以下に、本発明の好適な実施形態について図面を参照して説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることは無論である。
図1に示す通り、本実施形態における弾球遊技機としてのパチンコ機10は、大きくは長方形の外枠11と前面枠12とからなり、外枠11の左隣に公知のプリペイドカードユニット4が設けられている。前面枠12は、左端上下のヒンジ14、14により外枠11に対し回動可能に取り付けられている。前面枠12の下方には上皿15が設けられ、この上皿15の上面に貸出釦16、精算釦17及び残高表示部18が設けられている。プリペイドカードユニット4のカード口19にプリペイドカードを挿入すると、記憶された残高が残高表示部18に表示され、貸出釦16を押下すると遊技球の貸出しが実行され上皿15の払い出し口より遊技球が排出される。前面枠12には、窓状の金枠20が前面枠12に対して解放可能に取り付けられている。この金枠20には板ガラス21が二重に嵌め込まれている。板ガラス21の奥には遊技盤22が収納されている。上皿15の前面枠12下部には、下皿23が設けられ、下皿23の右側には発射ハンドル13が取り付けられている。この発射ハンドル13の外周には、回動リング9が擁され、これを時計方向に回動すれば遊技球を遊技盤22上に発射することができる。上皿15と下皿23とは連結されていて、上皿15が遊技球で満杯状態になれば下皿23に遊技球を誘導するよう構成されている。
図2はパチンコ機10の裏面図であり、前述した遊技盤22を脱着可能に取り付ける機構盤26が前述した外枠11に収納されている。この機構盤26には、上方から、球タンク27、誘導樋28及び払出し装置29が設けられている。この構成により、例えば、遊技盤22上の第1特別図柄始動口35a、又は第2特別図柄始動口35b(図3参照)に遊技球の入賞があれば球タンク27から誘導樋28を介して所定個数の遊技球を払出し装置29により前述した上皿15に排出することができる。
機構盤26には、脱着可能である主制御基板30及び払出制御基板31、前面枠12左下部に発射制御基板32、主制御基板30の上側に演出図柄制御装置33、該演出図柄制御装置33の左部に外部接続端子基板34が、各々取り付けられている。尚、機構盤26を中心とした遊技球の払い出し等に関する構造は従来の構成と同様なのでその詳細な説明は割愛する。
図3を用いて遊技盤22について説明する。遊技盤22には、中央部に、演出図柄表示装置としてのLCDパネルユニット(以下、「LCD」という。)33a、7セグメントにて特別図柄を表示させる為の特別図柄表示装置33b、LEDにて普通図柄を表示させる為の普通図柄表示装置33c、図柄表示装置窓枠33d、特別図柄保留記憶LED36、普通図柄保留記憶LED37等が設けられている。これらのLCD33a、特別図柄表示装置33b、普通図柄表示装置33c、図柄表示装置窓枠33d、特別図柄保留記憶LED36、普通図柄保留記憶LED37等は、1つの役物として集約して構成している。その下部には、特別図柄及び演出図柄の変動を開始させる為の第1特別図柄始動口35a、第2特別図柄始動口35bが設けられている。第2特別図柄始動口35b上の上部には、羽根部材35cが設けられている。第1特別図柄始動口35a、第2特別図柄始動口35b下部には大入賞口38、LCD33aの左部には普通図柄の変動を開始させる為の普通図柄作動口40、各入賞口(図示せず)、風車42及び43、並びに遊技釘44等が備えられている。これらの構成により、前述した発射ハンドル13の回動リング9を回動すれば(図1参照)、発射制御基板32(図2参照)により駆動される図7にて後述する発射モータ32aが駆動されて上皿15上の遊技球がガイドレールを介して遊技盤22上に発射される。発射された遊技球が第1特別図柄始動口35a等に入賞すれば遊技球は盤面裏面にセーフ球として取り込まれ、入賞しなければアウト口45を介してアウト球として同様に遊技盤22の盤面裏面に取り込まれる構成である。
本実施形態において、普通図柄表示装置33cに表示される普通図柄及び特別図柄表示装置33bに表示される特別図柄の変動制御は、主制御基板30が行い、LCD33a上に表示される演出図柄及び背景等の画像の変動制御は、主制御基板30から送られる図柄情報や変動パターン情報等のコマンドを基に演出図柄制御装置33が行う構成となっている。このように、主制御基板30ではなく演出図柄制御装置33でLCD33a上の画像を変動制御させることで、主制御基板30にかかる処理負担を軽くすることが出来る。ここで、演出図柄変動の際には、主制御基板30が演出図柄制御装置33に図柄情報や変動パターン情報等のコマンドを送信するが、このコマンドは簡素なものなので、主制御基板30にとって大きな負担にはならない。即ち、演出図柄は、主制御基板30の処理負担軽減の為に設けられたものである。特別図柄は、遊技規則により表示させなければならないと規定されているので、便宜上設けられたものである。尚、前述したように演出図柄の変動制御は演出画像制御装置33が行うが、演出図柄の変動開始、及び変動終了を制御するのは主制御基板30である。
本実施形態において、遊技者が特別図柄の表示を見ることで大当り結果を認識する構成よりも、主にLCD33a上にて表示される演出図柄の表示を見ることで、大当り結果を認識する構成とすることが好ましい。この構成は、図3に示すように、LCD33aを遊技者に認識させやすいように遊技盤22面上の中央部に配置し、特別図柄表示装置33bは小さいものを採用することで実現可能である。この構成とした場合、図3に示すように特別図柄表示装置33b上の特別図柄を7セグメントにて一桁で表示する態様とし、特別図柄においては、いわゆるリーチ等が発生しないようにすることが好ましい。また、演出図柄及び特別図柄は連動して変動を開始することになっており、連動して変動が開始された演出図柄及び特別図柄の最終的な図柄確定による大当り結果は同じ態様で表示される。前述のように、特別図柄及び演出図柄は連動して変動するので、その変動開始タイミング、変動終了タイミングは同時に行なわれ、よってその変動時間も同じである。尚、変動開始タイミング、変動終了タイミングを全く同時に行う構成に限らず、演出図柄、特別図柄の変動開始タイミング及び変動終了タイミングを前回の図柄変動や次回の図柄変動と重ならない範囲であれば、ずらして行っても良い。演出図柄、特別図柄の変動開始タイミングは主制御基板30に格納されている保留記憶が一つ読み込まれる毎に行なわれるが、主制御基板30内に格納された保留記憶が1つも無い場合には、第1特別図柄始動口35a、又は第2特別図柄始動口35bに遊技球が入球したと同時に行なわれる。尚、始動口の形状は、図3に挙げる第1特別図柄始動口35a、又は第2特別図柄始動口35bの形状に限定されるわけではない。
図3に示すように、第1特別図柄始動口35a、第2特別図柄始動口35bは上下に対で形成されており、これにより遊技盤22上の設置スペースを小さくすることが出来る。しかし、この構成に限るわけではなく、第1特別図柄始動口35a、及び第2特別図柄始動口35bを個別に設けても良いし、左右に設けても良い。また、本実施形態では、羽根部材を有していない第1特別図柄始動口35aを羽根部材35cを有している第2特別図柄始動口35bより上部に設けることにより、第1特別図柄始動口35aへの入球が下に設けられた第2特別図柄始動口35bの羽根部材35cによって妨げられることを防止している。第1特別図柄始動口35a、又は第2特別図柄始動口35bに遊技球が入球したときの大当り抽選確率は共に同じ確率に設定されている。また、第1特別図柄始動口35aに遊技球が入球したときに払い出される賞球数は3個、第2特別図柄始動口35bに遊技球が入球したときに払い出される賞球数は4個となっている。本実施形態では、通常確率状態には、羽根部材35cの開放時間を短くすることで、第2始動口35bに遊技球が入球し難くし、高確率状態時には、羽根部材35cの開放時間を長くすることで、遊技球が入球し易くし、また、第1始動口35aに入球した時に払い出される賞球数(3個)より、第2始動口35bに入球した時に払い出される賞球数(4個)が多くなるように設定することで、通常確率状態をより不利な状態とさせつつ、高確率状態を遊技者にとってより有利な状態にしている。
また、普通図柄作動口40を遊技球が通過することにより変動が開始される普通図柄が当選した場合には、第2特別図柄始動口35b上の上部に設けられた羽根部材35cが開放する構成となっている。尚、本実施形態において、演出図柄表示装置としてLCD(液晶表示器)33aを使用する構成としたが、これに限定されず、CRT表示器、LED表示器、プラズマ表示器を使用する構成としても良い。
図4(a)、(b)を用いて、一対形成された第1特別図柄始動口35a及び第2特別図柄始動口35bについて詳細に説明する。図4(a)は、一対形成された第1特別図柄始動口35a及び第2特別図柄始動口35bの正面図を表したものであり、図4(b)は図4(a)のA−A断面図を表したものである。第1特別図柄始動口35aの開口部35eに入球した遊技球F1が誘導される傾斜状の第1誘導路35gと、第2特別図柄始動口35bの開口部35fに入球した遊技球F2が誘導される傾斜状の第2誘導路35hが上下に別々に設けられている。第1誘導路35g及び第2誘導路35hは、垂直方向に延長する共通路35iに連通している。第1誘導路35gと共通路35iとの接合部に賞球払出用球検出センサ35jが、共通路35iの下端部に乱数取得用球検出センサ35kが設けられている。なお、賞球払出用球検出センサ35j及び乱数取得用球検出センサ35kは共通路の壁に貫通孔を設け、貫通孔に固定されるものであり、また、遊技球の通過を検出する通過検出センサの構造を備えたものであり、その構造或いは壁への取付構造等については従来技術に従う。
図4(a)、(b)において、第1特別図柄始動口35aの開口部35eに遊技球F1が入球してから、乱数取得用球検出センサ35kに到着するまでの時間と、第2特別図柄始動口35bの開口部35fに遊技球F2が入球してから、乱数取得用球検出センサ35kに到着するまでの時間は共に実質的に同時間(ここでは、約500msec)に設定されている。ここでいう「実質的に同一時間」とは、多少の時間差は含まれることになるが、この時間差は、始動口に遊技球が入球した順番通りに、該入球した遊技球が乱数取得用球検出センサ35kを通過する範囲内の時間差である。即ち、この時間差により、始動口に遊技球が入球した順番通りに、該入球した遊技球が乱数取得用球検出センサ35kを通過しないといった事態が生じることはない。
このように、上下方向に設けられている2つの第1特別図柄始動口35aの開口部35e、又は第2特別図柄始動口35bの開口部35fに遊技球が入球してから、該遊技球が乱数取得用球検出センサ35kに到着するまでの時間を実質的に同一にする為に、本実施形態では、水平方向に対しての第1誘導路35gの傾斜角度より、第2誘導路35hの傾斜角度を鋭角に設定してある。即ち、図4(b)に示すように、上側に設けられた第1特別図柄始動口35aに対応した第1誘導路35gの垂直方向からの傾斜角度を70°に設定し、下側に設けられた第2特別図柄始動口35bに対応した第2誘導路35hの垂直方向からの傾斜角度を81°に設定している。即ち、上側に設けられた第2誘導路35hの水平方向からの傾斜角度(9°)が、下側に設けられた第1誘導路35gの水平方向からの傾斜角度(20°)より鋭角になっている。その結果、第1誘導路35gを通過する遊技球の移動速度が、第2誘導路35hを通過する遊技球の移動速度より大きくなる。この構成により、内部構造を複雑にすることなく、上下方向に設けられた始動口35a,35bから乱数取得用球検出センサ35kに到達するまでの時間を実質的に同一にすることが出来る。また、入球した始動口35a,35bの開口部35e,35fの相違により、遊技球が入球してから乱数取得用球検出センサ35kに到着するまでの時間のタイムラグを抑制することが出来る。その結果、遊技者にとって公正な遊技機を提供することが出来る。なお、第1誘導路35g及び第2誘導路35hの傾斜角度は、図4(b)で説明した角度に限定されず、適宜調整可能である。
図4(a)、(b)に示すように、第1特別図柄始動口35aの開口部35eに入球した遊技球F1は、第1誘導路35g、賞球払出用球検出センサ35j、共通路35i、乱数取得用球検出センサ35kの順番に通過する。第2特別図柄始動口35bの開口部35fに入球した遊技球は、第2誘導路35h、共通路35i、乱数取得用球検出センサ35kの順番に通過する。
図5に示す変形例1の構成では、第1特別図柄始動口35a、又は第2特別図柄始動口35bに遊技球が入球してから、乱数取得用球検出センサ35kに到着するまでの時間が約500msecであること、第1誘導路35g、及び第2誘導路35hの傾斜角度は図4(b)等の構成と共通であるが、第1特別図柄始動口35aに入球した遊技球F1が賞球払出用球検出センサ35jを通過せずに乱数取得用球検出センサ35kを通過し、第2特別図柄始動口35bに入球した遊技球F2が賞球払出用球検出センサ35j及び乱数取得用球検出センサ35kを通過する点が異なっている。
図5において、第1特別図柄始動口35aの開口部35eに入球した遊技球F1は、第1誘導路35g、共通路35i、乱数取得用球検出センサ35kの順番に通過する。第2特別図柄始動口35bの開口部35fに入球した遊技球F2は、第2誘導路35h、賞球払出用球検出センサ35j、共通路35i、乱数取得用球検出センサ35kの順番に通過する。
尚、図4、図5において、第1、第2特別図柄始動口35a、35bに遊技球F1、F2が入球してから、乱数取得用球検出センサ35kに到着するまでの時間は共に約500msecとしたが、これは、遊技球F1,F2の中心が第1、又は第2特別図柄始動口35a、35bの開口部35e,35fに到達してから、遊技球F1,F2の中心が乱数取得用球検出センサ35kに到達するまでの時間とするのが好ましい。後述、図6も同様である。
図6に示す変形例2は、図4(b)に示した第1特別図柄始動口35a及び第2特別図柄始動口35bの内部構造に置き換えて、次の内部構造を持つ構成としたものである。即ち、図6の構成では、共通路35iを除去し、遊技球F1,遊技球F2の経路を分離して独立構成にするとともに、各経路に乱数取得用球検出センサ35m、35nを設け、そして、第1特別図柄始動口35aの開口部35eから第1乱数取得用球検出センサ35mまでの距離、及び第2特別図柄始動口35bの開口部35fから第2乱数取得用球検出センサ35nまでの距離を約40mmに設定し、更に賞球払出しの態様を変更したものである。第1特別図柄始動口35aの開口部35eに入球した遊技球F1は、第1誘導路35gを通り、第1乱数取得用球検出センサ35mを通過する。第1特別図柄始動口35aに遊技球F1が入球してから、第1乱数取得用球検出センサ35mに到着するまでの時間は約500msecとなっている。
また、第2特別図柄始動口35bの開口部35fに入球した遊技球F2は、第2誘導路35hを通り、第2乱数取得用球検出センサ35nを通過する。第2特別図柄始動口35bに遊技球F2が入球してから、第2乱数取得用球検出センサ35nに到着するまでの時間は約500msecとなっている。図6の構成では、前記の距離を40mmに設定することで、第1特別図柄始動口35aに遊技球が入球してから第1乱数取得用球検出センサ35mに到着するまでの時間、及び第2特別図柄始動口35bに遊技球が入球してから第2乱数取得用球検出センサ35nに到着するまでの時間を約500msecと実質的に同一に設定している。更に図6に示す変形例2の構成においては、従来の特別図柄始動口を1個だけ設けた弾球遊技機と比較して、制御が複雑化する可能性があるが、入球した始動口35a,35bの相違により発生する、遊技球が入球してから乱数取得用球検出センサ35m,nに到着するまでの時間のタイムラグを抑制することが出来る。
尚、ここでは、前記距離を約40mmとしたが、この距離に限定されるわけではなく、始動口の開口部から乱数取得用球検出センサまでの距離は近ければ近いほど良い。また、図4(b)、図5、図6では、本来は第2特別図柄始動口35bに設けられた羽根部材35cを駆動させるための駆動装置(ソレノイド、プランジャ、クランプ等)が設けられているが、ここでは省略している。
次に前述したパチンコ機10の電気的構成を図7のブロック図を用いて説明する。パチンコ機10の電気回路は、図示する通り、主制御基板30、払出制御基板31、発射制御基板32、サブ統合基板46等から構成されている。尚、この回路図には、信号の受け渡しを行うための所謂中継装置などは記載していない。
主制御基板30は、遊技制御プログラムを記憶したROM、演算等を行うCPU、演算等の作業領域として働くRAM等を内蔵した8ビットワンチップマイコンを中心とした論理演算回路として構成され、この他各基板又は各種スイッチ類および各種アクチュエータ類との入出力を行うための外部入出力回路も設けられている。主制御基板30の入力側には、満タンスイッチ47、球切れスイッチ48、賞球払出用球検出センサ35j、乱数取得用球検出センサ35k、普通図柄作動口スイッチ40a、Vスイッチ38a、カウントスイッチ38b、各入賞口スイッチ49、賞球払い出しスイッチ31a等が接続されている。また、主制御基板30の出力側には、大入賞口ソレノイド38c、Vソレノイド38d、普通電動役物ソレノイド35d、サブ統合基板46、試験信号端子52および盤用外部接続端子53、特別図柄表示装置33b、普通図柄表示装置33c等が接続されている。また、盤用外部接続端子53はホールメインコンピュータ54と接続され、主制御基板30から出力された情報をホールメインコンピュータ54へと出力している。尚、図7に示すブロック図は、図4(b)、図5の構成に対応するものとなっている。図6の構成においては、図7に示す賞球払出用球検出センサ35j及び乱数取得用球検出センサ35kに代わって、第1、第2乱数取得用球検出センサ35m,35nが主制御基板30の入力側に接続されることになる。
前述の満タンスイッチ47は下皿23内、球切れスイッチ48は球タンク27内、賞球払出用検出センサ35j、及び乱数取得用球検出センサ35kは第1特別図柄始動口35a、及び第2特別図柄始動口35b内、普通図柄作動口スイッチ40aは普通図柄作動口40内、Vスイッチ38aは大入賞口38内、同じくカウントスイッチ38bは大入賞口38内、各入賞口スイッチ49は各入賞口内、賞球払い出しスイッチ31aは払い出し装置29内に各々接続されている。
ここで、満タンスイッチ47は下皿23内に遊技球が満タン状態になったことを、球切れスイッチ48は球タンク27内に遊技球が存在しないことを、乱数取得用球検出センサ35kは第1特別図柄始動口35a、又は第2特別図柄始動口35b内に遊技球が入球したことを、普通図柄作動口スイッチ40aは普通図柄作動口40を遊技球が通過したことを、Vスイッチ38aは遊技球が大入賞口38内の特定領域を通過したことを、カウントスイッチ38bは大入賞口38内に入球する全ての遊技球を、を各々検出するためのものである。
主制御基板30の出力側に接続された大入賞口ソレノイド38cは大入賞口38、Vソレノイド38dは大入賞口38内の特定領域、普通電動役物ソレノイド35dは羽根部材35c、の各々の開閉に使用するものである。更に、主制御基板30の出力側には、特別図柄表示装置33b、普通図柄表示装置33cが接続されており、主制御基板30が前述の特別図柄表示装置33b、普通図柄表示装置33cの各々に表示される特別図柄及び普通図柄を表示制御することになっている。このとき、主制御基板30が特別図柄表示装置33bに対して、特別図柄の変動時間情報を含むコマンドを出力することで、特別図柄表示装置33bに表示される特別図柄を変動制御する構成とすることが好ましい。
払出制御基板31は、出力側に球貸ソレノイド31b、賞球モータ31c、枠用外部接続端子55、発射制御基板32が接続され、入力側に主制御基板30、賞球払い出しスイッチ31a、球貸しセンサ31dが接続されている。またプリペイドカードユニット4およびCR精算表示装置56が双方向通信可能に接続されている。
払出制御基板31は、遊技者に貸球としての遊技球を払い出し、該払い出した貸球としての遊技球を球貸センサ31dにより検出し、更に乱数取得用球検出センサ35kにより第1特別図柄始動口35a等に遊技球の入賞が検知された場合には、主制御基板30からの指令コマンドに従って賞球モータ31cを駆動制御して遊技者に入賞した始動口に対応した賞球数を払い出すと共に、前述したプリペイドカードユニット4およびCR精算表示装置56等も制御するものであり、マイクロコンピュータを用いた論理演算回路として構成しても良いし、ディスクリートな回路として構成しても良い。CR精算表示装置56は、下皿23の貸出釦16、精算釦17および残高表示部18等(図1参照)と接続されたものである。
払出制御基板31は主制御基板30からの指令に従って賞球としての遊技球を払い出すが、この遊技球が払い出されているか否かの検知は、賞球払い出しスイッチ31aにより主制御基板30および払出制御基板31の双方で行っている。
枠用外部接続端子55は、出力側にホールメインコンピュータ54、入力側に扉開放スイッチ57が接続され、払出制御基板31から出力された情報をホールメインコンピュータ54へ出力している。
発射制御基板32は、遊技者が操作する発射ハンドル13の回動量に応じて発射モータ32aを駆動制御するものであり、その他遊技者が発射停止スイッチ32bを押下したとき遊技球の発射を停止させ、発射ハンドル13に内蔵されたタッチスイッチ32cがオン状態のときタッチランプを点灯させるためのものである。ここで、タッチスイッチ32cは、遊技者が発射ハンドル13に触れていることを検知するためのもので、検知情報は発射制御基板32に入力される。
サブ統合基板46は、主制御基板30からの指令を受けて、特別図柄保留記憶LED36、普通図柄保留記憶LED37、賞球および貸球の払出表示、当り表示、球不足表示およびエラー表示等を行う各種ランプ58等を点灯報知させ、スピーカ59を駆動制御するためのものである。尚、サブ統合基板46の入出力側には、演出図柄制御装置33が接続され、演出図柄制御装置33がLCD33aに接続されている。
演出図柄制御装置33は、LCD33a上に表示される画像(演出図柄、背景等)を変動制御するものである。演出図柄制御装置33は、32ビットワンチップマイコンを中心とした論理演算回路として構成されている。演出図柄制御装置33の入出力側には、主制御基板30がサブ統合基板46を介して接続されている。演出図柄制御装置33は、主制御基板30からサブ統合基板46を介して送られる図柄情報や変動パターン情報等のコマンドを基に、LCD33a上に表示される画像(演出図柄、背景等)を変動制御することになっている。
本実施形態におけるパチンコ機10は確率変動機として構成されている。具体的に説明すると、本実施形態のパチンコ機10による遊技は、大入賞口38を閉鎖した遊技と大入賞口38を開放する大当たり遊技とに大別され、大入賞口38を閉鎖した遊技には、通常確率状態(以下、通常状態)と、該通常状態に比べて遊技者にとって有利な状態となる時間短縮状態(以下、時短状態)と、該通常状態、時短状態に比べて大当たり遊技への移行が容易となる高確率状態(以下、確率変動状態)とが設定されている。また、確率変動状態は確率変動図柄での大当たり遊技終了後に移行可能に設定され、通常状態、時短状態、確率変動状態のうち、いずれの遊技状態でも確率変動図柄で大当りすれば、該大当り遊技終了後、確率変動状態に移行する。時短状態は非確率変動図柄での大当たり遊技終了後に移行可能に設定され、通常状態、時短状態、確率変動状態のうち、いずれの遊技状態でも非確率変動図柄で大当りすれば、該大当り遊技終了後、時短状態に移行する。時短状態から通常状態への移行契機は、時短状態に突入してから、行われた大当り抽選回数が100回に達した時点で、通常状態に移行することになる。
以下、図8に示す表を用いて、本実施形態における通常確率状態、時間短縮状態、高確率状態の3つの遊技状態の特徴を左欄に示す各要素について対比して説明する。先ず、図8(a)に示すように、特別図柄及び演出図柄の変動時間が短縮される変動短縮機能は、時短状態時及び確率変動状態時には常に作動し、通常状態時には、所定の条件が成立した場合にのみ(本実施形態では、主制御基板30に格納された保留記憶数が2個以上ある場合)、変動短縮機能が作動することになっている。尚、演出図柄の変動が大当りやリーチになる場合には、例えば、通常状態時において保留記憶数が2個以上あるとき、時短状態時、又は確率変動状態時であろうと、特別図柄及び演出図柄の変動短縮機能は作動しないことになっている。
また、図8(b)に示すように、普通図柄が当選することにより開放する前記第2特別図柄始動口35bに設けられた前記羽根部材35cの開放時間が長くなる開放延長機能は、時短状態時及び確率変動状態時には作動するが、通常状態時には未作動である。図8(a)、図8(b)に示すように、時短状態時、確率変動状態時には、特別図柄及び演出図柄の変動短縮機能、開放延長機能が作動するので、通常状態時より有利な状態となっている。
図8(c)に示すように、第1特別図柄始動口35a、又は第2特別図柄始動口35bに入球することによる特別図柄の当選確率は、通常状態時および時短状態時には1/491であり、確率変動状態時には1/49.1となる。特別図柄及び演出図柄の大当り抽選は第1特別図柄始動口35a、又は第2特別図柄始動口35bに遊技球が入球し、該遊技球が乱数取得用球検出センサ35kを通過する毎に主制御基板30で抽出される大当り判定用乱数を基に主制御基板30が行う構成となっている。このように、確率変動状態時には、通常状態時、時短状態時より特別図柄及び演出図柄の大当り確率が高くなるので、大当り遊技への移行が容易となり遊技者にとって有利な状態となっている。尚、前記大当り判定用乱数が当選していた場合には、特別図柄及び演出図柄が大当り図柄の態様として表示される。前記大当り判定用乱数が外れであった場合には、特別図柄及び演出図柄が外れ図柄の態様として表示される。
図8(d)にて、普通図柄の当選確率について説明する。普通図柄の当り抽選は、前述した普通図柄作動口40に遊技球が入球することにより行われる。普通図柄作動口40に遊技球が入球すると普通図柄表示装置33c(図3参照)上に表示される普通図柄が変動を開始し、普通図柄が当選すると、普通図柄の表示態様が3又は7で停止される。この普通図柄の当選確率は、通常状態、時短状態、確率変動状態のいずれの遊技状態においても1/2に設定されている。
図8(e)に示すように、特別図柄及び演出図柄が変動を開始してから、変動を停止するまでの変動平均時間は、通常状態時で約9秒、時短状態時、及び確率変動状態時では約6秒となっている。図8(f)に示すように、特別図柄及び演出図柄の最短変動時間は、通常状態において、変動短縮機能未作動時では約10秒、時短状態時、及び確率変動状態時では約5秒となっている。図8(g)に示すように、普通図柄が変動を開始してから、変動を停止するまでの変動時間の平均時間は、通常状態時で約28秒、時短状態時、及び確率変動状態時では約4秒となっている。即ち、時短状態時、確率変動状態時には、特別図柄及び演出図柄の変動短縮機能のみならず、普通図柄の変動短縮も行われることになる。
図8(h)に示すように、1回の普通図柄が当選することにより、開放する普通電動役物としての羽根部材35cの開放時間は、通常状態時で0.3秒、時短状態時、及び確率変動状態時では4秒と設定されている。このように通常確率状態には、羽根部材35cの開放時間を短くすることで、第2特別図柄始動口35bに遊技球が入球し難くし、確率変動状態時には、羽根部材35cの開放時間を長くすることで、遊技球が入球し易くし、更に前述のように、第1特別図柄始動口35a入球時に払い出される賞球数(3個)より、第2始動口入球時に払い出される賞球数(4個)が多くなるように設定することで、確率変動状態を遊技者にとってより有利な状態にすることが出来る。尚、通常状態時には、第2特別図柄始動口35bに設けられた羽根部材35cが開放しない構成とし、通常状態時には、第2特別図柄始動口35bに遊技球が入球せずに、時短状態時、及び確率変動状態時のみにおいて、第2特別図柄始動口35bに遊技球が入球する構成としても良い。
図8(i)が示すように、通常状態、時短状態、確率変動状態のいずれの遊技状態においても、大当たりが発生するときの9/10の確率で確率変動図柄による大当りが発生し、該大当たり遊技終了後、確率変動状態から始まり、残りの1/10の確率で非確率変動図柄による大当りが発生する。確率変動状態時において、大当たりを発生させたときの大当り図柄が再び確率変動図柄の大当りであれば更に確率変動状態が継続することになる。尚、大当たりが発生するときの9/10の確率で確率変動図柄による大当りが発生する構成としたが、上記確率に限定されるものではない。
図8(j)が示すように、通常確率状態、時短状態、確率変動状態のいずれの遊技状態においても、普通図柄作動口40を遊技球が通過しても、遊技者に賞球は払い出されない。また、前記いずれの遊技状態においても、第1特別図柄始動口35aに入球することで払い出される賞球数は3個、第2特別図柄始動口35bに入球することで払い出される賞球数は4個、普通入賞口(図示せず)に入球することで払い出される賞球数は10個、大入賞口38に入球することで払い出される賞球数は15個となっている。
以上、パチンコ機10の回路構成を説明したが、次にパチンコ機10の主制御基板30内の8ビットワンチップマイコン(以下、単に「マイコン」と呼ぶ。)が実行する処理を図9に示すフローチャートに従って説明することにする。
図9に示すフローチャートは、主制御基板30のマイコンにより実行されるメイン処理を表したものであり、約2ms毎のハードウェア割り込みにより定期的に実行される処理である。以後、ステップをSと略記することとする。S100〜S190までの各処理は割り込み処理において1回だけ実行される処理であって「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS200及びS210の処理を「残余処理」と称する。
マイコンによるハードウェア割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判定される(S100)。この判定処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判定することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判定するためのものである。
S100で否定判定なら、前記メモリの所定領域に所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み、即ち初期設定が為され(S110)、残余処理に移行する。
S100で肯定判定なら、まず初期乱数更新処理が実行される(S120)。この処理は、初期乱数の値をこの処理を実行する毎に+1とするインクリメント処理であり、この処理実行前の初期乱数の値に+1とするが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「490」のときには次回の処理で初期値である「0」に戻り、「0」〜「490」までの491個の整数を繰り返し昇順に作成する。
S120に続く大当り判定用乱数更新処理(S130)は、初期乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1とするインクリメント処理である。本実施形態において、大当り判定用乱数とは、第1特別図柄始動口35a又は第2特別図柄始動口35bに遊技球が入球して、該遊技球が乱数取得用球検出センサ35kを通過した時に主制御基板30にて取得されるものであり、特別図柄及び演出図柄の大当り抽選に係わるものである。通常確率状態時、時短状態時において、大当りとなる大当り判定用乱数の数は1個であり、即ち、大当り判定用乱数の値「7」が取得されると、大当りが発生する。確率変動状態時において、大当りとなる大当り判定用乱数の数は10個であり、即ち、大当り判定用乱数の値「7、46、85、124、163、202、241、280、319、358」のいずれかが取得されると、大当りが発生する。
大当り図柄判定用乱数更新処理(S140)は、「0」〜「9」の10個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1とされ最大値を超えると初期値である「0」に戻る。大当り図柄判定用乱数とは、特別図柄表示部33b上に表示される複数の特別図柄のうち、どの図柄で大当りするかを決定する為のものである。この大当り判定用乱数によって、大当り遊技終了後、確率変動状態に移行させるか否かが決定される。つまり、「0」〜「9」の10種類の大当り図柄のうち、9種類が確率変動図柄であり、残り1種類が非確率変動図柄である。
外れ図柄乱数更新処理(S150)は、大当りでないときの特別図柄の外れ図柄として使用される乱数である。外れ図柄乱数は、「0」〜「14」の15個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1とされ最大値を超えると初期値である「0」に戻る。
普通図柄乱数更新処理(S160)は、「0」〜「7」の8個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1とされ最大値を超えると初期値である「0」に戻る。
前述のS160の普通図柄乱数更新処理に続く処理では、S170の入賞確認処理が行われる。入賞確認処理とは、第1特別図柄始動口35a又は第2特別図柄始動口35bに遊技球が入球したか否かを確認し、入球が確認された場合には、該入球により抽出された種々の乱数(大当り判定用乱数、大当り図柄判定用乱数等)を主制御基板30内に保留記憶として格納する処理である。
この入賞確認処理(S170)に続く処理では、第1特別図柄始動口35a又は第2特別図柄始動口35bに遊技球が入球したことにより抽出され、主制御基板30内に格納された大当り判定用乱数の値が大当りしているか否かを判定する大当り抽選処理が行われる(S180)。
続く処理として行われる各入出力処理(S190)では、主制御基板30に接続された各スイッチ類の入出力処理が実行される。即ち、前述した満タンスイッチ47、球切れスイッチ48、乱数取得用球検出センサ35k、普通図柄作動口スイッチ40a、Vスイッチ38a、カウントスイッチ38b等の作動状況をチェックする入力処理を実行し、更に、遊技の進行に応じて特別図柄表示装置33b、普通図柄表示装置33c、払出制御基板31、サブ統合基板46、演出図柄制御装置33、大入賞口ソレノイド38c等の各種ソレノイド、に対して各々出力処理を実行する。即ち、遊技盤22上により遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての球を払い出すべく払出制御基板31に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合基板46に出力する処理を、更には、大当り発生時には大当り処理等を、各々実行する。
前述した本処理(S100〜S190)に続く残余処理は、外れ図柄乱数更新処理(S200)及び初期乱数更新処理(S210)から構成されるが、各々前述したS150及びS120と概ね同じ処理である。この2つの処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。
前述したS100〜S190までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、割り込み処理が1回実行されることにより外れ図柄乱数及び初期乱数の更新される(加算される)値も一律では無くなる。これにより、初期乱数及び外れ図柄乱数が大当り判定用乱数と同期する可能性は無くなる。尚、本実施形態においては、大当り判定用乱数の更新は初期乱数の値により変更される構成なので同期の虞は全くない。また、前述した普通図柄乱数更新処理(S160)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
次に、大当り抽選及び賞球払い出しの動作を図4及び図7等を参照して説明する。
先ず、図4の構成において、大当り抽選、及び賞球払い出しの動作について説明する。遊技球が乱数取得用球検出センサ35kを通過すると、乱数取得用球検出センサ35kから主制御基板30に信号を送信し、主制御基板30が該信号を受信すると、大当り状態に突入させるか否かを決定する大当り判定用乱数の抽出を行い、該乱数を基に大当り抽選が行われる。更に、該乱数取得用球検出センサ35kを通過した遊技球が賞球払出用球検出センサ35jを通過したものか否か主制御基板30により判定される。ここで肯定判定が為されると、遊技者に賞球を3個払い出すように払出制御基板31に命令し、否定判定が為されると、遊技者に賞球を4個払い出すように払出制御基板31に命令することになる。即ち、この判定により、いずれかの始動口35a,35bに入球した遊技球F1,F2が乱数取得球検出用センサ35kを通過したか否かを判断しており、第1特別図柄始動口35aに遊技球F1が入球した際に賞球数が3個払い出され、第2特別図柄始動口35bに遊技球F2が入球した際には4個の賞球数が払い出されることになる。
乱数取得用球検出センサ35kを一つの遊技球が通過すると、大当り判定用乱数等の種々の乱数が抽出され、該種々の乱数が一つの保留記憶として主制御基板30に格納されることになる。主制御基板30に格納されている保留記憶数は、遊技盤22上の特別図柄保留記憶LED36の点灯数で遊技者に報知している。本実施形態では、主制御基板30における保留記憶の最大格納数は4個となっている。格納された一つの保留記憶が主制御基板30から読み出されると、その読み出された保留記憶の情報に基づいて、特別図柄及び演出図柄の変動が開始される。主制御基板30に保留記憶が格納される順番は、遊技球が乱数取得用球検出センサ35kに検出された順に格納され、保留記憶が主制御基板30から読み出される順番は主制御基板30に格納されてから最も古い保留記憶から読み出される。例えば、先ず第1特別図柄始動口35aに遊技球が2個入球し、その後に第2特別図柄始動口35bに遊技球が2個入球すると、最初に第1特別図柄始動口35aに2個入球した遊技球により格納された保留記憶が読み出され、次に第2特別図柄始動口35bに2個入球した遊技球により格納された保留記憶が読み出される。尚、本実施形態の場合は第1特別図柄始動口35a開口部、又は第2特別図柄始動口35b開口部から乱数取得用球検出センサ35kに到着するまでの時間が実質的に同じなので、実質的に始動口に遊技球が入球した順に主制御基板30に保留記憶が格納されることになる。
次に図5の変形例1の構成においての、大当り抽選、及び賞球払い出しの動作について説明する。第1特別図柄始動口35aの開口部35eに入球した遊技球F1は、第1誘導路35g、共通路35i、乱数取得用球検出センサ35kの順番に通過する。第1特別図柄始動口35aに入球した遊技球F1が共通路35iに設けられた乱数取得用球検出センサ35kを通過すると、乱数取得用球検出センサ35kが主制御基板30に信号を送信し、主制御基板30が該信号を受信すると、遊技者に賞球を3個払い出すように払出制御基板31に命令する。
第2特別図柄始動口35bに入球した遊技球F2が賞球払出用球検出センサ35jを通過すると、賞球払出用球検出センサ35jが主制御基板30に信号を送信し、主制御基板30が該信号を受信すると、1個の賞球を払い出すように払出制御基板31に命令する。その後、共通路35iに設けられた乱数取得用球検出センサ35kの通過に対して3個の賞球を払い出すように、払出制御基板31に命令する。この構成により、第1特別図柄始動口35aに遊技球が入球すると、3個の賞球が払い出され、一方、第2特別図柄始動口35bに遊技球が入球すると、1+3の計4個の賞球が払い出されるようになっている。つまり、図5の変形例1の構成では、第1特別図柄始動口35aと第2特別図柄始動口35bの賞球数の差は1であり、賞球数が多い始動口に対応する(共通路に連通する)通路に賞球の差を払い出すセンサを配置し、共通路には賞球数が少ない始動口に対応する賞球数を払い出すセンサを配置しているのである。
また、第1特別図柄始動口35a又は第2特別図柄始動口35bに入球した遊技球F1又はF2が、共通路35iに設けられた乱数取得用球検出センサ35kを通過すると、乱数取得用球検出センサ35kが主制御基板30に信号を送信し、主制御基板30が該信号を受信すると、大当り状態に突入させるか否かを決定する大当り判定用乱数の抽出を行う。
本実施形態によれば、単一の乱数取得用球検出センサ35kで、始動口35a、35bに遊技球が入球したことを検出することで、乱数取得用検出センサ35kが接続されている主制御基板30の入力部を始動口35a、35bの数だけ設ける必要がなくなり、大当り判定制御或いは賞球払い出し制御が複雑化することがなく、制御負担が大きくなることがない。また、制御が複雑化しないので、従来の一つの始動口しか設けていないものとほぼ同じ構成で弾球遊技機を生産することが出来る。
また、通常確率状態には、第2特別図柄始動口35bに遊技球が入球しない、又は入球し難くし、確率変動状態時には、遊技球が入球し易くし、第1特別図柄始動口35aに入球した時に払い出される賞球数より、第2特別図柄始動口35bに入球した時に払い出される賞球数が多くなるように設定することで、通常確率状態をより不利な状態とさせつつ、確率変動状態を遊技者にとってより有利な状態にすることが出来る。
そして、遊技球F1が第1特別図柄始動口35aの開口部35eから乱数取得用検出センサ35kに到着するまでの時間と、遊技球F2が第2特別図柄始動口35bの開口部35fから乱数取得用検出センサ35kに到着するまでの時間と、が実質的に同一時間であるので、入球した始動口35a,35bの違いにより、遊技球F1,F2が入球してから乱数取得用検出センサ35kに到着するまでの時間のタイムラグを抑制することが出来る。その結果、始動口に入球した順番通りに大当り抽選が行われないという課題を解決でき、遊技者にとって公正な遊技機を提供することが出来る。
さらに、複数の始動口35a,35bを上下に配置すると、上側に設けられた始動口35aのほうが、下側に設けられた始動口35bより乱数取得用検出センサ35kに到達するまでの時間が長くなってしまうが、水平方向に対する第2誘導路35hの傾斜角度を、第1誘導路35gの傾斜角度より鋭角にし、第2誘導路35hより第1誘導路35gを通過する遊技球の移動速度を上げることで、内部構造を複雑にすることなく、上下方向に設けられた始動口35a,35bから乱数取得用検出センサ35kに到達するまでの時間を実質的に同一にすることが出来る。
図5の変形例1の構成では、賞球払出用球検出センサ35jの位置が異なるため、遊技球F1,F2との対応関係が相違しているが、図4の実施形態とほぼ同様の動作を行うので、図4の実施形態と同様の効果を得ることができる。
図6の変形例2では、第1特別図柄始動口35aの開口部35eに入球した遊技球F1が第1乱数取得用検出センサ35mを通過すると、第1乱数取得用球検出センサ35mが主制御基板30に第1検出信号を送信し、主制御基板30が第1検出信号を受信すると、賞球を3個払い出すように払出制御基板31に命令し、且つ大当り状態に突入させるか否かを決定する為の大当り判定用乱数の抽出を行い、該乱数を基に大当り抽選を行う。また、第2特別図柄始動口35bの開口部35fに入球した遊技球F2が第2乱数取得用検出センサ35nを通過すると、第2乱数取得用球検出センサ35nが主制御基板30に第2検出信号を送信し、主制御基板30が第2検出信号を受信すると、賞球を4個払い出すように払出制御基板31に命令し、且つ大当り状態に突入させるか否かを決定する為の大当り判定用乱数の抽出を行い、該乱数を基に大当り抽選を行う。これにより、従来の始動口1個だけ設けた遊技機の構成よりも、制御が複雑化するが、始動口を複数設けても、入球した始動口35a,35bの違いにより発生する、遊技球F1,F2が入球してから乱数取得用検出センサ35m,35nに到着するまでの時間のタイムラグを抑制することが出来る。