JP2012127279A - 内燃機関の燃料添加剤補給装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内燃機関の燃料供給系に設けられ燃料を収容する燃料タンク27と、燃料タンクに接続され燃料の燃料添加剤を収容する補助タンク58と、補助タンクの燃料添加剤を燃料タンクに供給するよう駆動する補助ポンプ57と、燃料タンクへの先の給油の後で再給油が行われない期間Cを算出し、該期間Cが所定の経過期間Cnを超えると燃料の残留燃料量に応じた補給量の燃料添加剤を燃料タンクに供給するよう補助ポンプを制御する制御手段4とを備える。
【選択図】図1
Description
しかし,半年以上の長期に渡り車両の燃料タンクに貯蔵した状態の燃料はそこに添加されている酸化防止剤や腐食防止剤がそれぞれの機能を十分には発揮できない。このような場合、燃料の酸化劣化が進み、燃料系金属部品の腐食が生じ、エンジンの性能劣化が懸念される場合がある。
そこで、例えば、特許文献1(特開2008−302772号公報)では、燃料の劣化を、燃費の悪化より判断し、あるいは、定常状態でのエンジントルクを求め、これがしきい値以下となると燃料の性状が劣化と判断し、そのような場合に警報表示を行い、燃料劣化を解消する処置を行うよう促している。
このように、プラグイン・ハイブリッド車のように燃料を長期間消費しない傾向にある車両の場合、たとえ、車載燃料タンクに燃料が長期間貯蔵され続けて、タンク内の燃料に当初より添加されていた添加剤の酸化防止や腐食防止機能が低下し、腐食が懸念される時期に達すると、新たに腐食防止剤を注入して燃料の劣化を抑え、燃料を継続使用可能として、燃料の無駄を防止することが望まれている。
本願請求項3の発明は、請求項1又は2記載の燃料添加剤補給装置において、前記制御手段は前記予測期間経過後の残留燃料量に応じた燃料添加剤の補給量を燃料タンクの燃料温度の履歴に応じて補正を加えて算出する、ことを特徴とする。
図1は、本発明の燃料添加剤補給装置1と同燃料添加剤補給装置1を取り付けた燃料供給装置Sfと、同燃料供給装置Sfを備える内燃機関(以後エンジンと記す)2と、その制御手段3との全体構成図である。
エンジン2は同エンジン本体上部のシリンダヘッド201の左右側壁に吸気マニホールド4及び排気マニホールド5が一体結合され、吸気マニホールド4には吸気路Riが、排気マニホールド5には排気路Reが接続される。
各分岐排気路は排気マニホールド5で合流されて排気路Reとなり、その排気路Reの下流は排気管16を介して三元触媒15、マフラー18へと順次接続される。
図1に示すように、三元触媒15は理論空燃比(ストイキオ)近傍において排気中のCO、HCの酸化とNOxの還元を行なって排気を浄化することができる。この三元触媒(以後単に触媒と記す)15の不図示の担持体に担持された触媒(プラチナ、ロジウム、パラジウム等)は、ある程度の温度(高温)に保持されると活性化して、浄化機能を適正に発揮できる。
図1に示すように、エンジン本体2内に配備される4つの燃焼室6には噴射弁17と点火プラグ28が取り付けられる。
点火プラグ28には不図示の点火ユニットが接続され、この点火ユニットがECU3の点火信号に応じて点火コイルに高電圧を発生し、所定点火時期に点火処理を行う。
図1に示すように、燃焼室6に燃料を噴射する噴射弁17は、共通の燃料分配管(コモンレール)19に接続される。
なお、不図示のアクセルペダルの踏込み量θaに比例した出力を発生するアクセル開度センサ61、エンジン回転数Neを表わす出力パルスを発生する回転数センサ62の各検出信号は入力ポート305に入力される。更に、入力ポート305には本体内の水温Tw情報を検出する水温センサ63が配備され、その検出信号は不図示のA/D変換器を介して入力ポート305に入力される。ここで、ECU3のROM302には、上述のアクセル開度センサ61および回転数センサ62により得られる機関負荷率および機関回転数に基づき、運転状態に対応させて設定されている燃料噴射量Qnの値や機関冷却水温Twに基づく補正値などが予めマップ化されて記憶されている。
図1に示すように、各気筒の噴射弁17はECU3の燃料制御信号を駆動回路(インジェクタドライバ)37を介して受けて、燃料供給源から供給された燃料の噴射量を制御して燃焼室6に噴射する。
インタンク電動式燃料ポンプモジュールmpは、燃料サクションフィルタ23、燃料ポンプ25、燃料メインフィルタ26、燃料圧レギュレータ24、燃料リザーバカップ271、更には燃料レベルゲージ43から構成されている。燃料圧レギュレータ24は燃料ポンプ25から吐出された加圧燃料の燃料圧が予め定められた設定燃料圧よりも高くなると、燃料の一部を燃料タンク27に戻すように構成されている。
給油作業有無の判定は、燃料タンク27の残留燃料Rの量Lrを検出する燃料レベルゲージ43が車両停車前後で燃料レベル出力の差分が一定値以上の場合、給油作業が成されたと判定する。あるいは、この開閉蓋52にはリミットスイッチである開閉蓋スイッチ56が対向配備される場合、これにより開閉蓋の開放位置e1への作動時に、オン信号S1をECU3に出力し、給油作業が成されたことを判定するように構成される。
この補助タンク58は燃料添加剤、ここでは燃料の劣化、特に燃料の腐食を防止する燃料添加剤を収容し、車体側に不図示の取り付けブラケットを介して、離脱可能に装着される。
補助タンク58の容量は,車両のメンテナンスインターバル毎に販社で補充を前提に交換性の良い大きさで、比較的小容量に設定され、燃料タンク27と結合される。ここで、燃料添加剤の供給方法は、ECU3に制御される補助フューエルポンプ57にて、適量を適時に補助タンク58から燃料タンク27へ供給する。
図2に示すように、燃料添加剤補給装置1が備えるECU3は、給油判定手段A1と、給油後経過日数判定手段A2と、燃料添加剤補給量算出手段A3と、燃料添加剤を燃料タンク27に供給するよう補助ポンプ57を制御する補助ポンプ制御手段A4との機能を供える。
給油判定手段A1は開閉蓋スイッチ56より開閉蓋52の開放位置e1への作動時に、オン信号S1を受けて、給油作業が成され再給油が成されたことを判定するよう機能する。
給油後経過日数判定手段A2は燃料タンク27への先の給油の後で再給油が行われない期間である日数Cを算出するよう機能する。特に、燃料の経時的な劣化期間である劣化日数Cαを考慮して所定の給油後経過日数Cnを予め設定する。
補助ポンプ制御手段A4は再給油が行われない給油後経過日数Cnを超えた際に、算出された燃料添加剤の補給量dに応じた駆動量で補助フューエルポンプ57を駆動し、燃料添加剤を燃料タンク27に供給する。特に、燃料タンク27の内圧Ptが所定値を下回るのを待ってから補助フューエルポンプ57を駆動して燃料添加剤供給を行うよう機能する。
そのメインルーチンの途中の所定タイミングで、図3に示す燃料添加剤補給制御ルーチンのステップs1に達する。
ステップs3ではステップs4からs4の処理に入っているか判断し、入る前はステップs4に進み、ここで、燃料給油処理をしたか判断し、Noではメインルーチンにリターンし、開閉蓋スイッチ56がオンではステップs5に進む。ステップs5では、給油前と後の燃料量の差分より燃料給油が所定量以上、即ち、給油により新たな燃料が燃料タンク27内に供給されることで、燃料の劣化が阻止されると見做せる程度の追加給油が成されたかの判定値Qa(例えば、10〜20リットル程度)以上の適量の補給が成されているか判断し、少ないと、Noで、メインルーチンにリターンし、上回ると、ステップs6に進み、後述の給油フラグFLG1=1をオン、再給油予測日数設定フラグFLG2=0:オフとしてステップs7に進む。
ステップs8で所定の給油後経過日数Cnがカウントされた場合、ステップs9に達し、その時点での燃料タンク27の残留燃料量Rを燃料レベルLrを出力する燃料レベルゲージ43より読み取る。更に、タンク内の残留燃料量と給油後経過日数Cnよりこの時点までの燃料タンク27の燃料を消費するペースである、燃料消費量Vを求める。
N=R/(V/Cn)・・・・・(1)
ここで、Cn:給油後経過日数とした。
ここでは定常値20℃より高い日数及び、高温の程度を確認し、燃料添加剤の補正量を演算する。即ち、温度の経過日数Cnに変換値βを乗算した補正値Cnβを燃料添加剤の補給量dに加算して増量補正処理{d←d+(Cn×Cβ)}する。
次いで、ステップs17に進み、ここでは、給油フラグFLG1=0:オフ、再給油予測日数設定フラグFLG2=0:オフと、それぞれフラグリセットを行いメインルーチンに戻る。
更に、図1の実施の形態である燃料添加剤補給装置では、再給油が成されないで所定の給油後経過日数Cnを超え、更に、その時点で算出した再給油を必要とする予測日数Nを更に、経過しても再給油が行われない場合には、その予測日数Nの経過後の残留燃料が劣化したと適確に判断でき、残留燃料量に応じた補給量dの燃料添加剤を残留燃料に供給して燃料の劣化を防止できる。
更に、燃料添加剤の補給時には、予め燃料タンク内圧Ptが所定値Pt1を下回り、スムーズな補給が可能な条件の下で燃料添加剤を燃料タンク27内に供給することができる。
更に、燃料の経時的な劣化日数Cαを考慮して所定の給油後経過日数Cnを設定するので、給油後経過日数Cnを経た残留燃料に適量dの燃料添加剤を投入することにより、劣化防止効果を確実に得ることが出来る。
更に、ステップs5において適量の補給が判断されるので、先の給油後の補給量が所定量以下である少量燃料の補給の場合は、その補給燃料中の燃料添加剤の量が残留燃料の量に対して不足し、劣化を防止できていないと見做し、再給油と同等の状態に戻っていないと判断するので、以後の添加剤の補給制御の適正化を図れる。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で様々な変更を成し得ることは言うまでもない。
2 エンジン
3 ECU(制御手段)
27 燃料タンク
57 補助ポンプ
58 補助タンク
d 補給量
d0 添加剤必要注入量
A1 は給油判定手段
A2 給油後経過日数判定手段
A3 燃料添加剤補給量算出手段
A4 制御手段
C 日数(期間)
Cn 給油後経過日数(経過期間)
N 再給油予測日数
Sf 燃料供給装置
Claims (7)
- 内燃機関の燃料供給系に設けられ燃料を収容する燃料タンクと、
前記燃料タンクに接続され燃料の燃料添加剤を収容する補助タンクと、
前記補助タンクの燃料添加剤を前記燃料タンクに供給するよう駆動する補助ポンプと、
前記燃料タンクへの先の給油の後で再給油が行われない期間を算出し、該期間が所定の経過期間を超えると燃料の残留燃料量に応じた補給量の燃料添加剤を前記燃料タンクに供給するよう前記補助ポンプを制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする燃料添加剤補給装置。 - 前記制御手段は前記経過期間を超えた際の前記残留燃料量と該経過期間より前記燃料タンクの残留燃料を消費する予測期間を求め、更に、再給油のないまま予測期間を経過した際にその予測期間経過後の残留燃料量に応じた補給量の燃料添加剤を前記燃料タンクに供給するよう前記補助ポンプを制御する、ことを特徴とする請求項1記載の燃料添加剤補給装置。
- 前記制御手段は前記予測期間経過後の残留燃料量に応じた燃料添加剤の補給量を燃料タンクの燃料温度の履歴に応じて補正を加えて算出する、ことを特徴とする請求項1又は2記載の燃料添加剤補給装置。
- 前記制御手段は前記燃料添加剤を燃料タンクに供給する際、燃料タンク内圧が所定値を下回るのを待って行うよう制御する、ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の燃料添加剤補給装置。
- 前記所定の経過期間は燃料の経時的な劣化期間を考慮して予め設定される、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の燃料添加剤補給装置。
- 前記制御手段は前記補給量の燃料添加剤を前記燃料タンクに供給すると再給油が成されたと見做す、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の燃料添加剤補給装置。
- 前記制御手段は前記燃料タンクへの先の給油の後において行われた燃料補給での補給量が所定量以下の場合は再給油が行われていないと判断する、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の燃料添加剤補給装置。
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