JP2012127747A - 無線測位装置及び無線測位方法 - Google Patents

無線測位装置及び無線測位方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複雑な伝搬環境においても、1つの装置によって測位対象の位置を特定することができる無線測位装置及び無線測位方法を提供すること。
【解決手段】距離測定部103は、インパルス信号が送出されてから受信されるまでの往復時間を計測して測位対象までの距離を測定する。相関行列演算部104は、アレイアンテナ102の受信信号から相関行列を演算する。相関行列テーブル記憶部105は、キャリブレーションモード時に取得され、平面上に設定された測定ポイントにおける相関行列を、基準相関行列として、測定ポイントと対応付けて記憶する。積和部107は、通常運用モード時に、測定相関行列と基準相関行列との類似度を算出する。位置判定部111は、類似度が最大の測定ポイントの累積距離dと、距離rとに基づいて、測位対象の位置を判定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、測位タグ、レーダ等無線を用いたタグ、自動車、オートバイ及び人等の位置を検出する無線測位装置及び無線測位方法に関する。
一般に、都市内又は部屋内などの電波伝搬環境は、複雑なマルチパス環境である。このため、無線を用いて物体の位置を測位する場合、通常の通信と異なり、測位タグ又はレーダは、強度の強い信号を受信するだけでは必要十分ではなく、物体からの直接波を受信して、距離、方位などの位置を測定する方式を採るのが一般的である。
ところが、現実の伝搬環境においては、必ずしも直接波が強度の強い信号として受信されて検出されるわけではなく、また、直接波が先頭波として検出することが困難となり、先頭波が埋もれた反射波が受信されることがある。この場合、測定結果と実際の位置との間に大きな誤差が発生してしまう。
この課題に対する一つの解決策として、測位すべき各場所に物体を配置し、予めアレイアンテナの受信信号をキャリブレーションデータとしてデータベースに保持しておく技術がある。当該技術では、実運用時に、キャリブレーションデータの値と実測値とを照合して位置を測定する。
特許文献1には、上記技術を用いた受信機が開示さている。図1は、特許文献1に記載の受信機の構成を示すブロック図である。特許文献1に記載の受信機において、相関行列演算手段22は、アレイアンテナ21を用いて、受信信号の相関行列(以下、アレイ相関行列という)を測定する。そして、固有ベクトル演算手段23は、相関行列の複数の固有ベクトルを算出する。そして、イベント検出手段24は、初期値として予め固有ベクトル(初期値固有ベクトル)を内部の記憶手段に保持しており、算出した固有ベクトルが初期値固有ベクトルに、どれぐらい似ているかを比較する。
具体的には、イベント検出手段24は、相関行列の複数の固有ベクトルの大きさ及び方向が、特定の場所又は周辺環境に固有の値であることを利用して、人の侵入によって場所毎の固有のベクトルが時間的に変化することを利用している。
そのため、受信機20は、予め人が存在しない場合の固有ベクトルを初期値固有ベクトルとして測定しておき、測定した固有ベクトルが初期値固有ベクトルと異なる時間をイベントとして検出し、このイベント検出を侵入者検出として用いる。
アレイ相関行列から得られる複数の固有ベクトルは、一般的に電波の送出元から直接到来する、又は、壁等により反射された電波の到来方向を算出する各アレイアンテナ素子の複素振幅のベクトルである。このため、人が侵入した場合には、予め測定した場合の電波伝搬状況に変化が生じるため、イベントとして侵入者検知が可能となる。
しかし、この従来の技術においては、侵入者検知が出来ても、その位置を確定することが困難である。
一方、非特許文献1には、同様に予め測定した固有ベクトルのデータベースと実際のアレイ相関行列から算出した固有ベクトルとの照合により、電波発信源の位置を測定する技術が開示されている。非特許文献1における場所固有の固有ベクトルの評価方法は、特許文献1と同じであるが、非特許文献1においては、周辺の建物、壁、自動車、物等伝搬環境に影響を与える物体の存在が、場所毎に異なることを利用している。
電波の発信源の位置が異なると、アレイアンテナにおいて観測される固有ベクトルの組が異なる値をとる。そのため、予め測定すべきポイントの固有ベクトルの組を照合させることにより、非特許文献1に記載の技術は、位置を特定する。しかし、当該技術において、固有ベクトルの組の性質を特徴づける電波は、発信源からの直接波であることが多く、特に、同じ到来方向にある発信源の識別が困難である。そのため、非特許文献1では、アレイアンテナを複数の場所に配置して、固有ベクトルデータを統合して処理することにより、位置測定精度を向上させている。
特開2008−216152号号公報 特開2010−2266号公報
M.Nezafat他著「Subspace matching localization: a practical approach to mobile user localization in microcellular environments」Vehicular Technology Conference, 2004. VTC2004-Fall. 2004 IEEE 60th Publication Date : 26-29 Sept. 2004 On page(s): 5145 - 5149 Vol. 7
しかしながら、上記で説明したいずれの技術においても、1つの装置によって測位対象の位置を特定することは困難であり、複数の装置を用いる必要があった。
本発明の目的は、複雑な伝搬環境においても、1つの装置によって測位対象の位置を特定することができる無線測位装置及び無線測位方法を提供することである。
本発明の無線測位装置の一つの態様は、平面上の複数の測定ポイントに設置されたキャリブレーション用物体からの信号を用いてキャリブレーションデータを取得するキャリブレーションモードと、測位対象の位置を測定する通常運用モードとを有する無線測位装置であって、前記キャリブレーションモードと前記通常運用モードとを切り替える切替手段と、広帯域信号を送出または受信する測距アンテナと、前記広帯域信号が前記測距アンテナから送出されてから、前記測距アンテナにおいて受信されるまでの往復時間を計測して前記測位対象までの距離を測定する測定手段と、複数のアンテナ素子を有し、前記測距アンテナから送出された前記広帯域信号が前記測位対象又は前記キャリブレーション用物体により反射された反射信号を受信するアレイアンテナと、前記アレイアンテナの受信信号から相関行列を演算し、前記キャリブレーションモード時には、前記相関行列を前記キャリブレーションデータとして出力し、前記通常運用モード時には、前記相関行列を測定相関行列として出力する演算手段と、前記キャリブレーションデータとして出力された前記相関行列を基準相関行列として、前記測定ポイントと対応付けて記憶する記憶手段と、前記通常運用モード時に、前記測定相関行列と前記基準相関行列との類似度を算出する算出手段と、前記類似度が最大の前記測定ポイントを、前記測位対象の位置として判定する判定手段と、を具備する。
本発明の無線測位方法の一つの態様は、平面上に複数の測定ポイントを設定し、前記測定ポイントにキャリブレーション用物体を設置し、前記キャリブレーション用物体からの信号を用いてキャリブレーションデータを取得するキャリブレーションモードと、測位対象の位置を測定する通常運用モードとを有する無線測位装置における無線測位方法であって、前記キャリブレーションモードと前記通常運用モードとを切り替え、測距アンテナは、広帯域信号を送出または受信し、前記広帯域信号が前記測距アンテナから送出されてから、前記測距アンテナにおいて受信されるまでの往復時間を計測して前記測位対象までの距離を測定し、アレイアンテナは、複数のアンテナ素子を有し、前記測距アンテナから送出された前記広帯域信号が前記測位対象又は前記キャリブレーション用物体により反射された反射信号を受信し、前記アレイアンテナの受信信号から相関行列を演算し、前記キャリブレーションモード時には、前記相関行列を前記キャリブレーションデータとして出力し、前記通常運用モード時には、前記相関行列を測定相関行列として出力し、前記キャリブレーションデータとして出力された基準相関行列を前記測定ポイントと対応付けて記憶し、前記通常運用モード時に、前記測定相関行列と前記基準相関行列との類似度を算出し、前記類似度が最大の前記測定ポイントを、前記測位対象の位置として判定する。
本発明によれば、複雑な伝搬環境においても、1つの装置によって測位対象の位置を特定することができる。
従来の無線測位装置の構成を示すブロック図 本発明の一実施の形態に係る無線測位装置の構成を示すブロック図 本実施の形態に係る測定ポイントの配置例を示す図 方位角を用いて設定される測定ポイントの配置例を示す図 本実施の形態における相関行列テーブルの一例を示す図 本実施の形態における相関行列テーブルの別の例を示す図 相関行列と到来方向推定角度との関係を説明するための図 相関行列と到来方向推定角度との関係を説明するための図 本実施の形態における相関行列テーブルの更に別の例を示す図 本実施の形態に係る無線測位装置の別の構成を示すブロック図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(一実施の形態)
図2は、本発明の実施の形態に係る無線測位装置の構成を示すブロック図である。
図2において、無線測位装置100は、測距アンテナ101、アレイアンテナ102、距離測定部103は、相関行列演算部104、相関行列テーブル記憶部105、データバススイッチ106、積和部107、動作モード切替部108、位置判定部111を有する。位置判定部111は、位置検出部109、及び、最大値判定部110を有する。
無線測位装置100の測位対象が例えばタグの場合には、測距アンテナ101及び距離測定部103は、リーダ(又は質問器)と呼ばれる固定局に備えられ、電波を用いてリーダとタグ間の距離を測定する。
また、無線測位装置100は、測位を正確に行うために、動作モードとして、キャリブレーションモードと、通常運用モードの2つのモードを備える。キャリブレーションモードは、無線測位装置100が設置される場所の周辺の電波伝搬環境を予め測定し、測定データをキャリブレーションデータとして相関行列テーブル記憶部105に蓄積するモードである。通常運用モードは、キャリブレーションデータを用いて、実際に測位対象の位置を測定するモードである。これらのモードは、動作モード切替部108により切り替えられる。これら動作モードの詳細については、後述する。なお、測位とは、測定対象の位置を測定することであり、基準点からの距離と方向の2つ測定により実現される。本実施の形態では、基準点は、無線測位装置100が置かれている位置とする。そのため、本実施では、最初に、距離測定部103において、無線測位装置100から測位対象までの距離を測定する。
距離測定部103は、測位対象までの距離を測定する。距離を測定する方法としては例えば、距離測定部103は、インパルス信号(UWB(Ultra Wide Band:ウルトラワイドバンド))を用いて、測位対象までの距離を測定する。この場合、距離測定部103は、測距アンテナ101からインパルス信号を送出する。そして、距離測定部103は、測距アンテナ101から送出されたインパルス信号が、測位対象のタグ又は物体により反射されて、再び、測距アンテナ101で受信するまでの往復時間から、測位対象までの距離を測定する。
UWBを用いて測位する場合の測定精度は、一般的に測位に用いられる電波の周波数帯域幅、換言すると、インパルス信号のパルス幅によって規定される。例えば、インパルス信号のUWB帯域幅が0.6GHzの場合、測定精度は50cmであり、UWB帯域幅が1GHzの場合、測定精度は30cmである。このように、測定精度は、これらインパルス信号のパルス幅によって規定される。したがって、距離測定部103は、要求される測定精度に対応したUWB帯域幅のインパルス信号を用いればよい。
距離測定部103は、測定した距離の情報を、相関行列テーブル記憶部105及び位置検出部109に出力する。
アレイアンテナ102は、測距アンテナ101から送出されたインパルス信号を受信し、受信信号を相関行列演算部104に出力する。なお、図2には、アレイアンテナ102が、3つのアンテナ素子を有する場合について図示したが、アンテナ素子は3つに限られない。
相関行列演算部104は、アレイアンテナ102で受信された各受信信号をサンプリングし、サンプリング後の信号を用いて、相関行列を算出する。アレイアンテナ102のアンテナ素子数がN個(Nは整数)の場合、相関行列は、N行N列のユニタリ行列で表される。
相関行列演算部104は、算出した相関行列を、データバススイッチ106又は積和部107に出力する。具体的には、相関行列演算部104は、キャリブレーションモード時に、相関行列をデータバススイッチ106に出力する。また、相関行列演算部104は、通常運用モード時に、相関行列を積和部107に出力する。以下、通常運用モード時に、相関行列演算部104から積和部107に出力される相関行列を、測定相関行列という。
動作モード切替部108は、無線測位装置100の動作モードに応じて、データバススイッチ106の接続先を、相関行列テーブル記憶部105又は積和部107のいずれか一方に切り替える。
具体的には、動作モード切替部108は、キャリブレーションモード時に、相関行列演算部104から出力される相関行列が、相関行列テーブル記憶部105に出力されるよう、データバススイッチ106のバスを切り替える。また、動作モード切替部108は、キャリブレーションモード時に、測定ポイントの情報を、相関行列テーブル記憶部105に出力する。測定ポイントの情報の詳細については、後述する。
また、動作モード切替部108は、通常運用モード時に、相関行列演算部104から出力される相関行列が、積和部107に出力されるよう、データバススイッチ106のバスを切り替える。
相関行列テーブル記憶部105は、RAM(Random Access Memory)等の記憶素子により構成される。そして、相関行列テーブル記憶部105は、キャリブレーションモード時に相関行列演算部104において取得され、平面上に設定された測定ポイントにおける相関行列を、基準相関行列として、測定ポイントと対応付けて記憶する。このとき、相関行列テーブル記憶部105は、動作モード切替部108からの測定ポイントの情報に基づいて、相関行列を格納するアドレス(又はアドレスポインタ)を設定し、設定したアドレスに相関行列を格納する。ここで、測定ポイントの情報とは、測定ポイントの座標である。測定ポイントの座標については、後に詳述するが、距離及び累積距離で定義される。なお、具体的な格納方法については、後述する。
また、相関行列テーブル記憶部105は、通常運用モード時に、相関行列を積和部107に出力する。このとき、相関行列テーブル記憶部105は、距離測定部103からの距離の情報に基づいたアドレス(又はアドレスポインタ)を参照し、当該アドレスに格納される相関行列を積和部107に出力する。以下、キャリブレーションモード時に、相関行列テーブル記憶部105に記憶され、通常運用モード時に、相関行列テーブル記憶部105から出力される相関行列を、基準相関行列という。
積和部107は、通常運用モード時に、測定相関行列と基準相関行列との類似度を算出する。なお、類似度の算出方法については、後述する。積和部107は、算出した類似度を位置判定部111に出力する。
位置判定部111は、距離測定部103からの距離の情報と、類似度が最大の測定ポイントの累積距離の情報とに基づいて、測位対象の位置を判定する。累積距離については、後述する。
具体的には、最大値判定部110は、複数の類似度のうち、最大の類似度を判定する。そして、最大値判定部110は、最大の類似度を与える基準相関行列に対応付けられた測定ポイントの累積距離の情報を、位置検出部109に出力する。
位置検出部109は、距離測定部103からの距離の情報と、最大値判定部110からの測定ポイントの累積距離の情報とに基づいて、測位対象の位置を判定する。
次に、無線測位装置100の動作について説明する。
無線測位装置100は、通常運用モードでの動作に先立ち、予めキャリブレーションモードにおいて、基準相関行列をキャリブレーションデータとして取得する。キャリブレーションモードは、無線測位装置100が通常運用モードで運用される位置に設置された際に行う。始めに、キャリブレーションモード時の無線測位装置100の動作について説明する。
[キャリブレーションモード時]
キャリブレーションモードでは、無線測位装置100が通常運用モードで運用される位置に設置された後に、複数の測定ポイントが設置される。
図3は、測定ポイントの配置例を示す図である。図3の測定ポイントは、平面上に設定されている。そして、測定ポイントは、無線測位装置100が設置される位置を中心として、中心からの距離が等間隔の複数の同心円上にあって、各同心円上に等間隔に設定される。
具体的には、要求精度が50cmであり、測定エリアが、無線測位装置100の位置を中心とした半径10mの円の場合、無線測位装置100を中心に50cm、1m、1m50cm、2mというように、円の半径が50cm毎に10mまで設定される。これら円の半径が設定されると、本実施の形態は、例えば、測定エリアの床等に、テープ、白墨、又は、消去可能なペン等を用いて、複数の円の印を付ける。
次に、本実施の形態は、測定エリア内の特定方向から要求精度間隔で、各円上に測定ポイントを設定し、印を付ける。例えば、要求精度がDの場合、特定方向を基準として、当該基準からDだけ離れた円上のポイントが、測定ポイントとして設定される。測定ポイントが設定されると、円と同様に、テープ等で印を付ける。
図3を用いて、測定ポイントの具体的な設定方法について説明する。図3は、無線測位装置100が位置201に設置され、要求精度がDの場合の測定ポイントの配置例を示す。この場合、半径をDずつ増やした同心円が、測位エリアの一番外側まで先ず描かれる。
次に、無線測位装置100からの特定の方向200が決定され、方向200と各同心円との交点が起点ポイントとして設定される。図3においては、ポイント202,204,206は、起点ポイントである。ポイント202,204,206の座標は、それぞれ、(D,0),(2D,0),(3D,0)と表される。
次に、本実施の形態では、起点ポイントから要求精度Dだけ離れた同心円上の点を、測位ポイントに設定する。例えば、ポイント202から要求精度Dだけ離れた同心円上のポイント203を設定する。次に、本実施の形態では、ポイント203から要求精度Dだけ離れた同心円上のポイント205が設定される。
本実施の形態では、各測定ポイントの座標を(半径、累積距離)で表す。ここで、同一円上に配置される第kポイントの累積距離は、k×Dとなる。第kポイントとは、同一円上に配置される測定ポイントのうち、基点ポイントから半時計回りにカウントして第k番目の測定ポイントである。例えば、第1ポイントであるポイント203の累積距離は、起点ポイント202からポイント203までの距離Dとなる。したがって、ポイント203の座標は(D,D)と表される。また、第2ポイントであるポイント205の累積距離は、起点ポイント202からポイント203までの距離Dと、ポイント203からポイント205までの距離Dとを累積加算した距離2Dとなる。したがって、ポイント205の座標は(D,2D)と表される。
以下、このようにして、本実施の形態では、半径Dの同一円上に、(D,0),(D,D),(D,2D),(D,3D),(D,4D),(D,5D)を設定する。また、無線測位方法は、半径2Dの同一円上に、(2D,0),(2D,D),(2D,2D),(2D,3D),(2D,4D),(2D,5D),…,(2D,11D)を設定する。同様に、無線測位方法は、半径3Dの同一円上に、(3D,0),(3D,D),(3D,2D),(3D,3D),…を設定する。
このようにして、本実施の形態では、方位角を用いずに、無線測位装置100からの特定方向を基準として、当該基準から所定の距離だけ離れた円上のポイントが、測定ポイントとして設定される。方位角を用いて測定ポイントを設定する場合には、無線測位装置100から測定エリア内の一番遠い位置においても、要求精度が満たされるように、方位角の要求精度φが設定される。そして、半径が異なる円上に、方位角の要求精度φ毎に、測定ポイントが設定される。
図4は、半径が異なる複数の同心円上に方位角の要求精度φ毎に設定された測定ポイントの配置例を示す。中心からの距離と方位角とから測位対象の位置を測定する方法は、従来、レーダにおいて一般的に用いられている方法である。しかし、図4から分かるように、この場合、無線測位装置100から比較的近い位置において、距離の要求精度D以上に測定ポイントが設定されることになる。例えば、中心からの距離が10mの位置において、測位精度50cmを満たす方位角の精度は2度となる。そして、同一円上に2度毎に方位各が設定される場合、中心からの距離が1mの円上には、5cm毎に、測定ポイントが設定されることになる。
これに対し、本実施の形態では、方位角を用いずに、測定ポイントが設定されるため、無線測位装置100から近い位置と、遠い位置とで、測定ポイントが均一に設定される。そのため、本実施の形態では、キャリブレーション時において、無線測位装置100から近い位置に設定される測定ポイント数を、方位角を用いる場合に比べ、少なくすることができる。これにより、本実施の形態は、キャリブレーション時の測定時間を短縮することができる。
また、無線測位装置100からの距離に関わらず、測定ポイントは、測定エリア内に均一に配置されるため、測定エリア内における測位精度を均一化することができる。
中心からの円の半径や、円上での距離は、複数巻尺又は糸等を用いて計測する。
測定ポイントが設定されると、次に、無線測位装置100を動作させる。
予め測定エリア(例えば、床)内の印が付けられた測定ポイントに、タグ等が設置される。以下では、キャリブレーション時に各測定ポイントに設定されるタグ等をキャリブレーション用物体と呼ぶ。
測距アンテナ101から送信されたインパルス信号は、キャリブレーション用物体に反射され、アレイアンテナ102に入射する。
アレイアンテナ102のN個の各アンテナ素子の受信信号は、相関行列演算部104に出力され、相関行列演算部104において相関行列が算出される。
相関行列は、次の式で表される。
Figure 2012127747
相関行列の各要素は、振幅・位相情報を含む複素数である。また、Norm関数は、全ての行列要素の絶対値の平均値である。これにより、それぞれの相関行列は規格化(正規化)される。
キャリブレーションモード時には、データバススイッチ106は、相関行列が相関行列テーブル記憶部105に書き込まれるようにバスを切り替える。これにより、相関行列が基準相関行列として相関行列テーブル記憶部105に記憶される。
なお、このとき、相関行列テーブル記憶部105は、中心から測定ポイントまでの距離(半径r)と累積距離dとに基づいたアドレス(又はアドレスポインタ)に、各相関行列を格納する。そして、予め設定された全測定ポイントについて、格納処理が繰り返される。
図5は、相関行列テーブル記憶部105に格納される相関行列の配置例を示す。図5は、無線測位装置100の位置を中心として半径Dの円周上の6個の測定ポイントに関して、相関行列が相関行列テーブル記憶部105に記述される様子を示したものである。
また、図6は、無線測位装置100の位置を中心として半径2Dの円周上の12個の測定ポイントに関して、相関行列が相関行列テーブル記憶部105に記述される様子を示したものである。
本実施の形態では、図5及び図6に示すように、無線測位装置100の位置(中心)から距離(半径)rが同一の測定ポイント毎に、相関行列が1つのテーブル(以下、相関行列テーブルという)に格納される。つまり、相関行列テーブル記憶部105は、中心から測定ポイントまでの距離(半径r)を相関行列テーブルのアドレスに用い、累積距離dを各相関行列テーブル内でのアドレスに用いて、相関行列を格納する。
このように、本実施の形態では、中心からの距離(半径)rが等しい複数の測定ポイントの基準相関行列が1組の相関行列テーブルに記憶される。距離(半径)r=3D,4D,5D・・・・・(m)の場合も、同様に、同一距離(半径)rの測定ポイント毎の基準相関行列が1組の相関行列テーブルにまとめられて格納される。そして、各相関行列テーブル内では、累積距離dに基づいたアドレスに相関行列がそれぞれ格納される。
以上のようにして、本実施の形態では、相関行列テーブルが作成される。そして、相関行列テーブル記憶部105に、全ての測定ポイントに対する相関行列が書き込まれると、無線測位装置100は、キャリブレーションモードを完了する。なお、キャリブレーションモードが完了すると、測定エリアの、例えば、床等に付けられた印は、不要となるため消去される。
そして、キャリブレーションモードが完了すると、無線測位装置100は、通常運用モードで動作する。
[通常運用モード]
通常運用モード時においても、測距アンテナ101から送出されたインパルス信号は、タグ等の測位対象により反射されて、再び測距アンテナ101で受信される。
距離測定部103は、測距アンテナ101から送出されたインパルス信号が再び測距アンテナ101で受信されるまでの往復時間から、測位対象までの距離rを算出する。この距離rは、後述するように、基準相関行列の参照アドレスに用いられる。
また、測距アンテナ101から送出されたインパルス信号は、タグ等の測位対象により反射された後、アレイアンテナ102においても、同時に受信される。そして、アレイアンテナ102の各受信信号は、同時にサンプリングされた後に、相関行列演算部104において、相関行列(測定相関行列)が算出される。測定相関行列Rxx<obs(r,x)>は次の式で表される。
Figure 2012127747
ここで、xは、累積距離である。なお、この時点では、累積距離xは不明である。
相関行列演算部104は、算出した測定相関行列Rxx<obs(r,x)>を積和部107に出力する。
通常運用モードでは、動作モード切替部108により、データバススイッチ106のバスがデータ読み込みモードとなる。この場合、相関行列テーブル記憶部105は、距離測定部103からの距離rの情報に基づいて、基準相関行列が格納されるアドレスを参照し、当該アドレスに格納される基準相関行列Rxx<table(r,d)>を積和部107に出力する。すなわち、本実施の形態では、距離測定部103からの距離rの情報が、相関行列テーブル記憶部105から基準相関行列Rxx<table(r,d)>を読み出すための参照アドレスに用いられる。
積和部107は、基準相関行列Rxx<table(r,d)>と測定相関行列Rxx<table(r,x)>との要素毎の積和演算を行って、積和演算F(d)を基準相関行列と測定相関行列との類似度として算出する(式(3)参照)。
Figure 2012127747
式(3)において、記号*は行列の各対応する行、列の要素毎の積算した後、全ての積算結果を加算する演算記号である。また、Tは転置行列を示す。式(3)は、具体的には、式(4)の様に表すことができる。
Figure 2012127747
式(4)において、記号・はスカラー積を示す演算記号である。
半径rの円上に設定された全測定ポイント(r,d)における基準相関行列について、積和部107は、積和演算F(d)を算出する。例えば、r=Dの場合、積和部107は、測定相関行列と図5の基準相関行列との各要素の積算及び加算処理を行う。この場合、積和部107は、F(0),F(D),F(2D),F(3D),F(4D),F(5D)を算出する。
また、距離r=2Dの場合、積和部107は、測定相関行列と図6の基準相関行列との各要素の積算及び加算処理式を行う(式(4)参照)。この場合、積和部107は、F(0),F(D),F(2D),F(3D),…,F(10D),F(11D)を算出する。
このようにして、積和部107は、距離rに対応する相関行列テーブルに含まれる基準測定行列Rxx<table(r,d)>と測定相関行列Rxx<table(r,d)>との積和演算F(d)を、累積距離d毎に算出し、最大値判定部110に出力する。
ここで、積和演算F(D)が最大となる測定ポイントは、キャリブレーションモード時の相関行列と通常運用モード時の相関行列とが、最も似ている点を示しているといえる。そこで、最大値判定部110は、複数の積和演算F(d)のうち、最大の積和演算に対応する累積距離dを、測位対象の累積距離xと判定する。
そして、最大値判定部110は、累積距離xの情報を位置検出部109に出力する。
位置検出部109には、距離測定部103からの距離rと、積和結果最大値判定部110からの累積距離xとが入力される。位置検出部109は、(r,x)を測位対象の位置の座標として出力する。
このように、無線測位装置100は、先ず、距離測定部103が、測定精度が高い方法を用いて、測位対象までの距離rを測定する。そして、最大値判定部110は、距離rに対応する複数の基準相関行列と測定相関行列との積和演算F(d)のうち、最大の積和演算に対応する累積距離dを、測位対象の累積距離xと判定する。
つまり、無線測位装置100は、先ず、全測定ポイントのうち、距離rを半径とする円上の測定ポイントを、測位対象の位置の候補として限定する。そして、無線測位装置100は、更に、基準相関行列と測定相関行列との類似度を用いて、限定した測定ポイントから、測位対象の位置を判定(選択)するようにした。つまり、無線測位装置100は、基準相関行列と測定相関行列との類似度から、測位対象の方向を絞り込むようにした。
ここで、相関行列と到来方向推定角度との関係について、図7及び図8を用いて説明する。
図7は、測位対象が、アレイアンテナ102に対して等方向に移動した場合の電波の到来方向推定結果を模式的に示した図である。また、図8は、測位対象が、アレイアンテナ102に対して等距離に移動した場合の電波の到来方向推定結果を模式的に示した図である。なお、図7及び図8の到来方向推定結果は、測位対象からの反射波、及び、周辺の壁等からの反射波を、ビームフォーミング法により推定した例である。
なお、図7及び図8の到来方向推定結果は、説明を明確にするために、通常のビームフォーミング法により算出した結果を模式的に表している。しかし、後述するように、積和演算を用いて到来方向推定を算出する場合においても、ビームフォーミング法を用いる場合と、完全に一致した到来方向推定結果が得られる。
図7において、物体301は位置#1にあるタグ/物体であり、物体302は位置#2にあるタグ/物体である。物体301,302からの反射波は、直接又は壁に反射して、アレイアンテナ102に入射する。
相関行列演算部104により、物体301,302のそれぞれに対して、相関行列を算出することができる。ここで、結果303〜308は、式(5)で表される、ビームフォーミング法を用いて得られる到来方向の推定結果である。
Figure 2012127747
式(5)において、P(θ)は、ビームフォーミング結果(到来方向推定結果)を示し、a(θ)は、θ方向からアレイアンテナの各アンテナ素子に到来する信号が角度ごとに振幅差、位相差が変化することを示すアレイ応答ベクトル方向を示す。また、Hは複素共役転置を示す。
結果303,306は、無線測位装置100からの電波が、壁に反射しアレイアンテナ102に入射した信号の推定結果である。また、結果304,307は、物体からの反射信号が、直接又は壁に反射しアレイアンテナ102に入射した信号の推定結果である。結果305,308は、これらの推定結果を合成した結果である。
結果303と結果306とは、無線測位装置100と壁等の周辺環境により一義に決まるため、同一の特性を有する。結果304と結果307とは、物体301,302が同じ方向にあるため、直接波の方向は一致し、物体から壁への反射波の方向がわずかに違う。従って、その合成結果305,308は、ほぼ同じ特性を有する。以上のことから類推するに、物体301,302のそれぞれに対する相関行列の値も、ほぼ同じであると考えられる。
一方、図8において、物体301は位置#1にあり、物体303は位置#3にあり、これらは、無線測位装置100から等距離にあるタグ/物体である。物体301,303からの反射波は、直接又は壁に反射して、アレイアンテナ102に入射する。
相関行列演算部104により、物体301、303のそれぞれに対して、相関行列を算出することができる。ここで、結果313〜318は、式(5)で表される、ビームフォーミング法を用いて得られる到来方向の推定結果である。
結果313と結果316とは、無線測位装置100と壁等の周辺環境により一義に決まるため、同一の特性を有する。結果314と結果317とは、物体が異なる方向にあり、直接波は、それぞれ物体301,303の方向から到来するため、直接波の方向が異なり、物体から壁への反射波の方向も異なる。従って、その合成結果315,318は、異なる特性を有する。以上のことから類推するに、物体301,303のそれぞれに対する相関行列の値は、異なると考えられる。
つまり、物体の位置が、等方向に移動した場合に比べ、中心から等距離に移動した場合の方が、相関行列の違いが大きいと類推できる。
本発明者らは、この点に着目した。そして、本実施の形態では、測定ポイントを、無線測位装置100が設置される位置を中心として、中心からの距離が等間隔の複数の同心円上にあって、各同心円上に等間隔に設定した。これにより、同一の方向に測定ポイントが配置されにくくなり、この結果、各測定ポイントの基準相関行列が、互いに異なるようになる。
そして、無線測位装置100は、平面上に設定した測定ポイントから、測定精度が高い方法を用いて測定した測位対象までの距離rを用いて、測位対象の位置の候補となる測定ポイントを限定するようにした。具体的には、無線測位装置100は、半径がrの同一円上に設置された測定ポイントを、測位対象の位置の候補として絞り込むようにした。なお、無線測位装置100から測位対象までの距離rは、例えば、特許文献2に示す方法を用いることにより、マルチパス環境においても、正確に測定することができる。
そして、無線測位装置100は、限定した測定ポイントに対する基準相関行列のうち、測定相関行列と最も類似する基準相関行列の測定ポイントの累積距離dを、測位対象の累積距離xとして検出するようにした。上述したように、同一円上の測定ポイントは、方位方向が異なるため、基準相関行列が、互いに異なる。そして、無線測位装置100は、測位精度が高い測位方法によって算出された距離rを半径とする同一円上の測定ポイントを、測位対象の位置の候補に絞り込む。すなわち、無線測位装置100は、相関行列が異なる測定ポイントを、測位対象の位置の候補として、絞り込むことができる。そして、無線測位装置100は、測定相関行列に最も類似する基準相関行列の測定ポイントを、測位対象の位置として判定するので、同一の方位方向に測定ポイントを配置するのに比べ、位置の判定精度を向上させることができるようになる。
なお、無線測位装置100は、キャリブレーションモード時に、中心から等距離の測定ポイントの集合を1組として1つの相関行列テーブルを生成し、当該テーブルを距離rに基づくアドレスに格納する。これにより、無線測位装置100は、通常運用モード時に、距離rに基づくアドレスから、測位対象の位置の候補となる測定ポイントの基準相関行列を一括して検索することができる。この結果、無線測位装置100は、検索時間を短縮することができる。
なお、式(4)は、理論上、式(6)のように、アレイアンテナ102のビームフォーミング出力の合算と等価である。
Figure 2012127747
式(6)の第1項は、周辺壁の反射波の受信信号のビームフォーミング結果である。a(θ)は、周辺壁の反射波の受信信号のアレイ応答ベクトルを示す。また、式(6)の第2項は、測位対象からの直接波又は反射波の受信信号のビームフォーミング結果である。a(θ)は、測位対象からの直接波又は反射波の受信信号のアレイ応答ベクトルを示す。
すなわち、式(6)は、図8の例では、結果313と結果314との加算、又は、結果316と結果317との加算を算出していることに相当する。すなわち、式(6)は、相関行列の左側からアレイ応答ベクトル(または、ステアリングベクトルという)、相関行列の右側からアレイ応答ベクトルの共役転置ベクトルを乗算することにより、各相関行列の類似度(相関)を算出していることと等化である。つまり、式(6)は、式(4)及び式(3)と等化である。但し、式(6)は、アレイ応答ベクトルがアレイ形状に対応する理論式である。これに対して、式(4)及び式(3)は、実測の結果を用いている。そのため、無線測位装置100は、通常、電波暗室等で行われる、事前のアンテナキャリブレーションの必要とせずに、各相関行列同士の類似度(相関)を得ることができる。
このように、式(4)及び式(3)が示す相関行列の積算・加算処理は、ビームフォーミング結果を得るための処理と等化である。
相関行列の特徴は一般的に良く知られているように、行列の対角項は常に正数であり、対角項以外の対称となる項、即ち行列のインデックスi,jを入替えた項は互いに虚数部の符号が反転する性質を持っている。すなわち、行列のインデックスi,jの項がQi,j=a+bjの場合、インデックスi,jを入れ替えた行列の項はQj,i=a−bjとなる。ここで、「a」は実数部であり、「+bj」、「−bj」は虚数部であり、jは虚数単位である。こうした性質を持つ行列は、エルミート行列と呼ばれる。Qi,j=a+bjとQj,i=a−bjとは、共役転置の関係になる。共役転置は、虚数部の符号を反転してインデックスi,jを入れ替える動作をいう。
ここで式(3)と等化の式(4)の実際の算出は、相関行列がエルミート行列であることを考慮する。具体的には、共役転置により虚数部の符号が反転しかつj*j=−1であるため符号がもとに戻ることを考慮する。すると、基準相関行列と測定相関行列とにおいて、対応するインデックスの要素は、同じインデックス同士の対応する項について、虚数単位jを含まない値をそのまま乗算して、加算すればよいことがわかる。
例えば、図5のRxx<table(r,d)>のRijの実数部とRijの虚数部と、測定相関行列において対応するインデックスi,jの要素同士を、それぞれ乗算して加算すればよい。そのため、相関行列演算部104のハードウエアの構成は、容易となる。
また、従来のビームフォーミング法は、一般的に、正弦、余弦関数の算出や複素乗算等を行うため、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等大規模の集積回路が必要であった。これに対して、無線測位装置100は、加算、乗算を行う単純なハードウエアロジックで構成できるため、実装が容易である。
以上のように、本実施の形態に係る無線測位装置100において、距離測定部103は、インパルス信号が送出されてから受信されるまでの往復時間を計測して測位対象までの距離を測定する。このように、距離測定部103が、測定精度が高い測定方法を用いることにより、測位対象までの距離が正確に測定される。そして、相関行列演算部104は、アレイアンテナ102の受信信号から相関行列を演算する。そして、相関行列テーブル記憶部105は、キャリブレーションモード時に取得され、平面上に設定された測定ポイントにおける相関行列を、基準相関行列として、測定ポイントと対応付けて記憶する。積和部107は、通常運用モード時に、測定相関行列と基準相関行列との類似度を算出する。位置判定部111は、類似度が最大の測定ポイントの累積距離dと、距離rとに基づいて、測位対象の位置を判定する。
このようにして、無線測位装置100は、全測定ポイントから、距離rを半径とする円上の測定ポイントを、測位対象の位置の候補として限定する。そして、無線測位装置100は、更に、基準相関行列と測定相関行列との類似度から、限定した測定ポイントから、測位対象の位置(累積距離)を判定(選択)する。
ここで、測定ポイントは、無線測位装置100の位置を中心として、中心からの距離が等間隔の複数の同心円上にあって、各同心円上に等間隔に設定される。これにより、測定エリア内に均一に配置された測定ポイントを用いて、無線測位装置100は、測位対象の位置を測定するため、測定エリア内における測定精度を均一化することができる。
また、無線測位装置100により、測位対象の位置の候補として絞り込まれた測定ポイントの方位方向は、全て異なる。この結果、無線測位装置100は、従来誤差が大きいとされた到来方向推定精度を向上させることができる。
また、相関行列演算部104は、基準相関行列と測定相関行列との類似度として、これら相関行列同士の相関を算出する。そのため、従来のビームフォーミング法では、CPUやDSP等の専用演算回路が必要であった。これに対し、本実施の形態では、FPGA、ASIC等の内部にハードロジックとして実装することが可能となり、無線測位装置100の回路構成を大幅に簡素化し、演算の高速化が図れる。このように、無線測位装置100は、容易な算出で、且つ、伝搬環境に応じて正確な測位が可能となる。
なお、実際の伝搬環境においては、人間や物が横切ることにより発生するシャドウイングや、フェージングが発生する。そのため、積和演算の最大値(類似度)が予め定められた閾値より小さい場合には、最大値判定部110は、結果を出力しない、又は、結果がNGであるという情報を出力してもよい。この場合、位置検出部109は、距離測定部103からの距離rのみを出力するようにしてもよい。
また、以上の説明においては、図2に示すように距離測定部103が、距離rを位置検出部109に出力する場合について説明した。しかし、図10に示すように、最大値判定部110が、積和演算F(d)の最大値を与える相関行列の測定ポイントの座標(r、d)を、測位対象の位置として決定するようにしてもよい。この場合には、距離測定部103から位置検出部109への結線が不要となる。
また、以上の説明においては、距離測定部103が、UWBのインパルス信号を用いて測位対象までの距離を測定する場合について説明した。そのため、測距アンテナ101は、無指向性アンテナを想定している。これに対し、距離測定部103が、ミリ波レーダを用いて距離測定を行う場合には、測距アンテナ101に指向性アンテナを用いればよい。この場合、測距アンテナ101及び距離測定部103は、レーダ機器本体に備えられ、電波を用いて、自動車、二輪車、人間、動物、飛行物体等、レーダと物体間距離を測定する。そして、キャリブレーションモード、及び、通常運用モードにおいて、測距アンテナ101を測位対象の方向に指向性を走査して、アレイアンテナ102の受信信号の相関行列を算出することにより、UWBの場合と同様の効果を得ることができる。
更に、3次元空間での測位が必要の場合には、平面上の各測定ポイントに対して、例えば、要求精度D毎に高さを変化させた3次元測定ポイント(空間測定ポイントともいう)を設定する。そして、この場合も、平面上(2次元)の場合と同様に、測位対象の高さを変化させて、各3次元測定ポイント毎に相関行列を取得し、取得した相関行列を、相関行列テーブル記憶部105に格納する。このとき、平面上の各測定ポイントに対し、高さが異なる複数の空間に設定された3次元測定ポイント(空間測定ポイント)における相関行列が、基準相関行列(空間基準行列ともいう)として、平面上の測定ポイント毎に1組の相関行列テーブルに記憶される。
図9は、この場合の相関行列テーブルの一例を示す。図9は、(距離、累積距離)が(2D,4D)であり、高さHが0,D,2D,3D,4Dの空間測定ポイントにおける相関行列が1組のテーブルに格納された例である。
このように、高さ方向に対して、平面上の相関行列テーブルとは別のテーブルを作成するのは、次のような理由による。すなわち、通常、アレイアンテナ102は、平面上の測定精度が向上するように配置される。これに対して、天井等の高さは、3m程度に限られる。そのため、高さに対する要求精度は、平面上の距離に対する要求精度に比べ低い。したがって、アレイアンテナ102を用いて、方位方向と高さとを同時に検出しようとする場合、高さ方向の誤差の影響が、方位方向の誤差に大きな誤差を与えることになる。そのため、3次元空間での測位が必要の場合、測定結果の信頼性が高い平面上の方位方向を決定した後に、その座標に対応した高さ方向のテーブル(例えば、図9)を参照するようにしたほうが、測位精度を向上させることができる。
なお、3次元空間での測位が必要な場合には、無線測位装置100は、先ず、測位対象の平面上での位置を判定する。そして、積和部107は、その位置の高さ方向の相関行列テーブルを参照して、式(4)を用いて、測定相関行列と基準相関行列との類似度を算出する。そして、位置判定部111は、類似度が最大の測定ポイントの累積距離dと、距離rと、高さHとに基づいて、測位対象の位置を判定する。
なお、測定ポイントの設定は、図3の配置例に限らない。例えば、測位対象が物品棚上の何段目にあるか等の情報が必要な場合には、物品棚に最も近接した位置に、測定ポイントを設定し、各測定ポイントに対応する詳細なテーブルを作成して、当該テーブルを用いて位置を検出するようにしてもよい。この場合は、上述した3次元空間での測位方法と同様にして、測位対象の位置を検出すればよい。
本発明に係る無線測位装置及び無線測位方法は、UWBを用いた測位タグ等として有用である。また、レーダ等の用途にも応用できる。
100 無線測位装置
101 測距アンテナ
102 アレイアンテナ
103 距離測定部
104 相関行列演算部
105 相関行列テーブル記憶部
106 データバススイッチ
107 積和部
108 動作モード切替部
109 位置検出部
110 最大値判定部
111 位置判定部

Claims (7)

  1. 平面上の複数の測定ポイントに設置されたキャリブレーション用物体からの信号を用いてキャリブレーションデータを取得するキャリブレーションモードと、測位対象の位置を測定する通常運用モードとを有する無線測位装置であって、
    前記キャリブレーションモードと前記通常運用モードとを切り替える切替手段と、
    広帯域信号を送出または受信する測距アンテナと、
    前記広帯域信号が前記測距アンテナから送出されてから、前記測距アンテナにおいて受信されるまでの往復時間を計測して前記測位対象までの距離を測定する測定手段と、
    複数のアンテナ素子を有し、前記測距アンテナから送出された前記広帯域信号が前記測位対象又は前記キャリブレーション用物体により反射された反射信号を受信するアレイアンテナと、
    前記アレイアンテナの受信信号から相関行列を演算し、前記キャリブレーションモード時には、前記相関行列を前記キャリブレーションデータとして出力し、前記通常運用モード時には、前記相関行列を測定相関行列として出力する演算手段と、
    前記キャリブレーションデータとして出力された前記相関行列を基準相関行列として、前記測定ポイントと対応付けて記憶する記憶手段と、
    前記通常運用モード時に、前記測定相関行列と前記基準相関行列との類似度を算出する算出手段と、
    前記類似度が最大の前記測定ポイントを、前記測位対象の位置として判定する判定手段と、
    を具備する無線測位装置。
  2. 前記測定ポイントは、自装置の位置を中心として、前記中心からの距離が等間隔の複数の同心円上にあって、各同心円上に等間隔に設定される、
    請求項1に記載の無線測位装置。
  3. 前記記憶手段は、前記中心からの距離が等しい複数の前記測定ポイントの前記基準相関行列を1組のテーブルに記憶する、
    請求項2に記載の無線測位装置。
  4. 前記算出手段は、前記複数の測定ポイントのうち、前記中心からの距離が前記測定手段により測定された距離に等しい測定ポイントにおける前記基準相関行列の各要素と、前記測定相関行列の各要素とをそれぞれ積算した後、加算して得られる加算値を前記類似度として算出する、
    請求項1に記載の無線測位装置。
  5. 前記算出手段は、前記基準相関行列及び前記測定相関行列の対応する要素の実数部の値および虚数部のうち虚数単位を除く値をそれぞれ積算した後、全ての積算結果を加算して、前記加算値を取得する、
    請求項4の無線測位装置。
  6. 前記アレイアンテナは、前記キャリブレーションモード時に、平面上の各測定ポイントに対し、高さが異なる複数の空間に設定された空間測定ポイントに設置された前記キャリブレーション用物体により反射された反射信号を受信し、
    前記記憶手段は、前記演算手段から前記キャリブレーションデータとして出力された前記相関行列を空間基準相関行列として、前記平面上の測定ポイント毎に1組のテーブルに記憶し、
    前記算出手段は、前記類似度が最大の前記平面上の測定ポイントに対し設定された前記空間測定ポイントにおける前記空間基準相関行列の各要素と、前記測定相関行列の各要素とをそれぞれ積算した後、加算して得られる加算値を空間類似度として更に算出し、
    前記判定手段は、前記空間類似度が最大の前記空間測定ポイントを、前記測位対象の位置として判定する、
    請求項1に記載の無線測位装置。
  7. 平面上に複数の測定ポイントを設定し、前記測定ポイントにキャリブレーション用物体を設置し、前記キャリブレーション用物体からの信号を用いてキャリブレーションデータを取得するキャリブレーションモードと、測位対象の位置を測定する通常運用モードとを有する無線測位装置における無線測位方法であって、
    前記キャリブレーションモードと前記通常運用モードとを切り替え、
    測距アンテナは、広帯域信号を送出または受信し、
    前記広帯域信号が前記測距アンテナから送出されてから、前記測距アンテナにおいて受信されるまでの往復時間を計測して前記測位対象までの距離を測定し、
    アレイアンテナは、複数のアンテナ素子を有し、前記測距アンテナから送出された前記広帯域信号が前記測位対象又は前記キャリブレーション用物体により反射された反射信号を受信し、
    前記アレイアンテナの受信信号から相関行列を演算し、前記キャリブレーションモード時には、前記相関行列を前記キャリブレーションデータとして出力し、前記通常運用モード時には、前記相関行列を測定相関行列として出力し、
    前記キャリブレーションデータとして出力された基準相関行列を前記測定ポイントと対応付けて記憶し、
    前記通常運用モード時に、前記測定相関行列と前記基準相関行列との類似度を算出し、
    前記類似度が最大の前記測定ポイントを、前記測位対象の位置として判定する、
    無線測位方法。
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