[第1実施形態]
以下、本発明を適用したパチンコ遊技機10に係る一実施形態を、図1〜図37に基づいて説明する。図1に示すように、パチンコ遊技機10における遊技盤11の前面には、ガイドレール12で囲まれたほぼ円形の遊技領域YRが形成され、その遊技領域YR内に本発明の「表示手段」に相当する特別図柄表示装置35(以下、単に「表示装置35」という)を始めとして各種役物が備えられている。
表示装置35の下方には、始動入賞口14、大入賞口15及びアウト口16が、上から順に間隔を開けて並べて設けられている。遊技領域YRのうち、表示装置35の左側方には風車17が備えられ、風車17の下方には一般入賞口20が設けられている。また、始動入賞口14の左側方には始動ゲート18が備えられ、大入賞口15の右側方には一般入賞口21が備えられている。さらに、これら入賞口以外に、遊技領域YRには図示しない複数の障害釘が設けられている。
遊技盤11の前面側は、遊技領域YRに対応したガラス窓101を有する前面枠100によって覆われている。前面枠100のうちガラス窓101の縁部には、前面に膨出した枠飾りランプ33が備えられている。また、前面枠100のうちガラス窓101より下方には、前面に膨出した上皿27A及び下皿27Bが上下2段にして設けられている。上皿27Aを構成する膨出部の左右両側には、スピーカ30,30が内蔵されている。前面枠100の右下角部には操作ノブ28が設けられ、その操作ノブ28を回動操作することで、上皿27Aに収容された遊技球が、遊技盤11の遊技領域YRに向けて弾き出されて遊技が開始される。
図2に示すように、パチンコ遊技機10の後面には、図3に示す各種基板が設けられている。具体的には、パチンコ遊技機10の後面中央には、メイン制御基板110が設けられ、このメイン制御基板110に重なるようにして、サブ制御基板120、音声ランプ制御基板130、表示制御基板140及びランプ中継基板150が設けられている。メイン制御基板110の下方には、電源基板160と払出制御基板170とが設けられ、電源基板160の下方に発射制御基板180と遊技球発射装置181とが設けられている。また、メイン制御基板110の上方には、受電基板190及び遊技球タンク200が設けられ、メイン制御基板110の側方には、賞球払出装置171及び貸球払出装置172が設けられている。なお、これら各種基板110〜190はそれぞれ基板ケースに収容されており、基板ケース毎にパチンコ遊技機10の後面の所定位置に組み付けられている。
図3に示すように、メイン制御基板110は、CPU111AとRAM111B及びROM111Cを合わせてパッケージしてなるワンチップマイコン111を主要部として備えている。ワンチップマイコン111は、入出力回路115,115を介して、入賞球を検出するための各種センサ及びスイッチ等から検出信号を受信し後述するメイン制御回路メインプログラムPG1(図13を参照)に基づいて処理を行う。そして、その処理結果に応じて、サブ制御基板120及び払出制御基板170に制御データを出力する。
サブ制御基板120は、メイン制御基板110と同様に、CPU121A、RAM121B、ROM121Cをパッケージしてなるワンチップマイコン121を備えている。ワンチップマイコン121は、CPU121AがROM121Cから後述するサブ制御回路メインプログラムPG2(図26を参照)を取り出してランする。また、ワンチップマイコン121は、メイン制御基板110から出力された制御データに応じて音声ランプ制御基板130及び表示制御基板140へと制御データを出力する。
音声ランプ制御基板130は、メイン制御基板110から受信した制御データに基づいて、音声データ及び発光パターンデータを作成或いは読み出し、それらデータに基づいて、スピーカ30,30から音声を発生させかつ、パチンコ遊技機10に備えた枠飾りランプ33、その他ランプ、LEDを点灯・消灯する。
表示制御基板140は、メイン制御基板110と同様に、CPU、RAM、ROMをパッケージしてなるワンチップマイコンを備えている。ワンチップマイコン141は、サブ制御基板120から受信した制御データに基づき、CPUが、ROMから所定のデータを取り出し、RAMの作業領域にて遊技画像(特別図柄、演出図柄、背景画像、キャラクタ画像、文字画像等)を作成し、その画像データを表示装置35に出力する。
払出制御基板170は、各入賞口14,15,20,21への遊技球の入賞に基づいたメイン制御基板110からの信号や、プリペイドカードユニット210(図1参照)からの信号に基づいて、賞球払出装置171及び貸球払出装置172を駆動して遊技球を上皿27Aに払い出す。
これら各制御基板及び各装置は、電源基板160から受電して作動する。詳細には、パチンコ遊技機10の電力ケーブル191(図2を参照)が、パチンコホールに備えられたAC24V設備電源(図示せず)に接続されている。AC24V設備電源からの電力は、受電基板190を介して電源基板160に給電され、電源基板160から、各制御基板及び各装置に配電される。
次に、図1を参照しつつ遊技盤11の前面に備えた役物について詳説する。一般入賞口20,21は、所謂、ポケット構造をなし、遊技球が丁度1つ入球可能な大きさで上方に開口している。一般入賞口20,21へ入賞すると、その遊技球は遊技盤11の裏側に取り込まれ、代わりに所定数の賞球が賞球払出装置171によって上皿27Aに払い出される。
始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなし、通過した遊技球は、その始動ゲート18に内蔵したゲートスイッチ18W(図3参照)によって検出される。この検出信号に基づいて、表示装置35とは別に備えた普通図柄表示装置19において普通図柄が変動表示される。
普通図柄表示装置19は、始動ゲート18の左側方に設けられている。普通図柄表示装置19は、例えば、7セグメントLEDであって、ゲートスイッチ18Wが遊技球を検出(始動ゲート18を遊技球が通過)すると、「0」〜「9」までの数字を所定期間に亘って変動表示した後、所定の数字を確定表示する。そして、確定表示された数字が、例えば、奇数の場合に、始動入賞口14が開放状態になって遊技球が入賞し易い状態になる。また、普通図柄表示部19が変動表示している間に始動ゲート18を通過した遊技球は、所定数(例えば、4つ)まで累積カウントされ、図示しないLEDの点灯数として表示される。普通図柄表示部19で表示する普通図柄は、数字に限定するものではなく、アルファベットや記号等でもよい。
始動入賞口14は、所謂、ポケット構造をなして上方に向かって開口しており、その開口の両側部には可動翼片14C,14Cが備えられている。これら両可動翼片14C,14Cは、常には起立状態になっている。起立状態において、両可動翼片14C,14Cに挟まれた始動入賞口14の開口幅は、遊技球ちょうど1つ分の大きさになっている。つまり、入賞可能ではあるが比較的入賞し難い状態となっている。
これに対し、普通図柄表示部19が奇数の数字で停止表示して開放条件が成立すると、始動入賞口14が開放状態となる。即ち、遊技盤11の裏に設けたソレノイド(図示せず)により、始動入賞口14に備えた可動翼片14C,14Cが所定期間(例えば、0.4秒)に亘って左右に倒される。可動翼片14C,14Cが左右に倒れると、始動入賞口14の開口幅が広がり、遊技球が倒れた可動翼片14C,14Cに案内されて始動入賞口14に入賞可能となる。つまり、始動入賞口14に比較的入賞し易い状態になる。
始動入賞口14に遊技球が入賞する(本発明に係る「当否判定条件の成立」に相当する)と、始動入賞口14内に設けた始動口センサ14W(図3参照)がその遊技球を検出し、その検出信号に基づいて、所定数の賞球が賞球払出装置171によって上皿27Aに払い出される。また、始動入賞口14に遊技球が入賞すると、後述ずる当否判定手段によって「大当たり遊技」を行うか否かを決定する当否判定の権利が発生し、その当否判定結果が表示装置35によって遊技者に報知される。
具体的には、表示装置35の表示画面36には、通常、3つの左、中、右の特別図柄(図示せず)が横並びに表示されている。これら各特別図柄は、例えば、「0」〜「11」の数字を表記した複数種類のもので構成されており、通常は、各特別図柄ごと、所定の種類のものが停止表示されている。そして、始動入賞口14に遊技球が入賞したときに、これら3つの特別図柄が、変動表示(上下方向にスクロール表示)され、所定時間後に、例えば、左、中、右の順で各特別図柄が停止表示される。このとき、例えば、全ての特別図柄が同じ図柄、即ち、ぞろ目になった場合に、遊技が「通常遊技」から「大当たり遊技」に移行する。また、最後に停止される特別図柄だけを残して、残りの二つの特別図柄が同一の図柄で停止した場合に、遊技が「リーチ状態」になる。
リーチ状態とは、上記のものに限られるものではなく、遊技の当たり外れを複数の図柄組み合わせで表示する場合に、複数の図柄の一部が、停止表示されており、他の図柄が変動中において、停止表示されている図柄が当たりを意味する図柄組み合わせの一部を構成している状態をいう。
なお、表示画面36にて特別図柄が変動表示している最中又は「大当たり遊技」の最中に始動入賞口14に入賞した遊技球の数は、所定の上限数(例えば、最高4つ)まで保留記憶され、特別図柄が外れの図柄組み合わせで停止表示又は「大当たり遊技」が終了すると、その保留記憶に基づいて再び、特別図柄の変動表示が開始される。
また、大当たり成立時に、例えば、特別図柄が奇数のぞろ目で確定停止表示すると、大当たり遊技の終了後に「確率変動遊技」が与えられる。確率変動遊技では、次回の大当たり発生確率が、通常遊技状態(低確率状態、例えば、2/361)に比較して高く(例えば、20/361)なり、次回の大当たりまでこの確率変動状態を継続するようになっている。なお、奇数のぞろ目で確定停止しなかった場合には、確率変動遊技は実行されず、次回の大当たりまで通常遊技状態を継続する。
大入賞口15は、横長に形成されて、常には、可動扉15Tにて閉塞されている。パチンコ遊技機10が「大当たり遊技」になると、遊技盤11の裏に設けたソレノイド15S(図3参照)により、可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒される。これにより、大入賞口15が開放され、可動扉15Tを案内にして、大入賞口15に遊技球が入賞可能となる。ここで、可動扉15Tが開放してから閉じるまでの間を「ラウンド」と称すると、1つのラウンドは、可動扉15Tの開放時間が30秒に達したか、又は、大入賞口15に遊技球が10個入賞したか、の何れかの終了条件が先に満たされた場合に終了する。また、「大当たり遊技」は、最大で、例えば15ラウンドまで継続される。
大入賞口15の内部には、図示しないが継続入賞口と計数入賞口とが設けられている。可動扉15Tが開いたときには、継続入賞口は開放しており、継続入賞口に入賞すると継続入賞口が閉鎖される一方、計数入賞口は開放されたままとなる。継続入賞口内に設けた特定領域センサ15W1(図3参照)が遊技球の入賞を検出すると、前述した終了条件(可動扉15Tの開放時間が30秒に到達、又は、大入賞口15に遊技球が10個入賞)を満たしてラウンドが終了した後で、連続して次のラウンドが実行される。また、計数入賞口内に設けたカウントセンサ15W2(図3参照)が遊技球の入賞を検出すると、継続入賞口への入賞球と合わせて、大入賞口15への入賞球がカウントされ、これらが前記したように計10個に達したか否かがチェックされる。なお、大当たり遊技は、15ラウンド目が終了したか、1つのラウンド中に継続入賞口へ遊技球が1つも入賞しなかった場合に終了する。大入賞口15に遊技球が入賞すると、他の入賞口14,20,21への入賞時より多い所定数の遊技球が、賞球払出装置171によって上皿27Aに払い出される。
表示装置35は、例えば液晶モジュール(詳細には、TFT−LCDモジュール)であって、表示画面36が遊技盤11に固定された表示枠体23で取り囲まれている。表示画面36は、表示枠体23の奥側に配置されており、遊技者は、表示枠体23を通して表示画面36に表示された演出画像(例えば、左、中、右の特別図柄、キャラクタ画像、背景画像、文字画像等)を視認可能となっている。
表示枠体23は、遊技盤11の前面に固定される前側表示枠40(図4,図5,図6参照)と、遊技盤11の後面に固定される後側表示枠50(図6参照)とから構成されている。
前側表示枠40は、遊技盤11に貫通形成された図示しない遊技盤開口部の内側に嵌合している。また、前側表示枠40の外縁部からは鍔板が側方に張り出しており、その鍔板が遊技盤11の前面に敷設されている。そして、鍔板を貫通した複数の螺子又はピンにより前側表示枠40が遊技盤11の前面に固定されている。前側表示枠40の上辺部分と左右の両側辺部分は、遊技盤11から前方に突出しており、遊技球が前側表示枠40を飛び越えて表示枠体23で囲まれた内側領域に進入しないようになっている。
前側表示枠40の左側辺部分の内部には、遊技球が通過可能なワープ通路41が形成されている。ワープ通路41は前側表示枠40の左側面に開口を有しており、前側表示枠40の側方を流下する遊技球が入球可能となっている。また、前側表示枠40の下辺部分には、遊技球が左右に転動可能なステージ42が備えられており、ワープ通路41の下端開口がステージ42の左端に開放している。これにより、遊技領域YRを流下する遊技球をステージ42に誘導可能となっている。なお、ステージ42の左右方向の中央位置と始動入賞口14とが鉛直線上に配置されており(図1参照)、ステージ42の中央位置及びその近傍から流下した遊技球は、始動入賞口14に入賞し易くなっている。
後側表示枠50は、樹脂成形品であって全体として横長の枠形構造をなしている。後側表示枠50は、奥壁の外縁部から前方に向かって囲壁52が起立し、奥壁の中央部に横長の矩形開口53を備えている。
囲壁52の前端縁の角部には、固定片52Aが設けられており、後側表示枠50は、囲壁52の前端縁を遊技盤11の後面に突き当てた状態で、固定片52Aを貫通した螺子によって遊技盤11の後面に固定されている。後側表示枠50を遊技盤11の後面に固定すると、矩形開口53と遊技盤11の遊技盤開口部とが前後方向で重なる。表示装置35は後側表示枠50の後側に配置されており、矩形開口53の内側に表示装置35の表示画面36が嵌め込まれている。
後側表示枠50のうち、囲壁52で囲まれた上辺部分と下辺部分とには、装飾ランプ54,54が取り付けられている。これら装飾ランプ54,54は、透明なランプカバーの内側にLEDを内蔵した構造となっており、LEDの光がランプカバーを透過して表示枠体23の内側や、パチンコ遊技機10の前方(遊技者側)に照射されるようになっている。
後側表示枠50のうち、矩形開口53を挟んだ左右の両側部には、奥行きを有したスペースが形成されており、ここに図示しない可動役物が収容可能となっている。
さて、後側表示枠50には、図7に示す電動役物ユニット60が取り付けられている。電動役物ユニット60は、可動電飾役物61と、可動電飾役物61を駆動するための1対の駆動装置80,80とから構成されている。可動電飾役物61は、センター電飾体70(本発明の「中継リンク」に相当する)と、センター電飾体70を挟んで左右対称に配置された1対のサイド電飾体62,62(本発明の「複数の演出用可動部材」及び「1対のメインリンク」に相当する)とを備えている。
サイド電飾体62,62は全体として横長構造でかつ左右対称な形状となっている。1対のサイド電飾体62,62のうち、互いに離れた側の端部を「基端部」とし、互いに近い側の端部「先端部」とすると、1対のサイド電飾体62,62は、基端部を中心として遊技盤11と平行な平面(鉛直面)内で回動可能となっている(図4及び図5参照)。より詳細には、サイド電飾体62,62の基端部には、駆動装置80,80が連結されており、駆動装置80,80から受けた動力で各サイド電飾体62,62が互いに逆向きに回動するようになっている。
図4及び図5に示すように、センター電飾体70は、両サイド電飾体62,62の回動に従動して遊技盤11と平行な平面(鉛直面)内で移動可能となっている。センター電飾体70は、各サイド電飾体62,62の先端部にそれぞれ連結されており、各サイド電飾体62,62に対して相対回転可能となっている。
可動電飾役物61の動作について簡単に説明すると、可動電飾役物61は、常には、図4に示すように、1対のサイド電飾体62,62とセンター電飾体70とがほぼ横並びになった状態で表示画面36の上方に退避している。この退避位置(本発明の「第1位置」に相当する)では、表示画面36に表示される演出画像のほぼ全部が視認可能となっている。
これに対し、遊技の進行に伴って所定条件が成立する(例えば、リーチ状態、大当たり状態などになる)と、可動電飾役物61は、退避位置から図5に示す降下位置(本発明の「第2位置」に相当する)に移動して、略「く」の字形に変形する。即ち、1対のサイド電飾体62,62が駆動装置80,80から動力を受けて互いに逆向きに回動し、サイド電飾体62,62が基端部から先端部に向かって斜め下方に延びた下向姿勢になる。このとき、センター電飾体70は各サイド電飾体62,62に対して相対回転すると共に、各サイド電飾体62,62の回動に従動して、前側表示枠40(矩形開口53)の上辺寄り位置から、前側表示枠40(矩形開口53)のほぼ中央位置まで下降する。そして、可動電飾役物61が表示画面36の一部に覆い重なる。
以下、電動役物ユニット60の各部について詳説する。サイド電飾体62は、前後方向に扁平かつ透明な基板ケース65の内部にLED基板66を収容しかつ、基板ケース65の前面を図示しない透明な装飾カバーで覆った構成となっている。基板ケース65及び装飾カバーは、遊技に関連した所定のデザイン形状になっており、サイドLED基板66は基板ケース65の前面形状に対応した形状になっている。サイドLED基板66の前面には複数のLEDが分散配置されており、LEDの光が基板ケース65の前面壁及び装飾カバーを透過してパチンコ遊技機10の前方(遊技者側)に照射されるようになっている。
図8に示すように、1対のサイド電飾体62,62の互いに離れた側の基端部には第1回動支軸63,63(本発明の「メイン回動軸」に相当する)が設けられている。第1回動支軸63は、基板ケース65の後面壁から突出して前後方向に延びている。第1回動支軸63は、後側表示枠50に支持されており、サイド電飾体62は、この第1回動支軸63を中心として、遊技盤11と平行な平面内で回動可能となっている。
図9に示すように、1対のサイド電飾体62,62の互いに近い側の先端部には第2回動支軸64,64(本発明の「サブ回動軸」に相当する)が設けられている。第2回動支軸64は、基板ケース65の前面壁から突出して前後方向に延びている。センター電飾体70は、この第2回動支軸64によりサイド電飾体62の先端部に相対回転可能に軸支されている。
図8に示すように、サイド電飾体62の基端部にはリンクアーム67が一体形成されている。リンクアーム67は、基板ケース65のうち、第1回動支軸63の近傍の側壁から駆動装置80に向かって延びている。リンクアーム67には、前後方向に貫通した長孔67Hが形成されている。なお、基板ケース65は、扁平方向で2分割可能となっており、後面壁には複数の放熱口(図示せず)が形成されている。
センター電飾体70は、前面開放の筒形ケース71と、筒形ケース71の前方で回転可能な回転ランプカバー72とを備えている。筒形ケース71は、前後方向に扁平でかつ前面が開放した円筒形状をなし、その外周面から側方に装飾片が張り出している。筒形ケース71の前面開口はLED基板73によって閉塞され、そのLED基板73の前面、即ち、回転ランプカバー72との対向面には、複数のLEDが分散配置されている。このLEDの光が回転ランプカバー72を透過してパチンコ遊技機10の前方(遊技者側)に照射されるようになっている。
回転ランプカバー72は、前面が凸面でかつ裏面が凹面となったドーム構造をなしている。回転ランプカバー72の裏面(センターLED基板73との対向面)の中心からは、センターLED基板73に向かって回転軸(図示せず)が突出している。回転軸はセンターLED基板73を貫通し、センターLED基板73の裏面に突出した先端部には、平歯車72G(図10参照)が固定されている。平歯車72Gは、筒形ケース71の後面壁とセンターLED基板73との間で回転可能となっている。
筒形ケース71の後面壁には、センター電飾用モータ74(具体的には、ステッピングモータ)が取り付けられている。センター電飾用モータ74は、出力軸74Jが上下方向を向くようにブラケット75を介して取り付けられており、センター電飾用モータ74の出力軸74Jと平歯車72Gとの間がウォームギヤ機構74Gを介して連結されている。これにより、回転ランプカバー72をセンター電飾用モータ74によって回転駆動することが可能となっている。なお、センター電飾用モータ74を筒形ケース71の後面壁に固定してセンターLED基板73から離したことで熱の伝達を防ぐことができる。
センターLED基板73の裏面には、回転ランプカバー72の回転回数を計数するためにセンサ76(例えば、透過形フォトインタラプタ)が実装されている。詳細には、回転ランプカバー72の回転軸に固定された平歯車72Gには、センターLED基板73の後面に向かって起立した円環壁(図示せず)が一体形成されており、その円環壁の1箇所に切り欠きが形成されている。センサ76は、この切り欠きを光学的に検出しており、切り欠きの検出回数が回転ランプカバー72の回転回数として計数される。なお、予め設定された回転回数に達すると、センター電飾用モータ74が自動停止するようになっている。
図9に示すように、筒形ケース71のうち、センター電飾用モータ74を挟んだ左右の両側部には、前後方向に貫通した円形孔を有する第1軸支持筒77と、前後方向に貫通した横長孔78H(図10参照)を有する第2軸支持筒78とが一体形成されている。
第1軸支持筒77の円形孔には、一方のサイド電飾体62(詳細には、図10における左側のサイド電飾体62)から起立した第2回動支軸64が回転可能かつスライド不能に受容されている。
一方、第2軸支持筒78の横長孔78Hには、他方のサイド電飾体62(詳細には、図10における右側のサイド電飾体62)から起立した第2回動支軸64が回転可能かつスライド可能に収容されている。これにより、センター電飾体70が各サイド電飾体62,62に対して相対回転可能に軸支されると共に、1対のサイド電飾体62,62が第1回動支軸63,63を中心として互いに逆向きに回動した場合(退避位置と降下位置との間で移動した場合)に、両サイド電飾体62,62に備えた第2回動支軸64,64同士の接近と離間とが可能となっている。即ち、両サイド電飾体62,62の回動に伴った第2回動支軸64同士の接近と離間とをセンター電飾体70が吸収している。1対のサイド電飾体62,62は、各第1回動支軸63と直交する方向に延びたアーム構造になっているので、それら1対のサイド電飾体62,62の回動角度の変化を明確に視認することができ、正確に対称性が維持されていることを示すことができる。
上記構成により、1対のサイド電飾体62,62の対称性を正確に維持して、それら1対のサイド電飾体62,62を、表示装置35の前面側で回動することができる。これにより、1対のサイド電飾体62,62とそれらの間を連絡するセンター電飾体70の姿勢が安定して、後述する1対のサイド電飾体62,62を駆動する各サイド電飾用モータ83,83への負荷も安定し、1対のサイド電飾体62,62及びセンター電飾体70全体の動作が安定する。
電動役物ユニット60における各駆動装置80,80は、図6に示すように、後側表示枠50の上端両角位置に固定されている。駆動装置80は、サイド電飾用モータ83(具体的にはステッピングモータ。本発明の「電気的駆動手段」に相当する。)を駆動源として備えている。サイド電飾用モータ83は、出力軸が前後方向を向くように配置されており、出力軸に第1の平歯車81(図8参照)が連結されている。第1の平歯車81の回転軸81Jは、サイド電飾用モータ83の出力軸からオフセットしており、第1の平歯車81とサイド電飾用モータ83の出力軸との間は、図示しないアイドルギヤにて連結されている。第1の平歯車81と第1回動支軸63との中間位置には第2の平歯車82が軸支されており、第1の平歯車81と第2の平歯車81,82とが噛合している。
図7に示すように、第2の平歯車82の前面で回転軸82Jから側方にオフセットした位置からは、回転軸82Jと平行にクランクピン82Pが突出している。クランクピン82Pは、サイド電飾用モータ83が作動して第2の平歯車82が回転すると円運動を行う。
クランクピン82Pは、サイド電飾体62から駆動装置80に向かって延びた前記リンクアーム67の長孔67Hにスライド可能に収容されている。クランクピン82Pが円運動を行うと、クランクピン82Pと、サイド電飾体62の第1回動支軸63との相対位置が変化し、クランクピン82Pがリンクアーム67の長孔67H内でクランクピン82Pと直交する方向にスライド(往復移動)する。そして、クランクピン82Pが長孔67H内でスライドするのに従動して、サイド電飾体62が第1回動支軸63を中心にして回動する。
つまり、2つの駆動装置80.80に備えたサイド電飾用モータ83,83が、各駆動装置80,80の第2の平歯車82,82を互いに逆方向に回転駆動すると、1対のサイド電飾体62,62が第1回動支軸63,63を中心として互いに逆向きに回動(揺動)し、図4と図5との間の変化に示すように、可動電飾役物61が退避位置と降下位置との間で上下動する。なお、可動電飾役物61が降下位置から退避位置に移動する動作が、本発明の「第1移動動作」に相当する。
駆動装置80は、第1及び第2の平歯車81,82を回転可能に収容したギヤハウジング84を備えている。ギヤハウジング84は後側表示枠50に対して図示しないスナップフィット及び螺子にて固定されており、両駆動装置80,80のギヤハウジング84,84を後側表示枠50に対して着脱することで、電動役物ユニット60全体を後側表示枠50に対して着脱することが可能となっている。サイド電飾用モータ83はギヤハウジング84の外面(詳細には、後側表示枠50に対する取付面とは反対側の前面)に螺旋止めされている。また、ギヤハウジング84の下端側の一角部には、前後方向に貫通した支持筒(図示せず)が一体形成され、この支持筒に、サイド電飾体62の後面壁から突出した第1回動支軸63が回転可能に軸支されている。つまり、サイド電飾体62,62は、ギヤハウジング84,84を介して、後側表示枠50に軸支されている。
各駆動装置80には、サイド電飾体62の位置を検出するための位置センサ85(例えば、透過形フォトインタラプタ。本発明の「位置検出手段」に相当する)が備えられている(図6参照)。詳細には、図8に示すように、第2の平歯車82の後面から回転軸82Jと平行に円環壁82Wが起立しており、その円環壁82Wの1箇所に切り欠き82W1が形成されている。図10と図11との対比から分かるように、位置センサ85は、サイド電飾体62が退避位置に位置するときに切り欠き82W1を光学的に検出する(図10参照)。そして、サイド電飾体62が降下位置から退避位置(図4の状態)に戻る場合に、位置センサ85が切り欠き82W1を検出すると、サイド電飾用モータ83が自動停止する。これにより、可動電飾役物61を確実に退避位置に戻すことができる。
上述した電動役物ユニット60への電力供給は、パチンコ遊技機10に備えた各種基板を中継して行われる。具体的には、電源基板160から、メイン制御基板110、サブ制御基板120、音声ランプ制御基板130及びランプ中継基板150を経由して、電動役物ユニット60に備えた各モータ74,83,83及び各LED基板66,66,73に電力が供給される(図3参照)。また、音声ランプ制御基板130からの指令も、ランプ中継基板150を介して、電動役物ユニット60に入力する。
図10に示すように、電動役物ユニット60のうち、両サイド電飾体62,62に備えたサイドLED基板66,66は、両端部にコネクタを備えたケーブル90,90によってランプ中継基板150と直接接続されており、ランプ中継基板150から直接受電することが可能となっている。また、両駆動装置80,80に備えたサイド電飾用モータ83,83についても、図示しないが、両端部にコネクタを備えたケーブルでランプ中継基板150と直接接続されており、ランプ中継基板150から直接受電することが可能となっている。
これに対し、センター電飾体70に備えたセンターLED基板73及びセンター電飾用モータ74は、ランプ中継基板150に直接接続されておらず、両サイド電飾体62,62に備えたサイドLED基板66,66を介して受電するようになっている。即ち、両サイドLED基板66,66とセンターLED基板73との間は、両端部にコネクタを備えたケーブル91,91にて接続されており、センターLED基板73とセンター電飾用モータ74との間が両端部にコネクタを備えたケーブル92にて接続されている。
つまり、電力は、音声ランプ制御基板130から、ランプ中継基板150、両サイドLED基板66,66、センターLED基板73、センター電飾用モータ74の順に給電されるようになっている。各ケーブル90,91,92には電力線に加えて、各基板間で信号を送受信するための信号線が含まれている。各ケーブル91,92のケーブル長は、接続する2つの基板の距離に対して余裕を持たせてあり、ケーブル91,92の中間部分が中弛み状態になって、撓みを有した状態で接続されている。ケーブル91は可動電飾役物61の後面側に隠れた状態で取り廻されており、ケーブル92はセンター電飾体70の後面側に隠れた状態で取り廻されており、可動電飾役物61を前面側から見たときに、ケーブル91,92が遊技者から見えないようになっている。
なお、センターLED基板73のLEDを点灯させるための電力を1対のサイドLED基板66,66の一方からのみ受電し、センター電飾用モータ74を駆動させるための電力を、他方のサイドLED基板66からのみ受電するようにしてもよい。
ところで、本実施形態のパチンコ遊技機10では、後述する駆動制御手段が、遊技の進行状況に応じて、サイド電飾用モータ83,83を駆動制御して、可動電飾役物61に所定の動作を行わせる。
ここで、図12には、サイド電飾用モータ83のモータイメージが示されている。サイド電飾用モータ83は、モータイメージの「A,B,C,D」に対応した4桁の2進数で構成された励磁制御データ(本発明の「位置制御データ」に相当する)によって励磁される。具体的には、対応する部位の励磁制御データの値が、「1」だと励磁され、「0」だと励磁されない。例えば、励磁制御データの値が、「1100」であれば、A及びBが励磁され、C及びDは励磁されない。これにより、サイド電飾用モータ83の出力部の位置が決定される。なお、本実施例のサイド電飾用モータ83は、説明の便宜上、ステップ角90度となっているが、実機ではより細かく設定されている。
以下、電動役物ユニット60において、左右対称な形状の左右を区別する必要がある場合、パチンコ遊技機10に向かって左側(例えば、図7における左側)に位置する方に符号「L」を付与し、他方に符号「R」を付与して説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10には、サイド電飾用モータ83L,83Rを駆動制御するため、励磁テーブル(本発明の「位置制御データテーブル」に相当する)が備えられている。励磁テーブルには、「0」〜「3」の励磁カウンタに、上記した励磁制御データを連ねてなるシーケンスデータが、サイド電飾用モータ83L,83R毎に設定されている。即ち、励磁カウンタによって、サイド電飾用モータ83L,83Rの励磁制御データ同士は、一義的に対応してリンクされる。
具体的には、図12に示すように、励磁テーブルの「モータ1」の列には、サイド電飾用モータ83Lに対応させたシーケンスデータとして、励磁カウンタ「0」〜「3」の順に「1100,0110,0011,1001」の励磁制御データ群が設定されている。そして、励磁テーブルの「モータ2」の列には、サイド電飾用モータ83Rに対応させたシーケンスデータとして、励磁カウンタ「0」〜「3」の順に「1001,0011,0110,1100」の励磁制御データ群が設定されている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10には、可動電飾役物61に所定の動作を行わせるため、励磁テーブルとは別に、可動電飾役物61の移動方向に対応した動作情報を定義した動作シナリオ(本発明の「指令データテーブル」に相当する)が備えられている。
具体的には、図12に示すように、本発明の「可変データ」及び「各分割期間」に相当する「出力時間」毎に、本発明の「更新期間指令データ」に相当する「速さ」、本発明の「方向指令データ」に相当する「動作方向」、本発明の「移動目標データ」に相当する「ステップ数」、タイマーチェック必要の有無、コモンフラグのON/OFF情報が設定されている。
ここで、「出力時間」は、可動電飾役物61が一連の動作を行う可動演出期間を、可動電飾役物61の動作方向(上、下、停止等)が切り替わるタイミングで分割し、その分割期間を経過時間順に並べて構成されている。これにより、分割期間(動作時間)毎にサイド電飾体62L,62Rに異なる動作を行わせることができる。
「ステップ数」は、可動電飾役物61の位置情報を表す。当初、可動電飾役物61の退避位置(即ち、位置センサ85Lがサイド電飾体62Lを検出し、かつ、位置センサ85Rがサイド電飾体62Rを検出した状態。図4及び図10参照。)がステップ数「0」として設定されている。そして、サイド電飾用モータ83L,83Rに与える1パルスによってサイド電飾体62L,62Rが移動する大きさを1ステップとし、ステップ数「12」が本実施例の可動電飾役物61の降下位置(図5及び図11参照)となる。
「コモンフラグ」は、可動電飾役物61が「上」「下」方向への移動の場合には「ON」に設定されている。そして、可動電飾役物61の移動動作が完了すると、「OFF」に設定される。また、可動電飾役物61が「−(停止)」の場合には「OFF」に設定されている。コモンフラグがOFFの場合、サイド電飾用モータ83L,83Rの駆動が停止される。即ち、コモンフラグは、動作フラグであり、これにより、可動電飾役物61の動作が完了しているかどうかを識別することができる。
図12に示す動作シナリオでは、13700ms間の可動演出期間が、6つの分割期間に分割されている。具体的には、出力時間「0〜600ms(動作時間600ms間)」では速さ「2」で「下」方向にステップ数「12」まで移動し、出力時間「600〜2100ms(動作時間1500ms間)」ではステップ数「12」で停止し、出力時間「2100〜5100ms(動作時間3000ms間)」では速さ「4」で「上」方向にステップ数「0」まで移動するように設定されている。また、出力時間「5100〜5700ms(動作時間600ms間)」では速さ「2」で「下」方向にステップ数「12」まで移動し、出力時間「5700〜10700ms(動作時間5000ms間)」ではステップ数「12」で停止するように設定されている。そして、出力時間「10700〜13700ms(動作時間3000ms間)」では速さ「4」で「上」方向にステップ数「0」まで移動するように設定されている。
本実施形態のパチンコ遊技機10うち内部の情報処理(信号処理)に係る構成以外の説明は以上である。その情報処理に係る説明を行う前に、以下、本実施形態のパチンコ遊技機10の動作、作用及び効果について説明する。
遊技を開始するために操作ノブ28を回動操作すると、遊技球発射装置181が作動して、遊技球が遊技領域YRに向かって打ち出される。遊技球は、遊技領域YRに配置された役物や障害釘に衝突して流下方向をランダムに変化させながら流下して、そのうちの幾つかの遊技球は、始動ゲート18を通過する。
遊技球が始動ゲート18を通過すると、普通図柄表示装置19にて普通図柄の変動表示が開始される。普通図柄が奇数で停止すると、始動入賞口14に備えた可動翼片14C,14Cが左右に倒れる。左右に倒れた可動翼片14C,14Cの上に遊技球が載ると、その遊技球は可動翼片14C,14Cに案内されて始動入賞口14に入賞する。
始動入賞口14に入賞すると、遊技状態及び当否判定に応じて、変動パターン(図35参照)が選択され、表示装置35の表示画面36にて特別図柄の変動表示が開始される。特別図柄の変動表示は所定時間に亘って行われ、その後、左、中、右の順に停止表示される。この停止表示の過程で、最後に停止される右特別図柄だけを残して、残りの二つの特別図柄が同一の図柄で停止すると「リーチ状態」になり、表示画面36には特別図柄に加えてリーチ演出画像が表示される。
そして、左、中、右の全ての特別図柄が同じ図柄で停止表示すると、「大当たり遊技」が開始される。即ち、大入賞口15を閉鎖していた可動扉15Tが所定期間に亘って前方に倒れ、遊技領域YRを流下する遊技球が可動扉15Tを案内にして大入賞口15に入賞可能となる。また、「大当たり遊技」中は、表示画面36において大当たり遊技用の演出画像が表示される。
ところで、上述した「大当たり遊技」や「リーチ状態」以外の遊技状態では(詳細には、リーチ状態、大当たり状態などになっても、図35に示す変動パターンのうち、「役物動作P」欄が「無」となっている変動パターン5,8,16,17が選択された場合においても)、可動電飾役物61が退避位置に保持されている。即ち、図4に示すように、サイド電飾体62L,62Rとセンター電飾体70とがほぼ横並びになった状態で表示画面36の上方位置で停止している。また、サイド電飾体62L,62R及びセンター電飾体70に備えたLEDは消灯状態になっており、センター電飾体70に備えた回転ランプカバー72も停止状態になっている。そして、この退避位置では、可動電飾役物61と後側表示枠50の上辺部分に備えた装飾ランプ54とが前後に重なった状態で配置され、表示画面36に表示される演出画像のほぼ全部が遊技者から視認可能となっている。
これに対し、遊技の進行に伴って所定条件が成立すると(詳細には、リーチ状態、大当たり状態などになって、図35に示す変動パターンのうち、「役物動作P」欄が「A」となっている変動パターン1〜4,6,7,9〜15が選択された場合)、駆動制御手段が、動作シナリオに応じて、励磁テーブルから、サイド電飾用モータ83L及びサイド電飾用モータ83Rの励磁制御データを取得し、サイド電飾用モータ83L及びサイド電飾用モータ83Rを駆動制御して、可動電飾役物61を移動させる。
具体的には、例えば、可動電飾役物61を移動開始した時点を「0」として図12に示す動作シナリオから、1列目のシナリオ「動作時間600ms、速さ2、方向下、ステップ数12、タイマーチェック無、コモンフラグON」が抽出される。なお、例えば、可動電飾役物61を移動開始して2300ms経過していれば、出力時間「2100〜5100ms」に該当する3列目のシナリオ「動作時間3000ms、速さ4、方向上、ステップ数0、タイマーチェック有、コモンフラグON」が抽出される。
そして、動作シナリオで設定されている動作方向が「下」の場合には、励磁カウンタの「0」→「1」→「2」→「3」→「0」・・・の順(基準序列)に励磁テーブルからサイド電飾用モータ83L,83Rの励磁制御データを取得する。即ち、励磁カウンタが「0」の場合、励磁テーブル(図12参照)における励磁カウンタ「0」の行から、サイド電飾用モータ83L,83Rの励磁制御データとして「1100,1001」が取得され、「1」の場合「0110,0011」、「2」の場合「0011,0110」、「3」の場合「1001,1100」が取得される。
そして、動作シナリオに設定されている速さに応じた間隔で、取得した励磁制御データが出力されて、サイド電飾用モータ83L及びサイド電飾用モータ83Rが励磁される。
ここで、励磁カウンタ「0」→「1」→「2」→「3」→「0」の順に取得した励磁制御データによってサイド電飾用モータ83L及びサイド電飾用モータ83Rが励磁されると、サイド電飾用モータ83Lの出力部は所定位置から右回りに1回転するのに対して、サイド電飾用モータ83Rの出力部は所定位置から左回りに1回転する。即ち、サイド電飾用モータ83Lとサイド電飾用モータ83Rとを連動させることができる。
すると、サイド電飾体62Lが右回りに回転するのに対して、サイド電飾体62Rが左回りに回転し、その結果、可動電飾役物61が「下」方向へ移動する。
一方、動作シナリオで設定されている動作方向が「−(停止)」の場合には、サイド電飾用モータ83L,83Rの駆動が停止され、動作シナリオに設定されている「動作時間」が経過するまで可動電飾役物61が現在位置に保持される。
また、動作シナリオで設定されている動作方向が「上」の場合には、励磁カウンタの「0」→「3」→「2」→「1」→「0」・・・の順(基準序列と逆の序列)に励磁テーブルからサイド電飾用モータ83L,83Rの励磁制御データを取得する。
そして、動作シナリオに設定されている速さに応じた間隔で、取得した励磁制御データが出力されて、サイド電飾用モータ83L及びサイド電飾用モータ83Rが励磁される。
ここで、励磁カウンタ「0」→「3」→「2」→「1」→「0」の順に取得した励磁制御データによってサイド電飾用モータ83L及びサイド電飾用モータ83Rが励磁されると、サイド電飾用モータ83Lの出力部は所定位置から左回りに1回転するのに対して、サイド電飾用モータ83Rの出力部は所定位置から右回りに1回転する。即ち、サイド電飾用モータ83Lとサイド電飾用モータ83Rとを連動させることができる。
すると、サイド電飾体62Lが左回りに回転するのに対して、サイド電飾体62Rが右回りに回転し、その結果、可動電飾役物61が「上」方向へ移動する。
つまり、本実施例の励磁テーブルは、左右対称に配置されたサイド電飾用モータ83L,83Rが、互いに逆向きに回転するように、励磁制御データ群を記憶して、サイド電飾体62L,62Rを左右対称に動作させるように構成されている。
そして、駆動制御手段が、遊技の進行に応じて動作シナリオから出力時間に対応した動作方向を取得すると共に、動作方向に応じて、励磁テーブルから励磁制御データを一律に基準序列で使用してサイド電飾用モータ83L,83Rを一律に所定方向に回転させるか、又は、励磁制御データを一律に前記基準序列と逆の序列で使用してサイド電飾用モータ83L,83Rを一律に所定方向と逆方向に回転させるか、又は、サイド電飾用モータ83Lとサイド電飾用モータ83Rを一律に停止する。
換言すると、1つの動作方向を用いて、サイド電飾体62L,62Rの動作方向を決定することができる。これにより、サイド電飾体62L,62Rの動作方向を個別に決定する処理を行う場合に比べて、制御上の負荷が軽減される。また、サイド電飾用モータ83Lとサイド電飾用モータ83Rを互いに逆向きに連動回転させることができると共に、その際のサイド電飾用モータ83Lとサイド電飾用モータ83Rの間の動作のズレを抑えて、それらサイド電飾用モータ83Lとサイド電飾用モータ83Rによってサイド電飾体62Lとサイド電飾体62Rを対称回動させるので、サイド電飾体62Lとサイド電飾体62Rの対称性を正確に維持して、質の高い可動演出を行うことができる。
また、各サイド電飾用モータ83L,83Rを所定の方向に駆動する場合に、駆動途中における励磁制御データを生成しなくても、励磁テーブルに記憶した各シーケンスデータの励磁制御データ群を順次使用することで、各サイド電飾用モータ83L,83Rの出力部を位置制御しながら所定の方向に移動することができる。
なお、動作方向が「下」の場合には、動作シナリオに設定されている「ステップ数」まで到達したら、サイド電飾用モータ83L,83Rの駆動が停止され、動作方向が「上」の場合には、位置センサ85L,85Rが共にサイド電飾体62L,62Rを検出(即ち、可動電飾役物61が退避位置に到達)した場合、及び、サイド電飾用モータ83L,83Rの連続通電可能な限界駆動時間(本発明の「上限通電時間」に相当する)が経過した場合にサイド電飾用モータ83L,83Rの駆動が停止される。「出力時間」の途中でサイド電飾用モータ83L,83Rの駆動が停止された場合は、動作シナリオに設定されている「動作時間」が経過するまで現在位置に保持される。即ち、「動作時間」には停止時間が含まれている。
また、モータの劣化などによって、位置センサ85L又は位置センサ85Rのいずれか一方が、サイド電飾体62L又はサイド電飾体62Rを先に検出した場合は、検出した方のモータの励磁制御データがセットされないため励磁されず、検出していない方のモータだけが励磁されて駆動される。このとき、後述するズレ計測手段、移動量検出手段が、サイド電飾体62L,62R間のズレに応じたズレ補正データを生成し、その後、「上」方向への動作を行わせた際には、後述するデータ補正手段によって、サイド電飾体62L,62Rが同一の到達タイミングで退避位置に到達するようにズレ補正データを用いてズレを自動的に補正する。
つまり、可動電飾役物61が移動開始すると、まず、退避位置から降下位置まで速さ2で下降し、下降開始から0.6秒経過後、降下位置で1.5秒停止する。その後上昇し、位置センサ85L,85Rが共にサイド電飾体62L,62Rを検出(即ち、可動電飾役物61が退避位置に到達)したか、限界駆動時間(本実施例では、1.5秒)が経過したら停止する。そして、上昇開始から3.0秒経過するまで停止した後、停止した箇所から降下位置まで再度下降する。そして、2度目の下降開始から0.6秒経過後、降下位置で5秒停止する。その後再度上昇し、位置センサ85L,85Rが共にサイド電飾体62L,62Rを検出したか、限界駆動時間(1.5秒)が経過したら停止する。そして、2回目の上昇開始から3.0秒経過するまで停止した後、一連の動作を終了する。
なお、このとき、表示画面36では、退避位置と降下位置の間を移動して表示画面36の前面の一部に覆い重なる可動電飾役物61の移動に合わせて、演出画像が可動電飾役物61の動作と同じ方向に向かって、同じ速度でスクロール表示される。スクロール表示態様は、例えば、可動電飾役物61の周囲を装飾する表示態様(可動電飾役物61の輪郭に沿って色彩等を表示等)が表示される。また、サイド電飾体62L,62R及びセンター電飾体70のLEDが点灯または点滅し、リーチ状態の途中で回転ランプカバー72が回転し、「大当たり遊技」に移行することを遊技者に予告する。
これにより、サイド電飾体62Lとサイド電飾体62Rの動作と、表示画面36に表示される表示内容とを関連させた複合的な演出効果的に遊技者に見せることができ、遊技の趣向性が向上する。
このように、本実施形態によれば、一義的に対応した励磁制御データ群毎、励磁制御データを使用してサイド電飾用モータ83L,83Rを駆動制御することで、サイド電飾体62L,62Rを連動させる構成になっているので、励磁制御データ同士の一義的な対応関係を変更して励磁テーブルに記憶させることで、サイド電飾用モータ83L,83R同士の間の連動の態様を容易に変更することができる。これにより、サイド電飾用モータ83L,83Rの配置やサイド電飾用モータ83L,83Rからサイド電飾体62L,62Rへの動力伝達機構に係る設計の自由度が高くなる。
また、サイド電飾体62L,62R同士の位置を正確に対応させることができる。これにより、従来のようなサイド電飾体62L,62R同士の間の動作のズレが抑えられ、質の高い可動演出を行うことができる。
しかも、サイド電飾体62L,62Rに「上」方向への移動動作を行わせた際に、サイド電飾体62L,62Rの退避位置への到達タイミングが仮にズレても、ソフト上の演算処理のみで、そのズレに応じたズレ補正データを生成し、その後、「上」方向への動作を行わせた際には、サイド電飾体62L,62Rが同一の到達タイミングで退避位置に到達するようにズレ補正データを用いて確実にズレを取り除く補正を自動的に行うので、質の高い可動演出を長期間に亘って維持することができる。
上記した本実施形態のパチンコ遊技機10の動作を実現するため、メイン制御基板110、サブ制御基板120等は、前記したメイン制御回路メインプログラムPG1、サブ制御回路メインプログラムPG2等を実行して、情報を処理している。以下、メイン制御基板110及びサブ制御基板120における情報処理に関して図13〜図34に示したフローチャートを参照しつつ詳説する。
メイン制御基板110に備えたワンチップマイコン111(図3を参照)は、パチンコ遊技機10の電源をオンすると、ROM111Cから図13に示したメイン制御回路メインプログラムPG1を取り出してランする。
メイン制御回路メインプログラムPG1がランされると、まず初期設定が行われる(S1)。初期設定(S1)では、例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU111Aの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種フラグ及びカウンタ値のリセット等を行う。そして、RAMクリアスイッチがONされているか、もしくは電源断フラグがONでRAM111Bの内容が異常と判断された場合には、RAM111Bの初期化が行われる。なお、初期設定(S1)は、メイン制御回路メインプログラムPG1が、電源投入後の1回目にランされたときだけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S1)に次いで、割り込みが禁止され(S2)、特別図柄主要乱数更新処理(S3)が実行される。本実施形態においては、乱数を生成するために表1に示したカウンタが設けられている。
表1に示した各力ウンタは、電源投入時には「0」に設定され、特別図柄主要乱数更新処理(S3)が実行される毎に、1インクリメントされる。また、表1における各カウンタの数値範囲の上限値を越えた場合には、「0」にリセットされて、再び「0」から1インクリメントされる。このように更新された各カウンタの数値は、前記RAM111Bの更新値記憶領域に逐一記憶され、この特別図柄主要乱数更新処理(S3)から抜ける。
特別図柄主要乱数更新処理(S3)が終了すると、割り込みが許可され(S4)、メイン制御回路割り込み処理(S5)が実行可能となる。メイン制御回路割り込み処理(S5)は、CPU111Aに割り込みパルスが入力すると、例えば、4msec周期で繰り返して実行される。そして、メイン制御回路割り込み処理(S5)が終了してから、次にメイン制御回路割り込み処理(S5)が開始されるまでの残余処理期間中に、特別図柄主要乱数更新処理(S3)による各種カウンタ値の更新処理が複数回に亘って繰り返し実行される。また、割り込み禁止状態のときにCPU111Aに割り込みパルスが入力した場合は、メイン制御回路割り込み処理(S5)はすぐには開始されず、割り込み許可(S4)がされてから開始される。
メイン制御回路割り込み処理(S5)について説明する。図14に示すように、メイン制御回路割り込み処理(S5)では、まず、出力処理(S10)が実行される。この処理(S10)では、以下説明する各処理において決定された各種コマンドが、RAM111Bの出力バッファに格納されているか否かをチェックして、コマンドが格納されていた場合には、出力バッファ内のコマンドを、サブ制御基板120等の各種制御回路に出力する。
出力処理(S10)に次いで行われる入力処理(S11)では、主にパチンコ遊技機10に取り付けられている各種センサ(ゲートスイッチ18W、始動口センサ14W、その他センサ、スイッチ類85L,85R等。図3参照)が検出した検出信号を取り込み、払出数情報として、RAM111Bの出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S12)は、メイン制御回路メインプログラムPG1のループ処理内で行われている上記特別図柄主要乱数更新処理(S3)と同じである。即ち、上記表1に示した各種カウンタ値と普通図柄当たり判定用乱数カウンタ値は、メイン制御回路割り込み処理(S5)の実行期間と、その残余処理期間(メイン制御回路割り込み処理(S5)の終了後、次のメイン制御回路割り込み処理(S5)が開始されるまでの期間)の間の期間との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S12)に次いで始動入賞口スイッチ検出処理(S15)が実行される。具体的には、図15に示すように、遊技球が始動ゲート18又は始動入賞口14を通過したかどうかを判断する(S150)。このとき、遊技球が始動ゲート18又は始動入賞口14を通過していれば(S150でyes)、続いて保留球数(普通図柄保留球数又は特別図柄保留球数)が4以上であるか判断する(S151)。保留球数が4以上でなければ(S151でno)、保留球数に1を加算し(S152)、前記RAM111Bの更新値記憶領域に記憶されているカウンタ値を乱数値として取得して、RAM111Bに別途設定した始動ゲート18又は始動入賞口14の保留球数に応じたアドレス空間に格納する(S153,S154)。一方、遊技球が始動ゲート18又は始動入賞口14を通過していない場合(S150でno)、保留球数が4以上である場合(S151でyes)、ただちにこの処理(S15)を終了する。
図14に示すように、始動入賞口スイッチ検出処理(S15)に次いで、普通動作処理(S16)が行われる。この処理(S16)によって、メイン制御基板110はサブ制御基板120を介さずに普通図柄表示装置19の表示状態及び可動翼片14C,14Cを直接制御して、普通図柄当たり乱数(ラベル−TRND−H)値に基づいて普通図柄当りの判定や普通図柄表示装置19での普通図柄の変動及び停止表示、普通図柄当りに基づく可動翼片14C,14Cの開閉等、普通図柄当りに関する処理を行う。
普通動作処理(S16)に次いで行われる特別動作処理(S17)は、表示装置35の表示を制御するための処理であり、上記始動スイッチ検出処理(S15)においてRAM111Bのカウンタ値記憶領域に格納された各種カウンタ値に基づいて行われる。なお、メイン制御基板110は、以下説明する特別動作処理(S17)によって、サブ制御基板120を介して表示装置35を間接的に制御する。
この特別動作処理(S17)は、図16に示されており、表示装置35の表示状態を4つの状態に場合分け、それら各状態を「特別動作ステータス1,2,3,4」に割り当てている。そして、「特別動作ステータス」が「1」である場合に(S171でyes)、特別図柄待機処理(S172)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合に(S171でno,S173でyes)、特別図柄変動中処理(S174)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合に(S171,S173で共にno、S175でyes)、特別図柄確定処理(S176)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合に(S171,S173,S175でno)、特別電動役物処理(S177)を行う。
図16に示した特別動作処理(S17)において特別図柄待機処理(S172)を実行すると、図17に示すように、始動入賞口14の保留球数(即ち特別図柄保留球数)が「0」か否かがチェックされる(S202)。特別図柄保留球数が「0」である場合(S202でyes)、即ち、始動入賞口14への入賞に起因して取得された各種カウンタ値の記憶が無い場合には、表示装置35の表示が待機画面であるか否かがチェックされる(S208)。そして、待機画面中である場合(S208でyes)には、直ちにこの処理(S172)を抜ける。一方、待機画面中でない場合(S208でno)には、待機画面設定処理(S209)を行ってから、この処理(S172)を抜ける。
一方、特別図柄保留球数が「0」ではない場合(S202でno)、即ち、始動入賞口14への入賞に起因して取得された各種カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、以下に説明する、特別図柄大当り判定処理(S203)、特別図柄選択処理(S204)、特別図柄変動パターン作成処理(S205)、特別図柄乱数シフト処理(S206)、特別図柄変動開始設定(S207)が行われる。即ち、特別図柄保留球数が0になるまで、これら特別図柄に対する処理(S203〜207)が行われ、特別図柄の保留球が消化されることとなる。
特別図柄大当り判定処理(S203)は、「大当り遊技」の実行の可否を判定する。また、この特別図柄大当り判定処理(S203)を実行することで、CPU111Aが本発明に係る「当否判定手段」として機能する。詳細には、図18に示すように、まず、判定値として、RAM111Bの最下位のカウンタ値記憶領域(即ち特別図柄の保留1個目にあたるRAM領域)に保留記憶された各種乱数値がロードされて、特別図柄1大当り判定用カウンタ(ラベル−TRND−A1)値を読み出す(S310)。次に、大当り判定値テーブルのアドレスをセットする(S311)。そして、確変中か否かがチェックされる(S312)。確変中でない場合(S312でno)、すなわち通常遊技状態時では、特別図柄1大当り判定用カウンタ(ラベル−TRND−A1)が「77」又は「78」の2つの当たり数値の何れかと一致したか否かがチェックされ(S313)、確変中である場合(S312でyes)、即ち、確率変動状態時では、特別図柄1大当り判定用カウンタ(ラベル−TRND−A1)が、「77〜96」の20個の当たり数値の何れかと一致したか否かがチェックされる(S315)。
そして、各ステップS313,S315において、取得した特別図柄1大当り判定用カウンタ(ラベル−TRND−A1)が何れの当たり数値とも一致しなかった場合には(ステップS313,S315でno)、直ちにこの処理(S203)を抜ける。一方、取得した特別図柄1大当り判定用カウンタ(ラベル−TRND−A1)が何れかの当たり数値と一致した場合には(S313でyes又はS315でyes)、大当たりフラグをオンして(S314)、この処理(S203)を抜ける。
図17に示すように、特別図柄待機処理(S172)では、特別図柄大当たり判定処理(S203)に次いで、特別図柄選択処理(S204)が実行される。特別図柄選択処理(S204)は、図19に示されており、図柄データをセットする。まず、大当たりフラグがオンか否かチェックし(S320)、大当たりの場合(S320でyes)には、大当たり種別決定用カウンタ(ラベル−TRND−AZ)の数値が確変種別かどうかチェックする(S321)。大当たり種別決定用カウンタ(ラベル−TRND−AZ)が確変の場合(S321でyes)、確変大当たり図柄データをセットし(S322)、大当たり種別決定用カウンタ(ラベル−TRND−AZ)が確変でない場合(S321でno)、通常大当たり図柄データをセットする(S323)。即ち、大当たり種別決定用カウンタ(ラベル−TRND−AZ)の数値に対して予め決められている図柄の組合せを、大当たり図柄組合せとして決定する。一方、大当たりフラグがオンでない場合(S320でno)には、ハズレ図柄データをセットし(S324)、この処理(S204)を抜ける。
特別図柄選択処理(S204)に次いで実行される特別図柄変動パターン作成処理(S205)は、図20に示されており、変動態様(変動パターン)を選択する。最初に、図柄乱数は確変か、即ち、当否判定結果が「大当り」の場合には、大当り種別決定用カウンタ(ラベル−TRND−AZ)の数値が確変かどうかチェックする(S325)。大当り種別決定用カウンタ(ラベル−TRND−AZ)が確変の場合(S325でyes)、続いて、大当りフラグがオンしているか否かが判別される(S326)。そして、大当りフラグがオンの場合(S326でyes)、変動パターンテーブル(図35参照)の確変欄から、変動態様決定用カウンタ(ラベル−TRND−T1)値に基づいて変動パターン9〜11の何れかが選択される(S327)。一方、大当り種別決定用カウンタ(ラベル−TRND−AZ)が確変でない場合(S326でno)、続いて、リーチフラグがオンしているか否かが判別される(S328)。そして、リーチフラグがオンの場合(S328でyes)、変動パターンテーブル(図35参照)の確変欄から、変動態様決定用カウンタ(ラベル−TRND−T1)値に基づいて変動パターン12〜14の何れかが選択される(S329)。そして、リーチフラグがオンでない場合(S328でno)、変動パターンテーブル(図35参照)の確変欄から、変動態様決定用カウンタ(ラベル−TRND−T1)値に基づいて変動パターン15〜17の何れかが選択される(S330)。
また、図柄乱数が確変でない場合(S325でno)には、ステップ326〜ステップ330と同様にして、変動パターンテーブル(図35参照)の通常欄から、変動態様決定用カウンタ(ラベル−TRND−T1)値に基づいて変動パターン1〜9の何れかが選択される。(S331〜S335)。
そして、変動パターンが選択されたら、その他の処理(S332)を行ってから、この処理(S205)を抜ける。なお、その他の処理(S332)では、選択された変動パターンに応じた変動パターンコマンドをRAM111Bの出力バッファにセットする。そして、上記した出力処理(S10)でRAM111Bの出力バッファにセットされた変動パターンコマンドを、サブ制御基板120等に出力する。
ここで、本実施例では、変動パターン1〜4、6、7、9〜15が選択されたとき(本発明の「遊技の進行に伴って所定条件が成立した時点」に相当する)に、後述する駆動制御手段が、サイド電飾用モータ83L及びサイド電飾用モータ83Rを駆動制御して、可動電飾役物61に所定の動作を行わせる。即ち、当否判定結果、あるいは当否判定結果に基づいて選択される変動パターンに基づいて、可動電飾役物61の可動条件の成立可否が決定するように構成されている。これにより、当否判定に関わって可動電飾役物61を可動させることが可能となり、遊技に関わる演出を効果的に行うことが可能となる。
図17に示すように、特別図柄変動パターン作成処理(S205)に次いで、特別図柄乱数シフト処理(S206)が行われる。この処理(S206)は、図21に示されており、最初に、特別図柄保留球数(RAM111Bの特別図柄の保留数記憶領域の数値)が1ディクリメントされる(S350)。次いで、カウンタ値記憶領域における各種カウンタ値の格納場所が、1つ下位側のカウンタ値記憶領域にシフトされる(S351)。そして、最上位のカウンタ値記憶領域の各アドレス空間に「0」をセット(即ち特別図柄保留4個目にあたるRAM領域を0クリア)し(S352)、この処理(S206)を抜ける。
図17に示すように、特別図柄乱数シフト処理(S206)に次いで、特別図柄変動開始設定(S207)が行われると、特別動作ステータスを「2」に設定すると共に、変動開始コマンドをRAM111Bの出力バッファにセットするなど、その他特別図柄の変動開始に必要な処理が行われ、特別図柄待機処理(S172)を抜ける。
図16に示した特別動作処理(S17)において、特別図柄変動中処理(S174)を実行すると、図22に示すように、特別図柄変動パターン作成処理(S205、図20参照)で設定された変動パターンに応じた変動表示規定時間(変動時間)を判定する処理が行われる(S261)。そして、変動表示規定時間(図35の変動時間参照)が経過したか否かがチェックされ(S262)、経過していない場合(S262でno)には、直ちにこの処理(S174)を抜けて特別図柄の変動表示を続行する。
一方、変動表示規定時間が経過している場合(S262でyes)、即ち、変動パターンに応じて設定された変動時間に亘って特別図柄の変動表示が行われた場合には、変動表示中の特別図柄を停止表示させる変動停止テーブルのアドレスをセットし(S263)、データ格納処理を行い(S264)、特別動作ステータスを「3」に設定し(S265)、その他の処理(S266)を行ってから、この処理(S174)を抜ける。
図16に示した特別動作処理(S17)において特別図柄確定処理(S176)を実行すると、図23に示すように、最初に大当りフラグがオンしているか否か(大当りか否か)がチェックされる(S270)。ここで、大当りフラグがオンしている場合(S270でyes)、即ち、当否判定結果が「当り」である場合には、ラウンドカウンタをセットして(S271)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S272)。一方、大当りフラグがオンしていない場合(S270でno)、即ち、当否判定結果が「外れ」であった場合には、特別動作ステータスを「1」にセットして(S273)、この処理(S176)から抜ける。ここで、ラウンドカウンタとは、「大当り遊技」における「ラウンド」数をカウントするものであり、本実施形態では、ラウンドカウンタの初期値は「15」に設定されている。
図16に示した特別動作処理(S17)において特別電動役物処理(S177)を実行すると、図24に示すように、確変フラグがオンからオフに切り替えられる(S280)。つまり、「大当り遊技」が開始されると、強制的に確率変動状態が終了する。次いで、大当り終了フラグがオンか否かがチェックされる(S281)。大当り終了フラグがオンではない場合(S281でno)、即ち、「大当り遊技」の実行中である場合には、開放フラグに基づいて、大入賞口15が開放中か否かがチェックされる(S282)。
大入賞口15が開放中(開放フラグがオン)である場合(S282でyes)には、ラウンド終了条件が成立したか否かがチェックされる。具体的には、大入賞口15に遊技球が10個入賞したか否か(S286)、ラウンド終了時間(大入賞口15の開放時間が30秒)となったか否か(S287)がチェックされる。そして、ラウンド終了条件が不成立であった場合(S286及びS287の何れもno)には、直ちにこの処理(S177)を抜ける一方、ラウンド終了条件が成立した場合(S286及びS287の何れかでyes)には、ラウンド終了時の処理(S289〜S293)が行われる。
具体的には、大入賞口閉鎖処理(S289)では大入賞口閉鎖のコマンドがサブ制御基板120にも送信される。次いで、ラウンドカウンタを1ディクリメント(S290)してから、ラウンドカウンタが「0」となったか否かがチェックされ(S291)、ラウンドカウンタが「0」ではない場合(S291でno)、即ち、「大当り遊技」が、最大ラウンド(15ラウンド)まで行われていない場合には、直ちにこの処理(S177)を抜ける。つまり、大当り遊技中であっても1回のラウンドが終了した時点で可動扉15Tが「閉位置」となって、一時的に大入賞口15が閉鎖される。
一方、ラウンドカウンタが「0」となった場合(S291でyes)、即ち、大当り遊技が最大ラウンド(15ラウンド)まで行われた場合には、大当り終了処理(S292)が行われる。大当り終了処理(S292)において、保留記憶領域内に記憶されている大当り乱数データを大当り終了コマンドとともに、サブ制御基板120に送信する。そして、大当り終了フラグをオンして(S293)、この処理(S177)を抜ける。
ステップS282において、大入賞口15が閉鎖中(開放フラグがオフ)の場合(S282でno)には、大入賞口15を開放する時間となったか否かがチェックされる(S283)。具体的には、「大当り遊技」が開始されてから所定の開放待ち期間又は、前回のラウンドが終了してから所定のインターバル期間が経過したか否かがチェックされ、開放待ち期間又はインターバル期間が経過していない場合(S283でno)には、この処理(S177)を抜ける一方、開放待ち期間又はインターバル期間が経過した場合(S283でyes)には、大当たり図柄決定用カウンタ(ラベル−TRND−AZ1)の数値が確変かどうかチェックする(S284)。大当たり図柄決定用カウンタが確変の場合(S284でyes)、ラウンドカウンタに対応した確変中ラウンドコマンドを送信し(S285)、大当たり図柄決定用カウンタが確変でない場合(S284でno)、ラウンドカウンタに対応した通常中ラウンドコマンドを送信して(S288)、この処理(S177)を抜ける。
また、上記ステップ281において、大当り終了フラグがオンであった場合(S281でyes)、即ち、大当り遊技が最大ラウンド(15ラウンド)まで行われた場合には、大当り終了フラグ及び大当りフラグを全てオンからオフに切り替え(S295,S296)、停止表示された特別図柄が、確変図柄か否かをチェックする(S297)。確変図柄でない場合(S297でno)にはステップS299へジャンプし、確変図柄である場合(S297でyes)には確変フラグをオフからオンに切り替える(S298)。そして、ステップ299にて、特別動作ステータスを「1」にセットして、この処理(S177)を抜ける。以上が特別動作処理(S17)の説明である。
図14に示すようにメイン制御回路割り込み処理(S5)では、特別動作処理(S17)に次いで保留球数処理(S18)が行われる。この処理(S18)は、図25に示されており、RAM111Bに記憶されたカウンタ値群の組数から保留球数を読み取り(S180)、その保留球数のデータを、RAM111Bの出力バッファにセットする(S181)。
メイン制御回路割り込み処理(S5)では、保留球数処理(S18)に次いで、本発明に深く関連しないその他の処理(S20)を実行して、メイン制御回路割り込み処理(S5)から抜ける。そして、図13に示すように、次にCPU111Aに割り込みパルスが入力するまで、ステップS2〜S4の処理が繰り返し実行され、割り込みパルスの入力を起因(約4msec後)に、再度、メイン制御回路割り込み処理(S5)が実行される。すると、上述の如く、前回、メイン制御回路割り込み処理(S5)が実行されたときにRAM111Bの出力バッファにセットされた制御データが、次に実行されたメイン制御回路割り込み処理(S5)の出力処理(S10)において出力される。以上がメイン制御回路メインプログラムPG1の説明である。
さて、サブ制御基板120(図3参照)に備えられたRAM121Bの記憶領域も、メイン制御基板110におけるRAM111Bの記憶領域と同様に、複数のアドレス空間に区分されてアドレス(番地)が付されている。そして、所定のアドレス空間で構成されたカウンタ値記憶領域が、表2に示した各種の乱数カウンタのデータ格納部として設けられている。また、このアドレス空間は、乱数カウンタの更新領域以外にも、例えば、フラグ等のデータ格納部としても用いられている。
サブ制御基板120のCPU121Aは、電源オン時に初期設定等が行われるサブ制御回路メインプログラムPG2(図26参照)をランしてメインプログラムの最終処理においてループ処理を繰り返す。そのサブ制御回路メインプログラムPG2をランすると、CPU初期化処理(S50)が行われ、スタックの設定、定数設定、CPU121Aの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種フラグ及びカウンタ値のリセット等を行う。また、電源基板160に電源を投入すると、電源基板160から電源断信号がサブ制御基板120に送信される。この電源断信号が送信されたときに、電源断信号がONでRAM121Bの内容が正常であるか判断する(S51)。正常であれば(S51でyes)次に進み、正常でなければ(S51でno)、RAM121Bを初期化し各種フラグ及びカウンタ値がリセットされる(S52)。なお、このステップ50,S51及びS52は、サブ制御回路メインプログラムPG2が、電源投入後の1回目にランされたときだけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップ50,S51及びS52を終えると、サブ制御基板120で使用される乱数を1インクリメントする乱数シード更新処理(S53)を所定周期で無限に繰り返して行う。
乱数シード更新(S53)の無限ループに対して、主制御回路からのコマンド受信時に行われる受信割り込み処理(S54)、2msタイマ割り込み処理(S55)、10msタイマ割り込み処理(S56)、が割り込んで実行される。受信割り込み処理(S54)は、サブ制御基板120がメイン制御基板110からストローブ信号を受けると、他の割り込み処理(S55,S56)より優先して実行される。なお、電源投入時やリセット時にはメイン制御基板110よりサブ制御基板120の方が早く立ち上がるように設計されており、サブ制御基板120のCPU121Aが初期化処理中等に受信割り込み処理(S54)が行われない構成となっている。
受信割り込み処理(S54)が実行されると、図27に示すように、ストローブ信号の入力を確認してから(S540でyes)、上記したメイン制御回路割り込み処理(S5)の出力処理(S10)でサブ制御基板120に送信される制御データ、例えば、変動パターンコマンド等を取り込み、RAM121Bの記憶領域に設けた入力信号一次記憶領域に格納する(S541)。また、始動ゲート18及び始動入賞口14に遊技球が入賞した場合にもメイン制御基板110からサブ制御基板120に制御信号が送信され、表1に示した各種カウンタ値群がRAM121Bのカウンタ値記憶領域に前述した特別図柄の4つの保留球に対応して、乱数値群が格納(記憶)されるようになっている。
2msタイマ割り込み処理(S55)は、図28に示されており、サブ制御基板120に2msec周期(本発明の「データ処理周期」に相当する)の割り込みパルスが入力される度に実行される。2msタイマ割り込み処理(S55)は10msタイマ割り込み処理(S56)よりも優先して実行されるようになっており、2msタイマ割り込み処理(S55)の実行中に10msタイマ割り込み処理(S56)は実行されない構成となっている。
まず、ランプデータ出力処理(S550)が行われる。この処理(S550)では、後述する10msタイマ割り込み処理(S56、図33参照)で生成されたランプデータを出力する。続いて、モータ出力処理(S551)が行われる。この処理(S551)は、図29に示されており、後述するモータコマンド監視処理(S552)で作成された「モータデータα」と「コモンα」を出力する(S640)。
「モータデータα」は、サイド電飾用モータ83L及びサイド電飾用モータ83Rに電流を流すための励磁信号(励磁テーブルによって設定される励磁制御データ)で、「コモンα」は、サイド電飾用モータ83L及びサイド電飾用モータ83Rに駆動するための電流を流すためのコモン信号である。
「コモンα」にセットされた値が「0」でない場合、サイド電飾用モータ83L,83Rの駆動回路がコモンに12Vを出力し、「モータデータα」に応じてサイド電飾用モータ83L及びサイド電飾用モータ83Rが励磁されて駆動される(本発明の「駆動通電モード」に相当する)。
そして、「コモンα」にセットされた値が「0」である時は、コモンに微弱電流を流すことでサイド電飾用モータ83L,83Rにブレーキをかけて、現在位置に保持する(本発明の「停止通電モード」に相当する)。これにより、サイド電飾用モータ83L,83Rの停止時における消費電力を抑えることができる。なお、モータコマンド監視処理において、動作シナリオの動作方向が「−(停止)」の場合や、動作完了時には、コモンフラグがOFFとなり、必ず「コモンα」は「0」となる。
ただし、サイド電飾用モータ83L又はサイド電飾用モータ83Rの何れか一方の励磁制御データのみが「モータデータα」にセットされている場合は、励磁制御データがセットされている方のサイド電飾用モータ83L又はサイド電飾用モータ83Rが励磁されて駆動され、他方のサイド電飾用モータ83L又はサイド電飾用モータ83Rにブレーキをかけて、現在位置に保持する(本発明の「停止通電モード」に相当する)。
即ち、可動電飾役物61を降下位置から退避位置に向かわせた場合に、サイド電飾体62L,62Rの間に位置ズレが生じ、先に退避位置に到達したサイド電飾用モータ83L又はサイド電飾用モータ83Rが待機状態になっても、待機状態となるサイド電飾用モータ83の負荷を軽減することができる。
図28の2msタイマ割り込み処理(S55)において、モータ出力処理(S551)に続いて行われるモータコマンド監視処理(S552)は、図30〜図32に示されている。この処理(S552)では、動作シナリオと励磁テーブルから、サイド電飾用モータ83L及びサイド電飾用モータ83Rのソレノイドに電流を流すための励磁信号(励磁テーブルによって設定される励磁制御データ)として「モータデータα」と、サイド電飾用モータ83L及びサイド電飾用モータ83Rに電流を流すためのコモン信号として「コモンα」を作成する。また、このモータコマンド監視処理(S552)を実行することで、CPU121Aが本発明に係る「駆動制御手段」、「ズレ計測手段」、「データ補正手段」、「検出データ処理手段」及び「判別手段」として機能する。
まず、動作シナリオから、出力時間に該当するシナリオを抽出し、位置センサ85Lと位置センサ85Rの値を合わせて、「センサーα」にセットする(S650)。
ここで、位置センサ85Lは、サイド電飾体62Lを検出した場合に「0010」、そうでない場合は「0000」を出力し、位置センサ85Rは、サイド電飾体62Rを検出した場合に「0001」、そうでない場合は「0000」を出力するように構成されている。従って、位置センサ85L,85Rが共にサイド電飾体62L,62Rを検出(即ち、可動電飾役物61が退避位置に到達)した場合には、「0010」と「0001」を加算した値「0011」が「センサーα」にセットされる。同様にして、位置センサ85Lのみが検出している場合の加算数値は「0010」、位置センサ85Rのみが検出している場合の加算数値は「0001」、位置センサ85L,85Rが共に検出していない場合の加算数値は「0000」となり、何れかの値が「センサーα」にセットされる。
これにより、後述するステップ656において、サイド電飾体62L,62Rが共に退避位置に位置しているか、一方のみが退避位置に位置しているか、他方のみが退避位置に位置しているか、両方が退避位置に位置していないかの4つの状態を効率的に判別することができ、制御負担を軽減し、データ処理の簡素化が図られる。
続いて、動作シナリオ内のコモンフラグ(即ち、動作シナリオ内で現在実行している可動電飾役物61の動作フラグ)がONかを判断する(S651)。コモンフラグがON(即ち、上下方向への動作)であれば(S651でyes)、原点センサのチェックの必要があるか、即ち、動作方向が「上」方向への移動かを判断する(S652)。
「上」方向への移動でない場合(S652でno)には、動作シナリオ内のステップ数(ここでは「12」)と、現在のステップカウンタの値が同値か判断する(S653)。そして、同値であれば(S653でyes)、動作シナリオ内のコモンフラグをOFFにセットして「下」方向への移動のモータ動作を完了し(S654)、同値でなければ(S653でno)、何も処理せずステップ658へと進む。これにより、ステップカウンタが「12」になるまで、後述のステップ669にて励磁カウンタが加算されて、ステップ675にて励磁カウンタに応じた「モータデータα」がセットされることになる。
一方、ステップ652において、「上」方向への移動であれば(S652でyes)、動作シナリオ内のタイマーチェック(限界駆動時間)の必要がある動作か判断する(S655)。そして、タイマーチェックの必要があれば(S655でyes)、位置センサ85Lと位置センサ85Rの値を合わせた「センサーα」が「0011」と同値か(即ち、位置センサ85L,85Rが共に検出しているか)、もしくは限界駆動時間(例えば、1500ms)に到達したかを判断する(S656)。
そして、「センサーα」が「0011」と同値か、もしくは限界駆動時間に到達している場合(S656でyes)、ステップカウンタを「0」にセットすると共に動作シナリオ内のコモンフラグをOFFにセットして「上」方向への移動のモータ動作を完了し(S657)、ステップ658へと進む。
ステップ651において、コモンフラグがONでない(即ち、動作シナリオの動作方向が「−(停止)」か、上下方向への動作が完了した)場合(S651でno)、及び、ステップ655においてタイマーチェックの必要がある動作でない場合(S655でno)、また、ステップ656において「センサーα」が「0011」と同値でなくかつ限界駆動時間に到達していない場合(S656でno)には、ステップ658へジャンプする。
即ち、「下」方向への移動の場合、現在のステップカウンタが動作シナリオで設定されたステップ数と同一になったときにコモンフラグがOFFされ、「上」方向への移動の場合、位置センサ85L,85Rがサイド電飾体62L,62Rを共に検出するか、限界駆動時間が経過したときにコモンフラグがOFFされる。
これにより、「下」方向への移動の場合、位置センサ85L,85Rを用いずに、サイド電飾用モータ83L,83Rにブレーキをかけて、現在位置に保持する。そして、「上」方向への移動の場合、可動電飾役物61を降下位置から退避位置に移動した後、位置センサ85L,85Rによってサイド電飾体62L,62Rを検出するか、連続通電時間が限界駆動時間に達したときに、サイド電飾用モータ83L,83Rにブレーキをかけて、現在位置に保持するので、サイド電飾用モータ83L,83Rを過負荷による発熱から保護することができる。換言すると、サイド電飾用モータ83L,83Rの限界駆動時間を気にせずに動作シナリオの動作時間を設定して、可動電飾役物61を退避位置まで到達するように設定できる。
なお、位置センサ85L,85Rがサイド電飾体62L,62Rを共に検出していない状態で限界駆動時間が経過した場合、その時点での可動電飾役物61の位置が、ステップカウンタの「0」地点となる。
ステップ658では、図31に示すように、動作シナリオ内のコモンフラグがON、かつ速さ(スピード)が「0」でない、かつ動作方向が「−(停止)」でないか判断し、全てあてはまる場合(S658でyes)には、続いて、1加算後の励磁タイマの値が「0」かどうか判断する(S659)。
ここで、励磁タイマは、サイド電飾用モータ83L及びサイド電飾用モータ83Rの速さを制御するためのカウンタであり、2ms(割り込み)ごとに加算され、動作シナリオで設定された速さと同じ値になると、「0」に設定される。具体的には、動作シナリオで設定されている速さが「2」の場合、2msの割り込みが2回処理される4msごとに励磁カウンタが加算又は減算されて励磁制御データがセットされ、動作シナリオで設定されている速さが「4」の場合、2msの割り込みが4回処理される8msごとに励磁カウンタが加算又は減算されて励磁制御データがセットされることになる。
即ち、動作シナリオに記憶した速さに応じて励磁制御データを他の励磁制御データに更新する間隔が変更される。これにより、サイド電飾用モータ83L,83Rの出力部に移動速度を一律に変更することができる。なお、速さの値が大きいほど、サイド電飾用モータ83L,83Rの回転速度(即ち、可動電飾役物61の移動速度)は遅くなる。
そして、励磁タイマが0(動作シナリオで設定された速さに到達)であれば(S659でyes)、続いて、動作方向は「上」かどうか判断する(S660)。動作方向が「上」であれば(S660でyes)、ステップカウンタは「0」かどうか判断する(S661)。そして、「0」であれば(S661でyes)、ステップカウンタを「0」にセットし(S662)、「0」でなければ(S661でno)、ステップカウンタを1減算する(S663)。その後、励磁カウンタを1減算して(S664)、ステップ670へジャンプする。なお、励磁カウンタは、[−1]までカウントダウンされると[3]に設定される。即ち、動作シナリオで設定されている動作方向が「上」であれば励磁カウンタを[0]→[3]→[2]→[1]→[0]・・・の順に減算する。
一方、ステップ660において、動作方向が「上」でない場合(S660でno)には、続いて、動作方向は「下」かどうか判断する(S665)。そして、動作方向が「下」であれば(S665でyes)、ステップカウンタがMAX(12)かどうか判断する(S666)。そして、MAXであれば(S666でyes)、ステップカウンタを「12」にセットし(S667)、MAXでなければ(S666でno)、ステップカウンタを1加算する(S668)。その後、励磁カウンタを1加算して(S669)、ステップ670へジャンプする。なお、励磁カウンタは、[4]までカウントアップされると[0]に設定される。即ち、動作シナリオで設定されている動作方向が「下」であれば励磁カウンタを[0]→[1]→[2]→[3]→[0]・・・の順に加算する。
ステップ658において動作シナリオ内のコモンフラグがOFF又は速さ(スピード)が「0」又は動作方向が「−(停止)」である場合(S658でno)、また、ステップ659において1加算後の励磁タイマの値が「0」でない場合(S659でno)、さらには、ステップ665において動作方向が「上」でも「下」でもない場合(S665でno)には、ステップ670へジャンプする。
これにより、「下」方向への移動の場合、現在のステップカウンタがMAX(12)になるまでステップカウンタが加算されると共に、励磁カウンタが加算され、「上」方向への移動の場合、現在のステップカウンタが「0」になるまでステップカウンタが減算されると共に、励磁カウンタが減算される。
ステップ670では、図32に示すように、動作シナリオ内のタイマーチェックが必要な動作かどうか判断する。そして、タイマーチェックが必要のある動作、即ち、「上」方向への動作であれば(S670でyes)、まず、サイド電飾用モータ83Lの位置センサ85LがOFFかどうか判断する(S671)。
位置センサ85LがOFFであれば(S671でyes)、即ち、サイド電飾体62Lが退避位置まで到達していない場合、待機カウンタ1の値が0かどうか判断する(S672)。そして、待機カウンタ1の値が0であれば(S672でyes)、サイド電飾体62Lと電飾体62Rの動きがズレていないので、励磁カウンタに基づいてサイド電飾用モータ83Lの励磁制御データを「モータデータα」にセットする(S677)。一方、待機カウンタ1の値が0でなければ(S672でno)、サイド電飾体62Rに対してサイド電飾体62Lの動きが速くズレているので、サイド電飾体62Lの駆動を待機させるため、サイド電飾用モータ83Lの励磁制御データを「モータデータα」にセットすることなく待機カウンタ1を−1して(S673)、ステップ678へ進む。
ステップ671において、位置センサ85LがONであれば(S671でno)、続いて、サイド電飾用モータ83Rの位置センサ85RがOFFかどうか判断する(S674)。位置センサ85RがOFFであれば(S674でyes)、サイド電飾体62Lが退避位置まで到達してサイド電飾体62Rが退避位置まで到達していない状態、即ち、サイド電飾体62Rに対してサイド電飾体62Lの動きが速くズレた状態であるので、ズレカウンタ1を+1して(S675)ステップ678へ進む。ステップ674において、位置センサ85RがONであれば(S674でno)、サイド電飾体62L及びサイド電飾体62Rが両方とも退避位置に到達し、サイド電飾体62Lとサイド電飾体62Rの位置が合った状態であるので、この時点でのズレカウンタ1の値を待機カウンタ1に更新セット(加算)すると共にズレカウンタ1のリセット処理をして(S676)、ステップ678へ進む。
続いて、ステップ678において、サイド電飾用モータ83Rの位置センサ85RがOFFかどうか判断する。位置センサ85RがOFFであれば(S678でyes)、即ち、サイド電飾体62Rが退避位置まで到達していない場合、待機カウンタ2の値が0かどうか判断する(S679)。そして、待機カウンタ2の値が0であれば(S679でyes)、サイド電飾体62Lと電飾体62Rの動きがズレていないので、励磁カウンタに基づいてサイド電飾用モータ83Rの励磁制御データを「モータデータα」にセットする(S684)。一方、待機カウンタ2の値が0でなければ(S679でno)、サイド電飾体62Lに対してサイド電飾体62Rの動きが速くズレているので、サイド電飾体62Rの駆動を待機させるため、サイド電飾用モータ83Rの励磁制御データを「モータデータα」にセットすることなく待機カウンタ2を−1して(S680)、ステップ685へ進む。
ステップ678において、位置センサ85RがONであれば(S680でno)、続いて、サイド電飾用モータ83Lの位置センサ85LがOFFかどうか判断する(S681)。位置センサ85LがOFFであれば(S681でyes)、サイド電飾体62Rが退避位置まで到達してサイド電飾体62Lが退避位置まで到達していない状態、即ち、サイド電飾体62Lに対してサイド電飾体62Rの動きが速くズレた状態であるので、ズレカウンタ2を+1して(S682)ステップ685へ進む。ステップ681において、位置センサ85LがONであれば(S681でno)、サイド電飾体62L及びサイド電飾体62Rが両方とも退避位置に到達し、サイド電飾体62Lとサイド電飾体62Rの位置が合った状態であるので、この時点でのズレカウンタ2の値を待機カウンタ2に更新セット(加算)すると共にズレカウンタ2のリセット処理をして(S676)、ステップ678へ進む。
つまり、一方のサイド電飾体62が先に退避位置に到達した場合、その時点から他方のサイド電飾体62が退避位置に到達するまで、2msec毎の経過周期回数が、ズレカウンタにカウントアップされる。そして、両サイド電飾体62,62が退避位置に到達したとき、ズレカウンタの値を待機カウンタに更新セット(加算)すると共にズレカウンタをリセットする。これによって、待機カウンタには、ズレカウンタによって計測されたサイド電飾体62,62間のズレが積算されていく。なお、上記ステップ676及びS683でセットするズレカウンタの値が、本発明の「ズレ移動量」に相当し、上記ステップ676及びS683で更新セットされる待機カウンタの値が、本発明の「ズレ補正データ」に相当する。
詳細には、サイド電飾体62Lが先に退避位置に到達した場合には、ズレカウンタ1及び待機カウンタ1が加算又は減算され、逆に、サイド電飾体62Rが先に退避位置に到達した場合には、ズレカウンタ2及び待機カウンタ2が加算又は減算される。
そして、両サイド電飾体62L,62Rが共に退避位置にない場合、待機カウンタの値が0であれば、サイド電飾用モータ83L,83Rの励磁制御データを「モータデータα」にセットし、待機カウンタの値が0でなければ、待機カウンタの値が0になるまで2msec毎にカウントダウンする。つまり、待機カウンタ1が0でない間は、サイド電飾用モータ83Lの励磁制御データが「モータデータα」にセットされず、待機カウンタ2が0でない間は、サイド電飾用モータ83Rの励磁制御データが「モータデータα」にセットされない。
一方、ステップ670において、タイマーチェックの必要のない動作、即ち、「下」方向への動作又は「−(停止)」シナリオであれば(S670でno)、励磁カウンタに基づいてサイド電飾用モータ83L及びサイド電飾用モータ83Rの励磁制御データを「モータデータα」にセットして(S688)、ステップ685へジャンプする。
これにより、「下」方向への移動の場合、励磁カウンタに基づいてサイド電飾用モータ83L及びサイド電飾用モータ83Rの励磁制御データが「モータデータα」にセットされ、「上」方向への移動の場合、位置センサ85L及び位置センサ85Rと、励磁カウンタに基づいて、サイド電飾用モータ83L及びサイド電飾用モータ83Rの励磁制御データが「モータデータα」にセットされる。
なお、「励磁カウンタに基づいてサイド電飾用モータ83L又はサイド電飾用モータ83Rの励磁制御データを「モータデータα」にセットする」とは、例えば、励磁カウンタが[0]であれば、サイド電飾用モータ83Lの励磁制御データとして、励磁テーブル(図12参照)の[0]列目のモータ1の欄に設定されている「1100」が「モータデータα」にセットされ、サイド電飾用モータ83Rの励磁制御データとして、励磁テーブル(図12参照)の[0]列目のモータ2の欄に設定されている「1001」が「モータデータα」にセットされる。
ステップ685において、動作シナリオ内のコモンフラグがONかどうか判断する。コモンフラグがON(即ち、可動電飾役物61の動作中)であれば(S685でyes)、「コモンα」にサイド電飾用モータ83Lのコモン「0010」とサイド電飾用モータ83Rのコモン「0011」を格納し(S686)、コモンフラグがOFF(即ち、可動電飾役物61の動作が完了したか、「−(停止)」シナリオ)であれば(S687でno)、「コモンα」をクリアしてコモンをOFFにセットする(S687)。そして、モータコマンド監視処理(S552)から抜ける。
そして、モータコマンド監視処理(S552)で作成された「モータデータα」と「コモンα」が、前述したモータ出力処理(S551)で出力されて、サイド電飾用モータ83L及びサイド電飾用モータ83Rが励磁されて駆動される。つまり、動作シナリオ内の動作方向が「上」であれば、励磁テーブル(図12参照)のモータ1及びモータ2の欄に設定されている励磁制御データが、励磁カウンタ[0]→[3]→[2]→[1]→[0]・・・の順に「モータデータα」にセットされて、コモンフラグがONであれば「コモンα」がセットされるので、サイド電飾用モータ83Lは励磁されて左回りに回転し、サイド電飾用モータ83Rは励磁されて右回りに回転する。一方、動作シナリオ内の動作方向が「下」であれば、励磁テーブル(図12参照)のモータ1及びモータ2の欄に設定されている励磁制御データが、励磁カウンタ[0]→[1]→[2]→[3]→[0]・・・の順に「モータデータα」にセットされて、コモンフラグがONであれば「コモンα」がセットされるので、サイド電飾用モータ83Lは励磁されて右回りに回転し、サイド電飾用モータ83Rは励磁されて左回りに回転する。
このとき、サイド電飾体62Lが先に退避位置に到達していた場合には、ズレ補正データ分、サイド電飾用モータ83Lの励磁制御データが「モータデータα」にセットされないので、ズレ補正データ分、駆動サイド電飾体62Lの動作が遅延される。換言すると、ズレ補正データ分、サイド電飾体62Rのみが先に駆動される。また、サイド電飾体62Rが先に退避位置に到達していた場合には、ズレ補正データ分、サイド電飾用モータ83Rの励磁制御データが「モータデータα」にセットされないので、ズレ補正データ分、駆動サイド電飾体62Rの動作が遅延される。換言すると、ズレ補正データ分、サイド電飾体62Lのみが先に駆動される。
即ち、サイド電飾体62L,62Rが同時に退避位置に到達するように、先に退避位置に到達したサイド電飾体62L又はサイト電飾体62R何れか一方の動作を遅延させて、サイド電飾体62L,62R間のズレ(進み)を補正してから、サイド電飾体62L,62Rを同時に駆動する。
これによって、経時変化等によって樹脂等が劣化することにより、出荷時に設定された動作データでは、サイド電飾用モータ83L,83Rによる可動電飾役物61の可動が予め設定された動作からズレた動作となって、可動電飾役物61がうまく稼動しないなどの不具合を避けることができる。
図28に示すように、2msタイマ割り込み処理(S55)では、モータコマンド監視処理(S552)に続いて、ウォッチドックタイマ処理(S553)が行われてウォッチドックタイマをクリアして、この処理(S55)を終了する。以上が2msタイマ割り込み処理(S55)の説明である。
10msタイマ割り込み処理(S56)は、図33に示されており、サブ制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。この処理(S56)では、まず、客待ち演出などの一定間隔で実行される演出を設定するループシナリオ再設定処理(S561)を実行する。続いて、コマンド監視処理(S562)を実行する。このコマンド監視処理(S562)は、サブ制御基板120がメイン制御基板110等の他の回路から受信割り込み処理で受信してバッファに蓄えられたコマンドの全てに対して行われ、コマンドの解析を行い、コマンドに対応した処理を行って、それぞれの制御回路に対して送信するコマンドを作成する。
具体的には、コマンド監視処理(S562)が実行されると、図34に示すように、まず、受信したコマンドが変動パターンコマンドであるか否かを判別し(S600)、変動パターンコマンドでない場合(S600でno)には、受信したコマンドに対応した処理(S601)を実行し、受信したコマンドが変動パターンコマンドであった場合(S600でyes)には、予告抽選処理(S602)を実行し、変動パターンや予告によりモータを動作するためのシナリオやタイマを設定する(S603)。そして、図柄選択処理(S604)にて、変動パターンコマンドに応じて、表示装置35に表示する特別図柄を決定して、この処理(S562)を抜ける。
具体的には、図柄選択処理(S604)では、確変当りであれば奇数ぞろ目、通常当りであれば偶数ぞろ目が選択される。そして、当りコマンドで無い場合には、リーチ変動パターンコマンドに応じて、リーチ変動パターンコマンドであれば、左ハズレ図柄用カウンタ(ラベル−TRND−SUB−B1)の値を取得し、リーチハズレ図柄作成テーブル(図36参照)に基づいて対応する左図柄、中図柄、右図柄が選択され、リーチ変動パターンコマンドでなければ、左ハズレ図柄用カウンタ(ラベル−TRND−SUB−B1)の値と、ハズレ図柄作成用カウンタ(ラベル−TRND−SUB−B2)の値を取得し、ハズレ図柄作成テーブル(図37参照)に基づいて対応する左図柄、中図柄、右図柄が選択される。
図33の10msタイマ割り込み処理(S56)において、コマンド監視処理(S562)に次いで、ランプ処理(S563)が実行される。この処理(S563)は、点灯させるランプの制御を行う。ランプ点灯フラグがONかどうか判断しONであれば出力するランプデータの作成及び演出時間の設定等を行う。
そして、ランプ処理(S563)に次いで、コマンド送信処理(S565)が実行される。この処理(S565)は、各制御回路にコマンド(従制御信号)の送信を行う。そして、10msタイマ割り込み処理(S56)から抜ける。図26に示すように、CPU121Aに割り込みパルスが入力するまで、ステップ53の処理が繰り返し実行され、割り込みパルスの入力を起因に受信割り込み処理(S54)が実行される。以上がサブ制御回路メインプログラムPG2の説明である。
[第2実施形態]
以下、本発明を適用したパチンコ遊技機10Vに係る一実施形態について、図12、及び図38,図39に示したフローチャートを参照しつつ、前記第1実施形態と異なる点のみ詳説する。
本実施形態のパチンコ遊技機10Vの動作を実現するため、本実施形態では、前記第1実施形態で使用した励磁テーブル(以下、「励磁テーブル0」と呼ぶ)の他に、図12に示すように、サイド電飾用モータ83Rの励磁制御データのみがセットされた「励磁テーブル1」と、サイド電飾用モータ83Lの励磁制御データのみがセットされた「励磁テーブル2」が設けられ、前記第1実施形態の情報処理の一部が異なる。
本実施形態のコマンド監視処理(S552)は、図31に示す前記第1実施形態のコマンド監視処理(S552)におけるステップ660とステップ661との間に、ステップ700〜704の処理が追加され(図38参照)、ステップ665とステップ666との間に、ステップ705の処理が追加されている(図38参照)。また、図32に示す前記第1実施形態のコマンド監視処理(S552)におけるステップ672、673、679、680が削除されている(図39参照)。
詳細には、図38に示すように、ステップ700において、待機カウンタ1は0かどうか判断し、0でなければ(S700でno)、待機カウンタ1を−1すると共に励磁テーブル1(図12参照)をセットする(S701)。一方、待機カウンタ1が0である場合(S700でyes)には、待機カウンタ2が0かどうか判断し(S702)、0でなければ(S702でno)、待機カウンタ2を−1すると共に励磁テーブル2(図12参照)をセットする(S703)。そして、待機カウンタ2が0である場合(S702でyes)には、励磁テーブル0(図12参照)をセットする(S704)。
なお、ステップ705においても、励磁テーブル0(図12参照)をセットする。
これにより、サイド電飾体62Lが先に退避位置に到達していた場合には、ズレ補正データ分、励磁テーブル1によってサイド電飾用モータ83Lの励磁制御データが「モータデータα」にセットされないので、ズレ補正データ分、駆動サイド電飾体62Lの動作が遅延される。換言すると、ズレ補正データ分、サイド電飾体62Rのみが先に駆動される。
また、サイド電飾体62Rが先に退避位置に到達していた場合には、ズレ補正データ分、励磁テーブル2によってサイド電飾用モータ83Rの励磁制御データが「モータデータα」にセットされないので、ズレ補正データ分、駆動サイド電飾体62Rの動作が遅延される。換言すると、ズレ補正データ分、サイド電飾体62Lのみが先に駆動される。
そして、補正によって又はもともと両サイド電飾体62L,62Rの間のズレがない状態(待機カウンタ1及び待機カウンタ2が共に0)と、「下」方向の動作の場合には、サイド電飾用モータ83L及びサイド電飾用モータ83Rの励磁制御データが設定されている励磁テーブル0がセットされて、サイド電飾体62L,62Rが同時に駆動される。
即ち、待機カウンタの値(即ち、ズレ補正データ)に応じて、励磁テーブルを変更することで、出力する励磁制御データを変更して、サイド電飾体62L,62R間のズレを補正する。これにより、データ処理が簡素化される。
なお、これら第1及び第2実施形態を概念化すると、以下[1]〜[21]の発明となる。
[1]複数の電気的駆動手段と、
前記複数の電気的駆動手段にて駆動されて、第1位置と第2位置との間を往復動可能な複数の演出用可動部材と、
前記電気的駆動手段を駆動制御する駆動制御手段を備えた遊技機において、
前記複数の演出用可動部材が前記第1位置に位置しているか否かを検出するための位置検出手段と、
前記複数の演出用可動部材を、前記第2位置から前記第1位置に移動する第1位置移動動作を行わせた際に、前記複数の位置検出手段の検出結果に基づき、前記複数の演出用可動部材の前記第1位置への到達タイミングのズレに応じたズレ補正データを生成するズレ計測手段と、
前記駆動制御手段に設けられ、前記第1位置移動動作を行わせた際に、前記複数の演出用可動部材が同一の到達タイミングで前記第1位置に到達するように、前記ズレ補正データを用いて補正するデータ補正手段とを備えたことを特徴とする遊技機。
[1]の構成とした場合、複数の演出用可動部材に第1位置移動動作を行わせた際に、複数の演出用可動部材の第1位置への到達タイミングが仮にズレても、そのズレに応じたズレ補正データを生成し、その後、第1位置移動動作を行わせた際には、複数の演出用可動部材が同一の到達タイミングで第1位置に到達するようにズレ補正データを用いて自動的に補正するので、質の高い可動演出を長期間に亘って維持することができる。
[2]前記駆動制御手段は、前記電気的駆動手段の駆動制御の処理を、予め設定されたデータ処理周期毎に行うように構成され、
前記ズレ計測手段は、前記第1位置移動動作を行わせた際に、何れか一の前記演出用可動部材が最初に前記第1位置に到達してから他の前記演出用可動部材が前記第1位置に到達する迄に経過した前記データ処理周期の経過周期回数を計測して、その経過周期回数の情報を含んだ前記ズレ補正データを生成し、
前記データ補正手段は、前記ズレ補正データの生成後に、前記第1位置移動動作を行わせた際に、前記他の演出用可動部材を始動してから、前記経過周期回数分、遅延させて、前記一の演出用可動部材を始動するように前記電気的駆動手段を駆動制御することを特徴とする[1]に記載の遊技機。
[2]の構成とした場合、駆動制御手段が電気的駆動手段の駆動制御の処理を行うデータ処理周期を利用してズレ補正データを生成し、そのズレ補正データを利用して補正を行うので、ソフト上の演算処理のみでズレ補正データを生成から補正までを行うことができる。
[3]前記複数の演出用可動部材の移動量を計測するための複数の移動量検出手段を備え、
前記ズレ計測手段は、前記第1位置移動動作を行わせた際に、何れか一の前記演出用可動部材が最初に前記第1位置に到達してから他の前記演出用可動部材が前記第1位置に到達する迄に移動したズレ移動量を前記移動量検出手段に計測して、そのズレ移動量の情報を含んだ前記ズレ補正データを生成し、
前記データ補正手段は、前記ズレ補正データの生成後に、前記第1位置移動動作を行わせた際に、前記他の演出用可動部材を前記ズレ移動量分移動してから、前記一の演出用可動部材を始動するように前記電気的駆動手段を駆動制御することを特徴とする[1]に記載の遊技機。
[3]の構成とした場合、電気的駆動手段の出力部における実際のズレ移動量を実測し、そのズレ移動量を利用して補正を行うので確実にズレを取り除く補正を行うことができる。
[4]前記複数の電気的駆動手段は、位置制御データに基づいて位置制御され、
前記複数の電気的駆動手段の間で、前記複数の演出用可動部材が連動して共に前記第2位置から前記第1位置に向かうように、前記位置制御データ同士を一義的に対応させたリンク状態にして記憶した位置制御データテーブルを備え、
前記駆動制御手段は、前記一義的に対応した複数の位置制御データ毎、前記位置制御データテーブルから前記位置制御データを順次取得して使用することで、複数の電気的駆動手段を連動させると共に、
前記ズレ計測手段は、前記第1位置移動動作を行わせた際に、前記複数の演出用可動部材が同一の到達タイミングで前記第1位置に到達するように、前記一義的に対応した位置制御データ群を、前記ズレ補正データを用いて補正することを特徴とする[1]乃至[3]のうち何れかに記載の遊技機。
[4]の構成とした場合、一義的に対応した複数の位置制御データ毎、位置制御データを使用して複数の電気的駆動手段に駆動制御することで、複数の演出用可動部材に一義的に対応した動作を行わせることができると共に、それらの動作中にも複数の演出用可動部材同士の位置を正確に対応させることができる。これにより、従来のような演出用可動部材同士の間の動作のズレが抑えられ、質の高い可動演出を行うことができる。また、位置制御データ同士の一義的な対応関係を変更して、位置制御データテーブルに記憶させることで、複数の電気的駆動手段同士の間の連動の態様を容易に変更することができる。これにより、電気的駆動手段の配置や電気的駆動手段から演出用可動部材への動力伝達機構に係る設計の自由度が高くなる。
[5]前記複数の位置制御データの一義的に対応関係が相互に異なる複数の前記位置制御データテーブルを備え、
前記データ補正手段は、前記ズレ補正データに応じて前記位置制御データテーブルを変更することで、前記一義的に対応した位置制御データ群を補正することを特徴とする[4]に記載の遊技機。
[5]の構成とした場合、位置制御データテーブルを変更して位置制御データ群を補正することができるので、データ処理が簡素化される。
[6]前記各電気的駆動手段毎の位置制御データ群は、前記各電気的駆動手段の出力部が所定位置から所定方向に移動するときの基準序列に複数連ねたシーケンスデータにして前記位置制御データテーブルに記憶され、
前記駆動制御手段は、前記各シーケンスデータの位置制御データ群を前記基準序列又はその逆の序列で順次使用して前記各電気的駆動手段の出力部を位置制御しながら前記所定方向又はその逆方向に移動させることを特徴とする[4]又は[5]に記載の遊技機。
[6]の構成とした場合、各電気的駆動手段の出力部を所定の方向に移動する場合に、移動途中における位置制御データを生成しなくても、位置制御データテーブルに記憶した各シーケンスデータの位置制御データ群を順次使用することで、各電気的駆動手段の出力部を位置制御しながら所定の方向に移動することができる。
[7]前記複数のシーケンスデータの各位置制御データ群を一律に前記基準序列で使用して前記複数の電気的駆動手段の出力部を一律に前記所定方向に移動させるか、又は、前記各位置制御データ群を一律に前記基準序列の逆の序列で使用して前記複数の電気的駆動手段の出力部を一律に前記所定方向と逆方向に移動させるか、又は、前記複数の電気的駆動手段の出力部を一律に停止するか、を決定するための方向指令データを、遊技の進行に伴って変化する可変データに対応させて記憶した指令データテーブルを備え、
前記駆動制御手段は、遊技の進行に応じて前記可変データを取得又は生成し、その可変データに対応した前記方向指令データを前記指令データテーブルから取得すると共に、前記方向指令データの序列で、前記一義的に対応した複数の位置制御データ毎、前記位置制御データテーブルから前記位置制御データを順次取得して使用するように構成されたことを特徴とする[6]に記載の遊技機。
[7]の構成とした場合、指令データテーブルに記憶した方向指令データに応じた序列で、一義的に対応した複数の位置制御データ毎、位置制御データを使用することで、複数の演出用可動部材をそれぞれ所定の方向に動作させることができる。即ち、1つの方向指令データを用いて、複数の演出用可動部材の動作方向を決定することができる。これにより、複数の演出用可動部材の動作方向を個別に決定する処理を行う場合に比べて、制御上の負荷が軽減される。
[8]前記位置制御に使用する前記位置制御データを他の前記位置制御データに更新する期間を決定するための更新期間指令データを、前記方向指令データに対応させて前記指令データテーブルに記憶したことを特徴とする[7]に記載の遊技機。
[8]の構成とした場合、指令データテーブルに記憶した更新期間指令データに応じて位置制御データを他の位置制御データに更新する期間を変更することで、複数の電気的駆動手段の出力部に移動速度を一律に変更することができる。
[9]前記駆動制御手段は、前記電気的駆動手段の出力部を移動又は所定の目標位置に位置決制御するために前記電気的駆動手段に通電する駆動通電モードと、前記電気的駆動手段の出力部を現在位置に保持するために前記駆動通電モード時より小さい電流を前記電気的駆動手段に通電する停止通電モードとに切り替え可能に構成されたことを特徴とする[7]又は[8]に記載の遊技機。
[9]の構成とした場合、電気的駆動手段の出力部を移動又は目標位置に位置決制御するために電気的駆動手段に通電する駆動通電モードと、電気的駆動手段の出力部を現在位置に保持するために駆動通電モード時より小さい電流を電気的駆動手段に通電する停止通電モードとに切り替えて可能であるので、電気的駆動手段の停止時における消費電力を抑えることができる。
[10]前記駆動制御手段は、前記演出用可動部材を前記第2位置から前記第1位置に移動させるときに、前記演出用可動部材に対応した前記電気的駆動手段に前記駆動通電モードで通電を開始し、前記位置検出手段によって前記演出用可動部材が前記第1位置に到達したことを検出したときに、前記停止通電モードに切り替えて前記電気的駆動手段に通電することを特徴とする[9]に記載の遊技機。
[10]の構成とした場合、演出用可動部材を第2位置から第1位置に移動した後、位置検出手段によって演出用可動部材が第1位置に到達したことを検出したときに停止通電モードに切り替えて、消費電力を抑えることができる。
[11]前記指令データテーブルには、前記複数の電気的駆動手段の出力部の移動目標位置を決定した移動目標データが、前記方向指令データに対応させて記憶され、
前記駆動制御手段は、前記電気的駆動手段の出力部を前記移動目標データに応じた前記移動目標位置へと移動させるときに、前記電気的駆動手段に前記駆動通電モードで通電を開始し、前記移動目標位置に対応した前記位置制御データを使用して前記駆動制御手段の出力を位置決め制御した後で、前記停止通電モードに切り替えて前記電気的駆動手段に通電することを特徴とする[9]又は[10]に記載の遊技機。
[11]の構成とした場合、位置検出手段を用いずに、電気的駆動手段の出力部の停止時に確実に停止通電モードに切り替えて、消費電力を抑えることができる。
[12]遊技の進行に伴って所定条件が成立した時点から予め定められた設定時間経過までを複数の分割期間に分割し、それら各分割期間を前記可変データとしたことを特徴とする[9]乃至[11]のうち何れかに記載の遊技機。
[12]の構成とした場合、遊技の進行に伴って所定条件が成立した時点から予め定められた設定時間経過までを複数の分割期間に分割して、それら各分割期間毎に複数の演出用可動部材に異なる動作を行わせることができる。
[13]前記駆動通電モードで前記電気的駆動手段に連続通電可能な上限通電時間が予め定められ、
前記駆動制御手段は、前記上限通電時間より長い前記分割期間中は、前記駆動通電モードで前記電気的駆動手段に連続通電した時間が前記上限通電時間に達したときに前記停止通電モードに切り替えるように構成されたことを特徴とする[12]に記載の遊技機。
[13]の構成とした場合、駆動通電モードによる連続通電時間が上限通電時間に達したときに停止通電モードに切り替えるので、電気的駆動手段を過負荷による発熱から保護することができる。
[14]前記駆動制御手段は、前記第1位置移動動作を行わせて、前記複数の演出用可動部材の前記第1位置への到達タイミングがズレた場合には、前記第1位置に到達した前記演出用可動部材の順に、前記電気的駆動手段への通電を前記駆動通電モードから前記停止通電モードに切り替えることを特徴とする[13]に記載の遊技機。
[14]の構成とした場合、複数の演出用可動部材を第2位置から第1位置に向かわせた場合に、それら複数の演出用可動部材の間の位置ズレが生じて、何れかの電気的駆動手段が待機状態になっても、第1位置に先に到達した演出用可動部材の順に、電気的駆動手段への通電を駆動通電モードから停止通電モードに切り替えるので、その待機状態の電気的駆動手段の負荷を軽減することができる。
[15]前記演出用可動部材及び位置検出手段の数は、2つであり、
前記位置検出手段は、前記演出用可動部材が前記第1位置に位置しているか否かによって異なる数値を出力するように構成され、
前記1対の位置検出手段が出力した数値の和である加算数値データを演算する検出データ処理手段と、
前記加算数値データに基づいて、前記1対の演出用可動部材の両方が前記第1位置に位置しているか、一方のみが前記第1位置に位置しているか、他方のみが前記第1位置に位置しているか、両方が前記第1位置に位置していないかを、判別する判別手段とを、前記駆動制御手段に備えたことを特徴とする[14]に記載の遊技機。
[15]の構成とした場合、1対の位置検出手段が出力した数値の和である加算数値データに基づいて、1対の演出用可動部材の両方が第1位置に位置しているか、一方のみが第1位置に位置しているか、他方のみが第1位置に位置しているか、両方が第1位置に位置していないかの4つの状態を判別することができ、データ処理の簡素化が図られる。
[16]前記複数の電気的駆動手段には、互いに逆向きに回転するように前記位置制御データ同士を一義的に対応させた第1と第2のモータが含まれていることを特徴とする[1]乃至[15]のうち何れかに記載の遊技機。
[16]の構成とした場合、第1と第2のモータを互いに逆向きに連動回転させることができると共に、その際の第1と第2のモータの間の動作のズレを抑えて、質の高い可動演出を行うことができる。
[17]前記複数の電気的駆動手段として第1と第2のモータを設けると共に、前記第1のモータによって回転駆動される第1の演出用可動部材と、前記第2のモータによって回転駆動される第2の演出用可動部材とを、左右対称に配置して設け、
前記第1と第2の演出用可動部材が互いに対称回動するように前記第1と第2の前記位置制御データ同士を一義的に対応させたことを特徴とする[1]乃至[15]のうち何れかに記載の遊技機。
[17]の構成とした場合、第1と第2のモータを連動回転させることができると共に、その際の第1と第2のモータの間の動作のズレを抑えることができる。そして、それら第1と第2のモータによって第1と第2の演出用可動部材を対称回動させるので、第1と第2の演出用可動部材の対称性を正確に維持して、質の高い可動演出を行うことができる。
[18]遊技機の前後方向を向いた1対のメイン回動軸を中心に回動する前記第1及び第2の演出用可動部材としての1対のメインリンクと、
前記各メインリンクに備えた前記メイン回動軸と平行なサブ回動軸回りにそれぞれ回動可能に連結されて前記1対のメインリンクの間を連絡し、少なくとも一方の前記サブ回動軸の回転支持部が長孔構造になって前記1対のメインリンクの回動に伴った前記サブ回動軸同士の接近と離間とを吸収可能な中継リンクとを設けたことを特徴とする[17]に記載の遊技機。
[18]の構成とした場合、1対のメインリンクの対称性を正確に維持して、それら1対のメインリンクを回動することができる。これにより、1対のメインリンクとそれらの間を連絡する中継リンクの姿勢が安定して、1対のメインリンクを駆動する各モータへの負荷も安定し、1対のメインリンク及び中継リンク全体の動作が安定する。
[19]前記1対のメインリンクは、前記各メイン回動軸と直交する方向に延びたアーム構造をなしていることを特徴とする[18]に記載の遊技機。
[19]の構成とした場合、1対のメインリンクは、各メイン回動軸と直交する方向に延びたアーム構造になっているので、それら1対のメインリンクの回動角度の変化を明確に視認することができ、正確に対称性が維持されていることを示すことができる。
[20]当否判定条件の成立に基づいて当否を判定する当否判定手段と、
前記当否判定手段の当否判定結果を表示する表示画面を有した表示手段とを備え、
前記第1演出用可動部材及び前記第2演出用可動部材の可動領域を、前記表示画面に対して前側に重なるように配置したことを特徴とする[17]乃至[19]のうち何れかに記載の遊技機。
[21]前記第1及び第2の演出用可動部材は、それらの各可動領域の一端側の第1位置に配置したときに前記表示画面に重なる位置から外れ、前記各可動領域の前記第1位置から他端側の第2位置に作動したときに前記表示画面に重なるように配置されると共に、前記第1及び第2の演出用可動部材の動作方向に、前記表示画面をスクロールすることを特徴とする[20]に記載の遊技機。
[20]及び[21]の構成とした場合、第1と第2の演出用可動部材の動作と、表示画面に表示される表示内容とを関連させた演出を行うことができ、遊技の趣向性が向上する。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)本実施例では、サイド電飾用モータ83に、ステッピングモータを用いたが、サーボモータや直動モータ、リニアモータでもよい。
(2)例えば、一方のサイド電飾用モータ83が右に3回転する間に他方のサイド電飾用モータ83が左に1回転するなど、サイド電飾用モータ83,83の回転速度の異なる励磁テーブルに切り換えることで、サイド電飾体62,62のズレを補正してもよい。
(3)また、サイド電飾用モータ83の回転角を計測する位置センサ85を設けて、サイド電飾体62,62のズレ移動量を計測すると共に、そのズレ移動量を回転角度に変換してサイド電飾体62,62のズレを補正してもよい。