JP2012133128A - 立体表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】立体画像の表示位置を自在に変えることができる立体表示装置を提供する。
【解決手段】立体表示装置は、表示手段100、前記表示手段100の前面(画像表示面)側に配置された光変調手段101、前記表示手段100の前方に存在する物体(例えば人間)200の位置を検出するセンサー102、前記センサー102によって検出された物体200の位置に対応して光変調手段101を駆動する電圧供給装置103を含んで構成される。
【選択図】図1
【解決手段】立体表示装置は、表示手段100、前記表示手段100の前面(画像表示面)側に配置された光変調手段101、前記表示手段100の前方に存在する物体(例えば人間)200の位置を検出するセンサー102、前記センサー102によって検出された物体200の位置に対応して光変調手段101を駆動する電圧供給装置103を含んで構成される。
【選択図】図1
Description
本発明は、観察者に立体的な画像を視認させることが可能な立体表示装置に関する。
一般に、立体表示装置は、観察者の左右眼に各々の視点からの視差像を提供するものであり、特殊な眼鏡を利用する方式と眼鏡を利用しない方式とがある。眼鏡を利用しない方式の立体表示装置の先行例は、例えば特開2001−66547号公報(特許文献1)に開示されている。また、眼鏡を利用しない方式の立体表示装置の先行例は、例えばWO2004/027492A1(特許文献2)に開示されている。
ところで、上記のような先行例の立体表示装置では、例えば、観察者が立体表示装置の正面から右方向にいる場合には、そちらの方向へ立体画像の表示位置をシフトさせるというように、立体画像の表示位置を自在に変えるという演出は実現できなかった。
本発明に係る具体的態様は、立体画像の表示位置を自在に変えることができる立体表示装置を提供することを目的の1つとする。
本発明に係る一態様の立体表示装置は、(a)表示手段と光変調手段を含んで構成される。前記表示手段は、(b)導光手段と、(c)前記導光手段の対向する第1及び第2の入射面に設けられた第1及び第2の光源と、(d)前記導光手段の出射面側に配置された透過型表示パネルと、(e)前記透過型表示パネルに前記第1及び第2の光源を同期させて視差像を表示させる同期駆動装置を有する。前記光変調手段は、(f)対向配置された第1の基板及び第2の基板と、(g)前記第1の基板上に設けられたプリズムアレイと、(h)前記第1の基板上又は前記プリズムアレイ上のいずれかに設けられた第1の電極と、(i)前記第2の基板上に設けられた第2の電極と、(j)前記第1基板と前記第2基板の相互間に設けられた液晶層を有する。そして、(k)前記表示手段の前記導光手段の出射面と観察者間の光路中に前記光変調手段が設けられる。
上記構成によれば、表示手段によって表示される立体画像の表示位置を光変調手段によって自在に変えることができる。
上記の立体表示装置は、前記光変調手段の前方に存在する物体の位置を検出するセンサーと、前記センサーによって検出された前記物体の位置に対応して前記光変調手段の前記第1及び第2の電極に駆動電圧を供給する電圧供給装置を更に含むことも好ましい。
これにより、観察者の位置をセンサーによって検出し、その位置に応じて自律的に立体画像の表示位置を設定することができる。
好ましくは、前記導光手段と前記透過型表示パネルの間に配置されたプリズムシートを更に含む。
また、前記導光手段は、1つの導光板を有し、当該導光板は、前記出射面と反対の配光制御面に設けられた複数の鏡面部と、前記配光制御面のうち、前記複数の鏡面部が存在しない領域に設けられたプリズム列を有することも好ましい。
また、前記導光手段は、第1及び第2の導光板を有し、当該第1及び第2の導光板の各々は、前記出射面と反対の配光制御面に設けられた複数の鏡面部と、前記配光制御面のうち、前記複数の鏡面部が存在しない領域に設けられたプリズム列を有することも好ましい。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る立体表示装置の構成を示す図である。詳細には、図1(A)は立体表示装置の上面図、図1(B)は立体表示装置の側面図である。各図に示す第1の実施形態の立体表示装置は、表示手段100、この表示手段100の前面(画像表示面)側に配置された光変調手段101、表示手段100の前方に存在する物体(例えば人間)200の位置を検出するセンサー102、このセンサー102によって検出された物体200の位置に対応して光変調手段101を駆動する電圧供給装置103を含んで構成されている。
図1は、第1の実施形態に係る立体表示装置の構成を示す図である。詳細には、図1(A)は立体表示装置の上面図、図1(B)は立体表示装置の側面図である。各図に示す第1の実施形態の立体表示装置は、表示手段100、この表示手段100の前面(画像表示面)側に配置された光変調手段101、表示手段100の前方に存在する物体(例えば人間)200の位置を検出するセンサー102、このセンサー102によって検出された物体200の位置に対応して光変調手段101を駆動する電圧供給装置103を含んで構成されている。
図2は、第1の実施形態における表示手段100の構成を示す図である。図2に示す第1の実施形態の表示手段100は、導光板1と、導光板1の2つの入射面Sina、Sinbに設けられた2つの光源2a、2bと、導光板1の出射面Sout1側に設けられた片面異形三角プリズムシート3と、片面異形三角プリズムシート3の出射面Sout3上に設けられた透過型液晶表示パネル(透過型表示パネル)4と、透過型液晶表示パネル4に2つの光源2a、2bを同期させて視差像を表示させる同期駆動回路5を含んで構成されている。これにより、透過型液晶表示パネル4の画素数と同数の画素数を有する立体画像を表示できる。透過型液晶表示パネル4は、例えば一対の基板間と、それらの間に設けられた液晶層と、基板外側にそれぞれ設けられた偏光板などを備える。
図3および図4は、それぞれ図1の導光板1の構成例を示す平面図である。尚、導光板1はアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の透光性材料よりなる。図3に示すように、導光板1は、入射面Sina、Sinbに関して対称となっている。また、導光板1の出射面Sout1と反対の配光制御面には、入射面Sina、Sinb間方向に延在する複数の平坦鏡面部11が設けられている。この平坦鏡面部11は、光を奥まで均一にするためのものである。
また、導光板1の配光制御面には、平坦鏡面部11が形成されていない領域に等間隔の三角形状の複数のプリズムよりなる、光を立ち上げるための三角形状プリズム列12が設けられている。さらに、入射面Sina、Sinb特に平坦鏡面部11の入射面Sina、Sinbには、戻り光抑止のために、三角形状、円弧形状及びマイクロレンズアレイ等のシボ面13が設けられている。ここでいうシボ面13とは、微細な凹凸を生じさせる加工(シボ加工)が施された面をいう。尚、図3に示すように、光源2a、2bは、それぞれ、複数個の発光ダイオード(LED)とすることができる。
図3においては、光源2a、2bの幅は三角形状プリズム列12の幅と同一である。この場合、光源2a、2b付近から三角形状プリズム列12のプリズム面にて全反射した多くの光が出光され、均一性が減少する。一般に、光源2a、2bの幅に対する三角形状プリズム列12の数は製品の大きさや面輝度に求められる均一性に依存して異なる。そこで、図4に示すように、光源2a、2bの幅に対して平坦鏡面部11及び三角形状プリズム列12を複数個(図4においては3個づつ)配置し、光源2a、2bを左右交互に配置すると、均一性は増加する。
また、図3においては、光源2a、2bを三角形状プリズム列12に対して対称に配置している。この場合、互いの導光板の反対側側面つまり入射面Sina、Sinbが平坦面となり、この平坦面から戻り光が発生するという問題がある。これに対し、図4においては、光源2a、2bの反対側側面はシボ面となっているので、戻り光は抑止される。
図5は、図3および図4のIII-III線断面図である。図5(A)に示すように、平坦鏡面部11より三角形状プリズム列12を下側に突出させてもよく、他方、図5(B)に示すように、三角形状プリズム列12より平坦鏡面部11を下側に突出させてもよい。尚、図5(A)、(B)のいずれにおいても、光源2aのみが動作した場合を図示しているが、光源2a、2bは対称に設けられているので、光源2bの動作も同様である。
図5(A)、(B)において、光源2aからの光R1は、入射面Sinaから入射して三角形状プリズム列12の三角形状プリズムによって直接全反射されて出射光となる。また、光源2aからの光R2は、入射面Sinaから入射して平坦鏡面部11において全反射された後に三角形状プリズム列12の三角形状プリズムによって全反射されて出射光となる。他方、シボ面13が存在しない場合には、点線で示す光源2aからの光R3は、入射面Sinbから入射して平坦鏡面部11において全反射され、入射面Sinbにて戻り光となり、最後に、三角形状プリズム列12の三角形状プリズムによって全反射されて出射光となる。つまり、光源2aが左目用の視差像を表示させるものとすれば、角度+方向の光R1、R2は左目用視差像に役立つが、角度−方向の戻り光R3は不要な出射光であって、右目用視差像に悪影響するものである。本実施形態では、この戻り光R3がシボ面13によって乱反射されて抑止されるので、出射光とならないようにすることができる。
三角形状プリズム列12の三角形状プリズムは、光源2a、2bから左右対称な出射光を必要とするので、二等辺三角形であり、かつ等間隔に列されている。また、その頂角は大きく、例えば164°であり、戻り光を抑制している分、光の立ち上がり量を少なくしてある。
図6は、左目用の光源2aを点灯した場合の導光板1からの光の左目用配光分布を示す図である。図6において、点線はシボ面13が存在せず、図5に示した戻り光R3が抑制されない場合の導光板1からの光の配光分布である。図6に示すように、図5の戻り光R3が抑制された分、角度0°〜−90°方向には弱い強度の光しか出光しない。従って、右目用の視差像に悪影響せず、左右のクロストークは少ない。図6においては、出光強度は+50°〜+80°方向で大きく、+64°で最大となる。尚、右目用の光源2bを点灯した場合には、図6の場合と0°を軸とした対称の配光分布となり、角度0°〜+90°方向には弱い強度の光しか出光しない。従って、左目用の視差像に悪影響せず、左右のクロストークは少ない。
図7は、図1に示した片面異形三角プリズムシート3の1つのプリズムを示す図である。図7に示すように、片面異形三角プリズムシート3の1つのプリズムは異形三角プリズムである(図示の例では3段三角プリズム)。この3段三角プリズムにおいては、辺部E1、F1(稜部からの距離0μm〜9μmの範囲)は頂角81°であり、辺部E2、F2(稜部からの距離9μm〜39μmの範囲)は頂角71°であり、辺部E3、F3(稜部からの距離39μm〜63μmの範囲)は頂角65°である。尚、このような片面異形三角プリズムシート3は、例えば成形用スタンパにより精度よく所望の傾斜角度で形成できる。
図8は、図1の片面異形三角プリズムシート3の光路を説明する図である。図8に示すように、導光板1の出射面Sout1から出光した光は、辺部E1、E2、E3において屈折し、辺部F1、F2、F3において全反射して上面へ出光する。図6に示す導光板1からの左目用配光分布は50°〜80°で強いので、図1の片面異形三角プリズムシート3は50°〜80°のいずれの出射角の光でも+方向へ出射させるように作用している。以下、導光板1からの光が配光角+50°、+60°、+70°、+80°の場合について片面異形三角プリズムシート3の光路について図9に基づいて詳述する。
図9(A)は、導光板1からの光の出射角が+50°の場合の光路を示す。図9(A)に示すように、導光板1からの光はプリズムの辺部E1、E2、E3を透過し、辺部F1、F2、F3で全反射する。この結果、片面異形三角プリズムシート3の出射角が+22°〜+50°方向に出光する。図9(B)は導光板1からの光の出射角が+60°の場合の光路を示す。図9(B)に示すように、導光板1からの光はプリズムの辺部E1、E2を透過し、辺部F1、F2、F3で全反射する。この結果、片面異形三角プリズムシート3の出射角が+10°〜+39°方向に出光する。
図9(C)は導光板1からの光の出射角が+70°の場合の光路を示す。図9(C)に示すように、導光板1からの光はプリズムの辺部E1、E2を透過し、辺部F1、F2、F3で全反射する。この結果、片面異形三角プリズムシート3の出射角が+1°〜+28°方向に出光する。図9(D)は導光板1からの光の出射角が+80°の場合の光路を示す。図9(D)に示すように、導光板1からの光はプリズムの辺部E1を透過し、辺部F1で全反射する。この結果、片面異形三角プリズムシート3の出射角が+1°〜+17.5°方向に出光する。
尚、導光板1からの光の出射角が0°(垂直)〜50°の場合には、片面異形三角プリズムシート3のプリズムへの入射角及びプリズムの上面において臨界角を超える角度でプリズムに入射する成分が増加し、この結果、プリズムの上面からは出光しづらくなる。
図10は、左目用の光源2aを点灯した場合の片面異形三角プリズムシート3からの光の左目用配光分布を示す図である。図10において、点線はシボ面13が存在せず図5の戻り光R3が抑制されない場合の片面異形三角プリズムシート3からの光の配光分布である。図10に示すように、図3の戻り光R3が抑制された分、角度0°〜−30°方向には弱い強度の光しか出光しない。従って、右目用の視差像に悪影響せず、左右のクロストークは少ない。図10においては、出光強度は0°〜+30°方向で大きく、0°〜−30°方向でほとんど出光しない。尚、右目用の光源2bを点灯した場合には、図10の場合と0°を軸とした対称の配光分布となり、角度0〜+30°方向には弱い強度の光しか出光しない。従って、左目用の視差像に悪影響せず、左右のクロストークは少ない。
尚、上記においては、平坦鏡面部の幅は一定であったが、平坦鏡面部の幅を変化させることもできる。この場合にあっても、入射面Sina、Sinbに関して対称である。さらに、片面異形三角プリズムシート3は1部材に限らず、少なくとも2種類以上の屈折率が異なる部材を貼り合わせてもよい。また、片面異形三角プリズムシート3のプリズムは3段三角プリズムであったが、配光分布に合わせて2段もしくは4段の多段三角プリズムにしてもよい。
次に、光変調手段101について詳細に説明する。
図11は、光変調手段(光学素子)101の構造を示す模式的な断面図である。なお、図11においては便宜上、一部構成を除いてハッチング記載を省略する(後述する図面においても同様)。図11に示す本実施形態の光変調手段101は、第1基板51、第1電極52、プリズムアレイ53、配向膜(第1配向膜)54、第2基板55、第2電極56、配向膜(第2配向膜)57、液晶層58を含んで構成される。
第1基板51および第2基板55は、それぞれ、例えばガラス基板、プラスチック基板等の透明基板である。第1基板51と第2基板55との相互間には、例えば多数のスペーサー(粒状体)が分散して配置されており、それらのスペーサーによって第1基板51と第2基板55との相互間隔が保たれる。
第1電極52は、第1基板51の一面側に設けられている。同様に、第2電極56は、第2基板55の一面側に設けられている。第1電極52および第2電極56、それぞれ、例えばインジウム錫酸化物(ITO)などの透明導電膜を用いて構成される。例えば本実施形態では、第1電極52、第2電極56ともに、基板一面に形成されている。なお、第1電極52、第2電極56は、適宜パターニングされていてもよい。
プリズムアレイ53は、複数の微少な傾斜状の突起形状(プリズム)を一方向に列して構成されている。図12にプリズムアレイ53の模式的な斜視図を示す。図12のように、本実施形態における各プリズムの断面形状は直角三角形(例えば頂角75°、底角が15°と90°)である。また、各プリズムの配置ピッチPは例えば20μm程度、高さtは例えば5.2μm程度である。図12に示すように、プリズムアレイ53は、上面から見るとスリット形状に形成されている。このプリズムアレイ53は、例えば耐熱性および密着性に優れた樹脂材料を成形することにより得られる。
配向膜54は、第1基板51の一面側に、第1電極52およびプリズムアレイ53を覆うようにして設けられている。また、配向膜57は、第2基板55の一面側に、第2電極56を覆うようにして設けられている。本実施形態においては、配向膜54および配向膜57として、液晶層58の液晶分子の初期状態(電圧無印加時)における配向状態を水平配向状態に規制するもの(水平配向膜)が用いられている。これらの配向膜54、57に対しては、所定の表面処理(ラビング処理、光配向処理等)が施されている。
液晶層58は、第1基板51の一面と第2基板55の一面の相互間に設けられている。本実施形態においては、誘電率異方性Δεが正(Δε>0)のネマティック液晶材料を用いて液晶層58が構成されている。液晶層58に図示された太線は、液晶層58内の液晶分子を模式的に示したものである。電圧無印加時における液晶分子は、第1基板51および第2基板55の各基板面に対して所定のプレティルト角を有してほぼ水平に配向する。
図13は、光変調手段(光学素子)101の他の構造例を示す模式的な断面図である。上述した図11に示した光変調手段101は、第1電極52の上側にプリズムアレイ53が配置されていたが、プリズムアレイ上に第1電極を配置してもよい。すなわち、図13に示す構造例の光変調手段101は、第1基板51、第1電極52a、プリズムアレイ53a、配向膜54a、第2基板55、第2電極56、配向膜57、液晶層58を含んで構成される。図11に示した光変調手段101との相違点は、第1基板51上にプリズムアレイ53aが設けられ、その上側に第1電極52a、配向膜54aが設けられている点である。
図14は、光変調手段(光学素子)101の他の構造例を示す模式的な断面図である。上述した図13に示した光変調手段101は、プリズムアレイ53a上に形成された第1電極52aには特段のパターニングが施されていなかったが、プリズムアレイ上の第1電極をパターニングすることも好ましい。すなわち、図14に示す構造例の光変調手段101は、第1基板51、複数の第1電極52b、プリズムアレイ53b、配向膜54b、第2基板55、複数の第2電極56b、配向膜57、液晶層58を含んで構成される。図13に示した光変調手段101との相違点は、各第1電極52b、各第2電極52bともに、ストライプ状(短冊状)の複数の電極からなる点である。
図15は、表示手段100からの出射光の偏光方向と、光変調手段101における配向処理の方向との関係を説明するための図である。図15(A)に示すように、本実施形態の表示手段100は、例えば偏光板を備えた液晶表示装置であり、当該偏光板を通過した出射光が方向a1に偏光している。図示の例では、表示手段100の左右方向を基準として45°の方向に出射光が偏光している。これに対して、第1基板51は、配向膜54へ施された配向処理の方向a2が上記した出射光の偏光方向a1と略平行になるように配置されている。図示の例では、配向処理の方向a2は、プリズムアレイ53の各プリズムの長手方向(延在方向)a3との間で略45°に設定されている。また、第2基板55は、配向膜57へ施された配向処理の方向a4が上記した第1基板11の配向処理の方向a2との間でアンチパラレルの関係になるように配置されている。なお、図14に示した構造例の光変調手段101を用いる場合には、図15(B)に示すように、配向処理の方向a2と各第2電極16bの延在方向a5のなす角度を略45°に設定される。
ここで、第1基板51の配向処理の方向a2を表示手段100の出射光の偏光方向a1と略平行とすることによる利点について説明する。通常、液晶層58の液晶分子は、細長い形状を有しており、ある方向の偏光(液晶分子の長軸方向)は曲げることができるが、ある方向の偏光はそのまま透過する。したがって、表示手段100からの出射光の偏光方向a1と、光変調手段101において表示手段100側に配置される第1基板51に施される配向処理の方向a2とが平行になるように配置することにより、原理的には、出射光の全成分を曲げることができる。すなわち、光の利用効率が高くなる。
これに対して、例えば表示手段100からの出射光の偏光方向a1と光学素子2における配向処理の方向a2が45°になるように配置した場合には、原理的に、出射光のうち約1/2の成分は曲げられるが残りの成分は制御することができなくなる。さらに、偏光方向a1と配向処理の方向a2とが直交するように配置した場合には、原理的に、光学素子2によって表示手段100の出射光を制御することができなくなる。
したがって、表示手段100からの出射光の偏光方向a1と、光変調手段101における配向処理の方向a2とが略平行になるように配置することがより望ましいといえる。なお、プリズムアレイ53の各プリズムの長手方向a3については、表示画像全体をどちらの方向に移動させるかという点では考慮する必要があるが、表示画像を移動可能かという点ではどの方向に設定しても影響がない。本実施形態では、配向処理の方向a2がプリズムアレイ53の各プリズムの延在方向a3に対して45°となるように配向処理が行われるが、配向処理の方向a2と各プリズムの延在方向a3との相対的関係はこれに限定されない。本例においてプリズムアレイ53の各プリズムの延在方向a3に対して、配向処理の方向a2を45°としたのは、上記したように表示手段100からの出射光が45°方向に偏光しているので、その画像を左右(もしくは上下)に動かすのには配向処理の方向a2を45°とするのがよいためである。なお、画像を斜め方向(斜め45°)に動かしたい場合には、プリズムの延在方向a3と平行方向(もしくは直交方向)に配向処理の方向a2を設定すればよい。
以上に説明したような光変調手段101を表示手段100の前面に配置し、光変調手段100の第1電極52および第2電極56を用いて液晶層58に駆動電圧を印加することにより、この光変調手段101を介して観察される表示手段100の表示画像を自在に移動させることができる。この原理は以下のように考えられる。
すなわち、第1電極52および第2電極56を介して液晶層58に電圧を印加することにより、液晶分子の列が変化する。これにより、液晶層58の屈折率値が変化するため、複数の微少な傾斜状の突起形状であるプリズムアレイ53と液晶層58との界面を透過する光の屈折角が変化する(スネルの法則)。液晶層58へ印加される電圧を適宜に設定することにより、プリズムアレイ53と液晶層58との界面を通過する光の屈折角の大きさを自在に変化させることができる。屈折角の大きさは、プリズムアレイ53の形状や液晶層58の屈折率異方性の大きさなどにより一概にいえないが、数°〜20°程度の範囲である。
本実施形態の光変調手段101では、複数の微小プリズムを一方向に列してなるプリズムアレイ53を設けているため、必然的に場所によりセル厚(液晶層58の層厚)が異なることになる。一般には、液晶層58の液晶分子の応答速度はセル厚に依存し、セル厚の2乗に比例すると言われている。このため、液晶層58に印加する電圧を少しずつ連続的に変えると、セル厚が一番厚い位置での応答速度より電圧を変える速度が速い場合には、セル厚の違いによるレスポンスの違いにより、画像の位置を変える角度(上記の屈折角)に微妙なずれが生じる。その屈折角のずれを積極的に利用することにより、表示手段100の表示画像に視覚効果を与えることができる。例えば、図11に示した構造例の光変調手段101を用いた場合には、光変調手段101を介して観察者によって視認される表示画像は、ゆらゆらと陽炎のように揺れて見える。また、液晶層58に印加する電圧の大きさを徐々に上げていくと、光変調手段101を介して視認される表示画像の位置が連続的に変化する。また、図13または図14に示した構造例の光変調手段101を用いた場合には、光変調手段101を介して観察者によって視認される表示画像は、同じ形のまま元の位置から特定方向に移動した位置に存在するように観察される。
なお、液晶層18に印加する電圧の大きさは数ボルト程度で十分である。光変調手段101の各構造例の比較では、プリズムアレイ上に電極を設ける構造例(図13、図14)のほうがより低電圧化が図られる傾向にある。これは、第1電極によって直接的に液晶層18へ電圧を印加できることが一因であると考え得る。また、プリズムアレイにより液晶層の厚み(セル厚)が場所によって異なるが、配向処理の方向をアンチパラレルとしていることから液晶層の厚さに対して閾値がほとんど依存しないため、プリズムアレイと液晶層界面の屈折率変化の場所による差異がほとんどないことも一因であると考え得る。また、本実施形態の光変調手段101は、一般的な液晶素子とは異なり偏光板が不要であるため原理的に高透過率である。具体的には、光学素子自体の透過率として90%以上が見込まれ、光変調手段101の表面に反射防止コート(ARコート)を施した場合には95%以上の透過率が見込まれる。
以上のような光変調手段101と、センサー102、電圧供給装置103を組み合わせることにより、表示手段100により表示される立体画像を、観察者の位置する方向へ向けて移動させることができる。例えば、観察者が表示手段100の正面からみて左側にいる場合であれば、その観察者の位置をセンサー102によって検出する。そして、この検出位置に応じた駆動電圧を電圧供給手段103から光変調手段101に供給することで、表示手段100による表示画像を左方向へ移動させることができる。すなわち、観察者の位置に応じた適切な方向へ表示画像を移動させることができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態の立体表示装置は、上記した第1の実施形態の立体表示装置とは表示手段100の構成のみが異なる。以下、詳述する。
第2の実施形態の立体表示装置は、上記した第1の実施形態の立体表示装置とは表示手段100の構成のみが異なる。以下、詳述する。
図16は、第2の実施形態における表示手段100の構成を示す図である。図16に示す第2の実施形態の表示手段100は、2つの導光板1a、1bと、導光板1の2つの入射面Sina、Sinbに設けられた2つの光源2a、2bと、導光板1aの出射面Souta側に設けられた片面異形三角プリズムシート3と、片面異形三角プリズムシート3の出射面Sout3上に設けられた透過型液晶表示パネル(透過型表示パネル)4と、透過型液晶表示パネル4に2つの光源2a、2bを同期させて視差像を表示させる同期駆動回路5を含んで構成されている。これにより、透過型液晶表示パネル4の画素数と同数の画素数を有する立体画像を表示できる。
図17は、図16の導光板1a、1bの構成例を示す平面図である。尚、導光板1a、1bはアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の透光性材料よりなる。図17(A)に示すように、導光板1aは、導光板1aの出射面Soutaと反対の配光制御面に入射面Sinaの長手方向に延在する複数の平坦鏡面部11aを有する。平坦鏡面部11aは、光を奥まで均一にするためのものであり、平坦鏡面部11aの幅は入射面Sinaから遠ざかるに伴って小さくなるように形成されている。また、平坦鏡面部11aが形成されていない領域に等間隔の三角形状の複数のプリズムからなる、光を立ち上げるための三角形状プリズム列12aが設けられている。三角形状プリズム12aの幅は入射面Sinaから遠ざかるに伴って大きくなるように形成されている。これにより、奥にいく光をより多く全反射させて均一に面発光させる。この三角形状は非対称であり、例えば、光源2a側の傾斜角が48°(45°〜50°)、光源2aと反対側の傾斜角が45°(42°〜48°)である。尚、図17(A)に示すように、光源2aは、複数個の発光ダイオード(LED)とすることができる。この場合、発光ダイオードは、三角形状プリズム列12aではなく、平坦鏡面部11aに対向させることで、光をより奥まで到達するようにできる。
他方、図17(B)に示すように、導光板1bは、導光板1bの出射面Soutbと反対の配光制御面に入射面Sinbの長手方向に延在する複数の平坦鏡面部11bを有する。平坦鏡面部11bは、光を奥まで均一にするためのものであり、平坦鏡面部11bの幅は入射面Sinbから遠ざかるに伴って小さくなるように形成されている。また、平坦鏡面部11bが形成されていない領域に等間隔の三角形状の複数のプリズムからなる、光を立ち上げるための三角形状プリズム列12bが設けられている。三角形状プリズム12bの幅は入射面Sinbから遠ざかるに伴って大きくなるように形成されている。これにより、奥にいく光をより多く全反射させて均一に面発光させる。この三角形状は非対称であり、例えば、光源2b側の傾斜角が48°(45°〜50°)、光源2bと反対側の傾斜角が45°(42°〜48°)である。尚、図17(B)に示すように、光源2bは、複数個の発光ダイオード(LED)とすることができる。この場合、発光ダイオードは、三角形状プリズム列12bではなく、平坦鏡面部11bに対向させることで、光をより奥まで到達するようにできる。
図17(A)に示す導光板1aを図17(B)に示す導光板1bに重ね合わせると、導光板1aの三角形状プリズム列12aは導光板1bの平坦鏡面部11bの全体に対向し、他方、導光板1bの三角形状プリズム列12bは導光板1aの平坦鏡面部11aの全体に対向する。この結果、導光板1bの三角形状プリズム列12bから出射面Soutbを介して出光する光は導光板1aのパターンに影響されることなく、導光板1aを透過する。同様に、導光板1aの三角形状プリズム列12aから出射面Soutaを介して出光する光は導光板1bのパターンに影響されない。
図18は、図17(A)の導光板1aのIII-III線断面図である。図18(A)に示すように、平坦鏡面部11aにより三角形状プリズム列12aを下側に突出させてもよく、他方、図18(B)に示すように、三角形状プリズム列12aより平坦鏡面部11aを下側に突出させてもよい。図18(A)、(B)のいずれにおいても、光源2aのみが動作した場合を図示している。
図18(A)、(B)において、光源2aからの光R1aは入射面Sinaから入射して三角形状プリズム列12aの三角形状プリズムによって直接全反射されて出射光となる。また、光源2aからの光R2aは入射面Sinaから入射して平坦鏡面部11aにおいて全反射された後に三角形状プリズム列12aの三角形状プリズムによって全反射されて出射光となる。つまり、光源2aが左目用の視差像を表示させるものとすれば、角度+方向の光R1a、R2aは左目用視差像に役立ち、角度−方向の不要な出射光はほとんどなく、右目用視差像に悪影響せず、左右のクロストークは少ない。
図19は、図17(A)、(B)の導光板1a、1bを重ね合わせたときのIV-IV線断面図である。図19(A)に示すように、平坦鏡面部11bにより三角形状プリズム列12bを下側に突出させてもよく、他方、図19(B)に示すように、三角形状プリズム列12bより平坦鏡面部11bを下側に突出させてもよい。図19(A)、(B)のいずれにおいても、光源2bのみが動作した場合を図示している。
図19(A)、(B)において、光源2bからの光R1bは入射面Sinbから入射して三角形状プリズム列12bの三角形状プリズムによって直接全反射されて出射光となり、導光板1aの平坦鏡面部11aを透過する。また、光源2bからの光R2bは入射面Sinbから入射して平坦鏡面部11bにおいて全反射された後に三角形状プリズム列12bの三角形状プリズムによって全反射されて出射光となり、導光板1aの平坦鏡面部11aを透過する。つまり、光源2bが右目用の視差像を表示させるものとすれば、角度−方向の光R1a、R2aは右目用視差像に役立ち、角度+方向の不要な出射光はほとんどなく、左目用視差像に悪影響せず、左右のクロストークは少ない。
図20は、左目用の光源2aおよび右目用の光源2bを点灯した場合の各導光板1a、1bからの光の左目用配光分布および右目用配光分布を示す図である。図20に示すように、光源2aを点灯した場合には、角度0°〜−90°方向には弱い強度の光しか出光しない。従って、右目用の視差像に悪影響せず、左右のクロストークは少ない。他方、右目用の光源2bを点灯した場合には、角度0°〜+90°方向には弱い強度の光しか出光しない。従って、左目用の視差像には悪影響せず、左右のクロストークは少ない。
図21は、導光板の変形例を用いた場合の導光板からの配光分布を示す図である。図21においては、上側の導光板1aに設けられるプリズムの断面形状が、例えば、光源2a側の傾斜角が4°(1°〜8°)、光源2aと反対側の傾斜角が45°(10°〜90°)である。また、下側の導光板1bに設けられるプリズムの断面形状が、例えば光源2b側の傾斜角が4°(1°〜8°)、光源2aと反対側の傾斜角が45°(10°〜90°)である。
図21の配光分布においては、導光板1aからの出射光である左目用配光分布の最大強度の角度(以下、ピーク角度とする)は+76°であり、他方、導光板1bからの出射光である右目用配光分布のピーク角度は−73°であり、従って、左右非対称の配光分布となる。これは、導光板1aと片面三角プリズムシート3との距離が導光板1bと片面三角プリズムシート3との距離より小さいこと、導光板1bからの出射光が空気の屈折率と異なる導光板1a内を通過すること等によるものと考えられる。また、ピーク角度の差は149°と大きい。
図21に示すピーク角度の差が大きい左右非対称の配光分布は、片面三角プリズムシート3によって観察者の裸眼の視差像のピーク角度の差が小さい左右対称の配光分布に変換される。この場合、観察者の左目用配光分布のピーク角度は+5°であり、右目用配光分布のピーク角度は−5°であり、ピーク角度の差は10°であることが好ましいものとする。
次に、片面三角プリズムシート3の三角形状と片面三角プリズムシート3からの光の左目用配光分布および右目用配光分布とを考察する。尚、配光分布の測定には、図21において適用した導光板を用いた。
図22(A)に示すように、片面三角プリズムシート3の三角形状の角度を段差なしの対称な最適角度、例えば34°とし、三角形状の高さを13μmとする。この場合、図22(B)に示すように、左目用配光分布のピーク角度が0°であり、右目用配光分布のピーク角度が−5°であり、従って非対称となる。しかも、ピーク角度の差が5°と小さ過ぎ、かつ、各配向分布は緩やかに変化している。この結果、配光分布の非対称が解決されておらず、また、左右のクロストークが大きくなる。
次に、図23(A)に示すように、片面三角プリズムシート3の三角形状の角度を段差なしの対称な最適角度、例えば36.5°、37°とし、三角形状の高さを13μmとする。この場合、図23(B)に示すように、左目用配光分布のピーク角度が+10°であり、右目用配光分布のピーク角度が−10°であり、従って対称となる。しかしながら、ピーク角度の差が20°と大き過ぎ、かつ、各配向分布は緩やかに変化している。この結果、配光分布の非対称が解決されているとともに、左右のクロストークは小さくなるが、右目用と左目用で同一画像を表示することで立体視を行わずに2次元画像で用いた場合に中央部の強度が小さくなるので不都合である。
次に、図24(A)に示すように、片面三角プリズムシート3の三角形状の角度を段差ありの対称な最適角度、例えば36.5°、34°とし、三角形状の高さを4μm、8μm(合計12μm)とする。この場合、図24(B)に示すように、左目用配光分布のピーク角度が+4°であり、右目用配光分布のピーク角度が−6°であり、従って非対称となる。しかし、ピーク角度の差が10°であり、かつ、各配向分布は急峻に変化している。この結果、左右のクロストークは小さくなる。つまり、配光分布の非対称が解消されていない。
次に、図25(A)に示すように、片面三角プリズムシート3の三角形状の角度を段差ありの対称な最適角度、例えば36.5°、37°;34°、34°;33°、34°とし、三角形状の高さを4μm、4μm、4μm(合計12μm)とする。この場合、図25(B)に示すように、左目用配光分布のピーク角度が+5°であり、右目用配光分布のピーク角度が−5°であり、従って対称となる。しかも、ピーク角度の差が10°であり、かつ、各配向分布は急峻に変化している。この結果、配光分布の非対称が解消されているとともに、左右のクロストークは小さくなる。
このように、片面三角プリズムシート3に段差を設けるとともに非対称な角度を与えると、左目用配光分布のピーク角度および右目用配光分布のピーク角度が対称になるとともに、各配向分布も急峻に変化しているので、左右のクロストークも小さくなる。尚、この場合でも、片面三角プリズムシート3の三角形状の角度が狭角となり過ぎると、図26に示すように、ピーク角度が0°に近く、立体表示に不適切となり、他方、片面三角プリズムシート3の三角形状の角度が広角となり過ぎると、図27に示すように、ピーク角度の差が大きくなり過ぎ、やはり、立体表示に不適切となる。尚、片面三角プリズムシート3の段差の数および非対称の角度は適宜変更し得る。
次に、上記した導光板1a、1bの他の構成例を説明する。
図28は、導光板の他の構成例を示す平面図である。本構成例の導光板1a’は、導光板1a’の出射面Soutaと反対の配光制御面に平坦鏡面部11a’を有する。平坦鏡面部11a’は、光を奥まで均一にするためのものである。また、平坦鏡面部11a’が形成されていない領域には、三角形状もしくは円弧形状の複数のドット形状プリズムからなる、光を立ち上げるためのドット形状プリズム列12a’が設けられている。このドット形状は非対称であり、例えば、光源2a側の傾斜角が48°(45°〜50°)、光源2aと反対側の傾斜角が45°(42°〜48°)である。
他方、本構成例の導光板1b’は、導光板1b’の出射面Soutbと反対の配光制御面に平坦鏡面部11b’を有する。平坦鏡面部11b’は、光を奥まで均一にするためのものである。また、平坦鏡面部11b’が形成されていない領域には、三角形状もしくは円弧形状の複数のドット形状プリズムからなる、光を立ち上げるためのドット形状プリズム列12b’が設けられている。このドット形状は非対称であり、例えば、光源2a側の傾斜角が48°(45°〜50°)、光源2bと反対側の傾斜角が45°(42°〜48°)である。
図29は、導光板の他の構成例を示す平面図である。本構成例では、図29(A)に示すようにドット形状プリズム列12a’の幅は入射面Sinaから遠ざかるに伴って大きくなるように形成されている。これにより、奥へ行く光をより多く全反射させて均一に面発光させることができる。また、図29(B)に示すように、ドット形状プリズム列12b’の幅は入射面Sinbから遠ざかるに伴って大きくなるように形成されている。これにより、奥へ行く光をより多く全反射させて均一に面発光させることができる。
図28または図29に示した導光板1a’を導光板1b’に重ね合わせると、導光板1a’のドット形状プリズム列12a’は導光板1b’の平坦鏡面部11b’の一部に対向し、他方、導光板1b’のドット形状プリズム列12b’は導光板1a’の平坦鏡面部11a’の一部と対向する。つまり、ドット形状プリズム列12a’とドット形状プリズム列12b’とが同一でない。この結果、導光板1b’のドット形状プリズム列12b’から出射面Soutbを介して出光する光は導光板1a’のパターンに影響されることなく、導光板1a’を透過する。同様に、導光板1a’のドット形状プリズム列12a’から出射面Soutaを介して出光する光が導光板1b’のパターンに影響されることはない。
図30は、導光板1a’のXV-XV断面図である。図30(A)に示すように、平坦鏡面部11a’よりドット形状プリズム列12a’を下側に突出させてもよく、他方、図30(B)に示すように、ドット形状プリズム列12a’より平坦鏡面部11a’を下側に突出させてもよい。図30(A)、(B)のいずれにおいても、光源2aのみが動作した場合を図示している。
図30(A)、(B)において、光源2aからの光R1a’は入射面Sinaから入射してドット形状プリズム列12a’のドット形状プリズムによって直接全反射されて出射光となる。また、光源2aからの光R2a’は入射面Sinaから入射して平坦鏡面部11a’において全反射された後にドット形状プリズム列12a’のドット形状プリズムによって全反射されて出射光となる。つまり、光源2aが左目用の視差像を表示させるものとすれば、角度+方向の光R1a’、R2a’は左目用視差像に役立ち、角度−方向の不要な出射光はほとんどなく、右目用視差像に悪影響せず、左右のクロストークは少ない。
図31は、導光板1a’、1b’を重ね合わせたときのXVI-XVI線断面図である。図31(A)に示すように、平坦鏡面部11b’によりドット形状プリズム列12b’を下側に突出させてもよく、他方、図31(B)に示すように、ドット形状プリズム列12b’より平坦鏡面部11b’を下側に突出させてもよい。図31(A)、(B)のいずれにおいても、光源2bのみが動作した場合を図示している。
図31(A)、(B)において、光源2bからの光R1b’は入射面Sinbから入射してドット形状プリズム列12b’のドット形状プリズムによって直接全反射されて出射光となり、導光板1a’の平坦鏡面部11a’を透過する。また、光源2bからの光R2b’は入射面Sinbから入射して平坦鏡面部11b’において全反射された後にドット形状プリズム列12b’のドット形状プリズムによって全反射されて出射光となり、導光板1a’の平坦鏡面部11a’を透過する。つまり、光源2bが右目用の視差像を表示させるものとすれば、角度−方向の光R1b’、R2b’は右目用視差像に役立ち、角度+方向の不要な出射光はほとんどなく、左目用視差像に悪影響せず、左右のクロストークは少ない。
図32は、左目用の光源2aおよび右目用の光源2bを点灯した場合の導光板1a’からの光の左目用配光分布および右目用配光分布を示す図である。図32に示すように、光源2aを点灯した場合には、上記した導光板1aを用いる場合に比較して光の強さは小さいが、角度0°〜−90°方向には弱い強度の光しか出光しない。従って、右目用の視差像に悪影響せず、左右のクロストークは少ない。他方、右目用の光源2bを点灯した場合には、やはり上記した導光板1aを用いる場合に比較して光の強さは小さいが、角度0°〜+90°方向には弱い強度の光しか出光しない。従って、左目用の視差像には悪影響せず、左右のクロストークは少ない。
尚、ドット形状プリズム列12’の各ドット形状プリズムは台形もしくは円弧形状とすることもできる。また、導光板は楔形にしてもよい。また、上記のドット形状プリズムについて、導光板1aのプリズム断面形状を例えば光源2a側の傾斜角が4°(1°〜8°)、光源2aと反対側の傾斜角が45°(10°〜90°)とし、導光板1bのプリズム断面形状を例えば光源2b側の傾斜角が4°(1°〜8°)、光源2bと反対側の傾斜角が45°(10°〜90°)としてもよい。
次に、同期駆動回路5による光源の点灯制御について説明する。同期駆動回路5は、画面のスキャニング時間に同期させて、光源2a、2bのいずれか一方をオン、他方をオフするように構成されている。この場合、透過型表示パネル4の左右の画像データの書換に同期させて光源2a、2bを切り替える際に、表示メモリの画像データの書換中は光源2a、2bをともにオフにする。このオフ時間が長いために左右の視差像が立体視しにくい表示となる。このため、図33に示すように、同期駆動回路5は、複数の光源2a、2bを分割オン、オフするように点灯制御を行うことも好ましい。
図33においては、光源2aを3つの光源2a−1、2a−2、2a−3とし、光源2bを3つの光源2b−1、2b−2、2b−3としている。各光源2a−1、2a−2、2a−3と各光源2b−1、2b−2、2b−3とは対向している。つまり、透過型表示パネル4のスキャニングラインは3つのブロックB1、B2、B3に分割されている。尚、このブロック分割数は他の数にしてもよい。
図34は、同期駆動回路5の動作を説明するための図である。図34においては、透過型表示パネル4の画像データを格納する表示メモリの上述のブロックB1、B2、B3に対応する内容を時系列的に示している。
始めに、図34(A)を参照すると、同期駆動回路5は光源2a−1、2a−2、2a−3をオンにし、光源2b−1、2b−2、2b−3をオフにしているとともに、表示メモリのブロックB1、B2、B3は左目用画像データを記憶しているものとする。この結果、透過型表示パネル4には左目用画像が表示される。
次に、図34(B)を参照すると、同期駆動回路5は、表示メモリのブロックB1の画像データを右目用画像データに書き換えると同時もしくはその直前に光源2a−1をオフとする。これにより、透過型表示パネル4のブロックB1に対応する部分がオフとされている間に、ブロックB1の右目用画像データへの書換が行われることになる。
次に、図34(C)を参照すると、同期駆動回路5は、光源2b−1をオンにして透過型表示パネル4のブロックB1に対応する部分に右目用画像を表示させる。また、同期駆動回路5は、表示メモリのブロックB2の画像データを右目用画像データに書き換えると同時もしくはその直前に光源2a−2をオフとする。これにより、透過型表示パネル4のブロックB2に対応する部分がオフとされている間に、ブロックB2の右目用画像データへの書換が行われることになる。
次に、図34(D)を参照すると、同期駆動回路5は、光源2b−2をオンにして透過型表示パネル4のブロックB2に対応する部分に右目用画像を表示させる。また、同期駆動回路5は、表示メモリのブロックB3の画像データを右目用画像データに書き換えると同時もしくはその直前に光源2a−3をオフとする。これにより、透過型表示パネル4のブロックB3に対応する部分がオフとされている間に、ブロックB3の右目用画像データへの書換が行われることになる。
次に、図34(E)を参照すると、同期駆動回路5は、光源2a−1、2a−2、2a−3をオフにし、光源2b−1、2b−2、2b−3をオンにしているとともに、表示メモリのブロックB1、B2、B3は右目用画像データを記憶している。この結果、透過型表示パネル4には右目用画像が表示される。
次に、図34(F)を参照すると、同期駆動回路5は、表示メモリのブロックB1の画像データを左目用画像データに書き換えると同時もしくはその直前に光源2b−1をオフとする。これにより、透過型表示パネル4のブロックB1に対応する部分がオフとされている間に、ブロックB1の左目用画像データへの書換が行われることになる。
次に、図34(G)を参照すると、同期駆動回路5は、光源2a−1をオンにして透過型表示パネル4のブロックB1に対応する部分に左目用画像を表示させる。また、同期駆動回路5は、表示メモリのブロックB2の画像データを左目用画像データに書き換えると同時もしくはその直前に光源2b−2をオフとする。これにより、透過型表示パネル4のブロックB2に対応する部分がオフとされている間に、ブロックB2の左目用画像データへの書換が行われることになる。
次に、図34(H)を参照すると、同期駆動回路5は、光源2a−2をオンにして透過型表示パネル4のブロックB2に対応する部分に左目用画像を表示させる。また、同期駆動回路5は、表示メモリのブロックB3の画像データを左目用画像データに書き換えると同時もしくはその直前に光源2b−3をオフとする。これにより、透過型表示パネル4のブロックB3に対応する部分がオフとされている間に、ブロックB2の左目用画像データへの書換が行われることになる。この左目用画像データへの書換が完了すると、上記した図34(A)で説明した動作に戻り、それ以降の動作が繰り返される。
このようにして、ブロックB1、B2、B3ごとに光源を分割してオン、オフ制御することにより、左右の画像表示の切り替えが急峻になり、より良好な立体表示が可能となる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態の立体表示装置は、上記した第2の実施形態の立体表示装置における表示手段100の導光板の構造をさらに変更したものである。以下、詳述する。なお、第1、第2の各実施形態の共通する事項については説明を省略する。
第3の実施形態の立体表示装置は、上記した第2の実施形態の立体表示装置における表示手段100の導光板の構造をさらに変更したものである。以下、詳述する。なお、第1、第2の各実施形態の共通する事項については説明を省略する。
図35(A)に示すように、導光板1aは、導光板1aの出射面Soutaと反対の配光制御面に入射面Sinaの長手方向に延在する複数の平坦鏡面部11aを有する。平坦鏡面部11aは光を奥まで均一にするためのものであり、平坦鏡面部11aの幅は入射面Sinaから遠ざかるに伴って小さくなるように形成されている。また、平坦鏡面部11aが形成されていない領域には、等間隔の複数の非対称三角プリズムよりなる、光を立ち上げるための非対称三角プリズム列12aが設けられている。非対称三角プリズム列12aの幅は入射面Sinaから遠ざかるに伴って大きくなるように形成されている。これにより、奥に行く光をより多く全反射させて均一に面発光させる。この非対称三角形状は、例えば光源2aからの光を受ける面の傾斜角αが1°〜3°(最適値2°)、光源2aからの光を受けない面の傾斜角βが6°〜30(最適値15°)である。つまり、
α<β
とし、導光板1aの出光効率を確保して左目用配光分布を確保する。さらに、戻り光抑止のために、入射面Sinaと対向する面にシボ面13aを有するが、シボ面13aの代わりに三角形状、円弧形状あるいはマイクロレンズアレイ等のプリズムやレンズカットを設けてもよい。また、シボ、プリズム、レンズのように反射や屈折の方向を制御する方法の他に、光吸収により戻り光抑止を行ってもよい。光吸収には黒色樹脂の塗布や、黒色樹脂からなるシートの貼り付けなどを行ってもよい。尚、図35(A)に示すように、光源2aは、複数個の発光ダイオード(LED)とすることができる。この場合、発光ダイオードは、非対称三角プリズム列12aではなく、平坦鏡面部11aに対向させて光をより奥まで到達するようにする。
α<β
とし、導光板1aの出光効率を確保して左目用配光分布を確保する。さらに、戻り光抑止のために、入射面Sinaと対向する面にシボ面13aを有するが、シボ面13aの代わりに三角形状、円弧形状あるいはマイクロレンズアレイ等のプリズムやレンズカットを設けてもよい。また、シボ、プリズム、レンズのように反射や屈折の方向を制御する方法の他に、光吸収により戻り光抑止を行ってもよい。光吸収には黒色樹脂の塗布や、黒色樹脂からなるシートの貼り付けなどを行ってもよい。尚、図35(A)に示すように、光源2aは、複数個の発光ダイオード(LED)とすることができる。この場合、発光ダイオードは、非対称三角プリズム列12aではなく、平坦鏡面部11aに対向させて光をより奥まで到達するようにする。
他方、図35(B)に示すように、導光板1bは、導光板1bの出射面Soutbと反対の配光制御面に入射面Sinbの長手方向に延在する複数の平坦鏡面部11bを有する。平坦鏡面部11bは光を奥まで均一にするためのものであり、平坦鏡面部11bの幅は入射面Sinbから遠ざかるに伴って小さくなるように形成されている。また、平坦鏡面部11bが形成されていない領域には、等間隔の複数の非対称三角プリズムよりなる光を立ち上げるための非対称三角プリズム列12bが設けられている。非対称三角プリズム列12bの幅は入射面Sinbから遠ざかるに伴って大きくなるように形成されている。これにより、奥に行く光をより多く全反射させて均一に面発光させる。この非対称三角形状は、例えば、光源2bからの光を受ける面の傾斜角γが1°〜3°(最適値2°)、光源2bからの光を受けない面の傾斜角δが30°〜52°(最適値52°)である。つまり、
γ<δ
とし、導光板1bの出光効率を確保して右目用配光分布を確保する。さらに、戻り光抑止のために、入射面Sinbと対向する面にシボ面13bを有するが、シボ面13bの代りに三角形状、円弧形状あるいはマイクロレンズアレイ等のプリズムやレンズカットを設けてもよい。また、シボ、プリズム、レンズのように反射や屈折の方向を制御する方法の他に、光吸収により戻り光抑止を行ってもよい。光吸収には黒色樹脂の塗布や、黒色樹脂からなるシートの貼り付けなどを行ってもよい。尚、図2の(B)に示すように、光源2bは、複数個の発光ダイオード(LED)とすることができる。この場合、発光ダイオードは、非対称三角プリズム列12bではなく、平坦鏡面部11bに対向させて光をより奥まで到達するようにする。
γ<δ
とし、導光板1bの出光効率を確保して右目用配光分布を確保する。さらに、戻り光抑止のために、入射面Sinbと対向する面にシボ面13bを有するが、シボ面13bの代りに三角形状、円弧形状あるいはマイクロレンズアレイ等のプリズムやレンズカットを設けてもよい。また、シボ、プリズム、レンズのように反射や屈折の方向を制御する方法の他に、光吸収により戻り光抑止を行ってもよい。光吸収には黒色樹脂の塗布や、黒色樹脂からなるシートの貼り付けなどを行ってもよい。尚、図2の(B)に示すように、光源2bは、複数個の発光ダイオード(LED)とすることができる。この場合、発光ダイオードは、非対称三角プリズム列12bではなく、平坦鏡面部11bに対向させて光をより奥まで到達するようにする。
図35に示す導光板1aと導光板1bを重ね合わせると、導光板1aの非対称三角プリズム列12aは導光板1bの平坦鏡面部11bの全体に対向し、他方、導光板1bの非対称三角プリズム列12bは導光板1aの平坦鏡面部11aの全体に対向する。この結果、導光板1bの非対称三角プリズム列12bから出射面Soutbを介して出光する光は導光板1aのパターンに影響されることなく、導光板1aを透過する。同様に、導光板1aの非対称三角プリズム列12aから出射面Soutaを介して出光する光は導光板1bのパターンに影響されない。
図36は、図35(A)の導光板1aのIII-III線断面図である。図36(A)に示すように、平坦鏡面部11aより非対称三角プリズム列12aを下側に突出させてもよく、他方、図36(B)に示すように、非対称三角プリズム列12aより平坦鏡面部11aを下側に突出させてもよい。図36(A)、(B)のいずれにおいても、光源2aのみが動作した場合を図示している。
図36(A)、(B)において、光源2aからの光R1aは入射面Sinaから入射して非対称三角プリズム列12aの非対称三角プリズムによって直接全反射されて出射光となる。また、光源2aからの光R2aは入射面Sinaから入射して平坦鏡面部11aにおいて全反射された後に非対称三角プリズム列12aの非対称三角プリズムによって全反射されて出射光となる。つまり、光源2aが左目用の視差像を表示させるものとすれば、角度+方向の光R1a、R2aは左目用視差像に役立ち、角度−方向の不要な出射光はほとんどなく、右目用視差像に悪影響せず、左右のクロストークは少ない。
図37は、導光板1a、1bを重ね合わせたときのIV-IV線断面図である。図37(A)に示すように、平坦鏡面部11bより非対称三角プリズム列12bを下側に突出させてもよく、他方、図37(B)に示すように、非対称三角プリズム列12bより平坦鏡面部11bを下側に突出させてもよい。図37(A)、(B)のいずれにおいても、光源2bのみが動作した場合を図示している。
図37(A)、(B)において、光源2bからの光R1bは入射面Sinbから入射して非対称三角プリズム列12bの非対称三角プリズムによって直接全反射されて出射光となり、導光板1aの平坦鏡面部11aを透過する。また、光源2bからの光R2bは入射面Sinbから入射して平坦鏡面部11bにおいて全反射された後に非対称三角プリズム列12bの非対称三角プリズムによって全反射されて出射光となり、導光板1bの平坦鏡面部11bを透過する。つまり、光源2bが右目用の視差像を表示させるものとすれば、角度−方向の光R1b、R2bは右目用視差像に役立つ。他方、角度+方向の光R3bが、非対称三角プリズム列12bの非対称三角プリズムによって全反射された後に導光板1a内面で全反射を繰り返すことで発生し、この結果、左目用視差像に影響し、左右のクロストークは僅かに発生する。なお、図面のこの光線の軌跡は、断面図内のみで成立するものではなく、図面の紙面前後方向への光線を考慮したものである。本実施形態は導光板1a、1bからの出光効率を維持しながら左右のクロストークを最小にする。
図38は、左目用の光源2a及び右目用の光源2bを点灯した場合の導光板1a、1bからの光の左目用配光分布及び右目用配光分布を示す図である。図38の配光分布においては、導光板1aからの出射光である左目用配光分布の最大強度の角度(以下、ピーク角度とする)+(θ+Δθ)と、導光板1bからの出射光である右目用配光分布のピーク角度−θとは、左右非対称の配光分布となる。これは導光板1aと片面三角プリズムシート3との距離が導光板1bと片面三角プリズムシート3との距離より小さいこと、導光板1bからの出射光が空気の屈折率と異なる導光板1a内を通過すること等によるものと考えられる。また、ピーク角度の差も大きい。
図38に示すピーク角度の差が大きい左右非対称の配光分布は片面三角プリズムシート3によって観察者の裸眼の視差像のピーク角度の差が小さい左右対称の配光分布に変換される。この場合、観察者の左目用配光分布のピーク角度は+5°であり、右目用配光分布のピーク角度は−5°であり、ピーク角度の差は10°であることが好ましいものとする。
次に、片面三角プリズムシート3の三角形状と片面三角プリズムシート3からの光の左目用配光分布及び右目用配光分布とを考察する。
図39に示すように、片面三角プリズムシート3の三角形状の角度を段差ありの非対称な角度、例えば36.5°、37°;34°、34°;33°、34°とし、三角形状の各段差の高さを4μm、4μm、4μm(合計12μm)とする。この場合、図40に示すように、左目用配光分布のピーク角度が+5°であり、右目用配光分布のピーク角度が−5°であり、従って、対称となる。しかも、ピーク角度の差が10°で、かつ、各配光分布は急峻に変化している。この結果、配光分布の非対称が解消されていると共に、左右のクロストークが小さくなる。尚、左右のクロストークとは、図39の左目用配光分布と右目用配光分布との重複部分/(左目用配光分布+右目用配光分布)、で表わされる。
このように、片面三角プリズムシート3に段差を設けると共に非対称な角度を与えると、左目用配光分布のピーク角度及び右目用配光分布のピーク角度が対称となると共に、各配光分布も急峻に変化しているので、左右のクロストークも小さくなる。尚、この場合でも、片面三角プリズムシート3の三角形状の角度が狭角となり過ぎると、ピーク角度が0°に近く、立体表示に不適切となり、他方、片面三角プリズムシート3の三角形状の角度が広角となり過ぎると、ピーク角度の差が大きくなり過ぎ、やはり、立体表示に不適切となる。尚、片面三角プリズムシート3の段差の数及び非対称の角度は適宜変更し得る。
また、片面三角プリズムシート3に段差を設けるが、対称な角度を与えると、配光分布は非対称となり、さらに、片面三角プリズムシート3に段差なしとすると、ピーク角度の差が10°より小さくもしくは大きくなる。
図41は、片面三角プリズムシート3の光の配光分布を示すグラフであって、導光板1aの非対称三角プリズム列12aの傾斜角α、β及び導光板1bの非対称三角プリズム列12bの傾斜角γ、δを
α=2°
γ=2°
δ=52°
と固定し、β=15°、52°と変化させた場合のシミュレーション結果である。図41からは、β=52°の場合よりもβ=15°の場合の方が右目用配光分布の左目用視差像に対する影響が少なくなり、左右のクロストークが小さくなることが分かる。尚、α=1°〜3°、γ=1°〜3°、δ=30°〜52°と変化させてもシミュレーション結果はほとんど変化しなかった。
α=2°
γ=2°
δ=52°
と固定し、β=15°、52°と変化させた場合のシミュレーション結果である。図41からは、β=52°の場合よりもβ=15°の場合の方が右目用配光分布の左目用視差像に対する影響が少なくなり、左右のクロストークが小さくなることが分かる。尚、α=1°〜3°、γ=1°〜3°、δ=30°〜52°と変化させてもシミュレーション結果はほとんど変化しなかった。
図42は、片面三角プリズムシート3の左右のクロストークを示すグラフであって、導光板1aの非対称三角プリズム列12aの傾斜角α、β及び導光板1bの非対称三角プリズム列12bの傾斜角γ、δを
α=2°
γ=2°
δ=52°
と固定し、βを2°〜52°と変化させた場合のシミュレーション結果である。図42からは、βが小さい方が右目用配光分布の左目用視差像に対する影響が少なくなり、左右のクロストークが小さくなることが分かる。尚、α=1°〜3°、γ=1°〜3°、δ=30°〜52°と変化させてもシミュレーション結果はほとんど変化しなかった。
α=2°
γ=2°
δ=52°
と固定し、βを2°〜52°と変化させた場合のシミュレーション結果である。図42からは、βが小さい方が右目用配光分布の左目用視差像に対する影響が少なくなり、左右のクロストークが小さくなることが分かる。尚、α=1°〜3°、γ=1°〜3°、δ=30°〜52°と変化させてもシミュレーション結果はほとんど変化しなかった。
図42に示すように、導光板1aの非対称三角プリズム列12aの傾斜角βが小さくなるにつれて、左右のクロストークが小さくなり、この結果、図43に示すように、導光板1bからの出光効率も上昇するが、逆に、図44に示すように、導光板1aからの出光効率は低下する。
図45は、図42、図43、図44を合わせたグラフである。図45に示すように、β=2°では、左右のクロストークは小さく、導光板1bからの出光効率は高く、導光板1aからの出光効率は低い。また、β=52°では、左右のクロストークは大きく、導光板1bからの出光効率は低く、導光板1aからの出光効率は高い。さらに、β=15°では、左右のクロストークは小さく、導光板1b及び導光板1aからの出光効率は同程度に高い。従って、導光板1a、1bの出光効率を維持して左右のクロストークをできるだけ小さくするためには、βは6°〜30°の範囲が良く、β=15°が最適値である。
次に、上記した導光板1a、1bの他の構成例を説明する。
図46は、導光板の他の構成例を示す平面図である。本構成例の導光板1a’は、導光板1a’の出射面Soutaと反対の配光制御面に平坦鏡面部11a’を有する。平坦鏡面部11a’は光を奥まで均一にするためのものである。また、平坦鏡面部11a’が形成されていない領域には、複数の非対称三角プリズム形状ドットよりなる光を立ち上げるための非対称三角プリズム形状ドット列12a’が設けられている。この非対称三角プリズムは、例えば、光源2aからの光を受ける面の傾斜角αが1°〜3°(最適値2°)、光源2aからの光を受けない面の傾斜角βが6°〜30°(最適値15°)である。つまり、上記と同様に、α<βである。さらに、戻り光抑止のために、入射面Sinaと対向する面にシボ面13a’を有するが、シボ面13a’の代わりに三角形状、円弧形状あるいはマイクロレンズアレイ等のプリズムやレンズカットを設けてもよい。また、シボ、プリズム、レンズのように反射や屈折の方向を制御する方法の他に、光吸収により戻り光抑止を行ってもよい。光吸収には黒色樹脂の塗布や、黒色樹脂からなるシートの貼り付けなどを行ってもよい。
他方、図46(B)に示すように、導光板1b’は、導光板1b’の出射面Soutbと反対の配光制御面に平坦鏡面部11b’を有する。平坦鏡面部11b’は光を奥まで均一にするためのものである。また、平坦鏡面部11b’が形成されていない領域には、複数の非対称三角プリズム形状ドットプリズムよりなる、光を立ち上げるための非対称三角プリズム形状ドット列12b’が設けられている。この非対称三角プリズム形状は、例えば、光源2bからの光を受ける面の傾斜角δが1°〜3°(最適値2°)、光源2bからの光を受けない面の傾斜角δが30°〜52°(最適値52°)である。つまり、上記と同様にγ<δである。さらに、戻り光抑止のために、入射面Sinbと対向する面にシボ面13b’を有するが、シボ面13b’の代りに三角形状、円弧形状あるいはマイクロレンズアレイ等のプリズムやレンズカットを設けてもよい。また、シボ、プリズム、レンズのように反射や屈折の方向を制御する方法の他に、光吸収により戻り光抑止を行ってもよい。光吸収には黒色樹脂の塗布や、黒色樹脂からなるシートの貼り付けなどを行ってもよい。
図47は、導光板の他の構成例を示す平面図である。本構成例では、図47(A)に示すように、非対称三角プリズム形状ドット列12a’の幅は入射面Sinaから遠ざかるに伴って大きくなるように形成されている。これにより、奥に行く光をより多く全反射させて均一に面発光させる。また、図47(B)に示すように、非対称三角プリズム形状ドット列12b’の幅は入射面Sinbから遠ざかるに伴って大きくなるように形成されている。これにより、奥に行く光をより多く全反射させて均一に面発光させる。
図46または図47に示した導光板1a’を導光板1b’上に重ね合わせると、導光板1a’の非対称三角プリズム形状ドット列12a’は導光板1b’の平坦鏡面部11b’の一部に対向し、他方、導光板1b’の非対称三角プリズム形状ドット列12b’は導光板1a’の平坦鏡面部11a’の一部に対向する。つまり、非対称三角プリズム形状ドット列12a’と非対称三角プリズム形状ドット列12b’とが同一でない。この結果、導光板1b’の非対称三角プリズム形状ドット列12b’から出射面Soutbを介して出光する光は導光板1a’のパターンに影響されることなく、導光板1a’を透過する。同様に、導光板1a’の非対称三角プリズム形状ドット列12a’から出射面Soutaを介して出光する光は導光板1b’のパターンに影響されない。
また、本例の非対称三角プリズム形状ドット列12a’、12b’では、非対称三角プリズムの図面上下方向の幅が導光板全域にわたって狭い構成とすることができる。このため導光板1a’、1b’の内面反射により紙面上下方向に大きなベクトルをもつ光線が出光しにくい構造とできる。上記したように、導光体内部で全反射を繰り返す光成分はクロストークの原因となるため、本実施の形態はクロストーク抑制に効果的である。
図48は、図46、図47の導光板1a’のXV-XV線、XVI-XVI線断面図である。図48(A)に示すように、平坦鏡面部11a’より非対称三角プリズム形状ドット列12a’を下側に突出させてもよく、他方、図48(B)に示すように、非対称三角プリズム形状ドット列12a’より平坦鏡面部11a’を下側に突出させてもよい。図48(A)、(B)のいずれにおいても、光源2aのみが動作した場合を図示している。
尚、図48(A)においては、非対称三角プリズム形状ドット列12a’の1つのドットにおいて、傾斜角βが光源2a側であり、傾斜角αが光源2aと反対側になるのに対し、図48(B)においては、非対称三角プリズム形状ドット列12a’の1つのドットにおいて、傾斜角αが光源2a側であり、傾斜角βが光源2aと反対側になる。
図48(A)、(B)において、光源2aからの光R1a’は入射面Sinaから入射して非対称三角プリズム形状ドット列12a’の非対称三角プリズム形状ドットによって直接全反射されて出射光となる。また、光源2aからの光R2a’は入射面Sinaから入射して平坦鏡面部11a’において全反射された後に非対称三角プリズム形状ドット列12a’の非対称三角プリズム形状ドットによって全反射されて出射光となる。つまり、光源2aが左目用の視差像を表示させるものとすれば、角度+方向の光R1a’、R2a’は左目用視差像に役立ち、角度−方向の不要な出射光はほとんどなく、右目用視差像に悪影響せず、左右のクロストークは少ない。
図49は、図46、図47の導光板1a’、1b’を重ね合わせたときのXVI-XVI線、XVII-XVII線断面図である。図49(A)に示すように、平坦鏡面部11b’より非対称三角プリズム形状ドット列12b’を下側に突出させてもよく、他方、図49(B)に示すように、非対称三角プリズム形状ドット列12b’より平坦鏡面部11b’を下側に突出させてもよい。図49(A)、(B)のいずれにおいても、光源2bのみが動作した場合を図示している。
図49(A)、(B)において、光源2bからの光R1b’は入射面Sinbから入射して非対称三角プリズム形状ドット列12b’の非対称三角プリズム形状ドットによって直接全反射されて出射光となり、導光板1a’の平坦鏡面部11a’を透過する。また、光源2bからの光R2b’は入射面Sinbから入射して平坦鏡面部11b’において全反射された後に非対称三角プリズム形状ドット列12b’の非対称三角プリズム形状ドットによって全反射されて出射光となり、導光板1a’の平坦鏡面部11a’を透過する。つまり、光源2bが右目用の視差像を表示させるものとすれば、角度−方向の光R1b’、R2b’は右目用視差像に役立つ。他方、角度+方向の光R3b’が非対称三角プリズム列12b’の非対称三角プリズムによって全反射された後に非対称三角プリズム列12a’の非対称三角プリズムによって全反射されて発生し、この結果、左目用視差像に影響し、左右のクロストークは僅かに発生し、この結果、左目用視差像に悪影響し、左右のクロストークは僅かに発生する。すなわち、本例においても、導光板1a’、1b’からの出光効率を維持しながら左右のクロストークを最小にできる。
図50は、左目用の光源2a及び右目用の光源2bを点灯した場合の導光板1a’からの光の左目用配光分布及び右目用配光分布を示す図である。図50に示すように、光源2aを点灯した場合には光の強さは小さいが、角度0°〜−90°方向には弱い強度の光しか出光しない。従って、右目用の視差像に悪影響せず、左右のクロストークは少ない。他方、右目用の光源2bを点灯した場合には、やはり、光の強さは小さいが、角度0〜+90°方向には弱い強度の光しか出光しない。従って、左目用の視差像に悪影響せず、左右のクロストークは少ない。
(第4の実施形態)
第4の実施形態の立体表示装置は、上記した第3の実施形態の立体表示装置における表示手段100の導光板の構造をさらに変更したものである。以下、詳述する。なお、第1〜第3の各実施形態の共通する事項については説明を省略する。
第4の実施形態の立体表示装置は、上記した第3の実施形態の立体表示装置における表示手段100の導光板の構造をさらに変更したものである。以下、詳述する。なお、第1〜第3の各実施形態の共通する事項については説明を省略する。
図51は、第4の実施形態の導光板1a、1bの平面図である。図51(A)に示すように、本実施形態では、導光板1a、1bの光源対向面に戻り光抑止のための塗装型光吸収部材6a、6bが設けられている。塗装型光吸収部材6a、6bは、光吸収材料たとえばカーボンブラック、黒色樹脂、黒顔料、黒染料等よりなり、印刷法、スプレー法、槽に浸漬する方法、スポンジ等に押し付ける方法等によって形成できる。尚、塗装型光吸収部材6a、6bは屈折率の低い空気層を介さずに導光板1a、1bに密着していることが好ましい。
図52は、図51(A)の導光板1aのIII-III線断面図である。図52(A)、(B)のいずれにおいても、光源2aのみが動作した場合を図示している。図52(A)、(B)において、光源2aからの光R1aは入射面Sinaから入射して非対称三角プリズム列12aの非対称三角プリズムによって直接全反射されて出射光となる。また、光源2aからの光R2aは入射面Sinaから入射して平坦鏡面部11aにおいて全反射された後に非対称三角プリズム列12aの非対称三角プリズムによって全反射されて出射光となる。さらに、光源2aからの光R3aは入射面Sinaから入射して出射面Soutaで全反射して光源対向面に到達し、この結果、光R3aは塗装型光吸収部材6aに吸収されて戻り光とならない。つまり、光源2aが左目用の視差像を表示させるものとすれば、角度+方向の光R1a、R2aは左目用視差像に役立ち、角度−方向の不要な出射光及び戻り光はほとんどなく、右目用視差像に悪影響せず、左右のクロストークは少ない。
図53は、導光板1a、1bを重ね合わせたときのIV-IV線断面図である。図53(A)、(B)のいずれにおいても、光源2bのみが動作した場合を図示している。図53(A)、(B)において、光源2bからの光R1bは入射面Sinbから入射して非対称三角プリズム列12bの非対称三角プリズムによって直接全反射されて出射光となり、導光板1aの平坦鏡面部11aを透過する。また、光源2bからの光R2bは入射面Sinbから入射して平坦鏡面部11bにおいて全反射された後に非対称三角プリズム列12bの非対称三角プリズムによって全反射されて出射光となり、導光板1aの平坦鏡面部11aを透過する。さらに、光源2bからの光R4bは入射面Sinbから入射して出射面Soutbで全反射して光源対向面に到達し、この結果、光R4bは塗装型光吸収部材6bに吸収されて戻り光とならない。つまり、光源2bが右目用の視差像を表示させるものとすれば、角度−方向の光R1b、R2bは右目用視差像に役立つ。他方、角度+方向の光R3bが、非対称三角プリズム列12bの非対称三角プリズムによって全反射された後に導光板1a内面で全反射を繰り返すことで発生し、この結果、左目用視差像に影響し、左右のクロストークは僅かに発生する。なお、図面のこの光線の軌跡は、断面図内のみで成立するものではなく、図面の紙面前後方向への光線を考慮したものである。本実施形態は導光板1a、1bからの出光効率を維持しながら左右のクロストークを最小にする。
次に、上記した導光板1a、1bの他の構成例を説明する。
図54は、導光板の他の構成例を示す平面図である。図54(A)においては、導光板1a、1bの光源2a、2bの近傍のみを厚くし、他の部分を薄くする。これにより、光源2a、2bの入射効率を維持する一方、立体表示装置をより軽量化する。尚、図54(A)においても、導光板1a、1bの配光制御面(非対称三角プリズム列12a、12b)を通過せずに出射する光R0a、R0bがあり、導光板1a、1bの面内を不均一に光らせる原因となる。また、図54(B)においては、図54(A)の導光板1a、1bを左右にずらして導光板1a、1bを互いに近づける。これにより、立体表示装置をより薄型化する。尚、図54(B)においては、光R0a、R0bは導光板1a、1bを通過しないので、導光板1a、1bの面内を不均一に光らせる原因とはならない。
図55は、導光板の他の構成例を示す平面図である。図55(A)においては、塗装型光吸収部材6a、6bの代わりに、接着テープ型L字光吸収部材7a、7bを設けてある。各接着テープ型L字光吸収部材7a、7bはポリエチレン・テレフタレート(PET)等よりなる支持体71及びその内側に光吸収材料、例えばカーボンブラック、黒色樹脂、黒顔料、黒染料等を含む光吸収接着層72により構成されている。また、各接着テープ型L字光吸収部材7a、7bの支持体71には、ミシン目71aを入れてあり、これにより、接着テープ型L字光吸収部材7a、7bはミシン目71aにおいて折り曲げ易くなる。また、図55(B)においては、図55(A)の導光板1a、1bの光源2a、2bの近傍のみを厚くし、他の部分を薄くする。これにより、光源2a、2bの入射効率を維持する一方、立体表示装置をより軽量化する。さらに、図55(C)においては、図55(B)の導光板1a、1bを左右にずらして導光板1a、1bを互いに近づける。これにより、立体表示装置をより薄型化する。尚、図55(A)、(B)、(C)のいずれにおいても、光源2a、2bの近傍において、導光板1a、1bの配光制御面(非対称三角プリズム列12a、12b)を通過せずに出射する光R0a、R0bは接着テープ型L字光吸収部材7a、7bに吸収されるので、導光板1a、1bの面内を不均一に光らせる原因とならない。
図56は、導光板の他の構成例を示す平面図である。図56(A)においては、塗装型光吸収部材6a、6bの代りに、接着テープ型コ字光吸収部材7’a、7’bを設けてある。各接着テープ型コ字光吸収部材7’a、7’bはポリエチレン・テレフタレート(PET)等よりなる支持体71’及びその内側に光吸収材料たとえばカーボンブラック、黒色樹脂、黒顔料、黒染料等を含む光吸収接着層72’により構成されている。また、各接着テープ型コ字光吸収部材7’a、7’bの支持体71’には、ミシン目71’aを入れてあり、これにより、接着テープ型コ字光吸収部材7’a、7’bはミシン目71’aにおいて折り曲げ易くなる。また、図56(B)においては、図56(A)の導光板1a、1bの光源2a、2bの近傍のみを厚くし、他の部分を薄くする。これにより、光源2a、2bの入射効率を維持する一方、立体表示装置をより軽量化する。さらに、図56(C)においては、図56(B)の導光板1a、1bを左右にずらして導光板1a、1bを互いに近づける。これにより、立体表示装置をより薄型化する。尚、図56(A)、(B)、(C)のいずれにおいても、図55(A)、(B)、(C)の場合と同様に、光源2a、2bの近傍において、導光板1a、1bの配光制御面(非対称三角プリズム列12a、12b)を通過せずに出射する光R0a、R0bは接着テープ型コ字光吸収部材7’a、7’bに吸収されるので、導光板1a、1bの面内を不均一に光らせる原因とならない。
図57は、導光板の他の構成例を示す平面図である。図57(A)においては、塗装型光吸収部材6a、6bの代わりに、接着テープ型L字光吸収部材8a、8bを設けてある。各接着テープ型L字光吸収部材8a、8bはPET等よりなる支持体81、その内側に光吸収材料たとえばカーボンブラック、黒色樹脂、黒顔料、黒染料等を含む光吸収接着層82、及び支持体81の外側に、蒸着による金、銀あるいはアルミニウム、または酸化チタン、酸化バリアムを含む樹脂よりなる光反射層83により構成されている。また、各接着テープ型L字光吸収部材8a、8bの支持体81には、ミシン目81aを入れてあり、これにより、接着テープ型L字光吸収部材8a、8bはミシン目81aにおいて折り曲げ易くなる。また、図57(B)においては、図57(A)の導光板1a、1bの光源2a、2bの近傍のみを厚くし、他の部分を薄くする。これにより、光源2a、2bの入射効率を維持する一方、立体表示装置をより軽量化する。さらに、図57(C)においては、図57(B)の導光板1a、1bを左右にずらして導光板1a、1bを互いに近づける。これにより、立体表示装置をより薄型化する。尚、図57(A)、(B)のいずれにおいても、光源2a、2bの近傍において、導光板1a、1bの配光制御面(非対称三角プリズム列12a、12b)を通過せずに出射する光R0a、R0bは接着テープ型L字光吸収部材8a、8bの反射層83によって反射されて導光板1a、1bに戻されるので、導光板1a、1bの面内を不均一に光らせる原因とならず、光の利用効率が上昇する。他方、図57(C)においては、光R0a、R0bは不均一に光らせる原因とならないが、光の利用効率の上昇はほとんどない。
図58は、導光板の他の構成例を示す平面図である。図58(A)においては、塗装型光吸収部材6a、6bの代わりに、接着テープ型コ字光吸収部材8’a、8’bを設けてある。各接着テープ型コ字光吸収部材8’a、8’bはPET等よりなる支持体81’、その内側に光吸収材料たとえばカーボンブラック、黒色樹脂、黒顔料、黒染料等を含む光吸収接着層82’、及び支持体81の外側に、蒸着による金、銀あるいはアルミニウム、または酸化チタン、酸化バリアムを含む樹脂よりなる光反射層83’により構成されている。また、各接着テープ型コ字光吸収部材8’a、8’bの支持体81’には、ミシン目81’aを入れてあり、これにより、接着テープ型コ字光吸収部材8’a、8’bはミシン目81’aにおいて折り曲げ易くなる。また、図58(B)においては、図58(A)の導光板1a、1bの光源2a、2bの近傍のみを厚くし、他の部分を薄くする。これにより、光源2a、2bの入射効率を維持する一方、立体表示装置をより軽量化する。さらに、図58(C)においては、図58(B)の導光板1a、1bを左右にずらして導光板1a、1bを互いに近づける。これにより、立体表示装置をより薄型化する。尚、図58(A)、(B)のいずれにおいても、図57(A)、(B)の場合と同様に、光源2a、2bの近傍において、導光板1a、1bの配光制御面(非対称三角プリズム列12a、12b)を通過せずに出射する光R0a、R0bは接着テープ型コ字光吸収部材8’a、8’bの反射層83’によって反射されて導光板1a、1bに戻されるので、導光板1a、1bの面内を不均一に光らせる原因とならず、光の利用効率が上昇する。他方、図58(C)においては、光R0a、R0bは不均一に光らせる原因とならないが、光の利用効率の上昇はほとんどない。
尚、上記では、等間隔の複数の非対称三角プリズムよりなる非対称三角プリズム列を備えた導光板に塗装型光吸収部材ほか各種の光吸収手段を設けた場合について説明したが、同様にして、非対称三角プリズム形状ドットよりなる非対称三角プリズム形状ドット列を備えた導光板(図46、図47参照)に各種の光吸収手段を設けてもよい。その場合の構成例(平面図)を図59および図60に示す。尚、これらの詳細な説明は第3の実施形態と同様になるため、ここでは省略する。尚、図59および図60では光吸収手段の一例として塗装型光吸収部材6a’、6b’が図示されているが、これらの代わりに上記同様の接着テープ型L字光吸収部材、接着テープ型コ字光吸収部材を用いることもできる。また、導光板1a、1bは図54〜58に示す構成とすることもできる。
なお、本発明は上述した各実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々に変形して実施をすることが可能である。例えば、上記した実施形態においては光変調手段が表示手段の前面(透過型表示パネルの前面)に配置されていたが、光変調手段の配置はこれに限定されず、表示手段の導光手段(導光板)の出射面と観察者間の光路中に配置されていればよい。例えば、図61(A)に示すように透過型表示パネル4が上側偏光板4a、液晶セル4bおよび下側偏光板4cを備えているとすると、この液晶セル4bと下側偏光板4cの間に光変調手段101を配置することもできる。また、図61(B)に示すように光変調手段101は、下側偏光板4cの後面に配置することもできる。
1a、1b、1a’、1b’:導光板
2a、2b、2a−1、2a−2、2a−3、2b−1、2b−2、2b−3:光源
3:片面三角プリズムシート
4:透過型表示パネル
5:同期駆動回路
6a、6b、6a’、6b’:塗装型光吸収部材
7a、7b:接着テープ型L字光吸収部材
7a’、7b’:接着テープ型コ字光吸収部材
8a、8b:接着テープ型L字光吸収部材
8a’、8b’:接着テープ型コ字光吸収部材
71、71’:支持体
71a、71’a:ミシン目
72、72’:光吸収接着層
81、81’:支持体
81a、81’a:ミシン目
82、82’:光吸収接着層
83、83’:光反射層
11a、11b、11a’、11b’:平坦鏡面部
12a、12b、12a’、12b’:非対称三角プリズム列
51:第1基板
52、52a:第1電極
53、53a:プリズムアレイ
54、54a、54b:配向膜
55:第2基板
56、56b:第2電極
57:配向膜
100:表示手段
101:光変調手段
102:センサー
103:電圧供給装置
200:物体
2a、2b、2a−1、2a−2、2a−3、2b−1、2b−2、2b−3:光源
3:片面三角プリズムシート
4:透過型表示パネル
5:同期駆動回路
6a、6b、6a’、6b’:塗装型光吸収部材
7a、7b:接着テープ型L字光吸収部材
7a’、7b’:接着テープ型コ字光吸収部材
8a、8b:接着テープ型L字光吸収部材
8a’、8b’:接着テープ型コ字光吸収部材
71、71’:支持体
71a、71’a:ミシン目
72、72’:光吸収接着層
81、81’:支持体
81a、81’a:ミシン目
82、82’:光吸収接着層
83、83’:光反射層
11a、11b、11a’、11b’:平坦鏡面部
12a、12b、12a’、12b’:非対称三角プリズム列
51:第1基板
52、52a:第1電極
53、53a:プリズムアレイ
54、54a、54b:配向膜
55:第2基板
56、56b:第2電極
57:配向膜
100:表示手段
101:光変調手段
102:センサー
103:電圧供給装置
200:物体
Claims (5)
- 表示手段と光変調手段を含み、
前記表示手段は、
導光手段と、
前記導光手段の対向する第1及び第2の入射面に設けられた第1及び第2の光源と、
前記導光手段の出射面側に配置された透過型表示パネルと、
前記透過型表示パネルに前記第1及び第2の光源を同期させて視差像を表示させる同期駆動装置を有し、
前記光変調手段は、
対向配置された第1の基板及び第2の基板と、
前記第1の基板上に設けられたプリズムアレイと、
前記第1の基板上又は前記プリズムアレイ上のいずれかに設けられた第1の電極と、
前記第2の基板上に設けられた第2の電極と、
前記第1基板と前記第2基板の相互間に設けられた液晶層を有し、
前記表示手段の前記導光手段の出射面と観察者間の光路中に前記光変調手段が設けられた、
立体表示装置。 - 前記光変調手段の前方に存在する物体の位置を検出するセンサーと、
前記センサーによって検出された前記物体の位置に対応して前記光変調手段の前記第1及び第2の電極に駆動電圧を供給する電圧供給装置を更に含む、
請求項1に記載の立体表示装置。 - 前記導光手段と前記透過型表示パネルの間に配置されたプリズムシートを更に含む、
請求項1又は2に記載の立体表示装置。 - 前記導光手段は、1つの導光板を有し、
前記導光板は、
前記出射面と反対の配光制御面に設けられた複数の鏡面部と、
前記配光制御面のうち、前記複数の鏡面部が存在しない領域に設けられたプリズム列、
を有する、請求項1〜3の何れか1項に記載の立体表示装置。 - 前記導光手段は、第1及び第2の導光板を有し、
前記第1及び第2の導光板の各々は、
前記出射面と反対の配光制御面に設けられた複数の鏡面部と、
前記配光制御面のうち、前記複数の鏡面部が存在しない領域に設けられたプリズム列、
を有する、請求項1〜3の何れか1項に記載の立体表示装置。
Priority Applications (1)
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