JP2012130178A - 電動ポンプ用ブラシレスモータの制御装置 - Google Patents

電動ポンプ用ブラシレスモータの制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2012130178A
JP2012130178A JP2010280367A JP2010280367A JP2012130178A JP 2012130178 A JP2012130178 A JP 2012130178A JP 2010280367 A JP2010280367 A JP 2010280367A JP 2010280367 A JP2010280367 A JP 2010280367A JP 2012130178 A JP2012130178 A JP 2012130178A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil temperature
brushless motor
motor
electric pump
duty ratio
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010280367A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5724353B2 (ja
Inventor
Kengo Uda
健吾 宇田
Yasuyuki Aoki
保幸 青木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JTEKT Corp
Original Assignee
JTEKT Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JTEKT Corp filed Critical JTEKT Corp
Priority to JP2010280367A priority Critical patent/JP5724353B2/ja
Publication of JP2012130178A publication Critical patent/JP2012130178A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5724353B2 publication Critical patent/JP5724353B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】起動時において消費電流の増加や脱調を抑制することのできる電動ポンプ用ブラシレスモータの制御装置を提供する。
【解決手段】ECU4は、モータコイル12u,12v,12wに三相の駆動電力を通電する駆動回路21と、モータコイル12u,12v,12wへの通電パターンを所定の切り替え周期で順次切り替えることによりブラシレスモータ3を起動させるマイコン22とを備えた。そして、ECU4は、電動ポンプ1が供給する作動油の油温θを検出する油温センサ51を備え、マイコン22は、油温θが高くなるほど通電パターンの切り替え周期を早くするようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動ポンプ用ブラシレスモータの制御装置に関する。
従来、一時停車時にエンジンを自動停止する所謂アイドルストップ機能を備えた車両では、電動ポンプを用いることにより、アイドルストップ時においてもトランスミッション等への油圧供給が確保されるようにしている。こうした電動ポンプの駆動源としては、一般にブラシレスモータが用いられるが、電動ポンプはエンジン室等の高温環境下に配置されるため、ホール素子等の回転センサの耐熱性を考慮してセンサレスタイプのものが広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
この種のブラシレスモータでは、多くの場合、電気角180度のうち120度の区間のみモータコイルに通電する120度通電方式が採用されており、モータ駆動時に各モータコイルに生じる誘起電圧(逆起電力)に基づいてロータの回転位置を検出するようにしている。
ところが、ロータが停止している状態では誘起電圧が生じないため、ブラシレスモータの起動時にはロータの回転位置を検出することができない。そこで、従来では、ロータの回転位置にかかわらず、各モータコイルへの複数の通電パターンを予め定められた順序で切り替えること(強制転流)により、ロータを強制的に回転させてブラシレスモータを起動している。そして、ロータの回転速度が上昇し、モータコイルに生じる誘起電圧に基づいて安定して回転位置が検出できるようになると、同ロータの回転位置に応じて駆動(センサレス駆動)するようになっている。
特開2006−280088号公報 特許4056750号公報
ところで、電動ポンプがトランスミッション等に供給する作動油の粘度は、油温に応じて大きく変わるため、同油温に応じてブラシレスモータの負荷が大きく変わることになる。しかしながら、従来の構成では、ブラシレスモータの起動時(強制転流時)において、油温の変化による負荷の変動については何ら考慮されておらず、消費電流の増加や脱調を招く虞があった。
具体的には、油温が高いと、作動油の粘度が低くなることでロータが回転し易い状態となるため、ロータの回転位置が次の通電パターンに切り替えるべき回転位置となっても切り替わらず、ロータの回転速度を減速させる虞がある。その結果、ロータの回転速度を上昇させるのに必要な時間が長くなることで消費電流が増加する。これに対し、油温が低いと、作動油の粘度が高くなることでロータが回転し難い状態となるため、ロータの回転位置が次の通電パターンに切り替えるべき回転位置となる前に通電パターンが切り替わることで脱調する。
なお、特許文献2には、起動時におけるブラシレスモータの状態に応じて通電パターンの切り替え周期を変更するようにした起動方法が開示されている。しかし、特許文献2の構成では、ブラシレスモータ自体の状態に応じて切り替え周期を変更するものであることから、モータの負荷に応じて切り替え周期を変更しようとすると、トルクセンサが必要となるため、ブラシレスモータ(電動ポンプ)の大型化を招いてしまう。そのため、ブラシレスモータの小型化といった観点から、このような構成を適用することは好ましくなく、なお改善の余地があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、起動時において消費電流の増加や脱調を抑制することのできる電動ポンプ用ブラシレスモータの制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、電動ポンプを駆動するブラシレスモータのモータコイルに三相の駆動電力を通電する駆動回路と、前記モータコイルへの複数の通電パターンを予め定められた順序で切り替えることによりロータを強制的に回転させて前記ブラシレスモータを起動させる起動手段とを備えた電動ポンプ用ブラシレスモータの制御装置であって、前記電動ポンプが供給する作動油の油温を検出する油温検出手段を備え、前記起動手段は、前記油温が高くなるほど前記通電パターンの切り替え周期を早くすることを要旨とする。
上記構成によれば、起動手段は、作動油の油温が高くなるほど、通電パターンの切り替え周期を早くするため、作動油の油温が高いに場合に、ロータの回転位置が次の通電パターンに切り替えるべき回転位置となっても切り替わらない状態となることを抑制できる。これにより、速やかにロータの回転速度を上昇させることが可能になり、消費電流の増加を抑制することができる。一方、起動手段は、作動油の油温が低くなるほど、通電パターンの切り替え周期を遅くするため、油温が低い場合に、ロータの回転位置が次の通電パターンに切り替えるべき回転位置となる前に通電パターンが切り替わることを防いで、脱調することを抑制できる。そして、上記構成では、ブラシレスモータの負荷と相関のある作動油の油温に基づいて切り替え周期を変更するため、トルクセンサを設けずともよく、ブラシレスモータ(電動ポンプ)の大型化を抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電動ポンプ用ブラシレスモータの制御装置において、前記ブラシレスモータは、前記駆動回路を構成するスイッチング素子のデューティ比の変更を通じてモータ出力が制御されるものであって、前記起動手段は、前記油温が高いほど前記デューティ比を高くすることを要旨とする。
通常、強制転流時のモータ出力(モータコイルに通電される電流量)は、起動後のモータ出力に比べて小さいため、ブラシレスモータが起動した後において、モータ出力を速やかに目標値に追従させるといった観点からは、強制転流時にスイッチング素子のデューティ比を高くすることが望ましい。一方、消費電流の増加を抑制するといった観点からは、デューティ比を低くすることが望ましい。
この点、上記構成よれば、油温が高く、消費電流の増加を抑制することができる場合にデューティ比を高くすることで、消費電流の増加を抑制しつつ、ブラシレスモータが起動した後の追従性を向上させることができる。一方、油温が低く、ロータが脱調して停止することにより消費電流が著しく増加する虞のある場合には、デューティ比を低くすることで、確実に消費電流の増加を抑制することができる。
本発明によれば、起動時において消費電流の増加や脱調を抑制することのできる電動ポンプ用ブラシレスモータの制御装置を提供することができる。
電動ポンプの電気的構成を示すブロック図。 モータコイルへの通電パターンを示す模式図。 回転位置信号生成部の電気的構成を示すブロック図。 モータコイルの端子電圧及び回転位置信号の波形図。 ブラシレスモータの起動時の処理手順を示すフローチャート。 (a)切り替え周期の演算に用いるマップの概略構成図、(b)デューティ比の演算に用いるマップの概略構成図。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示す電動ポンプ1は、一時停車時にエンジンを自動停止する所謂アイドルストップ機能を備えた車両に搭載され、トランスミッション等に油圧を供給する。同図に示すように、電動ポンプ1は、ポンプ本体2を駆動するブラシレスモータ3と、ブラシレスモータ3の作動を制御する制御装置としてのECU4とを備えている。
ブラシレスモータ3には、ロータ11の回転位置を検出する回転センサが設けられていないセンサレスタイプのものが採用されており、ECU4は、ブラシレスモータ3の駆動時に三相の各モータコイル12u,12v,12wに生じる誘起電圧(逆起電力)に基づいてロータ11の回転位置(回転角)を検出する。そして、ECU4は、各相のモータコイル12u,12v,12wに対して、120度矩形波通電を行なうことにより、同ブラシレスモータ3に三相の駆動電力を供給するように構成されている。
詳述すると、ECU4は、モータコイル12u,12v,12wに印加する電圧の組み合わせである通電パターンを切り替えて三相の駆動電力を供給する駆動回路21と、駆動回路21にモータ制御信号を出力してブラシレスモータ3を駆動するマイコン22とを備えている。
駆動回路21は、スイッチング素子としての複数のFET(電界効果型トランジスタ)23a〜23fを接続してなる。具体的には、駆動回路21は、FET23a,23d、FET23b,23e、及びFET23c,23fの各組の直列回路を並列に接続してなり、FET23a,23d、FET23b,23e、FET23c,23fの各接続点24u,24v,24wはそれぞれブラシレスモータ3の各相のモータコイル12u,12v,12wに接続されている。
つまり、駆動回路21は、直列に接続された一対のスイッチング素子を基本単位(スイッチングアーム)として、各相に対応する3つのスイッチングアームを並列に接続してなる周知のPWMインバータとして構成されている。そして、マイコン22の出力するモータ制御信号は、駆動回路21を構成する各FET23a〜23fのスイッチング状態を規定するゲートオン/オフ信号となっている。
そして、それぞれのゲート端子に印加されるモータ制御信号に応答して各FET23a〜23fがオン/オフし、各相のモータコイル12u,12v,12wへの通電パターンが切り替わることにより、車載電源(バッテリ)25の直流電圧が三相(U,V,W)の駆動電力に変換され、ブラシレスモータ3へと出力される。なお、本実施形態では、120度矩形波通電を行うため、図2に示すように、モータコイル12u,12v,12wへの通電パターンは6つあり、通電パターン(1)〜(6)の順で切り替えることにより、ブラシレスモータ3が駆動される。また、図2では、電流の流れる方向を太線の矢印で模式的に示している。
図1に示すように、マイコン22には、モータコイル12u,12v,12wの端子電圧Vu,Vv,Vwを検出するための電圧センサ26u,26v,26wが接続されている。そして、マイコン22は、端子電圧Vu,Vv,Vwに基づいてロータ11の回転位置を示す回転位置信号S1〜S3を生成する回転位置信号生成部27と、回転位置信号S1〜S3に基づいて駆動回路21に出力するモータ制御信号を生成するモータ制御信号生成部28とを備えている。
図3に示すように、回転位置信号生成部27は、抵抗値の等しい2つの抵抗R1,R2を直列接続してなる分圧回路31と、分圧回路31から出力される基準電圧V0(本実施形態では、車載電源25の1/2の電圧)と端子電圧Vu,Vv,Vwとをそれぞれ比較する3つのコンパレータ32u,32v,32wとを備えている。各コンパレータ32u,32v,32wは、端子電圧Vu,Vv,Vwと基準電圧V0との比較に基づいて回転位置信号S1〜S3を出力する。具体的には、各コンパレータ32u,32v,32wは、端子電圧Vu,Vv,Vwが基準電圧V0よりも大きい場合には、回転位置信号S1〜S3として「1(ハイレベル)」を出力し、端子電圧Vu,Vv,Vwが基準電圧V0以下である場合には、回転位置信号S1〜S3として「0(ローレベル)」を出力する。そして、モータ制御信号生成部28は、モータコイル12u,12v,12wへの通電パターンがロータ11の回転位置に応じて切り替わるように、回転位置信号S1〜S3に基づいてモータ制御信号を生成する。
ここで、図4に示すように、端子電圧Vu,Vv,Vwは、位相が120度ずつ異なっており、電気角180度のうち、通電された120度の通電区間では電源電圧が検出され、通電が休止された60度の休止区間では各モータコイル12u,12v,12wに生じた誘起電圧が検出される。なお、各FET23a〜23fがオンからオフに切り替わる時には、同FET23a〜23fの寄生ダイオード(図示略)に起因したノイズが生じる。そして、回転位置信号S1〜S3は、端子電圧Vu,Vv,Vwが基準電圧V0となる時点(ゼロクロス点)で変化し、上記ノイズを除去することにより、ロータ11の回転位置に応じて(101)→(100)→(110)→(010)→(011)→(001)の順序で規則的に変化する。これにより、モータ制御信号生成部28は、回転位置信号S1〜S3に基づいてモータコイル12u,12v,12wへの通電パターンをロータ11の回転位置に応じて切り替えるモータ制御信号を生成可能となっている。
また、図1に示すように、マイコン22は、各FET23a〜23fのオン時間の割合であるデューティ比の変更を通じてモータコイル12u,12v,12wに通電する電流量を制御することにより、ブラシレスモータ3の出力(モータトルク)を制御する。
具体的には、マイコン22には、ブラシレスモータ3に通電される実電流値Iを検出するための電流センサ41及びトランスミッションの作動を制御する上位ECUが接続されている。そして、モータ制御信号生成部28には、回転位置信号S1〜S3に加えて、上位ECUが出力する電流指令値I*、及び電流センサ41により検出された実電流値Iが入力される。モータ制御信号生成部28は、電流指令値I*に実電流値Iを追従させるべくフィードバック制御を実行することにより、電流指令値I*と実電流値Iとの偏差に応じたデューティ比でパルス幅変調されたモータ制御信号を生成する。なお、上位ECUは、電動ポンプから供給される油圧やエンジン回転数等に基づいて電流指令値I*を演算する。そして、マイコン22は、上記のようにして生成されたモータ制御信号を駆動回路21に出力することで、ブラシレスモータ3を駆動するようになっている。
次に、本実施形態のECUによるブラシレスモータの起動について説明する。
ブラシレスモータ3の停止時には誘起電圧が発生しないため、マイコン22は、ロータ11の回転位置にかかわらず、通電パターンを予め定められた順序で切り替えること(強制転流)により、ロータ11を強制的に回転させてブラシレスモータ3を起動させる。そして、ロータ11の回転速度が上昇し、各モータコイル12u,12v,12wに生じる誘起電圧が安定することで、所定時間継続して回転位置信号S1〜S3の組み合わせが上記した順序で規則的に変化すると、これら回転位置信号S1〜S3及び電流指令値I*に基づいてブラシレスモータ3を駆動(センサレス駆動)する。なお、モータ制御信号生成部28には、回転位置信号S1〜S3が規則的に変化する順序を記憶したメモリ42及びタイマ43が設けられている。すなわち、本実施形態では、マイコン22が起動手段に相当する。
ここで、上述のように電動ポンプ用のブラシレスモータ3では、作動油の油温θによって負荷が大きく変わるため、油温θの高い場合と低い場合とで通電パターンの切り替え周期Tを同一にすると、消費電流の増加や脱調を招く虞がある。
この点を踏まえ、図1に示すように、マイコン22には、作動油の油温θを検出する油温検出手段としての油温センサ51が接続されており、モータ制御信号生成部28には、作動油の油温θが入力される。そして、モータ制御信号生成部28は、油温θに応じて通電パターンの切り替え周期Tを変更するようにしている。
具体的には、モータ制御信号生成部28は、起動時において、油温θが予め設定された閾値θthよりも大きい場合には、切り替え周期Tが第1の切り替え周期T1となるモータ制御信号を生成する。一方、モータ制御信号生成部28は、油温θが閾値θth以下の場合には、切り替え周期Tが第1の切り替え周期T1よりも遅い第2の切り替え周期T2となるモータ制御信号を生成する。これにより、油温θが高いほど切り替え周期Tが早くなるように構成されている。
また、モータ制御信号生成部28は、起動時において、油温θが上記閾値θthよりも大きい場合には、FET23a〜23fのデューティ比Dが第1のデューティ比D1となるモータ制御信号を生成する。一方、モータ制御信号生成部28は、油温θが予め設定された閾値θth以下の場合には、デューティ比Dが第1のデューティ比D1よりも低い第2のデューティ比D2となるモータ制御信号を生成する。これにより、油温θが高いほどデューティ比Dが高くなるように構成されている。
次に、本実施形態のECU(マイコン)によるブラシレスモータの起動時の処理手順を図5のフローチャートに従って説明する。
マイコン22は、センサ値として回転位置信号S1〜S3及び油温θを取得すると(ステップ101)、所定時間継続して回転位置信号S1〜S3が規則的に変化し、ロータ11の回転位置を検出できるようになったか否かを判定する(ステップ102)。続いて、ロータ11の回転位置を検出できるようになっていない場合には(ステップ102:NO)には、油温θが閾値θthよりも大きいか否かを判定する(ステップ103)。そして、油温θが閾値θthよりも大きい場合には(ステップ103:YES)、切り替え周期Tを第1の切り替え周期T1とするとともにデューティ比Dを第1のデューティ比D1とするモータ制御信号を生成し(ステップ104)、強制転流を行う(ステップ105)。
これに対し、油温θが閾値θth以下の場合には(ステップ103:NO)、切り替え周期Tを第2の切り替え周期T2とするとともにデューティ比Dを第2のデューティ比D2とするモータ制御信号を生成し(ステップ106)、強制転流を行う(ステップ105)。そして、ロータ11の回転速度が上昇し、所定時間継続して回転位置信号S1〜S3が規則的に変化するようになり、ロータ11の回転位置を検出できるようになると(ステップ101:YES)、回転位置信号S1〜S3及び電流指令値I*に基づいてモータ制御信号を生成する通常制御に移行する(ステップ107)。
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)ECU4は、電動ポンプ1が供給する作動油の油温θを検出する油温センサ51を備えた。そして、マイコン22は、油温θが閾値θthよりも大きい場合には、通電パターンの切り替え周期Tを第1の切り替え周期T1とし、油温θが閾値θth以下の場合には、切り替え周期Tを第1の切り替え周期T1よりも遅い第2の切り替え周期T2とするようにした。
上記構成によれば、作動油の油温θが閾値θthよりも大きいと、通電パターンの切り替え周期Tが早くなるため、作動油の油温θが高いに場合に、ロータ11の回転位置が次の通電パターンに切り替えるべき回転位置となっても切り替わらない状態となることを抑制できる。これにより、速やかにロータ11の回転速度を上昇させることが可能となり、消費電流の増加を抑制することができる。一方、作動油の油温θが閾値θth以下であると、通電パターンの切り替え周期Tが遅くなるため、油温θが低い場合に、ロータ11の回転位置が次の通電パターンに切り替えるべき回転位置となる前に通電パターンが切り替わることを防いで、脱調することを抑制できる。そして、上記構成では、ブラシレスモータ3の負荷と相関のある作動油の油温θに基づいて切り替え周期Tを変更するため、油温センサ51を設けるのみでトルクセンサを設けずともよく、ブラシレスモータ3(電動ポンプ1)の大型化を抑制することができる。また、モータ制御信号生成部28は、油温θと閾値θthとの比較により切り替え周期Tを変更するため、その演算負荷の増大を抑制することができる。
(2)モータ制御信号生成部28は、油温θが閾値θthよりも大きい場合には、デューティ比Dを第1のデューティ比D1とし、油温θが閾値θth以下の場合には、デューティ比Dを第1のデューティ比D1よりも低い第2のデューティ比D2とした。
通常、強制転流時のモータ出力(モータコイル12u,12v,12wに通電される電流量)は、起動後のモータ出力に比べて小さいため、ブラシレスモータ3が起動した後において、モータ出力を速やかに目標値に追従させるといった観点からは、強制転流時にデューティ比Dを高くすることが望ましい。一方、消費電流の増加を抑制するといった観点からは、デューティ比Dを低くすることが望ましい。この点、上記構成よれば、油温θが高く、消費電流の増加を抑制することができる場合にデューティ比Dを高くすることで、消費電流の増加を抑制しつつ、ブラシレスモータ3が起動した後の追従性を向上させることができる。一方、油温θが低く、ロータ11が脱調して停止することにより消費電流が著しく増加する虞のある場合には、デューティ比Dを低くすることで、確実に消費電流の増加を抑制することができる。また、モータ制御信号生成部28は、油温θと閾値θthとの比較によりデューティ比Dを変更するため、その演算負荷の増大を抑制することができる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
・上記実施形態では、油温θと閾値θthとの比較に基づいて通電パターンの切り替え周期Tを変更したが、これに限らず、例えば図6(a)に示すような油温θと切り替え周期Tとの関係を示したマップをモータ制御信号生成部28に設け、同マップを参照することにより油温θに応じた切り替え周期Tを演算するようにしてもよい。また、例えば図6(b)に示すような油温θとデューティ比Dとの関係を示したマップをモータ制御信号生成部28に設け、同マップを参照することにより油温θに応じたデューティ比Dを演算するようにしてもよい。この構成では、作動油の油温θ、すなわちブラシレスモータ3の負荷に応じて高精度に通電パターンの切り替え周期T及びデューティ比Dを演算することができ、効果的に消費電流の増加や脱調を抑制することができる。
・上記実施形態では、モータ制御信号生成部28は、油温θが高いほどデューティ比Dが高くなるようにしたが、これに限らず、油温θが低いほどデューティ比Dが高くなるようにしてもよい。例えば、油温θが閾値θthよりも大きい場合に、デューティ比Dを第2のデューティ比D2とし、油温θが閾値θth以下の場合に、デューティ比Dを第1のデューティ比D1とすることができる。
・上記実施形態では、油温θに応じてデューティ比Dを変更するようにしたが、これに限らず、油温θにかかわらずデューティ比Dを一定としてもよい。
・上記実施形態では、作動油の油温θを油温センサ51により直接検出するようにしたが、これに限らず、例えばマイコン22が設けられる基板温度を検出し、同基板温度に基づいて油温θを推定するようにしてもよい。
・上記実施形態では、回転位置信号S1〜S3の組み合わせが所定の順序で規則的に変化するようになることで、ロータ11の回転位置が検出できるようになったと判定し、通常制御に移行するようにした。しかし、これに限らず、例えばゼロクロス点の間隔からロータの回転速度を検出し、同回転速度が所定回転速度を超えた場合に、ロータ11の回転位置が検出できるようになったとして通常制御に移行するようにしてもよい。
・上記実施形態では、本発明を車両のトランスミッションに油圧を供給する電動ポンプに具体化したが、他の用途に用いる電動ポンプに具体化してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(イ)請求項2に記載の電動ポンプ用ブラシレスモータの制御装置において、前記起動手段は、前記油温と閾値とを比較し、前記油温が前記閾値よりも大きい場合には、前記切り替え周期を第1の切り替え周期とするとともに前記デューティ比を第1のデューティ比とし、前記油温が前記閾値以下の場合には、前記切り替え周期を前記第1の切り替え周期よりも遅い第2の切り替え周期とするとともに前記デューティ比を第1のデューティ比よりも低い第2のデューティ比とすることを特徴とする電動ポンプ用ブラシレスモータの制御装置。上記構成によれば、起動手段の演算負荷が増大することを抑制できる。
(ロ)請求項2に記載の電動ポンプ用ブラシレスモータの制御装置において、前記起動手段は、前記油温と前記切り替え周期又は前記デューティ比との関係を示したマップを備え、前記マップに基づいて前記切り替え周期又は前記デューティ比を演算することを特徴とする電動ポンプ用ブラシレスモータの制御装置。上記構成によれば、作動油の油温、すなわちブラシレスモータの負荷に応じて高精度に切り替え周期及びデューティ比を演算することができ、効果的に消費電流の増加や脱調を抑制することができる。
(ハ)電動ポンプを駆動するブラシレスモータのモータコイルへの通電パターンを予め定められた順序で切り替えることによりロータを強制的に回転させて前記ブラシレスモータを起動させる電動ポンプ用ブラシレスモータの制御方法において、前記電動ポンプが供給する作動油の油温が高くなるほど、前記通電パターンの切り替え周期を早くすることを特徴とする電動ポンプ用ブラシレスモータの制御方法。上記構成によれば、請求項1と同様の作用効果を得ることができる。
1…電動ポンプ、2…ポンプ本体、3…ブラシレスモータ、4…ECU、11…ロータ、12u,12v,12w…モータコイル、21…駆動回路、22…マイコン、23a〜23f…FET、26u,26v,26w…電圧センサ、27…回転位置信号生成部、28…モータ制御信号生成部、51…油温センサ、D…デューティ比、D1…第1のデューティ比、D2…第2のデューティ比、S1〜S3…回転位置信号、T…切り替え周期、T1…第1の切り替え周期、T2…第2の切り替え周期、θ…油温、θth…閾値。

Claims (2)

  1. 電動ポンプを駆動するブラシレスモータのモータコイルに三相の駆動電力を通電する駆動回路と、前記モータコイルへの複数の通電パターンを予め定められた順序で切り替えることによりロータを強制的に回転させて前記ブラシレスモータを起動させる起動手段とを備えた電動ポンプ用ブラシレスモータの制御装置であって、
    前記電動ポンプが供給する作動油の油温を検出する油温検出手段を備え、
    前記起動手段は、前記油温が高くなるほど前記通電パターンの切り替え周期を早くすることを特徴とする電動ポンプ用ブラシレスモータの制御装置。
  2. 請求項1に記載の電動ポンプ用ブラシレスモータの制御装置において、
    前記ブラシレスモータは、前記駆動回路を構成するスイッチング素子のデューティ比の変更を通じてモータ出力が制御されるものであって、
    前記起動手段は、前記油温が高いほど前記デューティ比を高くすることを特徴とする電動ポンプ用ブラシレスモータの制御装置。
JP2010280367A 2010-12-16 2010-12-16 電動ポンプ用ブラシレスモータの制御装置 Expired - Fee Related JP5724353B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010280367A JP5724353B2 (ja) 2010-12-16 2010-12-16 電動ポンプ用ブラシレスモータの制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010280367A JP5724353B2 (ja) 2010-12-16 2010-12-16 電動ポンプ用ブラシレスモータの制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012130178A true JP2012130178A (ja) 2012-07-05
JP5724353B2 JP5724353B2 (ja) 2015-05-27

Family

ID=46646589

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010280367A Expired - Fee Related JP5724353B2 (ja) 2010-12-16 2010-12-16 電動ポンプ用ブラシレスモータの制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5724353B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014087213A (ja) * 2012-10-25 2014-05-12 Kubota Corp モータ制御装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005110345A (ja) * 2003-09-29 2005-04-21 Aisin Seiki Co Ltd 油圧ポンプ駆動用センサレスブラシレスdcモータの起動制御方法及び制御装置
JP2008238882A (ja) * 2007-03-26 2008-10-09 Jtekt Corp 油圧パワーステアリング装置
JP2009247082A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Hitachi Ltd モータ制御装置、空気圧縮機、空気調和機、乗客コンベアの制御装置及びコンベアの制御装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005110345A (ja) * 2003-09-29 2005-04-21 Aisin Seiki Co Ltd 油圧ポンプ駆動用センサレスブラシレスdcモータの起動制御方法及び制御装置
JP2008238882A (ja) * 2007-03-26 2008-10-09 Jtekt Corp 油圧パワーステアリング装置
JP2009247082A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Hitachi Ltd モータ制御装置、空気圧縮機、空気調和機、乗客コンベアの制御装置及びコンベアの制御装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014087213A (ja) * 2012-10-25 2014-05-12 Kubota Corp モータ制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5724353B2 (ja) 2015-05-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20120306416A1 (en) Brushless motor drive device and drive method
JP5787054B2 (ja) 電動ポンプ装置
JP2008141828A (ja) モータ駆動装置及びモータ駆動方法
US20130069575A1 (en) Brushless motor driving apparatus and brushless motor driving method
JP4735681B2 (ja) モータ制御回路,車両用ファン駆動装置及びモータ制御方法
JP2010252619A (ja) ブラシレスモータの起動方法及び制御装置
US8890451B2 (en) Sensorless control unit for brushless DC motor
US8729840B2 (en) Sensorless control unit for brushless DC motor
US10218295B2 (en) Motor drive controller and method for controlling motor
JP2007151267A (ja) モータ駆動装置
JP5724353B2 (ja) 電動ポンプ用ブラシレスモータの制御装置
JP5087411B2 (ja) モータ駆動装置
JP6150694B2 (ja) ブラシレスモータの駆動装置
JP6058449B2 (ja) ブラシレスモータの駆動装置
US20130280101A1 (en) Electric pump device
JP6244694B2 (ja) ブラシレスモータの制御装置
JP2007074834A (ja) センサレスモータの起動装置
JP2005278320A (ja) ブラシレスモータの起動方法、ブラシレスモータの制御装置及び電動ポンプ
WO2018037830A1 (ja) モータ制御装置
JP2005312145A (ja) ブラシレスモータの駆動装置
JP2013236431A (ja) ブラシレスモータの制御方法及び制御装置
JP2018198497A (ja) モータ駆動制御装置及びモータの駆動制御方法
JP5396828B2 (ja) ブラシレスモータの安定制御装置
JP2005278360A (ja) ブラシレスモータのセンサレス制御方法、ブラシレスモータのセンサレス制御装置及び電動ポンプ
US20150249410A1 (en) Control Device and Control Method for Brushless Motor

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131121

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140806

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140812

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140922

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150303

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150316

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5724353

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees