JP2005098175A - 燃料添加剤供給装置およびこれを用いて添加剤を供給する方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】 燃料と添加剤とを簡易な構造で、かつ確実に混ぜ合わすことができる燃料添加剤供給装置を提供すること。
【解決手段】燃料添加剤供給装置10では、給油管路2に設けられたベンチュリ管12により、燃料の給油中に添加剤を自動的に供給する。従って、燃料タンク1内では、ノズルガン3から噴出させて送り込んだ燃料の勢いで添加剤を確実に攪拌でき、特別な攪拌装置を用いなくとも燃料と添加剤とを良好に混ざり合わせることができる。この点で、給油後に燃料タンクに添加剤を供給したり、容量の小さい混合部に添加剤を供給する従来に比し、確実な混合を実現できる。また、攪拌装置等を不要にできることで、装置の小型化を促進でき、建設機械等に容易に組み込むことができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料添加剤供給装置およびこれを用いて添加剤を供給する方法に関する。
従来のディーゼルエンジンに採用されていた低圧燃料噴射に対し、近年導入が著しいコモンレール系の高圧燃料噴射では、寒冷地等で冬場に使用される低粘度燃料や、低硫黄化により粘度までもが低下した低粘度燃料を使用すると、燃料噴射系部品である例えば燃料サプライポンプのバルブ等が早期に摩耗することが知られている。
そこで、その防止策として、長鎖アルキルエステルを主成分とする潤滑性向上燃料添加剤を低粘度燃料に添加することが行われている。また、そのような添加剤の供給装置を車両中に搭載し、燃料タンクや送油回管路中に添加剤を自動供給することも提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2002−371937号公報
しかしながら、特許文献1に記載の供給装置によれば、添加剤を燃料タンク内に供給するタイプでは、燃料タンクに燃料を補給した後、その燃料の増量分に応じた添加剤を後から供給する構成であるため、供給された添加剤が燃料中に良好に攪拌せず、均一に混ざらないという問題がある。すなわち、車両が建設機械の場合では、作業中の揺れ等によって攪拌されるだけであり、燃料と添加剤との混合が不十分である。
これに対して、燃料タンク内に攪拌装置を設けることも考えられるが、これでは構造が複雑になるうえ、燃料タンクが大型化したり、メンテナンスに手間がかかる等の問題が生じる。
一方、燃料タンクおよびフィードポンプの間の送油回路中に添加剤を供給するタイプでは、送油管路途中に混合部を設け、この混合部に添加剤を供給している。
しかし、このような構成でも、場積等の制約から混合部を十分に大きくできず、良好に混合されない可能性がある。
本発明の目的は、燃料と添加剤とを簡易な構造で、かつ確実に混ぜ合わすことができる燃料添加剤供給装置およびこれを用いた添加剤の供給方法を提供することにある。
本発明の請求項1に係る燃料添加剤供給装置は、燃料に添加する添加剤を貯留するための添加剤タンクと、燃料タンクへの燃料の給油直前および/または給油中に、前記添加剤を前記添加剤タンクから前記燃料タンク側に自動供給する添加剤供給手段とを備えていることを特徴とする。
ここで、「燃料タンク側に供給する」とは、燃料タンク内に供給する場合や、給油口から燃料タンクまでの間の管路に供給する場合も含む。また、「給油直前および/または給油中」とは、給油直前に添加剤を供給する場合、給油中に添加剤を供給する場合、および給油直前から給油中にかけて添加剤を供給する場合を含む。
請求項2に係る燃料添加剤供給装置は、請求項1に記載の燃料添加剤供給装置において、前記燃料が連続的に給油される間に、添加剤を断続的に供給するように前記添加剤供給手段を制御する制御手段を備えていることを特徴とする。
請求項3に係る燃料添加剤供給装置は、請求項1または請求項2に記載の燃料添加剤供給装置において、前記燃料タンクへの燃料の給油が行われていることを検出する燃料給油検出手段と、この燃料給油検出手段からの検出信号に基づいて前記添加剤供給手段を制御する制御手段とを備えていることを特徴とする。
請求項4に係る燃料添加剤供給装置は、請求項3に記載の燃料添加剤供給装置において、前記燃料給油検出手段は、燃料タンクへ挿入された燃料給油用ノズルガンから燃料が吐出することでスイッチングする自動スイッチであることを特徴とする。
請求項5に係る燃料添加剤供給装置は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の燃料添加剤供給装置において、前記燃料タンクと連通した燃料給油用の給油管路、または前記添加剤タンクおよび前記燃料タンクを連通させる連通管路には、前記添加剤の供給量を規定する規定手段が設けられていることを特徴とする。
請求項6に係る燃料添加剤供給装置は、請求項5に記載の燃料添加剤供給装置において、前記規定手段は、前記給油管路に設けられて前記添加剤タンクと連通した前記添加剤供給手段兼用のベンチュリ管、前記連通管路に設けられた前記添加剤供給手段兼用の計量ポンプ、前記連通管路に設けられた圧力補償流量調整弁のいずれかであることを特徴とする。
請求項7に係る燃料添加剤供給装置は、請求項5または請求項6に記載の燃料添加剤供給装置において、前記規定手段は、タイマを含んで構成されていることを特徴とする。
請求項8に係る燃料添加剤供給装置は、請求項5に記載の燃料添加剤供給装置において、前記規定手段は、前記添加剤タンクの重力方向下方に設けられた所定容量の計量タンクで構成され、前記添加剤供給手段は、前記添加剤タンクおよび前記計量タンク間の管路に設けられた第1開閉弁と、前記計量タンクおよび前記燃料タンク間の管路に設けられた第2開閉弁とで構成されており、前記添加剤を供給しない時には、前記第1開閉弁を開くとともに、前記第2開閉弁を閉じ、前記添加剤を供給する時には、前記第1開閉弁を閉じるとともに、前記第2開閉弁を開くように制御する制御手段が設けられていることを特徴とする。
請求項9に係る燃料添加剤供給装置を用いて添加剤を供給する方法は、燃料に添加する添加剤を貯留するための添加剤タンクと、前記添加剤を前記添加剤タンクから前記燃料タンク側に供給する添加剤供給手段とを備えた燃料添加剤供給装置を用い、燃料タンクへの燃料の給油直前および/または給油中に、前記添加剤を前記燃料タンク側に自動供給することを特徴とする。
請求項1の発明によれば、添加剤供給手段により、燃料の給油直前かまたは給油中に添加剤を供給するので、燃料タンク内では、燃料給油用ノズルガン等から噴出させて送り込んだ燃料の勢いで添加剤が攪拌され、特別な攪拌装置を用いなくとも燃料と添加剤とが良好に混ざり合うようになる。
請求項2の発明によれば、制御手段により添加剤供給手段を制御することで、燃料の給油中に添加剤を数回にわたって断続的に供給するので、一度に大量の添加剤を供給する場合に比して混ざり易く、確実な混合が行えるようになる。
請求項3の発明によれば、給油が行われていることを検出する燃料給油検出手段を設け、ここからの検出信号に基づいて制御手段が添加剤供給手段を制御するため、給油中であることを確実に判断して添加剤が供給されるようになり、添加剤の供給が極端に遅れることで供給不足が生じたり、給油が終了したにもかかわらず、引き続き添加剤が供給されることがなく、過剰供給が生じるといった心配もない。
請求項4の発明においては、給油時の燃料の流れ中にスイッチを配置し、燃料を直に当てることでスイッチングする構成にすればよく、給油が行われていることがより確実に検出されるようになり、検出ミスが防止されて信頼性が向上する。
請求項5の発明によれば、給油管路や連通管路に規定手段を設けることで、添加剤の供給量が確実に規定されるから、給油量に応じた添加剤の供給が適切に行われるようになり、より正確な混合比で混ざり合うことになる。
請求項6の発明によれば、ベンチュリ管や計量ポンプはそのまま、前記添加剤供給手段を兼ねることになるため、添加剤供給手段と規定手段とを別々に設ける必要がなく、構成が簡略化される。
また、圧力補償流量調整弁を規定手段とした場合には、その上流側に設けた開閉弁等を添加剤供給手段とするとともに、この開閉弁および圧力補償流量調整弁を介して添加剤タンクからのヘッド圧で添加剤を供給すればよく、やはり構造が簡単である。
請求項7の発明によれば、供給される添加剤の供給量は、添加剤の供給時間をタイマで計測するだけで正確に得られるようになり、制御が簡単である。
請求項8の発明によれば、所定量の添加剤が計量タンクで予め正確に計測されるため、例えば一度の給油量が略決まっている場合には、その給油量に見合った量の添加剤を計量タンクで予め計測し、これを単に供給すればよいから、添加剤の供給流量を制御する必要がなく、やはり制御が簡単になる。
また、添加剤タンクから計量タンクへの供給は、添加剤供給手段としての第1開閉弁を開くだけでよく、ヘッド圧により添加剤が流れ落ちて供給される。従って、複雑な構造の添加剤供給手段が不要であり、構造が簡素化されて場積も少なくてよい。
請求項9の発明によれば、請求項1に記載の燃料添加剤供給装置を用いて実現可能であり、請求項1で説明したと同様に、特別な攪拌装置を用いなくとも燃料と添加剤とが良好に混ざり合うようになり、本発明の目的が達成される。
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、第2実施形態以降において、次に説明する第1実施形態と同様な構成部材には同一符号を付し、それらの重複した説明を省略または簡略化する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る燃料添加剤供給装置10の構成を示す模式図である。
燃料添加剤供給装置10は、建設機械等に搭載された燃料タンク1側に添加剤を自動的に供給する装置である。燃料タンク1内の低粘度燃料に添加剤を添加することにより、燃料が燃料ポンプを経てエンジン側に供給された際、コモンレール用に採用された燃料噴射系部品の摺動部分には保護膜が形成され、各部品の耐摩耗性が向上するのである。
具体的に、本実施形態の燃料添加剤供給装置10は、液状の添加剤を貯留するための添加剤タンク11と、燃料の給油口を有した給油管路2の途中に設けられたベンチュリ管12と、添加剤タンク11およびベンチュリ管12とを連通させる連通管路13とを備えた簡易な構造になっている。
なお、給油管路2では、ベンチュリ管12の下流側が拡大管(ディフューザ)になっており、圧力回復を図って圧力損失を抑制している。
給油管路2の給油口には、燃料給油用ノズルガン3のノズル部分が嵌合状態で維持されるカプラ4が設けられ、ノズル部分から噴出する燃料が給油口から漏れ出さないようになっている。
このような燃料添加剤供給装置10においては、ノズルガン3から噴出した燃料の流速が給油管路2のベンチュリ管12部分で増大し、その反面ベンチュリ管12部分での圧力が低下する。このため、添加剤タンク11に貯留された添加剤は、ベンチュリ管12に生じる圧力低下により、連通管路13を通って当該ベンチュリ管12内に吐出し、燃料とともに燃料タンク1に供給される。
すなわち、このベンチュリ管12は、燃料の流速増による圧力低下を利用して、添加剤を添加剤タンク11から燃料タンク1側に自動供給する添加剤供給手段である。また、ノズルガン3から噴射する燃料の流量が一定の場合では、ベンチュリ管12の径寸法によって圧力低下分が規定され、連通管路13から吐出する添加剤の量も規定されるから、ベンチュリ管12は、添加剤の供給量を規定する規定手段でもある。
そして、ベンチュリ管12から供給された添加剤は、噴射された燃料と共に燃料タンク1に流れ込んだ後、その噴射の勢いにより燃料タンク1内で波立つように攪拌され、程よく掻き混ぜられて燃料と良好に混ざり合う。燃料の給油が終了すると、ベンチュリ管12への添加剤の吐出も終了し、燃料への添加が完了する。
なお、供給する添加剤の量は、例えば燃料タンク1内に給油可能な燃料500L(満タン時)に対し、約200ccである。
このような本実施形態によれば、以下の効果がある。
(1)すなわち、燃料添加剤供給装置10では、給油管路2に設けられたベンチュリ管12により、燃料の給油中に添加剤が自動的に供給されるので、燃料タンク1内では、ノズルガン3から噴出させて送り込んだ燃料の勢いで添加剤を確実に攪拌でき、特別な攪拌装置を用いなくとも燃料と添加剤とを良好に混ざり合わせることができる。この点で、給油後に燃料タンクに添加剤を供給したり、容量の小さい混合部に添加剤を供給する従来に比し、確実な混合を実現できるのである。
また、攪拌装置等を不要にできることで、装置の小型化を促進でき、建設機械等に容易に組み込むことができる。
(2)また、ベンチュリ管12は、添加剤の供給量を規定する規定手段としても作用するから、燃料の給油中における添加剤の供給量を確実に規定でき、給油量に応じた添加剤の供給を適切に行って、より正確な混合比で混ざり合わせることができる。
(3)さらに、(1)で述べたように、ベンチュリ管12はそのまま、本発明に係る添加剤供給手段を兼ねることになるため、添加剤供給手段と規定手段とを別々に設ける必要がなく、構成を簡略化でき、製作コストも安価にできる。
〔第2実施形態〕
図2は、本発明の第2実施形態に係る燃料添加剤供給装置10の構成を示す模式図である。
本実施形態では、燃料タンク1のノズルガン挿入部1Aの底部に設けられた自動スイッチ(燃料給油検出手段)14と、添加剤タンク11および燃料タンク1間の連通管路13に設けられた開閉弁(添加剤供給手段)15と、自動スイッチ14から出力されたオン信号に応じて開閉弁15を制御するコントローラ(制御手段)16とを備えて燃料添加剤供給装置10が構成されている。
ここで、自動スイッチ14は蓋状とされているとともに、図示しない任意の弾性部材により通常、挿入部1Aの底側を閉じる方向に付勢され、オン信号が出力しない状態を維持している。ノズルガン3が挿入部1Aに挿入されただけでも、同様である。そして、ノズルガン3が挿入部1Aに挿入された状態において、ノズルガン3から燃料が噴出して自動スイッチ14に降り掛かると、自動スイッチ14が押圧されて開き、燃料タンク1内に燃料が流れ込み、同時にスイッチが入ってオン信号を出力する。
一方、コントローラ16は、そのコンピュータプログラム上において常時、自動スイッチ14からのオン信号の入力を監視しており、オン信号が入力している間、開閉弁15に対して制御信号を出力し、開閉弁15を開ける。
従って、以上の構成の燃料添加剤供給装置10によれば、ノズルガン3を用いた燃料の給油中は、コントローラ16からの制御信号によって開閉弁15が開かれ、添加剤タンク11からは、添加剤がそのヘッド圧によって燃料タンク1内に少量ずつ連続的に供給される。そして、供給された添加剤は、流れ込む燃料の勢いによって攪拌され、燃料と良好に混ざり合う。
本発明によれば、第1実施形態に比して幾分構成が複雑であるが、燃料タンク1内に攪拌装置等を設けるよりも、構成を十分簡素化できる。従って、構成は異なるが、前述した(1)の効果を同様に得ることができる。
(4)また、本実施形態によれば、給油が行われていることを検出する自動スイッチ14が設けられ、ここからの検出信号であるオン信号に基づいてコントローラ16が開閉弁15を制御するため、給油中であることを確実に判断して添加剤を供給できる。このため、添加剤の供給が極端に遅れることがなく、供給不足を防止できる。さらに、給油が終了したのであれば、ノズルガン3が差し込まれているからといって、引き続き添加剤が供給されることがなく、過剰供給も防止できる。
(5)そして、給油時の燃料の流れ中に自動スイッチ14が配置され、燃料が直に当たることでスイッチングするため、給油が行われていることをより確実に検出でき、検出ミスを防止できて信頼性を向上させることができる。
〔第3実施形態〕
図3は、本発明の第3実施形態に係る燃料添加剤供給装置10の構成を示す模式図である。
本実施形態では、燃料タンク1内に設けられたフロート式の油面センサ17、連通管路13に設けられた計量ポンプ18を備えて燃料添加剤供給装置10が構成されている。
油面センサ17は、燃料タンク1内の油面の高さに応じた検出信号をコントローラ16に出力するものである。油面センサ17としては、フロート式のものに限らず、油面までの距離を光の反射によって検出する光学式のものであってもよい。
計量ポンプ18としては、例えばシリンジポンプ等を採用でき、シリンダの一ストローク中に、添加剤タンク11から燃料タンク1側へ送る添加剤の量を計量し、ストロークエンドに達することにより、計量した分の添加剤を吐出する。つまり、計量ポンプ18は、本発明に係る添加剤供給手段と規定手段との両方を兼ねる。
また、本実施形態でのコントローラ16は、油面センサ17の検出信号から、燃料の増加分を判断できるようになっており、その検出信号に基づき、計量ポンプ18の駆動を制御する。
具体的には、自動スイッチ14からのオン信号が入力している状態で、かつ油面センサ17からの検出信号により、燃料タンク1内の油面が所定高さ(例えば数cm)上昇したと判断した時に、コントローラ16は計量ポンプ18に対して駆動信号を出力し、計量ポンプを一ストロークだけ駆動させる。
こうすることにより計量ポンプ18では、燃料の増加分に適合した量の添加剤が計量され、計量された添加剤が計量ポンプ18の駆動スピードに従って燃料タンク1内に供給される。換言すれば、本実施形態での計量ポンプ18では、一ストロークで計量される添加剤の量が燃料増加分に適合するように予め設定されているのである。
添加剤の一回の供給(計量)が終了するとコントローラ16は、計量ポンプ18を駆動せず、油面がさらに所定量だけ増加したと判断した時に、再度駆動する。すなわち、燃料が連続的に給油されるのに対して添加剤は、燃料が所定量増加する度に断続的に供給される。
このような場合、最後に給油された増加分に対しては、添加剤が後から供給されることになるが、それ以前においては、燃料の給油中に添加剤が供給されることになり、本発明に含まれる。また、後から供給される最後の添加剤は、複数回にわたって供給される添加剤の総量の中でも極僅かであるため、建設機械での作業中の揺れ等でも、燃料と確実に混合される。むしろ、一度に大量の添加量を供給する場合に比べると、全体の攪拌状態は良好である。
本実施形態によれば、やはり簡素な構成により、前述した(1)の効果を実現でき、また、計量ポンプ18が添加剤供給手段および規定手段の量として作用することから、構成は異なるが、(2)、(3)の効果を同様に実現できる。そして、第2実施形態と同様な構成により、(4)、(5)の効果を同様に実現できる。さらに、本実施形態特有の構成により、以下の効果がある。
(6)すなわち、コントローラ16で計量ポンプ18を制御することもより、燃料の給油中に添加剤が数回にわたって断続的に供給されるので、一度に大量の添加剤を供給する場合に比して混ざり易く、確実に混合できる。
〔第4実施形態〕
図4は、本発明の第4実施形態に係る燃料添加剤供給装置10の構成を示す模式図である。
本実施形態では、連通管路13の途中で添加剤タンク11の重力方向下方に設けられた所定容量の計量タンク(規定手段)19と、添加剤タンク11および計量タンク19間に設けられた第1開閉弁(添加剤供給手段)20と、計量タンク19および燃料タンク1間に設けられた第2開閉弁(添加剤供給手段)21とを備えて燃料添加剤供給装置10が構成されている。図中の符号22は、エア抜きの配管である。
本実施形態では、給油が行われず、自動スイッチ14からオン信号が出力しない状態になるとコントローラ16は、第2開閉弁21を閉じて第1開閉弁20を開くように制御信号を出力し、添加剤をそのヘッド圧によって計量タンク19に流入させ、添加剤で内部を満たす。一方、給油が開始されるとコントローラ16は、第1開閉弁20を閉じて第2開閉弁21を開き、給油中に計量タンク19内の添加剤を燃料タンク1内に少量ずつ連続的に供給する。給油が終了し、自動スイッチ14からの出力がなくなると再び、第2開閉弁21を閉じて第1開閉弁21を開き、初期状態に戻す。
なお、この際の給油は、例えば燃料が殆ど空の状態から、満タンの状態まで行う時のように、燃料の給油量が略一定(例えば500L)とされる。そして、計量タンク19の容量は、その給油量に見合った添加剤の量(例えば200cc)を勘案して設定される。
このような本実施形態によれば、第1〜第3実施形態の中の略同様な構成を備えていることで、前述した(1)、(2)、(4)、(5)の効果を同様に実現でき、加えて、以下の効果がある。
(7)すなわち、所定量の添加剤が計量タンク19で予め正確に計測されるため、例えば給油の際には常時、燃料タンク1が略空の状態から満タンの状態になるまで行うなど、一度の給油量が略決まっている場合には、その給油量に見合った量の添加剤を計量タンク19で予め計測し、これを単に供給すればよいから、添加剤の供給流量を制御する必要がなく、全体の制御を簡単にできる。
(8)特に本実施形態では、添加剤タンク11から計量タンクへの供給は、第1開閉弁20を開きっぱなしにすればよく、ヘッド圧により添加剤を流れ落として供給できる。従って、複雑な構造の添加剤供給手段を不要にでき、構造を簡素化して場積も少なくでき、建設機械等への搭載も確実に実施できる。
なお、計量タンク19内が添加剤で満たされると、余分な添加剤は配管22に入り込むみ、第2開閉弁21を開いた際には、この配管22に入り込んだ添加剤も燃料タンク1側に供給されることになるが、その量は極僅かであり、問題にならない。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記第2〜第4実施形態では、自動スイッチ14が設けられていることで、給油が開始されたことを自動的に検出できたが、この構成に加えて、図2に代表して示すように、必要に応じて手動スイッチ5を設けてもよい。このような構成では、燃料の給油前に手動スイッチを操作して添加剤を自動供給しておき、この直後に給油することが可能であり、このような場合でも、給油された燃料の勢いで確実に攪拌でき、良好な混合状態を得ることができる。なお、手動スイッチ5からオン信号が出力されている場合には、自動スイッチ14からのオン信号をキャンセルするようにコントローラ16を設定しておくことが必要である。
また、燃料の給油前に添加剤を自動的に供給する手段としては、例えば、燃料が噴出したことで自動スイッチ14からオン信号を出力させるのではなく、ノズルガン3を燃料タンク1の挿入部1Aに挿入した時点でオン信号が出力されるように自動スイッチ14を設けておき、このオン信号により所定量の添加剤の供給を開始させ、供給が終了した直後に燃料を噴出させてもよい。
前記第2実施形態では、連通管路13に開閉弁15のみが設けられていたが、この開閉弁15の下流に圧力補償流量調整弁を設けてもよい。開閉弁15だけの場合には、添加剤タンク11内に貯留された添加剤の量が減ることでヘッド圧も小さくなるため、開閉弁15を通して供給される添加剤の流量が徐々に少なくなり、供給量がばらつく可能性がある。これに対して、圧力補償流量調整弁を設けることにより、圧力が補償されて添加剤の供給流量が一定に維持され、供給量のばらつきを抑制できる。そして、この時の圧力補償流量調整弁は、本発明に係る規定手段となる(請求項6)。
さらに、前記第2実施形態では、給油が開始されて自動スイッチ14がオン信号を出力すると、開閉弁15が開かれて添加剤が供給され、給油の終了と同時に自動スイッチ14からのオン信号が停止し、開閉弁15が閉ざされて添加剤の供給も終了するが、コントローラ16等にタイマ(規定手段)を設けておき、自動スイッチ14がオン信号を出力してから(給油が開始されてから)、タイマにより所定時間計測し、この所定時間の間に必要な量の添加剤を供給してもよい。このような構成は、燃料タンク1が空の状態から満タンにするまで給油することが既知である場合に有効であり、また、所定時間経過後においてはやはり、自動スイッチ14からのオン信号をキャンセルするようにコントローラ16を設定しておくことが必要である。そして、タイマを用いた構成は、請求項7の発明に含まれるのであり、供給される添加剤の供給量は、添加剤の供給時間をタイマで計測するだけで正確に規定されるから、供給量の制御を簡単にできる。
また、タイマを用いることにより、給油中開始後の任意のタイミングで添加剤の供給を開始させたり、所定の時間間隔をおいて複数回に分けて添加剤を供給するといった制御も簡単にできる。
そして、前記第2〜4実施形態では、燃料給油検出手段として、燃料タンク1の挿入部1Aに設けられた自動スイッチ14について記載したが、他の燃料給油検出手段としては、例えばノズルガン3の引き金に連動して給油信号をコントローラ16に無線で出力する発信機であってもよい。そして、このような場合には、建設機械側などに当該給油信号を受信する受信手段を設けておけばよい。ただし、無線に限らず、ノズルガン3から延びたコネクタを建設機械側のコネクタに接続することで、給油信号を有線で出力できるようにしてもよい。そして、この場合でも、ノズルガン3により確実に給油が行われていることを認識できる。
さらに、以上においては、燃料の給油直前に添加剤を供給したり、供給中に添加剤を供給することについて述べたが、給油直前から給油中にかけて添加剤を供給してもよい。要するに、燃料の給油後に添加しなければ本発明に含まれる。
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、各実施形態の主要な構成を任意に組み替えて、前記目的を達成できるようにしてもよい。
従って、上記に開示した形状、数量などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、数量などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明は、例えば油圧ショベル、ホイルローダ、ブルドーザ、モータグレーダ等の建設機械の他、エンジン駆動の定置式の発電機、定置式破砕機、定置式土質改良機等の産業機械、あるいはダンプトラック、自走式破砕機、自走式土質改良機等の産業車両に好適に用いられる。
本発明の第1実施形態に係る燃料添加剤供給装置の構成を示す模式図。 本発明の第2実施形態に係る燃料添加剤供給装置の構成を示す模式図。 本発明の第3実施形態に係る燃料添加剤供給装置の構成を示す模式図。 本発明の第4実施形態に係る燃料添加剤供給装置の構成を示す模式図。
符号の説明
1…燃料タンク、2…給油管路、3…ノズルガン、10…燃料添加剤供給装置、11…添加剤タンク、12…ベンチュリ管(添加剤供給手段、規定手段)、13…連通管路、14…自動スイッチ(燃料給油検出手段)、15…開閉弁(添加剤供給手段)、16…コントローラ(制御手段)、18…計量ポンプ(添加剤供給手段、規定手段)、19…計量タンク(規定手段)、20…第1開閉弁(添加剤供給手段)、21…第2開閉弁(添加剤供給手段)。

Claims (9)

  1. 燃料添加剤供給装置において、
    燃料に添加する添加剤を貯留するための添加剤タンク(11)と、
    燃料タンク(1)への燃料の給油直前および/または給油中に、前記添加剤を前記添加剤タンク(11)から前記燃料タンク(1)側に自動供給する添加剤供給手段(12,15,18,20,21)とを備えている
    ことを特徴とする燃料添加剤供給装置(10)。
  2. 請求項1に記載の燃料添加剤供給装置(10)において、
    前記燃料が連続的に給油される間に、添加剤を断続的に供給するように前記添加剤供給手段(18)を制御する制御手段(16)を備えている
    ことを特徴とする燃料添加剤供給装置(10)。
  3. 請求項1または請求項2に記載の燃料添加剤供給装置(10)において、
    前記燃料タンク(1)への燃料の給油が行われていることを検出する燃料給油検出手段(14)と、
    この燃料給油検出手段(14)からの検出信号に基づいて前記添加剤供給手段(15,18,20,21)を制御する制御手段(16)とを備えている
    ことを特徴とする燃料添加剤供給装置(10)。
  4. 請求項3に記載の燃料添加剤供給装置(10)において、
    前記燃料給油検出手段(14)は、燃料タンク(1)へ挿入された燃料給油用ノズルガン(3)から燃料が吐出することでスイッチングする自動スイッチ(14)である
    ことを特徴とする燃料添加剤供給装置(10)。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の燃料添加剤供給装置(10)において、
    前記燃料タンク(1)と連通した燃料給油用の給油管路(2)、または前記添加剤タンク(11)および前記燃料タンク(1)を連通させる連通管路(13)には、前記添加剤の供給量を規定する規定手段(12,18,19)が設けられている
    ことを特徴とする燃料添加剤供給装置(10)。
  6. 請求項5に記載の燃料添加剤供給装置(10)において、
    前記規定手段は、前記給油管路(2)に設けられて前記添加剤タンク(11)と連通した前記添加剤供給手段兼用のベンチュリ管(12)、前記連通管路(13)に設けられた前記添加剤供給手段兼用の計量ポンプ(18)、前記連通管路(13)に設けられた圧力補償流量調整弁のいずれかである
    ことを特徴とする燃料添加剤供給装置(10)。
  7. 請求項5または請求項6に記載の燃料添加剤供給装置(10)において、
    前記規定手段は、タイマを含んで構成されている
    ことを特徴とする燃料添加剤供給装置(10)。
  8. 請求項5に記載の燃料添加剤供給装置(10)において、
    前記規定手段は、前記添加剤タンク(11)の重力方向下方に設けられた所定容量の計量用タンク(19)で構成され、
    前記添加剤供給手段は、前記添加剤タンク(11)および前記計量用タンク(19)間の管路に設けられた第1開閉弁(20)と、前記計量タンク(19)および前記燃料タンク(1)間の管路に設けられた第2開閉弁(21)とで構成されており、
    前記添加剤を供給しない時には、前記第1開閉弁(20)を開くとともに、前記第2開閉弁(21)を閉じ、前記添加剤を供給する時には、前記第1開閉弁(20)を閉じるとともに、前記第2開閉弁(21)を開くように制御する制御手段(16)が設けられている
    ことを特徴とする燃料添加剤供給装置(10)。
  9. 燃料添加剤供給装置を用いて添加剤を供給する方法において、
    燃料に添加する添加剤を貯留するための添加剤タンク(11)と、前記添加剤を前記添加剤タンク(11)から前記燃料タンク(1)側に供給する添加剤供給手段(12,15,18,20,21)とを備えた燃料添加剤供給装置(10)を用い、燃料タンク(1)への燃料の給油直前および/または給油中に、前記添加剤を前記燃料タンク(1)側に自動供給する
    ことを特徴とする燃料添加剤供給装置(10)を用いて添加剤を供給する方法。
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