JP2012127839A - 静電容量型加速度センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】外部応力による支持梁等の座屈を防止し、温度変化による出力変動を解消する。
【解決手段】SOIウエハ10の第2のシリコン層13によって固定部41と、支持梁42を介して固定部41に支持されて変位可能とされた可動電極43と、可動電極43を囲む上部フレーム44を形成し、第1のシリコン層11によって固定電極45,46と、固定電極45,46を溝48を介して囲む下部フレーム47を形成する。可動電極43は電極部43aを備え、固定電極45,46は下部フレーム47の対向2辺に沿う連結部45a,45b,46a,46bと、それら連結部間に形成された電極部45c,46cと、連結部間に支持された搭載部45e,46eを備える。固定部41は酸化膜12を介して搭載部45e,46eと接合され、下部フレーム47、連結部は酸化膜12を介して上部フレーム44と接合される。下部フレーム47を基板実装時の接着固定箇所とする。
【選択図】図4

Description

この発明は加速度入力により固定電極と可動電極の対向する面積が変化するように構成され、それら電極間の静電容量の変化から加速度を検知する静電容量型加速度センサに関する。
図8はこの種の加速度センサの従来例として特許文献1に記載されている構成を示したものであり、図9Aはその断面構造を示したものである。この例では静電容量型加速度センサ20は第1のシリコン層11上に酸化膜12を介して第2のシリコン層13が積層されてなるSOI(Silicon on Insulator)ウエハ10を用いて作製されている。
枠体21と、枠体21内に位置する可動電極22と、可動電極22を枠体21に連結支持する4つの支持梁23は、第2のシリコン層13によって一体形成されており、可動電極22は4つの支持梁23に支持されることにより、X方向に変位可能とされている。
可動電極22には貫通穴22aが複数配列形成されており、これら貫通穴22aによって可動電極22はX方向に分割されている。
一方、固定電極24,25は第1のシリコン層11によって形成されており、これら固定電極24,25は溝26によって互いに分離されている。固定電極24,25には可動電極22と同様に、それぞれ貫通穴24a,25aが複数配列形成されており、これら貫通穴24a,25aによってX方向にそれぞれ分割されている。固定電極24,25の分割された各電極24b,25bの幅Wは可動電極22の分割された電極22bの幅Wと等しくされている。
枠体21は固定電極24,25上に酸化膜12を介して位置され、これにより可動電極22の分割された電極22bと、固定電極24,25の分割された電極24b,25bが図9Aに示したように所定の間隙を介して対向されている。図8中、27は枠体21上に形成されている引き出し電極を示す。また、固定電極24,25上にも引き出し電極28(一方は隠れて見えない)がそれぞれ形成されている。引き出し電極28は枠体21の切り欠き21aに位置して外部に露出されている。
可動電極22の電極22bと固定電極24,25の電極24b,25bとはX方向において互いの幅の半分が重なって対向するようにずれて位置されている。また、固定電極24の電極24bと固定電極25の電極25bは可動電極22の電極22bに対し、X方向において互いに逆方向にずれて位置されている。図9A中、Sは電極22bと電極24b,25bでそれぞれ静電容量を形成する面積を示す。
図9Bは静電容量型加速度センサ20に加速度が加わり、可動電極22が変位した状態を示したものである。この時、固定電極24側においては静電容量を形成する面積はS+ΔSへ変化し、静電容量が増加する。誘電率をε、電極間隔をd、電極数をn個とすると、静電容量はnεS/dからnε(S+ΔS)/dに変化する。
一方、固定電極25側においては静電容量を形成する面積は逆にS−ΔSへ変化するので、静電容量はnεS/dからnε(S−ΔS)/dに変化する。固定電極24の電極24bの数と固定電極25の電極25bの数は等しく、よってこれら静電容量を差動検出することにより、入力加速度を求めることができる。
特開2010−32367号公報
上述した従来の構成例のように、SOIウエハを用いて作製される静電容量型加速度センサは高感度化の要求に答えるものとして、近年、注目されている。
一方、高精度の加速度センサは慣性航法等のアプリケーションで広く用いられており、航空機や自動車等に搭載される場合には優れた温度特性が要求される。
ここで、図8に示した静電容量型加速度センサ20の実装について説明する。静電容量型加速度センサ20は図10に示したように、基板31上に接着剤32により接着固定されて一般に実装される。しかしながら、このように実装して使用した場合、低温になると出力が変動するという現象があった。出力変動は、ある温度になると突然発生し、図11Aに示したように出力が減少する場合と、図11Bに示したように出力が増大する場合とがあり、どちらになるかは決まっておらず、個々の静電容量型加速度センサ20で異なる状況となっていた。
この出力変動は支持梁23の座屈に起因するものであり、以下、この点について説明する。
静電容量型加速度センサ20を実装する基板31の構成材料にはガラスエポキシ(FR−4)やセラミック、金属などが用いられる。これら基板材料は静電容量型加速度センサ20を構成するシリコンに比べて熱膨張係数が大きく、温度変化によって基板31の熱膨張量と静電容量型加速度センサ20の熱膨張量とに差が生じる。実装時よりも温度が下がった場合、静電容量型加速度センサ20は縮みにくく、縮みやすい基板31から静電容量型加速度センサ20は図10中、矢印aで示したように圧縮応力を受ける。
図12Aは可動電極22側の構成(第2のシリコン層13で形成されている構成)を示したものであり、幅狭の支持梁23は枠体21に支えられているので、圧縮応力は支持梁23に直接かかる。この場合、圧縮なので座屈荷重を越えるまでは支持梁23はX方向に変形せず、静電容量型加速度センサ20の出力は変化しない。一方、座屈荷重を越えると、支持梁23は座屈し、急激にX方向に変形する。このように支持梁23が変形すると、可動電極22は加速度が入力したかのごとく、動作(X方向に変位)するので出力が急激に変化する。
図12B,Cは支持梁23が座屈変形した状態をそれぞれ示したものであり、支持梁23が変形する方向は図12B,Cのどちらになるかわからず、つまり可動電極22はどちらに動くかわからない。従って、出力が変化する方向も決まらず、このような支持梁23の座屈に起因する出力変動を回路等で補正することは困難となる。
一方、この図8に示したような構成を有する静電容量型加速度センサ20において、感度の向上を図るための方法として、次の2点があげられる。1点目は支持梁23の幅をさらに小さくして可動電極22の変位量を増大させることであり、2点目は可動電極22及び固定電極24,25の分割数を増やすことである。この場合、支持梁23や電極22b,24b,25bの幅が小さくなり、断面2次モーメントが小さくなるため、これらの方法を採用すれば、さらに座屈が生じやすいものとなる。
この発明の目的はこのような状況に鑑み、温度変化によって支持梁や電極に座屈が生じないようにし、よって温度変化によって出力変動が発生せず、優れた温度特性を有する静電容量型加速度センサを提供することにある。
請求項1の発明によれば、第1のシリコン層上に酸化膜を介して第2のシリコン層が積層されてなるSOIウエハを加工して作製され、加速度入力により可動電極と固定電極の対向面積が変化するように構成された静電容量型加速度センサにおいて、第2のシリコン層によって固定部と、その固定部のまわりに位置し、支持梁を介して固定部に支持されて変位可能とされた可動電極と、その可動電極を囲む方形枠状の上部フレームとが形成され、第1のシリコン層によって固定電極と、その固定電極を溝を介して囲む方形枠状の下部フレームとが形成され、可動電極は前記変位方向に配列された複数の電極部を備え、固定電極は下部フレームの対向2辺にそれぞれ沿う連結部と、それら連結部間に前記変位方向に配列形成された複数の電極部と、連結部間に連結支持された搭載部とを備えており、固定部は酸化膜を介して搭載部と接合され、下部フレーム及び連結部は酸化膜を介して上部フレームと接合されており、下部フレームを基板への実装時の接着固定箇所とする。
請求項2の発明では請求項1の発明において、支持梁と固定部と搭載部の組が前記変位方向に配列されて複数設けられているものとされる。
請求項3の発明では請求項1の発明において、可動電極の電極部は固定電極の電極部と前記変位方向においてずれているものとされる。
請求項4の発明では請求項3の発明において、支持梁と固定部の組が前記変位方向に配列されて2つ設けられ、固定電極は2分されて第1及び第2の固定電極が構成され、前記接着固定箇所は前記対向2辺の各中点とされ、それら中点を結ぶ直線に対し、可動電極が対称に構成され、かつ第1の固定電極と第2の固定電極が対称に構成されているものとされる。
この発明では、可動電極を変位可能に支持する支持梁は、その一端(固定端)が可動電極を囲んで位置する上部フレームに連結固定されるのではなく、上部フレームと分離されて上部フレームの枠内に位置する固定部に連結固定されるものとなっている。よって、上部フレームに外部から応力が加わったとしても、支持梁には応力は加わらず、圧縮応力が加わって支持梁が座屈するといった現象は発生しない。同様に、可動電極にも座屈を招くような圧縮応力が加わることはない。
また、固定電極は、固定電極を囲んで位置する下部フレームと分離され、酸化膜を介して上部フレームに接合固定されており、静電容量型加速度センサの基板への実装時には固定電極は基板に接着固定されず、下部フレームが接着固定されるものとなっている。このような構成・実装方法を採用したことにより、下部フレームに外部から圧縮応力が加わった場合、固定電極は基板側に凸に湾曲変形するものとなっており、これにより固定電極の座屈を防止することができるものとなっている。
従って、この発明によれば、温度変化によって加わる外力により、支持梁や可動電極、固定電極が座屈することはなく、よって座屈に起因する出力変動は発生せず、その点で優れた温度特性を有する静電容量型加速度センサを得ることができる。
また、座屈を招くような圧縮応力が支持梁や可動電極、固定電極に加わらないため、支持梁の幅の狭小化や可動電極、固定電極の幅の狭小化(分割数の増大)を図ることができ、これにより感度のさらなる向上を図ることができる。
なお、外部から応力が加わった場合の固定電極の湾曲は応力によって決まった方向、大きさになるので、静電容量の変化(出力の変化)も決まった方向、大きさになり、よって回路で補正することができる。
この発明による静電容量型加速度センサの一実施例の構成を示す斜視図。 図1において第2のシリコン層(デバイス層)で作製されている部分の構成を示す平面図。 図1において第1のシリコン層(ハンドル層)で作製されている部分の構成を示す平面図。 図1におけるA−A線断面図。 図4において下部フレームに圧縮応力が加わった場合の変形した状態を示す図。 下部フレームに圧縮応力が加わった場合の変形の様子をシミュレーションにより求めた結果を示す図。 図1に示した静電容量型加速度センサの作製方法を説明するための図。 静電容量型加速度センサの従来構成例を示す斜視図。 Aは図8の断面図、Bは加速度が加わった状態を示す断面図。 図8に示した静電容量型加速度センサの基板への実装構造を示す図。 温度変化に伴う出力変動を示すグラフ。 Aは図8において第2のシリコン層で作製されている部分の構成を示す平面図、B,Cは支持梁が座屈した状態を示す図。
この発明の実施形態を図面を参照して実施例により説明する。
図1はSOIウエハを加工して作製されたこの発明による静電容量型加速度センサの一実施例の構成を示したものであり、図2及び図3はSOIウエハの第2のシリコン層(以下、デバイス層と言う)を用いて作製されている部分と、第1のシリコン層(以下、ハンドル層と言う)を用いて作製されている部分の平面形状をそれぞれ示したものである。また、図4は静電容量型加速度センサが基板に実装された状態での図1におけるA−A線の断面を示したものである。図4中、11はハンドル層、12は酸化膜、13はデバイス層を示し、10はSOIウエハを示す。
この例ではデバイス層13によって図2に示したように固定部41と支持梁42と可動電極43と上部フレーム44が形成され、ハンドル層11によって図3に示したように固定電極45,46と下部フレーム47が形成されている。
上部フレーム44は方形枠状をなし、その枠内に支持梁42を介して固定部41に支持された可動電極43が位置されている。固定部41は方形とされ、この例では上部フレーム44の長辺と平行方向(X方向)に配列されて2つ設けられている。
可動電極43は上部フレーム44の短辺と平行方向(Y方向)に伸長された細幅の電極部43aがX方向に多数配列されてなる構成とされ、これら多数の電極部43aはX方向に伸長する2本のアーム部43bによって互いに連結されている。
支持梁42は各固定部41からY方向において互いに逆向きに伸長されて2本のアーム部43bにそれぞれ連結されており、この例では計4本の支持梁42によって可動電極43は支持されている。可動電極43はこのように支持されることによりX方向に変位可能とされている。
下部フレーム47は上部フレーム44と同じ外形形状を有する方形枠状をなし、その枠内の一半部に第1の固定電極45が位置され、他半部に第2の固定電極46が位置されている。固定電極45は下部フレーム47の対向する長辺にそれぞれ沿う連結部45a,45bを有し、それら連結部45a,45b間に細幅の電極部45cがX方向に配列されて多数形成されている。これら電極部45cには可動電極43の電極部43aと同様、X方向に伸長する2本のアーム部45dが設けられている。
固定電極45において、デバイス層13に形成されている固定部41と対応する位置には方形の搭載部45eが形成されており、搭載部45eは電極部45c及び電極部45cと平行に形成されたやや幅広の支持部45fによって両連結部45a,45bに連結支持されている。
固定電極46は下部フレーム47の長辺を2分する中心線に対し、固定電極45と対称に構成されて設けられており、固定電極45と同様、一対の連結部46a,46bと、多数配列された電極部46cと、2本のアーム部46dと、搭載部46eと、2本の支持部46fとを有する。固定電極45,46を囲む下部フレーム47と固定電極45,46との間には一周に渡って溝48が存在し、この溝48により下部フレーム47と固定電極45,46は分離されている。また、固定電極45と46も互いに分離されている。
次に、上記のような構成を有するハンドル層11とデバイス層13の積層構造について説明する。
図4に示したように、下部フレーム47上には上部フレーム44が位置し、酸化膜12を介して下部フレーム47と上部フレーム44は接合されている。上部フレーム44の長辺は下部フレーム47の長辺に対し、幅広とされており、固定電極45,46の連結部45a,45b及び46a,46bは上部フレーム44の下に位置し、酸化膜12を介して上部フレームの長辺に接合されている。なお、上部フレーム44の一方の長辺及びその下に位置する連結部45b,46bは他方の長辺及びその下に位置する連結部45a,46aより幅広とされており、この幅広の上部フレーム44の長辺には窓49が2つ設けられている。固定電極45,46の一方の連結部45b,46bはこの窓49部分において外部に露出する。この露出部分はリード線(図示せず)の接続箇所とされる。
一方、2つの固定部41は酸化膜12を介して搭載部45e,46eとそれぞれ接合されており、これにより固定部41はハンドル層11に固定されている。上部フレーム44の枠内において2つの固定部41が位置する部分以外の酸化膜12は全て除去されており、これにより、可動電極43の電極部43aと固定電極45,46の電極部45c,46cは酸化膜12の厚さ分の間隙を介して対向されている。なお、可動電極43の電極部43aと固定電極45,46の電極部45c,46cとは幅が等しくされており、図8に示した従来の静電容量型加速度センサ20と同様、互いの幅の半分が重なって対向するようにずれて位置され、かつ電極部45cと46cは電極部43aに対し、X方向において互いに逆方向にずれて位置されている。
上記のような構成とされた静電容量型加速度センサ40は従来と同様、接着剤により接着固定されて基板上に実装される。この際、下部フレーム47を全周に渡って接着固定してもよいが、この例では接着固定箇所を限定し、図3中にC,Cで示したように下部フレーム47の長辺の各中点とする。これにより、基板との熱膨張係数の差により温度変化によって基板から受ける応力(外部応力)が作用する方向はC点とC点を結ぶ直線の方向(長辺を2分する中心線の方向)に限定される。図4中、51は基板を示し、52は接着剤を示す。なお、接着固定箇所の径が大きくなると、C点とC点を結ぶ直線の方向以外の方向の応力が大きくなるので、接着径は強度を維持できる最小の径にすることが望ましい。
次に、上述した静電容量型加速度センサ40の構成及び実装構造において、外部から応力が加わった時の動作について説明する。
下部フレーム47に例えば外部から圧縮応力が加わったとする。圧縮応力はC点とC点を結ぶ直線の方向に作用する。下部フレーム47と上部フレーム44は接合されているので、両フレーム47,44ともに両端から圧縮応力が働く。下部フレーム47の長辺は上部フレーム44の長辺より幅狭とされ、上部フレーム44の幅広の長辺には溝48を挟んで下部フレーム47と固定電極45,46の連結部(45a,45b及び46a,46b)が接合されている。従って、上部フレーム44に比べると、溝48を挟んでいる下部フレーム47と連結部は見かけ上、ヤング率が低く、応力に対して圧縮しやすい。上部フレーム44は下部フレーム47及び連結部との接合面に近いほど、圧縮度合いが大きくなり、つまり下側が縮み、上側が延びるように湾曲する。これにより、図5に示したように固定電極45,46は基板51側に凸に湾曲変形する。
この例では固定電極45,46は上述したように湾曲変形するものとなっており、つまり固定電極45,46に圧縮荷重は作用しないので、固定電極45,46の細幅とされた電極部45c,46cが座屈することはない。
図6は下部フレーム47に圧縮応力を加えた時の変形の様子をシミュレーションにより求めた結果を示したものである。シミュレーションにはCOSMOSWorks2008(Solid Works社製)を用いた。下部フレーム47の片側を固定し、反対側の下部フレーム47に1N/mを加えた。最も中央にある固定電極45,46の変位量(単位:m)を下記に示す。
<水平方向> <垂直方向>
・固定電極45 … −3.82×10−15 ,1.88×10−13
・固定電極46 … 4.39×10−15 ,1.87×10−13
垂直方向への変位は水平方向の50倍であり、水平方向よりも垂直方向に動きやすくなっていることがわかる。なお、垂直方向の変位量は左右の固定電極45,46で同量であった。
一方、支持梁42は上部フレーム44に連結支持されるのではなく、上部フレーム44と分離されて上部フレーム44の枠内に位置する固定部41に連結支持されているため、上部フレーム44に外部から応力が加わったとしても、支持梁42には応力は加わらず、よって圧縮応力が加わって支持梁42が座屈するといった現象は発生しない。同様に、可動電極43の細幅とされた電極部43aにも座屈は発生しない。
また、上述したように基板51への接着固定箇所を下部フレーム47の長辺の各中点C,Cとすれば、下部フレーム47にかかる応力はC点とC点を結ぶ直線に対し、左右対称にすることができる。一方、ハンドル層11とデバイス層13の各構成は上述したようにC点とC点を結ぶ直線(中心線)に対し、対称に構成されている。よって、両固定電極45,46の変形の仕方を同一形状にすることができる。同一形状で変形すれば、変形した時の静電容量変化を2つの固定電極45,46で同一にすることができる。固定電極45側の静電容量と固定電極46側の静電容量を差動で検出すれば、変形による静電容量変化をキャンセルすることができ、例えば回路によるオフセット調整なしで出力の変動を抑えることができる。
図7は上記のような構成を有する静電容量型加速度センサ40の作製方法を示したものであり、以下、作製方法を工程順に説明する。なお、図7は図1におけるA−A線断面を示している。
(1)SOIウエハ10を用意する。SOIウエハ10はハンドル層11及びデバイス層13の厚さがそれぞれ150μm、酸化膜12の厚さが3μmのものを用いた。
(2)デバイス層13上に可動部側のパターンをフォトリソグラフィで形成し、DRIE(Deep−RIE:深掘りの反応性イオンエッチング)でエッチングして所要の構造物を作製する。
(3)ハンドル層11側にも同様にパターンを形成し、DRIEでエッチングして所要の構造物を作製する。
(4)フッ酸で可動電極43と固定電極45,46間の酸化膜12がなくなるまでエッチングする。
(5)出来上がったセンサ素子をダイシングし(図7では全てダイシングされた状態として示している。)、静電容量型加速度センサ40を基板51上に接着剤52で接着固定して実装する。静電容量型加速度センサ40の全体の大きさは6mm×7mmとした。
なお、搭載部45e,46eと固定部41間、上部フレーム44と下部フレーム47及び連結部45a,45b,46a,46b間のようにデバイス層13とハンドル層11が接続固定されている部分は酸化膜12を残すためにエッチング量より十分大きな幅(200μm以上)をとった。支持梁42の寸法は幅10μm、長さ1mm、高さ150μmとした。
10 SOIウエハ 11 第1のシリコン層(ハンドル層)
12 酸化膜 13 第2のシリコン層(デバイス層)
20 静電容量型加速度センサ 21 枠体
22 可動電極 22a 貫通穴
22b 電極 23 支持梁
24,25 固定電極 24a,25a 貫通穴
24b,25b 電極 26 溝
27,28 引き出し電極 31 基板
32 接着剤 40 静電容量型加速度センサ
41 固定部 42 支持梁
43 可動電極 43a 電極部
43b アーム部 44 上部フレーム
45,46 固定電極 45a,45b,46a,46b 連結部
45c,46c 電極部 45d,46d アーム部
45e,46e 搭載部 45f,46f 支持部
47 下部フレーム 48 溝
49 窓 51 基板
52 接着剤

Claims (4)

  1. 第1のシリコン層上に酸化膜を介して第2のシリコン層が積層されてなるSOIウエハを加工して作製され、加速度入力により可動電極と固定電極の対向面積が変化するように構成された静電容量型加速度センサであって、
    前記第2のシリコン層によって固定部と、その固定部のまわりに位置し、支持梁を介して固定部に支持されて変位可能とされた前記可動電極と、その可動電極を囲む方形枠状の上部フレームとが形成され、
    前記第1のシリコン層によって前記固定電極と、その固定電極を溝を介して囲む方形枠状の下部フレームとが形成され、
    前記可動電極は前記変位方向に配列された複数の電極部を備え、
    前記固定電極は前記下部フレームの対向2辺にそれぞれ沿う連結部と、それら連結部間に前記変位方向に配列形成された複数の電極部と、前記連結部間に連結支持された搭載部とを備えており、
    前記固定部は前記酸化膜を介して前記搭載部と接合され、
    前記下部フレーム及び前記連結部は前記酸化膜を介して前記上部フレームと接合されており、
    前記下部フレームを基板への実装時の接着固定箇所とすることを特徴とする静電容量型加速度センサ。
  2. 請求項1記載の静電容量型加速度センサにおいて、
    前記支持梁と前記固定部と前記搭載部の組が前記変位方向に配列されて複数設けられていることを特徴とする静電容量型加速度センサ。
  3. 請求項1記載の静電容量型加速度センサにおいて、
    前記可動電極の電極部は前記固定電極の電極部と前記変位方向においてずれていることを特徴とする静電容量型加速度センサ。
  4. 請求項3記載の静電容量型加速度センサにおいて、
    前記支持梁と前記固定部の組が前記変位方向に配列されて2つ設けられ、
    前記固定電極は2分されて第1及び第2の固定電極が構成され、
    前記接着固定箇所は前記対向2辺の各中点とされ、それら中点を結ぶ直線に対し、前記可動電極が対称に構成され、かつ前記第1の固定電極と前記第2の固定電極が対称に構成されていることを特徴とする静電容量型加速度センサ。
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