JP2012133830A - 光ディスク装置、半導体装置、及び光ディスク判別方法 - Google Patents

光ディスク装置、半導体装置、及び光ディスク判別方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光ディスク装置において、光ディスクの記録面の判別を精度良く、且つ容易に行う。
【解決手段】光ディスク装置(100)は、光ディスク(4)の記録面の第1の記録面に対してレーザ光を照射させながら対物レンズ(21)を移動させたときの反射信号(FE、PE)の測定に基づいて得られる第1の記録面の情報(td)を格納するための記憶領域(15)を有する。光ディスク装置が光ディスクにアクセスするとき、格納された第1の記録面の情報に応じて対物レンズを移動させる移動時間を設定し、その移動時間に応じて対物レンズを移動させ、そのときの反射信号の特性を測定する。光ディスク表面で反射信号が検出されてから移動時間を経過するまでの間に反射信号の検出があった場合にはアクセスしている記録面が第1の記録面であると判断し、反射信号の検出がなかった場合にはアクセスしている記録面が第1の記録面でないと判断する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ディスク装置、半導体装置、及び光ディスク判別方法に係り、例えば複数の光ディスクに対応した光ディスク装置に適用して有効な技術に関する。
記録媒体としての光ディスクは、様々な規格が存在しており、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu−ray Disc)などを主として、これらの規格から派生したディスクも存在する。例えば、1枚のディスクにDVDに相当する面(以下、「DVD面」と称する。)とCDに相当する面(以下、「CD面」と称する。)を張り合わせた構造のデュアルディスク(Dual Disc)という規格の光ディスクが存在する。デュアルディスクは、所謂レッドブック(Red Book)やイエローブック(Yellow Book)等のCDの規格書に準拠していない規格外のディスクである。具体的には、デュアルディスクのDVD面はDVD規格に準拠しているが、デュアルディスクのCD面はCD規格に準拠しておらず、CD面の表面から情報記録層までの層(以下、「カバー層」又は「サブストレイト」とも称する。)の厚さは0.9mmである。また、一般のCDよりもディスクに厚みがある。デュアルディスクを従来の光ディスク装置で再生しようとする場合、以下の問題がある。
第1に光ディスク装置の機構的な問題がある。例えば、スロットイン型の光ディスク装置の場合、デュアルディスクは一般のCDに比べてディスクに厚みがあるため、ディスクを装填することができずローディングできなかったり、装填したディスクが取り出せなくなったりすることが生ずる。これは、光ディスク装置の機構的な改良により解決することができる。
第2に光学的な問題がある。例えば、光ディスク装置がデュアルディスクを再生・記録するためには、装填されている記録面に応じて、用いるレーザ光の種類や球面収差の補正値を適切なものとしなければならない。そのためには、光ディスク装置が装填された光ディスクの記録面の種類を判別する必要がある。
従来の光ディスクの種類を判別する方法として以下のものがある。DVDとCDのサブストレイトの厚みの違いによる焦点位置の違いを利用したDVDとCDの判別方法である。具体的には、一定の時間、光ディスクにDVD用レーザ光を照射して対物レンズ(フォーカスレンズ)を一定の移動速度でレーザ光の照射方向に移動させ、その時間内に反射光が得られればDVDと判定し、反射光が得られなければCDと判定する。このとき、前記一定の時間は、レーザ光による焦点がDVDの情報記録層には届くが、CDの情報記録層には届かないように対物レンズを移動させる時間であり、当該時間は理論計算により算出される。
光ディスクの種類を判別する方法の別の例として特許文献1に開示がある。特許文献1の方法は、CD用のレーザ光とDVD用のレーザ光の夫々を用いたフォーカスサーチによりフォーカスエラー信号の正側振幅と負側振幅を測定し、測定結果に基づいて演算した夫々のレーザ光によるフォーカスバランス信号を加算し、所定の閾値と比較することで光ディスクの種類を判別する方法である。
特開2009−16019号公報
上記の焦点位置の違いを利用したDVDとCDの判別方法では、デュアルディスクのDVD面とCD面を判別に適用した場合、光ディスク装置の光ピックアップ部分の製品毎のばらつきにより、装填された光ディスクの記録面を判別することができなかったり、誤認識したりする可能性がある。例えば、対物レンズを駆動するアクチュエータの感度(印加電圧に対する対物レンズの移動速度)のばらつきや対物レンズの初期位置のばらつきによる光ディスクと対物レンズの間の距離のばらつき等により、前記一定の時間内にCD面の情報記録層に焦点が合う位置まで対物レンズが移動してしまう場合がある。この場合、デュアルディスクのCD面が装填されていたとしても前記一定の時間内に反射光が得られるため、光ディスク装置はDVD面が装填されていると誤認識してしまう。
一方、特許文献1に記載の方法は、アクチュエータ感度等のばらつきによる影響は少ないが、2種類のレーザ光を夫々照射してフォーカスサーチを行った上で演算処理を実行するため、処理が複雑になるとともに判別に要する時間が長くなるおそれがある。
本発明の目的は、光ディスク装置において、光ディスクの記録面の判別を精度良く、且つ容易に行うことにある。
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
すなわち、本光ディスク装置は、複数種類の光ディスクの記録面のうち第1の記録面に対してレーザ光を照射させながら対物レンズをレーザ光の照射方向に移動させたときの、光ディスクに照射されたレーザ光の反射光の光量に応じた反射信号の測定に基づいて得られる第1の記録面の情報を、格納するための記憶領域を有する。前記光ディスク装置は、光ディスクにアクセスするとき、前記記憶領域に格納された前記第1の記録面の情報に応じて対物レンズを移動させる移動時間を設定し、光ディスクの記録面にレーザ光を照射させながら、設定した移動時間に応じて対物レンズをレーザ光の照射方向に移動させ、そのときの前記反射信号の特性を測定する。測定の結果、光ディスク表面での前記反射信号が検出されてから前記移動時間を経過するまでの間に前記反射信号の検出があった場合には、前記光ディスク装置は、アクセスしている記録面が前記第1の記録面であると判断し、その間に前記反射信号の検出がなかった場合には、アクセスしている記録面が前記第1の記録面でないと判断する。
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
すなわち、本光ディスク装置によれば、光ディスクの記録面の判別を精度良く、且つ容易に行うことができる。
図1は、実施の形態1に係る光ディスク装置の構成を例示するブロック図である。 図2は、光ディスク4の構造の一例を示す説明図である。 図3は、光ディスクの記録面の種類を判別する方法の一例を示す説明図である。 図4は、アクチュエータ35の感度の特性の一例を示す説明図である。 図5は、対物レンズの初期位置のばらつきの一例を示す説明図である。 図6は、光ピックアップの特性がばらついた場合の判別処理の一例を示す説明図である。 図7は、実施の形態1に係る光ディスクの記録面の判別方法の一例を示す説明図である。 図8は、検出時間tdの測定値の取得方法の一例を示すフロー図である。 図9は、実施の形態1に係る光ディスクの記録面の判別方法の一例を示すフロー図である。 図10は、アクチュエータ35の感度の特性の一例を示す説明図である。 図11は、実施の形態2に係る光ディスクの記録面の判別方法の一例を示すフロー図である。
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面中の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
〔1〕(測定値に基づいて光ディスクの記録面を判別する光ディスク装置)
本発明の代表的な実施の形態に係る光ディスク装置(100)は、情報記録層を有する光ディスク(4)にアクセスするための光ディスク装置であって、前記光ディスク装置は、対物レンズ(21)の位置を調整するレンズ調整部(35、5)と、光ディスクに照射されたレーザ光の反射光の光量に応じた反射信号(FE、PE)を生成する反射信号生成部(11)と、設定された検出条件にしたがって前記反射信号を検出し、検出した前記反射信号の特性を測定する測定部(16)と、を有する。また、前記光ディスク装置は、複数種類の光ディスクの記録面のうち第1の記録面(DVD面)に対してレーザ光を照射させながら前記対物レンズをレーザ光の照射方向に移動させたときの前記反射信号の測定に基づいて得られる第1の記録面の情報(td、td_fe、td_pe)を格納するための記憶領域を有する。更に、前記光ディスク装置は、光ディスクにアクセスするとき、前記記憶領域に格納された前記第1の記録面の情報に応じて前記対物レンズを移動させる移動時間(tn)を設定し、前記光ディスクの記録面にレーザ光を照射させながら前記対物レンズをレーザ光の照射方向に移動させ、そのときの前記反射信号の特性を測定させるフォーカススイープ処理を実行させるとともに、アクセス対象の光ディスクの記録面を判別する、データ処理制御部(13)を有する。前記データ処理制御部は、前記フォーカススイープ処理において光ディスク表面での前記反射信号が検出されてから前記移動時間を経過するまでの間に前記反射信号の検出があった場合には、アクセスしている記録面は前記第1の記録面(DVD面)であると判断し、その間に前記反射信号の検出がなかった場合には、アクセスしている記録面は前記第1の記録面でないと判断する。
判別の際の前記移動時間は、前述した従来のDVDとCDの判別方法では理論計算により算出した値を設定したが、項1の光ディスク装置では、前記第1の記録面の情報を基に設定される。ここで、前記第1の記録面の情報は、予め前記光ディスク装置で測定することで得られた測定値に基づく情報であるため、光ピックアップ部分の製造ばらつき等を含んだ値である。そのため、例えば前記光ディスクをデュアルディスクとし、前記第1の記録面をデュアルディスクのDVD面とした場合において、前記移動時間を“レーザ光による焦点がDVD面の情報記録層には届くが、CD面の情報記録層には届かない時間”に設定するとき、理論計算によって設定するよりも、実際の測定結果に基づいて設定する方がより精度良く設定することができる。これにより、従来の方法に比べて、より精度良く光ディスクの記録面の種類を判別することができる。また、項1の光ディスク装置によれば、光ディスクの判別に際し、前記記憶領域に格納された前記第1の記録面の情報を基に前記移動時間を設定し、その時間だけ前記対物レンズを移動させて反射信号の有無を測定すればよいので、判別に長い時間を要することはない。
〔2〕(格納された値を演算して移動時間を設定)
項1の光ディスク装置において、前記第1の記録面の情報は、前記第1の記録面に対してレーザ光を照射させながら対物レンズをレーザ光の照射方向に移動させたときの、光ディスク表面での前記反射信号が検出されてから最初の情報記録層での反射信号が検出されるまでの時間の測定値である第1の測定値(td_fe、td_pe)を含む。更に、前記データ処理制御部は、前記第1の記録面における表面から最初の情報記録層(DVD層)までの第1の距離(0.6mm)と、前記複数種類の光ディスクの記録面のうち第2の記録面(CD面)における表面から最初の情報記録層(DD層)までの第2の距離(0.9mm)との中間の距離を第3の距離(0.75mm)とし、前記第3の距離の前記第1の距離に対する比率を基準とする値(係数A)に前記第1の測定値を乗算する演算をし、演算により算出した値を前記移動時間とする。
例えば前記光ディスクをデュアルディスクとし、前記第1の記録面をデュアルディスクのDVD面、前記第2の記録面をデュアルディスクのCD面とした場合を考える。この場合、例えば前記第1の距離は0.6mm、前記第2の距離は0.9mm、前記第3の距離は0.75mm、となる。また、前述したように光ピックアップにおける対物レンズを駆動させるアクチュエータの感度は印加電圧に対する対物レンズの移動速度で表され、ほぼ線形の特性となる。そして、対物レンズの移動は印加電圧を時間的に変化させることで行われる。ここで、前記第1の測定値は、DVD面にレーザ光を照射した場合の光ディスク表面での反射信号が検出されてから最初の情報記録層での反射信号が検出されるまでの時間の測定値、すなわち表面から0.6mmの位置にレーザ光の焦点が合うまでの対物レンズの移動時間の測定値である。したがって、前記1の距離、前記第3の距離、及び前記第1の測定値がわかれば、光ディスク表面から前記第3の距離(0.75mm)の位置にレーザ光の焦点が合うまでの対物レンズの移動時間を比例計算により算出することができる。これにより、容易に前記移動時間を算出し、設定することが可能となる。
〔3〕(格納された値を移動時間として設定)
項1の光ディスク装置において、前記第1の記録面における表面から最初の情報記録層(DVD層)までの第1の距離(0.6mm)と、前記複数種類の光ディスクの記録面のうち第2の記録面(CD面)における表面から最初の情報記録層(DD層)までの第2の距離(0.9mm)との中間の距離を第3の距離(0.75mm)とし、前記第1の記録面の情報は、前記第1の記録面に対してレーザ光を照射させながら対物レンズをレーザ光の照射方向に移動させたときの、光ディスク表面での前記反射信号が検出されてから最初の情報記録層での前記反射信号が検出されるまでの時間の測定値である第1の測定値(td_fe、td_pe)に、前記第3の距離の前記第1の距離に対する比率を基準とする値(係数A)を乗算して得られる値を含む。更に、前記データ処理制御部は、前記記憶領域に格納された前記乗算して得られる値を前記移動時間とする。
項3の光ディスク装置では、前述した前記第3の距離(0.75mm)の位置にレーザ光の焦点が合うまでの時間に係る値を前記記憶領域に予め格納しておくから、項2のように前記データ処理制御部が自ら前記移動時間を演算する必要はなく、判別に要する時間の短縮に資する。
〔4〕(対物レンズの初期位置に応じて移動時間を補正)
項1の光ディスク装置において、前記第1の記録面の情報は、前記第1の記録面に対してレーザ光を照射させながら対物レンズをレーザ光の照射方向に移動させたときの、光ディスク表面での前記反射信号が検出されてから最初の情報記録層(DVD層)での反射信号が検出されるまでの時間の測定値である第1の測定値(td_fe、td_pe)と、前記対物レンズの移動が開始されてから光ディスク表面での反射信号が検出されるまでの時間の測定値である第2の測定値(t0_fe、to_pe)とを含む。更に、前記データ処理制御部は、前記第1の記録面における表面から最初の情報記録層までの第1の距離(0.6mm)と、前記複数種類の光ディスクの記録面のうち第2の記録面(CD面)における表面から最初の情報記録層までの第2の距離(0.9mm)との中間の距離を第3の距離(0.75mm)とし、前記第3の距離の前記第1の距離に対する比率を基準とする値(係数A)に前記第1の測定値を乗算して得られた値を前記第2の測定値に応じて増減する補正をし、補正後の値を前記移動時間とする。
前記アクチュエータの感度の特性は、実際には線形ではなく非線形となる部分を有している(図8参照)。そのため、前述した項2又は項3のように、前記アクチュエータの感度の特性が線形であるものとして比例計算によって前記移動時間を算出し設定すると、想定した位置からずれた位置に対物レンズが移動する可能性がある。そこで項4の光ディスク装置では、前記第2の測定値、すなわち光ディスクの表面を検出するまでの時間に基づいて対物レンズの初期位置のばらつきを把握し、それに応じて比例計算により求めた値を補正するから、より精度良い前記移動時間を設定することができる。
〔5〕(閾値との関係で補正係数を決定)
項4の光ディスク装置において、前記補正は、前記第1の測定値を乗算して得られた値に補正係数(係数B、係数C、1)を乗算する演算を行う処理であり、前記データ処理制御部は、前記第2の測定値が第1の閾値(Tth1(Vth1))よりも小さいときは前記補正係数を1よりも小さい値とし、前記第2の測定値が前記第1の閾値より大きく且つ前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値(Tth2(Vth2))より小さいときは前記補正係数を1とし、前記第2の測定値が前記第2の閾値よりも大きいときは前記補正係数を1よりも大きい値とする。
前記アクチュエータの感度の特性において、例えば線形部分と非線形部分を区別するための閾値を前記第1の閾値及び前記第2の閾値とする。これによれば、前記第1の閾値及び前記第2の閾値によって決定されるいずれの範囲に前記第2の測定値が存在するかにより、補正の増減方向を容易に決定することができる。
〔6〕(予め補正された移動時間が格納される)
項1の光ディスク装置において、前記第1の記録面に対してレーザ光を照射させながら前記対物レンズをレーザ光の照射方向に移動させたときの、光ディスク表面での前記反射信号が検出されてから最初の情報記録層での前記反射信号が検出されるまでの時間の測定値を第1の測定値(td_fe、td_pe)とし、前記第1の記録面に対してレーザ光を照射させながら前記対物レンズをレーザ光の照射方向に移動させたときの、前記対物レンズの移動が開始されてから光ディスク表面での前記反射信号が検出されるまでの時間の測定値を第2の測定値(t0_fe、t0_pe)とし、前記第1の記録面における表面から最初の情報記録層までの第1の距離(0.6mm)と、前記複数種類の光ディスクの記録面のうち第2の記録面(CD面)における表面から最初の情報記録層までの第2の距離(0.9mm)との中間の距離を第3の距離(0.75mm)とする。更に、前記第1の記録面の情報は、前記第3の距離の前記第1の距離に対する比率を基準とする値に前記第1の測定値を乗算して得られた値を前記第2の測定値に応じて増減する補正をした値を含み、前記データ処理制御部は、前記記憶領域に格納された前記補正をした値を前記移動時間とする。
項6の光ディスク装置によれば、項4と同様に対物レンズの初期位置のばらつきを把握し、それに応じて補正した値を用いるから、より精度良い前記移動時間を設定することができる。また、補正した値を前記移動時間として前記記憶領域に予め格納しておくから、項4のように前記データ処理制御部が前記移動時間の演算及び補正をする必要はなく、判別に要する時間の短縮に資する。
〔7〕(閾値との関係で補正係数を決定)
項6において、前記補正した値は、前記第3の距離の前記第1の距離に対する比率を基準とする値と前記第1の測定値とを乗算して得られた値に、補正係数(係数B、係数C、1)を乗算した値であり、前記補正係数は、前記前記第2の測定値が第1の閾値(Tth1(Vth1))よりも小さいときは1よりも小さい値とされ、前記第2の測定値が前記第1の閾値より大きく、且つ前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値(Tth2(Vth2))より小さいときは1とされ、前記第2の測定値が前記第2の閾値よりも大きいときは1よりも大きい値とされる。
これによれば、項5と同様に補正の増減方向を容易に決定することができる。
〔8〕(測定値に基づいて光ディスクの記録面を判別する光ディスク装置)
本発明の代表的な実施の形態に係る別の光ディスク装置(100)は、情報記録層を有する光ディスク(4)にアクセスするための光ディスク装置であって、前記光ディスク装置は、対物レンズ(21)の位置を調整するレンズ調整部(35、5)と、光ディスクに照射されたレーザ光の反射光の光量に応じた反射信号(FE、PE)を生成する反射信号生成部(11)と、設定された検出条件にしたがって前記反射信号を検出し、検出した前記反射信号の特性を測定する測定部(16)と、を有する。また、前記光ディスク装置は、複数種類の光ディスクの記録面のうち第1の記録面(DVD面)に対してレーザ光を照射させながら前記対物レンズをレーザ光の照射方向に移動させたときの前記反射信号の特性に係る測定結果に基づく第1の記録面の情報(td、td_fe、td_pe)と、前記複数種類の光ディスクの記録面のうち第2の記録面(CD面)に対してレーザ光を照射させながら前記対物レンズをレーザ光の照射方向に移動させたときの前記反射信号の測定に基づいて得られる第2の記録面の情報(tdx、tdx_fe、tdx_pe)を格納するための記憶領域(15)と、を有する。更に前記光ディスク装置は、光ディスクにアクセスするとき、前記記憶領域に格納された前記第1の記録面の情報及び前記第2の記録面の情報に応じて前記対物レンズを移動させる移動時間(tn)を設定し、前記光ディスクの記録面にレーザ光を照射させながら前記対物レンズをレーザ光の照射方向に移動させ、そのときの前記反射信号の特性を測定させるフォーカススイープ処理を実行するとともに、アクセス対象の光ディスクの記録面を判別する、データ処理制御部(13)と、を有する。前記データ処理制御部は、前記フォーカススイープ処理において光ディスク表面での前記反射信号が検出されてから前記移動時間を経過するまでの間に前記反射信号の検出があった場合には、アクセスしている記録面は前記第1の記録面であると判断し、その間に前記反射信号の検出がなかった場合には、アクセスしている記録面は前記第1の記録面でないと判断する。
判別の際の前記移動時間は、前述した従来のDVDとCDの判別方法では理論計算により算出した値を設定したが、項8の光ディスク装置では、前記第1の記録面の情報及び前記第2の記録面の情報を基に設定される。ここで、前記第1の記録面の情報及び前記第2の記録面の情報は、予め前記光ディスク装置で測定することで得られた測定値に基づく情報であるため、光ピックアップ部分の製造ばらつき等の含んだ値である。そのため、例えば前記光ディスクをデュアルディスクとし、前記第1の記録面をデュアルディスクのDVD面、前記第2の記録面をCD面とした場合において、前記移動時間を“レーザ光による焦点がDVD面の情報記録層には届くが、CD面の情報記録層には届かない時間”に設定するとき、理論計算によって設定するよりも、実際の測定結果に基づいて設定する方がより精度良く設定することができる。これにより、従来の方法に比べて、より精度良く光ディスクの記録面の種類を判別することができる。また、項8の光ディスク装置によれば、光ディスクの判別に際し、前記記憶領域に格納された前記第1の記録面の情報及び前記第2の記録面の情報を基に前記移動時間を設定し、その時間だけ前記対物レンズを移動させて反射信号の有無を測定すればよいので、判別に長い時間を要することはなく、容易に判別することができる。更に、項1の光ディスク装置では前記第1の記録面の情報しか用いなかったが、項8の光ディスク装置では前記第2の記録面の情報も用いるので、より精度良い前記移動時間を設定することができる。
〔9〕(格納された値を演算して移動時間を設定)
項8の光ディスク装置において、前記第1の記録面の情報は、前記第1の記録面に対してレーザ光を照射させながら対物レンズをレーザ光の照射方向に移動させたときの、光ディスク表面での前記反射信号が検出されてから最初の情報記録層での反射信号が検出されるまでの時間の測定値である第1の測定値(td_pe、td_fe)を含む。また、前記第2の記録面の情報は、前記第2の記録面に対してレーザ光を照射させながら対物レンズをレーザ光の照射方向に移動させたときの、光ディスク表面での前記反射信号が検出されてから最初の情報記録層での反射信号が検出されるまでの時間の測定値である第2の測定値(tdx_pe、tdx_fe)を含む。更に、前記データ処理制御部は、前記第1の記録面における表面から最初の情報記録層までの第1の距離(0.6mm)と、前記第2の記録面における表面から最初の情報記録層までの第2の距離(0.9mm)との中間の距離を第3の距離(0.75mm)としたとき、前記第1の測定値と前記第2の測定値の中間の値を算出し、算出した値を基準とする値を前記移動時間とする。
例えば前記光ディスクをデュアルディスクとし、前記第1の記録面をデュアルディスクのDVD面、前記第2の記録面をデュアルディスクのCD面とした場合を考える。この場合、例えば前記第1の距離は0.6mm、前記第2の距離は0.9mm、前記第3の距離は0.75mm、となる。また、前述したように前記アクチュエータの感度は印加電圧に対する対物レンズの移動速度で表され、ほぼ線形の特性となる。ここで、前記第1の測定値は、表面から0.6mmの位置にレーザ光の焦点が合うまでの対物レンズの移動時間であり、前記第2の測定値は、表面から0.9mmの位置にレーザ光の焦点が合うまでの対物レンズの移動時間である。したがって、光ディスク表面から前記第3の距離(0.75mm)の位置にレーザ光の焦点が合うまでの対物レンズの移動時間は、前記第1の測定値と前記第2の測定値の中間の値とすればよい。これにより、容易に前記移動時間を算出し、設定することが可能となる。
〔10〕(FE信号(フォーカスエラー信号))
項1乃至9のいずれか光ディスク装置において、前記反射信号は、フォーカスエラー信号(FE)である。
〔11〕(PE信号(和信号))
項1乃至9のいずれか光ディスク装置において、前記反射信号は、反射光量の総和に応じた総和信号(PE)である。
〔12〕(2種類の記録面)
項1乃至11のいずれか光ディスク装置において、前記複数種類の光ディスクの記録面は、CD、DVD、ブルーレイディスク、及びデュアルディスクのうちいずれか2つの記録面である。
〔13〕(デュアルディスクの2種類の記録面)
項1乃至11のいずれか光ディスク装置において、前記複数種類の光ディスクの記録面のうち第1の記録面は、デュアルディスクにおけるDVD規格に準拠した記録面(DVD面)であり、前記複数種類の光ディスクの記録面のうち第2の記録面は、デュアルディスクにおけるDVD規格に準拠していない記録面(CD面)である。
〔14〕(半導体装置)
本発明の代表的な実施の形態に係る半導体装置(1)は、光ピックアップ(2)を制御し、情報記録層を有する光ディスク(4)にアクセスするための処理を行う半導体装置であって、光ディスクに照射されたレーザ光の反射光の光量に応じた反射信号(FE、PE)を入力し、設定された検出条件にしたがって、前記反射信号の信号レベルと、前記反射信号の検出に係る時間と、前記反射信号の検出回数とを含む信号情報を測定するとともに、光ピックアップの対物レンズの位置を制御する、第1のデータ処理制御部(12)を有する。また、前記半導体装置は、複数種類の光ディスクの記録面のうち第1の記録面(DVD面)に対してレーザ光を照射させながら前記対物レンズをレーザ光の照射方向に移動させたときの前記反射信号の測定に基づいて得られる第1の記録面の情報を格納するための記憶領域(15)を有する。更に、前記半導体装置は、光ディスクにアクセスするとき、前記記憶領域に格納された前記第1の記録面の情報に応じて前記対物レンズを移動させる移動時間(tn)を設定し、前記第1のデータ処理制御部を制御することにより前記光ディスクの記録面にレーザ光を照射させながら、前記対物レンズをレーザ光の照射方向に移動させ、そのときの反射信号の前記信号情報を測定させるフォーカススイープ処理を実行させるとともに、アクセス対象の光ディスクの記録面を判別する、第2のデータ処理制御部(13)とを有する。前記第2のデータ処理制御部は、前記フォーカススイープ処理において、光ディスク表面での前記反射信号が検出されてから前記移動時間までの間に反射信号の検出があった場合には、アクセスしている記録面は前記第1の記録面であると判別し、その間に前記反射信号の検出がなかった場合には、アクセスしている記録面は前記第1の記録面でないと判別する。
これによれば、項1と同様に、従来の方法に比べてより精度良く光ディスクの記録面の種類を判別することができ、且つ判別に長い時間を要することはない。
〔15〕(格納された値を演算して移動時間を設定)
項14の半導体装置において、前記第1の記録面の情報は、前記第1の記録面に対してレーザ光を照射させながら対物レンズをレーザ光の照射方向に移動させたときの、光ディスク表面での前記反射信号が検出されてから最初の情報記録層での反射信号が検出されるまでの時間の測定値である第1の測定値(td_fe、td_pe)を含む。更に、前記データ処理制御部は、前記第1の記録面における表面から最初の情報記録層(DVD層)までの第1の距離(0.6mm)と、前記複数種類の光ディスクの記録面のうち第2の記録面(CD面)における表面から最初の情報記録層(DD層)までの第2の距離(0.9mm)との中間の距離を第3の距離(0.75mm)とし、前記第3の距離の前記第1の距離に対する比率を基準とする値(係数A)に前記第1の測定値を乗算する演算をし、演算により算出した値を前記移動時間とする。
これによれば、項2と同様に、容易に前記移動時間を算出し、設定することが可能となる。
〔16〕(2種類の光ディスクの記録面を判別する方法)
本発明の代表的な実施の形態に係る光ディスク判別方法は、光ディスクにアクセスするための光ディスク装置において、光ディスクの2種類の記録面を判別する光ディスク判別方法であって、複数種類の光ディスクの記録面のうち第1の記録面(DVD面)に対して照射したレーザ光の反射光の光量に応じた反射信号の測定に基づいて得られる第1の記録面の情報に応じて、前記対物レンズを光軸方向に移動させる移動時間を設定する第1の処理(S202、S203)と、前記光ディスクの記録面にレーザ光を照射させながら、設定した前記移動時間に応じて前記対物レンズをレーザ光の照射方向に移動させ、そのとき前記反射信号を検出し、検出した前記反射信号の特性を測定する第2の処理(S204〜S209)と、前記第2の処理による測定結果に基づいて、アクセスしている光ディスクの記録面を判別する第3の処理(S211〜S213)と、を含む。前記第1の記録面の情報は、前記第1の記録面に対してレーザ光を照射させながら対物レンズをレーザ光の照射方向に移動させたときの、光ディスク表面での前記反射信号が検出されてから最初の情報記録層での反射信号が検出されるまでの時間の測定値である第1の測定値(td_fe、td_pe)を含む。更に、前記第3の処理は、前記第2の処理において光ディスク表面での反射信号が検出されてから前記移動時間を経過するまでの間に反射信号の検出があった場合には、アクセスしている光ディスクの記録面は前記第1の記録面であると判別し、その間に反射信号の検出がなかった場合には、アクセスしている光ディスクの記録面は前記第1の記録面でないと判別する処理である。
これによれば、項1と同様に、従来の方法に比べてより精度良く光ディスクの記録面の種類を判別することができ、且つ判別に長い時間を要することはない。
〔17〕(最初の情報記録層での反射信号検出までの時間の測定値に基づいて移動時間を算出)
項16の光ディスク判別方法において、前記第1の処理は、前記第1の記録面における表面から最初の情報記録層(DVD層)までの第1の距離(0.6mm)と、前記複数種類の光ディスクの記録面のうち第2の記録面(CD面)における表面から最初の情報記録層(DD層)までの第2の距離(0.9mm)との中間の距離を第3の距離(0.75mm)とし、前記第3の距離の前記第1の距離に対する比率を基準とする値(係数A)と前記第1の測定値とを乗算する演算を行う第4の処理(S202、S308、S309)と、前記第4の処理により得られた値を前記移動時間として設定する第5の処理(S203)と、を含む。
これによれば、項2と同様に、容易に前記移動時間を算出し、設定することが可能となる。
〔18〕(対物レンズの初期位置に応じて移動時間を補正)
項17の光ディスク判別方法において、前記第1の記録面の情報は、前記第1の記録面に対してレーザ光を照射させながら対物レンズをレーザ光の照射方向に移動させたときの、前記対物レンズの移動が開始されてから光ディスク表面での反射信号が検出されるまでの時間の測定値である第2の測定値(t0_fe、t0_pe)を更に含む。更に、前記第4の処理は、前記第2の測定値に応じて前記第3の距離の前記第1の距離に対する比率を表す値(1.25)を増減する補正をする第6の処理(S303〜S308)と、前記第6の処理による補正後の値(係数A)と前記第1の測定値とを乗算する演算を行う第7の処理(S309)と、を含む。
これによれば、項4と同様に、光ディスクの表面を検出するまでの時間に基づいて対物レンズの初期位置のばらつきを把握し、それに応じて比例計算により求めた値を補正するから、より精度良い前記移動時間を設定することができる。
〔19〕(閾値との関係で補正係数を決定)
項18の光ディスク判別方法であって、前記第6の処理は、前記第2の測定値に応じて補正係数(係数B、係数C、1)を決定する第8の処理(S303〜S307)と、決定した補正係数と前記第3の距離の前記第1の距離に対する比率を表す値とを乗算する第9の処理(S308)と、を含む。更に、前記第8の処理は、前記第2の測定値が第1の閾値よりも小さいときは前記補正係数を1よりも小さい値とし(S305)、前記第2の測定値が前記第1の閾値より大きく且つ前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値より小さいときは前記補正係数を1とし(S306)、前記第2の測定値が前記第2の閾値よりも大きいときは前記補正係数を1よりも大きい値とする(S307)処理である。
これによれば、項5と同様に、前記第1の閾値及び前記第2の閾値によって決定されるいずれの範囲に前記第2の測定値が存在するかにより、補正の増減方向を容易に決定することができる。
2.実施の形態の詳細
実施の形態について更に詳述する。
≪実施の形態1≫
図1は、実施の形態1に係る、情報記録層を有する光ディスクの記録再生を行う光ディスク装置の構成を例示するブロック図である。同図に示される光ディスク装置100は、例えば、デュアルディスクの再生のためのシステム、BDシステム、DVDシステム、又はそれらのマルチディスクドライブシステムに適用される。
情報記録層を有する光ディスク4はターンテーブルに搭載され、スピンドルモータ3によって回転される。この状態で光ピックアップ(OPU)2はレーザ光を照射し目標とされる情報記録層に対して情報の記録又は再生を実行する。
図2に光ディスク4の構造の一例を示す。同図には、光ディスク4の一例としてデュアルディスクが示される。以降の説明では、光ディスク4はデュアルディスクとし、デュアルディスクの記録又は再生を行う場合を一例として説明する。
デュアルディスク4は、1枚のディスクにDVD面とCD面を張り合わせた構造とされ、DVD面のサブストレイトの厚さは0.6mm、CD面のサブストレイトの厚さは0.9mmとされる。CD面の記録又は再生を行う場合には図2に示される方向40からレーザ光が照射され、DVD面の記録又は再生を行う場合には方向41からレーザ光が照射される。
光ピックアップ2は、半導体レーザであるレーザダイオード30からのレーザ光を対物レンズ21を介して光ディスク4の情報記録層に照射し、反射した反射光を検出レンズ33により集光して光検出器(photo detector)34に導く光学系を形成している。具体的には、光ピックアップ2は、レーザダイオード30、コリメータレンズ29、APC(Auto Power Contorol)用PBS26、グレーティング25、偏光ビームスプリッタ(PBS(Polarizing Beam Splitter))24、1/4λ板23、球面収差補正用のビームエクスパンダ22、対物レンズ21、検出レンズ33、光検出器34、集光レンズ27、FPD(Front Photo Diode)28、APC回路31、及びレーザドライバ32を含む光学系の構成と、ビームエクスパンダ駆動ユニット36及びアクチュエータ35や図示されないフォトインタラプタ及びモータ等を含む駆動系の構成を備える。
光源であるレーザダイオード30から放射されたレーザ光は、コリメータレンズ29により平行光となる。平行光となったレーザ光はグレーティング(回折格子)25により、光ディスク4に対する情報の記録又は再生のために使用する特定の周波数のレーザ光のみが抽出され出力される。抽出された特定の周波数のレーザ光は、偏光ビームスプリッタ24を透過し、1/4λ板23を介してビームエクスパンダ22に入力される。ここで偏光ビームスプリッタ24は、レーザダイオード30から照射されたレーザ光のみを透過させ、光ディスク4から反射したレーザ光を反射するフィルタ機能を有するビームスプリッタである。また、レーザダイオード30から照射されたレーザ光は複屈折により楕円偏光となるが、1/4λ板23はその楕円偏光のレーザ光を円偏光に補正する素子である。
1/4λ板23を介して出力されたレーザ光は、ビームエクスパンダ22と対物レンズ21を介して光ディスク4に照射される。ビームエクスパンダ22と対物レンズ21は機械的な構成要素であるビームエクスパンダ駆動ユニット36とアクチュエータ35により駆動され、レーザ光のビームスポットが目標とされる情報記録層に対して合焦するように焦点距離の位置合わせが行われる。
ビームエクスパンダ22は、凸レンズ及び凹レンズの2つのレンズから構成される光学系であり、ビームエクスパンダ駆動ユニット36により凹レンズを光軸に沿って前後に移動させることでレーザ光の径を拡げ、光ディスク4の表面に設けられた保護層(カバー層)の厚み等による球面収差を吸収して補正する。前記ビームエクスパンダ駆動ユニット36はステッピングモータによりビームエクスパンダ22を動作させる駆動モジュールである。記録面毎に最適な球面収差補正を行うため、後述するフォーカス制御部17によりドライバ部5を介して制御されることにより、装填されている記録面に応じて凹レンズの位置が調整される。
アクチュエータ35は対物レンズ21を駆動するための駆動装置である。ビームエクスパンダ22により球面収差が補正されたレーザ光は、アクチュエータ35による対物レンズ21の位置調整により情報の記録又は再生の目標とされる情報記録層に合焦される。アクチュエータ35は、光ディスク4の情報記録層に焦点を合わせるためのフォーカスアクチュエータ、及び光ディスク4に設けられた溝に追従するためのトラッキングアクチュエータ等から構成され、前記フォーカスアクチュエータ及び前記トラッキングアクチュエータ等は、例えばコイル等で構成される。アクチュエータ35は、ドライバ5から与えられる印加電圧に応じて対物レンズ21を駆動させる。更にアクチュエータ35は光検出器34と後述するサーボプロセッサ部12及びドライバ5との間でフィードバックループを形成し、フォーカスサーボ制御及びトラックサーボ制御を行う。
上記のように光ディスク4に照射されたレーザ光の反射光は偏光ビームスプリッタ24で反射し、検出レンズ33を介して光検出器34に入射される。検出レンズ33は、当該反射光を光検出器34上で焦点を合わせるためのレンズであり、例えばシリンドリカルレンズ等である。光検出器34は、例えば複数の受光素子A〜Hを有する。各受光素子は入射された反射光の光量に応じた光起電力を発生させ、当該光起電力に応じた検出信号7を出力する。
光ディスク4に照射されるレーザ光は、APC回路31及びレーザドライバ32により一定のパワーとなるように制御される。具体的には、照射されたレーザ光の一部がAPC用PBS26により反射され、反射されたレーザ光は集光レンズ27により収束されてFPD28に入力される。APC用PBS26は、レーザ光をモニタするための偏光板であり、また、FPD28は入力されたレーザ光をモニタするためのフォトダイオードである。FPD28は、入力された反射光の光量に応じた電流を出力する。出力電流は、APC回路31に入力されて電圧に変換され、その電圧に基づいてレーザドライバ32がレーザダイオード30を駆動することによりレーザ光の出力が一定になるように制御される。
光ピックアップ2を制御する周辺回路は、データ処理制御部1、ドライバ5、及び記憶装置6により構成される。
ドライバ5は、データ処理制御部1からの収差補正制御信号8に応じてビームエクスパンダ駆動ユニット36を制御すると共に、データ処理制御部1からのフォーカス駆動信号9に応じてアクチュエータ35を制御する駆動回路である。記憶装置6は、後述するシステムコントローラ13を制御するためのプログラム等が格納される不揮発性の記憶領域を有する。記憶装置6は、例えばROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ等から構成される。
データ処理制御部1は、ドライバ5及びレーザドライバ32を制御することにより光ディスク4に対する情報の記録又は再生を行うための統括的な制御を行うと共に、記録のための記録信号の生成処理や光ディスク4から読み出した信号のデコード処理等を行う。同図に示されるデータ処理制御部1は、特に制限されないが、公知のCMOS集積回路の製造技術によって1個の単結晶シリコンのような半導体基板に形成されている。なお、データ処理制御部1は上記のように必ずしも1つの集積回路で構成されたものである必要はなく、マルチチップで形成されたものであってもよい。
データ処理制御部1は、受光信号処理部11、サーボプロセッサ部12、システムコントローラ13、第1メモリ部14、及び第2メモリ部15を備える。
第1メモリ部14は、揮発性の記憶領域を有し、例えばSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)から構成される。また、第2メモリ部15は、不揮発性の記憶領域を有し、例えば、フラッシュメモリから構成される。
受光信号処理部11は、光検出器34からの検出信号7に基づいて演算処理を行い、必要な信号を生成する。例えば、受光信号処理部11は、フォーカスサーボ制御のためのフォーカスエラー信号FEと総和信号PEを生成するとともに、トラッキングサーボ制御のためのトラッキングエラー信号、再生のための再生RF信号等を生成する。なお、以降の説明では、フォーカスエラー信号FEと総和信号PEを総称して反射信号とも称する。
フォーカスエラー信号FEは光学系の構成に応じて様々な生成方法があるが、ここでは例えば以下の方法により生成される。例えば、受光信号処理部11内のマトリックスアンプ回路110が、光検出器34内におけるメインスポットの中心を挟んで対角に配置された4つの受光素子A〜Dの検出信号を入力し、前記対角に配置された一対の受光素子の検出信号を加算し、夫々の加算された信号を減算することでFE信号を生成する。すなわち、受光素子A〜Dの夫々の検出信号をA〜Dとしたとき、FE信号は“(A+C)−(B+D)”の演算により生成される。生成されたFE信号は、FEバランス/振幅調整部111によってFE信号の上下の対称性や信号レベルの調整が行われ、フォーカスエラー信号FEとして出力される。FE信号の上下の対称性や信号レベルの調整の度合いは、システムコントローラ13によってレジスタ112に設定される値に応じて調整可能とされる。
フォーカスエラー信号FEは、対物レンズ21の光ディスク4に対する位置に応じて大きさが変化する。例えば所定の情報記録層や光ディスク4の表面に焦点が合う位置に対物レンズ21がある場合には、メインスポットは各受光素子A〜Dに均一に集光する円形とされるようになっている。一方、対物レンズ21の位置が近すぎる場合には、メインスポットは一方の受光素子のペアに偏って集光する楕円形とされ、対物レンズ21の位置が遠すぎる場合には、メインスポットは他方の受光素子のペアに偏って集光する楕円形とされるようになっている。したがって、フォーカスエラー信号FEは、対物レンズ21が合焦点の中心位置にあるとき零となり、対物レンズ21を合焦点の前後に移動させると零から負の値となって、また零となり、その後零から正の値となって再度零となる、所謂S字波形となる。
総和信号PEは、受光素子A〜Dの夫々の検出信号を加算した信号である。マトリックスアンプ回路110は、例えば光検出器34の前記受光素子A〜Dの夫々の検出信号7をA〜Dとしたとき、“A+B+C+D”の演算を行うことにより総和信号PEを生成する。総和信号PEの振幅もフォーカスエラー信号FEと同様に、対物レンズ21の光ディスク4に対する位置に応じて大きさが変化する。例えば所定の情報記録層や光ディスク4の表面に焦点が合う位置に対物レンズ21がある場合に、総和信号PEは一つの振幅のピークを持った信号となる。
サーボプロセッサ部12は、システムコントローラ13から与えられたコマンドに応じて、ドライバ5を介してアクチュエータ35等を制御するとともに、受光信号処理部11から出力された反射信号の検出と測定を行う。サーボプロセッサ部12は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)及び所定の信号処理プログラムで実現される。サーボプロセッサ部12は、信号検出処理部16、フォーカス制御部17、及び収差補正制御部18を有する。
収差補正制御部18は、システムコントローラ13により光ディスク4の記録面や情報記録層に応じた球面収差補正のための補正値が設定されるレジスタ181と、制御部182を有する。制御部182は、レジスタ181の設定値に応じて収差補正制御信号8を出力し、ドライバ部5を介してビームエクスパンダ駆動ユニット36を制御する。
フォーカス制御部17は、フォーカスドライブ(FOD)制御部172、フォーカスサーボ制御部174、制御信号生成部173、位相補償回路175、レジスタ171、及びレジスタ176を備える。フォーカス制御部17は、システムコントローラ13からの指示に応じて、フォーカス駆動信号9を出力することによりアクチュエータ35に駆動電圧を印加して対物レンズ21を制御する。例えば、レジスタ176にフォーカスサーボのためのFE信号の検出閾値と検出回数等の値が設定され、フォーカスサーボ制御部174がレジスタ176の値と後述するPE/FE検出部162からの検出結果に応じて、フォーカスエラー信号FEが零になるような制御信号を生成し、制御信号生成部173が当該制御信号に応じたフォーカス駆動信号9を生成する。これにより、ビームスポットが合焦状態に保持されるように制御されるフォーカスサーボ動作が実現される。またフォーカス制御部17は、後述するフォーカススイープ処理において、一定時間内だけ対物レンズ21をレーザ光の照射方向に移動させる制御を行う。例えば、システムコントローラ13によってレジスタ171に対物レンズ21を移動させるための制御情報が設定されると、FOD制御部174がレジスタ171に設定された前記制御情報に応じて、アクチュエータ35に印加する駆動電圧(以下、「フォーカスドライブ(FOD)電圧」とも称する。)に応じた信号を生成し、制御信号生成部173が当該信号に基づいてフォーカス駆動信号9を生成する。これにより、フォーカススイープ処理時に対物レンズ21が移動する。このとき、レジスタ171に設定される前記制御情報は、例えば、前記フォーカススイープ時に対物レンズ21をレーザ光の照射方向に移動させるときの速度を示すFODスイープ係数(dowm)、前記フォーカススイープ時に対物レンズ21をレーザ光の照射方向と反対方向に移動させるときの速度を示すFODスイープ係数(up)、印加するFOD電圧の最大値を示すFOD_MAX値、及び印加するFOD電圧の最小値を示すFOD_MIN値等である。
信号検出処理部16は、設定された条件にしたがって反射信号を検出し、検出した反射信号の測定を行う。信号検出処理部16は、PE/FE検出部162、演算部163、及びレジスタ161を備える。
レジスタ161には、フォーカスエラー信号FE及び総和信号PEの検出条件とPE/FE検出部162による測定時間等がシステムコントローラ13により設定される。前記検出条件は、例えば、フォーカスエラー信号FEの負側の検出電圧(閾値電圧)を示すFE信号の負側検出閾値、フォーカスエラー信号FEの正側の検出電圧(閾値電圧)を示すFE信号の正側検出閾値、総和信号PEの検出電圧(閾値電圧)を示すPE信号の検出閾値、及び総和信号PEのパルス幅を示すPEパルス幅検出時間等である。また前記測定時間は、例えば、PE/FE検出部162がフォーカスエラー信号FE及び総和信号PEの検出と測定を行う制限時間であるスイープ制限時間や、後述するフォーカススイープ処理における判別時間tn等である。
PE/FE検出部162は、レジスタ161の設定された前記検出条件と前記測定時間に従って、フォーカスエラー信号FE及び総和信号PEを検出し、検出した信号の信号レベル(振幅)と検出回数を測定する。測定結果は演算部163に与えられる。また、フォーカスサーボ制御のためフォーカスエラー信号FEの検出結果はフォーカスサーボ制御部174にも与えられる。PE/FE検出部162は、内部にタイマ部1621を備え、タイマ部1621により反射信号の検出に要した時間の測定も行う。前記反射信号の検出に要した時間は、例えば、光ディスク表面での反射信号が検出されるまでの検出時間t0_fe及びt0_pe等である。
演算部163は、PE/FE検出部162から受け取った測定結果を第1メモリ部14に格納するとともに、測定結果に基づいて所定の演算をし、演算結果を第1メモリ部14に格納する。例えば、演算部163は、対物レンズ21が移動を開始してから光ディスクの最初の情報記録層での総和信号PEを検出するまでの時間t1から、対物レンズ21が移動を開始してから光ディスク表面での総和信号PEを検出するまでの時間t0_peを減算する演算を行い、その演算結果を、光ディスク表面で総和信号PEが検出されてから最初の情報記録層での総和信号PEが検出されるまでの検出時間td_peとして第1メモリ部14に格納する。光ディスク表面でFE信号FEが検出されてから最初の情報記録層でのFE信号FEが検出されるまでの検出時間td_feも同様の方法により算出される。
システムコントローラ13は、光ディスク4に対するデータの記録と再生に係る全体的な制御を行う。システムコントローラ13はプログラム処理装置であり、記憶装置6に格納されたプログラムに基づいてサーボプロセッサ部12や光ピックアップ2等の各機能部を制御することにより、光ディスク4に対する情報の記録と再生を実現する。システムコントローラ13は、例えばCPUを中心としたプロセッサコアである。
システムコントローラ13は、光ディスク4に対する情報の記録又は再生を行うとき、初めに、装填された光ディスク4の記録面の種類を判別するための判別処理を実行する。具体的には、システムコントローラ13は先ず、サーボプロセッサ部12にコマンドを与えることにより、所定の時間だけ光ディスク4にレーザ光を照射させながら対物レンズ21をレーザ光の照射方向に移動させ、その時間内に反射信号の特性を測定させるフォーカススイープ処理を実行させる。その後システムコントローラ13は、前記フォーカススイープ処理の測定結果に基づいて装填された光ディスクの記録面の判別を行う。
図3に光ディスクの記録面の種類を判別する方法の一例を示す。なお以後の説明では、デュアルディスクにおけるDVD面の情報記録層及びDVDの最初の情報記録層をDVD層と称し、デュアルディスクにおけるCD面の情報記録層をDD層と称し、CDの情報記録層をCD層と称する。
同図の(a)は、デュアルディスク4のDVD面が光ディスク装置に装填された場合が示されている。また同図の(b)は、デュアルディスク4のCD面が光ディスク装置に装填された場合が示されている。
システムコントローラ13は、例えば、フォーカス駆動部17を制御することにより、フォーカススイープ処理を開始する位置(以下、「初期位置」と称する。)まで対物レンズ21を一旦移動させ、その後レンズ位置が高くなる方向(光ディスク4に近づく方向)に移動させる。対物レンズ21の移動は、システムコントローラ13がレジスタ171に前記FODスイープ係数(dowm)、前記FODスイープ係数(up)、前記FOD_MAX値、及び前記FOD_MIN値等を設定し、その設定に応じてFOD制御部172がFOD電圧を一定速度で変化させることにより行う。そして、光ディスク4の表面において反射信号が検出されてから所定時間を経過するまで対物レンズ21を同一方向に移動させ続け、その後レンズ位置をもとに戻す。その間、システムコントローラ13は信号検出部16に反射信号の特性等を測定させておく。前記所定時間は、光ディスク表面での反射信号が得られた時点からの一定時間であり、以下、判別時間と称する。そして、システムコントローラ13は、前記判別時間内に反射信号の検出があった場合にはDVD面が装填されていると判断し、前記判別時間内に反射信号の検出がなかった場合にはCD面が装填されていると判断する。同図の(a)の場合、判別時間t1内に反射信号が検出されているためDVD面が装填されていると判断される。同図の(b)の場合、判別時間t1内に反射信号が検出されていないため、システムコントローラ13は、CD面が装填されていると判断する。
判別時間t1は、判別対象の光ディスクの記録面のうち一方の記録面での反射信号が検出できる十分な時間であり、かつ他方の記録面での反射信号が検出できない時間とされる。例えば、デュアルディスクのCD面とDVD面を判別する場合、CDの表面から最初の情報記録層までの距離0.6mmとDVDの表面から最初の情報記録層までの距離0.9mmの間の距離まで焦点位置が移動する時間を判別時間t1とする。しかしながら、判別時間t1をすべての光ディスク装置において一律の値とした場合、光ディスク装置における対物レンズを駆動するアクチュエータ感度のばらつきや対物レンズの初期位置のばらつき等により、正確に判別できない虞がある。
図4は、アクチュエータ35の感度の特性の一例を示す説明図である。
同図において、縦軸はアクチュエータ35の感度を示すACT感度〔μm/V〕、すなわち対物レンズの移動量を示し、横軸は駆動電圧(FOD電圧)〔V〕を示す。また、同図には、ACT感度が通常の場合(TYP)と、ACT感度が高くばらついた場合(High)と、ACT感度が低くばらついた場合(Low)の特性が示される。なお、詳細は後述するが、ACT感度の特性は駆動電圧に対して完全な線形特性とならず非線形特性となるが、ここでは線形特性として扱う。
同図に示されるように、FOD電圧を大きくすると対物レンズの移動量が大きくなるので、対物レンズが光ディスクに近づく方向に移動する。しかしながら、同図に示されるように、光ピックアップ2におけるアクチュエータ35毎に特性のばらつきが生じるので、製品によって同一のFOD電圧を印加したときの対物レンズの移動量は異なるものになる場合がある。
図5は、対物レンズの初期位置のばらつきの一例を示した説明図である。
同図の(a)は、対物レンズの初期位置が通常の位置よりも光ディスクに近い位置にある場合を示し、同図の(b)は、対物レンズの初期位置が通常の位置にある場合を示し、同図の(c)は、対物レンズの初期位置が通常の位置よりも光ディスクから離れている場合を示す。同図に示されるように、製品によって光ピックアップ2内の対物レンズ21が設置される位置がばらつくため、フォーカススイープ処理を開始する対物レンズ21の初期位置もばらつく。そのため、例えば光ディスクの表面での反射信号を検出するために必要な、初期位置からの対物レンズ21の移動量は、同図の(a)の場合は小さい移動量でよいが、同図の(c)の場合は大きな移動量が必要となる。
図6に光ピックアップ2の特性がばらついた場合の判別処理の一例を示す。
同図の(a)はACT感度の特性が通常であり、且つ対物レンズの初期位置が通常の場合が示され、同図の(b)はACT感度の特性が高くばらつき、且つ対物レンズの初期位置が通常の場合が示され、同図の(c)はACT感度の特性が通常であり、且つ対物レンズの初期位置が通常よりも光ディスクに近い場合が示される。同図(a)〜(c)はいずれも、デュアルディスクのCD面が装填されたときの検出結果である。
図6の(a)では、判別時間t1の間に反射信号が検出されていないため、システムコントローラ13はCD面が装填されていると判断する。図6の(b)では、同図の(a)と同一の変化率でFOD電圧を変化させているが、ACT感度が高い方にばらついているため対物レンズ21の移動量が大きくなり、判別時間t1内にDD層での反射信号が検出される。このためシステムコントローラ13は、CD面が装填されているにも関わらず、DVD面が装填されていると判断する。図6の(c)では、同図の(a)と同一の変化率でFOD電圧を変化させているが、対物レンズ21の初期位置が光ディスク4に近い位置にばらついているため、同図の(a)よりも短い時間で光ディスク4に近づく。その結果、判別時間t1内にDD層での反射信号が検出されることになるため、システムコントローラ13は、CD面が装填されているにも関わらず、DVD面が装填されていると判断する。
上記のように、判別時間t1を光ディスク装置によらず一律に設定すると、光ピックアップ2の製造ばらつき等があった場合に光ディスクの記録面の種類を正確に判別できない虞がある。そこで本実施の形態に係る光ディスク装置100では、製品毎に判別時間tnを設定する。
図7は、本実施の形態に係る光ディスク装置100における判別方法の一例を示す説明図である。
同図の(a)〜(c)は、図6の(a)〜(c)の場合に対応される。同図に示されるように、本実施の形態では、製品毎に判別時間tnを「DVD層での反射信号が検出でき、かつDD層での反射信号が検出されない時間」に設定し、判別処理を行う。具体的には、製品出荷時等において、予め光ディスクの特定の記録面における表面での反射信号を検出してから最初の情報記録層での反射信号を検出するまでの検出時間tdを測定しておき、その測定値を第2メモリ部15や記憶装置6等に格納しておく。そして、製品使用時に判別処理を行う際に、システムコントローラ13が第2メモリ部15等から読み出した前記測定値に基づいて判別時間tnを算出し、算出した判別時間tnを用いて判別処理を行う。以下、前記検出時間tdの測定段階と光ディスクの判別処理の実行段階の2つの段階に分けて説明する。
先ず、検出時間tdの測定段階として、検出時間tdの測定値の取得方法について説明する。
図8は、検出時間tdの測定値の取得方法の一例を示すフロー図である。同図は、光ディスク装置100の組み立てが完了した後の製品出荷時の検査、例えばDVDの再生が可能であるか否かを確認する検査の段階において、検出時間tdの測定が行われる場合を一例として示している。
先ず、デュアルディスクのDVD面が光ディスク装置100にマウントされ、再生確認の処理が開始されると、システムコントローラ13が光ピックアップ2を制御し、DVD用のレーザ光を照射させる(S101)。システムコントローラ13は、フォーカススイープ処理を行うため、装填された光ディスクに応じたパラメータをレジスタ161やレジスタ171等に設定する(S102)。レジスタ161に設定されるパラメータは、例えば、前記FE信号の負側検出閾値、前記FE信号の正側検出閾値、前記PE信号の検出閾値、前記PEパルス幅検出時間、及びフォーカススイープ制限時間である。またレジスタ171に設定されるパラメータは、前記FODスイープ係数(dowm)、前記FODスイープ係数(up)、前記FOD_MAX値、及び前記FOD_MIN値である。なお、当該処理は工場での出荷検査段階での処理であるため、光ディスクの記録面を判別する処理は実行されない。
ステップ102の後、システムコントローラ13は、サーボプロセッサ部12にフォーカススイープ処理を実行させる(S103)。フォーカススイープ処理において、対物レンズ21が一旦初期位置に移動し、その後光ディスク4の方向への移動を開始すると、PE/FE検出部162は、前記初期位置から光ディスク表面での反射信号が得られるまでの時間t0とその反射信号の測定を行う(S104)。そして、PE/FE検出部162は、前記フォーカススイープ制限時間が経過するまでに、光ディスク表面での反射信号が検出されたか否か判別する(S105)。前記フォーカススイープ制限時間が経過するまでに反射信号が検出されなかった場合にはエラーと判断され(S106)、再生確認の処理が終了する(S111)。一方、前記フォーカススイープ制限時間が経過する前に反射信号が検出された場合には、表面での反射信号を検出してからDVD層での反射信号が検出されるまでの検出時間tdとDVD層での反射信号の測定を行う(S107)。PE/FE検出部162は前記フォーカススイープ制限時間の経過後、測定したデータを第1メモリ部14に格納する(S108)。ここで、前記第1メモリ部14に格納される測定データは、例えば、検出されたフォーカスエラー信号FE及び総和信号PEについての測定結果である。具体的には、前記フォーカスエラー信号FEについての測定結果は、例えば、フォーカスエラー信号FEの検出回数、光ディスク表面でのフォーカスエラー信号FEが検出されるまでの検出時間t0_fe、光ディスク表面でのフォーカスエラー信号FEが検出されてから最初の情報記録層(DVD層)でのフォーカスエラー信号FEが検出されるまでの検出時間td_fe、光ディスク表面でのフォーカスエラー信号FEの信号レベル、及び最初の情報記録層(DVD層)でのフォーカスエラー信号FEの信号レベル等である。また、前記総和信号PEについての測定結果は、例えば、総和信号PEの検出回数、光ディスク表面での総和信号PEが検出されるまでの検出時間t0_pe、光ディスク表面での総和信号PEが検出されてから最初の情報記録層(DVD層)での総和信号PEが検出されるまでの検出時間td_pe、光ディスク表面での総和信号PEの信号レベル、及び最初の情報記録層(DVD層)での総和信号PEの信号レベル等である。
前記測定データが第1メモリ部14に格納されると、フォーカススイープ処理が終了する(S109)。その後、システムコントローラ13は、第1メモリ部14に格納された前記測定データを前記第2メモリ部15に格納する(S110)。ここで、システムコントローラ13が前記第2メモリ部15に格納する前記測定データは、例えば検出時間td(前記検出時間td_pe、前記検出時間td_fe)であるが、前記測定データの全てを格納してもよい。これにより再生確認の処理が終了する(S111)。
次に、光ディスクの判別処理の実行段階として、デュアルディスクの記録面の判別方法について説明する。
図9は、実施の形態1に係る光ディスクの記録面の判別方法の一例を示すフロー図である。
同図は、光ディスク装置100に装填されたデュアルディスクの再生処理の前段階において、デュアルディスクの記録面の判別が行われる場合を一例として示している。
先ず、デュアルディスク4が光ディスク装置100にマウントされ、光ディスクの記録面の判別処理が開始されると、システムコントローラ13が光ピックアップ2を制御し、DVD用のレーザ光を照射させる(S201)。また、システムコントローラ13は、第2メモリ部15から検出時間td_peを読み出し、検出時間td_peに基づいて判別時間tnを算出する(S202)。具体的には、システムコントローラ13は、デュアルディスクにおける表面からDVD層までの距離及び表面からDD層までの距離に基づく係数Aと前記検出時間tp_peを乗算して得た値を判別時間tnとする。前記係数Aは、例えば前記表面からDVD層までの距離(0.6mm)と前記表面からDD層までの距離(0.9mm)との中間の距離(0.75mm)の前記表面からDVD層までの距離(0.6mm)に対する比率(1.25)を示す値である。すなわち、判別時間tnは、対物レンズ21が光ディスク表面から前記中間の距離(0.75mm)の位置まで焦点位置を移動させる時間であり、対物レンズ21の移動量と移動時間の関係に基づく比例計算により算出される値である。
次に、システムコントローラ13は、フォーカススイープ処理を行うため、デュアルディスクのDVD面に応じたパラメータとステップ202で算出した判別時間tnをレジスタ161やレジスタ171等に設定する(S203)。例えばレジスタ161に設定されるパラメータは、前記FE信号の負側検出閾値、前記FE信号の正側検出閾値、前記PE信号の検出閾値、前記PEパルス幅検出時間、前記フォーカススイープ制限時間、及び前記判別時間tnである。またレジスタ171に設定されるパラメータは、前記FODスイープ係数(dowm)、前記FODスイープ係数(up)、前記FOD_MAX値、及び前記FOD_MIN値である。
ステップ203の後、システムコントローラ13は、サーボプロセッサ部12にフォーカススイープ処理を実行させる(S204)。フォーカススイープ処理において、対物レンズ21の初期位置から光ディスク4の方向への移動が開始されると、PE/FE検出部162は、初期位置から光ディスク表面での反射信号が得られるまでの時間t0と光ディスク表面での反射信号の特性について、測定を行う(S205)。そして、PE/FE検出部162は、前記フォーカススイープ制限時間内に光ディスク表面での反射信号が検出されたか否か判別する(S206)。前記フォーカススイープ制限時間内に反射信号が検出されなかった場合にはエラーと判断され(S207)、再生確認の処理を終了させる(S214)。前記フォーカススイープ制限時間内に反射信号が検出された場合には、システムコントローラ13は、PE/FE検出部162に対し、表面での反射信号の検出後、判別時間tnが経過するまで反射信号の検出と測定を行う(S208)。PE/FE検出部162は判別時間tnの経過後、測定したデータを第1メモリ部14に格納する(S209)。ここで、前記第1メモリ部14に格納される測定データは、例えば、検出されたフォーカスエラー信号FE及び総和信号PEについての測定結果である。具体的には、前記フォーカスエラー信号FEについての測定結果は、例えば、フォーカスエラー信号FEの検出回数Cfe、1回目のフォーカスエラー信号FEが検出されるまでの検出時間t1_fe、1回目のフォーカスエラー信号FEが検出されてから2回目のフォーカスエラー信号FEが検出されるまでの検出時間t2_fe、1回目に検出されたフォーカスエラー信号FEの信号レベルVfe1、及び2回目に検出されたフォーカスエラー信号FEの信号レベルVfe2等である。また、前記総和信号PEについての測定結果は、例えば、総和信号PEの検出回数Cpe、1回目の総和信号PEが検出されるまでの検出時間t1_pe、1回目の総和信号PEが検出されてから2回目の総和信号PEが検出されるまでの検出時間t2_pe、1回目に検出された総和信号PEの信号レベルVpe1、及び2回目に検出された総和信号PEの信号レベルVpe2等である。
上記測定データが第1メモリ部14に格納されると、フォーカススイープ処理が完了する(S210)。
その後システムコントローラ13は、第1メモリ部14に格納された測定データを参照し、反射信号の検出回数が2以上であるか否かを判別する(S211)。例えば、システムコントローラ13は総和信号PEの検出回数Cpeに基づいて判別する。ステップ211において、前記総和信号PEの検出回数Cpeが2回以上である場合には、システムコントローラ13はデュアルディスクのDVD面が装填されていると判断する(S212)。前記総和信号PEの検出回数Cpeが2回以上でない場合には、システムコントローラ13はデュアルディスクのCD面が装填されていると判断する(S213)。以上により、光ディスクの記録面の判別処理が終了する(S214)。
以上実施の形態1に係る光ディスク装置100によれば、予め光ディスク装置毎に測定した検出時間tdを基に判別時間tnを算出するから、光ディスク装置100毎の製造ばらつき等を考慮した判別時間tnを設定することができる。これにより、前述した図7に示したように、製品毎に「DVD層での反射信号が検出でき、かつDD層での反射信号が検出されない時間」を精度よく設定することができるから、従来の方法に比べて、より精度良く光ディスクの記録面の種類を判別することができる。また、光ディスク装置100によれば、第2メモリ部15に予め格納された検出時間tdのデータを用いて判別時間tnを設定し、その時間だけ対物レンズ21を移動させて反射信号の有無を測定すればよいので、判別処理が容易であり、且つ判別処理に長い時間を要することはない。
≪実施の形態2≫
実施の形態1では、アクチュエータ35のACT感度の特性が線形であるとして対物レンズ21の移動量と移動時間の関係に基づく比例計算により判別時間tnを算出したが、実施の形態2では、ACT感度の非線形特性を考慮し、当該比例計算により求めた値を補正して判別時間tnを設定する。
図10は、アクチュエータ35の感度の特性の一例を示す説明図である。
同図において、縦軸はアクチュエータ35の感度を示すACT感度〔μm/V〕、すなわち対物レンズの移動量を示し、横軸は駆動電圧(FOD電圧)〔V〕を示す。同図には、アクチュエータ35に印加可能な電圧の範囲内におけるACT感度の特性200を示している。
前述した図4では、ACT感度の特性が線形であるとしたが、実際には図10に示されるようにFOD電圧0Vを中心として、その中心から離れるほど非線形な特性となる。すなわち、FOD電圧の低い領域とFOD電圧の高い領域では、FOD電圧の変化に対する対物レンズ21の移動量の変化率は小さい。また、フォーカススイープ処理では一定速度でFOD電圧を変化させることで対物レンズ21を移動させることから、図10の横軸は対物レンズ21の移動時間とみなすことができる。そうすると、例えば図10に示されるP0点をフォーカススイープ処理における対物レンズ21の初期位置としたとき、横軸は対物レンズ21が移動を開始してからの移動時間を表すから、同図の特性は対物レンズ21の初期位置と光ディスク4との位置関係を表すことが理解される。したがって、光ディスク表面での反射信号が検出されるまでの時間t0を測定することで、その光ディスク装置における対物レンズ21の初期位置と光ディスク4との位置関係を把握することができる。これにより、ACT感度の特性の線形領域又は非線形領域のいずれの領域で対物レンズ21を駆動させているかを知ることができる。例えば、図10に示すように、フォーカススイープ処理において光ディスク表面での反射信号が検出されるまでの時間t0が範囲201内であった場合、対物レンズ21の初期位置と光ディスクとの距離が通常よりも近く、ACT感度の特性200は非線形な特性と判断される。また、光ディスク表面での反射信号が検出されるまでの時間t0が範囲202内であった場合、対物レンズ21の初期位置と光ディスクとの距離が通常の範囲内にあり、ACT感度の特性200は線形な特性と判断される。更に、光ディスク表面での反射信号が検出されるまでの時間t0が範囲203内であった場合、対物レンズ21の初期位置と光ディスクとの距離が通常よりも遠く、ACT感度の特性200は非線形な特性と判断される。ここで、同図に示されるVth1(Tth1)とVth2(Tth2)は、ACT感度の特性の非線形な領域と線形な領域に分ける目安とするための閾値であり、Vth1(Tth1)<Vth2(Tth2)である。Vth1(Tth1)とVth2(Tth2)は、光ピックアップ2のACT感度の特性の実測結果に基づいて定めてもよいし、光ピックアップ2の設計段階におけるACT感度の特性のシミュレーション結果に基づいて定めてもよい。Vth1(Tth1)とVth2(Tth2)のデータは、例えば、第2メモリ部15に予め格納しておく。
ここで、図10において、ACT感度の特性200の夫々の範囲201〜203における判別時間tnの算出方法について説明する。
先ず、フォーカススイープ処理において光ディスク表面での反射信号が検出されるまでの時間t0_nが範囲201内にあるとき、表面からDVD層とDD層の中間の距離0.75mmまでの移動時間tn_nを、ACT感度の特性が参照符号204のように線形な特性として算出する場合を考える。この場合、特性204に基づいて、表面での反射信号を検出してからDVD層での反射信号を検出するまでの検出時間td_nの測定結果及び、表面からDVD層までの距離0.6mmと前記中間の距離0.75mmとの関係から、比例計算により前記移動時間tn_nを算出することができる。しかしながら、範囲201におけるACT感度の特性は、実際は特性204ではなく非線形な特性200であるため、算出した時間tn_nまで対物レンズ21を移動させると、前記中間の距離0.75mmよりも遠い位置P_nまで焦点位置が移動してしまう。そこで、時間t0_nが範囲201内にある場合には、算出したtn_nに対して補正係数B(B<1)を乗算することにより時間tn_nを補正し、補正後の値を判別時間tnとして設定する。
次に、フォーカススイープ処理において光ディスク表面での反射信号が検出されるまでの時間t0_fが範囲203内にあるとき、表面からDVD層とDD層の中間の距離0.75mmまでの移動時間tn_fを、ACT感度の特性が参照符号205のように線形な特性として算出する場合を考える。この場合、特性205に基づいて、表面での反射信号を検出してからDVD層での反射信号を検出するまでの検出時間td_nの測定結果及び、表面からDVD層までの距離0.6mmと前記中間の距離0.75mmとの関係から、比例計算により前記移動時間tn_fを算出することができる。しかしながら、範囲203におけるACT感度の特性は、実際は特性205ではなく非線形な特性200であるため、算出した時間tn_fまで対物レンズ21を移動させても、前記中間の距離0.75mmよりも手前の位置P_fまでしか焦点位置が移動しない。そこで、時間t0_fが範囲203内にある場合には、算出したtn_fに対して補正係数C(C>1)を乗算することにより時間tn_fを補正し、補正後の値を判別時間tnとして設定する。
一方、フォーカススイープ処理において光ディスク表面での反射信号が検出されるまでの時間t0_tが範囲202内にある場合は、ACT感度の特性が線形とみなせるので、前述のように比例計算により算出した時間tn_tを判別時間tnとし、補正は行わない。
以下、上記方法による光ディスクの判別処理の流れについて説明する。
次に、光ディスクの判別処理の実行段階として、デュアルディスクの記録面の判別方法について説明する。
図11は、実施の形態2に係るデュアルディスクの記録面の判別方法の一例を示すフロー図である。
同図は、光ディスク装置100に装填されたデュアルディスクの再生を行う準備の段階において、デュアルディスクの記録面の判別が行われる場合を一例として示している。また、実施の形態1と同様に、図8に示した方法により、予めデュアルディスクのDVD面における検出時間tdを第2メモリ部15に格納しておく。このとき、光ディスク表面での反射信号が検出されるまでの時間t0も併せて第2メモリ部15に格納しておく。
先ず、デュアルディスクが光ディスク装置100にマウントされ、光ディスクの記録面の判別処理が開始されると、システムコントローラ13が光ピックアップ2を制御し、DVD用のレーザ光を照射させる(S201)。システムコントローラ13は、第2メモリ部15から前記検出時間td_pe、及び前記時間t0を読み出す(S302)。そして、システムコントローラ13は、前記時間t0が閾値Tth1よりも小さい(FOD電圧がVth1よりも小さい)か否かを判別する(S303)。前記時間t0が閾値Tth1よりも小さい場合には、システムコントローラ13は、対物レンズ21の初期位置と光ディスクとの距離が通常よりも近いと判断し、補正係数を係数Bと決定する(S305)。一方、前記時間t0が閾値Tth1以上である場合には、システムコントローラ13は、前記時間t0がTth1以上、Tth2以下(FOV電圧がVth1以上、Vth2以下)であるか否かを判別する(S304)。前記時間t0がTth1以上、Tth2以下である場合には、システムコントローラ13は対物レンズ21の初期位置と光ディスクとの距離が通常の範囲内と判断し、補正は不要と判断する(S306)。一方、前記時間t0がTth1以上、Tth2以下でない場合、すなわち前記時間t0がTth2より大きい場合には、システムコントローラ13は対物レンズ21の初期位置と光ディスク4との距離が通常よりも遠いと判断し、補正係数を係数Cと決定する(S307)。ステップ305〜307の後、システムコントローラ13は前記係数Aを算出する。具体的には、光ディスク表面からDVD層までの距離(0.6mm)と光ディスク表面からDD層までの距離(0.9mm)との中間の距離(0.75mm)の光ディスク表面からDVD層までの距離(0.6mm)に対する比率(1.25)を示す値に補正係数B又はCを乗算することにより前記係数Aを算出する。例えば、補正係数Bを0.8、補正係数Cを1.2とし、ステップ305で補正係数Bが選択された場合には、前記係数Aは1(=1.25 x 0.8)とされる。また、ステップ307で補正係数Cが選択された場合には、前記係数Aは1.5(=1.25 x 1.2)とされる。一方、ステップ306で補正が不要と判断された場合には、前記係数Aは1.25(=1.25 x 1)とされる。
次にシステムコントローラ13は、前記検出時間td_peと前記係数Aに基づいて、判別時間tnを算出する(S308)。具体的には、システムコントローラ13は、前記係数Aと前記検出時間tp_peを乗算して得た値を前記判別時間tnとする。その後の処理(S203〜S214)は、図9と同様とすることで、装填された光ディスクの記録面を判別することができる。
以上実施の形態2によれば、実施の形態1と同様に、従来方法に比べてより精度良く光ディスクの記録面の種類を判別することができ、且つ判別処理に長い時間を要することはない。更に、実施の形態2では、光ディスクの表面を検出するまでの時間t0に基づいて対物レンズ21の初期位置のばらつきを把握し、アクチュエータ35のACT感度特性の線形領域と非線形領域のいずれの領域で対物レンズ21が駆動されるかを判別し、それに応じて前記係数Aを算出する。これにより、より精度の高い判別時間tnを設定することができるから、より精度のよい判別処理が実現される。
≪実施の形態3≫
実施の形態1では、光ディスクの判別処理においてシステムコントローラ13が、デュアルディスクのDVD面における検出時間tdに基づいて判別時間tnを算出し、フォーカススイープ処理を実行する方法を示した。実施の形態3では、デュアルディスクのCD面における、表面での反射信号を検出してからDD層(CD面の情報記録層)での反射信号を検出するまでの検出時間tdxも測定しておき、検出時間tdと検出時間tdxに基づいて判別時間tnを算出する。
具体的には、デュアルディスクのCD面の再生が可能であるか否かを確認する検査の段階等において、前記検出時間tdxの測定を行う。測定の方法は、図8と同様であり、光ディスク表面でのフォーカスエラー信号FEが検出されてからDD層でのフォーカスエラー信号FEが検出されるまでの検出時間tdx_feと、光ディスク表面での総和信号PEが検出されてからDD層での総和信号PEが検出されるまでの検出時間tdx_peを測定し、第2メモリ部15に前記検出時間tdととともに格納する。そして、光ディスクの判別処理を実行する際に、システムコントローラ13が第2メモリ部15から読み出した前記検出時間tdと前記検出時間tdx(tdx_pe、tdx_fe)に基づいて前記判別時間tnを算出し、フォーカススイープ処理を実行する。具体的には、図9のステップ202において、システムコントローラ13が前記検出時間tdと前記検出時間tdxの中間の値を算出し、その値を判別時間tnとする。すなわち、光ディスク表面からDVD層までの距離(0.6mm)に対応する時間が前記検出時間tdであり、光ディスク表面からDD層(CD面の情報記録層)までの距離(0.9mm)に対応する時間が前記検出時間tdxであることから、前記中間の値は、表面からDVD層までの距離(0.6mm)と表面からDD層までの距離(0.9mm)の中間の距離(0.75mm)に対応する時間である。その後の処理を図9と同様とすることにより、実施の形態1と同様に光ディスクの判別を行うことができる。
以上実施の形態3によれば、製品毎に「DVD層での反射信号が検出でき、かつDD層での反射信号が検出されない時間」を精度よく設定することができるから、従来の方法に比べて、より精度良く光ディスクの記録面の種類を判別することができる。
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、実施の形態1では、光ディスクの判別処理においてシステムコントローラ13が検出時間tdに基づいて判別時間tnを算出し、フォーカススイープ処理を実行する方法を示したが、これに限られない。例えば、検出時間tdを取得する段階(図8)で、システムコントローラ13が検出時間tdに基づいて判別時間tnを算出しておき、その値を第2メモリ部15に格納しておく。そして、光ディスクの判別処理を実行する際に、システムコントローラ13が第2メモリ部15から読み出した判別時間tnを設定し、フォーカススイープ処理を実行する。これによれば、判別処理においてシステムコントローラ13が前記判別時間tnを算出する演算処理を省略することができるから、判別処理に要する時間をより短縮することができる。この方法は実施の形態3にも適用可能である。例えば、検出時間td又は検出時間tdxを取得する段階で、システムコントローラ13が検出時間tdと検出時間tdxに基づいて判別時間tnを算出しておき、その値を第2メモリ部15に格納しておけばよい。
実施の形態2では、光ディスクの判別処理においてシステムコントローラ13が検出時間tdと前記補正係数B、Cに基づいて判別時間tnを算出し、フォーカススイープ処理を実行する方法を示したが、これに限られない。例えば、検出時間tdを取得する段階(図8)で、システムコントローラ13が、上記と同様の方法により、前記時間t0に基づいて補正した前記係数Aと検出時間tdを用いて判別時間tnを算出しておき、その値を第2メモリ部15に格納しておく。そして、光ディスクの判別処理を実行する際に、システムコントローラ13が第2メモリ部15から読み出した判別時間tnを設定し、フォーカススイープ処理を実行する。これによれば、判別処理においてシステムコントローラ13が判別時間tnを算出する演算処理を省略することができるから、判別処理に要する時間をより短縮することができる。また、実施の形態2では、比例計算により求めた値を前記時間t0に基づいて補正し、補正後の前記係数Aに基づいて判別時間tnを算出する方法を示したが、これに限られない。例えば、製品毎に光ピックアップ2のACT感度の特性を測定しておき、その測定結果に基づいて作成したACT感度の特性の近似テーブルを予め第2メモリ部15等に格納しておく。そして、判別処理においてフォーカススイープ処理における判別時間tnを設定する際、システムコントローラ13が前記時間t0_peに基づいて、前記中間の距離(0.75mm)に対応する時間を示す値を前記近似テーブルから選択し、選択した値を判別時間tnとして設定する。これによれば、補正係数を乗算する補正を行う場合に比べて、より高精度な判別時間tnを設定することができる。
実施の形態1乃至3では、光ディスクの記録面の判別対象をデュアルディスクのDVD面とCD面として説明したが、これに限られず、例えばCD、DVD、ブルーレイディスク、及びデュアルディスクのうち、いずれか2つの記録面を判別対象とすることも可能である。
また、実施の形態1乃至3では、総和信号PEの検出結果(td_pe、Cpe等)に基づいて判別処理を行ったが、これに限られず、フォーカスエラー信号FEの検出結果(td_fe、Cfe等)に基づいて判別処理を行っても同様の作用効果を奏する。更に、図9の判別処理において、ステップ211で総和信号PEの検出回数Cpeに基づいて記録面を判別する方法を示したが、これに限られず、2回目に検出された反射信号の信号レベルVfe2、Vpe2によって判別する方法でもよい。例えば、ステップ211において、信号レベルVfe2、Vpe2の測定データが存在する(取得されている)場合、又は信号レベルVfe2、Vpe2が所定のレベル以上の値である場合にはDVD面と判断し、信号レベルVfe2、Vpe2の測定データが存在しない(取得されていない)場合、又は信号レベルVfe2、Vpe2が所定のレベルよりも低い値である場合にはCD面と判断する。これによれば、検出回数に基づいて判別する場合と同様の作用効果を奏する。
100 光ディスク装置
1 データ処理制御部
11 受光信号処理部
110 マトリックスアンプ回路
111 FEバランス/振幅調整部
112 レジスタ
12 サーボプロセッサ部
13 システムコントローラ
14 第1メモリ部
15 第2メモリ部
16 信号検出処理部
161 レジスタ
162 PE/FE検出部
1621 タイマ部
163 演算部
17 フォーカス制御部
171 レジスタ
172 フォーカスドライブ(FOD)制御部
173 制御信号生成部
174 フォーカスサーボ制御部
175 位相補償回路
176 レジスタ
18 収差補正制御部
181 レジスタ
182 制御部
2 光ピックアップ
21 対物レンズ
22 球面収差補正用のビームエクスパンダ
23 1/4λ板
24 偏光ビームスプリッタ(PBS)
25 グレーティング
26 APC用PBS
27 集光レンズ
28 FPD
29 コリメータレンズ
30 レーザダイオード
31 APC回路
32 レーザドライバ
33 検出レンズ
34 光検出器
35 アクチュエータ
36 ビームエクスパンダ駆動ユニット36
3 スピンドルモータ
4 光ディスク
5 ドライバ部
6 記憶装置6
7 検出信号
8 収差補正制御信号
9 フォーカス駆動信号
PE 総和信号
FE フォーカスエラー信号
40、41 レーザ光照射方向
200 ACT感度の特性
201、203 非線形範囲
202 線形範囲
204、205 線形特性

Claims (19)

  1. 情報記録層を有する光ディスクにアクセスするための光ディスク装置であって、
    前記光ディスク装置は、対物レンズの位置を調整するレンズ調整部と、
    光ディスクに照射されたレーザ光の反射光の光量に応じた反射信号を生成する反射信号生成部と、
    設定された検出条件にしたがって前記反射信号を検出し、検出した前記反射信号の特性を測定する測定部と、
    複数種類の光ディスクの記録面のうち第1の記録面に対してレーザ光を照射させながら前記対物レンズをレーザ光の照射方向に移動させたときの前記反射信号の測定に基づいて得られる第1の記録面の情報を格納するための記憶領域と、
    光ディスクにアクセスするとき、前記記憶領域に格納された前記第1の記録面の情報に応じて前記対物レンズを移動させる移動時間を設定し、前記光ディスクの記録面にレーザ光を照射させながら前記対物レンズをレーザ光の照射方向に移動させ、そのときの前記反射信号の特性を測定させるフォーカススイープ処理を実行させるとともに、アクセス対象の光ディスクの記録面を判別する、データ処理制御部と、を有し、
    前記データ処理制御部は、前記フォーカススイープ処理において光ディスク表面での前記反射信号が検出されてから前記移動時間を経過するまでの間に前記反射信号の検出があった場合には、アクセスしている記録面は前記第1の記録面であると判断し、その間に前記反射信号の検出がなかった場合には、アクセスしている記録面は前記第1の記録面でないと判断する、光ディスク装置。
  2. 前記第1の記録面の情報は、前記第1の記録面に対してレーザ光を照射させながら対物レンズをレーザ光の照射方向に移動させたときの、光ディスク表面での前記反射信号が検出されてから最初の情報記録層での反射信号が検出されるまでの時間の測定値である第1の測定値を含み、
    前記データ処理制御部は、前記第1の記録面における表面から最初の情報記録層までの第1の距離と、前記複数種類の光ディスクの記録面のうち第2の記録面における表面から最初の情報記録層までの第2の距離との中間の距離を第3の距離とし、前記第3の距離の前記第1の距離に対する比率を基準とする値に前記第1の測定値を乗算する演算をし、演算により算出した値を前記移動時間とする、請求項1記載の光ディスク装置。
  3. 前記第1の記録面における表面から最初の情報記録層までの第1の距離と、前記複数種類の光ディスクの記録面のうち第2の記録面における表面から最初の情報記録層までの第2の距離との中間の距離を第3の距離とし、
    前記第1の記録面の情報は、前記第1の記録面に対してレーザ光を照射させながら対物レンズをレーザ光の照射方向に移動させたときの、光ディスク表面での前記反射信号が検出されてから最初の情報記録層での前記反射信号が検出されるまでの時間の測定値である第1の測定値に、前記第3の距離の前記第1の距離に対する比率を基準とする値を乗算して得られる値を含み、
    前記データ処理制御部は、前記記憶領域に格納された前記乗算して得られる値を前記移動時間とする、請求項1記載の光ディスク装置。
  4. 前記第1の記録面の情報は、前記第1の記録面に対してレーザ光を照射させながら対物レンズをレーザ光の照射方向に移動させたときの、光ディスク表面での前記反射信号が検出されてから最初の情報記録層での反射信号が検出されるまでの時間の測定値である第1の測定値と、前記対物レンズの移動が開始されてから光ディスク表面での反射信号が検出されるまでの時間の測定値である第2の測定値とを含み、
    前記データ処理制御部は、前記第1の記録面における表面から最初の情報記録層までの第1の距離と、前記複数種類の光ディスクの記録面のうち第2の記録面における表面から最初の情報記録層までの第2の距離との中間の距離を第3の距離とし、前記第3の距離の前記第1の距離に対する比率を基準とする値に前記第1の測定値を乗算して得られた値を前記第2の測定値に応じて増減する補正をし、補正後の値を前記移動時間とする、請求項1記載の光ディスク装置。
  5. 前記補正は、前記第1の測定値を乗算して得られた値に補正係数を乗算する演算を行う処理であり、
    前記データ処理制御部は、前記第2の測定値が第1の閾値よりも小さいときは前記補正係数を1よりも小さい値とし、前記第2の測定値が前記第1の閾値より大きく且つ前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値より小さいときは前記補正係数を1とし、前記第2の測定値が前記第2の閾値よりも大きいときは前記補正係数を1よりも大きい値とする、請求項4記載の光ディスク装置。
  6. 前記第1の記録面に対してレーザ光を照射させながら前記対物レンズをレーザ光の照射方向に移動させたときの、光ディスク表面での前記反射信号が検出されてから最初の情報記録層での前記反射信号が検出されるまでの時間の測定値を第1の測定値とし、
    前記第1の記録面に対してレーザ光を照射させながら前記対物レンズをレーザ光の照射方向に移動させたときの、前記対物レンズの移動が開始されてから光ディスク表面での前記反射信号が検出されるまでの時間の測定値を第2の測定値とし、
    前記第1の記録面における表面から最初の情報記録層までの第1の距離と、前記複数種類の光ディスクの記録面のうち第2の記録面における表面から最初の情報記録層までの第2の距離との中間の距離を第3の距離とし、
    前記第1の記録面の情報は、前記第3の距離の前記第1の距離に対する比率を基準とする値に前記第1の測定値を乗算して得られた値を前記第2の測定値に応じて増減する補正をした値を含み、
    前記データ処理制御部は、前記記憶領域に格納された前記補正をした値を前記移動時間とする、請求項1記載の光ディスク装置。
  7. 前記補正した値は、前記第3の距離の前記第1の距離に対する比率を基準とする値と前記第1の測定値とを乗算して得られた値に、補正係数を乗算した値であり、
    前記補正係数は、前記第2の測定値が第1の閾値よりも小さいときは1よりも小さい値とされ、前記第2の測定値が前記第1の閾値より大きく、且つ前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値より小さいときは1とされ、前記第2の測定値が前記第2の閾値よりも大きいときは1よりも大きい値とされる、請求項6記載の光ディスク装置。
  8. 情報記録層を有する光ディスクにアクセスするための光ディスク装置であって、
    前記光ディスク装置は、対物レンズの位置を調整するレンズ調整部と、
    光ディスクに照射されたレーザ光の反射光の光量に応じた反射信号を生成する反射信号生成部と、
    設定された検出条件にしたがって前記反射信号を検出し、検出した前記反射信号の特性を測定する測定部と、
    複数種類の光ディスクの記録面のうち第1の記録面に対してレーザ光を照射させながら前記対物レンズをレーザ光の照射方向に移動させたときの前記反射信号の特性に係る測定結果に基づく第1の記録面の情報と、
    前記複数種類の光ディスクの記録面のうち第2の記録面に対してレーザ光を照射させながら前記対物レンズをレーザ光の照射方向に移動させたときの前記反射信号の測定に基づいて得られる第2の記録面の情報を格納するための記憶領域と、
    光ディスクにアクセスするとき、前記記憶領域に格納された前記第1の記録面の情報及び前記第2の記録面の情報に応じて前記対物レンズを移動させる移動時間を設定し、前記光ディスクの記録面にレーザ光を照射させながら前記対物レンズをレーザ光の照射方向に移動させ、そのときの前記反射信号の特性を測定させるフォーカススイープ処理を実行するとともに、アクセス対象の光ディスクの記録面を判別する、データ処理制御部と、を有し、
    前記データ処理制御部は、前記フォーカススイープ処理において光ディスク表面での前記反射信号が検出されてから前記移動時間を経過するまでの間に前記反射信号の検出があった場合には、アクセスしている記録面は前記第1の記録面であると判断し、その間に前記反射信号の検出がなかった場合には、アクセスしている記録面は前記第1の記録面でないと判断する、光ディスク装置。
  9. 前記第1の記録面の情報は、前記第1の記録面に対してレーザ光を照射させながら対物レンズをレーザ光の照射方向に移動させたときの、光ディスク表面での前記反射信号が検出されてから最初の情報記録層での反射信号が検出されるまでの時間の測定値である第1の測定値を含み、
    前記第2の記録面の情報は、前記第2の記録面に対してレーザ光を照射させながら対物レンズをレーザ光の照射方向に移動させたときの、光ディスク表面での前記反射信号が検出されてから最初の情報記録層での反射信号が検出されるまでの時間の測定値である第2の測定値を含み、
    前記データ処理制御部は、前記第1の記録面における表面から最初の情報記録層までの第1の距離と、前記第2の記録面における表面から最初の情報記録層までの第2の距離との中間の距離を第3の距離としたとき、前記第1の測定値と前記第2の測定値の中間の値を算出し、算出した値を基準とする値を前記移動時間とする、請求項8記載の光ディスク装置。
  10. 前記反射信号は、フォーカスエラー信号である、請求項2記載の光ディスク装置。
  11. 前記反射信号は、反射光量の総和に応じた総和信号である、請求項2記載の光ディスク装置。
  12. 前記複数種類の光ディスクの記録面は、CD、DVD、ブルーレイディスク、及びデュアルディスクのうちいずれか2つの記録面である、請求項2記載の光ディスク装置。
  13. 前記複数種類の光ディスクの記録面のうち第1の記録面は、デュアルディスクにおけるDVD規格に準拠した記録面であり、
    前記複数種類の光ディスクの記録面のうち第2の記録面は、デュアルディスクにおけるDVD規格に準拠していない記録面である、請求項2記載の光ディスク装置。
  14. 光ピックアップを制御し、情報記録層を有する光ディスクにアクセスするための処理を行う半導体装置であって、
    光ディスクに照射されたレーザ光の反射光の光量に応じた反射信号を入力し、設定された検出条件にしたがって、前記反射信号の信号レベルと、前記反射信号の検出に係る時間と、前記反射信号の検出回数とを含む信号情報を測定するとともに、光ピックアップの対物レンズの位置を制御する、第1のデータ処理制御部と、
    複数種類の光ディスクの記録面のうち第1の記録面に対してレーザ光を照射させながら前記対物レンズをレーザ光の照射方向に移動させたときの前記反射信号の測定に基づいて得られる第1の記録面の情報を格納するための記憶領域と、
    光ディスクにアクセスするとき、前記記憶領域に格納された前記第1の記録面の情報に応じて前記対物レンズを移動させる移動時間を設定し、前記第1のデータ処理制御部を制御することにより前記光ディスクの記録面にレーザ光を照射させながら、前記対物レンズをレーザ光の照射方向に移動させ、そのときの反射信号の前記信号情報を測定させるフォーカススイープ処理を実行させるとともに、アクセス対象の光ディスクの記録面を判別する、第2のデータ処理制御部と、を有し
    前記第2のデータ処理制御部は、前記フォーカススイープ処理において、光ディスク表面での前記反射信号が検出されてから前記移動時間までの間に反射信号の検出があった場合には、アクセスしている記録面は前記第1の記録面であると判別し、その間に前記反射信号の検出がなかった場合には、アクセスしている記録面は前記第1の記録面でないと判別する、半導体装置。
  15. 前記第1の記録面の情報は、前記第1の記録面に対してレーザ光を照射させながら対物レンズをレーザ光の照射方向に移動させたときの、光ディスク表面での前記反射信号が検出されてから最初の情報記録層での反射信号が検出されるまでの時間の測定値である第1の測定値を含み、
    前記データ処理制御部は、前記第1の記録面における表面から最初の情報記録層までの第1の距離と、前記複数種類の光ディスクの記録面のうち第2の記録面における表面から最初の情報記録層までの第2の距離との中間の距離を第3の距離とし、前記第3の距離の前記第1の距離に対する比率を基準とする値に前記第1の測定値を乗算する演算をし、演算により算出した値を前記移動時間とする、請求項14記載の半導体装置。
  16. 光ディスクにアクセスするための光ディスク装置において、光ディスクの2種類の記録面を判別する光ディスク判別方法であって、
    複数種類の光ディスクの記録面のうち第1の記録面に対して照射したレーザ光の反射光の光量に応じた反射信号の測定に基づいて得られる第1の記録面の情報に応じて、前記対物レンズを光軸方向に移動させる移動時間を設定する第1の処理と、
    前記光ディスクの記録面にレーザ光を照射させながら、設定した前記移動時間に応じて前記対物レンズをレーザ光の照射方向に移動させ、そのとき前記反射信号を検出し、検出した前記反射信号の特性を測定する第2の処理と、
    前記第2の処理による測定結果に基づいて、アクセスしている光ディスクの記録面を判別する第3の処理と、を含み、
    前記第1の記録面の情報は、前記第1の記録面に対してレーザ光を照射させながら対物レンズをレーザ光の照射方向に移動させたときの、光ディスク表面での前記反射信号が検出されてから最初の情報記録層での反射信号が検出されるまでの時間の測定値である第1の測定値を含み、
    前記第3の処理は、前記第2の処理において光ディスク表面での反射信号が検出されてから前記移動時間を経過するまでの間に反射信号の検出があった場合には、アクセスしている光ディスクの記録面は前記第1の記録面であると判別し、その間に反射信号の検出がなかった場合には、アクセスしている光ディスクの記録面は前記第1の記録面でないと判別する処理である、光ディスク判別方法。
  17. 前記第1の処理は、前記第1の記録面における表面から最初の情報記録層までの第1の距離と、前記複数種類の光ディスクの記録面のうち第2の記録面における表面から最初の情報記録層までの第2の距離との中間の距離を第3の距離とし、前記第3の距離の前記第1の距離に対する比率を基準とする値と前記第1の測定値とを乗算する演算を行う第4の処理と、前記第4の処理により得られた値を前記移動時間として設定する第5の処理と、を含む請求項16記載の光ディスク判別方法。
  18. 前記第1の記録面の情報は、前記第1の記録面に対してレーザ光を照射させながら対物レンズをレーザ光の照射方向に移動させたときの、前記対物レンズの移動が開始されてから光ディスク表面での反射信号が検出されるまでの時間の測定値である第2の測定値を更に含み、
    前記第4の処理は、前記第2の測定値に応じて前記第3の距離の前記第1の距離に対する比率を表す値を増減する補正をする第6の処理と、前記第6の処理による補正後の値と前記第1の測定値とを乗算する演算を行う第7の処理と、を含む、請求項17記載の光ディスク判別方法。
  19. 前記第6の処理は、前記第2の測定値に応じて補正係数を決定する第8の処理と、決定した補正係数と前記第3の距離の前記第1の距離に対する比率を表す値とを乗算する第9の処理と、を含み、
    前記第8の処理は、前記第2の測定値が第1の閾値よりも小さいときは前記補正係数を1よりも小さい値とし、前記第2の測定値が前記第1の閾値より大きく且つ前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値より小さいときは前記補正係数を1とし、前記第2の測定値が前記第2の閾値よりも大きいときは前記補正係数を1よりも大きい値とする処理である、請求項18記載の光ディスク判別方法。
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