JP2012137719A - 現像剤供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 供給対象に対して常に良好な帯電状態の現像剤を供給すること。
【解決手段】 現像剤担持部材は、供給対象と対向配置されている。現像剤帯電補助電極は、現像剤担持部材と対向配置されている。帯電補助バイアス印加手段は、現像剤帯電補助電極と現像剤担持部材との間に、帯電補助バイアスを印加する。所定極性とは逆の極性に帯電した現像剤である逆帯電現像剤が、一旦現像剤担持面から担持部材対向面に移行した後は現像剤担持面に戻らずに担持部材対向面側に滞留するように、帯電補助バイアスの周波数が設定されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、所定極性に帯電した粉末状の現像剤を供給対象に対して供給するように構成された、現像剤供給装置に関する。
この種の装置として、例えば、特開2001−75357号公報や特開2010−145911号公報等に開示されているものが知られている。
特開2010−145911号公報に開示された装置は、現像剤担持部材と、搬送基板と、を備えている。前記現像剤担持部材は、円柱面状の周面を有するローラ状の部材であって、前記供給対象と対向するように設けられている。前記搬送基板は、現像剤搬送経路に沿って配列された複数の搬送電極を備えていて、これらの搬送電極への電圧印加に伴って発生する進行波状の電界により、前記現像剤搬送経路に沿った現像剤搬送方向に前記現像剤を搬送するように構成されている。
前記搬送基板は、垂直搬送基板と、底部搬送基板と、を備えている。前記垂直搬送基板は、前記現像剤を前記現像剤搬送方向としての垂直上方に搬送するように立設されている。前記現像剤担持部材は、前記垂直搬送基板の上端部と対向するように設けられている。そして、前記所定極性に帯電した前記現像剤が前記垂直搬送基板の前記上端部から前記現像剤担持部材に向かう電界が形成されるように、前記垂直搬送基板と前記現像剤担持部材との間には、所定の電圧が印加されている。
前記底部搬送基板は、現像剤貯留部の底面を構成するように設けられている。この底部搬送基板は、前記現像剤貯留部内に貯留された前記現像剤のうちの、当該底部搬送基板との接触あるいは摩擦によって帯電したものを、前記垂直搬送基板の下端部に向けて進行波状の電界によって搬送するように、当該下端部と接続されている。
かかる構成においては、前記現像剤貯留部内に貯留された前記現像剤は、前記底部搬送基板及び前記垂直搬送基板により、前記現像剤搬送経路に沿って、前記垂直搬送基板の前記上端部と前記現像剤担持部材とが対向する位置まで搬送される。そして、前記所定極性に帯電した前記現像剤は、当該位置にて、上述の所定の電圧の印加によって形成される電界により、前記現像剤担持部材側に移行する。これにより、当該現像剤は、前記現像剤担持部材の前記周面上に担持される。
特開2001−75357号公報に開示された装置(現像装置)は、トナーからなる一成分現像剤を表面に担持するトナー担持体(現像ローラ)と、このトナー担持体の表面にトナー薄層を形成するトナー層形成部材と、を備えている。前記トナー担持体は、前記供給対象としての静電潜像担持体(具体的には感光体ドラム)と対向配置されている。
この種の装置においては、前記供給対象に対して常に良好な帯電状態の前記現像剤を供給することが重要である。特に、前記現像剤を、前記所定極性とは逆の極性に帯電したもの(以下、「逆帯電現像剤」と称する。)を可及的に除去した状態で前記供給対象に対して供給することができれば、非常に好適である。本発明は、かかる課題に対処するためになされたものである。
<構成>
本発明の現像剤供給装置は、所定極性に帯電した粉末状の現像剤を供給対象(例えば静電潜像担持体)に対して供給するように構成されている。かかる現像剤供給装置は、現像剤担持部材と、現像剤担持手段と、現像剤帯電補助電極と、帯電補助バイアス印加手段と、を備えている。
前記現像剤担持部材は、主走査方向と平行な円柱面状の周面である現像剤担持面を有していて、当該現像剤担持面が所定の現像剤供給位置にて前記供給対象と対向するように設けられている。かかる現像剤担持部材は、前記主走査方向と平行な軸を中心として回転することで、前記現像剤担持面を前記主走査方向と直交する方向に移動させつつ、当該現像剤担持面上に担持された前記現像剤を前記現像剤供給位置に供給するように構成されている。
前記現像剤担持手段は、所定の担持位置(及び/又はその近傍)にて前記現像剤担持面上に前記現像剤を担持させるように、前記担持位置にて前記現像剤担持面と対向配置されている。ここで、前記担持位置は、前記現像剤供給位置よりも前記現像剤担持面の移動方向における上流側の位置である。
前記現像剤担持手段は、電界搬送基板を備えていてもよい。この電界搬送基板は、複数の搬送電極を備えている。これら複数の搬送電極は、前記主走査方向に沿った長手方向を有していて、当該主走査方向と交差(典型的には直交)する方向に沿って複数配列されている。かかる電界搬送基板は、複数の前記搬送電極への多相交番電圧である搬送バイアスの印加に伴って発生する、進行波状の電界により、前記現像剤を、前記担持位置に向けて現像剤搬送方向に搬送するように構成されている。そして、かかる電界搬送基板は、前記現像剤搬送方向における下流側の端部が前記担持位置にて前記現像剤担持面と対向するように設けられている。
前記現像剤帯電補助電極は、前記現像剤担持面の移動方向における前記担持位置と前記現像剤供給位置との間の位置にて、前記現像剤担持面と対向配置されている。
前記帯電補助バイアス印加手段は、前記現像剤帯電補助電極と前記現像剤担持部材との間に帯電補助バイアスを印加するように設けられている。ここで、前記帯電補助バイアスは、前記現像剤帯電補助電極と前記現像剤担持部材との間に交番電界を発生させて、前記現像剤担持面上に担持されている前記所定極性に帯電した前記現像剤を、前記現像剤担持面と担持部材対向面(前記現像剤帯電補助電極の前記現像剤担持面と対向する表面)との間で往復振動させつつ前記現像剤担持面及び前記担持部材対向面と衝突させることで帯電させるための、交番電圧である。
本発明の特徴は、前記逆帯電現像剤が、一旦前記現像剤担持面から前記担持部材対向面に移行した後は前記現像剤担持面に戻らずに前記担持部材対向面側に滞留するように、前記帯電補助バイアスの周波数が設定されていることにある。
具体的には、前記帯電補助バイアス印加手段は、
前記現像剤担持面と前記担持部材対向面との間の距離をd、
前記現像剤の平均質量をm、平均半径をr、
前記現像剤担持面と前記担持部材対向面との間に位置する特定の前記現像剤である着目現像剤の、前記距離dを規定する方向における、前記現像剤担持面からの距離をy、
前記着目現像剤の、前記距離dを規定する方向における速度をv、
前記着目現像剤の帯電量の絶対値をq、
前記帯電補助バイアスにより形成される交番電界のうちの、前記所定極性の前記現像剤を前記現像剤担持面から前記担持部材対向面に向かわせる方向のものにおける電界強度をEw、
前記交番電界のうちの、前記所定極性の前記現像剤を前記担持部材対向面から前記現像剤担持面に向かわせる方向のものにおける電界強度をEs、
前記帯電補助バイアスの周波数をf、
前記帯電補助バイアスの周期に対する、前記Ewを生じさせるための電圧印加時間の割合である、デューティ比をD、
ηは空気の粘性係数、
k=6πηr(πは円周率)、
tは時間、
Figure 2012137719
Figure 2012137719
Figure 2012137719
Figure 2012137719
とすると、
前記着目現像剤が、前記逆帯電現像剤(具体的には、前記供給対象に供給される前に前記現像剤担持面上から除去すべき前記現像剤のうちの最も帯電量の絶対値が大きいもの:例えば帯電量分布(個数分布)における最大絶対値側から1%に相当する帯電量を有するもの)であって、
(i)Dが下記連立方程式(5)の解D1よりも小さい場合、fは下記連立方程式(6)の解f1以上、
Figure 2012137719
Figure 2012137719
(ii)Dが下記連立方程式(7)の解D1以上であって且つ下記連立方程式(8)の解D2以下である場合、fは下記連立方程式(9)の解f2以上、
Figure 2012137719
Figure 2012137719
Figure 2012137719
(iii)Dが下記連立方程式(10)の解D2よりも大きい場合、fは下記連立方程式(11)の解f3以上、
Figure 2012137719
Figure 2012137719
となるように、前記帯電補助バイアスの周波数が設定されている。
なお、前記現像剤供給装置は、前記担持部材対向面に移行した(付着したあるいは担持された)前記逆帯電現像剤を当該担持部材対向面から回収(除去)するクリーニング手段を備えていてもよい。
<作用・効果>
かかる構成を備えた本発明の現像剤供給装置においては、前記現像剤担持手段によって前記現像剤担持面上に担持された前記現像剤は、前記現像剤担持部材の回転による当該現像剤担持面の移動に伴って、前記現像剤帯電補助電極と対向する位置に達する。かかる位置(及びその近傍)にて、前記現像剤は、前記帯電補助バイアスの印加によって発生する交番電界によって、前記現像剤帯電補助電極と前記現像剤担持部材との間で振動する。
ここで、本発明においては、前記帯電補助バイアスの周波数が上述のように設定されている。このため、前記逆帯電現像剤(帯電量の絶対値がq以下の比較的小さいもの:例えば帯電量分布(個数分布)における最大絶対値側から1%を除いたもの)が、一旦前記現像剤担持面から前記担持部材対向面に移行した後は前記現像剤担持面に戻らずに前記担持部材対向面側に滞留する。これにより、前記逆帯電現像剤が、前記現像剤担持面から可及的に除去される。
そして、前記現像剤帯電補助電極と対向する位置を経て前記逆帯電現像剤が可及的に除去された前記現像剤担持面が、前記現像剤担持部材の回転により前記担持位置に達することで、当該現像剤担持面上に担持された前記現像剤が、前記担持位置(及び/又はその近傍)にて前記供給対象に供給される。
このように、本発明によれば、前記逆帯電現像剤を可及的に除去した状態で、前記現像剤を前記供給対象に対して供給することができる。したがって、本発明によれば、前記供給対象に対して常に良好な帯電状態の前記現像剤を供給することが可能になる。
本発明の一実施形態が適用された画像形成装置としてのレーザープリンタの概略構成を示す側面図である。 図1に示されているトナー供給装置を拡大した側断面図である。 図2に示されている搬送基板を拡大した側断面図である。 図3に示されている各電源回路の出力波形の一例を示すグラフである。 トナーの挙動を示す概略図である。 トナー挙動のシミュレーション結果を示す図である。 トナー担持位置の近傍にてトナー担持面上に担持されたトナー(対向部材との間の帯電補助バイアスの作用を受ける前)の帯電量分布の典型的な例を示す図である。 トナー挙動のシミュレーション結果を示す図である。 トナーの挙動に関する説明図である。 トナーの挙動に関する説明図である。 トナーの挙動に関する説明図である。 トナーの挙動に関する説明図である。 トナー挙動のシミュレーション結果を示す図である。 トナー挙動のシミュレーション結果を示す図である。 トナー挙動のシミュレーション結果を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態に対して施され得る各種の変更の例示(変形例:modification)は、当該実施形態の説明中に挿入されると、一貫した実施形態の説明の理解が妨げられるので、末尾にまとめて記載されている。
<全体構成>
図1は、本発明の一実施形態が適用された画像形成装置としての、レーザープリンタ1の概略構成を示す側面図である。図1を参照すると、レーザープリンタ1は、用紙搬送機構2と、感光体ドラム3と、帯電器4と、スキャナーユニット5と、トナー供給装置6と、を備えている。
レーザープリンタ1内に設けられた図示しない給紙トレイには、シート状の用紙Pが、積み重ねられた状態で収容されている。用紙搬送機構2は、上述の給紙トレイに収容された用紙Pを、所定の用紙搬送経路PPに沿って一枚ずつ搬送するように構成されている。
感光体ドラム3の周面には、静電潜像担持面LSが形成されている。静電潜像担持面LSは、主走査方向(図中Z軸方向:用紙幅方向あるいは単に幅方向とも称され得る)と平行な円柱面であって、電位分布による静電潜像が形成されるとともに当該静電潜像に対応した位置にてトナーT(図2参照)を担持するようになっている。感光体ドラム3は、前記主走査方向と平行な中心軸Cを中心として、所定方向(図中反時計回り)に回転駆動されることで、前記主走査方向と直交する副走査方向に沿って静電潜像担持面LSが移動するように構成されている。
帯電器4は、静電潜像担持面LSを一様に正帯電させるために、静電潜像担持面LSと対向するように配置されている。スキャナーユニット5は、感光体ドラム3の回転によって前記副走査方向に沿って移動する静電潜像担持面LS(帯電器4によって一様に正帯電されている)上に、画像データに基づいて変調されたレーザービームLBをスキャン位置SPにて結像させつつ前記主走査方向に沿って走査することで、静電潜像担持面LS上に静電潜像を形成するように、構成及び配置されている。
トナー供給装置6は、スキャン位置SPよりも感光体ドラム3の回転による静電潜像担持面LSの移動方向における下流側の現像位置DPにて、静電潜像担持面LSと対向するように、感光体ドラム3の下方に配置されている。トナー供給装置6は、現像位置DPにて、正帯電した状態のトナーT(図2参照)を下方から静電潜像担持面LSに供給するように構成されている。次に、レーザープリンタ1の各部の具体的な構成について、より詳細に説明する。
用紙搬送機構2は、一対のレジストローラ21と、転写ローラ22と、を備えている。レジストローラ21は、用紙Pを所定のタイミングにて感光体ドラム3と転写ローラ22との間の転写位置TP(現像位置DPよりも感光体ドラム3の回転による静電潜像担持面LSの移動方向における下流側)に向けて送出するように構成されている。
転写ローラ22は、静電潜像担持面LSと、転写位置TPにて、用紙搬送経路PP(用紙P)を挟んで対向するように配置されている。この転写ローラ22は、感光体ドラム3の回転方向と反対方向(図中時計回り)に回転駆動されるように構成されている。また、転写ローラ22は、静電潜像担持面LS上に付着したトナーT(図2参照)を用紙Pに転写させるための所定の転写バイアスが感光体ドラム3との間に印加されるように、図示しない転写バイアス電源回路と電気的に接続されている。
<トナー供給装置>
図2は、図1に示されているトナー供給装置6を拡大した側断面図である。図2を参照すると、トナー供給装置6のケーシングをなすトナーボックス61は、側断面視にて略U字状に形成された箱状部材であって、その長手方向が上下方向(図中Y軸方向)と平行となるように配置されている。
トナーボックス61の内部には、粉末状の乾式現像剤としてのトナーTが収容されている。すなわち、トナーTは、トナーボックス61における底部の略半円筒状の部分の内側に形成された空間である、トナー貯留部61a内に貯留されている。なお、本実施形態においては、トナーTは、正帯電性、非磁性一成分の、黒色トナーである。トナーボックス61の頂部であって、感光体ドラム3と対向する位置には、開口部61bが形成されている。すなわち、開口部61bは、感光体ドラム3に向けて上方に開口するように設けられている。
<<現像剤担持部材>>
本発明の現像剤担持部材としての現像ローラ62は、円柱面状の周面であるトナー担持面62aを有するローラ状の部材であって、感光体ドラム3と対向するように設けられている。すなわち、本発明の現像剤担持面としてのトナー担持面62aが現像位置DPにて感光体ドラム3における静電潜像担持面LSと所定間隔のギャップを介して対向するように、現像ローラ62が配置されている。そして、現像ローラ62は、前記主走査方向と平行な軸を中心として回転することで、トナー担持面62aを前記主走査方向と直交する方向に移動させつつ、当該トナー担持面62a上に担持されたトナーTを現像位置DPに供給するように構成されている。
現像ローラ62は、トナーボックス61における、開口部61bが形成された上端部にて、回動可能に支持されている。本実施形態においては、現像ローラ62は、前記主走査方向と平行な回転中心軸がトナーボックス61の内側に位置することで、トナー担持面62aのほぼ上半分がトナーボックス61の外側の露出するように、トナーボックス61に収容されている。
<<現像剤担持手段>>
トナーボックス61の内部には、側断面視にて上下方向に長手方向を有する略長円状に形成されたトナー搬送経路TTPに沿って、搬送基板63が設けられている。搬送基板63は、トナーボックス61の内壁面に固定されている。搬送基板63は、そのトナー搬送経路TTPに沿った表面であるトナー搬送面TTS上にてトナーTを進行波電界により搬送するように構成されている。本実施形態においては、搬送基板63は、底部電界搬送基板63aと、垂直電界搬送基板63bと、回収基板63cと、を備えている。なお、搬送基板63(底部電界搬送基板63a、垂直電界搬送基板63b、及び回収基板63c)の内部構成の詳細については後述する。
底部電界搬送基板63aは、トナー貯留部61aの底面を構成するように、トナーボックス61の内側の空間における底部にて、トナーボックス61の内壁面に固定されている。底部電界搬送基板63aは、側断面視にて半円筒形状に屈曲され上方に開口する凹状の曲板状部材であって、トナー貯留部61a内のトナーTを垂直電界搬送基板63bの下端部に向けて円滑に搬送するように、平板状の垂直電界搬送基板63bの下端部と滑らかに接続されている。
垂直電界搬送基板63bは、トナーボックス61の内壁面に固定されている。底部電界搬送基板63aとともに本発明の「電界搬送基板」を構成する、この垂直電界搬送基板63bは、底部電界搬送基板63aと接続された下端部からトナーTを垂直上方に搬送するように立設されている。垂直電界搬送基板63bの上端部は、現像ローラ62の中心とほぼ同じ高さに(当該中心よりも若干上方まで)設けられている。この上端部(後述するトナー搬送方向TTDにおける下流側の端部)は、現像ローラ62における円柱面状のトナー担持面62aと対向するように設けられている。この垂直電界搬送基板63bの上端部とトナー担持面62aとが最も近接しつつ対向するトナー担持位置TCPにて、両者の間には、所定間隔のギャップが設けられている。
本実施形態においては、底部電界搬送基板63a及び垂直電界搬送基板63bは、側断面視にて反転J字状(J字を鏡に映した状態)に継ぎ目なく一体に形成されている。そして、垂直電界搬送基板63bは、底部電界搬送基板63aから受け渡されたトナーTを、現像位置DPよりもトナー担持面62aの移動方向における上流側のトナー担持位置TCPに向けてトナー搬送方向TTDに搬送するとともに、トナー担持位置TCP及びその近傍にてトナー担持面62a上にトナーTを担持させるように構成されている(トナー搬送方向TTDはトナー搬送経路TTPの接線方向である)。
回収基板63cは、垂直電界搬送基板63bの上端部と現像ローラ62を挟んだ反対側にて、現像ローラ62と対向するように設けられている。すなわち、回収基板63cは、トナーボックス61の開口部61bよりもトナー搬送方向TTDにおける下流側に配置されている。本実施形態においては、回収基板63cのトナー搬送方向TTDにおける終端部は、現像ローラ62の下端に対応する位置に設けられている。回収基板63cは、現像位置DPにて消費されなかったトナーTを現像ローラ62から回収するとともに、この回収されたトナーTを下方のトナー貯留部61aに向けて搬送するように構成されている。具体的には、本実施形態においては、回収基板63cは、平板状に形成されている。そして、回収基板63cは、現像ローラ62と所定間隔(現像位置DPにおける感光体ドラム3と現像ローラ62とのギャップの間隔よりも狭い間隔)のギャップを隔てて対向しつつ、トナーTを垂直下方に搬送するように設けられている。
<<現像剤帯電補助電極>>
本発明の現像剤帯電補助電極としての対向部材64は、トナー担持面62aの移動方向におけるトナー担持位置TCPと現像位置DPとの間の位置にて、トナー担持面62aと対向するように配置されている。対向部材64は、前記主走査方向と平行な中心軸を有するローラ状の部材であって、当該中心軸を中心として回転駆動されるようになっている。対向部材64(のトナー担持面62aと対向する表面である対向ローラ表面64a)とトナー担持面62aとの間には、所定間隔のギャップが設けられている。
対向部材64は、現像ローラ62との間に帯電補助バイアスが印加されることで現像ローラ62(トナー担持面62a)と対向する位置及びその近傍にて発生する交番電界によって、トナー担持面62a上に担持されたトナーTをさらに帯電させるようになっている。また、対向部材64は、上述の交番電界によって、逆帯電トナー(負極性に帯電したトナーT)を、対向ローラ表面64a側に引き付けることでトナー担持面62a上から回収するようになっている。
また、トナー供給装置6には、クリーニング部65が備えられている。このクリーニング部65は、対向部材64の円筒面状の周面である上述の対向ローラ表面64a側に引き付けられた(付着した)トナーTを、当該対向ローラ表面64aから回収(除去)するように構成されている。
<<各種バイアス印加手段>>
搬送基板63における底部電界搬送基板63a及び垂直電界搬送基板63bは、搬送電源回路66と電気的に接続されている。回収基板63cは、回収電源回路67と電気的に接続されている。現像ローラ62は、現像バイアス電源回路68と電気的に接続されている。
搬送電源回路66、回収電源回路67、及び現像バイアス電源回路68は、トナーTをトナー搬送経路TTPに沿ってトナー搬送方向TTDに循環させる(トナー貯留部61a内のトナーTを現像ローラ62に一旦担持させつつ現像位置DPまで供給するとともに、現像位置DPにて消費されなかったトナーTを現像ローラ62から回収して下方のトナー貯留部61aに還流させる)ために必要な電圧を出力するようになっている。
すなわち、搬送電源回路66は、底部電界搬送基板63a及び垂直電界搬送基板63bにおけるトナー搬送面TTS上にてトナーTをトナー搬送方向TTDに搬送するための進行波電界を形成するために、多相交番電圧成分を含む搬送バイアスを出力するようになっている。また、回収電源回路67は、トナー担持面62aと対向する位置にて回収したトナーTをトナー貯留部61aに還流させるための進行波電界を形成するために、多相交番電圧成分を含む回収バイアスを出力するようになっている。
さらに、現像バイアス電源回路68は、トナー担持位置TCP及びその近傍にてトナーTをトナー担持面62a上に担持させ、静電潜像担持面LS上に形成された電位分布による静電潜像に対応してトナーTを現像位置DPにてトナー担持面62a上から静電潜像担持面LS上に移行させ、現像位置DPを経てトナー担持面62a上に残留したトナーTを回収基板63c側に移行させるために、必要な電圧(典型的には直流電圧成分と交番電圧成分とが重畳された電圧)を出力するようになっている。ここで、現像バイアス電源回路68の出力に伴って、感光体ドラム3と現像ローラ62との間に印加される、トナー担持面62aから静電潜像担持面LSにおける露光部へ正帯電のトナーTを移行させるための交番電圧を、「現像バイアス」と称する。すなわち、現像バイアス電源回路68は、感光体ドラム3と現像ローラ62との間に現像バイアスを印加するようになっている。
帯電補助バイアス電源回路69は、対向部材64と電気的に接続されている。帯電補助バイアス電源回路69は、現像ローラ62(トナー担持面62a)と対向部材64(対向ローラ表面64a)とが対向する位置にて、上述のような交番電界を発生させることで、トナー担持面62a上に担持されたトナーTの帯電状態を、当該交番電界の作用により調整するようになっている。すなわち、帯電補助バイアス電源回路69は、実質的に現像ローラ62と対向部材64との間に交番電圧(帯電補助バイアス)が印加されるような電圧を出力するようになっている(具体例は後述する)。
ここで、本実施形態においては、逆帯電トナー(特に帯電量の絶対値が比較的小さいもの:具体的には帯電量分布(個数分布)における下位1%を除いたもの)が、交番電界の振動と同期できなくなることで、一旦トナー担持面62aから対向ローラ表面64aに移行した後はトナー担持面62aに戻らずに対向ローラ表面64a側に滞留するように、帯電補助バイアス電源回路69の出力電圧(すなわち帯電補助バイアス)の周波数が設定されている。
具体的には、
トナー担持面62aと対向ローラ表面64aとの間の距離をd、
トナーの平均質量をm、平均半径をr、
トナー担持面62aと対向ローラ表面64aとの間に位置する特定のトナーTである着目トナーの、上述の距離dを規定する方向における、トナー担持面62aからの距離をy、
着目トナーの、距離dを規定する方向における速度をv、
着目トナーの帯電量の絶対値をq、
帯電補助バイアスにより形成される交番電界のうちの、正極性のトナーTをトナー担持面62aから対向ローラ表面64aに向かわせる方向のものにおける電界強度をEw、
交番電界のうちの、正極性のトナーTを対向ローラ表面64aからトナー担持面62aに向かわせる方向のものにおける電界強度をEs、
帯電補助バイアスの周波数をf、
帯電補助バイアスの周期に対する、Ewを生じさせるための電圧印加時間の割合である、デューティ比をD、
ηは空気の粘性係数、
k=6πηr(πは円周率)、
tは時間、
Figure 2012137719
Figure 2012137719
Figure 2012137719
Figure 2012137719
とすると、
着目トナーが、トナー担持面62aが現像位置DPに達する前にトナー担持面62a上から除去したい(すべき)逆帯電トナーのうちの最も帯電量の絶対値が大きいもの(具体的にはqが帯電量分布(個数分布)における最大絶対値側から1%に相当する値であるもの)であって、
(i)Dが下記連立方程式(5)の解D1よりも小さい場合、fは下記連立方程式(6)の解f1以上、
Figure 2012137719
Figure 2012137719
(ii)Dが下記連立方程式(7)の解D1以上であって且つ下記連立方程式(8)の解D2以下である場合、fは下記連立方程式(9)の解f2以上、
Figure 2012137719
Figure 2012137719
Figure 2012137719
(iii)Dが下記連立方程式(10)の解D2よりも大きい場合、fは下記連立方程式(11)の解f3以上、
Figure 2012137719
Figure 2012137719
となるように、帯電補助バイアスの周波数が設定されている。
<<搬送基板の内部構成>>
図3を参照すると、搬送基板63は、薄板状の部材であって、フレキシブルプリント配線基板と同様の構成を有している。具体的には、搬送基板63は、搬送電極631と、搬送電極支持フィルム632と、搬送電極コーティング層633と、搬送電極オーバーコーティング層634と、から構成されている。
搬送電極631(なお、底部電界搬送基板63aにおける搬送電極631を底部搬送電極631a、垂直電界搬送基板63bにおける搬送電極631を垂直搬送電極631b、回収基板63cにおける搬送電極631を回収電極631cと称する。)は、前記主走査方向と平行な長手方向を有する線状の配線パターンであって、例えば、銅箔によって形成されている。複数の搬送電極631は、トナー搬送経路TTPに沿って配列されていて、互いに平行に配置されている。
トナー搬送経路TTPに沿って多数配列された各搬送電極631は、3本置きに同一の電源回路に接続されている。すなわち、電源回路VAに接続された搬送電極631,電源回路VBに接続された搬送電極631,電源回路VCに接続された搬送電極631,電源回路VDに接続された搬送電極631,電源回路VAに接続された搬送電極631,電源回路VBに接続された搬送電極631,電源回路VCに接続された搬送電極631・・・が、トナー搬送経路TTPに沿って順に配列されている(なお、これらの電源回路VAないしVDは、図2における搬送電源回路66等の構成要素である。)。
ここで、図4は、図3に示されている各電源回路VAないしVDの出力波形の一例を示すグラフである。本実施形態においては、図4に示されているように、各電源回路VAないしVDは、ほぼ同一波形の交番電圧である駆動電圧を出力するように構成されている。また、各電源回路VAないしVDが発生する電圧の波形における位相が、90°ずつ異なるように、各電源回路VAないしVDが構成されている。すなわち、電源回路VAから電源回路VDに向かう順に、電圧の位相が90°ずつ遅れるようになっている。このように、搬送基板63は、各搬送電極631に対して上述のような駆動電圧(搬送バイアスあるいは回収バイアス)が印加されて、トナー搬送面TTSに沿った進行波状の電界が発生することで、正帯電したトナーTをトナー搬送方向TTDに搬送するように構成されている。
複数の搬送電極631は、搬送電極支持フィルム632の表面上に形成されている。搬送電極支持フィルム632は、可撓性のフィルムであって、ポリイミド樹脂等の絶縁性の合成樹脂から構成されている。搬送電極コーティング層633は、絶縁性の合成樹脂から構成されている。この搬送電極コーティング層633は、搬送電極支持フィルム632における搬送電極631が設けられている表面、及び搬送電極631を覆うように設けられている搬送電極コーティング層633の上には、搬送電極オーバーコーティング層634が設けられている。すなわち、上述の搬送電極コーティング層633は、搬送電極オーバーコーティング層634と搬送電極631との間に形成されている。搬送電極オーバーコーティング層634の表面(すなわちトナー搬送面TTS)は、トナーTがスムーズに搬送され得るように、凹凸の極めて少ない平滑な面として形成されている。
<レーザープリンタの動作説明>
次に、上述のように構成されたレーザープリンタ1による動作の概要を、実施形態の構成による作用・効果とともに、図面を適宜参照しつつ説明する。
<<給紙動作>>
まず図1を参照すると、図示しない前記給紙トレイ上に積載された用紙Pの先端が、レジストローラ21まで送られる。このレジストローラ21にて、用紙Pの斜行が補正されるとともに、搬送タイミングが調整される。その後、用紙Pは、転写位置TPまで給送される。
<<潜像形成面上へのトナー像の担持>>
上述のように用紙Pが転写位置TPに向けて搬送されている間に、感光体ドラム3の周面である静電潜像担持面LS上に、以下のようにしてトナーTによる像が担持される。
<<<静電潜像の形成>>>
感光体ドラム3の静電潜像担持面LSは、まず、帯電器4によって、正極性に一様に帯電される。帯電器4によって帯電された静電潜像担持面LSは、感光体ドラム3の図中矢印で示されている方向の回転により、スキャナーユニット5と対向する(正対する)位置であるスキャン位置SPまで、前記副走査方向に沿って移動する。
このスキャン位置SPにて、画像情報に基づいて変調されたレーザービームLBによって静電潜像担持面LSが露光される。すなわち、レーザービームLBが、前記主走査方向に沿って走査されつつ、静電潜像担持面LSに照射される。このレーザービームLBの変調状態に応じて、静電潜像担持面LS上の正電荷が消失する部分が生じる。これにより、静電潜像担持面LS上に、正電荷のパターン(画像状分布)による静電潜像が形成される。静電潜像担持面LSに形成された静電潜像は、感光体ドラム3の図中矢印で示されている方向の回転により、トナー供給装置6と対向する現像位置DPに向かって移動する。
<<<帯電トナーの搬送・供給>>>
図2及び図3を参照すると、トナーボックス61内に貯留されているトナーTは、底部電界搬送基板63aにおける搬送電極オーバーコーティング層634との接触や摩擦等により帯電する。底部電界搬送基板63aにおける搬送電極オーバーコーティング層634と接触あるいは近接している、帯電したトナーTは、底部搬送電極631aに対する多相交番電圧成分を含む上述の搬送バイアスの印加によって発生する進行波状の電界により、トナー搬送方向TTDに搬送され、垂直電界搬送基板63bにスムーズに受け渡される。
垂直電界搬送基板63bは、その下端部にて底部電界搬送基板63aから受け渡されたトナーTを、垂直搬送電極631bに対する上述の搬送バイアスの印加によって発生する進行波状の電界により、垂直上方のトナー搬送方向TTDに搬送する。ここで、底部電界搬送基板63aから垂直電界搬送基板63bに受け渡されたトナーTには、帯電状態が不良なもの(逆極性すなわち負極性に帯電したものや、低帯電あるいは無帯電のもの、等。)が混入している。
もっとも、本実施形態の構成においては、垂直電界搬送基板63bによってトナー担持位置TCPに向けて垂直上方に搬送されている際や、垂直電界搬送基板63bと現像ローラ62との間に形成された電界によって正帯電のトナーTがトナー担持位置TCP及びその近傍にて現像ローラ62に担持される際に、帯電状態が不良なトナーTは、重力や上述の電界の作用により、トナー搬送経路TTPから逸脱し、垂直電界搬送基板63bから下方に落下する。これにより、帯電状態が良好なトナーTのみが選択的に、トナー担持位置TCPまで搬送される。すなわち、垂直電界搬送基板63bにて、トナーTにおける、帯電状態が良好なものと不良なものとが、良好に選別される。トナー搬送経路TTPから逸脱して下方に落下してきたトナーTは、トナー貯留部61aに還流する。
上述のようにして、正帯電のトナーTが、垂直電界搬送基板63bによってトナー担持位置TCPまで搬送される。この間に、トナー搬送面TTSとの接触により、トナーTの帯電量が徐々に増加する。すなわち、本実施形態においては、搬送基板63のトナー搬送方向TTDにおける上流側の端部である底部電界搬送基板63a(特にトナー貯留部61aに貯留されているトナーTの「水面」近傍)と、垂直電界搬送基板63bの下端部からトナー担持位置TCPに至るまでの領域と、において、上述の搬送バイアスの作用により、トナーTが帯電する。
垂直電界搬送基板63bによってトナー担持位置TCPまで搬送されたトナーTは、このトナー担持位置TCP及びその近傍にて、搬送バイアス及び現像バイアスの作用により、トナー担持面62a上に担持される。トナー担持面62a上に担持されたトナーTは、現像ローラ62の回転駆動により現像位置DPまで移動する途中で、対向部材64と対向する。この位置及びその近傍にて、上述の帯電補助バイアスの作用により、トナー担持面62a上のトナーTの帯電状態が良好な状態に調整される(帯電補助動作:具体的には後述する)。
上述の帯電補助バイアスの作用により帯電状態が良好な状態に調整されたトナーTは、現像ローラ62の回転駆動により、トナー担持面62aが現像位置DPまで移動することで、現像位置DPに供給される。この現像位置DPの近傍にて、静電潜像担持面LSに形成された静電潜像が、現像バイアスの作用により、トナーTによって現像される。すなわち、静電潜像担持面LS上であって、静電潜像における正電荷が消失した部分に、トナーTがトナー担持面62aから移行し付着する。これにより、トナーTによる画像(以下、「トナー像」と称する。)が、静電潜像担持面LS上に担持される。
現像位置DPを通過した(現像位置DPにて消費されなかった)トナー担持面62a上のトナーTは、上述の現像バイアス及び回収バイアスの作用で、回収基板63c側に移行する。すなわち、かかるトナーは、回収基板63cによってトナー担持面62aから回収される。
回収基板63c側に良好に移行したトナーTは、上述の回収バイアスの作用で、垂直下方に搬送される。回収基板63cの下端部にて、トナーTには、重力と同方向の慣性が作用する。このため、回収基板63cの下端部よりも下方においては、トナーTは、重力と、この重力と同方向の慣性の作用で、トナー貯留部61aに落下する。よって、回収基板63cがトナー貯留部61aに達するまで設けられていなくても、トナーTがトナー貯留部61aに良好に還流する。
なお、対向部材64による、上述のようなトナーTの帯電状態調整作用の際に対向ローラ表面64aに付着したトナーTは、クリーニング部65によって、当該対向ローラ表面64aから除去される。具体的には、画像形成動作の終了後のクリーニング動作時に、対向部材64が回転駆動される。すると、対向ローラ表面64aとクリーニングブレード65bとが摺動する。これにより、対向ローラ表面64a上に付着していたトナーTは、対向ローラ表面64aから剥離され、クリーニングケース65a内に収容される。
<<潜像形成面から用紙へのトナー像の転写>>
図1を参照すると、上述のようにして感光体ドラム3の静電潜像担持面LS上に担持されたトナー像は、当該静電潜像担持面LSが図中矢印で示されている方向に回転することにより、転写位置TPに向けて搬送される。そして、この転写位置TPにて、トナー像が、静電潜像担持面LSから用紙P上に転写される。
<帯電補助動作の概要>
図5(A)に示されているように、通常の非磁性一成分現像装置(現像ローラ62に対して帯電したトナーTをスポンジローラやブレード等によって担持させる方式の装置)においては、トナーTは現像ローラ62とスポンジローラやブレードとの間で摩擦帯電させられるため、トナーTにおける帯電位置(図中グレーの塗りつぶし部分参照)は均一に散らばっているものと想定される。
一方、図5(B)に示されているように、従来のこの種の装置においては、以下の理由により、トナーTにおける帯電位置が局所的に集中している(トナーTにおける特定の部分が集中的に帯電している)ものと想定される。したがって、図5(B)に示されている状態においては、図5(A)に示されている状態に比べ、静電気力によるトナーTの付着力が強力になっているものと考えられる(図中下向き矢印参照)。
図5(C)に示されているように、搬送基板63による電界搬送中に、トナーTは、ループ状の電気力線に沿ってホッピングしながら進行する(図中破線参照)。このとき、トナーTは、(最も)帯電した特定の位置を先頭として飛翔する。このため、かかる特定の位置が集中的にトナー搬送面TTSと衝突し、摩擦帯電する。よって、当該位置が、搬送基板63による電界搬送中に集中的にチャージアップしていく。
これに対し、本実施形態の構成においては、図5(B)に示されているような帯電状態となってトナー担持位置TCP及びその近傍にてトナー担持面62a上に一旦担持されたトナーTは、現像ローラ62と対向部材64とが対向する位置にて、図5(D)に示されているように、交番電界の作用により、トナー担持面62aと対向ローラ表面64aとの間で往復振動する。これにより、トナーTは、トナー担持面62a及び対向ローラ表面64a(主として対向ローラ表面64a)と衝突することで、帯電させられる(なお、本例においては、対向部材64は、画像形成動作中すなわち上述の帯電作用の間、回転駆動が停止している。)。
かかる交番電界の作用による帯電によって、トナーTの帯電状態が、より均一化される。すなわち、図5(D)に示されているような帯電によって、現像ローラ62と対向部材64とが対向する位置を経たトナーTは、図5(A)に示されているような、帯電位置が均一に散らばった状態に近づく。これにより、トナー担持面62a上におけるトナーTの帯電状態が、より良好な状態に調整される。
ここで、図6は、帯電補助バイアスの周波数のみを変化させた場合の、トナーTの挙動のシミュレーション結果を示す図である。図中(i)〜(iii)の各々において、縦軸はトナー担持面62aからの高さを示し、横軸は時間を示す。なお、これらの計算は、以下の条件で行った。
d=0.3mm,r=3.5μm,トナーの密度1300kg/m
対向部材64の電位:DC340V
現像ローラ62の電位:DC200V,AC2.6kV(矩形波)
すなわち、図中(i)〜(iii)の各々において、縦軸が0の水平線はトナー担持面62aに相当し、縦軸が3×10−4mの水平線は対向ローラ表面64aに相当する。また、(i)は、現像ローラ62の電位を周波数1000Hzの矩形波で振動させた場合、同(ii)は、現像ローラ62の電位を周波数2000Hzの矩形波で振動させた場合、(iii)は、現像ローラ62の電位を周波数4500Hzの矩形波で振動させた場合、をそれぞれ示す。
図6に示されているシミュレーション結果から明らかなように、帯電補助バイアス(現像ローラ62と対向部材64との電位差)の周波数を高くすることで、トナーTのトナー担持面62a及び対向ローラ表面64aへの衝突回数を増大させることができ、以てトナーTの帯電量の上昇及び局所帯電状態の緩和が良好に行われ得る。但し、周波数を高くしすぎると、(iii)に示されているように、トナーTが交番電界の振動と同期できなくなる。すなわち、トナーTの挙動が、交番電界の振動に追随できなくなる。
図7Aは、トナー担持位置TCPの近傍にてトナー担持面62a上に担持されたトナーT(対向部材64との間の帯電補助バイアスの作用を受ける前)の帯電量分布の典型的な例を示す図である。かかる帯電量分布は、例えば、ホソカワミクロン株式会社製「イースパートアナライザ(登録商標)」を用いることで得られる。図7Aに示されているように、トナー担持面62a上に担持された(直後)のトナーTの帯電量の個数分布は、ほぼ正規分布的になっている。
図7Bは、トナーTの帯電量のみを変化させた場合の、トナーTの挙動のシミュレーション結果を示す図である。図7Bにおける縦軸及び横軸は、図6と同様である。ここで、図7B中、「PH」は正帯電で帯電量が比較的高いもの、「PL」は正帯電で帯電量が比較的低いもの、「NH」は負帯電(逆帯電)で帯電量が比較的高いもの、「NL」は負帯電で帯電量が比較的低いもの、をそれぞれ示す。図7Bに示されているシミュレーション結果から明らかなように、帯電補助バイアスの電圧及び周波数が同じであっても、トナーTの帯電状態によって、トナーTの挙動が大きく異なる。
ここで、負帯電(逆帯電)のトナーTについて着目すると、帯電量が高いものは、図7Aに示されているように個数割合が極めて小さいものの、挙動が交番電界の振動と同期している(挙動PH)。一方、帯電量が低いものは、図7Aに示されているように個数割合が比較的大きい。そして、帯電量が低いものは、挙動が交番電界の振動と同期せず、一旦トナー担持面62aから対向ローラ表面64aに移行した後はトナー担持面62aに戻らずに対向ローラ表面64a側に滞留する(挙動PL)。
そこで、本発明の発明者は、帯電補助バイアスの周波数を適切に設定することで、大部分(ほぼすべての)逆帯電トナーを、挙動NLのように挙動させることができ、以てトナー担持面62aから除去することができる、ということを見出した。以下、逆帯電トナーを良好に除去するための帯電補助バイアスの周波数の設定について、詳細に説明する。
<逆帯電トナー除去のための周波数設定の詳細>
いま、計算の簡略化のために、トナー担持面62aと対向ローラ表面64aとの間の空間に存在するトナーTに対して働く力が、電界による力及び空気抵抗のみとする。また、微小領域においては、トナー担持面62a及び対向ローラ表面64aは、互いに平行な平板とみなすことができる(図5(D)参照)。すると、トナー担持面62aと対向ローラ表面64aとの間の空間には、一様な電界が発生しているものと仮定できる。
以上の仮定に基づけば、トナーTの運動は、トナー担持面62aと対向ローラ表面64aとの間の往復運動という一次元(y方向:図5(D)及び図6における上下方向)の運動となり、以下の運動方程式(12)で表される。この運動方程式(12)を解くことで、上記の式(1)及び(2)のように、トナーTの位置(y)及び速度(y方向の速度v)が、時間の関数として表現できる。
Figure 2012137719
典型的なトナーTの挙動として、いま、図8における(i)に示されているように、帯電補助バイアスとトナー挙動とが同期していて、帯電補助バイアスの一周期分に相当する時間の間に、トナーTがトナー担持面62a上から出発して対向ローラ表面64aに向かって飛翔し対向ローラ表面64aと接触(衝突)した後にトナー担持面62a上に戻ってくるためには、以下の2つの不等式(13)及び(14)が成立することが必要となる。
Figure 2012137719
Figure 2012137719
すなわち、式(13)は、トナー担持面62a上のトナーT(y=0,v=0)から対向ローラ表面64aに向かって飛翔し始める時点で、電界Ewの印加が開始されたことを初期条件として、当該電界Ewの印加が終了した時点(t=帯電補助バイアスの周期(1/f)×デューティ比D)で、トナーTの位置が対向ローラ表面64a(y=d)に少なくとも達している、ということを示している。
同様に、式(14)は、対向ローラ表面64aに衝突した直後のトナーT(y=d,v=0)がトナー担持面62aに向かって飛翔し始める時点で、電界−Esの印加が開始されたことを初期条件として、当該電界Esの印加が終了した時点(t=帯電補助バイアスの周期(1/f)×(1−D))で、トナーTの位置がトナー担持面62a(y=0)に少なくとも達している、ということを示している。
これら2つの不等式を満たす、周波数fとデューティ比Dとの関係は、図8における(ii)にてハッチングで塗りつぶされている領域となる。この図中、線(13)は上記の式(13)において等号が成立する場合を示し、線(14)は上記の式(14)において等号が成立する場合を示す。線(13)と(14)との交点は、電界がEwから−Esに切り替わった瞬間にトナーTが対向ローラ表面64aに衝突し、このときのトナーTの速度が0である場合を示している。
ここで、上記の説明は、帯電補助バイアスとトナー挙動とが完全に同期していて、
・トナー担持面62aと対向ローラ表面64aとの間の電界が上述のEw(正帯電のトナーTがトナー担持面62aから対向ローラ表面64aに向かう方向の電界)である間はトナーTがトナー担持面62aから対向ローラ表面64aに向かう方向に移動し、
・Ewから上述のEs(正帯電のトナーTが対向ローラ表面64aからトナー担持面62aに向かう方向の電界)に切り替わった瞬間に、トナーTが対向ローラ表面64aと接触(衝突)し、
・上述のEsである間はトナーTが対向ローラ表面64aからトナー担持面62aに向かう方向に移動し、
・EsからEwに切り替わった瞬間に、トナーTがトナー担持面62aと接触(衝突)する、
という場合である。
但し、帯電補助動作(現像ローラ62と対向部材64との間で交番電界によりトナー担持面62a上のトナーTの帯電状態を調整する動作)の後、最終的には、正帯電のトナーTをトナー担持面62a上に担持させる必要があるため、Ewの絶対値よりもEsの絶対値の方が大きく設定されている。このため、トナーTの移動速度は、トナー担持面62aから対向ローラ表面64aに向かう方向よりも、対向ローラ表面64aからトナー担持面62aに向かう方向の方が大きくなる。
したがって、図9における(i)に示されているように、電界Ewが時間t1だけ印加された後に電界がEwからEsに切り替わってもトナーTは対向ローラ表面64aに未だ衝突せず、電界がEwからEsに切り替わってから時間t2経過後にトナーTが対向ローラ表面64aに衝突し、その後時間t3経過後にトナーTがトナー担持面62aに衝突する、というような挙動が生じる場合がある。
よって、上述の式(13)及び(14)の他に、電界がEwからEsに切り替わってから時間t2経過後にトナーTが対向ローラ表面64aに衝突するための条件である下記の式(15)をも含めて、トナーTが対向ローラ表面64aに衝突できるような周波数fとデューティ比Dとの領域を示すと、図9における(ii)にてハッチングで塗りつぶされている領域となる。この図中、線(15)は上記の式(15)において等号が成立する場合を示す。
Figure 2012137719
式(15)は、電界Ewの印加が終了した時点のトナーTの位置(式(13)における左辺)及び速度を初期条件として、かかる時点から電界−Esの印加が開始され、電界−Esの印加が開始されてから時間t2経過後に、トナーTが対向ローラ表面64aに達した(トナーTの位置が対向ローラ表面64a(y=d)であるとともにトナー担持面62aに向かう方向の速度が0以上である)ことを示す式である。
すなわち、トナーTの慣性を考慮すると、図8における(ii)にてハッチングで塗りつぶされている領域よりも、図9における(ii)にて線(13)と線(14)と線(15)とで囲まれた小さな領域の分だけ、トナーTが対向ローラ表面64aに衝突できるような周波数fとデューティ比Dとの領域が広がる。但し、この領域は、あくまで、トナーTが対向ローラ表面64aに衝突できるための条件であって、その全部が、トナーTの挙動が交番電界の振動と同期できるような周波数fとデューティ比Dとの領域となるわけではない。
そこで、トナーTの挙動が交番電界の振動と同期できる(1周期の帯電補助バイアスの印加の間にトナーTがトナー担持面62aと対向ローラ表面64aとの間で一往復することができる)ためには、上述の条件の他に、トナーTがトナー担持面62aに戻ってくるための条件が必要となる。この条件は、以下の通りとなる。
(電圧が反転してからトナーTが対向ローラ表面64aに衝突するまでの時間)
+(トナーTが対向ローラ表面64aを離れてからトナー担持面62aに衝突するまでの時間)
≦周期×(1−D)
すなわち、トナーTの慣性を考慮すると、1周期の帯電補助バイアスの印加の間にトナーTがトナー担持面62aと対向ローラ表面64aとの間で一往復することができるためには、以下の式(16)に示す条件が成立する必要がある。
Figure 2012137719
したがって、トナーTの挙動が交番電界の振動と同期できるような周波数fとデューティ比Dとの領域は、図10にてハッチングで塗りつぶされている領域となる。
ここで、図10中、領域R1を規定する線(15)は、トナーTが対向ローラ表面64aに衝突できるための限界を示す。この領域R1は、デューティ比Dが小さい領域(D<D1)であって、図11における(i)のような挙動を示す。このとき、図10中、領域R1を規定する線(15)は、以下の式(17)に対応する。
Figure 2012137719
よって、帯電補助バイアスのデューティ比が小さい領域(D<D1)においては、周波数が上記の式(17)の解fと等しいときが、トナーTが交番電界の振動と同期できる限界である。そして、帯電補助バイアスの周波数を上記の式(17)の解f以上とすることで、トナーTの挙動が交番電界の振動に追随しなくなる。
したがって、各式中の帯電量qを、逆帯電トナーのうちの最も帯電量の絶対値が大きいものに相当する値(具体例としては帯電量分布(個数分布)における負側の最大絶対値から1%に相当する値)に設定することで、負帯電(逆帯電)のトナーTのほぼすべてを上述の挙動NL(図7B参照)のように挙動させることができ、以て負帯電(逆帯電)のトナーTのほぼすべてをトナー担持面62aから除去することができる。
また、図10中、領域R2を規定する曲線(16)は、トナーTが慣性により対向ローラ表面64aに衝突してからトナー担持面62aに戻るまでの時間が(1−D)/fであるための限界を示す。この領域R2は、デューティ比Dが中程度(D1≦D≦D2)の領域であって、図11における(ii)のような挙動を示す。このとき、図10中、領域R2を規定する曲線(16)は、以下の式(18)における3行目及び4行目のもの対応する。
Figure 2012137719
曲線(16)を定性的に説明すると、式(18)における2行目において等号が成立する場合、トナーTが対向ローラ表面64aに衝突したときのトナーTの速度が0である。この場合、次の2つの状態が想定され得る。
(1)電界がEwから−Esに切り替わった時点でトナーTは未だ対向ローラ表面64aに到達しておらず、電界−Es及び慣性の作用下でトナーTが対向ローラ表面64aに向かって飛翔し、t2経過後にトナーTの速度が0となるとともにトナーTが対向ローラ表面64aに到達する(t2>0)。
(2)電界がEwから−Esに切り替わった時点でトナーTの速度が0となるとともにトナーTが対向ローラ表面64aに到達する(t2=0)。
このため、曲線(16)は、始点(低デューティ比側の端点:t2>0)が線(15)上に存在するとともに、終点(高デューティ比側の端点:t2=0)が線(13)と線(14)との交点に存在することとなる。よって、曲線(16)は、D=D1における線(15)上の点と、D=D2における線(13)と線(14)との交点と、を通る、曲線となる。
帯電補助バイアスのデューティ比が中程度の領域(D1≦D≦D2)においては、周波数が上記の式(18)の解fと等しいときが、トナーTが交番電界の振動と同期できる限界である。そして、帯電補助バイアスの周波数を上記の式(18)の解f以上とすることで、トナーTの挙動が交番電界の振動に追随しなくなる。したがって、各式中の帯電量qを、逆帯電トナーのうちの最も帯電量の絶対値が大きいものに相当する値に設定することで、負帯電(逆帯電)のトナーTのほぼすべてをトナー担持面62aから除去することができる。
また、図10中、領域R3を規定する線(14)は、トナーTが対向ローラ表面64aからトナー担持面62aに戻るまでの時間が(1−D)/fであるための限界を示す。この領域R3は、デューティ比Dが大きい領域(D2<D)であって、図11における(iii)のような挙動を示す。このとき、図10中、領域R3を規定する線(14)は、以下の式(19)に対応する。
Figure 2012137719
よって、帯電補助バイアスのデューティ比が大きい領域(D2<D)においては、周波数が上記の式(19)の解fと等しいときが、トナーTが交番電界の振動と同期できる限界である。そして、帯電補助バイアスの周波数を上記の式(19)の解f以上とすることで、トナーTの挙動が交番電界の振動に追随しなくなる。したがって、各式中の帯電量qを、逆帯電トナーのうちの最も帯電量の絶対値が大きいものに相当する値に設定することで、負帯電(逆帯電)のトナーTのほぼすべてをトナー担持面62aから除去することができる。
以上の結果をまとめると、
着目トナーが逆帯電トナーのうちの最も帯電量の絶対値が大きいもの(具体的にはqが帯電量分布(個数分布)における最大絶対値側から1%に相当する値であるもの)であって、
(i)Dが下記連立方程式(5)の解D1よりも小さい場合、fは下記連立方程式(6)の解f1以上、
Figure 2012137719
Figure 2012137719
(ii)Dが下記連立方程式(7)の解D1以上であって且つ下記連立方程式(8)の解D2以下である場合、fは下記連立方程式(9)の解f2以上、
Figure 2012137719
Figure 2012137719
Figure 2012137719
(iii)Dが下記連立方程式(10)の解D2よりも大きい場合、fは下記連立方程式(11)の解f3以上、
Figure 2012137719
Figure 2012137719
となるように、帯電補助バイアスの周波数が設定されることで、負帯電(逆帯電)のトナーTのほぼすべてを上述の挙動NL(図7B参照)のように挙動させることができ、以て負帯電(逆帯電)のトナーTのほぼすべてをトナー担持面62aから除去することができる。
<<具体例>>
いま、
・q=1.00×10−15[C]
・m=2.33×10−13[kg]
・r=3.50×10−6[m]
・η=1.81×10−5[kg/(m・sec)]
・d=0・0003[m]
・Ew=3.87×10,Es=4.80×10[V/m]
(対向部材64の電位:DC340V、現像ローラ62の電位:DC200V,AC2.6kV(矩形波))
とすると、D1は以下の連立方程式を解くことで求められる。
Figure 2012137719
また、D2は以下の連立方程式を解くことで求められる。
Figure 2012137719
これらを数値計算によって解くと、D1及びD2の近似解として、
・D1=0.406705036
・D2=0.531797757
が得られる。
例えば、デューティ比が小さい場合(D<D1)の例として、D=0.3のときを考えると、以下の連立方程式の解(数値計算の近似解)はf1=1566.007707となる。
Figure 2012137719
そこで、周波数を1566.007707Hzとした場合の、+2.0,+0.5,−0.5,−2.0fCのトナーTの挙動をシミュレーションした結果を、図12に示す。この図12から明らかなように、帯電量が上記qの値以下である、−0.5fCのトナーTは、挙動が交番電界の振動に追随しなくなり、対向ローラ表面64a側に滞留することが確認できる。
同様に、デューティ比が中程度の場合(D1≦D≦D2)の例として、D=0.5のときを考えると、以下の連立方程式の解(数値計算の近似解)はf2=2334.450799となる。
Figure 2012137719
そこで、周波数を2334.450799Hzとした場合の、+2.0,+0.5,−0.5,−2.0fCのトナーTの挙動をシミュレーションした結果を、図13に示す。この図13から明らかなように、帯電量が上記qの値以下である、−0.5fCのトナーTは、挙動が交番電界の振動に追随しなくなり、対向ローラ表面64a側に滞留することが確認できる。
同様に、デューティ比が大きい場合(D>D2)の例として、D=0.54のときを考えると、以下の連立方程式の解(数値計算の近似解)はf3=2302.631082となる。
Figure 2012137719
そこで、周波数を2302.631082Hzとした場合の、+2.0,+0.5,−0.5,−2.0fCのトナーTの挙動をシミュレーションした結果を、図13に示す。この図13から明らかなように、帯電量が上記qの値以下である、−0.5fCのトナーTは、挙動が交番電界の振動に追随しなくなり、対向ローラ表面64a側に滞留することが確認できる。
<変形例の例示列挙>
なお、上述の実施形態は、出願人が取り敢えず本願の出願時点において最良であると考えた本発明の代表的な実施形態を、単に例示したものにすぎない。よって、本発明はもとより上述の実施形態に何ら限定されるものではない。したがって、本発明の本質的部分を変更しない範囲内において、上述の実施形態に対して種々の変形が施され得ることは、当然である。
以下、代表的な変形例について、幾つか例示する。以下の変形例の説明において、上述の実施形態にて説明されているものと同様の構成及び機能を有する部材に対しては、上述の実施形態と同様の符号が用いられ得るものとする。そして、かかる部材の説明については、技術的に矛盾しない範囲内において、上述の実施形態における説明が援用され得るものとする。
もっとも、言うまでもなく、変形例とて、以下に列挙されたものに限定されるものではない。また、複数の変形例が、技術的に矛盾しない範囲内において、適宜、複合的に適用され得る。
本発明(特に、本発明の課題を解決するための手段を構成する各構成要素における、作用的・機能的に表現されているもの)は、上述の実施形態及び下記変形例の記載に基づいて限定解釈されてはならない。このような限定解釈は、(特に先願主義の下で出願を急ぐ)出願人の利益を不当に害する反面、模倣者を不当に利するものであって、発明の保護及び利用を目的とする特許法の目的に反し、許されない。
(1)本発明の適用対象は、単色のレーザープリンタに限定されない。例えば、本発明は、カラーのレーザープリンタや、単色及びカラーの複写機等の、いわゆる電子写真方式の画像形成装置に対して、好適に適用され得る。このとき、感光体の形状は、上述の実施形態のようなドラム状でなく、平板状や無端ベルト状等であってもよい。露光光源としては、レーザースキャナ以外のもの(LED、EL(エレクトロルミネッセンス)素子、蛍光体、等)が好適に用いられ得る。この場合、「主走査方向」は、発光素子(LED等)の配列方向と平行な方向となる。
あるいは、本発明は、上述の電子写真方式以外の方式(例えば、感光体を用いないトナージェット方式、イオンフロー方式、マルチスタイラス電極方式、等)の画像形成装置に対しても、好適に適用され得る。
本発明は、正帯電トナーに限定されない。すなわち、本発明は、負帯電トナーに対しても好適に適用されることは、いうまでもない(例えば、上述の実施形態における電位や電荷の極性や高低関係が、単に反転するだけである。)。また、本発明は、上述の実施形態のような、いわゆる電界搬送に限定されない。すなわち、本発明は、通常の非磁性一成分現像装置に対しても、好適に適用される(具体的には、例えば、特開2001−75357号公報における「トナー帯電部材」に対する電圧印加手段として、上述の実施形態の例が適用可能である。)。
(2)感光体ドラム3と現像ローラ62とは、接触していてもよい。また、例えば、搬送基板63と現像ローラ62とは、接触していてもよい。
また、感光ドラム3と対向部材64との間の距離は、現像ローラ62と対向部材64との間の距離よりも大きく、かつ、感光ドラム3と対向部材64との間の距離は、感光ドラム3と現像ローラ62との間の距離より大きくすることが望ましい。このように構成することで、対向部材64から感光ドラム3にトナーTが直接ジャンピングすることを防止することができる。
(3)搬送基板63の構成や配置は、上述の実施形態のものに限定されない。例えば、搬送電極オーバーコーティング層634は、省略され得る。あるいは、搬送電極631が搬送電極支持フィルム632内に埋め込まれることで、搬送電極コーティング層633及び搬送電極オーバーコーティング層634の双方が省略され得る。
底部電界搬送基板63aの中央部は、平坦であってもよい。すなわち、底部電界搬送基板63aにおける曲面状の部分は、垂直電界搬送基板63bの下端部との接続部のみであってもよい。
底部電界搬送基板63aは、垂直電界搬送基板63bと別体に構成されていてもよい。この場合、底部電界搬送基板63aと垂直電界搬送基板63bとは、それぞれ別々の電源と接続されていてもよい。
垂直電界搬送基板63bは、実質的に上下方向に沿って立設していればよく、多少傾いていてもよい。回収基板63cも、多少傾いていてもよい。回収基板63cの下端部は、トナー貯留部61aに至るまで(すなわち底部電界搬送基板63aと接続するように)設けられていてもよい。
本発明は、上述の実施形態のような、底部電界搬送基板63a及び垂直電界搬送基板63bによるトナー担持位置TCPまでの搬送経路の全体によってトナーTを帯電させる構成に限定されない。すなわち、例えば、垂直電界搬送基板63bにおける搬送電極オーバーコーティング層634の材質を適宜選択することで、垂直電界搬送基板63bによる搬送中のトナーTのチャージアップが可及的に抑制される場合があり得る。この場合、トナーTの帯電は、主としてトナー搬送経路TTPにおける上流側の端部(すなわち底部電界搬送基板63a)にて行われることとなる。かかる場合であっても、現像ローラ62と対向部材64とが対向する位置にてトナーTが交番電界の作用により帯電させられることで、現像位置DPにおける無帯電あるいは低帯電のトナーTの割合が可及的に減少され得る。
トナー担持面62aへのトナーTの担持は、トナー担持位置TCP又はその近傍位置のうちの少なくともいずれか一方で行われればよい。
(4)上述の各種のバイアス電圧は、適宜変更され得る。具体的には、例えば、図4を参照すると、各電源回路VA〜VDが発生する電圧の波形は、矩形波状以外にも、正弦波状や三角波状等の任意のものが用いられ得る。また、上述の実施形態においては、4つの電源回路VA〜VDが設けられるとともに、各電源回路VA〜VDが発生する電圧の位相が90°ずつ異なっていた。もっとも、本発明はこれに限定されず、例えば、3つの電源回路が備えられるとともに、各電源回路が発生する電圧の位相が120°ずつ異なるようになっていてもよい。
(5)対向部材64やクリーニング部65の構成も、上述の実施形態にて開示されたものに限定されない。また、上記各式における着目トナーの帯電量qは、帯電量分布(個数分布)における最大絶対値側から1%に相当する値に限定されない。例えば、かかる帯電量qは、帯電量分布(個数分布)における標準偏差を基準として設定されてもよい。かかる着目トナーの帯電量qを適宜設定することで、対向部材64によるトナーTの帯電極性選別特性が、適宜設定され得る(この意味で、着目トナーの帯電量qは、対向部材64によるトナーTの帯電極性選別の「閾値」と云い得る。)。
(6)その他、特段に言及されていない変形例についても、本発明の本質的部分を変更しない範囲内において、本発明の技術的範囲に含まれることは当然である。
また、本発明の課題を解決するための手段を構成する各要素における、作用・機能的に表現されている要素は、上述の実施形態や変形例にて開示されている具体的構造の他、当該作用・機能を実現可能ないかなる構造をも含む。さらに、本明細書にて引用した各公報の内容(明細書及び図面を含む)は、本明細書の一部を構成するものとして援用され得る。
1…レーザープリンタ 3…感光体ドラム
6…トナー供給装置 61…トナーボックス
62…現像ローラ 62a…トナー担持面
63…搬送基板 63a…底部搬送基板
63b…垂直搬送基板 631…搬送電極
64…対向部材 64a…対向ローラ表面
65…クリーニング部 66…搬送電源回路
67…回収電源回路 68…現像バイアス電源回路
69…帯電補助バイアス電源回路 DP…現像位置
LS…静電潜像担持面 T…トナー
TCP…トナー担持位置 TTD…トナー搬送方向
TTP…トナー搬送経路 TTS…トナー搬送面
特開2001−75357号公報 特開特開2010−145911号公報

Claims (4)

  1. 所定極性に帯電した粉末状の現像剤を供給対象に対して供給するように構成された、現像剤供給装置において、
    主走査方向と平行な円柱面状の周面である現像剤担持面を有し、当該現像剤担持面が現像剤供給位置にて前記供給対象と対向するように設けられ、前記主走査方向と平行な軸を中心として回転することで前記現像剤担持面を前記主走査方向と直交する方向に移動させつつ当該現像剤担持面上に担持された前記現像剤を前記現像剤供給位置に供給するように構成された、現像剤担持部材と、
    前記現像剤供給位置よりも前記現像剤担持面の移動方向における上流側の担持位置及び/又はその近傍にて当該現像剤担持面上に前記現像剤を担持させるように、前記担持位置にて当該現像剤担持面と対向配置された、現像剤担持手段と、
    前記現像剤担持面の移動方向における前記担持位置と前記現像剤供給位置との間の位置にて、前記現像剤担持面と対向配置された、現像剤帯電補助電極と、
    前記現像剤帯電補助電極と前記現像剤担持部材との間に交番電界を発生させて、前記現像剤担持面上に担持されている前記所定極性に帯電した前記現像剤を、前記現像剤担持面と前記現像剤帯電補助電極の前記現像剤担持面と対向する表面である担持部材対向面との間で往復振動させつつ前記現像剤担持面及び前記担持部材対向面と衝突させることで帯電させるための交番電圧である帯電補助バイアスを、前記現像剤帯電補助電極と前記現像剤担持部材との間に印加するように設けられた、帯電補助バイアス印加手段と、
    を備え、
    前記帯電補助バイアス印加手段は、
    前記所定極性とは逆の極性に帯電した前記現像剤である逆帯電現像剤が、一旦前記現像剤担持面から前記担持部材対向面に移行した後は前記現像剤担持面に戻らずに前記担持部材対向面側に滞留するように、前記帯電補助バイアスの周波数が設定されていることを特徴とする、現像剤供給装置。
  2. 請求項1に記載の、現像剤供給装置であって、
    前記帯電補助バイアス印加手段は、
    前記現像剤担持面と前記担持部材対向面との間の距離をd、
    前記現像剤の平均質量をm、平均半径をr、
    前記現像剤担持面と前記担持部材対向面との間に位置する特定の前記現像剤である着目現像剤の、前記距離dを規定する方向における、前記現像剤担持面からの距離をy、
    前記着目現像剤の、前記距離dを規定する方向における速度をv、
    前記着目現像剤の帯電量の絶対値をq、
    前記帯電補助バイアスにより形成される交番電界のうちの、前記所定極性の前記現像剤を前記現像剤担持面から前記担持部材対向面に向かわせる方向のものにおける電界強度をEw、
    前記交番電界のうちの、前記所定極性の前記現像剤を前記担持部材対向面から前記現像剤担持面に向かわせる方向のものにおける電界強度をEs、
    前記帯電補助バイアスの周波数をf、
    前記帯電補助バイアスの周期に対する、前記Ewを生じさせるための電圧印加時間の割合である、デューティ比をD、
    ηは空気の粘性係数、
    k=6πηr(πは円周率)、
    tは時間、
    Figure 2012137719
    Figure 2012137719
    Figure 2012137719
    Figure 2012137719
    とすると、
    前記着目現像剤が、前記逆帯電現像剤であって、
    (i)Dが下記連立方程式(5)の解D1よりも小さい場合、fは下記連立方程式(6)の解f1以上、
    Figure 2012137719
    Figure 2012137719
    (ii)Dが下記連立方程式(7)の解D1以上であって且つ下記連立方程式(8)の解D2以下である場合、fは下記連立方程式(9)の解f2以上、
    Figure 2012137719
    Figure 2012137719
    Figure 2012137719
    (iii)Dが下記連立方程式(10)の解D2よりも大きい場合、fは下記連立方程式(11)の解f3以上、
    Figure 2012137719
    Figure 2012137719
    となるように、前記帯電補助バイアスの周波数が設定されていることを特徴とする、現像剤供給装置。
  3. 請求項2に記載の、現像剤供給装置であって、
    前記着目現像剤が、前記逆帯電現像剤のうち前記供給対象に供給される前に前記現像剤担持面上から除去すべきもののうちの最も帯電量の絶対値が大きいものであることを特徴とする、現像剤供給装置。
  4. 請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項に記載の、現像剤供給装置であって、
    前記現像剤担持手段は、
    前記主走査方向に沿った長手方向を有するとともに当該主走査方向と交差する方向に沿って複数配列された搬送電極を備えていて、これら複数の搬送電極への多相交番電圧である搬送バイアスの印加に伴って発生する進行波状の電界により前記現像剤を前記担持位置に向けて現像剤搬送方向に搬送するように構成され、当該現像剤搬送方向における下流側の端部が前記担持位置にて前記現像剤担持面と対向するように設けられた、電界搬送基板
    を備えたことを特徴とする、現像剤供給装置。
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