JP2012134544A - 太陽電池用基板、太陽電池素子、太陽電池用モジュールおよび太陽電池用基板の製造方法 - Google Patents

太陽電池用基板、太陽電池素子、太陽電池用モジュールおよび太陽電池用基板の製造方法 Download PDF

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毅 村重
Yoshimasa Sakata
義昌 坂田
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大輔 服部
Hisashi Yamaoka
尚志 山岡
Tatsuki Nagatsuka
辰樹 長塚
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Abstract

【課題】透明性や可撓性に優れ、かつ、ガスバリア性に優れた太陽電池用基板を提供する。
【解決手段】太陽電池用基板100は、無機ガラス10と、無機ガラス10の片側または両側に配置された樹脂層11,11’とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池用基板に関する。より詳細には、本発明は、ガスバリア性、可撓性、取り扱い性、および透明性に優れる太陽電池用基板に関する。
近年、太陽電池は次世代エネルギー源として注目されており、建築部材から携帯機器の電源に至るまで多くの用途が見込まれ、活発な研究・開発が進められている。太陽電池モジュールとしては、所定サイズの光起電力素子を封入部に封入し、耐候性や水蒸気バリア性を有する表面保護部材を貼り合わせた構成がよく知られている。
従来、太陽電池用モジュールの表面保護部材には、ガラス材が用いられてきた。しかし、ガラス材を用いた場合には、可撓性が十分ではなく、取り扱い性が悪くなるという問題がある。
近年、軽量化や取り扱い性などの観点から、可撓性を有する樹脂シートを保護部材として用いることが検討されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、保護部材として樹脂シートを用いた場合には、十分なガスバリア性が得られないという問題がある。また、金属箔を樹脂シートで挟み込んだものを保護部材として用いることも検討されているが、透明性が低いため、透過型では利用できないという課題がある。
また、光起電力素子自体の基板として、高耐熱の樹脂シートを用いることも提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、光起電力素子作製の際にかかる熱によって、基板の寸法安定性が十分でないという問題がある。
特開2007−173449号公報 特開2003−031823号公報
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ガスバリア性、柔軟性、耐熱性および透明性に優れ、かつ、寸法安定性、操作性および二次加工性に優れた太陽電池用基板およびその簡便な製造方法を提供することにある。
本発明の太陽電池用基板は、無機ガラスと、該無機ガラスの片側または両側に配置された樹脂層とを備える。
好ましい実施形態においては、前記樹脂層の合計厚みdrsumと前記無機ガラスの厚みdとの比drsum/dは、0.01〜10である。
好ましい実施形態においては、前記無機ガラスの両側に樹脂層が形成されており、該樹脂層は同一の材料で構成され、同一の厚みを有し、かつ、該それぞれの樹脂層の厚みは該無機ガラスの厚みと等しい。
好ましい実施形態においては、太陽電池用基板の総厚は600μm以下である。
好ましい実施形態においては、上記無機ガラスの厚みdは1〜400μmである。
好ましい実施形態においては、上記樹脂層の25℃におけるヤング率は1.5GPa以上である。
好ましい実施形態においては、前記樹脂層は、エポキシ系樹脂および/またはオキセタン系樹脂を主成分とする樹脂組成物から形成されている。
好ましい実施形態においては、前記樹脂層は前記無機ガラスに直接設けられている。
本発明の別の局面によれば、光起電力素子が提供される。この光起電力素子は、前記太陽電池用基板上に光起電力層を備える。
本発明の別の局面によれば、太陽電池用モジュールが提供される。この太陽電池モジュールは、表面保護部材と裏面保護部材との間の光起電力素子封入部に複数の光起電力素子が封入された太陽電池モジュールであって、該光起電力素子が前記光起電力素子である。
本発明の別の局面によれば、太陽電池用基板の製造方法が提供される。この製造方法は、無機ガラスに半硬化状態の樹脂組成物を貼り合わせること、および、該無機ガラスに貼り合わせた該樹脂組成物を完全に硬化させることを含む。
本発明によれば、無機ガラスと樹脂層とを有することにより、透明性が高く、可撓性に優れ、かつ、ガスバリア性に優れた太陽電池用基板を提供し得る。具体的には、無機ガラスはガスバリア層として機能するため、付加的にガスバリア層を積層する必要がなく、該基板を薄型化することが可能となる。また、無機ガラスは、高い線膨張係数を有する樹脂層の熱膨張を抑制し得、線膨張係数の小さい基板が得られ得る。一般的に、無機ガラスの破断は、表面の微小欠陥への応力集中が原因とされており、厚みを薄くするほど破断が生じやすく薄型化は困難である。本発明の太陽電池用基板の両側に樹脂層を配置した場合には、無機ガラスの両側に配置された樹脂層が、変形時の欠陥への引き裂き方向の応力を緩和するため、無機ガラスの薄型化、軽量化が可能となる。その結果、柔軟性に優れ、二次加工性およびに操作性に優れ得る。また、上記太陽電池基板は、無機ガラスおよび樹脂層で構成されていることから、透明性にも優れ得る。
本発明の1つの実施形態による太陽電池用基板の概略断面図である。 本発明の1つの実施形態による光起電力素子の概略断面図である。 本発明の1つの実施形態による太陽電池モジュールの概略断面図である。 本発明の別の実施形態による太陽電池モジュールの概略断面図である。
A.太陽電池用基板の全体構成
図1(a)は、本発明の好ましい実施形態による太陽電池用基板の概略断面図である。この太陽電池用基板100は、無機ガラス10と、無機ガラス10の両側それぞれに配置された樹脂層11,11’とを備える。このような構成を有することにより、透明性およびガスバリア性に優れ、さらに柔軟性にも優れた太陽電池用基板が得られる。
図1(b)は、本発明の別の好ましい実施形態による太陽電池用基板の概略断面図である。この太陽電池用基板100’は、無機ガラス10と、無機ガラス10の片側の面に配置された樹脂層11とを備える。このような構成を有することにより、透明性に優れ、かつ、ガスバリア性に優れた太陽電池基板が得られる。
無機ガラス10の両側それぞれに配置された樹脂層11および11’は、好ましくは、同一の材料で形成され、かつ、略同一の厚みを有する。このような構成を有することにより、さらに線膨張係数が小さく、かつ、操作性および二次加工性にきわめて優れた基板を得ることができる。
樹脂層11,11’は、好ましくは、無機ガラス10に直接形成されている。具体的には、樹脂層11,11’は、接着層を介することなく無機ガラスに形成されている。このような構成を有することにより、より薄型の太陽電池用基板が得られ得る。このような構成を有する太陽電池用基板は、後述の製造方法により作成され得る。なお、樹脂層11,11’は、接着層を介して無機ガラスに固着されていてもよい。当該接着層は、任意の適切な接着剤または粘着剤で形成される。
上記樹脂層の合計厚みdrsumと上記無機ガラスの厚みdとの比drsum/dは、好ましくは0.01〜10であり、さらに好ましくは0.1〜5であり、特に好ましくは0.8〜2.5である。樹脂層の合計厚みdrsumと無機ガラスの厚みdがこのような関係を有することにより、加熱処理における基板の反りやうねりが良好に抑制され得る。ここで、樹脂層の合計厚みdrsumは樹脂層が片側のみに備えられている場合には、片側の樹脂層の厚みを、樹脂層が両側に備えられている場合には、両側の樹脂層の合計厚みをいう。上記無機ガラスの厚みdに対するそれぞれの樹脂層dと上記無機ガラスの厚みdとの差の比(d−d)/dは、好ましくは−0.95〜1.5であり、さらに好ましくは−0.6〜0.3である。このような構成を採用することによって、得られる太陽電池用基板は、加熱処理されても、無機ガラスの両面に熱応力が均等に掛かるため、反りやうねりがきわめて生じ難くなる。
上記太陽電池用基板の総厚は、その構成に応じて任意の適切な値に設定され得る。好ましくは600μm以下であり、さらに好ましくは1〜400μm、特に好ましくは20〜200μmである。
上記太陽電池用基板の170℃における平均線膨張係数は、好ましくは20ppm℃−1以下であり、さらに好ましくは10ppm℃−1以下である。上記の範囲であれば、例えば、複数の熱処理工程に供されても、基板と光起電力層との位置ずれや、光起電力層に接続する配線の破断、亀裂が生じにくい。
上記太陽電池用基板を湾曲させた際の破断直径は、好ましくは30mm以下であり、さらに好ましくは10mm以下である。
上記太陽電池用基板の波長550nmにおける透過率は、好ましくは85%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。このような透過率を有することで、光透過型の太陽電池の基板としても十分に適用することができる。好ましくは、上記太陽電池用基板は、180℃で2時間の加熱処理を施した後の光透過率の減少率が5%以内である。このような減少率であれば、例えば、太陽電池セルや太陽電池モジュールの製造プロセスにおいて、必要な加熱処理を施しても、実用上許容可能な光透過率を確保できるからである。樹脂層を採用しながらこのような特性を実現したことが、本発明の効果の1つである。
上記太陽電池用基板の表面粗度Ra(実質的には、樹脂層の表面粗度Ra)は、好ましくは5nm以下であり、さらに好ましくは2nm以下である。上記太陽電池用基板のうねりは、好ましくは0.5μm以下であり、さらに好ましくは0.1μm以下である。このような特性の太陽電池用基板であれば、品質に優れる。
B.無機ガラス
本発明の太陽電池用基板に用いられる無機ガラスの形状は、代表的には、板状である。無機ガラスは、組成による分類によれば、例えば、ソーダ石灰ガラス、ホウ酸ガラス、アルミノ珪酸ガラス、石英ガラス等が挙げられる。また、アルカリ成分による分類によれば、無アルカリガラス、低アルカリガラスが挙げられる。上記無機ガラスのアルカリ金属成分(例えば、NaO、KO、LiO)の含有量は、好ましくは15重量%以下であり、さらに好ましくは10重量%以下である。
上記無機ガラスの厚みdは、好ましくは1〜400μmであり、さらに好ましくは10〜200μmであり、特に好ましくは30〜100μmである。本発明において、無機ガラスの両側に樹脂層を配置した場合には、無機ガラスの厚みを薄くすることができる。
上記無機ガラスの波長550nmにおける透過率は、好ましくは90%以上である。上記無機ガラスの波長550nmにおける屈折率nは、好ましくは1.4〜1.6である。
上記無機ガラスの平均熱膨張係数は、好ましくは10ppm℃−1〜0.5ppm℃−1あり、さらに好ましくは5ppm℃−1〜0.5ppm℃−1ある。上記範囲の無機ガラスであれば、高温又は低温環境下において、樹脂層の寸法変化を効果的に抑制し得る。
上記無機ガラスの密度は、好ましくは2.3g/cm〜3.0g/cmあり、さらに好ましくは2.3g/cm〜2.7g/cmある。上記範囲の無機ガラスであれば、軽量の太陽電池用基板が得られる。
上記無機ガラスの成形方法は、任意の適切な方法が採用され得る。代表的には、上記無機ガラスは、シリカやアルミナ等の主原料と、芒硝や酸化アンチモン等の消泡剤と、カーボン等の還元剤とを含む混合物を、1400℃〜1600℃の温度で溶融し、薄板状に成形した後、冷却して作製される。上記無機ガラスの薄板成形方法としては、例えば、スロットダウンドロー法、フュージョン法、フロート法等が挙げられる。これらの方法によって板状に成形された無機ガラスは、薄板化したり、平滑性を高めたりするために、必要に応じて、フッ酸等の溶剤により化学研磨されてもよい。
上記無機ガラスは、市販のものをそのまま用いてもよく、あるいは、市販の無機ガラスを所望の厚みになるように研磨して用いてもよい。市販の無機ガラスとしては、例えば、コーニング社製「7059」、「1737」または「EAGLE2000」、旭硝子社製「AN100」、NHテクノグラス社製「NA−35」、日本電気硝子社製「OA−10」等が挙げられる。
C.樹脂層
上記樹脂層の波長550nmにおける透過率は、好ましくは85%以上である。上記樹脂層の波長550nmにおける屈折率(n)は、好ましくは1.3〜1.7である。上記樹脂層の屈折率(n)と上記無機ガラスの屈折率(n)との差は、好ましくは0.2以下であり、さらに好ましくは0.1以下である。このような範囲であれば、無機ガラスと樹脂層との屈折率差によって太陽電池用基板を透過する光の進行方向にズレが生じるを防止することができる。
上記樹脂層の弾性率(ヤング率)は、それぞれ、好ましくは1.5GPa以上であり、さらに好ましくは2GPa以上である。上記の範囲とすることによって、無機ガラスを薄くした場合でも、当該樹脂層が変形時の欠陥への引き裂き方向の応力を緩和するので、無機ガラスへのクラックや破断が生じ難くなる。
上記樹脂層を形成する樹脂組成物としては、任意の適切な樹脂組成物が採用され得る。好ましくは、当該樹脂組成物は、耐熱性に優れた樹脂を含む。当該樹脂は、熱硬化型または紫外線硬化型の樹脂であってもよく、熱可塑性樹脂であってもよい。熱硬化型または紫外線硬化型の樹脂としては、例えば、ポリアリレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエチレンナフタレート系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、オキセタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂が挙げられる。熱硬化型または紫外線硬化型の樹脂を用いる場合、特に好ましくは、上記樹脂層は、エポキシ系樹脂および/またはオキセタン系樹脂を主成分とする樹脂組成物から形成される。表面平滑性に優れ、色相が良好な樹脂層が得られるからである。
上記エポキシ系樹脂は、分子中にエポキシ基を持つものであれば、任意の適切なものが用いられる。上記エポキシ系樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型及びこれらの水添加物等のビスフェノール型;フェノールノボラック型やクレゾールノボラック型等のノボラック型;トリグリシジルイソシアヌレート型やヒダントイン型等の含窒素環型;脂環式型;脂肪族型;ナフタレン型、ビフェニル型等の芳香族型;グリシジルエーテル型、グリシジルアミン型、グリシジルエステル型等のグリシジル型;ジシクロペンタジエン型等のジシクロ型;エステル型;エーテルエステル型;およびこれらの変性型等が挙げられる。これらのエポキシ系樹脂は、単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
好ましくは、上記エポキシ系樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ系樹脂、脂環式型エポキシ系樹脂、含窒素環型エポキシ系樹脂、又はグリシジル型エポキシ系樹脂である。上記エポキシ系樹脂が含窒素環型である場合、好ましくは、トリグリシジルイソシアヌレート型エポキシ系樹脂である。これらのエポキシ系樹脂は、変色防止性に優れる。
好ましくは、上記樹脂層は、下記一般式(I)、(II)、(III)および(IV)からなる群から選択される少なくとも1種のエポキシ系プレポリマーの硬化層である。
Figure 2012134544
上記式(I)中、X及びXは、それぞれ独立して、共有結合、CH基、C(CH基、C(CF基、CO基、酸素原子、窒素原子、SO基、Si(CHCH基、又はN(CH)基を表す。Y〜Yは置換基であり、a〜dはその置換数を表す。Y〜Yは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4の置換アルキル基、ニトロ基、シアノ基、チオアルキル基、アルコキシ基、アリール基、置換アリール基、アルキルエステル基、又は置換アルキルエステル基を表す。a〜dは、0から4までの整数であり、lは2以上の整数である。
Figure 2012134544
上記式(II)中、X及びXは、それぞれ独立して、CH基、C(CH基、C(CF基、CO基、酸素原子、窒素原子、SO基、Si(CHCH基、又はN(CH)基を表す。Y〜Yは置換基であり、e〜gはその置換数を表す。Y〜Yは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4の置換アルキル基、ニトロ基、シアノ基、チオアルキル基、アルコキシ基、アリール基、置換アリール基、アルキルエステル基、又は置換アルキルエステル基を表す。e及びgは0から4までの整数であり、fは0から3までの整数であり、mは2以上の整数である。
Figure 2012134544
上記式(III)中、X〜Xは、それぞれ独立して、共有結合、CH基、C(CH基、C(CF基、CO基、酸素原子、窒素原子、SO基、Si(CHCH基、又はN(CH)基を表す。Yは、上記式(a)〜(d)のいずれかである。
Figure 2012134544
上記式(IV)中、nおよびmは、それぞれ、1〜6のいずれかの整数を表す。Yは、上記式(a)または(b)で表される部分である。
上記エポキシ系樹脂としては、好ましくは、下記一般式(V)で表わされるエポキシ樹脂が用いられる。
Figure 2012134544
上記式(V)中、Rはz個の活性水素を有する有機化合物の残基であって、該有機化合物が活性水素基として水酸基のみを少なくとも1個含有する化合物、又は活性水素基として水酸基のみを少なくとも1個含有し、かつ、不飽和二重結合含有基を同時に含有する不飽和アルコールから選ばれる1種または2種以上の混合物からなるものであり、n、n、・・・n
はそれぞれ0又は1〜30の整数でその和が1〜100であり、zはRの活性水素基の数を表す1〜10の整数であり、Aは置換基Xを有するオキシシクロヘキサン骨格であり、次式(VI)で表される基である(式(VI)中、Xはエポキシ基を示す)。
Figure 2012134544
上記式(V)のRの具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールメラミン、イソシアヌル酸の各残基が挙げられる。これらの中でも、トリメチロールプロパン残基が入手のしやすさや樹脂としての取り扱い易さの点で、好ましく用いられる。n、n、・・・nの添字の最大値zはRの活性水素基数を表しており、例えば、エチレングリコールでは2、トリメチロールプロパンでは3の値をとる。zが0ではエポキシ基を含有出来ないので粘度を高くする効果は得られず、一方、zが11以上のものは、骨格となる化合物の入手も難しく、また、価格も高くなるので経済的ではない。
Aで表されるエポキシ基含有シクロヘキシルエーテル基が結合している数(鎖長)n、n、・・・nはそれぞれ0又は1〜30の整数であり、その和は1〜100である。このn1 、n2 、・・・nz が30を超えて多い場合は、エポキシ系樹脂の粘度が高くなり取り扱い性が悪化する。また、n、n、・・・nの和が0では反応性がなく、100を超えて大きい場合は、溶融混練時の粘度増加の程度の制御が難しくなる。Rがトリメチロールプロパン残基の場合、好ましくは、n1 、n2 、n3 はそれぞれ5〜30の整数であり、その和が15〜90である。
上記エポキシ系樹脂のエポキシ当量(エポキシ基1個当りの質量)は、好ましくは100g/eqiv.〜1000g/eqiv.である。上記範囲であれば、得られる樹脂層の柔軟性や強度を高めることができる。
上記エポキシ系樹脂の軟化点は、好ましくは120℃以下である。また、上記エポキシ系樹脂は、好ましくは常温(例えば、5〜35℃)で液体である。さらに好ましくは、上記エポキシ系樹脂は、塗工温度以下で(特に常温で)液体の二液混合型エポキシ系樹脂である。樹脂層を形成する際の展開性や塗工性に優れるからである。
上記オキセタン系樹脂としては、分子中にオキセタン環を有する、任意の適切な化合物が用いられる。具体例としては、下記式(1)〜(5)に示すオキセタン化合物が挙げられる。
Figure 2012134544
上記樹脂組成物は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。上記添加剤としては、例えば、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。樹脂組成物に含有される添加剤の種類、数および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
上記樹脂組成物は、市販品をそのまま用いてもよく、市販品に任意の添加剤および/または樹脂を添加して用いてもよい。市販のエポキシ系樹脂(樹脂組成物)としては、例えば、ジャパンエポキシレジン社製のグレード827およびグレード828、アデカ社製のEPシリーズおよびKRシリーズ、ダイセル化学工業社製のセロキサイド2021PおよびEHPE3150等が挙げられる。市販のオキセタン系樹脂としては、例えば、東亜合成社製のOXT221等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、下記一般式(X)および/または(Y)で表される繰り返し単位を有する熱可塑性樹脂(A)が挙げられる。このような熱可塑性樹脂を含むことにより、上記無機ガラスとの密着性に優れ、かつ靭性にも優れる樹脂層を得ることができる。その結果、切断時にクラックが進展し難い太陽電池用基板を得ることができる。
Figure 2012134544
式(X)中、Rは炭素数6〜24の置換または非置換のアリール基、炭素数4〜14のシクロアルキレン基または炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基であり、好ましくは炭素数6〜20の置換または非置換のアリール基、炭素数4〜12のシクロアルキレン基または炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基であり、さらに好ましくは炭素数6〜18の置換または非置換のアリール基、炭素数5〜10のシクロアルキレン基または炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基である。Rは炭素数6〜24の置換または非置換のアリール基、炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数5〜12のシクロアルキレン基、または水素原子であり、好ましくは炭素数6〜20の置換または非置換のアリール基、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキレン基、または水素原子である。式(Y)中、RおよびRはそれぞれ独立して炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、水素原子、炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、炭素数5〜12のシクロアルキル基または炭素数5〜12のシクロアルキレン基であり、好ましくは炭素数1〜5の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、水素原子、炭素数1〜5の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、炭素数5〜10のシクロアルキル基または炭素数5〜10のシクロアルキレン基であり、さらに好ましくは炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、水素原子、炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、炭素数5〜8のシクロアルキル基または炭素数5〜8のシクロアルキレン基である。Aはカルボニル基または炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基であり、好ましくはカルボニル基または炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基であり、さらに好ましくはカルボニル基または炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基である。mは0〜8の整数を表し、好ましくは0〜6の整数を表し、さらに好ましくは0〜3の整数を表す。nは0〜4の整数を表し、好ましくは0〜2の整数を表す。
上記熱可塑性樹脂(A)の重合度は、好ましくは10〜6000、さらに好ましくは20〜5000、特に好ましくは50〜4000である。
上記熱可塑性樹脂(A)の具体例としては、スチレン−無水マレイン酸コポリマー、エステル基含有シクロオレフィンポリマーが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
上記熱可塑性樹脂(A)のガラス転移温度は、好ましくは110℃以上、さらに好ましくは120℃以上、特に好ましくは120〜350℃である。このような範囲であれば、耐熱性に優れる太陽電池用基板を得ることができる。
上記熱可塑性樹脂の別の具体例としては、1つ以上の下記一般式(Z)で表される繰り返し単位を有する熱可塑性樹脂(B)が挙げられる。このような熱可塑性樹脂を含むことにより、上記無機ガラスとの密着性に優れ、かつ靭性にも優れる樹脂層を得ることができる。その結果、切断時にクラックが進展し難い太陽電池用基板を得ることができる。
Figure 2012134544
式(1)中、Rは炭素数6〜24の置換または非置換のアリール基、炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、または炭素数4〜14のシクロアルキレン基、または酸素原子であり、好ましくは炭素数6〜20の置換または非置換のアリール基、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、炭素数4〜12のシクロアルキレン基、または酸素原子であり、さらに好ましくは炭素数6〜18の置換または非置換のアリール基、炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、または炭素数5〜10のシクロアルキレン基、または酸素原子である。Rは炭素数6〜24の置換または非置換のアリール基、炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数5〜12のシクロアルキレン基、または水素原子であり、好ましくは炭素数6〜20の置換または非置換のアリール基、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキレン基、または水素原子である。
上記熱可塑性樹脂(B)の重合度は、好ましくは10〜6000、さらに好ましくは20〜5000、特に好ましくは50〜4000である。
上記熱可塑性樹脂(B)の具体例としては、ポリアリレート、ポリエステル、ポリカーボネートが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
上記熱可塑性樹脂(B)のガラス転移温度は、好ましくは120℃以上、さらに好ましくは150℃以上、特に好ましくは180〜350℃である。このような範囲であれば、耐熱性に優れる太陽電池用基板を得ることができる。
D.太陽電池用基板の製造方法
本発明の太陽電池用基板の製造方法は、無機ガラスに半硬化状態の樹脂組成物を貼り合わせること、および、該無機ガラスに貼り合わせた該樹脂組成物を完全に硬化させることを含む。このような製造方法によれば、接着層を介することなく、樹脂層を無機ガラスに直接固着させることができる。
1つの実施形態においては、本発明の太陽電池用基板の製造方法は、剥離フィルム上に樹脂組成物を塗工すること、当該樹脂組成物を半硬化させて半硬化層を形成すること、半硬化層を無機ガラスに貼り合わせること、無機ガラスの半硬化層を貼り合わせていない側に樹脂組成物を塗工すること、および、当該半硬化層および塗工樹脂組成物を完全に硬化させて無機ガラスの両側に樹脂層を形成すること、を含む。別の実施形態においては、本発明の太陽電池用基板の製造方法は、剥離フィルム/半硬化層の積層体を2つ用意すること、それぞれの積層体の半硬化層を無機ガラスのそれぞれの側に貼り合わせること、および、無機ガラスの両側の半硬化層を完全に硬化させて樹脂層を形成すること、を含む。
上記樹脂組成物は、C項で説明したとおりである。
上記樹脂層の形成における樹脂組成物の塗工方法としては、例えば、エアドクターコーティング、ブレードコーティング、ナイフコーティング、リバースコーティング、トランスファロールコーティング、グラビアロールコーティング、キスコーティング、キャストコーティング、スプレーコーティング、スロットオリフィスコーティング、カレンダーコーティング、電着コーティング、ディップコーティング、ダイコーティング等のコーティング法;フレキソ印刷等の凸版印刷法、ダイレクトグラビア印刷法、オフセットグラビア印刷法等の凹版印刷法、オフセット印刷法等の平版印刷法、スクリーン印刷法等の孔版印刷法等の印刷法が挙げられる。
上記塗工に際し、シリコーンオイル等のレベリング剤や硬化剤等の添加剤を必要に応じて樹脂組成物に添加して、塗工液の塗工適性やインクの印刷適性を向上させることができる。また、無機ガラス表面にコロナ処理やシラン処理を施すことにより、または、樹脂組成物にシランカップリング剤を混合することにより、無機ガラスと樹脂組成物(最終的には、樹脂層)との密着性を高めることができる。さらに、
上記シランカップリング剤の代表例としては、アミノシランが挙げられる。アミノシランの具体例としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。これらのアミノシランは単独または2種以上混合して使用することができる。さらに、アミノシラン以外のカップリング剤を併用しても差支えない。
上記積層体(剥離フィルム/半硬化層)と無機ガラスとの貼り合わせは、任意の適切な手段により行われる。代表的には、ラミネーティングが行われる。例えば、無機ガラスの両側に積層体を貼り合わせる場合において、ロール状の積層体を無機ガラスに連続的に供給してラミネーティングすることにより、非常に優れた製造効率で太陽電池用基板を製造することができる。
上記樹脂組成物の硬化方法は、樹脂組成物に含有されるエポキシ系樹脂および/またはオキセタン系樹脂の種類に応じて適切に選択され得る。エポキシ系樹脂および/またはオキセタン系樹脂が熱硬化型である場合には、樹脂組成物は加熱により半硬化および完全硬化される。加熱条件は、エポキシ系樹脂および/またはオキセタン系樹脂の種類、樹脂組成物の組成等に応じて適切に選択され得る。1つの実施形態においては、塗工した樹脂組成物を半硬化させるための加熱条件は、温度が100〜150℃で、加熱時間が5〜30分である。1つの実施形態においては、半硬化層を完全硬化させるための加熱条件は、温度が170〜200℃で、加熱時間が60分以上である。エポキシ系樹脂および/またはオキセタン系樹脂が紫外線硬化型である場合には、樹脂組成物は紫外線照射により半硬化および完全硬化される。照射条件は、エポキシ系樹脂および/またはオキセタン系樹脂の種類、樹脂組成物の組成等に応じて適切に選択され得る。1つの実施形態においては、塗工した樹脂組成物を半硬化させるための照射条件は、照射強度が1〜60mW/cmで、照射時間が3〜120秒である。1つの実施形態においては、半硬化層を完全硬化させるための照射条件は、照射強度が40〜60mW/cmで、照射時間が5〜30分である。必要に応じて、半硬化層を完全硬化させるための紫外線照射の後に加熱処理を施してもよい。この場合の加熱処理の条件は、例えば、温度が130〜150℃で、加熱時間が10〜60分である。
E.光起電力素子
本発明の太陽電池用基板は、光起電力素子に好適に用いられ得る。本発明の光起電力素子は、前記太陽電池用基板上に光起電力層を有する。
図2は、本発明の好ましい実施の形態による光起電力素子の概略断面図である。この光起電力素子200は、本発明の太陽電池用基板100と太陽電池用基板100上に形成された光起電力層20とを備える。光起電力素子200が本発明の別の実施形態の太陽電池用基板(例えば、図1(b)の太陽電池用基板100’)を備えていてもよいことは言うまでもない。太陽電池用基板100’のように片側のみに樹脂層を備えるものを用いる場合には、光起電力層20は無機ガラス(例えば、図1(b)の無機ガラス10)が配置されている側に配置される。
光起電力層20としては、特に制限はなく、任意の適切なものを使用することができる。具体例としては、多(単)結晶シリコン系半導体、シングル接合型あるいはタンデム構造型等からなるアモルファスシリコン系半導体、ガリウムヒ素(GaAs)やインジウムリン(InP)等のIII−V族化合物半導体、カドミウムテルル(CdTe)、銅−インジウム−セレン系(CIS系)、銅−インジウム−ガリウム−セレン系(CIGS系)等のII−VI族化合物半導体、色素増感型半導体、有機半導体などが挙げられる。
F.太陽電池モジュール
本発明の太陽電池モジュールは、表面保護部材と裏面保護部材との間の光起電力素子封入部に複数の光起電力素子が封入されている。
図3は、本発明の好ましい実施の形態による太陽電池モジュールの概略断面図である。この太陽電池モジュール300は、表面保護部材30と裏面保護部材31との間に光起電力素子封入部32を有する。該光起電力素子封入部32には、複数個の上記光起電力素子200が封入されている。
上記表面保護部材30および裏面保護部材31としては、特に制限はなく、任意の適切なものを使用することができる。具体例としては、ガラス板や、ポリアミド系樹脂(各種のナイロン)、ポリエステル系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アセタール系樹脂、その他等の各種の高分子フィルムないしシートなどが挙げられる。
上記光起電力素子封入部32としては、特に制限はなく、任意の適切なものを使用することができる。具体例としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ウレタン樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、エチレン−酢酸ビニル部分ケン化物、シリコーン樹脂、ポリエステル系樹脂等を挙げることができる。
図4は、本発明の別の好ましい実施の形態による太陽電池モジュールの概略断面図である。この太陽電池モジュール300’は、表面保護部材および裏面保護部材として上記太陽電池用基板100が配置されている。太陽電池モジュール300’が本発明の別の実施形態の太陽電池陽基板(例えば、図1(b)の太陽電池用基板100’)を備えてもよいことは言うまでもない。太陽電池用基板100’のように片側のみ樹脂層を備えるものを用いる場合には、優れたガスバリア性が得られるので、無機ガラス(例えば、図1(b)の無機ガラス10)と光起電力素子封入部32が接するように配置することが好ましい。該太陽電池用基板は、裏表面保護部材または裏面保護部材のいずれか一方だけ用いてもよく、該太陽電池用基板が配置されない側には上記の一般的な表面保護部材または裏面保護部材を用いることができる。表面保護部材100および裏面保護部材100との間には、光起電力素子封入部32が備えられており、該光起電力素子封入部32には、複数個の光起電力素子40が封入されている。光起電力素子40としては、任意の適切なものを使用することができ、上記光起電力素子200を用いてもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。
[実施例]
A4サイズの板状の無機ガラス(松浪ガラス製、ホウケイ酸ガラス、厚み:50μm)をメチルエチルケトン(MEK)で洗浄し、その両面にコロナ処理(放電エネルギー:120W/m/分×4回)を施した。その後、シランカップリング剤(信越化学工業社製、KBM−403)の2重量%水溶液を無機ガラスの両面に塗布し、110℃で5分間熱処理した。
次に、下記式(a)で表わされるエポキシ樹脂1(ダイセル化学工業社製、セロキサイド2021P)とエポキシ樹脂2(2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物、ダイセル化学工業社製、EHPE3150)と下記式(5)で表わされるオキセタン樹脂(東亜合成社製、OXT221)と重合開始剤(アデカ製、SP−170)とレベリング剤(ビックケミージャパン製、BYK−307)を重量比率で25/25/50/3/3/0.15の割合で配合し、混合液を調製した。得られた混合液を無機ガラス表面にワイヤーバーで塗工した後、UV光を300mJ/cm以上照射して樹脂を硬化させて、厚み25μmの樹脂層を形成した。同様に、無機ガラス裏面にも厚み25μmの樹脂層を形成した後、150℃で30分間熱処理した。
このようにして、樹脂層(25μm)/無機ガラス(50μm)/樹脂層(25μm)の構成を有する太陽電池用基板を得た。
Figure 2012134544
Figure 2012134544
得られた太陽電池用基板について、以下の評価を行った。
(1)厚み;
アンリツ製デジタルマイクロメーター「KC−351C型」を使用して測定した。得られた太陽電池用基板の厚みは、約100μmであった。
(2)水蒸気透過率;
MOCON社製の水蒸気透過率測定装置「PERMATRAN」を使用して測定した。得られた太陽電池用基板の水蒸気透過率は、測定限界(<10−2g/m・day)以下であった。
(3)寸法安定性;
TMA/SS150C(セイコーインスツルメンツ社製)を用い30℃〜170℃におけるTMA値(μm)を測定し、平均線膨張係数を算出した。得られた太陽電池用基板の平均線膨張係数は、11ppm℃−1であった。
(4)光透過率;
DOT−3C(村上色彩研究所社製)を用い、波長550nmにおける透過率を測定した。得られた太陽電池用基板の透過率は92%であった。
(5)破断直径;
直径の異なる円柱へ基板(サイズ:10mm×50mm、サンプル数:5)を巻きつけ、無機ガラスの破断を目視により確認し、破断が確認された5サンプルについての円柱の直径の平均を破断直径とした。得られた太陽電池用基板の平均の破断直径は、5mmであった。
(6)耐熱性(熱分解温度、ガラス転移温度);
熱分解温度は、TG/DTA(セイコーインスツルメンツ社製)を用い、樹脂の加熱重量減少から熱分解温度を評価した。熱分解温度は、150℃からの重量変化が0.5%の時点での温度とした。得られた太陽電池用基板の熱分解温度は、235℃であった。
ガラス転移温度は、DSC(セイコーインスツルメンツ社製)を用い、熱流量の変化から測定した。得られた太陽電池用基板のガラス転移温度は、200℃を超えていた。
本発明の太陽電池用基板は、光起電力素子に好適に用いられ得る。また、太陽電池用モジュールの表面保護材および/または裏面保護材にも好適に用いられ得る。
10 無機ガラス
11、11’ 樹脂層
20 光起電力層
30 表面保護部材
31 裏面保護部材
32 光起電力素子封入部
40 光起電力素子
100、100’ 太陽電池用基板
200 光起電力素子
300、300’ 太陽電池モジュール

Claims (13)

  1. 無機ガラスと、該無機ガラスの片側または両側に配置された樹脂層とを備える、太陽電池用基板。
  2. 前記樹脂層の合計厚みdrsumと前記無機ガラスの厚みdとの比drsum/dが0.01〜10である、請求項1に記載の太陽電池用基板。
  3. 前記無機ガラスの両側に樹脂層が形成されており、該樹脂層が同一の材料で構成され、同一の厚みを有し、かつ、該それぞれの樹脂層の厚みが該無機ガラスの厚みと等しい、請求項1または2に記載の太陽電池用基板。
  4. 前記太陽電池用基板の総厚が600μm以下である、請求項1から3のいずれかに記載の太陽電池用基板。
  5. 前記無機ガラスの厚みdが1〜400μmである、請求項1から4のいずれかに記載の太陽電池用基板。
  6. 前記樹脂層の25℃におけるヤング率が1.5GPa以上である、請求項1から5のいずれかに記載の太陽電池用基板。
  7. 前記樹脂層が、エポキシ系樹脂および/またはオキセタン系樹脂を主成分とする樹脂組成物から形成されている、請求項1から6のいずれかに記載の太陽電池用基板。
  8. 前記樹脂層が前記無機ガラスに直接設けられている、請求項1から7のいずれかに記載の太陽電池用基板。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の太陽電池用基板上に光起電力層を備える、光起電力素子。
  10. 表面保護部材と裏面保護部材との間の光起電力素子封入部に複数の光起電力素子が封入された太陽電池モジュールであって、該光起電力素子が請求項9に記載の光起電力素子である、太陽電池モジュール。
  11. 前記表面保護部材および/または前記裏面保護部材が請求項1〜8のいずれかに記載の太陽電池用基板である請求項10に記載の太陽電池用モジュール。
  12. 表面保護部材と裏面保護部材との間の光起電力素子封入部に複数の光起電力素子が封入された太陽電池モジュールであって、該表面保護部材および/または該裏面保護部材が請求項1〜8のいずれかに記載の太陽電池用基板である、太陽電池用モジュール。
  13. 無機ガラスに半硬化状態の樹脂組成物を貼り合わせること、および、該無機ガラスに貼り合わせた該樹脂組成物を完全に硬化させることを含む、太陽電池用基板の製造方法。
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