いてもよい。「着色された有彩色の光のみを透過する」とは、カラーフィルタにおいて透過する光は、その有彩色の光の波長にピークを有するということである。カラーフィルタは、含ませる着色材料の濃度と光の透過率の関係を考慮して、最適な厚さを適宜決めることができる。
また、液晶表示装置200にカラーフィルタを設けずに、照明部140として、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)を別々に発光させることができるバックライトを用いてもよい。
さらに、液晶パネル144の外側または内側に、ブラックマトリクスとして機能する遮光層を設けることができる。
次に、液晶パネル144について説明する。素子基板103および対向基板152としては、透光性を有するものが好ましく、バリウムホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、石英基板または液晶表示装置200およびTFT素子部148の作製工程の処理温度に耐えうる程度の耐熱性を有するプラスチック基板などを用いることができる。
TFT素子部148については後述するが、液晶表示装置200が有する受光部106の光電変換素子は、素子基板103上に設けられている。
画素電極154および共通画素電極158には、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、または酸化シリコンを添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する導電性材料を用いて形成される。
また、画素電極154および共通画素電極158は、導電性高分子(導電性ポリマーともいう)を含む導電性組成物を用いて形成することもできる。導電性組成物を用いて形成した画素電極は、シート抵抗が10000Ω/□以下、波長550nmにおける透光率が70%以上であることが好ましい。また、導電性組成物に含まれる導電性高分子の抵抗率が0.1Ω・cm以下であることが好ましい。
導電性高分子としては、いわゆるπ電子共役系導電性高分子を用いることができる。例えば、ポリアニリンまたはその誘導体、ポリピロールまたはその誘導体、ポリチオフェンまたはその誘導体、もしくはアニリン、ピロールおよびチオフェンから選択される2種以上の共重合体またはその誘導体などがある。
液晶156の光学的変調作用は、液晶156にかかる電界(横方向の電界、縦方向の電界または斜め方向の電界を含む)によって制御される。液晶素子部150の駆動モードは、1つに限定されず、適宜選択して用いることができる。例えば、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、MVA(Multi−domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCB(Optical Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モード、TBA(Transverse Bend Alignment)モードなどを用いることができる。
なお、液晶156と画素電極154、および液晶156と共通画素電極158との間には配向膜を設け、該配向膜にラビング工程を行うことで、液晶156が配向しやすくなる。
また、液晶156は、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を用いて形成してもよい。ブルー相は液晶相の1つであり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移する直前に発現する相である。ブルー相は、狭い温度範囲でしか発現しないため、温度範囲を改善するために、カイラル剤を混合させた液晶組成物を用いる。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が10μs〜100μsと短く、光学的に等方性であるため配向処理が不要であり、視野角依存性が小さい。
シール材料153は、液晶156を素子基板103と対向基板152との間に封止するために設けられている。シール材料153としては、代表的には可視光硬化性、紫外線硬化性または熱硬化性の樹脂を用いることが好ましい。代表的には、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、アミン樹脂などを用いることができる。また、光(代表的には紫外線)重合開始剤、熱硬化剤、フィラー、カップリング剤を含んでもよい。
次に、EL表示装置300について説明する。EL素子は、自発光型の発光素子であり、発光材料が有機化合物であるか、無機化合物であるかによって大別され、前者を有機EL素子、後者を無機EL素子と呼ぶことができる。表示部102には、どちらのEL素子も用いることができるが、以下、本明細書においてEL素子は、有機EL素子を例として説明する。
EL素子は、少なくとも一対の電極間に発光する有機化合物層が挟まれた素子である。該有機化合物層は通常、積層構造となっている。例としては、一対の電極間に正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層、または正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層を積層した構造である。また、発光層に対して蛍光性色素などをドーピングしても良い。EL素子が有する各層は、低分子系の材料を用いて形成してもよいし、高分子系の材料を用いて形成してもよい。
EL表示装置300のブロック図としては、液晶表示装置200と同様に図3(A)を用いることができる。図3(B)および図3(C)において、同じ機能を有する部材は、同じ符号を用いて説明する。
図3(C)は、EL表示装置300のブロック図におけるA−Bの断面図である。EL表示装置300は、素子基板103および対向基板152の間に、TFT素子部148と、発光素子部162と、充填材164とが設けられており、素子基板103および対向基板152は、シール材料153を介して接着されている。発光素子部162は、外気に曝されないように気密性が高く、脱ガスの少ない保護フィルム(貼り合わせフィルム、紫外線硬化樹脂フィルムなど)やカバー材でパッケージング(封入)することが好ましい。従って、EL表示装置300には充填材164が設けられていることが好ましい。
素子基板103、TFT素子部148、対向基板152およびシール材料153は、液晶表示装置200と同様である。
発光素子部162は、上記EL素子を有し、陽極または陰極として機能する画素電極154と共通画素電極158の間に、有機化合物層163が設けられている。有機化合物層163は、有機化合物の発光材料を含み、上記積層構造とすることができるが、これに限定されない。また、有機化合物層163から取り出す光の方向などに合わせて、発光素子部162の構成は適宜変えることができる。
隔壁166は、有機樹脂膜、または無機絶縁膜を用いて形成される。
発光素子部162に酸素、水素、水分、二酸化炭素などが侵入しないように、共通画素電極158および隔壁166上に酸化物絶縁膜を形成してもよい。酸化物絶縁膜としては、水分、水素イオン、または水酸化物イオンなどの不純物をブロックする無機絶縁膜を用いる。
また、充填材164としては窒素やアルゴンなどの不活性な気体の他に、紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂を用いることができ、PVC(ポリビニルクロライド)、アクリル、ポリイミド、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)またはEVA(エチレンビニルアセテート)を用いることができる。例えば、充填材164として窒素を用いればよい。
なお、発光素子部162の射出面に、反射部材または拡散部材などが適宜設けられていてもよい。
以上より、表示部102を有する表示装置100を作製することができる。なお、本実施の形態は、他の実施の形態と組み合わせることが可能である。
(実施の形態3)
本実施の形態では、表示装置100における表示部102の画素構成について説明する。表示部102にEL素子を用いた表示装置100の画素構成は、液晶表示装置200における液晶素子を上記発光素子とすればよいので、以下、表示部102の画素構成は、液晶表示装置200を例に説明する。
図4(A)は、液晶表示装置200の画素構成の一例を示した図である。
表示部102に含まれる素子基板103上に、画素401がマトリクス状に配列されている。画素401はスイッチング素子であるTFTを含み、該TFTは走査線403および信号線405と電気的に接続されている。走査線403は、走査線駆動回路107に電気的に接続されている。信号線405は、信号線駆動回路105に電気的に接続されている。
また、素子基板103上には、光電変換素子402が設けられている。光電変換素子402は、光エネルギーを電気エネルギーに変換(光電変換)できる素子を有すればよく、その材料および形態は特に限定されない。例えば、フォトダイオードもしくはフォトトランジスタ、またはCdSセル、CdSeセルもしくはPdSセルなど、汎用されているものを用いることができる。なお、フォトトランジスタの一例として、ゲート電極とドレイン電極が短絡された(ダイオード接続された)TFTを光電変換素子402に用いてもよい。
光電変換素子402は、リセット電位を入力するリセット線411、走査するためのセレクト電位を入力するセレクト線413、および光電変換により生じた電気信号を出力する読み出し線415と電気的に接続されている。
リセット線411は光電変換素子用リセット回路111と、セレクト線413は光電変換素子用走査回路113と、読み出し線415は光電変換素子用読み出し回路115と電気的に接続されている。
液晶表示装置200において、光ポインティング装置110から射出されるレーザ光の指示点が光電変換素子402上に存在すると、該レーザ光のエネルギーが電気信号(電気エネルギー)に光電変換され、該電気信号は、読み出し線415を介して光電変換素子用読み出し回路115に伝送される。また、光電変換素子用読み出し回路115には、伝送される電気信号の強度が低下することを考慮して増幅回路などを設けること好ましい。
光電変換素子402に照射される光ポインティング装置110からのレーザ光の指示点は、画素401より大きい。従って、設けられる光電変換素子402の数は、素子基板103上に配列される画素401と同数設ける必要はなく、画素401の数に対して少なくすることができる。さらに、レーザ光の指示点の形状および大きさ、並びに、光電変換素子402の電気特性を考慮して、素子基板103上に設ける光電変換素子402の数を決めることができる。なお、本実施の形態では、光電変換素子402を格子状に配置する形態としているが、光電変換素子402の配置は、これに限定されず、適宜、配置することができる。
図4(B)は、図4(A)における点線内の等価回路図である。
図4(B)において、走査線403とTFT421のゲート電極とが、信号線405とTFT421のソース電極とが電気的に接続されており、液晶素子425は、TFT421のドレイン電極と電気的に接続されている。
保持容量素子423には、対向する二の電極が設けられている。保持容量素子423の第1の電極は、TFT421のドレイン電極と、保持容量素子423の第2の電極は共通電位線417と電気的に接続されている。
光電変換素子402には、ダイオード接続されたTFT427、保持容量素子409、TFT429、およびTFT431が設けられている。
ダイオード接続されたTFT427は、ゲート電極とドレイン電極が短絡された電極およびソース電極を有し、ゲート電極とドレイン電極が短絡された電極は、リセット線411と電気的に接続されており、ダイオード接続されたTFT427のソース電極は、TFT429のゲート電極と電気的に接続されている。TFT429のソース電極は、電源電位を入力する電源電位線419と電気的に接続され、TFT429のドレイン電極は、TFT431のソース電極と電気的に接続されている。TFT431のゲート電極はセレクト線413と、TFT431のドレイン電極は読み出し線415と電気的に接続されている。
保持容量素子409には、対向する二の電極が設けられている。保持容量素子409の第1の電極はダイオード接続されたTFT427のソース電極およびTFT429のゲート電極と、保持容量素子409の第2の電極は共通電位線418と電気的に接続されている。
TFT421、ダイオード接続されたTFT427、TFT429、TFT431は、トランジスタの構造は特に限定されず、例えばトップゲート構造、またはボトムゲート構造を用いることができる。さらに、チャネル形成領域が1つ形成されるシングルゲート構造でも、直列に2つ形成されるダブルゲート構造もしくは直列に3つ形成されるトリプルゲート構造であってもよい。そして、チャネル領域の上下にゲート絶縁膜を介して配置された2つのゲート電極を有する、デュアルゲート構造でもよい。
TFT421、ダイオード接続されたTFT427、TFT429およびTFT431において、チャネル形成領域に用いる半導体は、特に限定されない。例えば、チャネル形成領域には、非晶質半導体または複数の結晶領域を有する半導体を用いることができるが、以下の理由により、複数の結晶領域を有する半導体を用いることが好ましい。
また、非晶質半導体をチャネル形成領域に用いずに、複数の結晶領域を有する半導体、例えば、微結晶半導体を用いることで、それぞれのTFTにおいてオン電流を向上させることができる。微結晶半導体の詳細は後述するが、例えば、TFT421において、微結晶半導体をチャネル形成領域に用いることで、TFT421のサイズを小さくすることができるため、画素の開口率を向上させることができる。さらに、微結晶半導体をチャネル形成領域に用いたTFT429およびTFT431では、オン電流が大きいため、それぞれのTFTで生成される電気信号の伝送を容易にすることができる。さらに、これらのTFTは、プラスゲートバイアスおよび熱ストレスに対する信頼性が良好であり、劣化の小さいTFTであるため、液晶表示装置200の信頼性を向上させることができる。
さらに、微結晶半導体を用いて、光電変換素子402に用いるTFTのオン電流を向上させることによって、それぞれのTFTで生じる電気信号の伝送を容易にすることから、オン電流を向上させることができるデュアルゲート構造のTFTは、光電変換素子402に用いるTFTとして好適である。
また、TFT421、ダイオード接続されたTFT427、TFT429およびTFT431は、同一の基板(素子基板103)上に形成されることにより、部材コストの低減および生産性の向上が見込める。
なお、保持容量素子423および保持容量素子409は、互いに異なる共通電位線に接続させてもよいし、同じ共通電位線に接続させてもよい。同じ共通電位線に接続させることで、共通電位線の本数を減らすことができ、画素の開口率を向上させることができる。
ここで、光ポインティング装置110から射出されるレーザ光の指示点を検出する方法について、図4(B)および図5に示すタイミングチャートを参照して説明する。なお、TFT429とTFT431の間の電位(図4(B)に示した点Pの電位に相当する。)が、TFT431のゲート電極の電位以上となるように、リセット線411の電位(ダイオード接続されたTFT427のゲート電極とドレイン電極が短絡された電極の電位)は、充分に高いことを前提とする。
リセット線411の電位(リセット電位)がHigh電位になると、保持容量素子409に電荷が蓄積され、保持容量素子409の第1の電極の電位は、リセット電位とダイオード接続されたTFT427の閾値電圧の差分に相当する電位になる。ここでは、リセット電位とダイオード接続されたTFT427の閾値電圧との差分に相当する電位は、High電位になるものとする。つまり、リセット線411の電位(リセット電位)がHigh電位になると、保持容量素子409の第1の電極の電位は、High電位となる。
そして、保持容量素子409と電気的に接続されたTFT429のゲート電極の電位は、保持容量素子409の第1の電極の電位と同電位であるからHigh電位となる。なお、本明細書では、保持容量素子409の第1の電極の電位がリセット電位と同電位になる期間を充電期間と記載する。該充電期間が経過した後に、セレクト線413と電気的に接続されたTFT431のゲート電極の電位(セレクト電位)がHigh電位となる。つまり、液晶表示装置200は、該充電期間およびセレクト電位がHigh電位となる期間を単位周期とし、該単位周期が連続して入力されている。
次に、図5のタイミングチャートに示したように、該充電期間後にセレクト電位がHigh電位となる期間において、ダイオード接続されたTFT427にレーザ光の照射がない場合、TFT429のゲート電極の電位はHigh電位であるため、High電位となるセレクト電位とTFT431の閾値電圧の差分に相当する電位が、読み出し電位(Vout)として、光電変換素子用読み出し回路115に出力される。ここでは、ダイオード接続されたTFT427にレーザ光の照射がない場合に、出力される読み出し電位(Vout)はHigh電位になるものとする。
しかし、充電期間が経過した後に、ダイオード接続されたTFT427にレーザ光の照射がある場合、保持容量素子409に蓄積された電荷が、リセット電位の入力方向とは反対方向に放出されるため、ダイオード接続されたTFT427には逆飽和電流が生じる。それゆえ、保持容量素子409の第1の電極の電位は低くなり、一定の期間が経過した後にはLow電位となる。そして、一定の期間が経過した後に、TFT429のゲート電極の電位もLow電位となる。
従って、該充電期間後にセレクト電位がHigh電位となる期間において、ダイオード接続されたTFT427にレーザ光の照射がある場合、ダイオード接続されたTFT427にレーザ光の照射がない場合の読み出し電位(Vout)より低い電位が、読み出し電位(Vout)として、光電変換素子用読み出し回路115に出力される。ここでは、ダイオード接続されたTFT427にレーザ光の照射がある場合に、出力される読み出し電位(Vout)はLow電位になるものとする。
以上より、液晶表示装置200は、ダイオード接続されたTFT427にレーザ光の照射有無を読み出し電位(Vout)により判断する。つまり、液晶表示装置200は、読み出し電位(Vout)が、High電位またはLow電位のどちらかであることを判断することで、ダイオード接続されたTFT427へのレーザ光の照射の有無を判断する。そして、レーザ光の照射がある場合は、その照射された位置をレーザ光の指示点として検出する。
また、液晶表示装置200は、読み出し電位(Vout)の違いによって、レーザ光の指示点として検出した後、該指示点の検出をもとに生成された電気信号が、液晶表示装置200の情報処理部108に伝送され、情報処理部108で生成された画像情報を操作する情報が、駆動部104から表示部102に伝送される。
上記のように静止したレーザ光の指示点の位置だけではなく、読み出し電位の連続的な変化に対応して、レーザ光の指示点の位置の連続的な変化を検出することができる。
なお、特定の色の光だけを検出させるようにするには、ダイオード接続されたTFT427に、該特定の色のカラーフィルタを重畳させればよい。例えば、赤の光だけを検出させる場合は、ダイオード接続されたTFT427に赤のカラーフィルタを重畳させればよい。
また、図4(B)では、受光部106の光電変換素子402が1つのダイオード接続されたTFT427を有する形態を示したが、光電変換素子および保持容量素子を2つずつ設けて、一方の光電変換素子をカラーフィルタまたは遮光層で覆い、もう一方の光電変換素子にレーザ光が照射される形態とすることもできる。その場合、双方の光電変換素子に接続される保持容量素子の電位が読み出し電位となり、該読み出し電位の差で、レーザ光の照射の有無を判断し、レーザ光の指示点の位置を検出する。
なお、図4(B)では、保持容量素子409を設ける形態を示したが、ダイオード接続されたTFT427が有する容量で、読み出し電位がHigh電位またはLow電位であることを判断できる場合には、保持容量素子409を設けなくてもよい。
図6および図12は、図4(B)に示した等価回路図に相当する領域を含む液晶表示装置200の一画素の上面図である。また、図6および図12には、図3(B)に示したTFT素子部148および画素電極154のみを図示する。
上記したように、TFT421、ダイオード接続されたTFT427、TFT429およびTFT431の構造は特に限定されない。図6では、全てのTFTが、シングルゲート構造且つボトムゲート構造である形態を一例として示している。図12では、全てのTFTが、デュアルゲート構造である形態を一例として示している。さらに、一例として、ダイオード接続されたTFT427はシングルゲート構造且つボトムゲート構造として、他のTFT421、TFT429およびTFT431はデュアルゲート構造としてもよい。
図6において、画素電極154を駆動するTFT421は、図中左上の角に配置されている。図中上下方向に設けられた信号線405は、複数設けられており、互いに平行且つ離間した状態で配置されている。信号線405に略直交する方向(図中左右方向)に設けられた走査線403も複数設けられており、互いに平行且つ離間するように配置されている。信号線405は、信号線駆動回路105(図4(A)参照)に接続されており、走査線403は走査線駆動回路107(図4(A)参照)に接続されている。
また、図6の二点鎖線で囲まれた保持容量素子423を構成する容量配線435は、走査線403に隣接する位置に配置されており、走査線403と略平行に設けられている。なお、容量配線435は、図4(B)に示した共通電位線417を兼ねている。
画素電極154は、保持容量素子423の容量配線435と対向する導電膜と電気的に接続されている。なお、該導電膜はTFT421のドレイン電極を含む。
リセット線411は、走査線403と略平行に設けられている。なお、リセット線411は、TFT427のゲート電極を含む。さらに、TFT427は、ダイオード接続されたTFTであるから、図6に示したようにTFT427のドレイン電極が、TFT427のゲート電極を含むリセット線411と電気的に接続されている。
図6の二点鎖線で囲まれた保持容量素子409を構成する容量配線437は、リセット線411に隣接する位置に配置されており、リセット線411と略平行に設けられている。なお、容量配線437は、図4(B)に示した共通電位線418を兼ねている。
電源電位線419は、信号線405と略平行に伸長した状態で配置されている。なお、電源電位線419は、TFT429のソース電極を含む。さらに、TFT429のゲート電極は、保持容量素子423を形成して容量配線437と対向する導電膜と、電気的に接続されている。
セレクト線413は、リセット線411と同様に、走査線403と略平行に延伸した状態で配置されている。なお、セレクト線413は、TFT431のゲート電極を含む。TFT431のソース電極は、TFT429のドレイン電極となる導電膜によって構成されている。つまり、図4(B)に示したようにTFT429およびTFT431は、直列に接続されている。また、読み出し線415は、電源電位線419と同様に、信号線405と略平行に伸長した状態で配置される。TFT431のドレイン電極は、セレクト線413と同一の層に設けられた導電膜439を介して、読み出し線415と電気的に接続されている。
なお、図6において、同じハッチパターンで示された領域は、全て同一の層に形成されている。例えば、走査線403、容量配線435、リセット線411、容量配線437、セレクト線413、および導電膜439はすべて同一の層であり、すべて同じ材料を用いて同じ工程で形成することができる。
また、TFT421、保持容量素子423、ダイオード接続されたTFT427、保持容量素子409、TFT429、およびTFT431の配置は、図6に示した配置に限定されず、本実施の形態で説明した等価回路図(図4(B)参照)をもとに適宜、決めることができる。
図7(A)は、図6のC−Dにおける断面図である。図7(B)は、図6のE−F間における断面図である。また、図6のC−DおよびE−F上に記してある波線箇所は、図7(A)および図7(B)の断面図において省略されている箇所である。
TFT421は、素子基板103上に形成され、ゲート電極701、ゲート絶縁膜702、半導体層708、ソース電極705aおよびドレイン電極705bを含む。そして、TFT421は、ソース電極705a、ドレイン電極705bおよび半導体層708を覆う絶縁膜707が設けられている。なお、素子基板103は、絶縁表面を有する。さらに、走査線403を形成することで、ゲート電極701が形成される。
点線で示した保持容量素子423は、上記したように容量配線435とTFT421のドレイン電極705bを含む導電膜の間に誘電体としてゲート絶縁膜702が積層されている。容量配線435は、ゲート電極701と同一の層であり、同じ工程で形成される。
図7(B)において、ダイオード接続されたTFT427は、TFT421と同じシングルゲートおよびボトムゲート構造のTFTである。従って、図7(B)の点線428で囲まれた箇所は、TFT421と同一の断面構造である。さらに、ダイオード接続されたTFT427は、ドレイン電極721とリセット線411が、開口部725にて短絡されている。
点線で示した保持容量素子409は、上記したように容量配線437とダイオード接続されたTFT427のソース電極723を含む導電膜との間に、誘電体としてゲート絶縁膜702が積層されている。
また、TFT427およびTFT431においても、TFT421と同じ断面構造である。さらに、図6に対応して、TFT427はTFT431と、TFT431は上記した導電膜439および読み出し線415と電気的に接続されている。
図7(A)および図7(B)において、素子基板103上に設けられたTFT421および保持容量素子423の上に層間絶縁膜713が設けられている。層間絶縁膜713の形成法は、特に限定されず、その材料に応じて、CVD(Chemical Vaper Deposition)法、スパッタリング法、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、液滴吐出法(インクジェット法など)、印刷法(スクリーン印刷、オフセット印刷など)、ロールコート、カーテンコート、ナイフコートなどを用いることができる。
層間絶縁膜713は、フォトリソグラフィおよびエッチングで所望の形状に開口されており、開口部において画素電極154はドレイン電極705bと電気的に接続されている。また、対向基板152には、共通画素電極158が設けられている。画素電極154および共通画素電極158は、実施の形態2で説明したものを用いて、CVD法やスパッタリング法などを用いて形成することができる。
層間絶縁膜713で、平坦性を高めるとその上に形成される画素電極154などの被覆性もよく、かつ液晶156のギャップ(膜厚)を均一にすることができるため、より液晶表示装置200の視認性を向上させ、高画質化が可能になる。
液晶表示装置200をカラー表示させる方法としては、カラーフィルタを用いる方法や、フィールドシーケンシャル方式を用いることができる。これらについては、実施の形態2で説明したので、ここでは省略する。
液晶156は、素子基板103と対向基板152との間に挟持されている。液晶156は、実施の形態2で説明したものを用いることができる。液晶156を形成する方法として、ディスペンサ法(滴下法)や、素子基板103と対向基板152とを貼り合わせてから毛細管現象などを用いて液晶を注入する方法を用いることができる。また、液晶156は、配向膜を用いてラビング工程を行うことにより、配向させやすくなる。
画素電極154と共通画素電極158との間の距離(セルギャップ)を一定に保持するためにスペーサ715が設けられていている。ここでは、ビーズスペーサを用いているが、絶縁層を選択的にエッチングすることで得られるスペーサ(ポストスペーサ)を用いてもよい。液晶156を用いる液晶表示装置において、セルギャップは1μm以上20μm以下とすることが好ましい。なお、本明細書においてセルギャップとは、素子基板103と対向基板152との間で挟持されている液晶領域の縦方向の長さの最大値とする。
図6および図7に示した画素電極154および共通画素電極158は、液晶156を介して重畳している。しかし、画素電極154および共通画素電極158の構成は、これに限らない。特に、液晶156にブルー相を示す液晶を用いる場合は、図15および図17に示したように、画素電極154は、共通画素電極158と重畳せず、同一の層で互い違いに設ける構成がよい。画素電極154および共通画素電極158を該構成とすることで、素子基板103および対向基板152の表面に略平行な方向の電界によってブルー相を示す液晶の光学的変調作用を誘起させて、光の透過または非透過を制御することができる。つまり、液晶表示装置200にブルー相を示す液晶を用いる場合は、IPSモードまたはFSSモードに代表される駆動モードとすることが好ましい。
図17は、図15のX−Y間の断面図である。開口部731は、画素電極154と共通画素電極158との間に設けられるゲート絶縁膜702、絶縁膜707、および層間絶縁膜713が選択的に除去されて形成されている。開口部731には、液晶156が充填されている。なお、本実施の形態では開口部731は、素子基板103に達している例を示しているが、これに限定されない。
画素電極154および共通画素電極158の形状は、図15に示した枝分かれした櫛歯状だけではなく、図16に示した屈曲部を含む形状であってもよい。なお、図16において、X−Y間の断面図は、図17と同じである。
なお、図15乃至図17では、画素電極154および共通画素電極158は、同一の層に形成されているが、これに限らず、上記形状の共通画素電極158を、対向基板152に形成してもよい。さらに、画素電極154および共通画素電極158に絶縁物からなる突起物を設けてもよい。
また、画素電極154および共通画素電極158の形状を、図15乃至図17に示した形状とする場合は、実施の形態2で説明した透光性を有する導電性材料の他に、チタン、モリブデン、アルミニウム、銅、タングステンもしくはタンタルなどの金属膜、または該金属膜からなる合金または積層体を用いることができる。
素子基板103の外側(液晶156と反対側)には第1の偏光部材142および照明部140を、対向基板152の外側(液晶156と反対側)に第2の偏光部材146が設けられる(図3参照)。また、第1の偏光部材142および第2の偏光部材146の他、位相差板(位相差フィルムも含む)、反射防止板(反射防止フィルムも含む)などの光学フィルムなどをさらに設けてもよい。例えば、偏光板および位相差板による円偏光を用いてもよい(図3参照)。
図12の上面図は、図6の上面図におけるTFT421、ダイオード接続されたTFT427、TFT429およびTFT431のそれぞれにバックゲート電極450、452、454、456を有している形態を示す。
TFT421は、開口された走査線403とバックゲート電極450が電気的に接続されている。ダイオード接続されたTFT427は、開口されたリセット線411とバックゲート電極452が電気的に接続されている。TFT429は、開口されたTFT429のゲート電極とバックゲート電極454が電気的に接続されている。TFT431は、開口されたセレクト線413とバックゲート電極456が電気的に接続されている。なお、バックゲート電極450、452、454、456は、それぞれ独立に引き回す構成としてもよく、さらに、それぞれのTFTのソース電極およびドレイン電極と重畳する構成としてもよい。
図12におけるC−DおよびE−Fの断面図を、図13に示す。図13の断面図は、図7の断面図と比較して、TFT421およびダイオード接続されたTFT427に、それぞれバックゲート電極450およびバックゲート電極452が設けられている。このように、デュアルゲート構造とすることで、閾値電圧の制御が可能で、オン電流を向上させることができる。
また、図12および図13における他の構成は、図6および図7と同様である。
次に、同一の基板上に同一の工程で形成される、実施の形態1の光電変換素子と、表示装置の画素トランジスタの作製方法について説明する。本実施の形態において、TFT421、ダイオード接続されたTFT427、TFT429およびTFT431はすべて同じ構造のTFTであるため、ここでは、TFT421およびダイオード接続されたTFT427を例に説明する。なお、以下の説明において、上記にて付した符号と同一のもの(層又は膜)については、同一の符号を付する。
まず、基板801上にゲート電極701を形成し、ゲート電極701を覆ってゲート絶縁膜702を形成する(図8(A)参照)。なお、本実施の形態では基板801は、素子基板103に相当する。
基板801は、絶縁性基板である。基板801として、例えば、ガラス基板または石英基板を用いることができる。本実施の形態においては、ガラス基板を用いる。基板801がマザーガラスである場合には、第1世代(例えば、320mm×400mm)〜第10世代(例えば、2950mm×3400mm)のものを用いればよいが、これに限定されるものではない。
ゲート電極701は、例えば、導電膜(例えば金属膜、または一導電型の不純物元素が添加された半導体膜など)を形成し、該導電膜上にレジストマスクを形成し、該レジストマスクを用いてエッチングを行うことで形成すればよい。または、インクジェット法などを用いて形成してもよい。なお、ゲート電極701となる導電膜は、単層で形成してもよいし、複数の層を積層して形成してもよい。ここでは、例えば、Ti層によりAl層を挟持した3層の積層構造とする。なお、ゲート電極701は、少なくとも走査線403を構成する。
ゲート絶縁膜702は、絶縁性材料(例えば、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化窒化シリコンまたは酸化シリコンなど)により形成すればよい。なお、ゲート絶縁膜702は、単層で形成してもよいし、複数の層を積層して形成してもよい。ここでは、例えば、窒化シリコン層上に酸化窒化シリコン層が積層された2層の積層構造とする。
なお、「窒化酸化シリコン」とは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多いものであって、好ましくは、ラザフォード後方散乱法(RBS:Rutherford Backscattering Spectrometry)および水素前方散乱法(HFS:Hydrogen Forward Scattering)を用いて測定した場合に、組成範囲として酸素が5〜30原子%、窒素が20〜55原子%、シリコンが25〜35原子%、水素が10〜30原子%の範囲で含まれるものをいう。
なお、「酸化窒化シリコン」とは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多いものであって、好ましくは、RBSおよびHFSを用いて測定した場合に、組成範囲として酸素が50〜70原子%、窒素が0.5〜15原子%、シリコンが25〜35原子%、水素が0.1〜10原子%の範囲で含まれるものをいう。
ただし、酸化窒化シリコンまたは窒化酸化シリコンを構成する原子の合計を100原子%としたとき、窒素、酸素、シリコンおよび水素の含有比率が上記の範囲内に含まれるものとする。
次に、ゲート絶縁膜702上に第1の半導体膜805と、第2の半導体膜807と、不純物半導体膜809と、を形成する(図8(B)参照)。
第1の半導体膜805は、キャリア移動度の高い半導体材料により形成するとよい。キャリア移動度の高い半導体材料として、例えば、複数の結晶領域を有する半導体が挙げられる。例えば、上記したように微結晶半導体または多結晶半導体が挙げられる。しかし、多結晶シリコンに代表される多結晶半導体は、その作製工程としてレーザアニール技術が必要とされるが、該レーザアニール技術はレーザビームの照射面積が小さく、生産性に乏しい。それゆえ、大型表示装置に用いる半導体材料としては適しておらず、本明細書で開示する表示装置に用いる半導体材料としても好適とはいえない。そこで、多結晶半導体よりも生産性が高いとされる微結晶半導体を半導体材料として用いることで、生産性の向上を図ることができる。微結晶半導体とは、非晶質と結晶構造(単結晶、多結晶を含む)の中間的な構造の半導体をいう。
微結晶半導体は、自由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半導体であって、短距離秩序を持ち格子歪みを有する結晶質な半導体であり、結晶粒径が2nm以上200nm以下、好ましくは10nm以上80nm以下、より好ましくは、20nm以上50nm以下の柱状または針状の結晶粒が基板表面に対して法線方向に成長している半導体である。このため、柱状または針状の結晶粒の界面には、粒界が形成されることもある。なお、ここでの結晶粒径は、基板表面に対して平行な面における結晶粒の最大直径をいう。また、結晶粒は、非晶質半導体領域と、単結晶とみなせる微小結晶である結晶子を有する。また、結晶粒は双晶を有する場合もある。
微結晶半導体の一である微結晶シリコンでは、そのラマンスペクトルのピークが単結晶シリコンを示す520cm−1よりも低波数側にシフトしている。すなわち、単結晶シリコンを示す520cm−1とアモルファスシリコンを示す480cm−1の間に微結晶シリコンのラマンスペクトルのピークがある。また、未結合手(ダングリングボンド)を終端するため水素またはハロゲンを少なくとも1原子%またはそれ以上含ませている。さらに、He、Ar、Kr、またはNeなどの希ガス元素を含ませて格子歪みをさらに助長させることで、安定性が増し良好な微結晶半導体が得られる。
また、微結晶シリコンは、非晶質シリコンと同様の方法で作製でき、さらに、その導電性から、TFT421、ダイオード接続されたTFT427、TFT429およびTFT431に用いることで、そのオン電流を向上させることができる。さらに、ダイオード接続されたTFT427に微結晶シリコンを用いることで、蛍光灯のなどの外光に対して光感度が弱いため、蛍光灯のなどの外光の影響を受けにくくすることができる。そして、微結晶シリコンを用いたTFTは、プラスゲートバイアスおよび熱ストレスに対する信頼性が良好であり、劣化の小さいTFTとすることができる。従って、微結晶シリコンを用いたTFTを液晶表示装置200に用いることで、信頼性の高い表示装置とすることができる。
また、第1の半導体膜805に含まれる酸素および窒素の濃度(二次イオン質量分析法による測定値)を、1×1018cm−3未満とすると、第1の半導体膜805の結晶性を高めることができる。
第2の半導体膜807は、バッファ層として機能するためキャリア移動度の低い半導体材料により形成するとよく、好ましくは、非晶質半導体と微小半導体結晶粒を有し、従来の非晶質半導体と比較して、一定光電流法(CPM:Constant Photocurrent Method)やフォトルミネッセンス分光測定で測定されるUrbach端のエネルギーが小さく、欠陥吸収スペクトル量が少ない半導体膜である。すなわち、このような半導体膜は、従来の非晶質半導体膜と比較して欠陥が少なく、価電子帯のバンド端(移動度端)における準位のテイル(裾)の傾きが急峻である秩序性の高い半導体膜である。なお、本明細書において、このような半導体層を「非晶質半導体を含む膜」または「非晶質半導体を含む層」と記載することとする。
第2の半導体膜807は、「非晶質半導体を含む膜」、ハロゲンを含有する「非晶質半導体を含む膜」、または窒素を含有する「非晶質半導体を含む膜」、最も好ましくはNH基もしくはNH2基を含有する「非晶質半導体を含む膜」とするとよい。ただし、これらに限定されない。
第1の半導体膜805と第2の半導体膜807の界面領域は、微結晶半導体領域、および当該微結晶半導体領域の間に充填される非晶質半導体領域を有する。具体的には、第1の半導体膜805から錐形状に伸びた微結晶半導体領域と、第2の半導体膜807と同様の「非晶質半導体を含む膜」と、で構成される。
第2の半導体膜807を、例えば、「非晶質半導体を含む膜」、ハロゲンを含有する「非晶質半導体を含む膜」、または窒素を含有する「非晶質半導体を含む膜」、またはNH基もしくはNH2基を含有する「非晶質半導体を含む膜」とすると、トランジスタのオフ電流を低減することができる。また、上記の界面領域において、錐形状の微結晶半導体領域を有するため、縦方向(膜厚方向)の抵抗、すなわち、第2の半導体膜807と、不純物半導体膜809により構成されるソース領域またはドレイン領域と、の間の抵抗を低くすることができ、TFTのオン電流を高めることができる。
上記の微結晶半導体領域は、ゲート絶縁膜702から第2の半導体膜807に向かって先端が細くなる錐形状の結晶粒により大部分が構成されているとよい。または、ゲート絶縁膜702から第2の半導体膜807に向かって幅が広がる結晶粒により大部分が構成されていてもよい。
なお、上記の界面領域は、窒素、特にNH基もしくはNH2基を含有することが好ましい。これは、微結晶半導体領域に含まれる結晶の界面、微結晶半導体領域と非晶質半導体領域の界面において、窒素、特にNH基もしくはNH2基がシリコン原子のダングリングボンドと結合すると、欠陥を低減させ、キャリアが流れやすくなるためである。このため、窒素、好ましくはNH基もしくはNH2基を1×1020cm−3乃至1×1021cm−3とすることで、シリコン原子のダングリングボンドを窒素、好ましくはNH基もしくはNH2基で架橋しやすくなり、キャリアが流れやすくなる。この結果、結晶粒界や欠陥におけるキャリアの移動を促進する結合ができ、上記の界面領域のキャリア移動度が向上する。そのため、TFTの電界効果移動度が向上する。
なお、上記の界面領域の酸素濃度を低減させることにより、微結晶半導体領域と非晶質半導体領域の界面または結晶粒間の界面における欠陥を低減させ、キャリアの移動を阻害する結合を低減させることができる。
ここで、ゲート絶縁膜702の界面から第2の半導体膜807の段差部の先端までの距離を5nm以上150nm以下、好ましくは30nm以上80nm以下とすることで、TFTのオン電流を効果的に向上させることができる。
不純物半導体膜809は、一導電型を付与する不純物元素を添加した半導体により形成する。TFTがn型である場合には、一導電型を付与する不純物元素を添加した半導体として、例えば、リン(P)または砒素(As)を添加したシリコンが挙げられる。なお、不純物半導体膜809は非晶質半導体により形成してもよいし、微結晶半導体などの結晶性半導体により形成してもよい。
不純物半導体膜809を非晶質半導体により形成する場合には、堆積性ガスの流量に対する希釈ガスの流量を1倍以上10倍以下、好ましくは1倍以上5倍以下とすればよい。不純物半導体膜809を結晶性半導体により形成する場合には、堆積性ガスの流量に対する希釈ガスの流量を10倍以上2000倍以下、好ましくは50倍以上200倍以下とすればよい。
次に、不純物半導体膜809上にレジストマスクを形成し、該レジストマスクを用いて第1の半導体膜805と、第2の半導体膜807と、不純物半導体膜809と、をエッチングすることで、薄膜積層体811を形成し、ゲート絶縁膜702および薄膜積層体811上に導電膜813を形成する(図8(C)参照)。
なお、ダイオード接続されたTFT427は、導電膜813を形成する前に、レジストマスクを用いてエッチングを行い、ゲート絶縁膜702を開口した後に、導電膜813を形成することで、作製できる。(図7(B)参照)。さらに、本工程を行うことで、TFT431は、導電膜439を介して読み出し線415と電気的に接続させることができる(図6参照)。保持容量素子409およびTFT429を電気的に接続させることができる(図6参照)。
導電膜813は、ゲート電極701と同様に、導電性材料(例えば金属、または一導電型の不純物元素が添加された半導体など)により形成すればよい。なお、導電膜813は、単層で形成してもよいし、複数の層を積層して形成してもよい。ここでは、例えば、Ti層によりAl層を挟持した3層の積層構造として形成する。
なお、ここで、薄膜積層体811の側壁に対して絶縁化処理を行うことが好ましい。なぜなら、完成したTFTの第1の半導体膜805からなる領域と導電膜813が接するとオフ電流が増大してしまうためである。ここで絶縁化処理としては、薄膜積層体811の側壁を酸素プラズマもしくは窒素プラズマに曝す処理、または薄膜積層体811の側壁が露出された状態で絶縁膜を形成し、該絶縁膜を異方性の高いエッチング方法により基板801の表面に垂直な方向にエッチングを行うことで薄膜積層体811の側壁に接してサイドウォール絶縁層を形成する処理が挙げられる。
次に、導電膜813上にレジストマスクを形成し、該レジストマスクを用いて導電膜813をエッチングすることで、ソース電極705aおよびドレイン電極705bを形成する。更には、当該工程で、薄膜積層体811の上部をもエッチングして、半導体層708を形成してもよい。または、当該レジストマスクを除去した後に、第2の導電層112をマスクとして用いてエッチングを行うことで半導体層708を形成してもよい。その後、これらを覆って絶縁膜707を形成する(図8(D)参照)。なお、ソース電極705aおよびドレイン電極705bは、少なくとも信号線405を構成する。
なお、TFT421、ダイオード接続されたTFT427、TFT429およびTFT431をデュアルゲート構造のTFTとする際は、ゲート電極701と同様に、導電性材料(例えば金属、または一導電型の不純物元素が添加された半導体など)を用いて、絶縁膜707上にバックゲート電極を形成すればよい(図14参照)。しかし、ダイオード接続されたTFT427だけは、光電変換素子として機能するため、透光性を有する導電性材料で形成する必要がある。なお、透光性を有する導電性材料としては、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、または酸化シリコンを添加したインジウム錫酸化物などが挙げられる。
以上より、本発明の一態様である表示装置を作製することができる。なお、本実施の形態は他の実施の形態に適用することが可能である。
本実施例では、本発明の一態様である表示装置の画素に含まれるTFTの電気特性、および該TFTを用いた光電変換素子の電気特性について説明する。
はじめに、上記TFTの作製工程について図8および図14を参照して説明する。
まず、基板801上に、下地絶縁膜(ここでは図示しない。)を形成し、下地絶縁膜上にゲート電極701を形成した。
ここでは、基板801として、ガラス基板(コーニング製EAGLE XG)を用いた。
ゲート電極701は、アルミニウム層をチタン層により挟持した構造とした。具体的には、まず、チタンターゲットおよびアルゴンイオン用いたスパッタリング法により、厚さ50nmの第1のチタン膜を下地絶縁膜上に形成した。このとき、導入するアルゴンの流量は20sccmとし、処理室内の圧力は0.1Pa、印加する電力は12kW、温度は室温とした。そして、その上にアルミニウムターゲットおよびアルゴンイオンを用いたスパッタリング法により、厚さ100nmのアルミニウム膜を形成した。このとき、導入するアルゴンの流量は50sccmとし、処理室内の圧力は0.4Pa、印加する電力は4kW、温度は室温とした。そして、その上にチタンターゲットおよびアルゴンイオンを用いたスパッタリング法により、厚さ50nmの第2のチタン膜を形成した。第2のチタン膜は第1のチタン膜と同様の方法で形成した。つまり、導入するアルゴンの流量は20sccmとし、処理室内の圧力は0.1Pa、印加する電力は12kW、温度は室温とした。
次に、チタン膜上にレジストを塗布し、第1のフォトマスクを用いて露光した後、現像してレジストマスクを形成し、当該レジストマスクを用いてエッチングして、ゲート電極701を形成した。ここでは、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)装置を用いて2段階のエッチングを行った。すなわち、ICPパワー600W、バイアスパワー250W、エッチングガスとして三塩化ホウ素を流量60sccmで導入し、塩素を流量20sccmで導入して、処理室内の圧力を1.2Paとし、第1のエッチングを行った後、ICPパワー500W、バイアスパワー50W、圧力2.0Pa、エッチングガスとして四フッ化炭素を流量80sccmで導入して処理室内の圧力を2.0Paとし、第2のエッチングを行った。その後、当該レジストマスクを除去した。
次に、ゲート電極701および下地絶縁膜上に、ゲート絶縁膜702を形成した後、ゲート絶縁膜702にプラズマ処理を行った。
本実施例では、ゲート絶縁膜702として、厚さ300nmの窒化シリコン膜をプラズマCVD法によって堆積させて形成した後、プラズマ処理を行った。窒化シリコン膜の堆積は、シランの流量を15sccm、水素の流量を200sccm、窒素の流量を180sccm、アンモニアの流量を500sccmとして原料ガスを導入して安定させ、処理室内の圧力を100Pa、RF電源周波数を13.56MHz、RF電源の電力を200Wとしてプラズマ放電を行った。なお、ゲート絶縁膜702の堆積は、平行平板型のプラズマ処理装置を用いて行い、上部電極温度を250℃、下部電極温度を290℃とし、上部電極と下部電極との間隔(ギャップ)を30mmとした。
形成した窒化シリコン膜へのプラズマ処理は、一酸化二窒素の流量を400sccmとして処理室内に導入し、処理室内の圧力を60Paとして安定させ、電力を300Wとして3分間のプラズマ放電を行った。なお、上記プラズマ処理は、平行平板型のプラズマ処理装置を用いて行い、上部電極温度を250℃、下部電極温度を290℃とし、上部電極と下部電極との間隔を30mmとした。
ここまでの工程で得られた構成を図8(A)に示す。
次に、第1の半導体膜805を形成する前に、厚さ5nmの種結晶をゲート絶縁膜702上に、プラズマCVD法で形成した。種結晶の堆積は、シランの流量を6sccm、水素の流量を750sccm、アルゴンの流量を750sccmとして原料ガスを導入して安定させ、処理室内の圧力を532Pa、RF電源周波数を13.56MHz、RF電源の電力を250Wとしてプラズマ放電を行った。なお、種結晶の堆積は、平行平板型のプラズマ処理装置を用いて行い、上部電極の温度を250℃、下部電極の温度を290℃とし、上部電極と下部電極との間隔を15mmとした。
次いで、ゲート絶縁膜702および種結晶の上に、厚さ65nmの第1の半導体膜805をプラズマCVD法にて形成した。第1の半導体膜805の堆積は、シランの流量を1.8sccm、水素の流量を750sccm、アルゴンの流量を750sccmとして原料ガスを導入して安定させ、処理室内の圧力を5000Pa、RF電源周波数を13.56MHz、RF電源の電力を125Wとしてプラズマ放電を行った。なお、第1の半導体膜805の堆積は、平行平板型のプラズマ処理装置を用いて行い、上部電極の温度を250℃、下部電極の温度を290℃とし、上部電極と下部電極との間隔を7mmとした。
次に、第1の半導体膜805上に厚さ80nmの第2の半導体膜807を形成し、第2の半導体膜807上に厚さ50nmの不純物半導体膜809を形成した。第2の半導体膜807および不純物半導体膜809は、プラズマCVD法によって堆積させて形成した。
第2の半導体膜807の堆積は、シランの流量を20sccm、1000ppmアンモニア(水素希釈)の流量を50sccm、水素の流量を700sccm、アルゴンの流量を750sccmとして材料ガスを導入して安定させ、処理室内の圧力を350Paとし、RF電源周波数を13.56MHz、RF電源の電力を60Wとしてプラズマ放電を行った。なお、第2の半導体膜807の堆積は、平行平板型のプラズマ処理装置を用いて行い、上部電極温度を250℃、下部電極温度を290℃とし、上部電極と下部電極との間隔を25mmとした。
また、第1の半導体膜805から錐形状に伸びた微結晶半導体領域は、第1の半導体膜805上に第2の半導体膜807を堆積させることで形成した。
不純物半導体膜809としては、リンが添加されたアモルファスシリコン膜を形成した。不純物半導体膜809の堆積は、シランの流量を80sccm、5%ホスフィン(シラン希釈)の流量を50sccm、水素の流量を750sccmとして材料ガスを導入して安定させ、処理室内の圧力を1250Pa、RF電源周波数を13.56MHz、RF電源の電力を60Wとしてプラズマ放電を行った。なお、不純物半導体膜809の堆積は、平行平板型のプラズマ処理装置を用いて行い、上部電極温度を250℃、下部電極温度を290℃とし、上部電極と下部電極との間隔を15mmとした。
ここまでの工程で得られた構成を図8(B)に示す。
次に、不純物半導体膜809上にレジストを塗布した後、第2のフォトマスクを用いて露光し、現像してレジストマスクを形成した、当該レジストマスクを用いて、第1の半導体膜805、第1の半導体膜805から錐形状に伸びた微結晶半導体領域、第2の半導体膜807、および不純物半導体膜809をエッチングして、薄膜積層体811を形成した。
エッチングを行うにあたり、本実施例では、ICP装置を用いて、ICPパワー450W、バイアスパワー100W、エッチングガスとして三塩化ホウ素を流量36sccm、四フッ化炭素を36sccm、酸素を8sccmで導入し、処理室内の圧力を2Paとしてエッチングを行った。
その後、酸素プラズマ処理を行い、薄膜積層体811の側壁に酸化膜を形成した後、第2のフォトマスクを用いて形成したレジストマスクを除去した。
酸素プラズマ処理は、酸素の流量を100sccmとして導入して処理室内の圧力を0.67Paとして安定させ、基板温度を−10℃とし、ソースパワーを2000W、バイアスパワーを350Wでプラズマ放電を行った。なお、該酸素プラズマ処理は、ICP装置を用いて行った。
次に、ゲート絶縁膜702、薄膜積層体811を覆って導電膜813を形成した。ここまでの工程で得られた構成を図8(C)に示す。
本実施例では、導電膜813は、アルミニウム膜をチタン膜により挟持した積層膜とし、ゲート電極701と同様に形成した。ただし、第1のチタン膜の厚さを50nmとし、アルミニウム膜の厚さを200nmとし、第2のチタン膜の厚さを50nmとした。
次に、導電膜813上にレジストを塗布した後、第3のフォトマスクを用いて露光し、現像してレジストマスクを形成し、当該レジストマスクを用いて導電膜813をドライエッチングして、ソース電極705aおよびドレイン電極705bを形成すると同時に、薄膜積層体811を一部エッチングし、半導体層708を形成した。
本工程では、ICP装置を用いて、ICPパワー450W、バイアスパワー100W、エッチングガスとして三塩化ホウ素を流量60sccmで導入し、塩素を20sccmで導入し、処理室内の圧力を1.9Paとしてエッチングを行った。なお、薄膜積層体811の表面から150nmをエッチングした。
次に、半導体層708の表面を水プラズマ処理し、半導体層708表面に残留する不純物を除去した。本工程では、パワー1800Wとして水蒸気を流量300sccmで導入し、処理室内の圧力を66.5Paとして水プラズマ処理を行った。
次に、絶縁膜707として、厚さ300nmの窒化シリコン膜を形成した。絶縁膜707の堆積は、シランの流量を20sccm、アンモニアの流量を220sccm、窒素の流量を450sccm、水素の流量を450sccmとして材料ガスを導入し、処理室内の圧力を160Pa、RF電源周波数を13.56MHz、RF電源の電力を200Wとしてプラズマ放電を行った。なお、絶縁膜707の堆積は、平行平板型のプラズマ処理装置を用いて行い、上部電極温度を250℃、下部電極温度を290℃とし、上部電極と下部電極との間隔を21mmとした。
ここまでの工程で得られた構成を図8(D)に示す。
絶縁膜707上にレジストを塗布した後、第4のフォトマスクを用いて露光し、現像してレジストマスクを形成し、当該レジストマスクを用いて絶縁膜707の一部及びゲート絶縁膜702の一部の一方又は双方をドライエッチングして、ソース電極705aおよびドレイン電極705b、ならびにゲート電極701を露出させた。その後、当該レジストマスクを除去した。なお、ゲート電極701、ソース電極705aおよびドレイン電極705bを露出させたドライエッチングは、ICP装置にてCHF3ガスおよびHeガスを用いて行った。
次に、絶縁膜707上に導電膜を形成した後、該導電膜上にレジストを塗布し、第5のフォトマスクを用いて露光し、現像してレジストマスクを形成し、当該レジストマスクを用いて導電膜の一部をウェットエッチングして、バックゲート電極450を形成した。ここでは、導電膜として、スパッタリング法により厚さ50nmのインジウム錫酸化物膜を形成した後、ウェットエッチングによりバックゲート電極450を形成した。なお、ここでは図示しないが、バックゲート電極450は、ゲート電極701と接続されている。その後、当該レジストマスクを除去した。
ここまでの工程で得られた構成を図14に示す。
以上の工程により、本発明の一態様である表示装置の画素に含まれるTFT(TFT1と示す。)を作製した。
図9に、本実施例で説明したTFT1の電気特性を測定した結果を示す。図9に示す電気特性は、ドレイン電圧(Vd)を10Vとし、ゲート電圧(Vg)を−30Vから30Vまでとした際の、ドレイン電流(Id:[A])および電界効果移動度(μFE:[cm2/Vs])の値を測定した結果である。また、本実施例のTFT1のチャネル長を3.2μm、チャネル幅を20.1μm、ゲート絶縁膜の厚さを300nm、平均誘電率を7.0として電界効果移動度を計算した。なお、「ドレイン電圧(Vd)」とは、ソースを基準としたドレインおよびソースの電位差である。
図9より、本発明の一態様である表示装置の画素に含まれるスイッチング素子のTFT1は、高いオン電流を有していることから、画素に対するスイッチング素子のサイズを小さくすることができ、結果として、画素の開口率を向上させることができる。
次に、本発明の一態様である表示装置に含まれる光電変換素子の電気特性について説明する。本実施例では、上記TFT1のゲート電極およびドレイン電極に印加される電位を同一として測定することにより、上記TFT1の光電変換素子としての電気特性を評価した。
また、光電変換素子の電気特性は、該光電変換素子および保持容量素子を含む回路において、蛍光灯下で出力される電位と、該光電変換素子にレーザポインタのレーザ光を照射した場合で出力される電圧と、を測定した。
次いで、測定に用いた光電変換素子および保持容量素子を含む回路について図10を用いて説明する。
図10において、ダイオード接続されたTFT800、充電放電制御素子802および抵抗素子804はTFT1である。なお、ダイオード接続されたTFT800は、ゲート電極およびドレイン電極に印加する電位を同一としたTFT1に相当する。保持容量素子806は、ダイオード接続されたTFT800、充電放電制御素子802および抵抗素子804と同時に形成され、ゲート電極701および導電膜813の間に誘電体としてゲート絶縁膜702が設けられた容量素子である。なお、抵抗素子804は抵抗値を制御する電位Vsfが入力される。保持容量素子806および抵抗素子804は基準電位Vssに接続されている。
そして、図10に示した回路のリセット電位およびセレクト電位のタイミングチャートは、図5に示したものと同様である。つまり、ダイオード接続されたTFT800にリセット電位がHigh電位になると、充電放電制御素子802を介して、保持容量素子806は電源電位(VDD)と同電位になる。この一連の動作を、本実施例では、充電と記載する。ダイオード接続されたTFT800にリセット電位がLow電位となると、保持容量素子806に生じる一定の電位(充電放電制御素子802のVgs)に対応して、電位が出力される。ここで、出力される電位は、実施の形態3で説明した読み出し線の電位に相当するため、Voutとする。この一連の動作を、本実施例では、放電と記載する。この放電の際、ダイオード接続されたTFT800に光が照射されることにより、ダイオード接続されたTFT800に逆飽和電流が発生し、その逆飽和電流に対応して、Voutが変化する。そこで、本実施例では、ダイオード接続されたTFT800に光を照射する場合としない場合において、Voutを測定した。なお、本実施例では、ダイオード接続されたTFT800にレーザポインタのレーザ光を照射しない場合と、ダイオード接続されたTFT800に赤のレーザ光(波長:650nm)または緑のレーザ光(波長は:532nm)を照射する場合について測定した。いずれの場合も1000ルクスの蛍光灯のもとで測定を行った。
図11(A)は、VDDを10Vとし、充電期間および放電期間を10秒としてVoutを測定した結果である。横軸は、充電および放電期間であり、縦軸は、Voutである。
実線(a)は、ダイオード接続されたTFT800にレーザポインタのレーザ光を照射しない場合の出力電位変化である。点線(b)は、ダイオード接続されたTFT800に緑のレーザ光を照射した場合の出力電位変化である。実線(c)は、ダイオード接続されたTFT800に赤のレーザ光を照射した場合の出力電位変化である。
図11(A)より、ダイオード接続されたTFT800にレーザポインタのレーザ光を照射しない場合にくらべて、赤のレーザ光または緑のレーザ光を照射する場合は、Voutの変化が大きいと確認された。つまり、赤のレーザ光または緑のレーザ光を照射する場合は、短い放電期間で、Voutが低下することが確認された。
図11(B)は、図11(A)の横軸の10秒から11秒の範囲においての拡大図である。図11(B)より、赤のレーザ光を照射する場合は、0.4秒ほどで、Voutが0V近くまで低下した。従って、ダイオード接続されたTFT800は、赤色のレーザ光に対して非常に感度が高いことが確認できた。ゆえに、TFT1は非常に感度の高い光電変換素子として機能する。
以上より、複数の結晶領域を有する半導体を含むTFTは、本発明の一態様である表示装置の画素に含まれるスイッチング素子および光電変換素子に用いることができる。